JP2007099645A - カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カプロラクタム重合体を主成分とする嵩密度の低い解重合原料を、嵩密度を高めた後に解重合することにより、解重合工程における解重合原料の飛沫同伴を防ぐ方法を提供することである。また、解重合原料を溶融し、解重合するに際し、溶融工程における、溶け残りを無くすことにより解重合工程への供給を円滑化する方法を提供することである。
【課題手段】
カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、嵩密度を高める処理を施した後、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法、嵩密度を高められた解重合原料を、溶融し、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、請求項1に記載のカプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法。
【選択図】 なし
【課題手段】
カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、嵩密度を高める処理を施した後、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法、嵩密度を高められた解重合原料を、溶融し、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、請求項1に記載のカプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法。
【選択図】 なし
Description
本発明はカプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法に関するものである。さらに詳しくは、カプロラクタム重合体を含む嵩密度の低い解重合原料を、嵩密度を高めた後に、解重合してカプロラクタムを得る方法に関するものである。
カプロラクタム重合体を解重合してカプロラクタムを得る方法はよく知られている(特許文献1)。また、カプロラクタム重合体を加熱溶融した後に解重合してカプロラクタムを得る方法が特許文献2に記載されている。しかし、特許文献2に記載の方法では、破砕した解重合原料や嵩高い解重合原料、嵩密度の低い解重合原料などを多量に解重合する場合、溶融効率が悪いとともに溶融状態が不均一となり、溶け残った嵩密度の低い解重合原料の一部が解重合されないまま飛沫同伴により留出する問題があった。また溶け残った解重合原料は配管を通して移液する場合に閉塞などのトラブルの原因となる。
特公昭42−18476号公報(第1頁)
特開平7−330718号公報(第4頁)
本発明の課題は、従来技術が有していた上記問題点を解決し、解重合工程における解重合原料の飛沫同伴を防ぐ方法を提供することである。また、解重合原料を溶融し、解重合するに際し、溶融工程における、溶け残りを無くすことにより解重合工程への供給を円滑化する方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、嵩密度を高めた後に解重合することにより、解重合工程での解重合原料の飛沫同伴を防ぐことができ、さらに解重合原料を溶融し、解重合するに際しては、解重合原料の嵩密度を高めた後に溶融することにより溶融効率を高め、溶融状態を均一にすることで原料の溶け残りを無くし、解重合装置への原料供給を円滑化できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、嵩密度を高める処理を施した後、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法である。
また、本発明は、嵩密度を高められた解重合原料を、溶融し、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、上記カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法である。
本発明により、カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、解重合装置から飛沫同伴させることなく解重合することができる。さらに溶融し、解重合するに際し、解重合原料の溶け残りを無くすことにより解重合工程への供給を円滑化し、工業的に有利な方法でカプロラクタムを得ることができる。
本発明は、カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、嵩密度を高める処理を施した後、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法である。
