JP2007095530A - 高電圧装置およびこれを備えたx線診断装置 - Google Patents

高電圧装置およびこれを備えたx線診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】充電電荷の影響を抑制して、X線管に第1の電圧と第1の電圧より低い第2の電圧とを交互に正しい電圧値で印加することができる高電圧装置を提供する。
【解決手段】高電圧発生回路31と、X線管3との間を接続する高圧ケーブル23a、23cには、放電ライン25a、25cが設けられている。高電圧発生回路31は、高電圧と低電圧とを交互に出力するとともに、高電圧発生回路31が無負荷の期間は、グリッド回路33はバイアス電圧を印加する。そして、このバイアス電圧の印加されている期間内にのみ、高電圧スイッチ27a、27cを閉止から開放状態に切り換える。これにより、高圧ケーブル23a、23cの浮遊容量に蓄積された充電電荷はグラウンドEに放電される。よって、その後に高電圧発生回路31が出力するときは、充電電荷の影響を受けることなく、X線管3に管電圧を正しく印加させることができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、グリッド付きX線管に用いる高電圧発生装置およびこれを備えたX線診断装置に係り、特に、グリッドX線管に異なる管電圧を交互に印加する技術に関する。
X線診断装置は、被検体に低線量のパルス状のX線を連続的に曝射して、得られる複数の画像を所定のフレームレートで表示する。術者は、このリアルタイムの動画を観察することで、被検体の診断を行う。
図4は、グリッド付きX線管に用いる、従来の高電圧装置の概略構成を示すブロック図である。高電圧装置は、電源部41と制御部43と高圧ケーブル45とに大きく分けられる。電源部41は、高電圧発生回路51と、グリッド回路53と、フィラメント加熱回路55とを備える。
高電圧発生回路51は、高圧ケーブル45を介して、X線管61の陽極(ターゲットのことであり、以下では「ターゲット」と記載する)61aおよび陰極(フィラメントのことであり、以下では「フィラメント」と記載する)61cに高電圧を印加する。グリッド回路53は、グリッド61gおよびフィラメント61cに、グリッド61g側を負とするバイアス電圧を印加する。フィラメント加熱回路55は、フィラメント61cに加熱電流を供給する。
制御部43は高電圧発生回路51とフィラメント加熱回路55を制御することで、パルス状にX線を曝射させる。また、グリッド回路53を制御することで、X線を照射しない期間は管電流が流れないようにして、X線の不要な曝射を遮断する。
そして、近年、パルス状に曝射するX線の線量を交互に変える透視手法が採用されている。この場合、X線管61のターゲット61aおよびフィラメント61cに、比較的高い高電圧と比較的低い低電圧とを交互に印加する。これにより、異なる条件で得られる画像データの差分をとること(エネルギーサブトラクション)で、軟部組織、血管等を抽出することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開H3−106343号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の高電圧装置を用いて、X線の線量を交互に変える透視手法を行った場合、X線管61のターゲット61aおよびフィラメント61cに高電圧、または、低電圧を正しく管電圧として印加できない。特に、低電圧を印加しようとしたとしても、それよりも高い電圧が印加されてしまう。
図5を参照して説明する。図5は、(a)高電圧発生回路の出力と、(b)グリッド回路の出力と、(c)陽極と陰極の間に印加される管電圧と、(d)曝射されるX線の線量との各タイミングチャートである。
高電圧発生回路51は、X線を曝射させるタイミングで、高電圧VH、または、低電圧VLを間欠的に出力する。グリッド回路53は、X線を曝射させない期間に、バイアス電圧Vgを出力する。
