JP2007093529A - 分光方法及び分光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスレーザ装置を用いることなく、連続レーザ装置によって、リングダウン分光を行えるようにすること。
【解決手段】方向性光結合素子36はP偏光に対してのみ光結合している。第2偏光子21はS偏光成分のみを出力し、第1偏光子22はP偏光のみを通過させる素子である。ファラデー偏光子23にパルス磁場が印加されると、この印加期間だけS偏光からP偏光に90度位相が回転し、偏光子23の出力では、パルスP偏光が得られその期間外は連続したS偏光となる。このパルスP偏光レーザ光は方向性光結合素子36に入射して、光ファイバー10に分岐されて、光ファイバー10を循環し、リングダウンパルス光が得られ方向性光結合素子36を介して一部の光が第1光伝送路12側に分岐される。第1偏光子22は、P偏光のみ通過させるので、このP偏光のリングダウンパルス光は、受光素子32に入射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバーを用いたリングダウン分光方法及びその分光装置に関する。
良く知られているように、キャビティリングダウン分光においては、少なくとも2個のミラーによりキャビティを形成し、そのキャビティ内に検査対象物質(試料)を導入し、キャビティ内の試料の光吸収により減衰するリングダウンパルス光を用いて試料を分光分析するものである。キャビティリングダウン分光においては、主として光吸収による光強度の減衰における減衰定数を測定することで、試料の各波長における吸収係数を求め、試料の同定及び定量が行われる。また、下記特許文献3、4に示すように、キャビティに代えてループファイバーにパルス光を循環させ、又は、端面で反射する直線ファイバーにパルス光を往復進行させて、パルス光のリングダウン特性を測定することで物質の吸収特性を得る方法が知られている。
特開2000−338037号公報 特開2001−194299号公報 特開2004−333337号公報 USP6,842,548B2
ところが、上記のいずれのリングダウン分光法においても、用いられる光はパルスレーザであり、連続光を用いることができなかった。このため、パルスレーザを得るための特別の装置が必要であり、パルスレーザの出力の調整が困難であった。
本発明者らは、連続光を用いて、リングダウン分光ができないかを検討し、本発明を完成させた。
そこで、本発明の目的は、連続光を用いたリングダウン分光を実現することである。
請求項1の発明は、試料の光吸収特性を測定する分光方法において、光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、連続光を伝搬させる第1光伝送路とを光結合させ、この光結合をステップ的に減少し、又は、パルス的に増加させることで、ステップ的に、又は、パルス的に変化する光を光ファイバーに導入し、光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定することを特徴とする分光方法である。
又、請求項2に記載の発明は、試料の光吸収特性を測定する分光方法において、光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、連続光を伝搬させる第1光伝送路とを光結合させ、第1光伝送路を伝搬する連続光の偏光方向をステップ的に、又は、パルス的に変化させることで、所定方向に偏光した光のみを光ファイバーに導入し、光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定することを特徴とする分光方法である。
上記の2つの方法において、上記の光ファイバーはループ状に形成して、そのループ状の光ファイバーに光を循環させるようにしても良いし、線状に形成して、その両端面を反射面にして光を往復移動させるようにしても良い。
光には、レーザやLED光源を用いることができる。レーザには、通常の半導体レーザ、その他の固体レーザ、気体レーザなど任意のレーザを用いることができる。波長可変レーザを用いることで、試料の波長吸収特性を測定することができる。また、広帯域スーパーコンティニュアム光レーザを用いると、受光素子で受光したリングダウンパルス光の波長解析により、波長吸収特性を求めることができる。光結合をステップ的に減少させる場合には、光ファイバーに導入される光の振幅がステップ的に減少することを意味する。パルス的に光結合させる場合には、短いパルス期間の間だけ、光結合させることを意味する。よって、光ファイバーに入射する光の振幅は、ステップ減少関数、又はパルス関数となる。偏光方向を変化させる場合にも、ステップ的変化させる場合とパルス的に変化させる場合がある。ステップ的変化させる場合は、偏波方向を急峻にある方向から他の方向に変化させることであり、パルス的に変化させる場合は、偏波方向を急峻にある方向に変化させて、元の偏波方向や他の偏波方向に変化させることを意味する。