嵩密度を高められた解重合原料を、溶融し、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、上記カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法である。
以下本発明について詳述する。
<カプロラクタム重合体>
本発明で言うカプロラクタム重合体は、カプロラクタムを重合したものであれば、いかなるものであっても良い。通常、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、カプロラクタムのオリゴマー等であり、他モノマーとの共重合体であっても良い。共重合成分としては、ヘキサンメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどのジアミン成分、またアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、あるいはラウロラクタムなどのアミノカルボン酸成分などを挙げることができる。好ましくは、ポリカプロラクタム、カプロラクタムのオリゴマーである。これらのカプロラクタム重合体には、たとえば酢酸、安息香酸のような重合度調節剤、末端基調整剤などが含まれていても良い。
本発明で言うカプロラクタム重合体は、カプロラクタムを重合したものであれば、いかなるものであっても良い。通常、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、カプロラクタムのオリゴマー等であり、他モノマーとの共重合体であっても良い。共重合成分としては、ヘキサンメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどのジアミン成分、またアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、あるいはラウロラクタムなどのアミノカルボン酸成分などを挙げることができる。好ましくは、ポリカプロラクタム、カプロラクタムのオリゴマーである。これらのカプロラクタム重合体には、たとえば酢酸、安息香酸のような重合度調節剤、末端基調整剤などが含まれていても良い。
<カプロラクタム重合体を含む解重合原料>
本発明で用いるカプロラクタム重合体を含む解重合原料としては、カプロラクタム重合体を含む、好ましくはそれを50質量%以上含む製品、原料素材製造・素材加工・製品組み立て製造過程で発生する産業廃棄物、あるいは製品使用済み廃棄物などを挙げることができる。たとえば、工業用、衣料用、屋内外用の繊維構造物、あるいはこれらの繊維屑など、また工業用、家庭機器・器具用の樹脂構造物、あるいはこれらの樹脂屑などを挙げることができる。
本発明で用いるカプロラクタム重合体を含む解重合原料としては、カプロラクタム重合体を含む、好ましくはそれを50質量%以上含む製品、原料素材製造・素材加工・製品組み立て製造過程で発生する産業廃棄物、あるいは製品使用済み廃棄物などを挙げることができる。たとえば、工業用、衣料用、屋内外用の繊維構造物、あるいはこれらの繊維屑など、また工業用、家庭機器・器具用の樹脂構造物、あるいはこれらの樹脂屑などを挙げることができる。
さらに具体的には、繊維構造物としては、漁網、船舶用ロープなどの工業用品、ユニホーム、インナーウエアー、ストッキング、ニットウエアー、水着、レインコート、防寒着などの衣料品、カーテン、カーペットなどの屋内用品、ロープ、網、タイヤコード、ベルト、シートなどの屋外用品、また繊維屑としては、製造過程で生じるポリマー糸屑、布帛の破砕屑、不良品屑、使用済み製品などを挙げることができる。
樹脂構造物としては、家電製品用成型部品、飲料水成型容器、玩具用成型部品、家財用成型部品、住宅用成型部品などの家庭用品、自動車用成型部品、工業機械用成型部品、パッケージ、フィルムなどの工業用品、また樹脂屑としては、製造過程で生じるポリマー成型屑、フィルム屑、切り屑、不良品屑、使用済み製品などを挙げることができる。
上記の解重合原料は上記形態のものを単独で使用しても良いし、これらを組み合わせて原料としても良い。
また、これらは解重合原料として、ポリカプロラクタム、あるいはカプロラクタムのオリゴマー等と一緒に用いることもできる。カプロラクタムのオリゴマーは、例えばカプロラクタム重合工程で生成する重合抽出水に含まれる。これらの解重合原料は、カプロラクタム重合体を原料・素材構成として含んでおり、かつ、他原料・素材を含んでいても良い。
解重合原料中に含まれるカプロラクタム重合体については、カプロラクタムを効率的に回収するために、50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがさらに好ましい。
<カプロラクタム重合体以外の原料・素材>
