JP2007101659A - 半透過型液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の基板および前記基板間に挟持された液晶層を有する液晶セルと、前記液晶セルのそれぞれの外側に配置された偏光板および光学異方性層とを有し、画素ごとに反射表示用の領域と透過表示用の領域を備えた半透過型液晶表示装置において、視認側に配置される光学異方性層の光学特性が数式1を満たし、かつバックライト側に配置される光学異方性層の光学特性が数式2を満たす半透過型液晶表示装置。
(数式1)
25nm<Re1<55nm、100nm<Rth1<400nm
(数式2)
33nm<Re2<63nm、100nm<Rth2<500nm
Re1、Re2:面内レタデーション
Rth1、Rth2:厚み方向のレタデーション
【選択図】なし
Description
しかし、特許文献7記載の技術は、反射領域での液晶分子の配向が、一方の電極側で垂直配向となっているため、反射領域での配向膜の特性は透過領域での配向膜の特性とは異なる。
したがってこのような特性の配向膜を形成するためには、一度透過領域を全て形成した後、反射領域のみ塗る2度塗りを行うか、透過領域と反射領域の塗り分けが必要となり、コストアップにつながることとなる。
[1]
一対の基板および前記基板間に挟持された液晶層を有する液晶セルと、前記液晶セルのそれぞれの外側に配置された偏光板および光学異方性層とを有し、画素ごとに反射表示用の領域と透過表示用の領域を備えた半透過型液晶表示装置において、視認側に配置される光学異方性層の光学特性が下記数式1を満たし、かつバックライト側に配置される光学異方性層の光学特性が下記数式2を満たすことを特徴とする半透過型液晶表示装置。
(数式1)
25nm<Re1<55nm、100nm<Rth1<400nm
(数式2)
33nm<Re2<63nm、100nm<Rth2<500nm
ただし、Re1およびRth1は、視認側に配置される光学異方性層の面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションを、Re2およびRth2はバックライト側に配置される光学異方性層の面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションをいう。
[2]
前記光学異方性層がディスコティック液晶からなることを特徴とする[1]に記載の半透過型液晶表示装置。
[3]
前記偏光板が偏光層およびλ/4板からなる円偏光板であることを特徴とする[1]または[2]に記載の半透過型液晶表示装置。
[4]
前記液晶セルの反射表示用の領域、および透過表示用の領域がともにOCB方式であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置。
CF基板は、透明性絶縁性基板(例えばガラス基板)で構成されている。このCF基板上には、カラーフィルター層、オーバーコート層および例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる対向電極が順に積層されている。
本発明の光学異方性層は、支持体(光学異方性を有しても良い)と、該支持体上に液晶化合物から形成されたディスコティック液晶層とを有する光学異方性層である。液晶化合物を配向させるために、支持体または支持体上に形成された配向膜の表面はラビング処理されている。
光学異方性層における液晶化合物のレタデーション軸の平均方向は、液晶化合物が接触する配向膜等に施されたラビング処理の方向と一致することが望ましいが、風等の外力により液晶化合物の配向が変化することが考えられる。ラビング軸とレタデーション軸が異なることで、視認性が低下することが考えられる。したがって、本発明の光学フィルムを安定的に製造するには、光学異方性層の厚みを特定の条件とする、後述する本発明の製造方法に従うことが好ましい。
(数式1)
25nm<Re1<55nm、100nm<Rth1<400nm
(数式2)
33nm<Re2<63nm、100nm<Rth2<500nm
ただし、Re1およびRth1は、視認側に配置される光学異方性層の面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションを、Re2およびRth2はバックライト側に配置される光学異方性層の面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションをいう。
このような光学特性を満たす光学異方性層を備えた半透過型LCD液晶表示装置では、視野角特性を維持しつつ階調反転しないことが効果として期待できるが、特に数式1におけるRth1が200nm<Rth1<400nmかつ数式2におけるRth2が300nm<Rth2<500nmのときには、正面コントラストを良好に維持したまま、透過状態の上下視野角及び左右視野角並びに反射状態の上下視野角及び左右視野角において良好な特性が得られる。
本発明に用いる支持体は、透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。支持体として使用可能なポリマーフィルムとしては、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースジアセテート)、ノルボルネン系ポリマーおよびポリメチルメタクリレート等からなるポリマーフィルムが挙げられる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、ARTON(日本合成ゴム(株)製)およびゼオネックス(日本ゼオン(株)製)(いずれも商品名))を用いてもよい。中でもセルロースエステルからなるフィルムが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルからなるフィルムがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。特に、炭素原子数が2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)が好ましい。セルロースアセテートからなるフィルムが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いることもできる。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、1.0〜1.65であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
6位置換度が高いセルロースアセテートは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
本発明の光学異方性層は、液晶化合物から形成された光学異方性層を少なくとも一層有する。前記光学異方性層は、支持体の表面に直接形成してもよく、支持体上に配向膜を形成し、該配向膜上に形成してもよい。
光学異方性層の形成に用いる液晶化合物としては、ディスコティック液晶化合物が挙げられる。ディスコティック液晶化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
