以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明に係る画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
図1および図2において、画像形成装置は、文字等の画像を作成・出力するパーソナルコンピュータPCなどの外部装置に接続して利用するプリンタであり、この画像形成装置は、画像形成する文字等の画像データを受け取って電子写真方式により記録用紙(記録媒体)の一面側または両面側に記録形成する画像記録装置10と、積載する複数枚の記録用紙をこの画像記録装置10に搬送するとともに画像を記録形成されたその記録用紙を装置外に搬出して積載する用紙搬送装置30と、これら画像記録装置10および用紙搬送装置30を統括制御する制御ユニット40と、を備えることにより記録用紙に画像を形成してプリントアウトする。
画像記録装置10は、簡単に説明すると、画像データに基づいてレーザ光Lを走査するレーザ光走査装置11と、このレーザ光走査装置11からのレーザ光Lを照射・走査されて画像データに基づく静電潜像が表面に露光・形成される感光体ドラム(第1担持体)12と、レーザ光Lの照射により静電潜像を形成可能に感光体ドラム12の外周表面を帯電させる帯電器13と、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)のトナーを収容するとともにその収容トナーを摩擦帯電させて選択的に付着(担持)させることにより感光体ドラム12表面の静電潜像をトナー現像する各色毎の現像カートリッジ14(1箇所のみ図示)と、この現像カートリッジ14をその各色毎の設置空間15a内に収納して回転軸15bを中心に回転する現像ロータリーユニット15と、感光体ドラム12上で現像されたトナー像を一次転写されて受け取ることにより記録用紙上に転写記録可能なトナー画像(モノクロ画像あるいはカラー画像)を形成して担持する中間転写ベルト(第2担持体)16と、搬送されてきた記録用紙を中間転写ベルト16との間で挟むように圧接(ニップ)することによりその中間転写ベルト16が担持するトナー像を転写させるとともにその記録用紙を挟持しつつ下流へと搬送する転写ローラ17と、トナー像を転写されて搬送されてきた記録用紙を加熱圧接することによりそのトナー画像を定着させるとともにその記録用紙をさらに下流側へと挟持搬送する定着ローラ対18と、感光体ドラム12の表面上に残留するトナーをクリーナブレード19aにより回収して貯留する現像側クリーナユニット19と、中間転写ベルト16の表面上に残留するトナーをクリーナブレード22により回収して貯留する転写側クリーナユニット21と、現像ロータリーユニット15の外周面側を覆うように配置された排気ダクト24a、24bを介して吸気ファンFが特に感光体ドラム12(現像ローラ14a)の回転方向下流側を吸引することにより周囲に飛散するトナーをその排気ダクト24a、24bの間に介装されているフィルタ25で捕集する排気ユニット26と、を備えている。
これにより、画像記録装置10は、レーザ光走査装置11により感光体ドラム12表面に形成された画像データに基づく静電潜像を、その画像データに応じて切り換えられた現像ロータリーユニット15内の現像カートリッジ14がトナー現像するようになっており、この後に、その感光体ドラム12上のトナー像を、中間転写ベルト16に一次転写して用紙搬送装置30により搬送されてきた記録用紙に二次転写して記録した後に定着ローラ対18が加熱圧接して定着させることにより画像形成する。このとき、例えば、現像ロータリーユニット15がイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを収容する現像カートリッジ14を収納されている場合には、感光体ドラム12上の静電潜像を現像するトナーの色を切り換えることにより、受け取った画像データに基づいてその各色のトナーを色重ねしたり選択してカラー画像から単色画像までを記録用紙に印字形成することができる。また、現像ロータリーユニット15がすべての現像カートリッジ14内に同色の、例えば、ブラック(K)のトナーを収容する現像カートリッジ14を収納されている場合には、感光体ドラム12上の静電潜像を現像する現像カートリッジ14を順次に切り換えてモノクロ画像を記録用紙に連続印字して形成する専用機として利用することができる。
