JP2007100231A - 下半身用衣類 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】身頃本体2の前側及び後側の内面に設けられた伸縮性生地である裏打ち布3は、身頃本体2の前側内面でウエスト部2Dに沿って形成される前方上部縫着部22と、身頃本体2の左右の脚通し部6の隣接間を結んで形成される下部縫着部23と、身頃本体2の後側内面でウエスト部2Dに沿って形成される後方上部縫着部24と、身頃本体2の後側内面中央部を縦方向に形成される中央縦縫着部25とで身頃本体2と縫着され、脚通孔12の開口周部は下部自由端縁となっている。
【選択図】図1
Description
この下半身用衣類がガードルのように丈の短いタイプである場合、身頃本体は、股位置より上位側(即ち、股上側)であってウエスト部より下位側となる範囲で形成される。当然、この身頃本体には股部を挟んだ左右両側に一対の脚通し部(開口)が設けられている。一方、下半身用衣類がタイツのように丈の長いタイプである場合、身頃本体は、左右の各脚通し部から股位置の下位側(即ち、股下部)へ延びる部分(脚用の袖部)をも有したものとなる。いずれも、身頃本体を形成する表地に対し、その内側(裏側)に、補整機能を生じさせるための裏地を重ね合わせるようになっている。
また別の補整機能付き下半身用衣類には、身頃本体のうちの前身頃において、表布(上記表地に同じ)と、裏布(上記裏地に同じ)とを、上辺部、左右両脇部、股部で縫着し、他の部分、即ち、足口を含む下方部では遊離させるようにしたものがある(上記特許文献2)。これによれば、着用者の脚(大腿付け根)をきつく締め付けることがないといった作用効果があるとされている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、補整作用、殊にヒップアップ作用を十分に生起でき、しかも補整作用を生じさせるための裏打ち布の縫着位置が外から認識されることなく、見栄えがよい下半身用衣類を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る下半身用衣類は、股部を挟んだ左右両側に一対の脚通し部が設けられていると共に、これらの股上側にウエスト部が設けられた身頃部を具備して成る身頃本体と、この身頃本体の前側及び後側の内面に沿って設けられ、且つ上記左右の脚通し部に各別に対応する脚通孔が形成されている裏打ち布とを有したものである。
裏打ち布は伸縮パワーの強い伸縮性生地によって形成されたものであり、前方上部縫着部と、下部縫着部と、後方上部縫着部と、中央縦縫着部とで身頃本体と縫着されている。
このように前方上部縫着部、下部縫着部、後方上部縫着部、及び中央縦縫着部で裏打ち布と身頃本体とが縫着されていることから、少なくとも左右の脚通孔の開口周部が身頃本体の脚通し部内面に拘束を受けない下部自由端縁として形成されていることになる。
裏打ち布は、個々の脚通孔を形成する下部自由端縁の周長が、身頃本体の個々の脚通し部の内周長よりも短い寸法となるように形成するのが好適とされる。
これにより、着用者が脚(大腿)を脚通孔へ入れたときに、脚まわりでのフィット性が高められることになり、ヒップアップ等の補整作用を十分に発現させることができる。
これにより、必要に応じた部位の伸縮パワー、即ち、補整作用を部分的に高めたり弱めたりできることになり、部位に応じたきめ細かい対応を図ることができる。また製品として、補整の種類に汎用性を持たせることもできる。
パワー切換部は大殿筋を覆う領域を取り囲む状態に設けるのが好適であり、この場合、パワー切換部によって取り囲まれる内側の領域を、伸縮パワーの弱い領域、すなわち、着用者のヒップを優しく包んで美しいヒップラインを生じさせる領域とすればよい。
本発明に係る下半身用衣類は、スラックス、パンツ、タイツ、スパッツ、ガードル、ボディスーツのいずれかとして実施すればよい。