このような制御によれば、高電圧VHが出力されるとき(例えば、時刻t1から時刻t2までの間)、高圧ケーブル45の浮遊容量に電荷が充電される(以下、適宜、充電電荷という)。バイアス電圧が出力されている期間(例えば、時刻t2から時刻t4までの間)に移行すると、この充電電荷は、電源部41に設けられる電圧検出回路(図示省略)を通じてわずかに放電される以外、ほとんど浮遊容量に蓄積されたままの状態となる。したがって、管電圧として時刻t2から時刻t4までの期間も、管電圧として高電圧VHに近い値の電圧が印加された状態となっている。
その後、低電圧VLが出力されている期間(例えば、時刻t4から時刻t5までの間)に移行すると、充電電荷がX線管61のターゲット61a、およびフィラメント61cに流入する。このため、図5(c)に示す斜線部分のように、低電圧VL以上に高い管電圧が、ターゲット61aとフィラメント61cの間に印加されてしまう。この結果、曝射されるX線も所定の線量とならない。
このように、X線管61のターゲット61aおよびフィラメント61cに高電圧VH、または、低電圧VLを正しく管電圧として印加できないと、その後のエネルギーサブトラクションを適切に行うことができないという不都合を招く。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、充電電荷の影響を抑制して、X線管に第1の電圧と第1の電圧より低い第2の電圧とを交互に正しい電圧値で印加することができる高電圧装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、グリッド付きX線管に用いる高電圧装置において、第1の電圧および前記第1の電圧より低い第2の電圧を発生する高電圧発生手段と、前記高電圧発生手段に接続され、第1または第2の電圧を前記グリッド付きX線管の陽極及び陰極に印加する高圧導電材と、前記高圧導電材と第2の電圧より低い電位点とを接続する放電ラインと、前記放電ラインの導通/非導通を切り換える開閉手段と、グリッドにバイアス電圧を印加して、陰極からの熱電子の放出を阻止するグリッド回路と、前記高電圧発生手段を操作して、第1の電圧と第2の電圧とを交互に、かつ、パルス状に発生させるとともに、前記高電圧発生手段が第1または第2の電圧のいずれも発生していない無負荷の期間は、前記グリッド回路を操作して、前記グリッドにバイアス電圧を印加させ、かつ、バイアス電圧が印加されている期間内にのみ、前記開閉手段を操作して、前記放電ラインを導通させる制御手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、グリッド回路は、高電圧発生手段が第1および第2の電圧のいずれも発生していない無負荷の期間に、グリッドにバイアス電圧を印加するので、X線の曝射を遮断する。そして、開閉手段は、バイアス電圧の印加されている期間内にのみ、放電ラインを導通させる。なお、バイアス電圧の印加されている期間内とは、その期間全部でもよいし、一部でもよい。これにより、高圧導電材の浮遊容量(静電容量)に充電された充電電荷は、放電される。
したがって、次に、高電圧発生手段が電圧を発生するときには、その前に発生させた電圧によって充電した充電電荷が、X線管の陽極および陰極に流入することはない。よって、高電圧発生手段は第1、または第2の電圧を交互に発生させるとき、充電電荷の影響を受けることがないので、X線管(陽極と陰極の間)に第1、または第2の電圧を正しく印加させることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高電圧装置において、前記電位点は、グラウンドであることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、放電ラインをグラウンドに接続することで、好適に放電することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の高電圧装置と、前記高電圧装置が用いられ、第1および第2の電圧に応じた線量のX線を交互に照射するグリッド付きX線管と、照射されたX線を検出して、検出信号を出力する検出手段と、第1および第2の電圧に応じて出力された検出信号の差分に基づいて、画像データを生成する画像処理手段とを備えていることを特徴とするX線診断装置である。
