JP2004333337A - 吸光分析装置 - Google Patents

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Masahiro Adachi
雅浩 安達
Satoru Kurokawa
悟 黒川
Masahiro Kawasaki
昌博 川崎
Akihiro Morimoto
朗裕 森本
Toyofumi Umekawa
豊文 梅川
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Abstract

【課題】小型化及び低コスト化に適した吸光分析装置を提供する。
【解決手段】光導波路のいずれかの位置に試料を配置して、当該光導波路に導入されたパルス光の吸収率を測定する吸光分析装置において、パルス光を閉じ込める所定長さの光導波路と、前記光導波路に対して所定の方向にパルス光を導入するとともに当該導入されたパルス光を導出する光方向性結合器とを備えた構成とする。また、上記光方向性結合器の上記光導波路に対する結合係数は、測定対象となる試料の吸光率に応じて適宜選択できる構成としている。
さらに、上記パルス光を発射する発光素子に対しては、立下りが急峻な駆動パルス電流を与えて駆動する構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸光分析装置、特に、リングダウン分光法を用いた吸光分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
試料の吸光特性を高精度に計測する方法として、キャビティリングダウン分光法がある。このキャビティリングダウン分光法は、図7に示すように、両端に99%以上の高い反射率をもつ2枚のミラー71、72を配置してキャビティ73を構成し、このキャビティ73内に導入したパルスレーザ光75の減衰を観測することで、キャビティ73内に充填した試料100の吸光特性を計測するものである。
【0003】
上記構成において、入力側ミラー71を介してキャビティ73内にパルスレーザ光発生手段74で発生したパルスレーザ光75を導入すると、導入されたパルスレーザ光は、入力側ミラー71と出力側ミラー72に反射されてキャビティ73内を往復する。この往復の過程において、パルスレーザ光75は、その進行距離に応じた伝播ロス、及び、ミラー71、72で反射される際にミラーを透過して漏れ出す光に相当する反射ロスのために少しずつ減衰していく。
【0004】
上記漏れ光は、キャビティ73内のパルスレーザ光が[1−反射率]の比率で漏れ出したものであり、その光強度は、キャビティ73内のパルスレーザ光75の減衰率と同じ減衰率で減衰することになる。したがって、出力側ミラー72を透過する漏れ光76の光強度を光強度計測手段77により計測することでキャビティ73内を伝播するパルスレーザ光の減衰率を観測することができる。この減衰率をkとすると、漏れ光76の光強度I(t)と時間tの関係は式1で表すことができる。
【0005】
【式1】
Figure 2004333337
ここで、Iは、時間t=0における漏れ光76の強度である。なお、観測される漏れ光76の強度は、図8に示すように、上記パルスレーザ光75がキャビティ73を1往復する周期により、式1をサンプリングしたパルス群80が観測されることになる(以下で、この波形をリングダウン波形と記述する)。
【0006】
上記式1から理解できるように、減衰率kは、横軸に時間t、縦軸に漏れ光の光強度I(t)の自然対数LN(I(t))をプロットしたときの直線の傾きとして求めることができる。
【0007】
キャビティ73内に吸光率Δkの試料が充填されている場合、式1の減衰率kは、キャビティ内に試料が充填されていないときの減衰率kと吸光率Δkの和となる。したがって、このときの漏れ光の光強度Iは、式2で表される。
【0008】
【式2】
Figure 2004333337
すなわち、あらかじめ減衰率kを求めておけば、漏れ光の光強度を計測することで、試料の吸光率Δkを求めることができる。
【0009】
上記の方法では、キャビティ内でパルスレーザ光を試料に繰り返し吸収させることができるため、僅かしか光を吸収しない試料であってもその吸光を検出することが可能となる。このような測定により吸光率を計測することで、例えば、試料中に含まれる特定の物質の定量等を行うことができる。
【0010】
ところで、上記の吸光分析装置は、試料中に含まれている検出対象となる物質が特定の波長を吸収する性質を利用して、物質の特定を行うものである。このため、検出する物質の種類に応じてキャビティ内に導入する光の波長を変更しなければならない。上記ミラーの反射率は、入射する光の波長に対する依存性を有し、上記のような高い反射率を示す波長の範囲は極めて狭い。したがって、このように導入する波長を変更する場合は、波長に応じた高い反射率を有するミラーに交換する必要がある。
