JP2007098751A - プラスチック反射防止材料の成形用金型及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しない、表面に微細な凹凸を有するプラスチック反射防止材料を、低コストで効率良く成形するための金型、並びに該金型の効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】金型表面に微細な凹部を緻密かつランダムに形成したプラスチック反射防止材料の成形用金型において、該凹部表面の断面積(平均値)が1.6×10−7mm2以下、深さ(平均値)が400nm以下で、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が400nm以下であり、該凹部表面の断面積の分布が該断面積の平均値±20%の範囲内に90%以上存在するようにプラスチック反射防止材料の成形用金型を構成する。
【選択図】図3
【解決手段】金型表面に微細な凹部を緻密かつランダムに形成したプラスチック反射防止材料の成形用金型において、該凹部表面の断面積(平均値)が1.6×10−7mm2以下、深さ(平均値)が400nm以下で、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が400nm以下であり、該凹部表面の断面積の分布が該断面積の平均値±20%の範囲内に90%以上存在するようにプラスチック反射防止材料の成形用金型を構成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、光学部品の反射防止材料等として用いられる、表面に微細な凹凸を有するプラスチック反射防止材料を製造するための成形用金型及びその製造方法に関する。
従来、携帯電話、デジタルカメラ等の携帯用情報機器の表示装置や、カメラレンズ、メガネレンズ等の光学部品、或いは道路標識等の表面には、外光や照明灯の反射を抑制するために、微細な凹凸を有する反射防止膜等を設けて反射防止機能を付与することが知られている。
このような、反射防止材料としては種々のものが提案されているが、低コストで製造が容易なことから、各種のプラスチックで構成された反射防止材料が注目を集めている。
このような、反射防止材料としては種々のものが提案されているが、低コストで製造が容易なことから、各種のプラスチックで構成された反射防止材料が注目を集めている。
プラスチック製の反射防止材料の製造方法としては、例えばビーズショット法により微細な凹凸を有するエンボス加工用版を製作し、プラスチックフイルムにエンボス加工を施すことにより反射防止材料を製造することが提案されている(特許文献1参照)。
また、電子ビームやレーザー光を使用し、機材表面に塗付した感光性樹脂をパターン状に硬化させてレジストパターンを形成し、このパターンをマスクに基板をエッチングして微細凹凸を有する金型を製造することも知られている(特許文献2、3参照)。
特開2004−29240号公報
特開2003−222701号公報
特開2004−85831号公報
また、電子ビームやレーザー光を使用し、機材表面に塗付した感光性樹脂をパターン状に硬化させてレジストパターンを形成し、このパターンをマスクに基板をエッチングして微細凹凸を有する金型を製造することも知られている(特許文献2、3参照)。
しかしながら、これらの特許文献に記載された従来技術では、レーザー装置や電子ビーム露光装置等の高価で大規模な装置を必要とし、金型の製作に時間がかかるという欠点がある。また、加工可能な最大面積が50mm×50mm程度であり、これよりも面積の大きい金型を製造するには、別々に製造したレジストパターンをつなぎ合わせることが必要となる。そして、得られるレジストパターンも基本的に同一形状の微細凹凸の集合体であり、この金型から得られる反射防止材料は、見る角度によっては反射防止効果が低いものとなる場合があった。
一方、金属、セメント、ガラス等の無機質の素材からなる基板の表面に、カーボンナノチューブ、量子パット、花弁状構造等の微細凹凸組織を持たせたナノ構造膜を成膜し、ついで導電性金属を蒸着して蒸着膜を形成させ、かつ電鋳法によりこの蒸着膜上に電鋳層を形成し、この電鋳層から上記蒸着膜とナノ構造膜とを基板から外すことにより、この電鋳層を成形体の金型本体とすることも提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、基板の表面に設けるナノ構造体は一般に絶縁体であり、導電性を付与しないと電鋳工程が実施できないので、ナノ構造膜上に蒸着膜を形成することが必要であり、工程が複雑になりコストアップを招く。また、ナノ構造膜の寸法を制御することも困難であるといった問題点があった。
特開2004−261910号公報
しかしながら、基板の表面に設けるナノ構造体は一般に絶縁体であり、導電性を付与しないと電鋳工程が実施できないので、ナノ構造膜上に蒸着膜を形成することが必要であり、工程が複雑になりコストアップを招く。また、ナノ構造膜の寸法を制御することも困難であるといった問題点があった。
したがって、本発明はこれらの従来技術の問題点を解消して、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しない、表面に微細な凹凸を有するプラスチック反射防止材料を、低コストで効率良く成形するための金型、並びに該金型の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、次の1〜10の構成を採用する。
1.金型表面に微細な凹部を緻密かつランダムに形成したプラスチック反射防止材料の成形用金型において、該凹部表面の断面積(平均値)が1.6×10−7mm2以下、深さ(平均値)が400nm以下で、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が400nm以下であり、該凹部表面の断面積の分布が該断面積の平均値±20%の範囲内に90%以上存在していることを特徴とするプラスチック反射防止材料の成形用金型。