用紙搬送装置30は、簡単に説明すると、装置本体下部に着脱可能にセットされて複数枚の記録用紙を積載する用紙カセット31と、この用紙カセット31の底面の昇降板31aにより上昇された記録用紙束に圧接して回転することにより最上の記録用紙を引き出して搬送経路fへと送り出すピックアップローラ32と、このピックアップローラ32により送り出されてきた記録用紙を受け取ってさらに下流の搬送経路fへと挟持搬送する中継搬送ローラ対33a、33bと、この中継搬送ローラ対33a、33bが搬送する搬送経路f内の記録用紙を受け取って画像記録装置10の中間転写ベルト16および転写ローラ17による画像の記録形成位置に挟持搬送するレジストローラ対34と、このレジストローラ対34から中間転写ベルト16および転写ローラ17の間や定着ローラ対18間を経る搬送経路fを搬送されることにより一面側に定着画像が形成された記録用紙を受け取って装置本体上部の排紙テーブル39上に搬出・排紙して積載する排紙ローラ対35a、35bと、を備えている。なお、画像記録装置の中間転写ベルト16および転写ローラ17や、定着ローラ対18は、記録用紙を搬送する機能も備えることから、この用紙搬送装置30の一部をも構成している。
これにより、用紙搬送装置30は、用紙カセット31内からピックアップローラ32により引き出された記録用紙を、中継搬送ローラ対33a、33bを介してレジストローラ対34に受け渡した後に、そのレジストローラ対34が画像記録装置10の動作に同期するように、中間転写ベルト16と転写ローラ17が圧接する画像の記録形成位置に給紙するようになっており、その中間転写ベルト16上のトナー像を転写記録して定着ローラ対18により定着させた記録用紙を、排紙ローラ対35a、35bが受け取って排紙テーブル39上に搬出・排紙して積載する。
ここで、この用紙搬送装置30は、一面側に画像形成された記録用紙を反転させてレジストローラ対34の上流側の搬送経路fに送り出すための再搬送経路rおよびその経路rに配設された中間搬送ローラ対37を備えており、排紙ローラ対35a、35bが反転することにより再搬送経路r内に送られてきた記録用紙を中間搬送ローラ対37が受け取ってレジストローラ対34に受け渡すことにより、記録用紙の両面に画像形成することができる。また、この用紙搬送装置30は、手差しする記録用紙をレジストローラ対34の上流側の搬送経路fに送り出すための手差し経路mおよびその経路mに配設された手差し給送ローラ対38を備えており、その手差し経路m内に差し込まれた記録用紙を手差し給送ローラ対38が受け取ってレジストローラ対34に受け渡すことにより、記録用紙の片面または両面に画像形成することができる。
制御ユニット40は、簡単に説明すると、不図示のCPUがメモリ内に格納されている処理プログラムに従って各種処理手順を実行することによりパーソナルコンピュータPCのプリンタドライバとの間で印字命令などの各種情報をやり取りするとともに記録用紙に画像形成するテキスト等の画像データを受け取って不図示のメモリ内に一時記憶しつつ各種処理を行うコントローラ部41と、CPU42がROM43内に格納されている制御プログラムに従ってコントローラ部41から例えば、ページ単位で画像データを受け取って本体メモリ44内に一時記憶するのと並行してRAM45をワークエリアとして使用しつつ画像記録装置10および用紙搬送装置30との間で各種情報をやり取りすることによりその画像データに基づく画像を記録用紙に形成するエンジン制御部46と、が装置本体内に搭載される回路基板上に構築されている。
これにより、制御ユニット40は、パーソナルコンピュータPCから受け取る画像データ(画像情報信号)がレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の所謂、RGBデータであることから、コントローラ部41がこれらを印刷可能なイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の所謂、YMCKデータの画像データに変換しつつ、例えば、ページ単位にメモリ内から読み出してエンジン制御部46に受け渡し、このエンジン制御部46がその画像データに基づいて画像記録装置10および用紙搬送装置30を制御することにより記録用紙に画像形成する。
なお、この制御ユニット40は、CPU42が内蔵するタイマー機能42aを利用して各種処理時間などを計時することにより装置各部を最適に動作させてこの画像形成制御を実行するようになっており、画像記録装置10および用紙搬送装置30と、コントローラ部41やエンジン制御部46との間で各種情報をやり取り可能にI/Oインターフェース47を介して接続されているとともに、エンジン制御部46が画像記録装置10および用紙搬送装置30とコントローラ部41との間でやり取りするその各種情報をそれぞれで処理することができるようにデジタル信号(D)をアナログ信号(A)に変換したりアナログ信号をデジタル信号に変換するD/Aコンバータ48およびA/Dコンバータ49を備えている。