本発明で用いる解重合原料におけるカプロラクタム重合体以外の原料・素材構成としては、特に制限はなくいかなる有機物、無機物が含まれていても良い。例えば他の繊維、ポリマー、添加物、顔料、染料、加工処理剤、金属繊維、フィラー、コーティング剤、油剤、などが含まれていても良い。たとえば、綿、麻、レーヨン等のセルロース系繊維、ウール、絹等のタンパク系繊維、アクリル系繊維、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン66、ポリウレタン、ポリアセタール、樹脂添加剤(酸化防止剤・紫外線吸収剤・難燃剤・耐熱剤・静電気防止剤・滑剤など)、カーボン・ブラック顔料、各種染料、ポリオレフィン系樹脂加工剤、繊維用油剤、繊維用加工処理剤、鉛繊維、ガラス繊維、炭素繊維、酸化チタン、シリカ、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物などが含まれていても良い。カプロラクタム重合体以外の含有量が多いと、廃棄物量が増加する。
本発明で用いる解重合原料におけるカプロラクタム重合体以外の原料・素材構成としては、特に制限はなくいかなる有機物、無機物が含まれていても良い。例えば他の繊維、ポリマー、添加物、顔料、染料、加工処理剤、金属繊維、フィラー、コーティング剤、油剤、などが含まれていても良い。たとえば、綿、麻、レーヨン等のセルロース系繊維、ウール、絹等のタンパク系繊維、アクリル系繊維、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン66、ポリウレタン、ポリアセタール、樹脂添加剤(酸化防止剤・紫外線吸収剤・難燃剤・耐熱剤・静電気防止剤・滑剤など)、カーボン・ブラック顔料、各種染料、ポリオレフィン系樹脂加工剤、繊維用油剤、繊維用加工処理剤、鉛繊維、ガラス繊維、炭素繊維、酸化チタン、シリカ、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物などが含まれていても良い。カプロラクタム重合体以外の含有量が多いと、廃棄物量が増加する。
<解重合原料の嵩密度>
本発明において上記解重合原料は、その嵩密度を高める処理を施した上で解重合に供することが必要である。嵩密度を高める処理が、処理前の嵩密度を越え、かつ0.1g/cm3以上に高める処理であることが好ましい。
本発明において上記解重合原料は、その嵩密度を高める処理を施した上で解重合に供することが必要である。嵩密度を高める処理が、処理前の嵩密度を越え、かつ0.1g/cm3以上に高める処理であることが好ましい。
本発明においては前記したように解重合原料に嵩密度の低い解重合原料が含まれる場合、解重合工程において嵩密度の低い解重合原料がカプロラクタムの取り出しと共に飛沫同伴することがあるため、そのような嵩密度の低い解重合原料の嵩密度を高めることで課題を解決しようとするものである。
上記嵩密度の低い解重合原料としては、例えば通常0.1g/cm3未満の嵩密度である場合に特に有用であり、0.3g/cm3未満、さらには0.5g/cm3未満である場合に有用である。
したがって、解重合に供給する解重合原料の嵩密度を高め、かつ0.1g/cm3以上に高める処理をすることが好ましいのである。好ましくは0.3g/cm3以上、さらに好ましくは0.5g/cm3以上に高めるのが好ましい。
なお、元々飛沫同伴する恐れがない程度に嵩密度の高い解重合原料を併用する場合には、上記の趣旨から、嵩密度の低い解重合原料について嵩密度を高めればよいが、嵩密度の高い解重合原料と嵩密度の低い解重合原料をあわせて嵩密度を高める処理を施すことにより、結果的に嵩密度の低い解重合原料の嵩密度を高める態様でもよい。
なお、元々飛沫同伴する恐れがない程度に嵩密度の高い解重合原料を併用する場合には、上記の趣旨から、嵩密度の低い解重合原料について嵩密度を高めればよいが、嵩密度の高い解重合原料と嵩密度の低い解重合原料をあわせて嵩密度を高める処理を施すことにより、結果的に嵩密度の低い解重合原料の嵩密度を高める態様でもよい。
嵩密度を高められた解重合原料は、嵩密度を高めた後にそのまま解重合装置へ供給して解重合を行っても良いし、溶融装置で溶融させた後に解重合装置で解重合してもよい。
<嵩密度の測定方法>
本発明で言う、嵩密度の測定方法はJISZ7302−9(2002年制定)に定められた方法により測定する。
本発明で言う、嵩密度の測定方法はJISZ7302−9(2002年制定)に定められた方法により測定する。
<嵩密度を高める処理を施すための装置>
本発明で使用する嵩密度を高める処理を施すために用いられる装置としては、嵩密度を高められればいかなる装置でも良い。嵩密度を高めるための方法は加熱による方法でも機械的な方法でも良い。加熱の方法としては電気的に加熱しても、機械的発熱手段でせん断熱、摩擦熱を与えても良い。加熱はカプロラクタム重合体の劣化を防止するために不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明で使用する嵩密度を高める処理を施すために用いられる装置としては、嵩密度を高められればいかなる装置でも良い。嵩密度を高めるための方法は加熱による方法でも機械的な方法でも良い。加熱の方法としては電気的に加熱しても、機械的発熱手段でせん断熱、摩擦熱を与えても良い。加熱はカプロラクタム重合体の劣化を防止するために不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、加熱により生成するガスは原料により、悪臭が出る場合や環境への影響がある場合もあるため、加熱は密閉系で行い生成するガスをスクラバー等に吸収させて無毒化、無害化するのがのぞましい。スクラバーは生成する気体によりpHの調整を行うことが望ましい。また、スクラバー等で吸収できないガスについては毒性、環境影響を考慮し、十分に希釈されるように排出することが望ましい。