2.該凹部の断面積が、金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであることを特徴とする1に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
3.該凹部が金型表面に6×106〜1×1010個/mm2の密度で存在することを特徴とする1又は2に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
4.該凹部表面の断面積(平均値)が8×10−11〜1.6×10−7mm2、深さ(平均値)が10〜400nm、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が10〜400nmであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
5.該凹部の表面の形状が、略円形又は多角形であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
6.さらに、金型表面に光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層を設けたことを特徴とする1〜5のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
7.基板表面に略垂直方向に金属酸化物の柱状結晶を密集させて形成し、該柱状結晶の先端部の全面に電鋳法により電鋳層を形成した後に、該電鋳層を柱状結晶先端部から取り外して金型とすることを特徴とする1〜6のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
8.柱状結晶先端部から取り外した電鋳層の裏面に補強材を設けることを特徴とする7に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
9.大気開放型CVD法により基板表面に金属酸化物の柱状結晶を密集させて形成することを特徴とする7又は8に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
10.金属酸化物の柱状結晶が、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ニッケル、酸化ジルコニウムから選択された金属酸化物の柱状結晶であることを特徴とする7〜9のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
本発明において、金型の凹部表面の断面積とは図3(b)のABにおける凹部表面の面積の平均値を意味し、凹部の深さとは同図の直線ABから凹部最深部の中心D1までの深さdの平均値を意味し、隣接する凹部間のピッチとは同図の隣接する凹部の最深部の中心D1,D2間の距離mの平均値を意味する。
また、金属酸化物の柱状結晶とは、金属酸化物により構成されたウイスカー状乃至柱状の結晶を意味する。
1.金型表面に微細な凹部を緻密かつランダムに形成したプラスチック反射防止材料の成形用金型において、該凹部表面の断面積(平均値)が1.6×10−7mm2以下、深さ(平均値)が400nm以下で、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が400nm以下であり、該凹部表面の断面積の分布が該断面積の平均値±20%の範囲内に90%以上存在していることを特徴とするプラスチック反射防止材料の成形用金型。
2.該凹部の断面積が、金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであることを特徴とする1に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
3.該凹部が金型表面に6×106〜1×1010個/mm2の密度で存在することを特徴とする1又は2に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
4.該凹部表面の断面積(平均値)が8×10−11〜1.6×10−7mm2、深さ(平均値)が10〜400nm、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が10〜400nmであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
5.該凹部の表面の形状が、略円形又は多角形であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
6.さらに、金型表面に光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層を設けたことを特徴とする1〜5のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
7.基板表面に略垂直方向に金属酸化物の柱状結晶を密集させて形成し、該柱状結晶の先端部の全面に電鋳法により電鋳層を形成した後に、該電鋳層を柱状結晶先端部から取り外して金型とすることを特徴とする1〜6のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
8.柱状結晶先端部から取り外した電鋳層の裏面に補強材を設けることを特徴とする7に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
9.大気開放型CVD法により基板表面に金属酸化物の柱状結晶を密集させて形成することを特徴とする7又は8に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
