JP2007092266A - 皮革様シート状物ならびにその製造方法 - Google Patents

皮革様シート状物ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、これまでにない高い耐光堅牢性を有し、かつ十分な物性、柔軟な風合い、滑らかなタッチ、品位、充実感を有する皮革様シート状物およびその製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の皮革様シート状物は、単繊維繊度0.0001〜0.5デシテックスの極細短繊維を含み、実質的に繊維素材のみからなる染色された不織布構造体から構成され、かつ該繊維素材が紫外線吸収剤を含有することを特徴とするものである。
また本発明の皮革様シート状物の製造方法は、単繊維繊度0.0001〜0.5デシテックスの極細繊維を発生可能な極細繊維発生型短繊維をニードルパンチ法により絡合させた後に、極細繊維を発生させて極細短繊維不織布とし、次いで少なくとも10MPaの圧力で高速流体処理を行って再度絡合させ、染色し、次いで洗浄を行う皮革様シート状物の製造方法であって、該染色と同時または/およびその後に、該極細繊維に紫外線吸収剤を含有させることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に変褪色に対する高い耐光堅牢性を有する皮革様シート状物およびその製造方法に関するものである。より詳細には、繊維素材のみからなる、優れた染色堅牢性、十分な物性、柔軟性、滑らかなタッチを有する皮革様シート状物およびその製造方法に関するものである。
従来より皮革様シート状物として、高分子弾性体を付与した極細短繊維不織布の表面を立毛させたものが知られており、不織布基体に付与する高分子弾性体としてポリウレタンが一般に用いられている。このような皮革様シート状物分野においては、近年益々高級化が要求され、外観、風合い、発色性等の感性面と耐摩耗性などの表面物性を満足するものが求められている。特に自動車内装材分野では、変褪色に対する高い耐光堅牢性が要求される。
従来の皮革様シート状物の変褪色に対する耐光堅牢性を向上させる手段として、極細繊維の耐光堅牢性を向上させる方法と、ポリウレタンの光劣化による変褪色、特に黄変を押さえる方法に分類できる。特に、淡色系の染料で染色された皮革様シート状物においては、ポリウレタンの光劣化による黄変がわずかであっても、皮革様シート状物の色が敏感に変化してしまうため、これを押さえることは皮革様シート状物の耐光堅牢性を向上させるための必須の課題である。
ポリウレタンの光劣化を押さえる手法としては、ポリウレタン自身の構造を工夫し、耐光性を向上させる方法があり、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリラクトンなど、耐光性の高いポリマージオールを原料として用いたポリウレタンが提示されている(例えば、特許文献1〜3)。また、ポリウレタン合成時の原料である高分子ジオール、有機イソシアネート、鎖伸長剤、低分子ジオールなどの原料比、あるいは反応条件を工夫した方法にて製造されたポリウレタンが提示されている(例えば、特許文献4)。しかし、このようなポリウレタンにおいても、改善されたとはいえ依然として光劣化による黄変の問題は残っており、またこのようなポリウレタンは概して柔軟性、耐加水分解性、耐熱性等の別の問題を有している。さらに、極細繊維に吸尽した染料の光退色を十分に抑制できるとはいえない。
これを解決するために、ポリウレタン付与時に紫外線吸収剤や酸化防止剤をポリウレタン溶液に添加し、ポリウレタンに該添加剤を含有させる方法が知られている(例えば、特許文献5)。この方法であれば、ポリウレタンの劣化を防止することができ、耐光堅牢性を向上させることができる。しかし、当該技術をもってしてもポリウレタンの劣化を完全に抑制することは困難である。さらには、ポリウレタンに染料が含まれていた場合、この光劣化を抑制することはこれらの技術では困難であった。
一方、一般的に繊維の耐光堅牢性を向上させる方法としては、紫外線吸収剤を付与する方法が知られている(例えば、特許文献6)。しかしながら、ポリウレタン等の高分子弾性体を有する皮革様シート状物においては、紫外線吸収剤を染色時、あるいは染色後等に付与しても、その効果は限定され、すなわち、現状では、高分子弾性体を付与した極細短繊維不織布の表面を立毛させた皮革様シート状物の耐光堅牢性を抜本的に向上させるまでには至っていなかった。
一方、皮革様シート状物の一種として、極細短繊維からなる織物の表面を起毛させた、起毛織物と呼ばれるものが知られている(例えば、特許文献7)。このものであると、引っ張り強力や引き裂き強力などの基本物性が不織布構造体より一般に優れ、高分子弾性体を含有させる必要がない場合が多い。そのため、高分子弾性体を含まない起毛織物に紫外線吸収剤を付与すると、確かに耐光性の高いものをつくることはできる可能性がある。しかし、起毛織物は、品位、タッチ、充実感の観点から、不織布構造の皮革様シート状物に劣るものである。
特開平05―009256号公報 特開平05―065324号公報 特開2004―346094号公報 特開平07―165856号公報 特開平03―206178号公報 特開平07−119036号公報 特開昭58−126339号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、これまでにない高い耐光堅牢性を有し、かつ十分な物性、柔軟な風合い、滑らかなタッチ、品位、充実感を有する皮革様シート状物およびその製造方法を提供せんとするものである。