これらの装置の具体例として押出機、混練機が挙げられる。押出し、混練りにより嵩密度が高められた解重合原料は、更に造粒等の操作により操作性を改善しても良い。押出機、混練機を使用する場合、押出温度、混練温度は、特に100〜400℃であることが好ましい。
<解重合原料の破砕>
なお、本発明において解重合原料を、その嵩密度を高める処理に供するにあたり、解重合原料を破砕して用いることができる。特に処理前の解重合原料が衣料のような嵩高い形態である場合には、このような破砕処理を施すことが有用である。
なお、本発明において解重合原料を、その嵩密度を高める処理に供するにあたり、解重合原料を破砕して用いることができる。特に処理前の解重合原料が衣料のような嵩高い形態である場合には、このような破砕処理を施すことが有用である。
上記解重合原料の破砕方法は、破砕できればいかなる方法でもよい。嵩高く、嵩密度の低い解重合原料は、嵩密度を高める処理、及び溶融処理を行うにおいて処理効率が低く、溶け残った解重合原料は解重合装置から解重合されないまま飛沫同伴により留出したり、配管を通して移液する場合に閉塞などのトラブルの原因となる。このため、ロータリーカッターなどにより径2〜1000mmに破砕した後、嵩密度を高める装置、溶融装置、または解重合装置へ投入するのが好ましい。好ましくは、径2〜500mm、更に好ましくは径2〜30mmである。また、これらの解重合原料は、破砕の前後でカプロラクタム重合体以外の原料・素材の除去を行っても良い。
<解重合>
本発明で行う解重合法は、いかなる方法でも良い。通常、カプロラクタム重合体は加熱により解重合され、触媒を用いても良く、水の不存在下でも(乾式)、存在下でも良い(湿式)。
本発明で行う解重合法は、いかなる方法でも良い。通常、カプロラクタム重合体は加熱により解重合され、触媒を用いても良く、水の不存在下でも(乾式)、存在下でも良い(湿式)。
解重合圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれであっても良い。解重合温度は、通常、100〜400℃であり、好ましくは、200〜350℃、さらに好ましくは、220〜300℃である。温度が低いと、カプロラクタム重合体が溶融しないうえ、解重合速度が遅くなる。温度が高いと、不必要なカプロラクタム重合体の分解が起こり、回収カプロラクタムの純度低下をもたらす。
触媒を用いる場合は、通常、酸、あるいは塩基触媒などを用いる。酸触媒としては、リン酸、ホウ酸、硫酸、有機酸、有機スルホン酸、固体酸、およびこれらの塩、また塩基触媒としては、アルカリ水酸化物、アルカリ塩、アルカリ土類水酸化物、アルカリ土類塩、有機塩基、固体塩基などが挙げられる。好ましくは、リン酸、ホウ酸、有機酸、アルカリ水酸化物、アルカリ塩などが挙げられる。さらに好ましくは、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
触媒の使用量は、通常、カプロラクタム重合体成分に対して、0.01から50質量%である。好ましくは、0.1から20質量%、さらに好ましくは、1から10質量%である。触媒使用量は少ないと、反応速度が遅くなり、多いと、副反応が多くなるうえ、触媒コストがかさみ経済的に不利になる。
湿式解重合の水使用量は、カプロラクタム重合体成分に対して、0.1から50質量倍である。好ましくは、0.5から20質量倍、さらに好ましくは、1から10質量倍である。水の使用量は、少ないと、反応速度が遅くなり、多いと、回収カプロラクタム水溶液の濃度が低くなり、カプロラクタムの取得上、不利になる。
<解重合原料の溶融>
本発明において、上記解重合に先立ち、嵩密度を高めた解重合原料を溶融させることが好ましい。カプロラクタム重合体は融点よりも高い温度で加熱することにより、配管を通して移液するのに十分な流動性が得られ、加熱溶融温度は、通常150〜450℃である。好ましくは、200から400℃、さらに好ましくは、250から350℃である。温度が低すぎるとカプロラクタム重合体が溶融せず、温度が高すぎると不必要な分解が起こる。
本発明において、上記解重合に先立ち、嵩密度を高めた解重合原料を溶融させることが好ましい。カプロラクタム重合体は融点よりも高い温度で加熱することにより、配管を通して移液するのに十分な流動性が得られ、加熱溶融温度は、通常150〜450℃である。好ましくは、200から400℃、さらに好ましくは、250から350℃である。温度が低すぎるとカプロラクタム重合体が溶融せず、温度が高すぎると不必要な分解が起こる。