10.金属酸化物の柱状結晶が、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ニッケル、酸化ジルコニウムから選択された金属酸化物の柱状結晶であることを特徴とする7〜9のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
本発明において、金型の凹部表面の断面積とは図3(b)のABにおける凹部表面の面積の平均値を意味し、凹部の深さとは同図の直線ABから凹部最深部の中心D1までの深さdの平均値を意味し、隣接する凹部間のピッチとは同図の隣接する凹部の最深部の中心D1,D2間の距離mの平均値を意味する。
また、金属酸化物の柱状結晶とは、金属酸化物により構成されたウイスカー状乃至柱状の結晶を意味する。
本発明によれば、高価で大規模な装置や複雑な工程を必要とせずに、表面に微細な凹凸を有するプラスチック反射防止材料を成形するための金型を、低コストで効率良く製造することができる。
本発明の金型を使用して成形したプラスチック反射防止材料は、その表面にサイズや形状が制御され、かつ一定のバラツキを有する微細な凹凸構造を有することから、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下せず、極めて優れた反射防止効果を奏する。
本発明の金型を使用して成形したプラスチック反射防止材料は、その表面にサイズや形状が制御され、かつ一定のバラツキを有する微細な凹凸構造を有することから、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下せず、極めて優れた反射防止効果を奏する。
つぎに、本発明によりプラスチック反射防止材料の成形用金型を製造する手順の1例について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1の(a)は、基板に金属酸化物の柱状結晶を形成した状態を示す断面模式図で、(b)はその部分拡大図である。また、図2は図1の柱状結晶の先端部に電鋳層を形成した状態を示す模式図、図3の(a)は該電鋳層により構成された金型を示す模式図で、図3の(b)は該金型の部分拡大図である。そして、図4は金型表面に光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層を設けた状態を示す模式図である。
図1の(a)は、基板に金属酸化物の柱状結晶を形成した状態を示す断面模式図で、(b)はその部分拡大図である。また、図2は図1の柱状結晶の先端部に電鋳層を形成した状態を示す模式図、図3の(a)は該電鋳層により構成された金型を示す模式図で、図3の(b)は該金型の部分拡大図である。そして、図4は金型表面に光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層を設けた状態を示す模式図である。
(1)はじめに、図1(a)にみられるように、ソーダライムガラスや石英ガラス等の無機ガラス、ステンレス鋼等の金属、シリコン等の半導体結晶、酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等の金属酸化物等により構成された基板1上に、基板表面に略垂直方向に金属酸化物の柱状結晶2を密集させて形成する。
基板表面への柱状結晶の形成は、例えば気化させた金属酸化物の原料となる金属化合物を窒素等のキャリアガスとともに、大気圧開放下に加熱された基材表面に吹きつけて堆積することにより(大気開放型CVD法)、行なうことができる。
柱状結晶を構成する金属酸化物としては特に制限はなく、Y、Eu、Tb、Tm、Ba、Ca、Mg、Al、Mn、Zn、Ti、Si、Sr、Ga、Yb、Cr、Ce、Pb、W等、通常大気開放型CVD法により柱状結晶を構成する金属の酸化物はいずれも使用することができる。これらの金属種は、単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
柱状結晶を構成する特に好ましい金属酸化物としては、ZnO、或いは少量のAl2O3を含有するZnOが挙げられる。このような材料を使用した場合には、基板上に形成する柱状結晶の寸法や密度を制御することが容易になり、特にZnに対して0.5〜2.0原子%程度のAlを金属種として使用した場合には、一段と制御が容易になるので好ましい。
基板表面への柱状結晶の形成は、例えば気化させた金属酸化物の原料となる金属化合物を窒素等のキャリアガスとともに、大気圧開放下に加熱された基材表面に吹きつけて堆積することにより(大気開放型CVD法)、行なうことができる。
柱状結晶を構成する金属酸化物としては特に制限はなく、Y、Eu、Tb、Tm、Ba、Ca、Mg、Al、Mn、Zn、Ti、Si、Sr、Ga、Yb、Cr、Ce、Pb、W等、通常大気開放型CVD法により柱状結晶を構成する金属の酸化物はいずれも使用することができる。これらの金属種は、単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
柱状結晶を構成する特に好ましい金属酸化物としては、ZnO、或いは少量のAl2O3を含有するZnOが挙げられる。このような材料を使用した場合には、基板上に形成する柱状結晶の寸法や密度を制御することが容易になり、特にZnに対して0.5〜2.0原子%程度のAlを金属種として使用した場合には、一段と制御が容易になるので好ましい。
柱状結晶の原料となる金属化合物として、例えば、金属又は金属類似元素の原子にアルコールの水酸基の水素が金属で置換されたアルコキシド類、金属または金属類似元素の原子にアセチルアセトン、エチレンジアミン、ビピペリジン、ビピラジン、シクロヘキサンジアミン、テトラアザシクロテトラデカン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンビス(グアニド)、エチレンビス(サリチルアミン)、テトラエチレングリコール、アミノエタノール、グリシン、トリグリシン、ナフチリジン、フェナントロニン、ペンタンジアミン、ピリジン、サリチルアルデヒド、サリチリデンアミン、ポルフィリン、チオ尿素などから選ばれる配位子を1種あるいは2種以上有する各種の錯体、配位子としてカルボニル基を有するFe,Cr,Mn,Co,Ni,Mo,V,W,Ruなどの各種金属カルボニル、更に、カルボニル基、アルキル基、アルケニル基、フェニルあるいはアルキルフェニル基、オレフィン基、アリール基、シクロブタジエン基をはじめとする共役ジエン基、シクロペンタジエニル基をはじめとするジエニル基、トリエン基、アレーン基、シクロヘプタトリエニル基をはじめとするトリエル基などから選ばれる配位子を1種あるいは2種以上有する各種の金属化合物、ハロゲン化金属化合物を使用することができる。また、その他の金属錯体も使用することができる。この中でも、金属アセチルアセトナート化合物、金属アルコキシド化合物等がより好ましく用いられる。
