JP2007101404A - 投受波装置及び測距装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、設計に合致した安定した電磁波の送受波を容易に実現することが可能な投受波装置を提供する。
【解決手段】 投光部2から出射された光を第一反射面4aで反射して被測定物に照射すると共に、被測定物で反射して戻ってきた光を第二反射面4bで反射して受波手段へ導くように構成された投受波装置1であって、第一反射面4aと前記第二反射面4bとを、単一の反射部材4の表面に形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定物に対して電磁波を放射し、被測定物で反射して戻ってきた電磁波を受波する投受波装置に係り、特に放射された電磁波を被測定物に向けて反射する反射面と、被測定物から反射された電磁波を受波するために所定方向に反射する反射面との改良に関する。
周知のように、例えば無人搬送台車(AGV)に搭載して走行領域での障害物等の被測定物を検出するセンサ等には、被測定物に対して電磁波を放射し、被測定物で反射して戻ってきた電磁波を受波する投受波装置が利用されている。
この種の投受波装置としては、例えば下記の特許文献1に記載のものが挙げられる。同文献に記載の投受波装置は、電磁波として光を用いたもので、回転駆動するキャップ状の回転体の天板部の上下面に、投光部から出射された光を被測定物に向けて反射する投光ミラーと、被測定物で反射して戻ってきた光を受光部に向けて反射する受光ミラーとがそれぞれ取り付けられた構造となっている。詳述すると、投光ミラーと受光ミラーは、回転体の天板部の上下両面から突出した突出部の傾斜面に固定され、各ミラーが突出部の傾斜面に倣って傾斜している。
特開2005−55226号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載の投受波装置によれば、光を反射する反射面として機能する投光ミラーと受光ミラーとが、回転体の天板部の突出部の傾斜面に固定された構造とされているため、仮に、突出部の傾斜面、投光ミラーおよび受光ミラーのすべてが、同時に所期の加工精度を満足する場合であっても、最終的に突出部の傾斜面に各ミラーを固定する際に、その組み付け精度が不良となれば、突出部の傾斜面に固定される各ミラーの傾斜角度が設計値から外れ、設計に合致した安定した光の送受光を実現できなくなるという問題が生じる。そして、このような問題が生じた場合には、投受波装置としての製品価値が低下するのみならず、投受波装置として使用に耐え得なくなり、不良品として扱われるという不具合をも招く。
以上は、電磁波として光を用いた場合を例によって説明したが、光以外の電磁波を用いた場合であっても同様の問題が生じ得る。
本発明の課題は、設計に合致した安定した電磁波の送受波を容易に実現することが可能な投受波装置を提供することにある。
上記課題を解決するために創案された本発明は、放射手段から放射された電磁波を第一反射面で反射して被測定物に照射すると共に、前記被測定物で反射して戻ってきた電磁波を第二反射面で反射して受波手段へ導くように構成された投受波装置において、前記第一反射面と前記第二反射面とが、単一の反射部材の表面に形成されていることに特徴づけられる。
上記の構成によれば、第一反射面と第二反射面とが、単一の反射部材の表面に形成されるため、第一反射面と第二反射面とのなす角は、一定に保たれる。したがって、反射部材が全体として設計通りに位置決めされれば、かかる反射部材の表面に形成された第一反射面と第二反射面のそれぞれの傾斜角が設計値に合致した所定の値に自動的に決定される。すなわち、第一反射面と第二反射面を別々の部材に形成した場合のように、組み付け精度によって第一反射面と第二反射面の傾斜角度等が変動することがないため、設計に合致した安定した電磁波の送受波を容易に実現することが可能となる。
上記の構成において、前記第一反射面に入射する電磁波の導波経路の中心軸と、前記第二反射面で反射した電磁波の導波経路の中心軸とを同一直線上に配置すると共に、前記直線を中心として前記反射部材を回転駆動させてもよい。
このようにすれば、第一反射面に入射する電磁波の入射角と、第二反射面に入射する被測定物で反射して戻ってきた電磁波の入射角を設計に合致した傾斜角度に維持しつつ、反射部材の回転に伴って周囲空間に電磁波を走査することが可能となる。
上記の構成において、前記第一反射面と前記第二反射面とのなす角が、90度であることが好ましい。
このようにすれば、例えば、第一反射面に入射する電磁波の導波経路の中心軸と、第二反射面で反射した電磁波の導波経路の中心軸を一致させた場合に、第一反射面で反射して被測定物に照射される電磁波の導波経路の中心軸と、被測定物で反射して第二反射面へ入射する電磁波の導波経路の中心軸とが、第一反射面と第二反射面とのなす角が90度であることに由来して常に平行となるため、被測定物が近距離に存在する場合であっても電磁波の送受波を安定して行うことが可能となり、実用上有利となる。
