JP2007099246A - 車輪駆動装置及びこれを備えるハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの容量を大きくすることなく、駆動系の搭載スペースが限られた車両に搭載でき、トルク出力及び走行距離の点において高性能化を図ることができるとともに、モータのギャップ量の誤差を蓄積しにくくする。
【解決手段】エンジン220の動力により発電する発電機210、バッテリ400から電力供給されて駆動モータ500は駆動し、後輪102を回転させる。駆動モータ500は、ギャップ調整器550によってロータとステータとのギャップ量を調整されることによって駆動出力が変化する。ギャップ量計算部760は、駆動指示情報が停止情報で、かつ駆動モータ500の実際の運転状態が停止状態であるとき、所定ギャップ量を算出してギャップ調整器駆動回路770に出力し、この所定ギャップ量に対応して可変したロータとステータとの相対位置を初期値として設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、出力特性の調整が可能なモータを有する車輪駆動装置を用いたハイブリッド車両に関する。
自走式の車両において、エンジン駆動式の車両と比べ、環境問題の観点から、排出される環境汚染物質をできるだけ少なくしたものが望まれており、これに対して、出願人は、特許文献1に示すように、回転電機(ギャップモータ)によって駆動する車両を出願している。
この特許文献1には、回転電機によって走行する電動車両としての電動二輪車が開示されている。この電動車両の回転電機では、調整用モータとしてのステッピングモータが、回転軸に接続されたロータと、ロータに対向配置されたステータとの前記回転軸方向の相対位置(ギャップ)を調整している。これらロータとステータのギャップの調整によって、マグネットの磁束量をアクティブに調整し、高トルクが必要なときには大きな磁束量、高回転が必要なときには小さな磁束量として、車両における出力特性を自由に変えることが可能となっている。なお、特許文献1では、調整用モータとしてステッピングモータを使用しているため、駆動パルス数によって回転量を制御でき、回転量(または移動量)を知るためのセンサ等が不要となっている。
特開2004−135486号公報
近年、特許文献1の電動車両の構成に対して、出力トルクや走行距離などの点において、特許文献1と車体の大きさが同等のエンジン駆動式車両と同様の車両性能を持たせたいという要望がある。
特許文献1の構成において、エンジン駆動式の二輪車と同等の性能となるように高性能化を図る場合、高トルク出力可能な小型の回転電機を搭載することが考えられる。しかしながら、回転電機に対して高トルク出力を可能にさせつつ、且つ、所定距離走行を実現すべく所定時間駆動可能な消費電力を確保するためには、バッテリは大きくなる。特に、特許文献1のように、車両における駆動系の搭載スペースに制限のある二輪車などの車両では、容量が大きくなるバッテリを搭載するのは困難である。
また、高トルク出力可能な回転電機を車両の主駆動源とし、走行中にロータとステータとの間のギャップの可変を繰り返す場合、調整用モータの調整量と、実際のギャップとに誤差が生じて蓄積する可能性があるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、バッテリの容量を大きくすることなく、駆動系の搭載スペースが限られた車両に搭載でき、トルク出力及び走行距離の点において高性能化を図ることができるとともに、モータのギャップ量の誤差が蓄積しにくい車輪駆動装置及びこれを備えるハイブリッド車両を提供することを目的とする。
本発明の車輪駆動装置は、車輪と、エンジンと、前記エンジンの動力により発電する発電機と、前記発電機の発電電力を充電するバッテリと、回転子及び前記回転子に対向して配置されるステータを有するとともに前記発電機及びバッテリのうち少なくとも一方からの電力により動力を発生させ、前記車輪を駆動する駆動モータと、前記回転子と前記ステータとの相対位置を可変にすることにより、前記回転子と前記ステータとの間のギャップ量を調整し、前記駆動モータの駆動出力を変化させるモータ調整器と、前記駆動モータへの駆動指示情報を出力する制御部と、前記駆動モータの実際の運転状態を出力するモータ状態検出部と、前記駆動指示情報及び前記駆動モータの実際の運転状態とに基いて、前記モータ調整器によって調整されるギャップ量を計算するギャップ量計算部と、計算されたギャップ量に対応して前記モータ調整器を駆動する調整器駆動部とを備える車輪駆動装置であって、前記ギャップ量計算部は、前記駆動指示情報が停止情報であり、かつ前記駆動モータの実際の運転状態が停止状態であるとき、所定ギャップ量を算出して前記調整器駆動部に出力し、前記所定ギャップ量に対応して可変した前記回転子と前記ステータとの相対位置を初期値として設定する構成を採る。
この構成によれば、車輪を回転する駆動出力を発生する駆動モータが、エンジン駆動により発電する発電機及びバッテリのうち少なくとも一方からの電力によって駆動するとともに、駆動モータにおいて、駆動指示情報が停止情報で、かつ駆動モータの実際の運転状態が停止状態である場合、算出された所定ギャップ量に対応して可変した回転子とステータとの相対位置が初期値、つまり、初期化された位置として設定される。
このため、駆動モータの動力供給源として、エンジン駆動により発電する発電機の発電電力と、この発電電力を充電するバッテリからの供給電力とを用いることができる。つまり、バッテリを大きくすることなく、走行に必要な消費電力を確保することができ、駆動モータに高トルク出力可能なものを用いることができる。また、駆動モータが停止状態である場合に、回転子とステータとのギャップ量が初期化されることととなり、ギャップ量の誤差が解消される。つまり、駆動モータにおいて、駆動中にギャップ量の可変を繰り返しても、駆動モータが停止する毎にギャップ量は初期化されることとなるため、ギャップ量の誤差が蓄積しにくい。
以上説明したように、本発明によれば、バッテリの容量を大きくすることなく、駆動系の搭載スペースが限られた車両に搭載でき、トルク出力及び走行距離の点において高性能化を図ることができるとともに、モータのギャップ量の誤差が蓄積しにくくなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態の車輪駆動装置を有するハイブリッド車両は、エンジンにより発電機を駆動し、この発電機の電力により、車輪(例えば、後輪)を駆動するシリーズハイブリッド式の電動車両である。このハイブリッド車両は、ここでは、自動車と比較して、荷物の収納空間が少ない等の欠点はあるが、駐車スペースを少なくできる等の利点から、簡易な移動用車両として広く市場に普及しているスクータ型二輪車としている。
まず、本実施の形態の車輪駆動装置が備える駆動ユニットについて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る車輪駆動装置の駆動ユニット200の平断面図である。なお、本実施の形態において前,後、左,右とは、上記自動二輪車のシートに着座した状態で見た場合の前,後、左,右を意味する。
図1に示すように、駆動ユニット200は、駆動輪である後輪102を片持ちで回転自在で支持するものである。この駆動ユニット200は、エンジン220、エンジン220により駆動する発電機210、発電機210の発電電力及びバッテリ400(図1参照)からの供給電力により回転し、駆動輪である後輪102を駆動する駆動モータ500、ギャップ調整器550を有する。
エンジン220は、駆動ユニット200の前方に、クランク軸222を車両前後方向と直交する方向に位置させて配置されている。このエンジン220は、ピストンは、駆動ユニット200を有する車両の前後方向に延びる中心軸(以下、「車両軸」という)Aに沿って配置されている。