基板表面に密集して形成された柱状結晶の凸状の先端部は、金型表面に形成する微細な凹部の原版となるものである。したがって、柱状結晶の形状や寸法、先端基部の断面積、さらには密度を制御することによって、金型表面に所望の微細な凹部を有する金型を製造することが可能となる。
好ましい、柱状結晶の例としては、先端部基部の断面積(図1(b)のabにおける断面の面積)の平均値が8×10−11〜1.6×10−7mm2、先端部基部から先端部頂部までの高さ(図1(b)の先端部基部abから頂部c1までの高さh)の平均値が10〜400nm、隣接する先端部頂部間のピッチ(図1(b)のc1、c2間の距離l)の平均値が10〜400nmで、基材表面上における密度が6×106〜1×1010個/mm2であるものが挙げられる。
好ましい、柱状結晶の例としては、先端部基部の断面積(図1(b)のabにおける断面の面積)の平均値が8×10−11〜1.6×10−7mm2、先端部基部から先端部頂部までの高さ(図1(b)の先端部基部abから頂部c1までの高さh)の平均値が10〜400nm、隣接する先端部頂部間のピッチ(図1(b)のc1、c2間の距離l)の平均値が10〜400nmで、基材表面上における密度が6×106〜1×1010個/mm2であるものが挙げられる。
(2)つぎに、図2に見られるように、基板1上に形成した柱状結晶2の先端部を金型の原版とするために、該先端部の全面に電鋳法により電鋳層3を形成する。
電鋳層の形成は通常の電鋳法により行うことができ、例えば、ニッケル、銅等を含有するメッキ浴(例えば、pH3.5〜4.0程度のスルファミン酸浴)を使用し、通電することにより所望の肉厚を有する電鋳層を形成する。その際に、必要に応じて原版となる柱状結晶先端部に、化学メッキ等によりあらかじめ導電性薄膜を形成するようにしてもよい。
電鋳層の形成は通常の電鋳法により行うことができ、例えば、ニッケル、銅等を含有するメッキ浴(例えば、pH3.5〜4.0程度のスルファミン酸浴)を使用し、通電することにより所望の肉厚を有する電鋳層を形成する。その際に、必要に応じて原版となる柱状結晶先端部に、化学メッキ等によりあらかじめ導電性薄膜を形成するようにしてもよい。
(3)ついで、図3(a)にみられるように、基板1に形成した柱状結晶2の先端部から電鋳層3を取り外して金型とする。この電鋳層3の裏面には、必要に応じて金属等による補強材を設けることができる。
このようにして得られた電鋳金型を使用することによって、例えば射出成形、プレス成形等によって、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなる反射防止材料を、低コストで効率良く製造することができる。
このようにして得られた電鋳金型を使用することによって、例えば射出成形、プレス成形等によって、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなる反射防止材料を、低コストで効率良く製造することができる。
(4)電鋳層3からなる金型表面には、図4に見られるように、さらにTiO2、SiO2等の光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層4を設けることもできる。このような金属酸化物薄膜層4は、例えば通常の大気開放型CVD法により形成することができる。
金型表面に光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層を設けることにより、プラスチック材料の金型表面に対する濡れ性を向上させ、表面凹凸の形成や成形後の離型性を改善することが可能となる。また、金型表面に紫外線等を照射し、金型上に残留する汚れを分解し、操業効率を改善することも可能となる。
本発明の成形用金型を使用して得られたプラスチック反射防止材料は、可視光線の波長(400〜700nm)よりも微細な凹凸構造を、その形状や寸法が制御され、しかも或る程度のバラツキを有する状態で表面に有することから、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を奏するとともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下せず、極めて有用なものである。
このようなプラスチック反射防止材料の形状や用途には特に制限はなく、例えば膜状体として、各種の光学部品、建築材料、道路標識等幅広い用途に用いることができる。
このようなプラスチック反射防止材料の形状や用途には特に制限はなく、例えば膜状体として、各種の光学部品、建築材料、道路標識等幅広い用途に用いることができる。
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。なお、以下の例では数値は平均値を表す。
(実施例1)
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度650℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(001)面上に、ZnOからなる先端が鋭利な円錐形乃至六角錐型のウイスカーを堆積した。得られたウイスカーの立体的形状について、断面SEM画像を図5(a)に、表面SEM画像を図5(b)に示す。