また、請求項3に記載の発明は、試料の光吸収特性を測定する分光装置において、光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、光ファイバーと光結合し連続光を伝搬させる第1光伝送路と、第1光伝送路から光ファイバーへの結合をステップ的に減少、又は、パルス的に増加させる光結合制御素子と、光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定する処理装置とを有することを特徴とする分光装置である。
この装置では、第1光伝送路から光ファイバーへの結合をステップ的に減少、又は、パルス的に増加させる光結合制御素子を設けることで、振幅が連続光からステップ減少関数、パルス関数で変化する光を光ファイバーへ入射させるようにしたことが特徴である。
また、請求項4に記載の発明は、試料の光吸収特性を測定する分光装置において、光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、光ファイバーと光結合し連続光を伝搬させる第1光伝送路と、第1光伝送路を伝搬する連続光の偏光方向をステップ的に、又は、パルス的に変化させる偏光制御素子と、所定方向に偏光した光を光ファイバーに分岐させる光結合素子と、光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定する処理装置とを有することを特徴とする分光装置である。
この装置は、連続光の偏波方向をステップ的又はパルス的に変化させて、所定方向に偏光した光だけを光ファイバーに導くようにして、振幅が、ステップ減少関数、又は、パルス関数で変化する光を光ファイバーへ入射させるようにしたことが特徴である。
また、請求項5に記載の発明は、第1光伝送路の一端に設けられた受光素子の入射側前方に設けられ所定方向に偏光した光のみを通過させる第1偏光子を有することを特徴とする請求項4に記載の分光装置である。
また、請求項6に記載の発明は、第1光伝送路において光結合素子の入射側前方に設けられ所定方向と異なる方向に連続光を偏光させる第2偏光子を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の分光装置である。
また、請求項7に記載の発明は、光ファイバーにおいて光結合素子により、リングダウン光を第1光伝送路に出力させることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の分光装置である。
また、請求項8に記載の発明は、光ファイバーにおいて光結合素子と異なる位置に配設された他の光結合素子により、リングダウン光を第1光伝送路と異なる第2光伝送路に出力させ、この第2光伝送路に処理装置を接続したことを特徴とする請求項3、請求項4、又は、請求項6に記載の分光装置である。
請求項1の方法では、連続光を伝搬させる第1光伝送路と光ファイバーとの結合をステップ的に、又は、パルス的に変化させるている。したがって、光ファイバーにおいては、光の振幅をステップ的に減少させるか、パルス的に変化する光を導入することができる。 請求項2の方法では、第1光伝送路を伝搬する連続光の偏光方向をステップ的に、又は、パルス的に変化させている。そして、第1光伝送路から光ファイバーには所定方向に偏光した光だけが導入されるように、第1光伝送路と光ファイバーとを光結合させている。これにより、光ファイバーには、所定方向に偏光した光のみが導入される。すなわち、光ファイバーでは、所定方向に偏光したパルス光が導入されるか、所定方向に偏光した連続光がステップ的に減少することになる。
請求項1、2においては、この光が光ファイバーを循環又は往復移動して、試料の吸収により、光の振幅が減衰する。このリングダウン光を外部に出力して、このリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性が測定できる。連続光の波長を変化させれば、試料の波長吸収特性を得ることができる。これにより試料の同定分析が可能となる。
請求項3の装置発明では、第1光伝送路から光ファイバーへの結合をステップ的に減少、又は、パルス的に増加させる光結合制御素子を設けたので、光ファイバーにおいては、光の振幅をステップ的に減少させるか、パルス的に変化する光を導入することができる。 請求項4の装置発明では、偏光制御素子により、第1光伝送路を伝搬する連続光の偏光方向をステップ的に、又は、パルス的に変化させることができる。又、光結合素子により、所定方向に偏光した光だけが光ファイバーに分岐される。
したがって、光ファイバーにおいては、連続光をステップ的に減少させることができるか、パルス光を伝搬させることができる。すなわち、本発明では、偏光制御素子と光結合素子とにより、所定方向に偏光したパルス光か、ステップ減少する光を得るようにしている。