クランク軸222は、一端部側、ここでは、車両右側の端部222a側で、発電機210のロータ212に接続される。そして、ピストン224の上下動により回転するクランク軸222の回転力によって、ロータ212が発電機210のステータ214の周囲を回転し、これにより発電機210自体は発電する。このように、発電機210は、そのロータ212の軸を、エンジン220のクランク軸222と同一軸線上に配置して互いに接合することによって、エンジン220に連結されている。
発電機210の発電電力は、図1に示すようにバッテリ400及び駆動モータ500に供給される。
駆動ユニット200の後方、詳細には、後輪102の左側に配置されるアーム部202には、発電機210及びバッテリ400に接続される駆動モータ500が設けられている。なお、図1では、白抜き矢印は、エンジン220から発電機210へのエンジン出力の流れ、発電機210からバッテリ400への発電電力の流れ、発電機210から駆動モータ500への走行電力の流れ、バッテリ400から駆動モータ500への補助電力の流れをそれぞれ示している。
駆動モータ500は、その回転軸510が車両前後方向(例えば、車両軸A方向)と直交する方向となるように配置されている。駆動モータ500は、可変ギャップ式のモータであり、24V以上の供給電源により駆動する。ここでは、駆動モータ500として、ステータ520及びロータ530との間のギャップを可変させることによって、その回転数及びトルクを制御するアキシャルギャップモータが用いられている。
なお、図1に示す駆動モータ500では、回転軸510を中心にその左右で、それぞれギャップ最大時とギャップ最小時における状態を示している。つまり、駆動モータ500において、ロータ530は、回転軸510を中心に対称に配置されているものであるが、図1では、対称に配置されておらず、回転軸510に対して図面上左側のロータ530Aは、最大ギャップ時のロータ位置を示し、図面上右側のロータ530Bは、最小ギャップ時でのロータ位置を示している。
図2は、駆動モータの要部構成を示す拡大部分断面図である。
アーム部202に配置される駆動モータ500の回転軸510は、アーム部202後端部に形成されるハウジング503内において、ハウジングの左右側面部分に配置される軸受504、505により軸支されている。なお、アーム部202のハウジング503の左側面部は、駆動ユニット200において、後輪102(図1参照)から車幅方向に最も離間した位置に配置されている。
詳細に軸受504、505は、後輪を回転する車軸(出力軸)112に減速部244を介して連結される回転軸510を回転可能に軸支する。
駆動モータ500では、ステータ520は、ハウジング503に収納されてボルトなどで固定されている。ステータ520は、円板状(略リング状)をしたステータヨークと、ステータコイルで構成されている。なお、ステータコイルは、ステータヨークに回転軸510周りに略円形に施された複数の嵌合孔に、それぞれ、挿入固定された複数のティースの各々にボビン(インシュレータ)を介して巻回されている。ステータ520は、図ではステータコイル、ティース、ステータヨークは、樹脂等でモールドされた状態で図示されている。
ロータ530は、ステータ520の略中央部に挿通させた回転軸510を軸として、ステータに対して回転可能な状態で取り付けられている。このように回転軸510はロータ軸を兼ねる。
回転軸510における先端側(車両右側)の端部は、減速部244に挿入され、回転軸510は、この減速部244を介して、車軸112に接続される。なお、減速部244は、例えば遊星ギア機構によって構成され、回転軸510の回転数を減速して力を車軸112に伝える。
また、ロータ530は、円盤状のヨーク532を備えている。ヨーク532は、パンチ加工でリング状にした金属板を2段階絞り加工した部材である。
ヨーク532の片方の面における外周部には、マグネット534がステータ520に対向する位置に固定されている。マグネット534は、ヨーク532の片方の面に交互に異なる極性が形成されるように着磁されている。
マグネット534は、ステータ520に対して回転軸510の軸方向(以下、単に軸方向という)に間隙(ギャップ)G1、G2を有して配されている。
ヨーク532の中心部分には、回転軸510が挿通される貫通孔が形成されている。この貫通孔には、下部で、可動部材(スライダ)540に軸受506を介して回動自在に接続されるブラケット536の上部が嵌合されている。
ブラケット536は、筒状であり、ステータ520に対して略直交する方向に、回転軸510が挿通され、上部で、ヨーク532にボルトを介して固定されている。
ブラケット536の内周側には、軸方向に伸びた溝(スリット)536aが形成され、このスリットは、回転軸510の外周部に形成された突出部510bに係合されている。
すなわち、ブラケット536と回転軸510とはいわゆるセレーションで結合され、ロータ530のブラケット536は、スリット536aを案内溝として回転軸510に対して軸方向に移動可能に接続されている。
したがって、ブラケット536に接続されたヨーク532は、回転軸510とともに回転可能でかつ回転軸510に対して軸方向に摺動可能になっている。この摺動により、ロータ530(詳細にはロータ530のマグネット534)とステータ520との間のギャップGは、例えば、ギャップG1からギャップG2の間で形成される。
このブラケット536の下部、つまり、ブラケット536に対して後輪102と逆側の部分に、内部に回転軸510を挿通した円筒状の可動部材540が配置されている。
可動部材540は、ハウジング503内に、回転軸510回りに、回転軸510が挿通された筒状体551を介して回転自在に取り付けられ、下部で、ギャップ調整器550におけるロータ554のロータ円筒部554bに螺合により接続されている。
可動部材540は、図2に示すように、上部(先端部)、つまり、ロータ530のヨーク532側に設けられ、ブラケット536の下端部が軸受506を介して接続される接続部541と、接続部541から下方に延びる本体部542とを有する。
接続部541は、本体部542の先端縁から径方向に伸延されるフランジ部の外周から上方に立ち上がる周壁部を有する。接続部541では、フランジ部の上面から隙間を空け、周壁部内に内嵌された軸受506及びブラケット536下部を介して回転軸510が挿通されている。
本体部542は、ハウジング503に固定された回り止め部材507に挿通され、この回り止め部材507により、本体部542自体の回転が防止されているとともに軸方向にのみ移動可能となっている。
ここで、回り止め部材507の構成について説明する。回り止め部材507には、可動部材540が挿通される挿通孔508が形成されている。一方、可動部材540における本体部542の先端部(図2上では上部)の外周には、挿通孔508に内嵌し、挿通孔508の内面に沿って軸方向にのみ摺動する摺動部542aが設けられている。
摺動部542aは断面円筒状をなし、その一部の外周部を切り欠くことで平面部が形成されている。これに外嵌する挿通孔508の内周面は、一部に摺動部542aの平面に当接する平面が形成されている。
つまり、これら平面どうしが当接することにより、回り止め部材507と可動部材540の摺動部542aは相対的な回転を抑止している。
図3は、可動部材と回り止め部材との関係を示す断面図である。可動部材の摺動部542aと回り止め部材507の係合部の軸方向断面形状は、例えば、図3(a)に示すように、円形状の少なくとも一箇所を直線としたものでもよいし、図3(b)に示すように、多角形でもよい。
さらに摺動部542aと回り止め部材507の形状が略相似形である必要はなく相互に噛み合い相対的に回転しなければよい。