ウイスカーの密度は107個/mm2で、隣接するウイスカー先端部頂部間のピッチは90nm、先端部基部から頂部までの高さは120nm、ウイスカー先端部基部の断面積は6.4×10−9mm2であった。
(実施例1)
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度650℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(001)面上に、ZnOからなる先端が鋭利な円錐形乃至六角錐型のウイスカーを堆積した。得られたウイスカーの立体的形状について、断面SEM画像を図5(a)に、表面SEM画像を図5(b)に示す。
ウイスカーの密度は107個/mm2で、隣接するウイスカー先端部頂部間のピッチは90nm、先端部基部から頂部までの高さは120nm、ウイスカー先端部基部の断面積は6.4×10−9mm2であった。
得られたウイスカーを有する基板を原版として、pH4.5で浴温45℃のニッケルメッキ浴(塩化ニッケル20g/L、スルファミン酸ニッケル400g/L、臭化ニッケル50g/L、ホウ酸30g/Lを含有)を使用し、定法によりニッケル電鋳を行い厚さ100μmのニッケル電鋳層を形成した。この電鋳層をウイスカーを有する基板から取り外して、表面に凹部が密に形成された金型を得た。
この金型表面の凹部は、凹部上面の形状が略円形乃至六角形で、密度が107個/mm2、凹部の深さが100nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が90nmであり、凹部表面の断面積は5.0×10−9mm2で、その分布は5.0×10−9±20%の範囲内に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
この金型表面の凹部は、凹部上面の形状が略円形乃至六角形で、密度が107個/mm2、凹部の深さが100nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が90nmであり、凹部表面の断面積は5.0×10−9mm2で、その分布は5.0×10−9±20%の範囲内に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
得られた金型を、ナノインプリント装置(ナノニクス社製、製品名ナインプロ210)のプレス部上部に金型を下向きにして装着した。プレス部下部にはポリメチルメタクリレートフイルム(厚さ10μm)を配置し、ガラス転移点以上の温度に加熱してフイルム表面を軟化させた。ついで、金型をプレスし、この状態で全体をガラス転移点以下の温度に冷却後、金型をフイルムから引き離して、表面に微細な凹凸構造が形成された反射防止フイルムを得た。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有するとともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有するとともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
(実施例2)
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度600℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnOからなる柱状結晶を堆積した。得られた柱状結晶の立体的な形状については、断面SEM画像を図6(a)、表面SEM画像を図6(b)に示す。
この柱状結晶からなる多結晶薄膜は、基板に対してc軸が垂直に均一に配向し、結晶粒の先端が平らな円錐台形または多角錘台形である。この柱状結晶からなる酸化亜鉛多結晶薄膜の結晶粒及び結晶粒間にエッチング液を浸透させ酸化亜鉛をエッチングすることにより、結晶粒の円錐台形または多角錘台形結晶粒の傾斜面が選択的に削られ、先端が鋭利な円錐形又は多角錘形に加工された。エッチング加工後の立体的な形状について、断面SEM画像を図7(a)、表面SEM画像を図7(b)に示す。円錐及び多角錘の密度は、2×108個/mm2で隣接する先端部頂部間のピッチが80nm、先端部基部から頂部までの高さは、60nm、円錐及び多角錘部基部の断面積は、5×10−9mm2であった。
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度600℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnOからなる柱状結晶を堆積した。得られた柱状結晶の立体的な形状については、断面SEM画像を図6(a)、表面SEM画像を図6(b)に示す。
この柱状結晶からなる多結晶薄膜は、基板に対してc軸が垂直に均一に配向し、結晶粒の先端が平らな円錐台形または多角錘台形である。この柱状結晶からなる酸化亜鉛多結晶薄膜の結晶粒及び結晶粒間にエッチング液を浸透させ酸化亜鉛をエッチングすることにより、結晶粒の円錐台形または多角錘台形結晶粒の傾斜面が選択的に削られ、先端が鋭利な円錐形又は多角錘形に加工された。エッチング加工後の立体的な形状について、断面SEM画像を図7(a)、表面SEM画像を図7(b)に示す。円錐及び多角錘の密度は、2×108個/mm2で隣接する先端部頂部間のピッチが80nm、先端部基部から頂部までの高さは、60nm、円錐及び多角錘部基部の断面積は、5×10−9mm2であった。