そして、この画像形成装置では、感光体ドラム12表面のトナー像を中間転写ベルト16を介して記録用紙に転写する構成を採用していることから、この中間転写ベルト16でも感光体ドラム12と同様に高精度に形成したトナー像を高品質に担持して記録用紙に転写する必要がある。このことから、図3(a)に示すように、中間転写ベルト16は、ベルト本体16aと抵抗体層16bとの間の全面に導電層16cが形成されているとともに、その側辺側の抵抗体層16bに代えてその導電層16cに電気的に導通する電極部16dが全周に亘って形成されて露出しており、現像カートリッジ14における摩擦帯電でマイナス電位に帯電されるトナーを積極的に吸着(付着)するように、その電極部16dに電極ローラ51が圧接接触してプラス電圧を印加されることにより、全面に亘ってムラなくトナーを保持することができるように設計されている。なお、この中間転写ベルト16が一次転写ローラ52に背面側から押圧されて感光体ドラム12に圧接することから、感光体ドラム12は、中間転写ベルト16の側辺側で露出する電極部16dが導電部12a表面の感光体層12bに接触することになり、その感光体層12bにピンホールなどが存在すると本来絶縁されている中間転写ベルト16との間で電流のリークが発生してしまう恐れがあるので、その電極部16dとの間に十分な面積で介在することのできる絶縁部12cが全周に亘って形成されている。
また、この画像形成装置では、中間転写ベルト16が担持するトナー像の品質が記録用紙に形成する画像品質に影響するので、記録用紙への転写前のトナー像から現像品質や転写品質を確認するために、そのトナー像の濃度を任意のタイミングにチェックするように設計されている。例えば、転写ローラ17から離隔する側のバックアップローラ(プーリ)53への巻き掛け箇所で中間転写ベルト16に検出部27a(図5を参照)を対面させるように、反射型のフォトセンサからなる、所謂、パッチセンサ27が配置されて制御ユニット40のエンジン制御部46に接続されており、そのエンジン制御部46のCPU42は、中間転写ベルト16表面の転写面(トナー像)に向けて光を出射して、その転写面上のトナー像による反射光を光電変換したパッチセンサ27からの検出信号に基づいて現像カートリッジ14により感光体ドラム12上に形成したトナー像(中間転写ベルト16上のトナー像)の濃度(トナーによる被覆率)を評価して各種条件を調整する。
すなわち、エンジン制御部46のCPU42は、電源投入時や現像カートリッジ14の交換時などに、予め準備されているパッチ画像データに基づいて形成・転写された中間転写ベルト16表面のトナー像の濃度をパッチセンサ27により検出し、この後に、そのトナー像の濃度の検出情報に基づいて電源部28から感光体ドラム12間や中間転写ベルト16間に供給するバイアス電圧等を変化させて感光体ドラム12表面の静電潜像の現像濃度や転写品質等を調整するなどして画像品質を一定以上に維持する。なお、この濃度検出の終了したパッチ画像のトナー像は、記録用紙に転写記録される前に、転写側クリーナユニット21のクリーナブレード22により掻き取られて回収される。ここで、この電源部28の配設位置は、図示する位置に限るものではなく、他の位置に配置したり、分散配置しても良いことは言うまでもない。
ところで、この画像形成装置では、感光体ドラム12表面のトナー像を中間転写ベルト16を介して記録用紙に転写する構成を採用していることから、図4に示すように、その中間転写ベルト16の一側辺側で平面方向外方に突出する突片(所謂、シム)16eが配設されており、この突片16eを近接センサ29が一回転毎に検出することにより、エンジン制御部46のCPU42が感光体ドラム12の回転動作や記録用紙の搬送動作と中間転写ベルト16の回転動作とを同期させるように装置各部10、30を制御する。なお、この中間転写ベルト16が循環回転するのに対して、現像ロータリーユニット15は、特に、カラー画像を形成する際には、トナー像を現像する現像カートリッジ14を順次に切り換える必要がある。このため、中間転写ベルト16は、記録用紙のサイズ、例えば、A4サイズの一枚取りの装置では(二枚取り以上の装置でもよいことはいうまでもない)その長辺の長さ分よりも大き目の長さに設定されて、その記録用紙に転写するトナー像を担持するのに対して、現像ロータリーユニット15は、その中間転写ベルト16上のA4サイズのトナー像の後端と先端との間が回転移動する間に(記録用紙の画像形成領域の後端と先端との間、所謂、紙間期間tの間に)現像カートリッジ14の切換動作を完了させる。