請求項3、4において、この光は、光ファイバーを循環又は往復移動し、試料による光吸収により、パルス光の振幅が減衰して、リングダウン光が得られる。このリングダウン光を外部に出力して、処理装置により、このリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性が測定される。第1光伝送路に導入する連続光の波長を変化させれば、試料の波長吸収特性を得ることができる。これにより試料の同定分析が可能となる。
請求項5の装置発明では、第1光伝送路の一端に設けられた受光素子の入射側前方に設けられ所定方向に偏光した光のみを通過させる第1偏光子を設けているので、光ファイバーから導出した所定方向に偏光したリングダウン光のみを受光素子で検出することができる。ステップ的に変化させた場合には、第1光伝送路では、偏光制御素子を通過した光は、所定方向に偏光した光が伝搬して、ステップ変化させた後には、所定の方向と異なる偏波方向となる。また、パルス変化させた場合には、第1光伝送路では、偏光制御素子を通過した光は、定方向にパルス的に偏波した光が伝搬し、他の時間区間では、所定方向と異なる方向に偏波した光が伝搬する。
したがって、リングダウン光の測定期間においては、光源からの光で偏光制御素子を通過した光には、所定方向に偏光した光が含まれていないので、光源からの連続光は、第1偏光子により遮断されて受光素子で受光されることがないので、連続光によりリングダウン光の受光が妨げられることがない。
また、請求項6の装置発明では、第1光伝送路において光結合素子の入射側前方に設けられた第2偏光子により、所定方向と異なる方向に連続光が偏光される。例えば、所定方向の偏光をP偏光とすれば、これと異なる方向への偏光はS偏光となる。偏光方向が異なれば良く、偏光方向は、必ずしも90度異なる必要はない。これにより、偏光制御素子により、テスップ減少P偏光、又は、パルスP偏光を得ることができる。第1偏光子では、所定方向と異なる方向への偏光(例えば、S偏光)した光は、遮断され、例えば、P偏光したリングダウン光のみを、第1偏光子を通過させて、受光素子に入射させることができる。
また、請求項7の装置発明では、光ファイバーにおいて光結合素子により、リングダウン光を第1光伝送路に出力させるようにしている。すなわち、光ファイバーに光を導入するための光結合素子と、光ファイバーからリングダウン光を導出する光結合素子を共通化したもので、方向性光結合素子を用いることで、これを実現することができる。
また、請求項8の装置発明では、光ファイバーにおいて光結合素子と異なる位置に配設された他の光結合素子により、リングダウン光を第1光伝送路と異なる第2光伝送路に出力させている。したがって、連続光は受光素子には入射しないので、光ファイバーから導出されたリングダウン光を確実に受光素子で受光することができる。
本発明を具体的な実施例に基づいて説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図1に示すように、ループ状の光ファイバー10に対して、光を導入する第1光伝送路12が、方向性光結合素子36により光結合している。また、このループ状の光ファイバー10の伝送路中に試料40が挿入されている。試料40は、光ファイバー10を切断して、端面を対向させ、端面間の空間に設けられている。試料40を光が通過するように構成されている。第1光伝送路12は、光ファイバーで構成されており、その光ファイバーの一端には連続レーザ光を出力できるレーザ装置30が接続されており、他端には受光素子32、受光素子32で受光されたリングダウンパルスから減衰係数を演算する処理装置34が設けられている。請求項の処理装置は、受光素子32と処理装置34とで構成されている。
また、第1光伝送路12には、ループ状の光ファイバー10と第1光伝送路12とを光結合させる方向性光結合素子36が設けられている。また、方向性光結合素子36のレーザ光入射側前方には、第2偏光子21が設けられ、受光素子32のレーザ光入射側前方には、第1偏光子22が設けられている。偏光制御素子であるファラデー偏光子23が、方向性光結合素子36のレーザ光入射側前方に設けられている。第2偏光子21は、例えば、S偏光成分のみを出力する素子である。ファラデー偏光子23は、処理装置34からの制御信号により、伝送路方向に磁場を印加して、偏光を90度回転し、例えば、S偏光からP偏光に変化させる素子である。方向性光結合素子36は、P偏光のみをその進行方向にのみ光フイバー10に分岐する素子である。また、第1偏光子22は、所定方向に偏光した光、例えば、P偏光のみを通過させる素子である。