得られた酸化亜鉛薄膜を有する基板を原版として、実施例1で用いたpH4.5のニッケルメッキ浴を使用し、定法によりニッケル電鋳を行い厚さ100μmのニッケル電鋳層を形成した。この電鋳層を酸化亜鉛薄膜及び基板を溶解して取り出し、表面に凹部が密に形成された金型を得た。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が略円形及至六角形で、密度が2×108個/mm2、凹部の深さが50nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が80nmであり、凹部表面の断面積は3.2×10−9mm2でその分布は3.2×10−9±20%の範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少してるものであった。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が略円形及至六角形で、密度が2×108個/mm2、凹部の深さが50nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が80nmであり、凹部表面の断面積は3.2×10−9mm2でその分布は3.2×10−9±20%の範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少してるものであった。
得られた金型を、ナノインプリント装置(ナノニクス社製、製品名ナインプロ210)のプレス部上部に金型を下向きに装着した。プレス部下部にはポリメチルメタクリレートフイルム(厚さ10μm)を配置し、ガラス転移点以上の温度に加熱してフイルム表面を軟化させた。ついで、金型プレスし、この状態で全体をガラス転移点以下の温度に冷却後、金型をフイルムから引き離して、表面に微細な凹凸構造が形成された反射防止フイルムを得た。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
(実施例3)
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度620℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnOからなる柱状結晶を堆積した。この柱状結晶からなる多結晶薄膜は、基板に対してc軸が垂直に均一に配向し、結晶粒の先端が鋭利な円錐形または六角錘型である。この柱状結晶からなる酸化亜鉛多結晶薄膜をドライエッチング装置(住友精密機械社製、Multiplex ASE−HRME)を用いて酸素ガスによる反応性エッチングを行うことにより、結晶粒の先端が鋭利な円錐形または六角錘形結晶粒の先端傾斜面が削られて突起状に加工された。突起の密度は、107個/mm2で隣接する突起先端部頂部間のピッチが80nm、先端部基部から頂部までの高さは、100nm、突起部基部の断面積は、5×10−9mm2であった。
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度620℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnOからなる柱状結晶を堆積した。この柱状結晶からなる多結晶薄膜は、基板に対してc軸が垂直に均一に配向し、結晶粒の先端が鋭利な円錐形または六角錘型である。この柱状結晶からなる酸化亜鉛多結晶薄膜をドライエッチング装置(住友精密機械社製、Multiplex ASE−HRME)を用いて酸素ガスによる反応性エッチングを行うことにより、結晶粒の先端が鋭利な円錐形または六角錘形結晶粒の先端傾斜面が削られて突起状に加工された。突起の密度は、107個/mm2で隣接する突起先端部頂部間のピッチが80nm、先端部基部から頂部までの高さは、100nm、突起部基部の断面積は、5×10−9mm2であった。
得られた突起状酸化亜鉛薄膜を有する基板を原版として、実施例1で用いたpH4.5のニッケルメッキ浴を使用し、定法によりニッケル電鋳を行い厚さ100μmのニッケル電鋳層を形成した。この電鋳層を酸化亜鉛薄膜及び基板を溶解して取り出し、表面に凹部が密に形成された金型を得た。この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が略円形及至六角形で、密度が107個/mm2、凹部の深さが80nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が80nmであり、凹部表面の断面積は3.2×10−9mm2でその分布は3.2×10−9mm2±20%の範囲内に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
得られた金型を、ナノインプリント装置(ナノニクス社製、製品名ナインプロ210)のプレス部上部に金型を下向きに装着した。プレス部下部にはポリメチルメタクリレートフイルム(厚さ10μm)を配置し、ガラス転移点以上の温度に加熱してフイルム表面を軟化させた。ついで、金型プレスし、この状態で全体をガラス転移点以下の温度に冷却後、金型をフイルムから引き離して、表面に微細な凹凸構造が形成された反射防止フイルムを得た。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
(実施例4)
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度640℃、気化器温度140℃、原料としてビス−アセチルアセトナトスズ、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上に、SnO2からなる先端が鋭利な四角錐形のウイスカーを堆積させた。ウイスカー密度は、106個/mm2で隣接するウイスカー先端頂部間のピッチが200nm、ウイスカー先端部基部から頂部までの高さは、200nm、ウイスカー先端部基部の断面積は、1.1×10−8mm2であった。
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度640℃、気化器温度140℃、原料としてビス−アセチルアセトナトスズ、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上に、SnO2からなる先端が鋭利な四角錐形のウイスカーを堆積させた。ウイスカー密度は、106個/mm2で隣接するウイスカー先端頂部間のピッチが200nm、ウイスカー先端部基部から頂部までの高さは、200nm、ウイスカー先端部基部の断面積は、1.1×10−8mm2であった。