ここで、現像側クリーナユニット19では、感光体ドラム12表面の静電潜像を現像したトナー像が連続して中間転写ベルト16に受け渡される(一次転写される)ことから、その中間転写ベルト16への転写後に感光体ドラム12表面に残留するトナーを常時クリーナブレード19aにより掻き取って清浄にすることがその静電潜像を高精度に形成して高品質なトナー像を形成するのに重要である。すなわち、この現像側クリーナユニット19では、クリーナブレード19aが感光体ドラム12の表面に常時摺接することにより残留トナーを掻き取って不図示のクリーナハウジング内に回収するように設計されており、この掻き取られた残留トナーが浮遊して外部に漏れてしまわないようにクリーナブレード19aの上流側の感光体ドラム12表面には可撓性を有するシール部材19bが摺接してクリーナハウジングの回収空間が閉塞されている。
一方、転写側クリーナユニット21では、感光体ドラム12表面から一次転写された中間転写ベルト16表面のトナー像が記録用紙に二次転写される前まで担持されることから、特に、カラー画像を形成する場合には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを色重ねなどするために、その中間転写ベルト16表面のトナー像を記録用紙に二次転写するまで掻き取ることなく巡廻することを許容するように動作するようにエンジン制御部46のCPU42により駆動制御される。すなわち、この転写側クリーナユニット21では、予め設定されているタイミング期間には、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面からトナー像を掻き取ってしまわないように離間したり、その中間転写ベルト16表面に当接して摺接することにより残留トナーを掻き取ってクリーナハウジング63(図5を参照)内に回収するように設計されており、同様に、この掻き取られた残留トナーが浮遊して外部に漏れてしまわないようにクリーナブレード22の上流側の中間転写ベルト16表面にも可撓性を有するシール部材23が離当接(摺接)してクリーナハウジング63の回収空間を閉塞する。なお、モノクロ画像を連続して形成するときにも、クリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面から離間して、設定枚数の処理が終了したタイミングにその中間転写ベルト16表面に当接して残留トナーを掻き取り回収するように設計される場合もある。
このような転写側クリーナユニット21では、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面から残留トナーを掻き取る際に、そのトナーがクリーナハウジング63内で撒き上がる、所謂、トナークラウドが一時的に発生するが、このトナークラウドの浮遊トナーがある程度の時間が経過することにより降下して落ち着くことにより、そのクリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16の表面から離間しても、クリーナハウジング63内から浮遊トナーが漏れ出てしまうことはない。しかるに、このクリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面に当接して残留トナーを掻き取ってから離間するまでに、その残留トナーのトナークライドが落ち着くまでの期間として、画像処理の高速化に伴って各種動作の切換時間に余裕がなくなって十分な時間を確保することができなくなると、クリーナブレード22の摺接により撒き上がった浮遊トナーのトナークラウドが落ち着く前にそのクリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面から離間するのに伴って、クリーナブレード22やシール部材23がクリーナハウジング63内に向って回動することによる瞬間的な圧力上昇が発生して外部に噴出する気流が生じるなどして、そのクリーナハウジング63内から浮遊トナーが漏れ出てしまう恐れがある。特に、パッチ画像のトナー像や記録用紙が詰まってしまうジャムエラーが発生した際のトナー像は、記録用紙に転写されることなく転写側クリーナユニット21で中間転写ベルト16表面から除去・回収されることから、このときには大量のトナークラウドが発生して多量の浮遊トナーが漏れてしまう恐れがある。
そこで、この転写側クリーナユニット21には、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面に摺接することにより撒き上がるクリーナハウジング63内のトナークラウドの浮遊トナーを強制的に減少させることによって、その中間転写ベルト16表面の残留トナーを確実に除去・回収しつつ、クリーナブレード22やシール部材23がその中間転写ベルト16表面から離間してもトナークラウドの浮遊トナーがクリーナハウジング63内から漏れ出てしまうことをなくす機能が付加されている。