本発明者らは鋭意検討の結果、ポリウレタン等の高分子弾性体を有する皮革様シート状物においては、紫外線吸収剤を染色時、あるいは染色後等に付与しても、紫外線吸収剤はポリウレタンへ大部分が吸尽、吸着され、その効果は限定されること、一方、極細短繊維不織布の表面を立毛させた皮革様シート状物において高分子弾性体を実質的に含まず、かつ、該極細短繊維に紫外線吸収剤を含有させることで、これまでにない高い耐光堅牢性と品位、タッチ、充実感を有した皮革様シート状物を得ることができることを見いだし、本発明に至ったものである。また、本発明における皮革様シート状物は、柔軟な風合い、強度、発色性に関しても極めて高いレベルを示すものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の皮革様シート状物は、単繊維繊度0.0001〜0.5デシテックスの極細短繊維を含み、実質的に繊維素材のみからなる染色された不織布構造体から構成され、かつ該繊維素材が紫外線吸収剤を含有することを特徴とするものである。
また、本発明の皮革様シート状物の製造方法は、単繊維繊度0.0001〜0.5デシテックスの極細繊維を発生可能な極細繊維発生型短繊維をニードルパンチ法により絡合させた後に、極細繊維を発生させて極細短繊維不織布とし、次いで少なくとも10MPaの圧力で高速流体処理を行って再度絡合させ、染色し、次いで洗浄を行う皮革様シート状物の製造方法であって、該染色と同時または/およびその後に、該極細短繊維に紫外線吸収剤を含有させることを特徴とするものである。
本発明によれば、高い耐光堅牢性を有し、また十分な物性、柔軟な風合い、滑らかなタッチを有することから、自動車内装材、靴、家具、衣料等に用いることができる。
本発明は、前記課題、つまりこれまでにない高い耐光堅牢性を有し、かつ十分な物性、柔軟な風合い、滑らかなタッチ、品位、充実感を有する皮革様シート状物について、鋭意検討し、実質的に極細短繊維素材のみからなる染色不織布構造体に、特定な紫外線吸収剤、つまりベンゾトリアゾール系化合物および/またはベンゾトリアジン系化合物を含有させてみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の皮革様シート状物は、少なくとも不織布で構成されているものであり、これにより革のような風合いを発現させることが可能となる。不織布を含むものであれば織編物を積層などしてなる複合シートも含むものであってもよい。
本発明でいう皮革様シート状物とは、天然皮革のようなスエード、ヌバック、銀面の優れた表面外観を有してなるものであり、特に本発明において好ましいものはスエードやヌバックといった立毛調の外観において、滑らかなタッチと優れたライティングエフェクトを有するものである。
不織布を構成する極細短繊維の単繊維繊度は0.0001〜0.5デシテックスの範囲のものである。好ましくは0.001〜0.3デシテックス、より好ましくは0.005〜0.15デシテックス、さらに好ましくは0.005〜0.09デシテックスである。0.0001デシテックス未満であると、耐光堅牢性の高い皮革様シート状物が得られず、また強度が低下するため好ましくない。また0.5デシテックスを越えると、風合いが堅くなり、また、表面品位が低下する等の問題も発生するため好ましくない。また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の範囲を越える繊度の繊維素材が含まれていてもよい。
また、品位や風合いが優れる点で、不織布は短繊維で構成されることが必要であり、さらに該短繊維の繊維長は10cm以下であることが好ましく、7cm以下であることがより好ましい。10cmを越える繊維長のものも、本発明の効果を損なわない限り含まれていても良い。また下限は特に限定されず、不織布の製造方法によって適宜設定できるが、0.1cm未満であると脱落が多くなり、また強度や摩耗等の特性が低下する傾向があるため、好ましくない。また、強度等の物性、品位等を考慮した場合、繊維長が均一でない方が好ましい。すなわち0.1〜10cmの繊維長の範囲内において、短い繊維と長い繊維が混在することが好ましい。例えば0.1〜1cm、好ましくは0.1〜0.5cmの短い繊維と、1〜10cm、好ましくは2〜7cmの長い繊維が混在する不織布を例示することができる。ここで例えば短い繊維は表面品位の向上や緻密化等のために、また長い繊維は高い物性を得るため等の役割がある。
また、本発明の皮革様シート状物は実質的に繊維素材のみからなることが必要である。これにより、従来の人工皮革に含まれる高分子弾性体に起因する耐光堅牢性低下を抑制することができ、また後加工によって紫外線吸収剤を効果的に繊維へ含有させることも可能である。なお、本発明でいう「実質的に繊維素材のみからなる」とは、一般的な従来の皮革様シート状物の構成要素である繊維素材と高分子弾性体のうちの繊維素材のみからなることを意味するが、後加工で用いられるその他の加工剤、例えば、染料、柔軟剤、耐摩耗性向上剤、各種堅牢度向上剤、耐電防止剤あるいは微粒子等が本発明の皮革様シート状物に含まれていてもよい。
本発明の皮革様シート状物は、自動車内装材、靴、鞄、家具、衣料等に適した外観を売るために、上述した繊維素材が染色されてなるものである。さらには、変褪色に対する高度な耐光堅牢性を得るために、紫外線吸収剤を含有するものである。
紫外線吸収剤は、耐光剤の一種であり、耐光剤にはその他光安定剤、励起エネルギー吸収剤等が含まれる。