得られたウイスカーを有する基板を原版として、実施例1で用いたpH4.5で浴温45℃のニッケルメッキ浴を使用し、定法によりニッケル電鋳を行い厚さ100μmのニッケル電鋳層を形成した。この電鋳層を酸化亜鉛薄膜及び基板を溶解して取り出し、表面に凹部が密に形成された金型を得た。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が四角形で、密度が106個/mm2、凹部の深さ160nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が200nmであり、凹部表面の断面積は、7.9×10−9mm2でその分布は7.9×10−9mm2±20%の範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が四角形で、密度が106個/mm2、凹部の深さ160nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が200nmであり、凹部表面の断面積は、7.9×10−9mm2でその分布は7.9×10−9mm2±20%の範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
得られた金型を、ナノインプリント装置(ナノニクス社製、製品名ナインプロ210)のプレス部上部に金型を下向きに装着した。プレス部下部にはポリメチルメタクリレートフイルム(厚さ10μm)を配置し、ガラス転移点以上の温度に加熱してフイルム表面を軟化させた。ついで、金型プレスし、この状態で全体をガラス転移点以下の温度に冷却後、金型をフイルムから引き離して、表面に微細な凹凸構造が形成された反射防止フイルムを得た。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
(実施例5)
気化器2台を直列に接続した大気開放型CVD装置を使用し、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛及びトリス−アセチルアセトナトアルミニウム、亜鉛原料用気化器温度125℃、アルミニウム原料用気化器温度125℃、基板加熱温度630℃、キャリアガスとしての窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnO:Alからなる先端が鋭利な六角錘形のウイスカーを堆積させた。ウイスカー密度は、107個/mm2で隣接するウイスカー先端部頂部間のピッチが70nm、ウイスカー先端部基部から頂部までの高さは、50nm、ウイスカー先端部基部の断面積は、3.9×10−9mm2であった。
気化器2台を直列に接続した大気開放型CVD装置を使用し、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛及びトリス−アセチルアセトナトアルミニウム、亜鉛原料用気化器温度125℃、アルミニウム原料用気化器温度125℃、基板加熱温度630℃、キャリアガスとしての窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnO:Alからなる先端が鋭利な六角錘形のウイスカーを堆積させた。ウイスカー密度は、107個/mm2で隣接するウイスカー先端部頂部間のピッチが70nm、ウイスカー先端部基部から頂部までの高さは、50nm、ウイスカー先端部基部の断面積は、3.9×10−9mm2であった。
得られたウイスカーを有する基板を原版として、実施例1で用いたpH4.5で浴温45℃のニッケルメッキ浴を使用し、定法によりニッケル電鋳を行い厚さ100μmのニッケル電鋳層を形成した。この電鋳層を酸化亜鉛薄膜及び基板を溶解して取り出し、表面に凹部が密に形成された金型を得た。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が六角形で、密度が106個/mm2、凹部の深さが80nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が200nmであり、凹部表面の断面積は、2.5×10−9mm2でその分布は2.5×10−9±20%の
範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が六角形で、密度が106個/mm2、凹部の深さが80nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が200nmであり、凹部表面の断面積は、2.5×10−9mm2でその分布は2.5×10−9±20%の
範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
得られた金型を、ナノインプリント装置(ナノニクス社製、製品名ナインプロ210)のプレス部上部に金型を下向きに装着した。プレス部下部にはポリメチルメタクリレートフイルム(厚さ10μm)を配置し、ガラス転移点以上の温度に加熱してフイルム表面を軟化させた。ついで、金型プレスし、この状態で全体をガラス転移点以下の温度に冷却後、金型をフイルムから引き離して、表面に微細な凹凸構造が形成された反射防止フイルムを得た。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
この反射防止フイルムは、種々の波長の光線に対して優れた反射防止効果を有することともに、見る角度を変えた場合にも反射防止効果が低下しなかった。
(比較例1)
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度680℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnOからなる六角錘形のウイスカーを堆積させた。ウイスカー密度は、104個/mm2で隣接するウイスカー先端部頂部間のピッチが1μm、先端部基部から頂部までの高さは700nm、ウイスカー先端部基部の断面積は、7.9×10−7mm2であった。