【0011】
上述の構成からも理解できるように、上記従来の吸光分析装置は、ミラー、光源であるパルスレーザ光発生装置、及び検出手段である受光素子等より構成され、検出対象となる物質が異なるごとに、光の波長を変更する(光源を変更する)必要がある。更に、この構成は光軸調整が必要となるため、導入する光の波長を変更するたびに、光軸調整の時間を要するという問題があった。
【0012】
この対応策として、上記ミラーで構成したキャビティに代えて、ループ状の光ファイバを用い、リングダウン分光を実現する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このループ状の光ファイバは2箇所のベンド部(光ファイバを、大きな曲率で曲げた部分)を備えており、一方のベンド部にパルスレーザ光を照射して入力するとともに、他方のベンド部からの漏れ光を計測する構成となっている。また、パルスレーザ光の入出力の光軸調整を容易とするために、このベンド部に代えて、光方向性結合器を使用することが示唆されている。
【0013】
なお、本明細書において、パルスとは、矩形状の波形に限らず、任意形状の単一波形を意味する。
【0014】
【特許文献1】
米国特許出願公開第2003/0007715号明細書
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなリングダウン分光法を用いた吸光分析装置では、パルスレーザ光は導入・導出時に光強度が大きく減衰するため、光源として高出力のパルスレーザ光発生装置が必要となる。
【0016】
一般に、高出力のパルスレーザ光発生装置は、大型の固体レーザに、キセノンランプ等のフラッシュランプ、または、半導体レーザ等を間欠的に照射してパルス光を励起する、あるいは、固体レーザが発生した連続光を変調してパルスレーザ光を得るものであり、パルスレーザ発生装置自身が大型で高価なものとなっている。このため、吸光分析装置を小型化・低コスト化するには、光源の小型化・低コスト化が条件となっていた。
【0017】
一方、少量の試料に対して測定を行う場合、試料の量に応じた大きさのキャビティを構成し、すなわち、キャビティ自体の体積を小さくしてパルスレーザ光を伝播させればよい。しかしながら、このようにパルスレーザ光を閉じ込める光路長を短くするときは、パルスレーザ光の重なりが問題となる。
【0018】
例えば、1nsのパルス幅をもつパルスレーザ光は、屈折率1.5の光ファイバ中で20cmの長さに相当する。このため、パルスレーザ光を閉じ込めるループを20cm以下の光ファイバで構成した場合、このループ内ではパルスレーザ光の重なりによる干渉が発生し、光強度を正確に測定することが困難となる。
【0019】
そこで、パルスレーザ光のパルス幅を短くすれば、キャビティを小さくすることが可能となる。しかしながら、このような短パルス幅のレーザ光の発生にも、上述のような大型の固体レーザが用いられており、キャビティの小型化が可能となっても、吸光分析装置自体を小型化することは困難であった。
【0020】
さらに、上記従来のリングダウン分光法を用いた吸光分析装置は、検出すべき光強度が小さいため、高感度の受光素子が必要とされていた。このような、高感度の受光素子は価格も高く、低コスト化を妨げる要因となっていた。
【0021】
また、上述のように分光装置自体が大型であるため、試料の吸光率に応じて測定系を変更するという概念がなく、固定された測定系により測定が行われていた。
【0022】
本発明は、上記従来の事情に基づいて提案されたものであって、小型化及び低コスト化に適した吸光分析装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
まず、本発明は、光導波路のいずれかの位置に試料を配置して、当該光導波路に導入されたパルス光の吸収率を測定する吸光分析装置を前提としている。
【0024】
本発明は、上記目的を達成するために、パルス光を閉じ込める所定長さの光導波路と、前記光導波路に対して所定の方向にパルス光を導入するとともに当該導入されたパルス光を導出する光方向性結合器とを備えた構成としている。また、上記光方向性結合器の上記光導波路に対する結合係数は、測定対象となる試料の吸光率に応じて適宜選択できる構成としている。
【0025】
上記構成により、試料の吸光率に応じた適切な測定系を選択的に構成することが可能となる。
【0026】
さらに、上記パルス光を発射する発光素子に対しては、立下りが急峻な駆動パルス電流を与えて駆動する構成としている。
【0027】
この構成とすれば、簡単な構成で短パルスレーザ光を発射することができるとともに、小型で安価な吸光分析装置を構成することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る吸光分析装置の機能ブロック図である。