また、本体部542の基端部(図2上では下端部)、つまり、可動部材540の下端部の外周には、雄ねじ部542bが形成され、この雄ねじ部542bがロータ円筒部554bの雌ねじ部554cに螺合されている。
なお、雄ねじ部542b及び雌ねじ部554cによる可動部材540とロータ円筒部554bとの接続は、雄ねじ部542b及び雌ねじ部554cに代えて、螺旋状の凹凸部として、これら凹凸部同士を係合することで構成してもよい。
また、ロータ円筒部554b及び本体部542の下端部のうち、一方に螺旋状の長孔を設け他方には長孔に係合するピンを配置してもよい。つまり、これら本体部542及びロータ円筒部554bとの接続構造、ここでは、回り止め部材507により回転が防止された雄ねじ部542bと雌ねじ部554cとの螺合構造により、本体部542の回転を、軸方向に変換する。これにより、可動部材540は軸方向に移動する。
この可動部材540は、回り止め部材507と間に介設される付勢部材513によって、ステータ520に対して離間する方向に付勢されている。
ロータ円筒部554bは、調整用モータが備えるロータの一部であり、筒状体551上で軸受504に近接配置され、上下において、ハウジング503及び回り止め部材507に嵌合された各軸受509に回転可能に軸支されている。
ギャップ調整器550は、ロータ530とステータ520の回転軸方向の相対位置(ギャップG)を調整するモータであり、例えば、ステッピングモータ等からなる。
ここでは、ギャップ調整器550は、外周側に円筒型のステータ552を、内周側に円筒型のロータ554をそれぞれ同心円上に配してなる。ステータ552はアーム部202に固定され、アーム部202には、ギャップ調整器550を駆動するギャップ調整器駆動回路770(図4参照)が設けられている。
ステータ552はコイル552aを複数有し、これらコイル552aは電気的にギャップ調整器駆動回路770(図4参照)に接続されている。
ロータ554は、ステータ552に間隙を有して配設された複数の磁極を有するマグネット554aと内周側のロータ円筒部554bを備える。ロータ円筒部554bはその上下において、アーム部202及び回り止め部材507に嵌合された各軸受509に回転可能に軸支されている。ロータ円筒部554bの内周面にはネジ山(ここでは雌ねじ部554c)が形成され、このネジ山部分(内周面)554cに、可動部材540における本体部542の雄ねじ部542bに螺合している。これにより、可動部材540は、ギャップ調整器550の回転を、本体部542の回転によって、軸方向に変換し可動部材540自身が軸方向に移動するようになっている。
なお、ギャップ調整器550は、ロータ530を動かすことにより、ロータ530及びステータ520間のギャップGを調整する。このため、ギャップ調整器550は、鉄芯と銅線からなる重いステータ520を動かすより、小さなものを用いることができる。
ここで駆動モータ500の動作を説明する。ギャップ調整器駆動回路770(図4参照)がステータ552のコイル552aを駆動すると、ロータ554が回転軸510回りに回転する。この回転によりロータ円筒部554bは回転し、ロータ円筒部554bと本体部542で螺合している可動部材540が回転軸510上を車両右方向に移動する。この構成により、ギャップ調整器550の駆動力が、可動部材540の軸方向の変位に変換される。可動部材540の車両右側への移動により、可動部材540の接続部541は、ブラケット536を介してヨーク532をステータ520から離間する方向(図2では図面上方向)に押圧する。これにより、ヨーク532は、ステータ520から離間する方向に移動する。
よって、ヨーク532のマグネット534と、ステータ520との間の間隔、つまり、ギャップGは広くなる。このとき、可動部材540とヨーク532とは軸受506を介して接続されているため、ヨーク532を回転させたまま移動させることができる。
つまり、車軸(駆動軸)210を回転させた状態で、ギャップ調整器550によりギャップGを調節して、車軸112の回転トルク、回転数を調節することができる。
逆に、ギャップ調整器駆動回路770(図4参照)がギャップ調整器550を前記回転の方向とは逆方向に回転させた場合について説明する。この場合、ギャップ調整器550では、ロータ円筒部554bの回転によって、可動部材540は、ロータ円筒部554bに近づく方向(図2では、図面下方向)、言い換えれば、ステータ552側に移動する。
そして、可動部材540の動作に伴いヨーク532は、ステータ520に近づく方向(図2では図面下方向)に移動する。この動作により、ヨーク532のマグネット534と、ステータ520との間の間隔であるギャップGは狭くなる。
このときも、可動部材540とヨーク532は軸受506を介して接続されているため、ヨーク532を回転させたまま移動させることができる。
このように、駆動モータ500では、車軸112の回転トルク、回転数をギャップ調整器550の制御により容易に調節することができる。
なお、ギャップ調整器駆動回路770(図4参照)は、駆動モータ500が停止中の時でも、ギャップ調整器550を駆動できる。したがって、ギャップGが押し歩きの際に大きくなるように制御すれば、運転者の疲労を軽減できる。
このように構成される駆動モータ500における回転軸510は、その先端部、つまり、車両右側の端部242a側で、減速部244を介して、駆動モータ500の回転軸の後方に且つ、平行に配置される車軸112に連結されている。
このように駆動ユニット200では、エンジン220が直接、駆動輪、ここでは後輪102を駆動する構成を採っていない。つまり、エンジン220は発電機210を駆動させるためのものとし、後輪102は、バッテリ400や発電機210から供給される電力により、駆動モータ500によって駆動されるものである。
よって、この車両100では、アクセル開度に関わらず、エンジン220の回転数を一定にすることができる。つまり、アイドリング時や急加速時などにおいても、エンジン220の燃焼効率を高くすることができ、エンジン220の回転数の変化に伴って発生する環境汚染物質を少なくすることができる。
また、このように駆動ユニット200では、エンジン220が取り付けられる車両100の車両軸Aに沿って配置されており、車両100の全体において右側に発電機210が配置されているとともに、車両100の全体において左側に駆動モータ500が配置されている。
このため、駆動ユニット200は、車両100本体に取り付けられても、バランス良く取り付けられることとなり、駆動ユニット200自体も重量バランスの優れたものとなっている。
次に、ギャップ調整器駆動回路770等、駆動ユニット200の各構成要素の駆動を制御する制御部を、ハイブリッド車両100の制御駆動装置全体の構成を含めて説明する。
図4は、本発明に係る電動車両の備える制御駆動装置である制御システム全体を示すブロック図である。
図4に示すように、ハイブリッド車両100は、各構成要素から入力される情報に基づいて駆動ユニット200の各構成要素の駆動を制御する制御部700を有し、この制御部700によって、車両運転状態、つまり車両の駆動状態が制御されている。
制御部700は、入力される情報に基づいて入力される情報に基づいて理想の車両状態(車両運転状態を含む)を決定する理想車両状態決定装置710、決定された理想の車両状態に基づいて指示情報を決定する指示車両状態決定装置720、入力される情報に基づいて理想の電源状態を決定する理想電源状態決定装置730、理想の電源状態に基づいて指示情報を決定する指示電源状態決定装置740等を有する。また、ハイブリッド車両100は、制御部700に加えて、主な構成要素として、メモリ750、ギャップ量計算部760、ギャップ調整器550を駆動するギャップ調整器駆動回路770等を有する。