具体的には、転写側クリーナユニット21は、図5に示すように、クリーナブレード22を支持しつつ中間転写ベルト16表面に接離させるように動作するブレード支持部材61と、シール部材23を支持しつつ中間転写ベルト16表面に接離させるように動作するシール支持部材62と、中間転写ベルト16の表面から除去された残留トナーの回収空間を画成するクリーナハウジング63と、を備えて構成されており、これら各種部材61〜63は、転写ローラ17から離隔する側のバックアップローラ53に巻き掛けられている中間転写ベルト16に対面するように設置されているパッチセンサ27よりもその中間転写ベルト16の回転方向に対して下流側に配設されている。
ブレード支持部材61は、先端部が自由に揺動できるようにクリーナブレード22の基端側を固設されて支持しており、そのクリーナブレード22の先端角部22aを中間転写ベルト16の表面に当接または離隔させる方向に回動させるように不図示の回動軸に軸支されている。このクリーナブレード22は、バックアップローラ53に巻き掛けられている中間転写ベルト16の図5中最左端面よりも下側の表面に対して、先端角部22aがその回転に対して突き当たる姿勢で摺接することにより、その中間転写ベルト16表面の残留トナーを掻き取る際に撒き上げてトナークラウドを発生させる。
シール支持部材62は、同様に、先端側が自由に揺動できるようにシール部材23の基端側を貼付されて支持しており、ブレード支持部材61と同様に、そのシール部材23の先端側をバックアップローラ53に巻き掛けられている中間転写ベルト16の図5中最左端面付近から下側の表面にその回転に対して倣う姿勢で当接または離間させる方向に回動させるように不図示の回動軸に軸支されている。
クリーナハウジング63は、中間転写ベルト16表面からクリーナブレード22により掻き取られた残留トナーが零れ落ちる側に配設されてその残留トナーの回収空間を画成するように作製されており、そのクリーナブレード22を支持するブレード支持部材61や、シール部材23を支持するシール支持部材62との間に、例えば、弾性変形するスポンジ材料などが介装されることにより、これらの回動動作に拘わらずに回収したトナーが漏れてしまう隙間が埋められている。すなわち、このブレード支持部材61とシール支持部材62は、クリーナハウジング63を画成するハウジング画成部材63aの一部を構成している。なお、このクリーナハウジング63の下部には、回収空間が回収したトナーにより一杯になって溢れてしまわないように、予め設定されているタイミングにスクリュー回転することにより回収したトナーを不図示のタンク内などに搬送する搬送スクリューが配置されている。
そして、この転写側クリーナユニット21では、クリーナブレード22、シール部材23およびブレード支持部材63がクリーナハウジング63の外面を画成するハウジング画成部材63aの一部を構成しており、シール部材23を支持するシール支持部材62には、中間転写ベルト16の幅方向に延在する吸気口65が開口しているとともに、そのシール部材23の背面側壁面に位置するハウジング画成部材63aの上部側にも、同様に、中間転写ベルト16の幅方向に延在する排気口66が開口している。また、この排気口66の開口するハウジング画成部材63aには、外面部材67が対面するように配設されることにより、排気ユニット26のフィルタ25前段側の排気ダクト24aに連通する排気経路24cが形成されており、このクリーナハウジング63は、フィルタ25を介して吸気ファンFにより空気(気体)が引かれて流れる気流流路の排気経路24cに排気口67を介して連通している。
すなわち、吸気口65は、中間転写ベルト16表面の回転方向におけるクリーナハウジング63内への入口側近傍に配置されているシール支持部材62に開口しているとともに、排気口66は、中間転写ベルト16表面の接線からその吸気口65を連続させた延長方向のハウジング画成部材63a(その接線が交差する側壁位置)に開口している。
ここで、中間転写ベルト16の表面近傍には、その表面の回転動作により空気が引き摺られて回転する気流が生じており、この気流はパッチセンサ27のセンサ支持部材68の端辺68aとの隙間から回り込んで、その表面の残留トナーと共にシール部材23を押し上げるようにしてクリーナハウジング63内に進入したり、シール支持部材62の上面側を流れる。このパッチセンサ27のセンサ支持部材68の端辺68aは、中間転写ベルト16表面に近接する状態でその幅方向に延在することにより遮蔽板として機能するように設計されており、このパッチセンサ27と吸気口65との間の中間転写ベルト16表面上の経路を狭めて絞ることにより、中間転写ベルト16表面に引き摺られて吸気口65側に進入する気流を一定量に安定させる。