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、X線管の陽極と陰極の間に第1、または第2の電圧を正しい電圧値で印加させることができるので、所定の線量のX線を正しく曝射することができる。よって、画像処理手段により、検出信号の差分に基づいて生成される画像データの精度を向上させることができる。
なお、本明細書は、次のような高電圧装置に係る発明も開示している。
(1)グリッド付きX線管に用いる高電圧装置において、第1の電圧および前記第1の電圧より低い第2の電圧を発生する高電圧発生手段と、前記高電圧発生手段に接続され、第1または第2の電圧を前記グリッド付きX線管の陽極及び陰極に印加する高圧導電材と、前記高圧導電材と第2の電圧より低い電位点とを接続する放電ラインと、前記放電ラインの導通/非導通を切り換える開閉手段と、グリッドにバイアス電圧を印加して、陰極からの熱電子の放出を阻止するグリッド回路と、前記高電圧発生手段を操作して、第1の電圧と第2の電圧とを交互に、かつ、パルス状に発生させるとともに、前記高電圧発生手段が第1または第2の電圧のいずれも発生していない無負荷の期間は、前記グリッド回路を操作して、前記グリッドにバイアス電圧を印加させ、かつ、第1の電圧の発生を終了した後、次に第2の電圧の発生を開始までの間であって、バイアス電圧が印加されている期間内にのみ、前記開閉手段を操作して、前記放電ラインを導通させる制御手段とを備えることを特徴とする高電圧装置。
前記(1)に記載の発明によれば、グリッド回路は、高電圧発生手段が第1および第2の電圧のいずれも発生していない無負荷の期間に、グリッドにバイアス電圧を印加するので、X線の縛射を遮断する。そして、開閉手段は、第1の電圧の発生を終了した後、次に第2の電圧の発生を開始までの間であって、バイアス電圧が印加されている期間内にのみ、放電ラインを導通させる。これにより、第1の電圧に応じて高圧導電材の浮遊容量に充電された充電電荷は、放電される。したがって、次に、高電圧発生手段が第2の電圧を発生するときには、第1の電圧によって充電した充電電荷が、X線管の陽極および陰極に流入することはない。
なお、第2の電圧により高圧導電材の浮遊容量に充電された充電電荷は、放電されない。よって、次に、高電圧発生手段が第1の電圧を発生するときには、第2の電圧に応じた充電した充電電荷が蓄積されている。しかし、第1の電圧を発生すると、さらに高圧導電材の浮遊容量に充電電荷が充電されるのであって、陽極と陰極との間に印加される電圧に影響を与えない。
よって、高電圧発生手段は第1、または第2の電圧を交互に発生させるとき、充電電荷の影響を受けることがないので、X線管(陽極と陰極の間)に第1、または第2の電圧を正しく印加させることができる。
(2)請求項1または請求項2に記載の高電圧装置において、前記放電ラインには、さらに制限抵抗が設けられていることを特徴とする高電圧装置。
前記(2)に記載の発明によれば、放電ラインに大電流が流れることを防止することができる。
この発明に係る高電圧装置によれば、グリッド回路は、高電圧発生手段が第1および第2の電圧のいずれも発生していない無負荷の期間に、グリッドにバイアス電圧を印加するので、X線の曝射を遮断する。そして、開閉手段は、バイアス電圧の印加されている期間内にのみ、放電ラインを導通させる。なお、バイアス電圧の印加されている期間内とは、その期間全部でもよいし、一部でもよい。これにより、高圧導電材の浮遊容量(静電容量)に充電された充電電荷は、放電される。
したがって、次に、高電圧発生手段が電圧を発生するときには、その前に発生させた電圧によって充電した充電電荷が、X線管の陽極および陰極に流入することはない。よって、高電圧発生手段は第1、または第2の電圧を交互に発生させるとき、充電電荷の影響を受けることがないので、X線管(陽極と陰極の間)に第1、または第2の電圧を正しく印加させることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線診断装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は、高電圧装置とX線管の構成を示すブロック図である。