本発明でいう紫外線吸収剤とは、少なくとも波長400nm以下の光エネルギーを吸収して熱エネルギー等に変換する物質をいう。紫外線吸収剤と染料が併存した場合、紫外線吸収剤が優先して紫外線を吸収し、染料への紫外線の影響を抜本的に低減させるので、染料の光劣化を防ぐという観点では最も有効な試薬であると言える。紫外線吸収剤には低分子化合物、高分子化合物、無機化合物等があり、適宜用いることができる。一般的に良く使われているものとして(例えば、特許文献5)、低分子化合物としては、ベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系化合物、高分子化合物としては前述の低分子化合物をポリエステル、ポリアミド、ポリオリフィン等の高分子に共重合したもの、無機化合物としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、カーボンブラック等があげられる。特に分散性、透明性、紫外線吸収能力、コスト等の点から、ベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系が特に好ましく、これら3種のいずれかの紫外線吸収剤を用いた場合、特に優れて柔軟な風合い、滑らかなタッチ、品位、及び充実感を発明品に付与することができる。本発明においては、上記紫外線吸収剤のうち少なくとも1種が用いられるが、紫外線吸収波長領域の異なる2種以上の紫外線吸収剤を併用することも、本発明においては好ましく行われる。
これら紫外線吸収剤は、極細繊維の表面に付着する状態であっても、また繊維内に吸尽する状態で含まれていても良いが、風合いの点で、繊維内に吸尽されていることが好ましい。 本発明においては、皮革様シート状物が紫外線吸収剤を含有し、かつ波長333nmの紫外線吸光度A333と波長400〜700nmの可視領域吸光スペクトルにおける吸光度の最大値Amax(400〜700)の比R=A333/Amax(400〜700)が下式(2)を満たすことが好ましい。
R≧X、 X=0.93 ・・・(2)
ここで、Xは1.10であることがより好ましく、1.30であることがさらに好ましい。上式(2)を満たすことによって、十分な耐光堅牢度を有するシートとなる。本発明の範囲に調整するには、使用する繊維素材の種類や紫外線吸収剤の種類、添加量、異種紫外線吸収剤の配合等によって調整する方法等がある。添加量を増やすほどRが大きくなる。
本発明で言う吸光度Aとは、布帛がある波長の光をどの程度吸収するかを示す値であり、入射光をI、反射光をIとして、下式(3)で定義される。
A=log(I/I) ・・・(3)
また、紫外線吸収剤とともに光安定剤が含まれることは、さらに耐光性を向上できる点で好ましい。繊維素材の光劣化による変色を押さえることができる等の効果があるからである。ここでいう光安定剤とは、抗酸化効果あるいはラジカル捕捉効果などにより光劣化を防止する物質をいい、低分子化合物、高分子化合物、無機化合物等があり、適宜用いることができる。一般的に良く使われるものとして、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系、ホスファイト系、チオエーテル系、ヒドラジン系などがあげられる。さらに、本発明で用いられる染料は、耐光性の良好なものであることが好ましい。例えばポリエステル系繊維素材からなる本発明の皮革様シート状物に用いられる染料は、アントラキノン系、キノフタロン系などの、耐光性の良好な分散染料であることが好ましい。
本発明の皮革様シート状物は、目付が100〜550g/mであることが好ましい。120〜450g/mであることがより好ましく、140〜350g/mであることがさらに好ましい。100g/m未満であると、不織布構造体のみでは物性が低下し、織物および/または編み物を積層している場合は、表面に織物および/または編み物の外観が見えやすくなり、品位が低下するため好ましくない。また550g/mを越える場合は、耐摩耗性が低下する傾向があるため好ましくない。
本発明の皮革様シート状物は、繊維見掛け密度は、0.29〜0.70g/cmであることが好ましい。繊維見掛け密度は0.3〜0.65g/cmであることがより好ましく、0.33〜0.60g/cmであることがさらに好ましい。0.29g/cm未満であると、特に耐摩耗性が低下するため好ましくない。また0.70g/cmを越えると風合いが硬くなり好ましくない。
本発明の皮革様シート状物は、タテおよびヨコ方向のいずれの引き裂き強力も3〜50Nの範囲であることが好ましく、5〜30Nであることがより好ましい。さらに好ましくは10〜25Nである。3N未満であると、破れやすくなる他、工程通過性も低下し、安定した生産が困難になる。また50Nを越えると、一般に柔軟化しすぎる傾向があり、風合いとのバランスが取りにくくなるため好ましくない。これらの引き裂き強力を得るためには、繊維見掛け密度を適正な範囲に調整することで達成でき、一般に高密度化すると強力は低下する傾向がある。また揉み加工等によって柔軟化することで向上させることもできる。
本発明の皮革様シート状物は、タテおよびヨコ方向のいずれの引張強力も下式(1)を満足することが好ましい。
引張強力(N/cm)≧0.45×目付(g/m)−40 ・・・(1)
また、タテおよびヨコ方向のいずれの引張強力も下式(4)を満足することがより好ましい。
引張強力(N/cm)≧0.5×目付(g/m)−40 ・・・(4)
また、タテおよびヨコ方向のいずれの引張強力も下式(5)を満足することがさらに好ましい。
引張強力(N/cm)≧0.6×目付(g/m)−40 ・・・(5)