これにより、中間転写ベルト16表面に引き摺られてセンサ支持部材68の端辺68aとの間の隙間に進入する気流は、安定した気流となって、その大部分がシール支持部材62の上面を流れて中間転写ベルト16表面に隣接する吸気口65からクリーナハウジング63内に流入した後に、その進行方向にストレスなく進むことによりクリーナハウジング63内の内圧を上昇させることなく、ハウジング画成部材63aの排気口66から排気経路24cに流出して、排気ユニット26のフィルタ25を介するように吸気ファンFにより引かれる。
また、中間転写ベルト16表面に引き摺られてセンサ支持部材68の端辺68aとの間の隙間を経由してシール部材23との摺接位置を越えてクリーナハウジング63内に進入した気流は、従来には、そのクリーナハウジング63内の内圧を上昇させるように作用するが、ここでは、吸気口65側から排気口66に向かう気流が存在するので、その排気口66から流出して内圧を上昇させることがない。
このため、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間させるために、クリーナハウジング63内の容積を減少させるようにシール支持部材62が回動したとしても、そのクリーナハウジング63内に瞬間的に大きな圧力変動が発生することを回避することができ、その圧力変動による圧力上昇で中間転写ベルト16表面からシール部材23が離間する隙間から、クリーナハウジング63内の空気やトナークラウド(浮遊トナー)を噴出させてしまうことを回避することができる。
なお、この吸気口65は、空気が自由に出入可能に開口していることからクリーナハウジング63内のトナークラウドの浮遊トナーも構造上からは流出可能であるが(現実的には吸気口65から空気が流入するので流出することは難しいが)、その浮遊トナーは、パッチセンサ27の検出部27a側に進行しようとしても、そのセンサ支持部材68の端辺68aとの間の隙間には中間転写ベルト16表面に引き摺られた気流が進入することから、吸気口65側に戻されたり、中間転写ベルト16表面に付着してクリーナハウジング63内でクリーナブレード22により掻き取られる。
また、クリーナブレード22は、図6に示すように、中間転写ベルト16表面に先端角部22aをその表面の回転方向に突き当たる姿勢で摺接させていることから、その先端角部22aが互いの摩擦力で後退されることにより短縮した後に伸長することにより前進する挙動、所謂、スティックスリップを繰り返しており、そのスティックスリップにより中間転写ベルト16表面に付着する残留トナーを掻き飛ばす(撒き上げる)ことによって、クリーナハウジング63内にトナーが浮遊している状態のトナークラウドが発生する。このことから、クリーナブレード22により掻き飛ばされたトナーは、その先端面である掻取面22bに対向する方向、すなわち、先端角部22aが摺接する位置における中間転写ベルト16表面の接線T方向に飛翔することになり、そのトナーは、その中間転写ベルト16表面と先端角部22a側の側面22cとの間の挟角である、所謂、クリーナ角αをその接線Tの外側(中間転写ベルト16表面から離隔する側)に加えた範囲内に主に飛翔するので、シール支持部材62の吸気口65は、そのトナーの飛翔方向を少なくとも含む範囲(飛翔方向と交差する範囲)で開口して、そのトナーの飛翔方向が排気口66への気流の経路内に入るように設計されている。
なお、このシール支持部材62の吸気口65は、ここでは、近傍のシール部材23が中間転写ベルト16の表面に近接していることから、接線Tの外側にクリーナ角αを加えた範囲で開口するように設定されているが、これに限るものではなく、その構造に応じて設定すれば良く、例えば、その接線Tからクリーナ角α分だけ内側に減らした範囲で開口させる場合もあり、また、その接線Tの外側と内側にクリーナ角α分だけ加減した範囲で開口させることができる場合には、その方が確実にトナーの飛翔方向をカバーすることができて好ましいことは言うまでもない。
これにより、転写側クリーナユニット21では、クリーナブレード22が中間転写ベルト16表面に摺接することにより撒き上がるトナークラウドのトナーが飛翔する方向に吸気口65から排気口66に流れる気流経路が存在しているので、その気流にトナーを乗せて排気口66から排出させることができ、そのトナーは排気ユニット26の排気経路24cを介してフィルタ25の方向に引かれて捕捉される。この結果、クリーナハウジング63内で浮遊して滞留するトナークラウド(浮遊トナー)の量を減らすことができ、中間転写ベルト16表面からクリーナブレード22やシール部材23が離間したとしても、大量のトナークラウドの浮遊トナーが漏れ出てしまうことをなくすことができる。なお、ここでは、排気ユニット26のフィルタ25にトナーを捕捉させるように設計する場合を説明するが、これに限るものではなく、その排気口66にフィルタを配設して流れてきたトナーをそのまま捕捉させるようにしてもよい。