X線診断装置は、被検体Mを載置する天板1と、被検体MにX線を照射するX線管3と、被検体Mを透過したX線を検出して、検出信号(電荷情報)を出力するフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)5とを備えている。天板1は、X線透過材料などで構成される。これらX線管3とFPD5とは、互いに対向するように、C字状のアーム7(以下、「C型アーム7」という)の両端部にそれぞれ支持されている。このC型アーム7自体は、被検体Mの周りを回転可能に天井に懸垂支持されている。FPD5は、この発明における検出手段に相当する。
X線管3には高電圧装置9が接続されている。高電圧装置9は、X線管3に印加する管電圧等を出力し、X線管3から曝射するX線の線量を制御する。
FPD5の出力側には、図示省略のA/D変換器を介して、画像処理部11が接続されている。画像処理部11は、入力される検出信号の差分を算出する差分演算部13のほか、補正等の各種処理を行う処理部(図示省略)や各種データや設定値を記憶する記憶部(図示省略)を備えている。そして、検出信号に基づいて画像データを生成する。画像処理部11の出力側は、図示省略のD/A変換器を介して、モニター15が接続されている。モニター15は、画像処理部11から出力される画像データに基づいて画像を表示する。
なお、画像処理部11は、各種処理、操作を実行する中央演算処理装置(CPU)や、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)や、各種情報を記憶する固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。
図2を参照して、X線管3と高電圧装置9とについて詳細に説明する。
X線管3は、陽極(ターゲットのことであり、以下では「ターゲット」と記載する)3aと陰極(フィラメントであり、以下では「フィラメント」と記載する)3cとグリッド3gとを備えており、3極X線管と呼ばれるものである。X線管3は、この発明におけるグリッド付きX線管に相当する。
高電圧装置9は、電源部21と高圧ケーブル23a、23cと、放電ライン25a、25cと、高電圧スイッチ27a、27cと、制御部29とを備えている。さらに、電源部21は、高電圧発生回路31と、グリッド回路33とフィラメント回路35とを備えている。
高電圧発生回路31は、外部から商用周波数の交流電力の入力を受けて、2種類の電圧の直流電力を出力する。本実施例では、高電圧発生回路31は、周波数可変制御方式が採用されている。すなわち、交流電力を三相全波整流回路(図示省略)と平滑コンデンサ(図示省略)で直流電力に変換し、この直流電力をインバータ回路(図示省略)で所定の高周波の交流電力に変換する。この高周波の交流電力は、高圧トランス(図示省略)で昇圧された後、全波整流回路(図示省略)で整流し、高電圧の直流電力として出力する。なお、高電圧発生回路31は、この発明における高電圧発生手段に相当する。
高圧ケーブル23aは、高電圧発生回路31の正極の出力A(+)と、X線管3のターゲット3aとの間を電気的に接続している。高圧ケーブル23cは、高電圧発生回路31の負極の出力C(−)と、X線管3のフィラメント3cとの間を電気的に接続している。高圧ケーブル23a、23cは、芯線の周囲にシース(図示省略)が設けられており、このシースは接地されている。そして、芯線とシースとの間に、所定の浮遊容量(静電容量)Csが存在している。なお、高圧ケーブル23a、23cは、この発明における高圧導電材に相当する。
グリッド回路33は、グリッド3gにバイアス電圧Vgを印加して、フィラメント3cに対してグリッド3gの電位を低くする。これにより、フィラメント3cからの熱電子の放出を阻止する。本実施例では、グリッド回路33の正極の出力は、高電圧発生回路31の負極の出力C(−)と共通に、フィラメント3cに接続されている。グリッド回路33の負極の出力は、グリッド3gに接続されている。