引張強力が式(1)を満足しない範囲であると、特に実質的に高分子弾性体を含まない皮革様シート状物においては、やぶれ等の問題が発生する可能性があるため好ましくない。また上限は特に限定されるものではないが、通常250N/cm以下となる。
また、本発明の皮革様シート状物は、JIS L0843(1998)7.B−6法に基づいて測定した耐光堅牢度が4級以上であることが好ましい。4級を満たない場合、洗濯後の屋外乾燥や家具、カーシート等、太陽光の照射を受ける使用下においては色あせが大きく外観品位が低下する傾向にあるため好ましくない。
本発明の皮革様シート状物は、JIS L 0860(1996)8.1A.法に基づいて測定されるドライクリーニング試験において、JIS L0804規定のグレースケールにて判定した試験布の変褪色が4級以上であることが好ましい。変褪色が4級を満たない場合、ドライクリーニング後の色あせが大きく品位が低下するため好ましくない。
また、JIS L0844(1997)AI法に基づいて測定される洗濯堅牢度試験において、JIS L0804規定のグレースケールにて判定した試験布の変褪色が4級以上、かつL0805規定のグレースケールにて判定した添付布の汚染が3級以上であることが好ましい。変褪色が4級を満たない場合、洗濯後の色あせにより品位が低下するため好ましくない。また、添付布の汚染が3級を満たない場合は裏地や同浴で洗濯した他の製品が汚染される場合があるため好ましくない。
また、本発明の皮革様シート状物は、JIS L0849(1996)6.1.2法にて測定した乾摩擦堅牢度が4級以上、かつJIS L0849(1996)6.2.2法にて測定した湿摩擦堅牢度が3級以上であることが好ましい。乾摩擦堅牢度が4級を満たない場合は、実使用において衣服等が汚染される傾向にあるため好ましくない。さらに湿摩擦堅牢度が3級を満たない場合は雨、汗など湿潤条件下で使用した場合に衣服等が汚染される傾向にあるため好ましくない。
また、本発明の皮革様シート状物は、JIS L 1096(1999)8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に基づいて測定される耐摩耗試験において、20000回の回数を摩耗した後の試験布の摩耗減量が好ましくは20mg以下、より好ましくは15mg以下、さらに好ましくは10mg以下であり、かつ毛玉の数が5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましく、1個以下であることがさらに好ましい。摩耗減量が20mgを越える場合、実使用において毛羽が服等に付着する傾向があるため好ましくない。一方、下限は特に限定されず、本発明の皮革様シートであればほとんど摩耗減量がないものも得ることができる。また発生する毛玉の数については、5個を越えると、使用した時の外観変化によって品位が低下するため好ましくない。
このような耐摩耗性を得るためには、特に繊維見掛け密度が重要であり、高密度化する程良好になる。また柔軟剤等を多量に使用すると低下する傾向が見られる。したがって、風合いとのバランスをとりながら、これらの条件を設定することが重要である。
次に、本発明の皮革様シート状物を製造する方法の好ましい一例について説明する。
本発明の皮革様シート状物を得るのに好ましい方法は、0.0001〜0.5デシテックスの極細繊維が発生可能な極細繊維発生型短繊維をニードルパンチ法により絡合させた後に、極細繊維を発生させて極細短繊維不織布とし、次いで少なくとも10MPaの圧力で高速流体処理を行って再度絡合させ、その後に染色と同時、又はその後に、又は同時およびその後に紫外線吸収剤を含有させるものである。
単繊維繊度が上述の範囲にある、いわゆる極細繊維の製造方法は特に限定されず、例えば直接極細繊維を紡糸する方法、通常繊度の繊維であって極細繊維を発生することができる繊維(極細繊維発生型繊維)を紡糸し、次いで極細繊維を発生させる方法がある。そして極細繊維発生型繊維を用いる方法としては、例えば海島型複合繊維を紡糸してから海成分を除去する方法、分割型複合繊維を紡糸してから分割して極細化する方法等の手段で製造することができる。これらの中で、本発明においては極細繊維を容易に安定して得ることができる点で、海島型複合繊維または分割型複合繊維によって製造することが好ましく、さらには皮革様シート状物とした場合、同種の染料で染色できる同種ポリマーからなる極細繊維を容易に得ることができる点で、海島型複合繊維によって製造することがより好ましい。
本発明でいう海島型複合繊維とは、2成分以上の成分を任意の段階で複合、混合して海島状態とした繊維をいい、この繊維を得る方法としては、特に限定されず、例えば(1)2成分以上のポリマーをチップ状態でブレンドして紡糸する方法、(2)予め2成分以上のポリマーを混練してチップ化した後、紡糸する方法、(3)溶融状態の2成分以上のポリマーを紡糸機のパック内で静止混練器等で混合する方法、(4)特公昭44−18369号公報、特開昭54−116417号公報等の口金を用いて製造する方法、等が挙げられる。本発明においてはいずれの方法でも良好に製造することができるが、ポリマーの選択が容易である点で上記(4)の方法が好ましく採用される。