この場合、前記反射部材を、前記第一反射面に対する電磁波の入射角が変化するように揺動させてもよい。
上記の構成において、前記放射手段から放射された電磁波は、レーザ光又は電波であることが好ましい。
以上のように構成された投受波装置は、被測定物までの距離を測定する測距装置に組み込んで使用することができる。
以上のような本発明によれば、第一反射面と第二反射面とが、単一の反射部材の表面に形成されるため、第一反射面と第二反射面とのなす角が一定に保たれるため、反射部材が全体として設計通りに位置決めされれば、かかる反射部材の表面に形成された第一反射面と第二反射面のそれぞれの傾斜角が設計値に合致した所定の値に自動的に決定され、設計に合致した安定した電磁波の送受波を容易に実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る投受波装置の全体構成を示す概略縦断面図である。同図に示すように、この投受波装置1は、電磁波として光を利用したもので、投光部2と、投光部2に対向するように配置された受光部3と、投光部2と受光部3との間に介在するように配置された反射部材4と、反射部材4が取り付けられた回転体5とを基本的な構成要素として備えている。
詳述すると、投光部2は、鉛直方向下向きに光を出射するように配置されており、例えばレーザやLED等が光源として利用される。この投光部2から鉛直方向下向きに出射された光の光軸X上には、投光部2から出射された光のビーム径を一定にする光学レンズ6が配置されている。
また、回転体5は、投光部2から鉛直下向きに出射される光の光軸Xを回転中心として、回転体5の下端部に連結された回転駆動部7によって回転駆動される。この回転体5は、円筒状の周壁部5aと、周壁部5aの上端開口を塞ぐ天板部5bとを備えている。また、回転体5の周壁部5aには受光窓5cが形成されており、この受光窓5cの光軸を回転体5の半径方向に整合させた受光レンズ8が取り付けられている。
回転体5の内部には、回転体5から離反された状態で、投光部2から鉛直下向きに出射された光の光軸Xの仮想延長線上に、投光部2と対向するように受光部3が配置固定されている。受光部3は、例えばフォトダイオードなどの光センサで構成されており、この受光部3に受光レンズ8の焦点が合わされている。
回転体5の天板部5bの中心には、単一の反射部材4が固定されている。この反射部材4の表面には、投光部2からの光を図示しない被測定物に向けて反射する第一反射面4aと、被測定物で反射して戻ってきた光を受光部3に向けて反射する第二反射面4bとが形成されている。本実施形態では、第一反射面4aと第二反射面4bのなす角が、約90度(例えば90度±5’)に設定されおり、第一反射面4aが、天板部5bから上方に突出した状態で、水平面(天板部5b)に対して右肩上がりに約45度で傾斜している。この場合、第一反射面4aとのなす角が90度となる第二反射面4bは、天板部5bから下方に突出した状態で、水平面(天板部5b)に対して右肩下がりに約45度で傾斜することとなる。そして、投光部2から鉛直方向下向きに出射された光は、反射部材4の第一反射面4aに対して約45度の入射角で入射した後、第一反射面4aによって、回転体5の半径方向外方に向けてほぼ水平方向に反射される。一方、回転体5の受光レンズ8を通して回転体5内にほぼ水平方向に導入された光は、第二反射面4bに対して約45度の入射角で入射した後、この第二反射面4bによって鉛直下向きに反射され、受光部3へ入射される。
また、この投受波装置1には、図1に示すように、距離演算部9が接続されており、投光部2から出射された光と、受光部3で受光された光とを比較して、被測定物までの距離を演算する測距装置として機能するようになっている。この際、回転体5の回転位置情報が距離演算部9に同時に入力されるようになっており、演算された距離と回転位置情報とを組み合わせて被測定物の位置を検出するようになっている。
次に、以上のように構成された投受波装置1の動作について説明する。反射部材4は回転体5と共に高速回転しているので、投光部2から鉛直方向下向きに出射されて反射部材4の第一反射面4aで水平方向に反射された光は、投光部2から出射された光の光軸Xの仮想延長線を中心とする例えば周囲約360度の走査領域に連続的に走査される。そして、この走査領域の被測定物で反射して戻ってきた光は、回転体5の受光レンズ8を通して反射部材4の第二反射面4bにほぼ水平方向から入射する。その後、第二反射面4bで鉛直方向下向きに反射された受光部3で焦合する。