通常の大気開放型CVD装置を使用し、基板加熱温度680℃、気化器温度125℃、原料としてビス−アセチルアセトナト亜鉛、キャリアガスとして窒素4.0L/minを用いて、シリコン単結晶基板(100)面上にZnOからなる六角錘形のウイスカーを堆積させた。ウイスカー密度は、104個/mm2で隣接するウイスカー先端部頂部間のピッチが1μm、先端部基部から頂部までの高さは700nm、ウイスカー先端部基部の断面積は、7.9×10−7mm2であった。
得られたウイスカーを有する基板を原版として、実施例1で用いたpH4.5で浴温45℃のニッケルメッキ浴を使用し、定法によりニッケル電鋳を行い厚さ300μmのニッケル電鋳層を形成した。この電鋳層を酸化亜鉛薄膜及び基板を溶解して取り出し、表面に凹部が密に形成された金型を得た。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が六角形で、密度が104個/mm2、凹部の深さが500nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が1μmであり、凹部表面の断面積は、5×10−7mm2でその分布は5×10−7mm2±20%の範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
この金型表面の凹部は、凹部上部の形状が六角形で、密度が104個/mm2、凹部の深さが500nm、隣接する凹部間のピッチ(凹部最深部の中心間の距離)が1μmであり、凹部表面の断面積は、5×10−7mm2でその分布は5×10−7mm2±20%の範囲に90%以上存在していた。また、各凹部はその断面積が金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであった。
得られた金型を、ナノインプリント装置(ナノニクス社製、製品名ナインプロ210)のプレス部上部に金型を下向きに装着した。プレス部下部にはポリメチルメタクリレートフイルム(厚さ10μm)を配置し、ガラス転移点以上の温度に加熱してフイルム表面を軟化させた。ついで、金型プレスし、この状態で全体をガラス転移点以下の温度に冷却後、金型をフイルムから引き離して、表面に微細な凹凸構造が形成された反射防止フイルムを得た。
この反射防止フイルムはやや白濁し透明性が悪く、可視域の波長の光線を散乱し、反射防止効果が極めて低いものであった。
この反射防止フイルムはやや白濁し透明性が悪く、可視域の波長の光線を散乱し、反射防止効果が極めて低いものであった。
1 基板
2 金属酸化物の柱状結晶
3 電鋳層
4 光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層
2 金属酸化物の柱状結晶
3 電鋳層
4 光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層
Claims (10)
- 金型表面に微細な凹部を緻密かつランダムに形成したプラスチック反射防止材料の成形用金型において、該凹部表面の断面積(平均値)が1.6×10−7mm2以下、深さ(平均値)が400nm以下で、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が400nm以下であり、該凹部表面の断面積の分布が該断面積の平均値±20%の範囲内に90%以上存在していることを特徴とするプラスチック反射防止材料の成形用金型。
- 該凹部の断面積が、金型表面から凹部底部に向かって減少しているものであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
- 該凹部が金型表面に6×106〜1×1010個/mm2の密度で存在することを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
- 該凹部表面の断面積(平均値)が8×10−11〜1.6×10−7mm2、深さ(平均値)が10〜400nm、隣接する凹部間のピッチ(平均値)が10〜400nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
- 該凹部の表面の形状が、略円形又は多角形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
- さらに、金型表面に光触媒機能を有する金属酸化物薄膜層を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型。
- 基板表面に略垂直方向に金属酸化物の柱状結晶を密集させて形成し、該柱状結晶の先端部の全面に電鋳法により電鋳層を形成した後に、該電鋳層を柱状結晶先端部から取り外して金型とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
- 柱状結晶先端部から取り外した電鋳層の裏面に補強材を設けることを特徴とする請求項7に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
- 大気開放型CVD法により基板表面に金属酸化物の柱状結晶を密集させて形成することを特徴とする請求項7又は8に記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
- 金属酸化物の柱状結晶が、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ニッケル、酸化ジルコニウムから選択された金属酸化物の柱状結晶であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のプラスチック反射防止材料の成形用金型の製造方法。
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