まず、制御システムにおいて車両を運転するための構成要素について説明する。
アクセル状態検出装置610は、アクセル612の状態を検出し、全開を100%とするアクセル開度の度合を理想車両状態決定装置710に出力する。
ブレーキ状態検出装置616は、ブレーキ614のオン、オフを検出し、ブレーキ情報(ブレーキスイッチon/off)情報として理想車両状態決定装置710に出力する。
メモリ750は、電動車両(ハイブリッド車両)100を運転させるための情報が格納されている。メモリ750に格納される情報としては、駆動ユニットの各構成要素最も効率の良いエネルギ効率で運転させるために駆動ユニット200の各構成要素を駆動させる際の効率分布マップ751〜754などが挙げられる。また、メモリ750は、ギャップ量−現在回転数マップ780を格納してもよい。
効率分布マップ751〜754として、ここでは、モータ駆動効率分布マップ751、バッテリ充放電効率分布マップ752、発電機運転効率分布マップ753、エンジン運転効率分布マップ754等がメモリ750に格納されている。
モータ駆動効率分布マップ751は、運転状況に応じて最も効率の良い駆動モータ500の駆動状態の分布を示す。なお、このモータ駆動効率分布マップ751の情報は、理想車両状態決定装置710に出力される。
バッテリ充放電効率分布マップ752は、運転状況に応じて最も効率の良いバッテリ400の充放電状態の分布を示す。図5は、バッテリ充放電効率分布マップ752の一例を示す図である。図5に示すバッテリ充放電効率分布マップ752では、現在SOC%、バッテリ充放電電流及びバッテリ温度を用い、その際のバッテリの放充電効率を算出できるものである。なお、このバッテリ充放電効率分布マップ752の情報は、理想電源状態決定装置730に出力される。
また、発電機運転効率分布マップ753は、運転状況に応じて最も効率の良い発電機210の運転状態の分布を示す。図6は、発電機運転効率分布マップ753の一例を示す図である。図6に示す発電機運転効率分布マップ753では、回転数rpmと発電機による発電電流を用い、その際の発電機運転効率を算出できるものである。なお、発電機運転効率分布マップ753の情報は、理想電源状態決定装置730に出力される。
エンジン運転効率分布マップ754は、運転状況に応じて最も効率の良いエンジン220の運転状態の分布を示す。図7は、エンジン運転効率分布マップ754の一例を示す図である。図7に示すエンジン運転効率分布マップ754では、回転数rpmとトルクNmを用い、その際のエンジン運転効率を算出できるものである。なお、このエンジン運転効率分布マップ754の情報は、理想車両状態決定装置710に出力される。
ギャップ量−現在回転数マップ780は、駆動モータ500におけるギャップGを調整するギャップ調整器550の駆動の制御に用いられ、駆動モータ500自体の実際の回転数、つまり、現在回転数に対応するギャップ量を有する。このギャップ量−現在回転数マップ780の情報は、ギャップ量計算部760に出力される。
図4に示すボタンスイッチ状態検出装置618は、ボタンスイッチセット620における各種ボタンスイッチの状態を検出し、その状態情報を理想車両状態決定装置710、理想電源状態決定装置730及びエラー状態決定装置790に出力する。
ボタンスイッチセット620は、図示しないが、例えば、PEV(Pure Electric Vehicle)優先ボタンスイッチ、燃料優先ボタンスイッチ、パワー優先ボタンスイッチ、メインスイッチ等を備える。PEV優先ボタンスイッチは、バッテリを駆動源にして走行する運転モードを優先させるためのボタンであり、燃料優先ボタンスイッチは、走行中、燃料を優先するための運転モードを選択するためのボタンスイッチである。
また、パワー優先ボタンスイッチは、走行において出力トルクが高トルクとなる運転モードを選択するためのボタンスイッチである。これに対応して、ボタンスイッチ状態検出装置618から理想車両状態決定装置710、理想電源状態決定装置730及びエラー状態決定装置790に出力される状態情報は、例えば、PEV優先モード状態や、燃料優先モード状態、パワー優先モード状態などの運転モード状態情報である。なお、メインスイッチがオンされることにより、車両におけるすべての装置の電源が入力される。
理想車両状態決定装置710は、アクセル状態検出装置610、ブレーキ状態検出装置616、モータ駆動効率分布マップ751、電源状態検出装置624から入力される各情報に基づいて、理想の車両状態を決定する。理想の車両状態とは、運転モードにおいてアクセル開度に対応する駆動モータ500の駆動による運転状態である。
詳細には、理想車両状態決定装置710には、アクセル開度%、ブレーキスイッチon/off、モータ効率、運転モード、現在SOC(State Of Charge)状態%の各情報が入力される。これら入力に基づいて、理想車両状態決定装置710は、入力される運転モードにおいて、アクセル開度に対応する理想的な駆動モータ500の駆動状態を決定している。そして、理想車両状態決定装置710は、決定した理想車両状態にするための目標トルクNm、目標回転数rpmを算出し、指示車両状態決定装置720に出力する。
理想車両状態決定装置710に現在SOC状態%情報を出力する電源状態検出装置624は、バッテリ400の状態を検出するバッテリ状態検出装置626から入力されるバッテリ充放電量wh、バッテリ温度degに基づいて、バッテリ充放電量wh、バッテリ温度deg及びSOC状態%情報を含むSOC状態情報(現在SOC情報)を生成する。
この電源状態検出装置624は、バッテリ状態検出装置626から入力される情報に基づいて、SOC情報としてSOC過小、過大、バッテリオーバーヒート等の情報をエラー状態決定装置790に出力する。
なお、バッテリ状態検出装置626は、バッテリから電圧V、電流A及び温度deg等を検出して、バッテリ充放電量wh、バッテリ温度degを生成して電源状態検出装置624に出力している。
理想電源状態決定装置730には、バッテリ充放電効率分布マップ752から充放電効率情報、発電機運転効率分布マップ753及びエンジン運転効率分布マップ754から発電機効率情報、ボタンスイッチ状態検出装置618から運転モード情報が入力される。また、理想電源状態決定装置730には、電源状態検出装置624から現在SOC状態%情報、エラー状態決定装置790からエラー状態情報、加えて、車両状態検出装置628から車両状態情報(現在走行負荷N、加速負荷N、勾配負荷N、車速kph、加速度g情報)がそれぞれ入力される。
これら入力される情報に基づいて、理想電源状態決定装置730は、車両が理想的な電源状態となるように駆動ユニット200の各構成要素に対する制限、目標、動作情報を生成する。そして、理想電源状態決定装置730は、生成した各情報を指示車両状態決定装置720や指示電源状態決定装置740に出力する。詳細には、理想電源状態決定装置730は、バッテリ400の充電量を決定するものであり、入力されるバッテリ状態SOCからバッテリ充電量を計算し、これに駆動モータ500の出力から現在使用している電力を加算して目標発電量を決定する。これに基づいて理想電源状態決定装置730は、制限トルクNm及び制限回転数rpmを指示車両状態決定装置720に出力し、発電機動作決定情報、目標トルクNm、目標電力Kw、目標回転数rpmを指示電源状態決定装置740に出力する。
指示車両状態決定装置720は、入力される情報に基づいて、決定された理想車両状態となるように、駆動モータ500の駆動及び駆動モータ500に関連する各構成要素、例えば、ギャップ調整器550の駆動を制御するための指示情報を生成して出力する。