ディスコティック液晶化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基またはエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
ディスコティック液晶化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics Lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
ディスコティック液晶化合物から光学異方性層を形成した場合、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶化合物が熱または光で反応する基を有しており、熱または光によって該基が反応して、重合または架橋し、高分子量化することによって光学異方性層が形成される場合などは、光学異方性層中に含まれる化合物は、もはや液晶性を失っていてもよい。ディスコティック液晶化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
式(III) D(−L−Q)n
式(III)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(III)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。さらに、角度は連続的に変化することが好ましい。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。ディスコティック液晶化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、ディスコティック液晶化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、50〜300℃が好ましく、50〜170℃がさらに好ましい。
本発明の光学フィルムは、支持体と光学異方性層との間に配向膜を有している。
本発明において、前記配向膜を有する場合には、架橋されたポリマーからなる層であるのが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。上記配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱またはpH変化等により、ポリマー間で反応させて形成する、または、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成することができる。
後述のラビング工程において、配向膜の発塵を抑制するために、架橋度を上げておくことが好ましい。前記塗布液中に添加する架橋剤の量(Mb)に対して、架橋後に残存している架橋剤の量(Ma)の比率(Ma/Mb)を1から引いた値(1−(Ma/Mb))を架橋度と定義した場合、架橋度は50%〜100%が好ましく、65%〜100%が更に好ましく、75%〜100%が最も好ましい。
一般式(1)
一般式(2)
配向膜にポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを使用する場合、硬膜度の観点から、含水率を制御することが好ましく、0.4%〜2.5%であることが好ましく、0.6%〜1.6%であることが更に好ましい。含水率は、市販のカールフィッシャー法の水分率測定器で測定することができる。
なお、配向膜は、10μm以下の膜厚であるのが好ましい。
(半透過型液晶セルの作製)
CF基板1上にカラーフィルター層、オーバーコート層および対向電極4を順に積層した。一方、TFT基板2上に、複数のソースバスラインおよびゲートバスラインとTFTとを形成した。そして、TFT基板2の各画素において、透過領域に対応する部分に透明電極5を形成するとともに、反射領域に対応する部分に段差樹脂層6を形成し、その段差樹脂層6上にアルミニウムを蒸着して反射電極7を形成した。
本発明の光学異方性層はセルロースアセテートフィルム、配向膜およびディスコティック液晶層の積層によって得ることができる。以下に各々の作製方法を示す。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液組成
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルフォスフェート 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 3.9質量部
メチレンクロライド 300質量部
メタノール 45質量部
作製したセルロースアセテートフィルム1および2の一方の面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2塗布し、25℃で5秒間放置した後、流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロースアセテートフィルムの一方の表面のみをケン化した。
ケン化処理したセルロースアセテートフィルム1および2の一方の面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、セルロースアセテートフィルムの延伸方向(遅相軸とほぼ垂直)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
204.0質量部のメチルエチルケトンに、下記に示すディスコティック液晶化合物91質量部、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)9質量部、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)1質量部、下記に示す空気界面配向制御剤を0.4質量部、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)3質量部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1質量部を溶解して塗布液を調製した。塗布液を配向膜つきセルロースアセテートフィルム1上に#3.0のワイヤーバーで塗布し、125℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射しディスコティック液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、ディスコティック液晶層1を形成し、視認側光学異方性層を作製した。
KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて波長632.8nmの光で、視認側光学異方性層のレタデーション値Re1を測定したところ39.0nmであった。またディスコティック液晶層の遅相軸をあおり軸(セルロースアセテートフィルムの延伸軸とは45度傾いた軸)として±40°あおった時のレタデーション値を測定し、これらの実測結果からエリプソメータが算出するRth1は305nmであった。
さらに同様の方法でバックライト側光学異方性層のレタデーション値Re2を測定したところ、50.2nmであり、Rth2は390nmであった。