【0030】
パルスレーザ光を閉じ込める光封止手段3に対して、光方向性結合器4によってパルスレーザ光を導入あるいは導出するようになっている。
【0031】
上記光封止手段3は光ファイバ等の光導波路4bより構成され、その両端13、14は鏡面となっている。したがって、光方向性結合器4により導入されたパルスレーザ光は当該光導波路4bの減衰率に従って減衰しながら往復を繰り返すことになる。
【0032】
上記光方向性結合器4は、上記導波路4bに近接して配設された光導波路4aよりなり、所定の結合係数で上記光導波路4aから光導波路4bに、あるいは光導波路4bから光導波路4aにパルスレーザ光が伝達されるようになっている。
【0033】
上記光方向性結合器4を構成する光導波路4aの一端には、入力用光ファイバ11を介して上記発光素子5、駆動手段6、及び駆動信号発生手段7を備えた入力手段1が接続されている。
【0034】
上記発光素子5としては、計測に用いる波長のレーザを発生する任意の半導体レーザダイオードが使用でき、例えば、AlGaAsやInGaAsP等の既製の半導体レーザダイオードを用いることができる。
【0035】
上記構成において、入力手段1から発射されたパルスレーザ光は、入力用光ファイバ11、光導波路4aを伝播し、更に、光導波路4aの他端に出力用光ファイバ12を介して接続された計測手段2に伝達される。この計測手段2では、上記パルスレーザ光が受光素子8によりその強度に応じた出力信号に変換されて演算手段9に入力され、光強度が計測できるようになっている。
【0036】
上記において、光方向性結合器4では、上述のように結合係数に応じた強度のパルスレーザ光が光導波路4bに伝達される。例えば、結合係数が10dBであれば、光導波路4aを伝播する光の10%に当たる光が光導波路4bに導入され、結合係数が20dBであれば、光導波路4aを伝播する光の1%に当たる光が光導波路4bに導入される。
【0037】
光導波路4bに導入されたパルスレーザ光は、まず、光導波路4aにおける進行方向(入力手段1から計測手段2へ向かう方向)と同一の方向に伝播し、光導波路4bの一方の端面14で反射される。端面14で反射されたパルスレーザ光は、光導波路4bを反対方向に伝播して他方の端面13に到達し、端面13においても反射される。すなわち、光導波路4bに導入されたパルスレーザ光は、端面13、14での反射を繰り返しながら、光封止手段3内を伝播する。
【0038】
このように、光封止手段3内を往復して伝播するパルスレーザ光は、光方向性結合器4を通過する度に、上記結合係数に応じた強度の光が光導波路4aに導出される。このとき、光導波路4aに導出されるパルスレーザ光の伝播方向は、光導波路4b中の伝播方向と同一の方向である。すなわち、端面14から端面13に向かって伝播するパルスレーザ光は、入力手段1に向かう光として光導波路4aに導出され、端面13から端面14に向かって伝播するパルスレーザ光は、計測手段2に向かう光として光導波路4aに導出される。
【0039】
従って、計測手段2では、光方向性結合器4において光封止手段3から光導波路4aに導出されたパルスレーザ光のうち、計測手段2に向かうパルスレーザ光の強度だけが計測されることになる。
【0040】
ところで、上記吸光分析装置は、吸光率を測定する試料100を配置して測定を行うために、上記光封止手段3である光導波路4bに試料設置手段15を備えている。図2に示すように、試料設置手段15は、その内部で光導波路4bである光ファイバが所定の間隔で分離された構造を有しており、この分離した空間に試料100を充填できる構成となっている。なお、本実施の形態では、上記所定の間隔を50μmとしている。
【0041】
以上説明した構成において、まず、試料設置手段15に試料100が存在しない状態で、入力手段1からパルスレーザ光を発射し、計測手段2によりリングダウン波形を計測し、減衰率kを求める。次に、試料設置手段15に試料100を充填した状態で、入力手段1からパルスレーザ光を発射し、このときのリングダウン波形から、減衰率k+Δkを求める。このようにして取得した減衰率の差分を計算することにより、試料100の吸光率Δkを求めることができる。
【0042】
続いて、入力手段1におけるパルスレーザ光の発生について詳細に説明する。
【0043】
入力手段1の駆動信号発生手段7が発生した駆動信号が駆動手段6に入力されると、駆動手段6は発光素子5であるレーザダイオードに対して当該駆動信号の波形に応じた波形の駆動電流をレーザダイオードに出力する。
【0044】