具体的に、指示車両状態決定装置720に入力される情報は、理想車両状態決定装置710から目標トルクNm及び目標回転数rpm、理想電源状態決定装置730から制限トルクNm、制限回転数rpmである。また、指示車両状態決定装置720には、車両状態検出装置628から車両状態情報(現在走行負荷N、加速負荷N、勾配負荷N、車速kph、加速度g情報)が入力され、エラー状態決定装置790からエラー状態情報が入力される。
そして、指示車両状態決定装置720は、入力される情報に基づいて、駆動モータ500への指示トルク及び駆動モータ500への指示回転数rpmを、ギャップ量計算部760及び駆動モータ運転装置630にそれぞれ出力する。
ギャップ量計算部760は、指示車両状態決定装置720から入力される駆動モータ500への指示トルク及び指示回転数と、駆動モータ運転装置630から入力される現在回転数と、ギャップ量−現在回転数との関係を示すマップ780とに基づいて、現在回転数に対応した駆動モータ500におけるギャップ量Gを算出する。
ギャップ量計算部760は、算出したギャップ量Gに対応する駆動信号をギャップ調整器駆動回路770に出力する。ギャップ調整器駆動回路770は、入力される駆動信号に基づいて駆動電流を生成し、ギャップ調整器550に出力して、ギャップ調整器550を駆動する。
ギャップ調整器駆動回路770は、駆動中でも常に変化する走行状態に合わせ、所望のトルクと回転数を得るのに最適な吸引力と反発力が発生するように、ロータ530とステータ520の相対位置(ギャップG)を制御する。
具体的には、発進のために必要な大きなトルクを必要とする場合、ギャップ調整器550を駆動制御することによって、ロータ530とステータ520との間のギャップGを小さくする。ギャップGが小さくなることから、ロータ530とステータ520間においては大きな吸引力・反発力が発生する。一方、高速運転のために、高い回転軸230の回転速度を必要とする場合、ギャップ調整器550を駆動制御することにより、ロータ530とステータ520との間のギャップGを大きくする。ギャップGが大きくなることから、ロータ530とステータ520間においては小さな吸引力・反発力が発生することとなり、それに反比例する回転速度を高くすることができる。
ギャップ調整器550は、ギャップ調整器駆動回路770から出力される駆動電流に基づいて、所定長のギャップとなるように、可動部材を介してロータをステータに対して、接離方向に移動する。
駆動モータ運転装置630は、入力される情報に基づいて駆動モータ500にU、V、W相を出力して駆動モータ500を駆動制御する。この駆動モータ運転装置630に入力される情報は、指示車両状態決定装置720から入力される指示トルクNm、指示回転数rpm、駆動モータ状態検出装置632から入力される駆動モータ500の現在トルクNmと、駆動モータ500の現在回転数rpmである。この駆動モータ運転装置630は、駆動モータ500に24V以上、ここでは24Vの高電圧電源を供給する。
駆動モータ状態検出装置632は、駆動モータ500の運転状態を検出するものであり、駆動モータ500のからフィードバックされる回転数及びU.V.W相情報に基づいて実際の駆動モータ500の状態を示すモータ状態情報を生成して出力する。
詳細には、駆動モータ状態検出装置632は、駆動モータ500の状態を示す駆動モータ500の回転数FB_pps及び駆動モータ500に入力されるU.V.W相FB_Aを検出する。これら検出した情報に基づいて、駆動モータ状態検出装置632は、現在の駆動モータ500のトルク(現在トルクNm)及び回転数(現在回転数rpm)を駆動モータ運転装置630に出力する。加えて、駆動モータ状態検出装置632は、現在トルクNmを車両状態検出装置628に出力し、現在回転数rpmをギャップ量計算部760に出力する。さらに、駆動モータ状態検出装置632は、入力される情報、つまりフィードバックされる駆動モータ500の回転数及び3相出力情報と予め設定された情報とを比較してエラー状態決定装置790に、過電流、過回転及びオーバーヒート等の情報を出力する。
車両状態検出装置628は、入力される情報、ここでは、駆動モータ状態検出装置632から得られる情報、車両の前後輪104、102から得られる情報、さらに車両重量等情報に基づいて実際の車両状態を検出する。詳細には、車両状態検出装置628は、駆動モータ状態検出装置632から入力される現在トルクNm、後輪回転状態検出装置634や前輪回転状態検出装置635から入力される車輪回転情報及び予め設定される車両重量等の情報に基づいて、車両状態情報を生成して出力する。また、車両状態検出装置628は、入力される情報に基づいて生成する車両状態情報として、現在の車両状態が通常運転状態とは異なる異常状態である情報を生成し、エラー状態決定装置790に出力する。
この車両状態が異常状態である情報とは、例えば、実際の車速が上限車速とされる閾値を越える場合の車速超過や逆走状態などを示す情報などである。
後輪回転状態検出装置634は、後輪102の回転状態、つまり、車両後輪102の回転パルス方向を検出し、この検出した回転パルス方向の情報に基づいて車速kpm、車両加速度gを生成して車両状態検出装置628に出力する。
前輪回転状態検出装置635は、前輪104の回転状態、つまり、車両前輪104の回転パルス方向を検出し、この検出した回転パルス方向の情報に基づいて車速kpm、車両加速度gを生成して車両状態検出装置628に出力する。
指示電源状態決定装置740は、理想電源状態決定装置730から入力される発電機動作決定情報及び理想電源状態となるための目標値に基づいて、理想電源状態決定装置730で決定される理想電源状態となるように電源系の各構成要素を制御するための指示決定を行う。そして、指示電源状態決定装置740は、決定した指示内容を電源系の各構成要素、ここでは、発電機210及びエンジン220の駆動に関わる各構成要素に適宜出力する。
具体的に、指示電源状態決定装置740は、入力される情報に基づいて、発電機210の駆動を制御する発電機運転装置636に、発電機210を所定の回転数で駆動すべく指示発電機回転数rpmを出力する。また、指示電源状態決定装置740は、入力される情報に基づいて、エンジン220の駆動を制御する空気/燃料混合供給装置638に空気量(スロットル弁開度)及び燃料流量情報を、エンジン点火装置640に、点火on/off情報をそれぞれ出力する。
発電機運転装置636は、指示電源状態決定装置740から入力される指示発電機回転数rpmに加え、発電機状態検出装置642から入力される実際の発電機210の運転状態情報(現在発電電力kw及び現在発電回転数rpm)に基づいて、発電機210に対し、U.V.W相出力Aを行う。これにより発電機210は運転を制御される。
発電機状態検出装置642は、発電機210からのフィードバック情報(発電機210の回転数FB_pps及びU.V.W相FB_A)を検出することによって、発電機210の実際の運転状態を検出する。そして、発電機状態検出装置642は、入力される実際の発電機210の運転状態情報に基づいて、発電機運転装置636に現在発電電力kw、現在発電回転数rpmを出力してフィードバック制御を行う。また、発電機状態検出装置642は、入力される情報に基づいて、発電機210の運転状態の異常状態を判定し、異常状態情報(過電流、過回転、オーバーヒート等を示す状態情報)を、エラー状態決定装置790に出力する。
空気/燃料混合供給装置638は、指示電源状態決定装置740から入力される空気量(スロットル弁開度)情報及び燃料流量情報に基づく割合で空気と燃料とを混合した混合気をエンジン220のシリンダ内に送り出す。
エンジン点火装置640は、指示電源状態決定装置740から入力される点火on/off情報に基づいてエンジン220に点火パルスを出力してエンジン220を点火する。
エンジン220は、これら入力される混合気及び点火on/off情報に基づいて駆動し、エンジン状態検出装置644によってエンジン回転数rpm、エンジン水温degが検出される。