長尺状のアートンフィルム(JSR製)を長手方向に縦一軸延伸し、厚さ60μmのλ/4板を作製した。KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いてλ/4板の波長632.8nmの光でのレタデーション値を測定したところ、131.0nmであった。
次に延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。作製したλ/4板を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片側に貼り付けた。この際、λ/4板の遅相軸と偏光膜の透過軸とは45度となるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)を前記と同様にケン化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(λ/4板を貼り付けなかった側)に貼り付けた。このようにして、円偏光板を作製した。
半透過型液晶セルの両側に視認側光学異方性層およびバックライト側光学異方性層のディスコティック液晶層側を対向させて配置し、さらにその両側に円偏光板のλ/4板側を対向させて配置することで半透過型液晶表示装置を作製した。
光学異方性層以外の半透過型液晶セルおよび円偏光板については実施例1と同様に作製した。
長尺状のアートンフィルム(JSR製)を長手方向に縦一軸延伸し、厚さ100μmの光学異方性層を作製した。この光学異方性層についてKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて波長632.8nmの光でのレタデーション値ReおよびRthを測定したところReは56.4nmであり、Rthは98.2nmであった。
半透過型液晶セルの両側に光学異方性層を配置し、さらにその両側に円偏光板のλ/4板側を対向させて配置することで半透過型液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
実施例1と同様に半透過型液晶セルを作製した。
実施例1と同様のセルロースアセテート溶液とレタデーション上昇剤溶液調製した。
作製したセルロースアセテートフィルムの一方の面に、実施例1に記載の方法と同じ方法で、セルロースアセテートフィルムの一方の表面のみをケン化した。
ケン化処理したセルロースアセテートフィルムの一方の面に、実施例1と同じ組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、セルロースアセテートフィルムの延伸方向(遅相軸とほぼ垂直)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
実施例1と同様の方法にて、視認側光学異方性層とバックライト側光学異方性層を作製した。
KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて波長632.8nmの光で、視認側光学異方性層のレタデーション値Re1を測定したところ39.0nmであった。またディスコティック液晶層の遅相軸をあおり軸(セルロースアセテートフィルムの延伸軸とは45度傾いた軸)として±40°あおった時のレタデーション値を測定し、これらの実測結果からエリプソメータが算出するRth1は197nmであった。
さらに同様の方法でバックライト側光学異方性層のレタデーション値Re2を測定したところ、50.2nmであり、Rth2は197nmであった。
長尺状のアートンフィルム(JSR製)を長手方向に縦一軸延伸し、厚さ60μmのλ/4板を作製した。KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いてλ/4板の波長632.8nmの光でのレタデーション値を測定したところ、131.0nmであった。
次に延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。作製したλ/4板を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片側に貼り付けた。この際、λ/4板の遅相軸と偏光膜の透過軸とは45度となるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)を前記と同様にケン化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(λ/4板を貼り付けなかった側)に貼り付けた。このようにして、円偏光板を作製した。
半透過型液晶セルの両側に視認側光学異方性層およびバックライト側光学異方性層のディスコティック液晶層側を対向させて配置し、さらにその両側に円偏光板のλ/4板側を対向させて配置することで半透過型液晶表示装置を作製した。
光学異方性層以外の半透過型液晶セルおよび円偏光板については実施例2と同様に作製した。
長尺状のアートンフィルム(JSR製)を長手方向に縦一軸延伸し、厚さ100μmの光学異方性層を作製した。この光学異方性層についてエリプソメータM−150を用いて波長632.8nmの光でのレタデーション値ReおよびRthを測定したところReは56.4nmであり、Rthは98.2nmであった。
半透過型液晶セルの両側に光学異方性層を配置し、さらにその両側に円偏光板のλ/4板側を対向させて配置することで半透過型液晶表示装置を作製し、実施例2と同様に評価を行った結果を表2に示す。
2 バックライト側液晶セル基板
3 液晶層
4 視認側液晶セル電極
5 バックライト側液晶セル電極
6 段差樹脂層
7 反射電極
10 視認側偏光板
11 光学異方性層
12 配向膜
13 支持体
14 円偏光板
15 保護フィルム
Claims (4)
- 一対の基板および前記基板間に挟持された液晶層を有する液晶セルと、前記液晶セルのそれぞれの外側に配置された偏光板および光学異方性層とを有し、画素ごとに反射表示用の領域と透過表示用の領域を備えた半透過型液晶表示装置において、視認側に配置される光学異方性層の光学特性が下記数式1を満たし、かつバックライト側に配置される光学異方性層の光学特性が下記数式2を満たすことを特徴とする半透過型液晶表示装置。
(数式1)
25nm<Re1<55nm、100nm<Rth1<400nm
(数式2)
33nm<Re2<63nm、100nm<Rth2<500nm
ただし、Re1およびRth1は、視認側に配置される光学異方性層の面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションを、Re2およびRth2はバックライト側に配置される光学異方性層の面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションをいう。 - 前記光学異方性層がディスコティック液晶からなることを特徴とする請求項1に記載の半透過型液晶表示装置。
- 前記偏光板が偏光層およびλ/4板からなる円偏光板であることを特徴とする請求項1または2に記載の半透過型液晶表示装置。
- 前記液晶セルの反射表示用の領域、および透過表示用の領域がともにOCB方式であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置。
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