この構成は、例えば、図3に示すように、レーザダイオード23と当該レーザダイオード23に駆動電流を供給する電流源21の間にFETスイッチ22を配置し、このFETスイッチ22のオン・オフ制御端子22aに上記駆動信号を入力することで実現可能である。
【0045】
上記構成において、駆動信号の波形に応じた波形をもつ駆動電流が供給されたレーザダイオードは、駆動電流がレーザダイオードの構造や組成に起因する最低発光電流値に到達するまでレーザを発射しない。
【0046】
駆動電流が最低発光電流値に達すると、レーザダイオードはレーザを発射するが、このとき発射されるレーザの強度はオーバーシュートし、その尖頭値が定常状態(駆動電流を最低発光電流値に固定して供給している状態)で発射されるレーザ光強度の数倍から数十倍の強度となる。
【0047】
この状態において、駆動電流の供給を継続すると、レーザダイオードは供給される駆動電流値に応じた強度のレーザを発射するようになる。
【0048】
一方、レーザダイオードに対して、立下りが急峻な駆動パルス電流を与え、駆動電流が最低発光電流値に到達した直後に駆動電流の供給を停止すれば、上記尖頭値をもつパルスレーザ光を発射させることができる。
【0049】
駆動手段6に入力する駆動信号の波形と、このときレーザダイオードから発射されるパルスレーザ光の波形の一例を図4に示す。図4(a)にある1/4の正弦波Aと、1/2の正弦波Bを駆動信号として入力したとき、発射されるパルスレーザ光の波形が図4(b)のC、及びDである。駆動電流が最低発光電流値に到達した直後に駆動電流の供給を停止している1/4の正弦波Aにより駆動した場合、50ps程度のパルス幅をもつパルスレーザ光Cが発射されていることが理解できる。このパルスレーザ光を使用すれば、例えば、上記光封止手段3の光路長が1cmであっても測定を行うことが可能となる。
【0050】
また、このパルスレーザ光の発射周期は、入力する駆動信号の周期を変更することで簡単に調整可能である。このため、リングダウン波形を複数回計測し、その平均値から減衰率を計測するときも、任意の周期をもつパルスレーザ光を容易に発射することができる。
【0051】
以上説明したように、上記構成によれば、短パルス長のパルスレーザ光を発射する小型で安価な光源を簡単に構成でき、吸光分析装置を小型で安価なものとすることが可能となる。
【0052】
ところで、本実施の形態の吸光分析装置は、光方向性結合器4を構成する光導波路4aが着脱可能に配設されており、光導波路4aの材質、及び、構造、あるいは、光導波路4bとの距離を変更することで、光方向性結合器4の結合係数を選択することが可能となっている。
【0053】
上記構成によれば、大きな吸光率をもつ試料100を測定する場合、大きな結合係数の光方向性結合器4(光導波路4aと光導波路4bとの間で伝播される光の強度が大きい)を選択することができる。すなわち、光封止手段3に対して導入、あるいは導出されるパルスレーザ光の強度を増大させることができ、低感度の受光素子8による測定を可能にするとともに、測定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0054】
特に、溶液中に含まれる物質の吸光分析を行う場合等、試料中にパルスレーザ光を散乱する物質が多く含まれているときは、大きな結合係数の光方向性結合器4を選択することで、パルスレーザ光の強度を容易に増大させることができるため有効である。
【0055】
一方、小さな吸光率を有する試料を測定する場合、小さな結合係数をもつ光方向性結合器(光導波路4aと光導波路4bとの間で伝播される光の強度が小さい)を選択することができる。すなわち、光封止手段3に対して導入、あるいは導出されるパルスレーザ光の強度を減少させることができ、従来と同様にパルスレーザ光が伝播する距離を長くした高精度な測定を行うことができる。
【0056】
このように小さな結合係数を選択した場合、計測手段2において計測される光強度は、緩やかに減少するリングダウン波形となる。このため、演算手段9が受光素子8の出力信号を検出する際には、同一の測定レンジで測定を行うことができる。このため、測定レンジ変更に伴う検出誤差を低減でき、高精度な測定を行うことができる。
【0057】
以上のように、光方向性結合器4の結合係数を任意に選択可能とすることで、試料の吸光率に応じた自由度のある測定系を容易に構成することが可能となり、最適な測定系により測定を行うことが可能となる。
【0058】
なお、上記実施の形態では、光方向性結合器4を構成する光導波路4aの材質、あるいは、光導波路4aと光導波路4bとの距離を調整することで結合係数を選択できる構成としたが、異なる結合係数を有する光方向性結合器4を複数用意しておき必要に応じて交換する構成とすれば、結合係数の選択をより容易に行うことができる。
【0059】