また、この吸気口65は、シール支持部材62に開口していることから、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間させるために、クリーナハウジング63内の容積を減少させるようにそのシール支持部材62が回動したとしても、そのクリーナハウジング63内の空気を効果的に通過させて(逃がして)瞬間的に大きな圧力変動が発生することを回避することができ、その圧力変動による圧力上昇で中間転写ベルト16表面からシール部材23が離間した隙間から、クリーナハウジング63内の空気やトナークラウド(浮遊トナー)を噴出させてしまうことを回避することができる。
さらに、排気口66は、排気ユニット26の排気ダクト24aに連通する排気経路24cとの間で自由な空気の通過を許容するように開口していることから、クリーナハウジング63内を負圧傾向にすることができ、シール部材23を中間転写ベルト16表面から離間させるために、クリーナハウジング63内の容積を減少させるようにそのシール支持部材62が回動したとしても、そのクリーナハウジング63内の圧力を瞬間的に外部よりも極端に高くしてしまうことを回避することができ、そのような圧力上昇で中間転写ベルト16表面からシール部材23が離間した隙間から、クリーナハウジング63内の空気やトナークラウド(浮遊トナー)を噴出させてしまうことを回避することができる。
したがって、クリーナハウジング63内のトナークラウドを効果的に捕集することができるとともに、クリーナブレード22やシール部材23が中間転写ベルト16表面から離間しても、そのトナークラウドの浮遊トナーがクリーナハウジング63外に漏れ出てしまうことを制限することができ、パッチセンサ27や中間転写ベルト16表面まで浮遊トナーが至ることを防止して、その検出部27aなどが付着汚染されてしまうことを未然に回避することができる。
このように本実施形態においては、クリーナハウジング63内に吸気口65から排気口66に向かって流れる気流を形成することにより、中間転写ベルト16表面にクリーナブレード22が摺接することにより発生するクリーナハウジング63内のトナークラウドの浮遊トナーを、その気流に向かって飛翔させて一緒にその排気口66から排気ユニット26の排気経路24c内に排出してフィルタ25に捕捉させることができるとともに、クリーナハウジング63内の急激な圧力変動(上昇)の発生を防止して、そのクリーナハウジング63内の浮遊トナーがクリーナブレード22やシール部材23の中間転写ベルト16表面からの離間時に噴出してしまうことを防止することができる。したがって、周囲の装置各部に浮遊トナーが付着して汚染してしまうことがなく、例えば、パッチセンサ27の検出部27aに付着することにより正確なトナー濃度が検出不能になることによって、また、中間転写ベルト16の画像形成領域に付着・残留して混色を発生させることによって、画像品質を低下させてしまったり、転写側クリーナユニット21の周囲に浮遊トナーが付着することによりメンテナンス作業を難しくしてしまうことを回避することができる。
次に、図7は本発明に係る画像形成装置の第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態では、上述第1実施形態と略同様に構成されていることから、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
図7において、この画像形成装置の転写側クリーナユニット21は、シール支持部材(ハウジング画成部材)62に取込板71が連設されており、この取込板71は、吸気口65のシール部材23から離隔する側の縁部より中間転写ベルト16表面の接線と略平行になるように、言い換えると、その吸気口65から排気口66を連続させた延長方向と略平行になって、中間転写ベルト16表面に引き摺られてきた気流を吸気口65からクリーナハウジング63内に取り込んで排気口66に向うように整流して案内するように、シール支持部材62に連設されている。
これにより、この転写側クリーナユニット21では、中間転写ベルト16表面に引き摺られてパッチセンサ27のセンサ支持部材68の端辺68aとの間の隙間を介してシール支持部材62の上面側に流れる気流のほとんどを、吸気口65内に案内することができ、その吸気口65から排気口66に向って流れる気流をより安定した流れにすることができる。このため、クリーナハウジング63内の内圧を安定させて圧力変動が生じることをより信頼性高く回避しつつ、中間転写ベルト16表面から掻き取って飛翔されたトナーをその気流に乗せて排気口66から排出してフィルタ25に捕捉させることができる。