かかる(4)の方法において、海島型複合繊維および海成分を除去して得られる島繊維の断面形状は特に限定されず、例えば丸、多角、Y、H、X、W、C、π型等が挙げられる。また用いるポリマー種の数も特に限定されるものではないが、紡糸安定性や染色性を考慮すると2〜3成分であることが好ましく、特に海1成分、島1成分の2成分で構成されることが好ましい。またこのときの成分比は、島繊維の海島型複合繊維に対する重量比で0.3〜0.99であることが好ましく、0.4〜0.97がより好ましく、0.5〜0.8がさらに好ましい。0.3未満であると、海成分の除去率が多くなるためコスト的に好ましくない。また0.99を越えると、島成分同士の合流が生じやすくなり、紡糸安定性の点で好ましくない。
また用いるポリマーは特に限定されるものではなく、例えば島成分としてポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等適宜用途に応じて使用することができるが、染色性や強度、ならびに堅牢度の点で、ポリエステルであることが好ましい。
本発明に用いることのできるポリエステルとしては、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーであって、複合繊維として用いることが可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。本発明は、中でも最も汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル共重合体が好適に使用される。
本発明に用いることのできるポリアミドとしては、たとえばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、等のアミド結合を有するポリマーを挙げることができる。
海島型複合繊維の海成分として用いるポリマーは、島成分を構成するポリマーとは異なる溶解性、分解性等の化学的性質を有するものであれば特に限定されるものではない。島成分を構成するポリマーの選択にもよるが、例えばポリエチレンやポリスチレン等のポリオレフィン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ポリエチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビスフェノールA化合物、イソフタル酸、アジピン酸、ドデカジオン酸、シクロヘキシルカルボン酸等を共重合したポリエステル等を用いることができる。紡糸安定性の点ではポリスチレンが好ましいが、有機溶剤を使用せずに容易に除去できる点でスルホン基を有する共重合ポリエステルが好ましい。かかる共重合比率としては、処理速度、安定性の点から5モル%以上、重合や紡糸、延伸のしやすさから20モル%以下であることが好ましい。本発明において好ましい組み合わせとしては、島成分にポリエステルまたはポリアミド、あるいはその両者を用い、海成分にポリスチレンまたはスルホン基を有する共重合ポリエステルである。
これらのポリマーには、隠蔽性を向上させるためにポリマー中に酸化チタン粒子等の無機粒子を添加してもよいし、その他、潤滑剤、顔料、熱安定剤、導電剤、蓄熱材、抗菌剤等、種々目的に応じて添加することもできる。
また、海島型複合繊維を得る方法については、特に限定されず、例えば上記(4)の方法に示した口金を用いて未延伸糸を引き取った後、湿熱または乾熱、あるいはその両者によって1〜3段延伸することによって得ることができる。
次いで、この繊維を適当な長さにカットする。本発明の皮革様シート状物は品位や風合いが優れる点で極細短繊維不織布よりなることが重要である。そのため、上述の繊維は適当な長さにカットする必要があり、生産性や得られるものの風合いを考慮して10cm以下とする。好ましくは7cm以下である。10cmを越える繊維長のものも、本発明の効果を損なわない限り含まれていても良い。また下限は特に限定されずに不織布の製造方法によって適宜設定できるが、0.1cm未満であると脱落が多くなり、強度や耐摩耗性等の特性が低下する傾向があるため、0.1cm以上とすることが好ましい。
次いで、該短繊維を不織布化する。不織布化の方法としてウェブをカードやクロスラッパー、ランダムウエバーを用いて得る乾式法や、抄紙法等による湿式法を採用することができるが、本発明では、ニードルパンチ法と容易に組み合わせることができる乾式法が好ましい。絡合処理の際に、適度な伸びまたは伸び止まりを付与するため、または得られる不織布の強度等の物性を向上させるために他の織物、編物、不織布と一体化させることもできる。本発明におけるニードルパンチでは、上記のように単なる工程通過性を得るための仮止めとしての役割ではなく、繊維を十分に絡合させることが好ましい。従って好ましくは、100本/cm以上のニードルパンチの打ち込み密度がよく、より好ましくは500本/cm以上、さらに好ましくは1000本/cm以上である。
このようにして得られた複合短繊維不織布は、乾熱または湿熱、あるいはその両者によって収縮させ、さらに高密度化し、極細化処理を行う。次いで、厚み方向に対して垂直に2枚以上にスプリット処理を行うことが好ましい。
さらに、極細化処理をした後または極細化処理と同時に、あるいは極細化処理と同時かつその後に、高速流体処理を行って、極細繊維同士の絡合を行うことが好ましい。高速流体処理を極細化処理と兼ねることは可能であるが、少なくとも極細化処理が大部分終了した後にも高速流体処理を行うことが、より極細繊維同士の絡合を進める上で好ましく、さらに、極細化処理を行った後に高速流体処理を行うことが好ましい。