以上のように、本実施形態に係る投受波装置1によれば、投光部2から出射された光を被測定物に向けて反射する第一反射面4aと被測定物で反射して戻ってきた光を反射して受光部3へと導く第二反射面4bとが、単一の反射部材4の表面に形成されているため、第一反射面4aと第二反射面4bとのなす角が一定に保たれるため、反射部材4を全体として正しく位置決めされれば、反射部材4に形成された第一反射面4aと第二反射面4bのそれぞれの面に入射する光の入射角が設計値に合致した所定の値に自動的に決定される。したがって、第一反射面4aと第二反射面4bとを別々の部材に形成した場合のように、組み付け時に各反射面の傾斜角度等を個々に調整する作業を省略することができるので、設計に合致した安定した光の送受光を容易に実現することが可能となる。
さらに、単一の反射部材4の表面に形成された第一反射面4aと第二反射面4bとのなす角を約90度とすることで、第一反射面4aで被測定物に向けて反射された光の光軸Yと、被測定物で反射して戻ってきた第二反射面4bに入射する光の光軸Zとの平行度を十分に確保することが可能となる。したがって、被測定物が近距離に存在する場合であっても、光の送受波を問題なく行うことが可能となり、実用上有利となる。
なお、本発明に係る投受波装置1は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、回転体5に反射部材4を固定したものを例示したが、図2に示すように、投光部2からの光の入射角が変化するように、反射部材4が揺動軸10を中心として揺動可能に取り付けられていてもよい。なお、図2では、受光レンズ8’を、反射部材4の第二反射面4bと受光部3と間の光軸上に配置した場合を例示している。このようにすれば、投光部2から出射されて反射部材4の第一反射面4aで反射される光の走査方向が鉛直方向上下に拡大する。この際、第一反射面4aと第二反射面4bとのなす角を90度に設定していれば、反射部材4を揺動して光の入射角を変化させた場合であっても、第一反射面4aで被測定物に向けて反射される光の光軸Yと、被測定物で反射して戻ってきて第二反射面4bへと入射する光の光軸Zとの平行は維持される。さらに、回転体5を光軸Xを中心として回転させつつ、反射部材4を揺動軸10を中心として揺動させれば、投光部から出射された光を、光軸Xを中心とした周囲空間に三次元走査することが可能となる。
また、上記の実施形態において、被測定物までの距離を測定する方式は特に限定されるものではないが、例えば投光部2から光をパルス状(孤立パルス)に強度変調して出射すると共に、投光部2から光を出射してから受光部3で光を受光するまでの時間差から距離を求めるTOF方式や、投光部2から光をある一定の周波数でAM強度変調して出射すると共に、投光部2から出射された光と受光部3で受光される光との位相差から距離を求めるAM方式や、投光部2から光を三角波の形で波長変調して出射すると共に、投光部2から出射された光と受光部3で受光される光の干渉光の周波数信号から距離を求めるFM方式などを問題なく適用することができる。
また、上記の実施形態では、電磁波として光を利用したものを例示したが、電波等の光以外の電磁波を利用してもよい。
本発明の一実施形態に係る投受波装置を示す概略縦断面図である。 本実施形態に係る投受波装置の変形例を示す概略縦断面図である。
符号の説明
1 投受波装置
2 投光部
3 受光部
4 反射部材
4a 第一反射面
4b 第二反射面
5 回転体
5a 周壁部
5b 天板部
5c 受光窓
6 光学レンズ
7 回転駆動部
8 受光レンズ
9 距離演算部
10 揺動軸

Claims (6)

  1. 放射手段から放射された電磁波を第一反射面で反射して被測定物に照射すると共に、前記被測定物で反射して戻ってきた電磁波を第二反射面で反射して受波手段へ導くように構成された投受波装置において、
    前記第一反射面と前記第二反射面とが、単一の反射部材の表面に形成されていることを特徴とする投受波装置。
  2. 前記第一反射面に入射する電磁波の導波経路の中心軸と、前記第二反射面で反射した電磁波の導波経路の中心軸とを同一直線上に配置すると共に、前記直線を中心として前記反射部材を回転駆動させることを特徴とする請求項1に記載の投受波装置。
  3. 前記第一反射面と前記第二反射面とのなす角が、90度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の投受波装置。
  4. 前記反射部材が、前記第一反射面に対する電磁波の入射角が変化するように揺動することを特徴とする請求項3に記載の投受波装置。
  5. 前記放射手段から放射された電磁波が、レーザ光又は電波であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の投受波装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の投受波装置が組み込まれ、被測定物までの距離を測定するように構成したことを特徴とする測距装置。
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