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、中間転写ベルト16表面を流れる空気を取込板71によりクリーナハウジング63内に積極的に取り込んで排気口66から排気する気流を安定させることができ、クリーナハウジング63内に発生するトナークラウドの浮遊トナーをその気流に乗せて効率よく排出して排気ユニット26のフィルタ25に捕捉させるとともに、そのクリーナハウジング63内の急激な圧力変動(上昇)の発生を防止してクリーナブレード22などの離間時にその浮遊トナーが噴出してしまうことを防止することができる。したがって、クリーナハウジング63内の浮遊トナーが外部に漏れることにより発生する画像品質の低下やメンテナンスの作業性低下などをより信頼性高く回避することができる。
次に、図8は本発明に係る画像形成装置の第3実施形態を示す図である。
図8において、この画像形成装置の転写側クリーナユニット21は、パッチセンサ27のセンサ支持部材68に整流板72が連設されており、この整流板72は、シール支持部材62よりも中間転写ベルト16表面から離隔するハウジング画成部材63aの角部63bからその中間転写ベルト16表面の接線と平行になるように、言い換えると、吸気口65から排気口66を連続させた延長方向と平行になってその中間転写ベルト16表面に沿う姿勢になるようにセンサ支持部材68に連設されている。なお、この整流板72とハウジング画成部材63aの角部63bとの間には、その間の隙間を埋めるように、例えば、スポンジ材料73が設置されており、その間に取り込んでシール支持部材62の上面を流れる気流の多くが漏れてしまうことを防止している。
これにより、この転写側クリーナユニット21では、中間転写ベルト16表面に引き摺られてセンサ支持部材68の端辺68aとの間の隙間を介してシール支持部材62の上面を流れる気流のほとんど全てを、吸気口65内に案内することができ、その吸気口65から排気口66に流れる気流をより安定した流れにすることができる。このため、クリーナハウジング63内の内圧を安定させることができ、その内部に圧力変動が生じることをより信頼性高く回避しつつ中間転写ベルト16表面から掻き取って飛翔されたトナーをその気流に乗せて排気口66から排出してフィルタ25に捕捉させることができる。
また、この整流板72は、センサ支持部材68に連設して支持させているので、センサ支持部材68の一部として取り付けることができ、別個に設計・取付する場合よりも安価に設置することができる。
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、中間転写ベルト16表面に引き摺られて流れる空気を整流板72によりクリーナハウジング63内に積極的に取り込んで排気口66から安定して排気することができ、クリーナハウジング63内に発生するトナークラウドの浮遊トナーをその気流に乗せて効率よく排出して排気ユニット26のフィルタ25に捕捉させるとともに、そのクリーナハウジング63内の急激な圧力変動(上昇)の発生を防止してクリーナブレード22などの離間時にその浮遊トナーが噴出してしまうことを防止することができる。したがって、クリーナハウジング63内の浮遊トナーが外部に漏れることにより発生する画像品質の低下やメンテナンスの作業性低下などをより信頼性高く回避することができる。
10……画像記録装置 11……レーザ光走査装置 12……感光体ドラム 13……帯電器 14……現像カートリッジ 14a……現像ローラ 15……現像ロータリーユニット 16……中間転写ベルト 16e……突片 17……転写ローラ 18……定着ローラ対 19……現像側クリーナユニット 19a、22……クリーナブレード 19b、23……シール部材 21……転写側クリーナユニット 22a……先端角部 22b……掻取面 24a、24b……排気ダクト 24c……排気経路 25……フィルタ 26……排気ユニット 27……パッチセンサ 27a……検出部 29……近接センサ 30……用紙搬送装置 31……用紙カセット 32……ピックアップローラ 34……レジストローラ対 37……中間搬送ローラ対 38……給送ローラ対 39……排紙テーブル 40……制御ユニット 41……コントローラ部 42……CPU 46……エンジン制御部 61……ブレード支持部材 62……シール支持部材 63……クリーナハウジング 63a……ハウジング画成部材 65……吸気口 66……排気口 67……外面部材 68……センサ支持部材 68a……端辺 71……取込板 72……整流板 F……吸気ファン T……接線 α……クリーナ角