エンジン状態検出装置644は、検出したエンジン回転数rpm、エンジン水温degに基づいて、エンジンの駆動状態を検出する。そして、エンジン状態検出装置644は、始動失敗、過回転、オーバーヒート等のエンジン異常駆動状態であることを検出した場合、その情報をエラー状態決定装置790に出力する。
エラー状態決定装置790は、車両の運転制御において異常状態が生じた場合、駆動ユニット200を構成する各構成要素から入力される異常状態情報に基づいて、その異常状態情報が示す異常状態を、エラー状態表示情報として表示装置に出力する。また、エラー状態決定装置790は、入力される異常状態情報の示す異常状態に対応する制御を決定するために、エラー状態情報を指示車両状態決定装置720及び理想電源状態決定装置730に出力する。
このときエラー状態決定装置790は、入力される異常状態情報の示す異常状態が、駆動モータ500を含む駆動モータ駆動制御系、発電機210を含む発電機210駆動制御系、エンジン220を含むエンジン駆動制御系にあるかを個別に判定する。
そして、その判定に基づいて、エラー状態決定装置790は、駆動モータ500、発電機210、エンジン220のそれぞれについて運転継続、制限運転、停止、再起不能停止等を判定し、その判定を示す旨の情報をエラー状態情報として指示車両状態決定装置720及び理想電源状態決定装置730に出力する。
このエラー状態決定装置790に入力される異常状態情報としては、例えば、駆動モータ500や発電機210における過電流、過回転及びオーバーヒートの情報、実際の車両状態(車速超過、逆走)、エンジン220における始動失敗、過回転及びオーバーヒートの情報、バッテリ400におけるSOC過小、SOC過大、バッテリオーバーヒートの情報などが入力される。
表示装置646は、入力される情報に基づいて表示パネル648に表示を行うものである。具体的には、表示装置646には、エラー状態表示情報の他に、燃料消費計算部650によって燃料流量に基づいて計算される燃料消費情報、車両状態検出装置628からの車速情報が入力される。
これら入力される情報に基づいて表示装置646は、車速kph、燃料kpl、異常の各情報を表示パネル648に出力して表示させる。
このように構成される制御部700は、それぞれ入力される情報に基づいて、エネルギ効率の最も良い状態でハイブリッド車両100を運転しその走行状態を制御している。
具体的に、制御部700では、理想車両状態決定装置710及び指示車両状態決定装置720を介して駆動モータ500を含む車両駆動(車両状態)系が制御され、理想電源状態決定装置730及び指示電源状態決定装置740を介してエンジン220、発電機210及びバッテリ400を含む電源系が制御される。
特に、車両駆動系を制御する場合では、アクセル開度%、ブレーキスイッチon/off、モータ効率、運転モード、現在SOC状態%等の情報が理想車両状態決定装置710に入力され、これに基づいて、理想車両状態決定装置710から指示車両状態決定装置720に、駆動モータ500に対する目標トルクNm、目標回転数rpmが入力される。
図8は、本発明の一実施の形態に係る車輪駆動装置の制御部700によって制御されるエンジンとモータの設定出力比を示す図である。なお、この図8において、グラフL10はモータ/エンジン出力比を示す曲線、グラフL11は駆動モータの駆動出力(Kw)の駆動曲線、グラフL12は従来のエンジン駆動の二輪車(例えば、エンジンによる最高出力(kW/rpm):3.8(5.2PS)/8,000、最大トルク(N・m/rpm):4.6(0.47kgf・m)/6,500)における実際出力(Kw)の駆動曲線である。
図8に示すように、本実施の形態の車輪駆動装置を有するハイブリッド車両100では、各決定装置710〜740によって、駆動モータとエンジンとの出力比が、低中速域で大きく、高速に行くに従って低下するように制御されている。これは、アイドリング時等、低速回転で走行を始める際に、エンジン駆動する場合、エネルギ効率が悪く、エンジン極力高速に上げて出力することが望まれることに起因する。
ハイブリッド車両100では、各決定装置710〜740によって、駆動モータ500の駆動出力が車速20km時点では略最大駆動出力となっている。そして、グラフL11に示すように、各決定装置710〜740によって、駆動モータ500の駆動出力が最大出力となる前に、エンジン220の出力に対する駆動モータ500の出力比が、最大(ここでは、約1.62倍)となっている。そして、このエンジン220の出力に対する駆動モータ500の出力比は、車速の上昇に伴い漸次減少するように制御される。
これにより、ハイブリッド車両100では、各決定装置710〜740によって、駆動モータ500の駆動出力が車速約19kmで最大になり、アクセル全開で加速を続けた場合、その最大の出力が維持されるように制御されている。また、ハイブリッド車両100では、各決定装置710〜740は、駆動モータ500の駆動出力が最大出力となるまでは、一様増加関数で表されるように制御する。
このようにハイブリッド車両100では、制御部700は、図8のL10に示すように、作為的に無理のある出力カーブがなく、発進時から巡航時まで円滑な出力となるように、エンジンとモータの出力を設定し、これらの駆動を制御している。このため、グラフL12に示す従来型のエンジン車と異なり、車速10〜20km/hの低速域間で、排ガス、燃費及び騒音のため、駆動出力を下げる(図のd部分)必要がない。
よって、ハイブリッド車両100は、運転者が停止状態からアクセルを開き、走行を開始する際に、駆動モータ走行による特有の円滑で安定した立ち上がりから、静寂性を維持した状態で、最高速までスムーズな駆動輪回転を実現することができる。
また、理想車両状態決定装置710から入力される情報と、理想電源状態決定装置730、エラー状態決定装置790及び車両状態検出装置628から入力される情報とに基づいて、指示車両状態決定装置720は、車両駆動系、つまり、ギャップ調整器550及び駆動モータ500を制御する。
ここで、車輪駆動装置において、ギャップ調整器550を用いて行われる駆動モータ500のギャップ可変処理について説明する。
図9は、駆動モータにおけるロータとステータのギャップ可変処理を説明するフローチャートである。
ステップS51では、理想車両状態決定装置710において、ハイブリッド車両のメインスイッチ(図示省略)がオンされたか否かを判定し、メインスイッチがオンされていれば、ステップS52に移行し、オフであれば、ステップS51の処理を繰り返す。
ステップS52では、理想車両状態決定装置710は、指示車両状態決定装置720を介して、ギャップ調整器550に対し、最大速度で最大ギャップまで開く指令、ここでは、最大速度で、最大ストロークとなる指令を出力する。
このステップS52では、理想車両状態決定装置710から入力された情報に基づいて指示車両状態決定装置720が、ギャップ量計算部760に、ギャップが最大離間幅となる位置にロータを最大速度で移動させるための指示トルク及び指示回転数を出力する。この実施の形態におけるギャップ調整器の構成においては、指示車両状態決定装置720は、ギャップ量計算部760に、最大速度でギャップ調整器のストローク長が最長となるように指示を行う。この指示を受けたギャップ量計算部760は、指示に対応する駆動信号をギャップ調整器駆動回路770に出力する。
これを受け、ギャップ調整器駆動回路770は、入力された駆動信号に対応する駆動電流をギャップ調整器550に出力して、ギャップがギャップ調整器駆動性能における最短時間で最大離間幅(図2のギャップG2)となるように、ギャップ調整器550を駆動させる。