解重合原料の溶融に際しては、解重合原料溶融装置を用いることが好ましい。カプロラクタム重合体を溶融できればいかなる装置でも良い。加熱の方法としては電気的に加熱しても、機械的発熱手段でせん断熱、摩擦熱を与えても良い。また、機械的に溶融を促進する装置を備えていても良く、好ましくは攪拌装置や圧縮装置である。
加熱はカプロラクタム重合体の劣化を防止するために不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、加熱により生成するガスは原料により、悪臭が出る場合や環境への影響がある場合もあるため、加熱は密閉系で行い生成するガスをスクラバー等に吸収させて無毒化、無害化するのがのぞましい。スクラバーは生成する気体によりpHの調整を行うことが望ましい。また、スクラバー等で吸収できないガスについては毒性、環境影響を考慮し、十分に希釈されるように排出することが望ましい。
溶融した解重合原料は、解重合装置へ供給されるが、全量を供給せずに一部を溶融装置に残して、残った溶融解重合原料中に新たな解重合原料を投入して溶融させても良い。
また、溶融していない解重合原料は予め除去することにより解重合後に、反応残渣に残るのを避けることができるうえ、解重合装置への原料供給における配管の閉塞トラブルを避けることができる。
<ラクタムの回収方法>
乾式解重合を行う場合、生成したカプロラクタムを反応装置から減圧蒸留により留出させ、回収カプロラクタムを得る。解重合反応が終了してから、減圧蒸留によりカプロラクタムを取り出しても良いし、反応の進行とともに、連続的に取り出しても良い。
乾式解重合を行う場合、生成したカプロラクタムを反応装置から減圧蒸留により留出させ、回収カプロラクタムを得る。解重合反応が終了してから、減圧蒸留によりカプロラクタムを取り出しても良いし、反応の進行とともに、連続的に取り出しても良い。
湿式解重合を行う場合は、生成したカプロラクタムを反応装置から水とともに留出させ、回収カプロラクタム水溶液を得る。解重合反応が終了してから、蒸留によりカプロラクタム水溶液を取り出しても良いし、反応の進行とともに、連続的に取り出しても良い。好ましくは、反応装置へ連続的に、水を供給し、かつ、生成するカプロラクタム水溶液を反応装置から連続的に取り出す。さらに好ましくは、常圧で、反応装置へ連続的に水蒸気を供給し、かつ生成するカプロラクタム水溶液を反応装置から連続的に取り出す。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例は、何ら本発明を限定するものではない。
実施例1
<原料>
ナイロン6からなる衣料200kgを、15mmのスクリーン径を有する破砕機で破砕したところ、嵩密度0.08g/cm3の破砕屑が得られた。得られた破砕屑を2軸押出機に投入したところ嵩密度0.60g/cm3の吐出物が得られ、これを嵩密度0.63g/cm3のナイロン6屑200kgと共に解重合原料溶融装置へ投入し、2時間後に配管を通して解重合装置へ投入した。
<原料>
ナイロン6からなる衣料200kgを、15mmのスクリーン径を有する破砕機で破砕したところ、嵩密度0.08g/cm3の破砕屑が得られた。得られた破砕屑を2軸押出機に投入したところ嵩密度0.60g/cm3の吐出物が得られ、これを嵩密度0.63g/cm3のナイロン6屑200kgと共に解重合原料溶融装置へ投入し、2時間後に配管を通して解重合装置へ投入した。
<解重合条件>
解重合触媒である75質量%のリン酸10.7kgと解重合原料を解重合装置に仕込み、窒素雰囲気下で260℃まで加熱した。過熱水蒸気を導入速度1400L/時間で解重合装置への吹き込みを始め、反応を開始した。解重合装置から連続的に留出するカプロラクタム・水蒸気を冷却、カプロラクタム水溶液を回収しながら、解重合反応を実施した。
解重合触媒である75質量%のリン酸10.7kgと解重合原料を解重合装置に仕込み、窒素雰囲気下で260℃まで加熱した。過熱水蒸気を導入速度1400L/時間で解重合装置への吹き込みを始め、反応を開始した。解重合装置から連続的に留出するカプロラクタム・水蒸気を冷却、カプロラクタム水溶液を回収しながら、解重合反応を実施した。
<結果>
解重合原料溶融装置から溶融物を解重合装置へ払出した後、配管を解体したところ、配管内に溶け残った原料は見られなかった。また、解重合装置から連続的に留出するカプロラクタム水溶液中に、解重合原料の飛沫同伴は見られなかった。
解重合原料溶融装置から溶融物を解重合装置へ払出した後、配管を解体したところ、配管内に溶け残った原料は見られなかった。また、解重合装置から連続的に留出するカプロラクタム水溶液中に、解重合原料の飛沫同伴は見られなかった。
比較例1
解重合原料として、実施例1で破砕した嵩密度0.08g/cm3の破砕屑を、二軸押出機を介さずに、直接、解重合原料溶融装置へ投入した以外は、実施例1と同様に解重合操作を実施した。