極細化処理の方法としては、特に限定されるものではないが、例えば機械的方法、化学的方法が挙げられる。機械的方法とは、物理的な刺激を付与することによって極細化する方法であり、例えば上記のニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法等の衝撃を与える方法の他に、ローラー間で加圧する方法、超音波処理を行う方法等が挙げられる。また化学的方法とは、例えば、複合繊維を構成する少なくとも1成分に対し、薬剤によって膨潤、分解、溶解等の変化を与える方法が挙げられる。特にアルカリ易分解性海成分を用いて成る極細繊維発生型繊維で複合短繊維不織布を作製し、次いで中性〜アルカリ性の水溶液で処理して極細化する方法は、溶剤を使用せず作業環境上好ましいことから、本発明の好ましい態様の一つである。ここでいう中性〜アルカリ性の水溶液とは、pH6〜14を示す水溶液であり、使用する薬剤等は特に限定されるものではない。例えば有機または無機塩類を含む水溶液で上記範囲のpHを示すものであれば良く、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、必要によりトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミンや減量促進剤、キャリアー等を併用することもできる。中でも水酸化ナトリウムが価格や取り扱いの容易さ等の点で好ましい。さらにシートに上述の中性〜アルカリ性の水溶液処理を施した後、必要に応じて中和、洗浄して残留する薬剤や分解物等を除去してから乾燥を施すことが好ましい。
高速流体処理としては、作業環境の点で水流を使用するウォータージェットパンチ処理を行うことが好ましい。この時、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。柱状流を得るには、通常、直径0.06〜1.0mmのノズルから圧力1〜60MPaで噴出させることで得られる。かかる処理は、効率的な絡合性と良好な表面品位を得るために、ノズルの直径は0.06〜0.15mm、間隔は5mm以下であることが好ましく、直径0.06〜0.12mm、間隔は1mm以下がより好ましい。
これらのノズルスペックは、複数回処理する場合、すべて同じ条件にする必要はなく、例えば大孔径と小孔径のノズルを併用することも可能であるが、少なくとも1回は上記構成のノズルを使用することが好ましい。特に直径が0.15mmを超えると極細繊維同士の絡合性が低下し、表面がモモケやすくなるとともに、表面平滑性も低下するため好ましくない。従ってノズル孔径は小さい方が好ましいが、0.06mm未満となるとノズル詰まりが発生しやすくなるため、水を高度に濾過する必要性からコストが高くなる問題があり好ましくない。
また、厚さ方向に均一な交絡を達成する目的、および/または不織布表面の平滑性を向上させる目的で、好ましくは多数回繰り返して処理する。また、その水流圧力は処理する不織布の目付によって適宜選択し、高目付のもの程高圧力とすることが好ましい。さらに、極細繊維同士を高度に絡合させる目的で、少なくとも1回は10MPa以上の圧力で処理することが好ましく、15MPa以上がより好ましい。また上限は特に限定されないが、圧力が上昇する程コストが高くなり、また低目付であると不織布が不均一となったり、繊維の切断により毛羽が発生する場合もあるため、好ましくは40MPa以下であり、より好ましくは30MPa以下である。こうすることによって、例えば複合繊維から得た極細繊維の場合、繊維同士が集束した極細繊維束が主として絡合しているものが一般的であるが、本発明においては極細繊維束による絡合がほとんど観察されない程度にまで極細繊維同士が高度に絡合した極細短繊維不織布を得ることができ、またこれにより耐摩耗性等の表面特性を向上させることもできる。なお、ウォータージェットパンチ処理を行う前に、水浸積処理を行ってもよい。さらに表面の品位を向上させるために、ノズルヘッドと不織布を相対的に移動させたり、交絡後に不織布とノズルの間に金網等を挿入して散水処理する等の方法を行うこともできる。
本発明の皮革様シート状物は、スエード調やヌバック調の皮革様シート状物を得る場合は、この極細短繊維不織布をサンドペーパーやブラシ等による起毛処理を行うことが好ましい。かかる起毛処理は染色の前または後、あるいは染色前および染色後に行うことができるが、染色前に行うことがより好ましい。
染色する方法は特に限定されるものではなく、用いる染色機としても、液流染色機の他、サーモゾル染色機、高圧ジッガー染色機等いずれでもよいが、得られる皮革様シート状物の風合いが優れる点で液流染色機を用いて染色することが好ましい。
染色に用いる染料の種類としては、皮革様シート状物のポリマー種によって、分散染料、バット染料、酸性染料、含金染料、反応染料などから適宜選ばれた発色性と堅牢度の優れたものが好ましい。例えばポリエステル系繊維素材からなる本発明の皮革様シート状物を染色する場合は、アントラキノン系、キノフタロン系などの、耐光性の良好な分散染料が好ましく用いられる。また、染色浴に酢酸、酢酸ソーダなどのpH調整剤、均染剤、分散剤等を適宜添加することができる。染色後、皮革様シート状物表面および繊維交絡点に付着している染料や助剤を除去し、製品の堅牢度を向上させるため洗浄を行うことも本発明の堅牢度を得るために好ましく行われる。洗浄方法は通常行われている方法を用いることができ、例えば、繊維としてポリエステルを用い、分散染料で染色した場合は、ハイドロサルファイト等の還元剤、界面活性剤、水酸化ナトリウム等のpH調整剤等を用い、60〜100℃の温度で20〜30分程度行うことが好ましい。
また、本発明の皮革様シート状物の製造方法では、繊維に1種または2種以上の紫外線吸収剤を含有させることを必須の構成要件とする。これにより、耐光堅牢度が向上し、本発明のJIS L0843(1998)7.B−6.法に基づいて測定した耐光堅牢度が4級以上である皮革様シート状物を容易に得ることができる。