レーザ装置30から出力された連続レーザ光は、第2偏光子21に入射し、S偏光成分のみが第1光伝送路12に出力される。このS偏光の連続レーザ光は、磁場が印加されていないファラデー偏光子23を通過して、方向性光結合素子36に入射する。しかし、方向性光結合素子36はP偏光のみを光ファイバー10に分岐するので、この状態では、光ファイバー10にはレーザ光は出力されない。方向性光結合素子36を通過したS偏光の連続レーザ光は、第1偏光子22に入射するが、第1偏光子22はP偏光のみを通過させるので、このS偏光の連続レーザ光は、受光素子32には入射しない。よって、レーザ装置30から出力された連続レーザ光が受光素子32に入射することがなく、受光素子32でのリングダウンパルス光の受光を妨げることがない。
処理装置34の出力するパルス制御信号により、ファラデー偏光子23にパルス磁場が印加されると、この印加期間だけ、ファラデー偏光子23を通過するレーザ光は、S偏光からP偏光に90度位相が回転する。すなわち、ファラディ偏光子23の出力では、パルスP偏光が得られ、その期間外は連続したS偏光となる。このパルスP偏光レーザ光が方向性光結合素子36に入射して、光ファイバー10に分岐されて、光ファイバー10を図面上時計回りに循環する。循環する毎に、試料で光吸収が発生し、パルスP偏光レーザ光の振幅が順次減少する。すなわち、P偏光リングダウンパルス光が得られる。このリングダウンパルス光は、循環する毎に、方向性光結合素子36を介して一部の光が第1光伝送路12側に分岐される。P偏光であるので、方向性光結合素子36により第1光伝送路12側に一部分岐されて、第1偏光子22に入射する。第1偏光子22は、P偏光のみ通過させるので、このリングダウンパルス光は、受光素子32に入射する。
このP偏光リングダウンパルス光のリングダウン時定数を、受光素子32、処理装置34で測定することで、試料のこのレーザ光の波長における減衰係数を測定することが可能となる。この測定を連続レーザ光の波長を変化させて、実行することで、試料の波長吸収特性を得ることができ、試料の原子、分子構造を特定することが可能となる。
例えば、光ファイバー10の全長を6cmとすると、2×10-10 sec 毎に、リングダウンパルスが出力されるので、処理装置34からファラデー偏光子23に印加される制御信号の周波数、すなわち、パルスP偏光レーザ光の繰り返し周波数50MHz(周期2×10-8 ec)とすると、1パルス周期の間に100回のリングダウンパルスを許容することができる。繰り返し周波数5MHzにすれば、1000回のリングダウンパルスを許容することができる。また、光ファイバー10の全長を6mとすると、2×10-8 ec毎にリングダウンパルスが出力されるので、1パルス周期の間に100回のリングダウンパルスを許容するのであれば、パルス周期を500kHzとする必要があり、1パルス周期の間に1000回のリングダウンパルスを許容するのであれば、パルス周期を50kHzとする必要がある。
一方、パルスP偏光レーザ光のパルス幅は、リングダウンパルスの周期よりも短いことが必要となるので、光ファイバー10の全長を6cmとした場合には、2×10-10 sec よりも短いことが必要となる。また、光ファイバー10の全長を6mとすると、レーザ光のパルス幅は2×10-8 ecより短ければ良いことになる。したがって、レーザ光のパルス幅を短くすることは、光ファイバー10の全長を短くすることにつながり、装置構成を小型化することができる。
また、測定系自体の減衰があるので、現実には、試料が存在しない場合のパルスP偏光レーザ光のリングダウン特性を基準特性として測定しておいて、試料を測定した場合のパルスP偏光レーザ光のリングダウン特性の基準特性に対する偏差の減衰特性を用いて、試料の吸収係数を測定することになる。この吸収係数は、横軸をリングダウン回数、縦軸をリングダウンパルスの振幅としたときの指数関数の減衰係数から演算すれば良い。また、レーザ光の波長を変化させて、同様にリングダウン特性の減衰係数を測定することで、波長吸収特性が得られる。この特性は、吸収係数の絶対値が不明であっても、波長特性として相対的な吸収特性が得られれば、試料を同定することができる。
また、上記の実施例において、方向性光結合素子36は、一般に良く知られたものである。この方向性結合素子により、レーザ光のリングダウンパルスを受光素子32へ取り出すことができる。また、結合率を変化させることで、光ファイバー10を循環する光の強度を調整することができる。これにより、受光素子32で受光される光の減衰幅を調整できるので、同一のダイナミックレンジにより減衰係数を測定することが可能となり、精度を向上させることができる。
次に、本発明の具体的な実施例である実施例2について説明する。図2において、第1光伝送路12、ループ状の光ファイバー10、試料40の挿入位置、レーザ装置30、受光素子32、処理装置34の構成は、実施例1と同一である。