図1乃至図7は、本発明に係る下半身用衣類1をロングガードルに適用した場合の一実施形態を示している。図1及び図2から明らかなように、この下半身用衣類1は身頃本体2と裏打ち布3とを有しており(理解の便宜上、身頃本体2は二点鎖線で示した)、このうち身頃本体2は、股部5を挟んだ左右両側に一対の脚通し部6が設けられていると共に、これら股部5や脚通し部6より股上側となる位置に、ウエスト部11が設けられたものとなっている。これら股部5、左右一対の脚通し部6、及びウエスト部11を具備する範囲を、身頃本体2の主要部を成す身頃部10とおく。
裏打ち布3は、身頃本体2の前側及び後側の内面に沿って設けられており、左右の脚通し部6に各別に対応して、それらの内部で開口する状態で脚通孔12が形成されている。この裏打ち布3は、身頃本体2と同質であるか別材質であるかは限定されないが、伸縮性生地によって形成されていることが必要とされる。
張出部14より更に下位置は裾形成部15とされ、この裾形成部15を筒状に巻いてその両側縁15a,15bを互いに縫着することで、上記脚通し部6を形成させるようになっている。
また右半布3Bと右身頃2Bとについても同様であり、右身頃2Bの後縁13に対応する部分(これを右半部3Bの後縁13とする)、及び張出部14に対応する部分(これを右半部3Bの張出部20とする)は有するが、裾形成部15に対応する部分は有していない。
前方上部縫着部22や後方上部縫着部24は、身頃本体2の前側内面及び後側内面でウエスト部11の周方向に沿って形成される部位であって、本実施形態では、身頃本体2において左身頃2Aと左半布3A、及び右身頃2Bと右半布2Bを、ウエストパーツ2Dと縫着する部位(図5中に×印で示す)に相当させてある。
下部縫着部23は、身頃本体2の左右の脚通し部6の隣接間内面に対応して左右の脚通孔12間を結ぶように形成される部位であって、本実施形態では、身頃本体2において左身頃2Aの張出部14と左半布3Aの張出部20、及び右身頃2Bの張出部14と右半布3Bの張出部20を縫着し、股部5を形成する部位(図5中に●印で示す)に相当させてある。
このように前方上部縫着部22、下部縫着部23、後方上部縫着部24、及び中央縦縫着部25で裏打ち布3と身頃本体2とが縫着されていることから、裏打ち布3は、少なくとも左右の脚通孔12の開口周部が身頃本体2の脚通し部6内面に拘束を受けない下部自由端縁26として形成されていることになる。この下部自由端縁26は、かがり縫い等を施してない(裁断したままの)ヘムレス仕上げとされている。そのため、下部自由端縁26の肉厚化や柔軟性の低下等が防止されている。
強パワー領域31と弱パワー領域32との伸縮パワーの比率は任意に設定してもよいが、本実施形態では概ね30%とした。これは身頃本体2の伸縮パワーと関連し、身頃本体2、強パワー領域31、弱パワー領域32のパワー比率は100:150:50である。
この図8から明らかなように裏打ち布3の強パワー領域31には、下部自由端縁26へ近づけば近づくほど、その幅方向(この下部自由端縁26は脚通孔12を形成するところであるから脚通孔12の周方向に相当)で伸縮パワーが高められている。このような伸縮性は、下部自由端縁26に沿って互いに所定間隔でダーツ35を設けることで簡単に達成できる。なお、各ダーツ35を設けず、これらに相当する領域を伸縮パワーの強い領域として編み分けることでもよい。
ここで、下部自由端縁26の伸びる前後の長さ比として求められる伸縮率S(S=(Hーh)/H×100)は、10〜20%とするのが好適である。10%に満たないと、強パワー領域31の伸縮パワー不足に繋がり、十分な補整作用が得られないといった不具合を招来することになる。また20%を超えると、強パワー領域31における伸縮パワー過剰に繋がり、着用者に対して過度の締め付けによる圧迫感や不快感等を起こさせてしまうといった不具合を招来することになる。本実施形態では15%が最適値であった。
裏打ち布3の下部自由端縁26の周長が、身頃本体2の個々の脚通し部6の内周長よりも短く形成されていれば、着用者が脚(大腿)を脚通孔12へ入れたときに、脚まわりでのフィット性が高められることになり、ヒップアップ等の補整作用を十分に発現させることができる。