該紫外線吸収剤を皮革様シート状物に含有させる手段としては、コーティング法、パッド法、液流染色機等による浸漬法等特に限定されるものではないが、風合いの硬化を抑制できる点で浸漬法が好ましく、また吸尽させる方法として、コストの点で染色する際に染浴に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。これら紫外線吸収剤は染色と同時に含有させても良いし、染色後に含有させても良く、さらには染色と同時および染色後に含有させても良い。また、染色後に好ましく行われる洗浄の前でも良いし後であっても良い。
液流染色機等による浸漬法の場合、紫外線吸収剤の付与量としては、一般的には全繊維重量に対しては0.5〜5%owfであるが、本皮革様シート状物においては、全繊維重量に対し、2〜30%owf、好ましくは5〜25%owf、より好ましくは7〜15%owf必要である。2種以上の紫外線吸収剤を混合した場合は、各紫外線吸収剤の重量を足し合わせた値を付与量とする。2%owf未満では耐光堅牢性向上の効果がなく、また、30%owfを越えると風合いの硬化、極細繊維強力の低下等を招き好ましくない。
紫外線吸収剤の種類として、例えば、低分子化合物としては、ベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系化合物、高分子化合物としては前述の低分子化合物をポリエステル、ポリアミド、ポリオリフィン等の高分子に共重合したもの、無機化合物としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、カーボンブラック等があげられる。特に分散性、透明性、紫外線吸収能力、コスト等の点から、ベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系が特に好ましく、これら3種のいずれかの紫外線吸収剤を用いた場合、特に優れて柔軟な風合い、滑らかなタッチ、品位、及び充実感を発明品に付与することができる。
また、光安定剤を繊維に含有させることもでき、本発明の好ましい態様である。光安定剤を付与する手段としては、特に限定されるものではなく、紫外線吸収剤と同様、種々の方法が採用できるが、好ましくは紫外線吸収剤と同時に付与することがコストの点で良い。
本発明において、JIS L0860(1996)8.1A.法に基づいて測定したドライクリーニングにおける変褪色が4級以上である皮革様シート状物を得るのには、染料及び紫外線吸収剤など各種安定剤が繊維の内部に浸透していることが好ましい。それを達成するためには、例えばポリエステル系の極細繊維からなる皮革様シート状物を分散染料で染色する場合は染色温度を120℃以上にすることが好ましく、また紫外線吸収剤など各種安定剤は、染浴同浴で吸尽させることが好ましい。さらに、上述した洗浄を十分に行うことが好ましい。
また、本発明においてJIS L0844(1997)AI法に基づいて測定した洗濯堅牢度における変褪色が4級以上、汚染が3級以上である皮革様シート状物を得るには、皮革様シート状物が高分子弾性体を用いず、実質的に繊維素材からなることが重要である。また、上述した洗浄を十分に行うことが好ましい。
本発明において、JIS L0849(1996)6.1.2法に基づいて測定した乾摩擦堅牢度が4級以上、かつJIS L0849(1996)6.2.2法に基づいて測定した湿摩擦堅牢度が3級以上である皮革様シート状物を得るには、上記同様、実質的に繊維素材からなるとともに、洗浄を十分に行うことによって得ることができる。
また、JIS L1096(1999)8.17.5E.(12kPa)マーチンデール法における摩耗試験において、20000回摩耗した時の摩耗減量が20mg以下であり、かつ毛玉の数が5個以下である皮革様シート状物は、極細繊維同士が十分に絡合させることにより得ることができ、例えば高圧流体処理で、少なくとも1回は10MPa以上の圧力で処理する方法がある。また、後述するビリング防止剤を添加する方法によっても得ることができる。
本発明の皮革様シート状物は、機能性付与、風合い調整などを目的とした仕上げ剤を付与することができる。用いる仕上げ剤は、ピリング防止剤、柔軟剤、難燃剤、帯電防止剤、撥水剤など通常用いる仕上げ剤等から、目的とする風合いや機能に応じて1種または2種以上適宜選択し付与することができるが、例えば、柔軟性や平滑性等を伴う処理剤は、条件によっては、皮革様シート状物の製品の物性、特に耐摩耗性が悪くなる傾向にあるため、物性と風合いとのバランスをとりながら条件を設定する必要がある。また、付与する方法は、例えば、浴中法および/またはパディング法などいずれでも行うことができる。
このようにして、本発明により、変褪色に対する耐光堅牢度に優れ、かつ十分な物性、品位の皮革様シート状物を得ることが可能となる。また、本発明の皮革様シート状物は、衣料、家具、カーシート、雑貨等の用途、特にカーシートや衣料に好ましく使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。評価は、大寸法のものから、少なくとも5カ所で任意にサンプル採取して測定を行い、それらの平均値により判断をした。
(1)耐光堅牢度
JIS L0843(1998)7.B−6法に基づいて測定した。
(2)目付、繊維見掛け密度