この実施例では、光ファイバー10に対するレーザ光の入力系統と、レーザ光の出力系統とを分離した例である。入力系統は、実施例1と、ほぼ、同様であるが、第1偏光子22に代えて、光を透過も反射もさせない終端子24が用いられている点が異なる。新たに設けられたレーザ光の出力系統として、光ファイバー10に光結合する第2の方向性光結合素子37、第2の方向性光結合素子37によって光ファイバー10と結合する第2光伝送路13、終端子25が設けられている。そして、第2光伝送路13の一端に受光素子32を接続している。
本実施例では、パルスP偏光レーザ光を光ファイバー10に導く方法は、実施例1と同一である。光ファイバー10を循環するリングダウンパルス光は、第2の方向性光結合素子37、第2光伝送路13を介して、受光素子32に入射する。この場合には、入力系統と出力系統とが分離されているので、出力系統である第2光伝送路13には、偏光子や、偏光性の方向性結合素子を用いる必要がない。
上記実施例では、光ファイバー10をループ状に構成しているが、図3に示すように、これを直線又は曲線にしても良い。すなわち、直線状の光ファイバー100を方向性光結合素子36により第1光伝送路12と結合させる。そして、光ファイバー100の両端は鏡面42、43として、光を反射させるようにする。このようにしても、ループでない直線状や曲線状の光ファイバー100を往復進行するパルスP偏光レーザ光を受光素子32側に出力することができる。この時、方向性光結合素子36の機能により、光ファイバー100を試料40側に伝搬するリングダウンパルス光のみを第1光伝送路12に出力させて、受光素子32に入射させることができ。その他の構成は、実施例1と同様である。
本実施例は、実施例2の構成において、第1偏光子22、第2偏光子21、偏光制御素子であるファラデー偏光子23を排除し、方向性光結合素子36に代えて、光結合制御素子であるピエゾ駆動結合率可変カプラ136を設けたことが特徴である。他の構成は、実施例2と同一である。ピエゾ駆動結合率可変カプラ136は、電気光学効果を用いて結合率を制御する素子であり、電圧を印加することで、光結合率を制御できる素子である。ピエゾ駆動結合率可変カプラ136にパルス電圧を印加して、パルス的に結合率を高くすることで、光ファイバー10には、パルス光を入射させることができる。このパルス光のリングダウン特性が受光素子32により検出されることは、実施例2と同一である。
また、光結合制御素子としては、ピエゾ駆動結合率可変カプラに代えて、光スイッチとしても良い。すなわち、第1光伝送路12から光ファイバー10の接続と遮断とを高速で行える光スイッチ素子で構成しても、パルス光又はステップ減少光を光ファバー10に入射させることができる。
〔変形例〕
上記の全ての実施例において、光ファイバー10,100を伝搬する光をパルス光に代えて、ステップ減少する光としても良い。この場合には、実施例1〜3において、処理装置34の出力する連続制御信号により、ファラデー偏光子23に連続磁場が印加される。この結果、第2偏光子21から出力されるS偏光の連続レーザ光は、ファラデー偏光子23により、P偏光に変換される。P偏光レーザ光が方向性光結合素子36を介して、光ファイバー10,100に入射する。次に、連続制御信号を遮断して、ファラデー偏光子23への磁場の印加を停止する。すると、ファラデー偏光子23の出力は、S偏光の連続レーザ光となり、この光は光ファイバー10、100には入射しない。したがって、光ファイバー10、100においては、P偏光レーザ光の振幅がステップ的に減少することになる。このステップ減少する光のリングダウン光を検出して、減衰定数を測定することで、試料の吸収率を測定することが可能となる。
また、実施例4においては、初期状態において、ピエゾ駆動結合率可変カプラ136により、第1光伝送路12と光ファイバー10との結合率を大きくしておき、光ファイバー10,100に連続レーザ光を入射させる。次に、ピエゾ駆動結合率可変カプラ136を制御して、第1光伝送路12と光ファイバー10との結合率をステップ的に減少させる。すると、光ファイバー10,100への連続レーザ光の入射がステップ的に遮断されることになる。このステップ減少する光のリングダウン光を検出して、減衰定数を測定することで、試料の吸収率を測定することが可能となる。
また、全実施例において、光ファイバー10,100に、ファイバー増幅器などの光増幅器を挿入して、レーザ光を増幅するようにしても良い。例えば、試料40が存在しない時に、リングダウン光の減衰がないように光増幅器の増幅率を設定しておいて、試料40を設置して、リングダウン光の減衰定数を測定することにより、試料だけの吸収係数を正確に求めることができる。さらに、光増幅器の増幅率をリングダウン光の減衰がないようにフィードバック制御して、この増幅率から試料の光吸収係数を測定するようにしても良い。この場合には、試料に入射する光の振幅を一定にした状態で吸収係数を測定することができるので、非線形効果を排除することができ、正確に、光強度に対する吸収係数を測定することができる。逆に言えば、レーザ光の強度を変化させながら、上記の測定をすれば、試料の吸収係数の非線形特性を求めることも可能となる。