フィラメント加熱回路35は、図示省略の加熱トランスを備えており、この加熱トランスの2次側がX線管3のフィラメント3cと接続されている。そして、フィラメント3cに電流を供給して加熱する。なお、フィラメント加熱回路35の出力の片側は、高電圧発生回路31の負極の出力C(−)と共通に、フィラメント3cと接続されている。
放電ライン25a、25cは、高圧ケーブル23a、23cとグラウンドEとを電気的に接続する。高電圧スイッチ27a、27cは、この放電ライン25a、25cの導通/非導通を切り換える。この高電圧スイッチ27a、27cとしては、半導体により構成されたスイッチあるいは真空管によるスイッチ等、適宜に選択される。なお、高電圧スイッチ27a、27cは、この発明における開閉手段に相当する。
制御部29は、高電圧発生回路31とグリッド回路33とフィラメント加熱回路35と高電圧スイッチ27a、27cとを統括的に操作する。特に、高電圧発生回路31を操作して、高電圧発生回路31が出力する直流電力の電圧と、その出力タイミングの指示を与える。直流電力の電圧としては高低2種類の電圧である。以下では、高い方を高電圧V1と、低い方を低電圧V2と記載する。なお、高電圧V1と低電圧V2とは、それぞれこの発明における第1の電圧と第2の電圧とに相当する。
なお、制御部29は、各種処理、操作を実行する中央演算処理装置(CPU)や、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)や、各種情報を記憶する固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。
次に、実施例に係るX線診断装置の動作について説明する。図3は、(a)高電圧発生回路の出力と、(b)グリッド回路の出力と、(c)高電圧スイッチの開閉状態と、(d)陽極と陰極の間に印加される管電圧と、(e)曝射されるX線の線量との各タイミングチャートである。
制御部29は、高電圧発生回路31を操作して、図3(a)に示すように、高電圧V1と低電圧V2を交互に、かつ、パルス状に発生させる。
また、制御部29は、グリッド回路33を操作して、図3(b)に示すように、高電圧発生回路31が高電圧V1または低電圧V2のいずれの電圧も発生していない無負荷の期間にバイアス電圧Vgを印加させる。
さらに、制御部29は、バイアス電圧Vgが印加された後に、高電圧スイッチ27a、27cを閉止させる。また、バイアス電圧Vgの印加を停止すると同時に、高電圧スイッチ27a、27cを開放させる。
以下、各期間ごとに分けて、動作説明をする。
<時刻t1から時刻t2まで>
時刻t1において、高電圧発生回路31は高電圧V1で出力し始め、グリッド回路33はバイアス電圧Vgの出力を終了する。また、高電圧スイッチ27a、27cは閉止から開放に切り換える。
したがって、時刻t1から時刻t2の期間は、ターゲット3aとフィラメント3cとの間には高電圧V1が印加される。また、グリッド3gはフィラメント3cと同電位であり、高電圧ケーブル23a、23cは、グラウンドEから絶縁されている。
よって、ターゲット3aとフィラメント3cとの間には高電圧V1がそのまま管電圧として印加される。これにより、フィラメント3cから熱電子が放出され、この熱電子がターゲット3aに衝突して所定量のX線に変換される。
X線は、天板1に載置される被検体Mに曝射される。FPD5は、被検体Mを透過したX線を検出する。この検出信号は、FPD5から画像処理部11に出力される。
一方、高圧ケーブル23a、23cの浮遊容量Csには、高電圧V1に応じた充電電荷が充電される。
<時刻t2から時刻t3まで>
時刻t2において、高電圧発生回路31は出力を停止する。すなわち、無負荷となる。また、グリッド回路33はバイアス電圧Vgで出力し始める。高電圧スイッチ27a、27cは開放されたままである。
したがって、時刻t2から時刻t3までの期間は、時刻t1から時刻t2の間に浮遊容量Csに充電された充電電荷は、放電されることなく、浮遊容量Csに蓄積されている。よって、図3(d)に示すように、ターゲット3aとフィラメント3cとの間には充電電荷により高電圧V1が管電圧として印加された状態が維持されている。