ステップS52の後、ステップS53に移行し、理想車両状態決定装置710は、予め設定されているギャップ調整器の最大ストローク及び最大速度からフルストロークまでの時間が経過しているかを判定する。
ステップS53において、フルストロークになるまで時間が経過していれば、ステップS54に移行し、未経過であれば、経過するまでステップS53の処理を繰り返す。
ステップS54では、現在のギャップ調整器550の位置、詳細には、ステータ520に対するロータ530の相対位置をギャップ調整器550によるフルストローク位置としてリセットし、ステップS55に移行する。詳細には、ステップS54では、理想車両状態決定装置710は、指示車両状態決定装置720を介して、現在のギャップ調整器550の位置をギャップ調整器550のフルストローク状態時の位置、つまりギャップ最大位置(図2で示すG2)として設定する。
ステップS55では、アクセル状態検出装置610を介してアクセル開度量(アクセル開度%)を検出し、ステップS56に移行する。
ステップS56では、理想車両状態決定装置710は、アクセル状態検出装置610から入力されるアクセル開度量と、その他入力される情報に基づいて、指示車両状態決定装置720に、駆動モータ500への駆動指令(目標トルクNm、目標回転数rpm)を出力し、ステップS57に移行する。
ステップS57は、駆動モータ状態検出装置632によって駆動モータ500の回転数を検出し、ステップS58に移行する。なお、ステップS57において駆動モータ状態検出装置632により検出された駆動モータ500の回転数は、現在回転数として駆動モータ運転装置630及びギャップ量計算部760に出力される。
ステップS58では、ギャップ量計算部760は、入力される現在回転数と、指示回転数及びメモリ750に格納されたギャップ量−現在回転数マップ780から目標ギャップ量を算出し、ステップS59に移行する。
ステップS59では、ギャップ量計算部760は、目標ギャップ量−現在ギャップ量を演算し、正負を判定する。目標ギャップ量−現在ギャップ量の演算結果が正であれば、つまり、現在ギャップ量が不足していれば、ステップS60に移行し、目標ギャップ量−現在ギャップ量の演算結果が負であれば、つまり、現在ギャップ量が過多であれば、ステップS61に移行する。
ステップS60では、ギャップ量計算部760は、演算して得られた不足分を補うために不足分に対応するギャップ量増加の駆動信号を出力し、ステップS62に移行する。
ステップS61では、ギャップ量計算部760は、演算して得られた過多分を減らすために、過多分に対応するギャップ量減少の駆動信号を出力する。
ステップS62では、入力される情報に基づいてギャップ量計算部760は現在ギャップ量の再計算を行い、ステップS63に移行する。詳細には、ステップS62では、ギャップ量計算部760に、指示車両状態決定装置720を介して、理想車両状態決定装置710から入力されるアクセル開度に対応する駆動モータ500の目標トルク及び目標回転数に基づくギャップ調整器550への指示トルク及び指示回転数が入力される。これら指示車両状態決定装置720から入力される情報と、メモリ750からのギャップ量−現在回転数マップ780と、駆動モータ状態検出装置632からの現在回転数rpmとに基づいて、ギャップ量計算部760は、現在回転数に対応するギャップ量を計算する。
ステップS63では、理想車両状態決定装置710において、メインスイッチから入力されるオンオフ情報を検出することによって、システムが終了しているか否かを判定し、オフであればシステムをシステム終了と判定し、オンであれば、つまり、終了していなければ、ステップS64に移行する。
ステップS64では、駆動モータ500の現在回転数が0か0以外であるかを判定し、0であれば、ステップS65に移行し、0以外であれば、ステップS55に移行し、再びアクセル開度量の検出を行う。詳細には、ステップS64では、駆動モータ運転装置630が、駆動モータ状態検出装置632から入力される駆動モータ500の現在回転数と、予め設定された回転数0の値とを比較する。
ステップS65では、駆動モータ500への指示トルクが0か0以外であるかを判定し、0であればステップS66に移行し、0以外であれば、ステップS55に移行し、再びアクセル開度量の検出を行う。詳細には、ステップS65では、駆動モータ運転装置630が、指示車両状態決定装置720から入力される駆動モータ500への指示トルクと、予め設定されたトルク0の値とを比較する。
ステップS66では、駆動モータ500の指示回転数が0か0以外であるかを判定し、0であれば、ステップS52に移行し、0以外であれば、ステップS55に移行し、再びアクセル開度量の検出を行う。詳細には、ステップS66では、駆動モータ運転装置630が、指示車両状態決定装置720から入力される駆動モータ500への指示回転数と、予め設定された回転数0の値とを比較する。
これらステップS64〜ステップS66において、駆動モータ500の現在回転数、駆動モータ500への指示トルク及び駆動モータ500への指示回転数が0であることを判定することによって、電動車両自体が停止している状態であることを判定している。
これらステップS64〜ステップS66の処理を経て、電動自体が停止状態であることを判定した場合、ステップS2において、ギャップ調整器550に対し、最大速度で最大ギャップまで開く指令を出力する。これにより、電動車両が停止状態となった場合、ギャップ調整器550は、そのストロークを最大に伸ばし、最大伸長状態(フルストローク状態)を最大ギャップ位置としてリセットする。
したがって、走行中に、ギャップ調整器550において、ギャップ調整器駆動回路770から入力される駆動電流に基づくギャップ量と、実際にギャップ調整器550が駆動することにより形成するギャップ量とに誤差(ギャップ誤差)が生じる場合、車両が停止した際に解消される。よって、車両100は、エンジン駆動式の車両と比べて、環境の点から優れると共に、ギャップ誤差が蓄積しにくいものとなっている。よって、車両100では、実際の運転者の操作、具体的にはアクセル操作によって、ギャップ誤差に起因する実際の駆動モータ500における駆動のタイムラグが発生しにくい。
特に、車両100では、駆動モータ500が24Vを越える電源により駆動し、加速中において、駆動モータ500による後輪出力は低下しないように制御されている。このため、走行中に、24Vを越える電源電圧の高電圧下において駆動モータ500が駆動し、この駆動中において、加速の繰り返しに伴うギャップ可変が発生する場合でも、ギャップ誤差が生じにくく、より一層の運転の安全性を確保することが出来る。
ギャップ誤差の原因として、例えば、ギャップ調整器550としてステッピンモータを用いた場合では、ギャップ調整器駆動回路770から駆動電流(パルス)を1回出力しても駆動しない等、急激な速度変化や過負荷時に発生する脱調がある。具体的に、脱調は、車両加速時や高速時等のようにギャップ調整器550のギャップ可変動作に慣性力が大きく働く場合、或いは、ギャップ可変動作系(例えばステッピンモータ等の駆動部分)に何かが挟まった場合等において生じる。さらに、脱腸は、ギャップ調整器550への駆動電流がオーバーカレントになった場合などにおいて生じる。
また、この実施の形態では、ギャップのリセット、つまり初期化を、駆動モータ500において、ギャップ最大離間側で行っている。つまり、駆動モータ500の出力トルクが小さい状態において、ギャップ調整器550を駆動させているため、ロータ530及びステータ520どうしが引き合って密着し、ギャップ誤差の初期化が困難になることを防止できる。