また、結合係数を選択する観点では、光方向性結合器4の結合係数を異なる値として、光封止手段3と光方向性結合器4とを一体とした光伝播部を複数構成し、試料100の吸光率に応じて当該光伝播部を選択する構成とすることも可能である。
【0060】
また、本実施の形態では、試料設置手段15を、所定の間隔で分断した光ファイバに試料100を充填する構造としたが、これに限るものではなく、上記パルスレーザ光を試料100に吸収させることができる構成であればよい。例えば、光ファイバのクラッド層を一部剥離し、この剥離部分に試料を配置する構成としてもよい。
【0061】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、光封止手段3を両端が鏡面である光導波路とし、パルスレーザ光を両端面13、14で反射させる構成とした。しかしながら、この光封止手段3は、パルスレーザ光を閉じ込める構造であればよく、上記構成に限るものではない。
【0062】
図5に示すように、本実施の形態では、光封止手段3として光ファイバ等のループ状光導波路30を備えている。このループ状光導波路30は、試料設置手段15を有しており、第1の実施の形態と同様に、光封止手段3を伝播するパルスレーザ光を試料100に吸収させる構成となっている。他の構成は、第1の実施の形態と同一である。
【0063】
上記構成では、光方向性結合器4において光導波路4aから光導波路4bに伝達されたパルスレーザ光は、光導波路4aにおける進行方向(入力手段1から計測手段2へ向かう方向)と同一の方向に伝播するとともに、ループ状光導波路30を周回する。
【0064】
このようにループ状光導波路30を周回するパルスレーザ光は、光方向性結合器4を通過する度に、結合係数に応じた強度の光が光導波路4bから光導波路4aに導出される。このとき、光導波路4aに導出されるパルスレーザ光は、全て計測手段2に向かう方向に伝播する。すなわち、本実施の形態では、上記第1の実施の形態とは異なり、光導波路4aに導出された全てのパルスレーザ光の強度を計測することができる。なお、試料設置手段15に充填された試料100の吸光率Δkを求める手順は、第1の実施の形態と同様であるため、ここでの記載は省略する。
【0065】
第1の実施の形態の光封止手段3である両端に反射面を備えた光導波路と、本実施の形態の光封止手段3であるループ状光導波路30との光路長が同一である場合、本実施の形態において観測されるリングダウン波形の周期は、第1の実施の形態において観測される周期の1/2となる。このため、減衰率を求める演算に使用するリングダウン波形のデータ数が増加するため、試料の吸光率Δkをより正確に求めることができる。
【0066】
さらに、本実施の形態の構成では、光導波路の端面を鏡面加工する必要がなく、第1の実施の形態に比べ安価に吸光分析装置を構成することができる。
【0067】
(第3の実施の形態)
上記各実施の形態では、光封止手段3に対する、パルスレーザ光の導入、及び、導出を1つの光方向性結合器4で行っており、入力手段1と計測手段2は、光導波路4aを介して直接接続されている。このため、入力手段1が発射したパルスレーザ光は、直接計測手段2に到達する。このパルスレーザ光の強度は、光封止手段3から導出されるパルスレーザ光の強度に比べて著しく大きいため、その直後に減衰率を求めるために計測するリングダウン波形を乱してしまう。
【0068】
そこで、第3の実施の形態では、パルスレーザ光の導入、及び導出を別個の光方向性結合器で行う構成としている。
【0069】
本実施の形態は、図6に示すように、上記第2の実施の形態の構成に、第2の光方向性結合器40を追加するとともに、計測手段2を当該第2の光方向性結合器40に接続する構成としている。なお、以下では、この第2の光方向性結合器40を出力側結合器40とし、他方の光方向性結合器4を入力側結合器4と記載する。
【0070】
出力側結合器40は、ループ状光導波路30の所定位置に配置されており、当該出力側結合器40の光導波路40bは、ループ状光導波路30の一部を構成している。また、出力側結合器40の光導波路40aのパルスレーザ光が導出されるポートには、出力用光ファイバ12を介して計測手段2が接続されており、他方のポートには光導波路端でパルスレーザ光を吸収することで、反射による逆方向への光の伝播を防止する光終端器16が接続されている。
【0071】
一方、入力側結合器4において、光導波路4aの入力手段1が接続されていないポートには、計測手段2に代えて光終端器16が接続されている。他の構成は、上記第2の実施の形態と同一である。
【0072】
上記構成では、入力手段1が発射したパルスレーザ光は、入力側結合器4において、光導波路4aから光導波路4bに導入され、光導波路4aにおける進行方向(入力手段1から終端器16へ向かう方向)と同一の方向で、ループ状光導波路30を周回する。
【0073】