グリッド3gはフィラメント3cよりもさらに低い電位となっている。この結果、フィラメント3cからの熱電子の放出が阻止されている。よって、図3(e)に示すように、X線の曝射は遮断されている。
<時刻t3から時刻t4まで>
時刻t3において、高電圧スイッチ27a、27cは開放から閉止に切り換える。
したがって、時刻t3から時刻t4までの期間は、高圧ケーブル23a、23cがグラウンドEと短絡される。時刻t1から時刻t2の間に浮遊容量Csに充電され、そのまま蓄積された充電電荷は、グラウンドEへ放電される。この結果、図3(d)に示すように、ターゲット3aとフィラメント3cとの間に印加される管電圧は急激に低下する。よって、ターゲット3aとフィラメント3cとの間の電位差はほとんどなくなり、グリッド3gが、ターゲット3a、フィラメント3cに比べて低い電位となっているのみである。よって、フィラメント3cからの熱電子の放出は発生しない。
<時刻t4から時刻t5まで>
この期間は、時刻t1から時刻t2までの期間の動作において高電圧発生回路31から出力される高電圧V1を低電圧V2に換えたものである。
すなわち、時刻t4において、高電圧発生回路31は低電圧V2の出力を開始し、グリッド回路33はバイアス電圧Vgの出力を終了する。また、高電圧スイッチ27a、27cは閉止から開放に切り換える。
したがって、時刻t4から時刻t5までの期間は、ターゲット3aとフィラメント3cとの間には低電圧V2が管電圧として印加される。また、グリッド3gはフィラメント3cと同電位である。なお、高電圧ケーブル23a、23cは、グラウンドEから絶縁されている。
よって、ターゲット3aとフィラメント3cとの間には低電圧V2がそのまま印加されて、フィラメント3cから熱電子が放出され、この熱電子がターゲット3aに衝突して所定のX線に変換される。このとき、発生するX線の線量は、高電圧V1が印加された場合に比べて低い。
X線は、天板1に載置される被検体Mに曝射される。FPD5は、被検体Mを透過したX線を検出する。この検出信号は、FPD5から画像処理部11に出力される。
ここで、画像処理部11には、時刻t1から時刻t2までの期間において高線量のX線を曝射して得られた検出信号と、時刻t4から時刻t5までの期間において低線量のX線を曝射して得られた検出信号とが収集されたことになる。画像処理部11に含まれる差分演算部13は、これらX線の線量の異なる2種類の検出信号の差分を算出するエネルギーサブトラクションを行い、画像データを生成する。
生成された画像データは、モニター15に出力される。モニター15は、この画像データに基づき画像を表示する。
一方、高圧ケーブル23a、23cの浮遊容量Csには、低電圧V2に応じた充電電荷が充電される。
<時刻t5から時刻t6まで>
時刻t5において、高電圧発生回路31は出力を停止し、グリッド回路33はバイアス電圧Vgを出力し始める。なお、高電圧スイッチ27a、27cは開放したままである。
したがって、時刻t5から時刻t6までの期間においては、時刻t4から時刻t5の間に充電された充電電荷は、放電されることなく、浮遊容量Csに蓄積されている。よって、ターゲット3aとフィラメント3cとの間には充電電荷により低電圧V2が管電圧として印加された状態が維持されている。また、グリッド3gはフィラメント3cよりもバイアス電圧Vgの分だけ低い電位となっている。この結果、フィラメント3cからの熱電子の放出が阻止されている。よって、X線の曝射は遮断されている。
<時刻t6から時刻t7まで>
時刻t6において、高電圧スイッチ27a、27cが開放から閉止に切り換わる。なお、高電圧発生回路31からの出力は無負荷のままであり、グリッド回路33はバイアス電圧Vgを出力したままである。
したがって、時刻t6から時刻t7までの期間は、高圧ケーブル23a、23cがグラウンドEと短絡される。時刻t4から時刻t5の間に浮遊容量Csに充電され、そのまま蓄積された充電電荷は、グラウンドEへ放電される。この結果、ターゲット3aとフィラメント3cとの間に電位差はほとんどなく、単にグリッド3gが、ターゲット3a、フィラメント3cに比べて低い電位となっているのみである。よって、フィラメント3cからの熱電子の放出は発生しない。