裏打ち布3の下部自由端縁26をヘムレス仕上げとすれば、下部自由端縁26の肉厚化や柔軟性の低下を防止でき、身頃本体2側への影響を一層低く抑えられる利点に繋がる。
2 身頃本体
2D ウエスト部
3 裏打ち布
5 股部
6 脚通し部
10 身頃部
12 脚通孔
22 前方上部縫着部
23 下部縫着部
24 後方上部縫着部
25 中央縦縫着部
26 下部自由端縁
30 パワー切換部
31 強パワー領域(伸縮パワーの強い領域)
32 弱パワー領域(伸縮パワーの弱い領域)
Claims (6)
- 股部(5)を挟んだ左右両側に一対の脚通し部(6)が設けられていると共にこれらの股上側にウエスト部(2D)が設けられた身頃部(10)を具備して成る身頃本体(2)と、この身頃本体(2)の前側及び後側の内面に沿って設けられ上記左右の脚通し部(6)に各別に対応する脚通孔(12)が形成されている裏打ち布(3)とを有する下半身用衣類において、
上記裏打ち布(3)は伸縮性生地によって形成されており、且つ、
身頃本体(2)の前側内面でウエスト部(2D)の周方向に沿って形成される前方上部縫着部(22)と、
身頃本体(2)の左右の脚通し部(6)の隣接間内面に対応して左右の脚通孔(12)間を結ぶように形成される下部縫着部(23)と、
身頃本体(2)の後側内面でウエスト部(2D)の周方向に沿って形成される後方上部縫着部(24)と、
身頃本体(2)の後側内面における左右中央部で上記後方上部縫着部(24)と下部縫着部(23)との上下間を縦方向に結んで形成される中央縦縫着部(25)と
で当該身頃本体(2)と縫着されており、
少なくとも上記脚通孔(12)の開口周部が身頃本体(2)の脚通し部(6)内面に拘束を受けない下部自由端縁(26)として形成されている
ことを特徴とする下半身用衣類。 - 前記裏打ち布(3)は、個々の脚通孔(12)を形成する下部自由端縁(26)の周長が、身頃本体(2)の個々の脚通し部(6)の内周長よりも短い寸法で形成されていることを特徴とする請求項1記載の下半身用衣類。
- 前記裏打ち布(3)には、身頃本体(2)の後側内面に対応する領域内にパワー切換部(30)が設けられており、このパワー切換部(30)を介して伸縮パワーの強い領域と弱い領域とが区画形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の下半身用衣類。
- 前記パワー切換部(30)は、着用者の大殿筋を覆う領域を取り囲む状態に設けられており、この取り囲み内側の領域が伸縮パワーの弱い領域とされていることを特徴とする請求項3記載の下半身用衣類。
- 前記裏打ち布(3)の下部自由端縁(26)はヘムレス仕上げとされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の下半身用衣類。
- スラックス、パンツ、タイツ、スパッツ、ガードル、ボディスーツのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の下半身用衣類。
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WO2013046457A1 (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-04 | 株式会社ワコール | 衣類の端部構造、ボトム衣類、カップ付き衣類、及び補整機能を有する衣類の構造 |
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JPH038616U (ja) * | 1989-06-15 | 1991-01-28 | ||
JP2001303305A (ja) * | 2000-04-19 | 2001-10-31 | Wacoal Corp | 臀部裏打ち布を有する衣料 |
JP2005154997A (ja) * | 2003-11-07 | 2005-06-16 | Singapore Co Ltd | シェイプアップ機能付きボトムス |
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