このようにループ状光導波路30を周回するパルスレーザ光は、出力側結合器40の光導波路40bを通過する度に、出力側結合器40の結合係数に応じた強度の光が光導波路40aに導出される。このとき、光導波路40aに導出されたパルスレーザ光は、光導波路40bにおいてパルスレーザ光が伝播されていた方向と同一の方向に伝播する。上述のように、パルスレーザ光が導出されるポートには、計測手段2が接続されており、導出されたパルスレーザ光の強度が計測される。なお、試料100の吸光率Δkを求める手順は、第1の実施の形態と同様である。
【0074】
このような構成とすることにより、入力手段1が発射したパルスレーザ光が、直接計測手段2に到達しなくなるため、リングダウン波形の乱れをなくすことができ、光封止手段3から導出されるパルスレーザ光を精度良く計測することが可能となる。
【0075】
上記本実施の形態の説明では、光封止手段3をループ状光導波路30としたが、第1の実施の形態に示した光封止手段3に適用しても、同様の効果を奏することは勿論である。
【0076】
なお、上記各実施の形態で説明した駆動手段6、光方向性結合器4、40の構成は、具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
【0077】
また、上記各実施の形態において、入力手段1が発射したパルスレーザ光の光強度を更に増大させるために、発光素子5と入力用光ファイバ11との間にEDFA(Eribium−Doped Fiber Amplifier)等の光増幅器を必要に応じて配置しても良い。
【0078】
また、上記各実施の形態では、光ファイバにより光導波路を構成したが、これに限るものではなく、例えば、光ファイバのコア及びクラッドに相当する材質を基板上に積層して形成した光導波路を用いてもよいことは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、リングダウン分光法を用いた吸光分析装置において、光方向性結合器の結合係数が選択可能となるので、試料の吸光率に応じた最適な測定を行うことが可能となる。
【0080】
また、光源である半導体レーザダイオードに対して、立下りが急峻な駆動パルス電流を与えることで、短パルスレーザ光源を構成しているため、小型で安価な吸光分析装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の試料設置手段を示す上面図。
【図3】本発明の駆動手段の一例を示す回路図。
【図4】本発明のパルスレーザ光発生原理を示す説明図
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す機能ブロック図。
【図7】キャビティリングダウン分光法を示す説明図
【図8】リングダウン波形を示す説明図
【符号の説明】
1 入力手段
2 計測手段
3 光封止手段
4 光方向性結合器(入力側結合器)
4a、4b、40a、40b 光導波路
5 発光素子
6 駆動手段
7 駆動信号発生手段
8 受光素子
9 演算手段
10 光コネクタ
13、14 端面
15 試料設置手段
21 電流源
22 FETスイッチ
22a オン・オフ制御端子
23 レーザダイオード
30 ループ状光導波路
40 光方向性結合器(出力側結合器)
71 入力側ミラー
72 出力側ミラー
73 キャビティ
74 パルスレーザ光発生手段
75 パルスレーザ光
76 漏れ光
77 光強度計測手段
100 試料

Claims (7)

  1. 光導波路の所定の位置に試料を配置して、当該光導波路に導入されたパルス光の試料による吸収率を測定する吸光分析装置において、
    パルス光を閉じ込める所定長さの光導波路と、
    前記光導波路に対して、当該光導波路を所定の方向に伝播するパルス光を導入するとともに、当該導入されたパルス光を導出する光方向性結合器と、
    を備えたことを特徴とする吸光分析装置。
  2. 上記光方向性結合器の上記光導波路に対する結合係数が選択的である請求項1に記載の吸光分析装置。
  3. 上記光導入のための光方向性結合器と、導出のための光方向性結合器が同一である請求項1または請求項2に記載の吸光分析装置。
  4. 上記光導入のための光方向性結合器と、導出のための光結合器とが別体である請求項1または請求項2に記載の吸光分析装置。
  5. 上記光導波路がループ状である請求項1または請求項2に記載の吸光分析装置。
  6. 上記光導波路が両端に反射面を備えた単一路である請求項1または請求項2に記載の吸光分析装置。
  7. 上記パルス光を発射する発光素子に対して、立下りが急峻な駆動パルス電流を与える請求項1または請求項2に記載の吸光分析装置。
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