時刻t7以降は、時刻t1以降と全く同じである。
なお、高電圧発生回路31等の動作の期間や周期は、モニター15に表示するフレームレートに応じて決められる。具体的には、時刻t1から時刻t7までが、1枚の画像データを生成する1フレームの期間に相当する。すなわち、X線の線量の異なる2枚分の透視像の検出信号を得て、これらについてエネルギーサブトラクションを行い1枚の画像データを生成する期間である。例えば、フレームレート30FPSでモニター15に動画表示することを前提とすると、時刻t1から時刻t7まで期間が33.3msであり、時刻t1から時刻t4の期間が16.7msとなり、高電圧V1を印加する時刻t1から時刻t2までの期間が、約5msとなる。このとき、高電圧V1も低電圧V2も出力していない無負荷の期間は、約11.7ms続くことになる。
このように、実施例に係るX線診断装置によれば、グリッド回路33は、高電圧発生回路31が高電圧V1、または低電圧V2のいずれも発生していない無負荷の期間は、グリッド3gにバイアス電圧Vgを印加するので、X線の曝射を遮断する。そして、高電圧スイッチ27a、27cは、バイアス電圧Vgの印加されている期間内にのみ、放電ライン25a、25cを導通させる。これにより、高圧ケーブル23a、23cの浮遊容量Csに充電された充電電荷を放電することができる。
したがって、次に、高電圧発生回路31が高電圧V1、または低電圧V2を出力するときには、充電電荷の影響を受けることなく、X線管3のターゲット3aとフィラメント3cとの間に高電圧V1、または低電圧V2を正しく管電圧を印加することができる。
この結果、X線管3から所定の線量のX線を正しく曝射することができる。よって、画像処理部11(差分演算部13)により、検出信号の差分に基づいて生成される画像データの精度を向上させることができる。
また、放電ライン25a、25cをグラウンドEに接続することで、高圧ケーブル23a、23cの浮遊容量Csに充電された充電電荷を速やかに放電することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、放電ライン25a、25cには、高電圧スイッチ27a、27cを設けるのみであったが、これに限られない。たとえば、放電ライン25a、25cに制限抵抗を設けて、放電ライン25a、25cに流れる電流を制限してもよい。
(2)上述した各実施例では、放電ライン25a、25cはグラウンドEに接続されていたが、これに限られない。充電電荷によってのみ印加される管電圧が、低電圧V2より低くすることができれば、その後に、高電圧発生回路31が高電圧V1、または低電圧V2を出力しても、充電電荷の影響を受けずに、出力した電圧を管電圧としてX線管3に印加することができる。そこで、グラウンドEに換えて、低電圧V2よりも低い任意の電位点に適宜に変更してもよい。
(3)上述した各実施例では、高電圧スイッチ27a、27cは、バイアス電圧Vgの印加が開始する時刻(例えば、時刻t2)から所定時間経過した時刻(例えば、時刻t3)に閉止した。そして、バイアス電圧Vgの印加が終了する時刻(例えば、時刻t4)と同時に開放するように構成されていたがこれに限られない。すなわち、高電圧スイッチ27a、27cが閉止する期間は、バイアス電圧Vgが印加されている期間内(例えば、時刻t2から時刻t4までの期間)であれば、その一部の期間であっても、全部の期間であってもよい。たとえば、高電圧スイッチ27a、27cを、バイアス電圧Vgの印加の開始と同時に閉止してもよい。また、バイアス電圧Vgの印加が終了する前に開放してもよい。