また、全実施例において、方向性光結合素子36に代えて、光スイッチを用いても良い。すなわち、第1光伝送路12と、光ファイバー10,100とを、光の伝搬方向に結合させるモードと、光ファイバー10,100を閉じた状態にするモードと、光ファイバー10,100を伝搬した光を第1光伝送路12の下流側に伝搬させるモードとを切り替えることができる光スイッチを用いても良い。リングダウンパルス光の周期に同期して、スイッチ端子を切り替える光スイッチ素子としても良い。
本発明は、光吸収が小さな液体、気体、DNA、タンパクなどの生体物質、有機、無機物質、薄膜などの固体の分光分析に有効である。
本発明の具体的な実施例1に係る装置を示した構成図。 本発明の具体的な実施例2に係る装置を示した構成図。 本発明の具体的な実施例3に係る装置を示した構成図。 本発明の具体的な実施例4に係る装置を示した構成図。
符号の説明
10,100…光ファイバー
21…第2偏光子
22…第1偏光子
23…ファラデー偏光子
12…第1光伝送路
13…第2光伝送路
36,37…方向性光結合素子
136…ピエゾ駆動結合率可変カプラ

Claims (8)

  1. 試料の光吸収特性を測定する分光方法において、
    光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、連続光を伝搬させる第1光伝送路とを光結合させ、この光結合をステップ的に、又は、パルス的に変化させることで、ステップ的に、又は、パルス的に変化する光を前記光ファイバーに導入し、前記光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定することを特徴とする分光方法。
  2. 試料の光吸収特性を測定する分光方法において、
    光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、連続光を伝搬させる第1光伝送路とを光結合させ、第1光伝送路を伝搬する連続光の偏光方向をステップ的に、又は、パルス的に変化させることで、所定方向に偏光した光のみを前記光ファイバーに導入し、前記光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定することを特徴とする分光方法。
  3. 試料の光吸収特性を測定する分光装置において、
    光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、
    前記光ファイバーと光結合し連続光を伝搬させる第1光伝送路と、
    第1光伝送路から前記光ファイバーへの結合をステップ的に減少、又は、パルス的に増加させる光結合制御素子と、
    前記光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定する処理装置と
    を有することを特徴とする分光装置。
  4. 試料の光吸収特性を測定する分光装置において、
    光吸収特性を測定すべき試料に光を導く光ファイバーと、
    前記光ファイバーと光結合し連続光を伝搬させる第1光伝送路と、
    前記第1光伝送路を伝搬する連続光の偏光方向をステップ的に、又は、パルス的に変化させる偏光制御素子と、
    所定方向に偏光した光を前記光ファイバーに分岐させる光結合素子と、
    前記光ファイバーを循環又は往復移動するリングダウン光を外部に出力してこのリングダウン光の減衰特性から試料の吸収特性を測定する処理装置と
    を有することを特徴とする分光装置。
  5. 前記第1光伝送路の一端に設けられた受光素子の入射側前方に設けられ前記所定方向に偏光した光のみを通過させる第1偏光子を有することを特徴とする請求項4に記載の分光装置。
  6. 前記第1光伝送路において前記光結合素子の入射側前方に設けられ前記所定方向と異なる方向に前記連続光を偏光させる第2偏光子を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の分光装置。
  7. 前記光ファイバーにおいて前記光結合素子により、前記リングダウン光を前記第1光伝送路に出力させることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の分光装置。
  8. 前記光ファイバーにおいて前記光結合素子と異なる位置に配設された他の光結合素子により、前記リングダウン光を前記第1光伝送路と異なる第2光伝送路に出力させ、この第2光伝送路に前記処理装置を接続したことを特徴とする請求項3、請求項4、又は請求項6に記載の分光装置。
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