解重合原料として、実施例1で破砕した嵩密度0.08g/cm3の破砕屑を、二軸押出機を介さずに、直接、解重合原料溶融装置へ投入した以外は、実施例1と同様に解重合操作を実施した。
解重合装置から連続的に留出するカプロラクタム水溶液中に、解重合される前に飛沫同伴した溶融していない解重合原料の破砕屑が見られた。
比較例2
実施例1において、解重合原料の衣料50kgを破砕せずに、ナイロン6屑350kgと共に解重合原料溶融装置で24時間溶融させた後、溶融物を配管を通じて解重合装置へ供給した。解重合原料溶融装置から解重合装置へ溶融物を払出した後、配管を解体したところ、溶融せずに残った原料が配管内に確認された。
実施例1において、解重合原料の衣料50kgを破砕せずに、ナイロン6屑350kgと共に解重合原料溶融装置で24時間溶融させた後、溶融物を配管を通じて解重合装置へ供給した。解重合原料溶融装置から解重合装置へ溶融物を払出した後、配管を解体したところ、溶融せずに残った原料が配管内に確認された。
本発明によれば、カプロラクタム重合体を主成分とする嵩密度の低い解重合原料を、工業的に有利な方法で解重合装置へ供給することができる。
Claims (5)
- カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、嵩密度を高める処理を施した後、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法。
- 嵩密度を高められた解重合原料を、溶融し、解重合することによりカプロラクタムを得ることを特徴とする、請求項1に記載のカプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法。
- カプロラクタム重合体を含む解重合原料を、破砕した後に嵩密度を高めることを特徴とする、請求項1または2に記載のカプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法。
- 嵩密度を高める処理が、処理前の嵩密度を越え、かつ0.1g/cm3以上に高める処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法。
- 押出機または混練機を用いて嵩密度を高めることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のカプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法。
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JP2005289042A Pending JP2007099645A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | カプロラクタム重合体を含む解重合原料の解重合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007099645A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023144338A1 (en) * | 2022-01-28 | 2023-08-03 | Cap Iii B.V. | Process for the recovery of epsilon-caprolactam from polyamide 6 comprising fishing nets |
WO2023144339A1 (en) * | 2022-01-28 | 2023-08-03 | Cap Iii B.V. | Process for the recovery of epsilon-caprolactam from nylon 6 comprising fishing nets |
-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005289042A patent/JP2007099645A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023144338A1 (en) * | 2022-01-28 | 2023-08-03 | Cap Iii B.V. | Process for the recovery of epsilon-caprolactam from polyamide 6 comprising fishing nets |
WO2023144339A1 (en) * | 2022-01-28 | 2023-08-03 | Cap Iii B.V. | Process for the recovery of epsilon-caprolactam from nylon 6 comprising fishing nets |
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