(4)上述した各実施例では、高電圧スイッチ27a、27cは、バイアス電圧Vgが印加されている各期間は全て閉止する期間を設けていたが、これに限られない。すなわち、バイアス電圧Vgが印加されている各期間は、高電圧V1が印加された後であって、低電圧V2が印加される前のタイミング(例えば、時刻t2から時刻t4の間)と、低電圧V2が印加された後であって、高電圧V1が印加される前のタイミング(例えば、時刻t5から時刻t7の間)とに分けられる。ここで、前者(高電圧V1が印加された後であって、低電圧V2が印加される前)のタイミングに、バイアス電圧Vgが印加されている期間内にのみ、高電圧スイッチ27a、27cを閉止するように構成して、後者のタイミングにバイアス電圧Vgが印加されていても、高電圧スイッチ27a、27cを開放したままとしてもよい。
このように構成しても、低電圧V2を印加する際には、それ以前に充電電荷が放電されてしまっているので、低電圧V2を印加する時に充電電荷の影響を受けることがない。
高電圧V1を印加する際には、充電電荷が蓄積されたままの状態であるが、高電圧V1を印加すると、浮遊容量Csにさらに充電電荷が充電される傾向となり、ターゲット3aおよびフィラメント3cとの間に印加される電圧V1自体には影響を与えない。
(5)上述した各実施例では、FPD5を例に採って説明したが、X線を検出することができれば、これに限られない。たとえば、入射したX線をシンチレータによって光に変換し、光感応型の物質で形成された半導体層によってその光を電気信号に変換する間接型の検出器であってもよい。
実施例に係るX線診断装置の概略構成を示すブロック図である。 高電圧装置とX線管の構成を示すブロック図である。 (a)高電圧発生回路の出力と、(b)グリッド回路の出力と、(c)高電圧スイッチの開閉状態と、(d)陽極と陰極の間に印加される管電圧と、(e)曝射されるX線の線量との各タイミングチャートである。 グリッド付きX線管に用いる、従来の高電圧装置の概略構成を示すブロック図である。 (a)高電圧発生回路の出力と、(b)グリッド回路の出力と、(c)陽極と陰極の間に印加される管電圧と、(d)曝射されるX線の線量との各タイミングチャートである。
符号の説明
3 …X線管
3a …陽極
3c …陰極
3g …グリッド
5 …FPD
9 …高電圧装置
11 …画像処理部
13 …差分演算部
15 …モニター
21 …電源部
23a、23c …高圧ケーブル
25a、25c …放電ライン
27a、27c …高電圧スイッチ
29 …制御部
31 …高電圧発生回路
33 …グリッド回路
35 …フィラメント加熱回路
V1 …高電圧
V2 …低電圧
Vg …バイアス電圧
M …被検体
Cs …浮遊容量
E …グラウンド

Claims (3)

  1. グリッド付きX線管に用いる高電圧装置において、第1の電圧および前記第1の電圧より低い第2の電圧を発生する高電圧発生手段と、前記高電圧発生手段に接続され、第1または第2の電圧を前記グリッド付きX線管の陽極及び陰極に印加する高圧導電材と、前記高圧導電材と第2の電圧より低い電位点とを接続する放電ラインと、前記放電ラインの導通/非導通を切り換える開閉手段と、グリッドにバイアス電圧を印加して、陰極からの熱電子の放出を阻止するグリッド回路と、前記高電圧発生手段を操作して、第1の電圧と第2の電圧とを交互に、かつ、パルス状に発生させるとともに、前記高電圧発生手段が第1または第2の電圧のいずれも発生していない無負荷の期間は、前記グリッド回路を操作して、前記グリッドにバイアス電圧を印加させ、かつ、バイアス電圧が印加されている期間内にのみ、前記開閉手段を操作して、前記放電ラインを導通させる制御手段とを備えることを特徴とする高電圧装置。
  2. 請求項1に記載の高電圧装置において、前記電位点は、グラウンドであることを特徴とする高電圧装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高電圧装置と、前記高電圧装置が用いられ、第1および第2の電圧に応じた線量のX線を交互に照射するグリッド付きX線管と、照射されたX線を検出して、検出信号を出力する検出手段と、第1および第2の電圧に応じて出力された検出信号の差分に基づいて、画像データを生成する画像処理手段とを備えていることを特徴とするX線診断装置。

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