本発明の第1の態様に係る車輪駆動装置は、車輪と、エンジンと、前記エンジンの動力により発電する発電機と、前記発電機の発電電力を充電するバッテリと、回転子及び前記回転子に対向して配置されるステータを有するとともに前記発電機及びバッテリのうち少なくとも一方からの電力により動力を発生させ、前記車輪を駆動する駆動モータと、前記回転子と前記ステータとの相対位置を可変にすることにより、前記回転子と前記ステータとの間のギャップ量を調整し、前記駆動モータの駆動出力を変化させるモータ調整器と、前記駆動モータへの駆動指示情報を出力する制御部と、前記駆動モータの実際の運転状態を出力するモータ状態検出部と、前記駆動指示情報及び前記駆動モータの実際の運転状態とに基いて、前記モータ調整器によって調整されるギャップ量を計算するギャップ量計算部と、計算されたギャップ量に対応して前記モータ調整器を駆動する調整器駆動部とを備える車輪駆動装置であって、前記ギャップ量計算部は、前記駆動指示情報が停止情報であり、かつ前記駆動モータの実際の運転状態が停止状態であるとき、所定ギャップ量を算出して前記調整器駆動部に出力し、前記所定ギャップ量に対応して可変した前記回転子と前記ステータとの相対位置を初期値として設定する構成を採る。
この構成によれば、車輪を回転する駆動出力を発生する駆動モータが、エンジン駆動により発電する発電機及びバッテリのうち少なくとも一方からの電力によって駆動するとともに、駆動モータにおいて、駆動指示情報が停止情報で、かつ駆動モータの実際の運転状態が停止状態である場合、算出された所定ギャップ量に対応して可変した回転子とステータとの相対位置が初期値、つまり、初期化された位置として設定される。
このため、駆動モータの動力供給源として、エンジン駆動により発電する発電機の発電電力と、この発電電力を充電するバッテリからの供給電力とを用いることができる。つまり、バッテリを大きくすることなく、走行に必要な消費電力を確保することができ、駆動モータに高トルク出力可能なものを用いることができる。また、駆動モータが停止状態である場合に、回転子とステータとのギャップ量が初期化されることととなり、ギャップ量の誤差が解消される。つまり、駆動モータにおいて、駆動中にギャップの可変を繰り返しても、停止する毎にギャップ量は初期化されることとなるため、ギャップ量の誤差が蓄積しにくい。
したがって、バッテリの容量を大きくすることなく、駆動系の搭載スペースが限られた車両に搭載でき、トルク出力及び走行距離の点において高性能化を図ることができるとともに、モータのギャップ量の誤差が蓄積しにくくなる。
本発明の第2の態様に係る車輪駆動装置は、上記構成において、前記所定のギャップ量はギャップの最大量であり、前記調整器駆動部は、前記モータ調整器により前記回転子と前記ステータとの相対位置を最大離間する位置に移動させ、前記最大離間する位置を前記ギャップの最大量の位置として設定する構成を採る。
この構成によれば、駆動モータにおいて、ギャップ量の初期化を回転子とステータとの相対位置を最大離間する位置、つまりギャップの最大量の位置で行うため、可変ギャップモータである駆動モータの性質上、出力トルクが小さい状態において、ギャップの初期化が行われることとなる。つまり、出力トルクが大きな最小ギャップ側でギャップ初期化が行われることがないため、回転子及びステータどうしが引き合い密着して初期化が困難になることを防ぐことができる。
本発明の第3の態様に係るハイブリッド車両は、上記構成の車輪駆動装置を備える構成を採る。
この構成によれば、車輪を回転する駆動出力を発生する駆動モータが、エンジン駆動により発電する発電機及びバッテリのうち少なくとも一方からの電力によって駆動するとともに、駆動モータにおいて、駆動指令情報が停止情報で、かつ駆動モータの実際の運転状態が停止状態である場合、算出された所定ギャップ量に対応して可変した回転子とステータとの相対位置が初期化位置として設定される。このため、ハイブリッド車両において、車輪を回転する駆動モータの動力供給源として、エンジン駆動により発電する発電機の発電電力と、この発電電力を充電するバッテリからの供給電力とを用いることができる。つまり、バッテリを大きくすることなく、走行に必要な消費電力を確保することができ、駆動モータに高トルク出力可能なものを用いることができる。また、駆動モータの実際の運転状態が停止状態である場合に、回転子とステータとのギャップが初期化されることととなり、運転中の車両が停車するたびにギャップ量の誤差が解消される。つまり、駆動モータにおいて、駆動中にギャップの可変を繰り返しても、車両の停止する毎にギャップが初期化されることとなるため、ギャップ量の誤差が蓄積しにくい車両となり、運転の安全性を確保することができる。
本発明に係る車輪駆動装置は、駆動系の搭載スペースが限られた車両において、トルク出力及び走行距離の点において高性能化を図ることができ、モータのギャップ量の誤差が蓄積しにくくなる効果を有し、モータにより駆動するハイブリッド車両として有用である。
本発明の一実施の形態に係る車輪駆動装置の駆動ユニットの平断面図 駆動モータの要部構成を示す拡大部分断面図 可動部材と回り止め部材との関係を示す断面図 本発明に係る電動車両の備える制御駆動装置である制御システム全体を示すブロック図 バッテリ充放電効率分布マップの一例を示す図 発電機運転効率分布マップの一例を示す図 エンジン運転効率分布マップの一例を示す図 本発明の一実施の形態に係る車輪駆動装置の制御部によって制御されるエンジンとモータの設定出力比を示す図 駆動モータにおけるロータとステータのギャップ可変処理を説明するフローチャート
符号の説明
100 ハイブリッド車両
102 後輪(車輪)
200 駆動ユニット
210 発電機
220 エンジン
400 バッテリ
500 駆動モータ
520 ステータ
530 ロータ(回転子)
550 ギャップ調整器(モータ調整器)
552 ステータ
554 ロータ
632 駆動モータ状態検出装置(モータ状態検出部)
700 制御部
710 理想車両状態決定装置
720 指示車両状態決定装置
730 理想電源状態決定装置
740 指示電源状態決定装置
750 メモリ
760 ギャップ量計算部
770 ギャップ調整器駆動回路(調整器駆動部)

Claims (3)

  1. 車輪と、エンジンと、前記エンジンの動力により発電する発電機と、前記発電機の発電電力を充電するバッテリと、回転子及び前記回転子に対向して配置されるステータを有するとともに前記発電機及びバッテリのうち少なくとも一方からの電力により動力を発生させ、前記車輪を駆動する駆動モータと、前記回転子と前記ステータとの相対位置を可変にすることにより、前記回転子と前記ステータとの間のギャップ量を調整し、前記駆動モータの駆動出力を変化させるモータ調整器と、前記駆動モータへの駆動指示情報を出力する制御部と、前記駆動モータの実際の運転状態を出力するモータ状態検出部と、前記駆動指示情報及び前記駆動モータの実際の運転状態とに基いて、前記モータ調整器によって調整されるギャップ量を計算するギャップ量計算部と、計算されたギャップ量に対応して前記モータ調整器を駆動する調整器駆動部とを備える車輪駆動装置であって、
    前記ギャップ量計算部は、前記駆動指示情報が停止情報であり、かつ前記駆動モータの実際の運転状態が停止状態であるとき、所定ギャップ量を算出して前記調整器駆動部に出力し、前記所定ギャップ量に対応して可変した前記回転子と前記ステータとの相対位置を初期値として設定することを特徴とする車輪駆動装置。
  2. 前記所定ギャップ量はギャップの最大量であり、
    前記調整器駆動部は、前記調整器により前記回転子と前記ステータとの相対位置を最大離間する位置に移動させ、この最大離間する位置を前記ギャップの最大量の位置として設定することを特徴とする請求項1記載の車輪駆動装置。
  3. 請求項1記載の車輪駆動装置を備えることを特徴とするハイブリッド車両。
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