繊維見掛け密度は、JIS L1096(1999)8.4.2法によって目付を測定し、次いでその厚みを測定して、これらから得られる単位体積(cm)あたりの重量の平均値をもって繊維見かけ密度とした。なお、厚みの測定にはダイヤルシックネスゲージ((株)尾崎製作所、製品名“ピーコックH”)を用い、サンプルを10点測定して、その平均値を用いた。
(3)引張強力
JIS L 1096(1999)8.12.1法により、幅5cm、長さ20cmのサンプルを採取し、つかみ間隔10cmで定速伸長型引張試験器にて、引張速度10cm/分にて伸長させた。得られた値を幅1cm当たりに換算して引張強力とした。
(4)引き裂き強力
JIS L 1096(1999)8.15.1 D法(ペンジュラム法)に基づいて測定した。
(5)マーチンデール摩耗試験
JIS L 1096(1999)8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に準じて測定される耐摩耗試験において、20000回の回数を摩耗した後の試験布の重量減を評価すると共に外観から毛玉の数を数えた。
(6)ドライクリーニング堅牢度
JIS L 0860(1996)8.1A.法に基づいて測定した。
(7)洗濯堅牢度
JIS L0844(1997)AI法に基づいて測定した。
(8)乾摩擦堅牢度
JIS L0849(1996)6.1.2法に基づいて測定した。
(9)湿摩擦堅牢度
JIS L0849(1996)6.2.2法に基づいて測定した。
(10)単繊維の直径(d)
走査型電子顕微鏡を用い、皮革様シート状物の断面を3000倍に拡大した写真を撮影し、この写真から直接測定し算出した。任意の100本を選定し測定しその平均値を求めた。ただし、断面が真円でない場合は断面の直径の最大と最小を測定しその平均を求めた。
(11)吸光度
U−3400形 自記分光光度計(株式会社日立製作所製)に151−0030 60φ積分球付属装置(株式会社日立製作所製)を取り付け、副白板として酸化アルミニウムを用い測定を行った。
実施例1
海成分としてポリスチレン45部、島成分としてポリエチレンテレフタレート55部からなる複合繊度3デシテックス、36島、繊維長51mmの海島型複合短繊維を用い、カード、クロスラッパーを通してウェブを作製した。ついで1バーブ型のニードルパンチにて1500本/cmの打ち込み密度で処理し、繊維見掛け密度0.21g/cmの複合短繊維不織布を得た。次に約95℃に加温した重合度500、ケン化度88%のポリビニルアルコール(PVA)12%の水溶液に固形分換算で不織布重量に対し25%の付着量になるように浸漬し、PVAの含浸と同時に2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを約30℃のトリクレンでポリスチレンを完全に除去するまで処理し、単繊維繊度約0.04デシテックスの極細短繊維不織布を得た。ついで、室田製作所(株)製の標準型漉割機を用いて、厚み方向に対して垂直に2枚にスプリット処理した後、0.1mmの孔径で、0.6mm間隔のノズルヘッドからなるウォータージェットパンチにて、1m/分の処理速度で表裏ともに10MPaと20MPaで処理し、PVAの除去とともに絡合を行った。ついでサンドペーパーにて起毛処理した後、液流染色機(サーキュラ染色機(日阪製作所(株)製))を用い、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される淡ベージュ色染料を1.8%owf、ベンゾトリアジン系紫外線吸収剤“CIBAFAST”(R) P NEW(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製))を10%owfの濃度で、120℃、45分で染色後、ハイドロサルファイト4g/l、水酸化ナトリウム1.5g/l、界面活性剤0.2g/lの液浴中で80℃、20分間洗浄を行い、さらに40℃で20分間湯洗い後マングルで脱水し、シルスタット1173(三洋化成(株)製)1g/lと、ベビナーS−783(丸菱油化工業(株)製)3g/lを混合した仕上げ剤をマングルを用いパッド法にて付与した。この時の液のウエットピックアップ率はシート状物に対して153重量%であった。その後100℃で乾燥しスエード調の繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。得られたシート状物は、非常に充実感のある風合で高級な外観を有していた。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった
実施例2
紫外線吸収剤をベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である“サンライフ”(R) LPS−950(日華化学(株))10%owfとした以外は実施例1と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
実施例3
紫外線吸収剤をベンゾトリアジン系紫外線吸収剤である“CIBAFAST”(R) P NEW(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)7%owfおよびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である“サンライフ”(R) LPS−950(日華化学(株)製)7%owfの2種を併用した以外は実施例1と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
実施例4
海成分としてポリスチレン20部、島成分としてポリエチレンテレフタレート80部からなる複合繊度5デシテックス、25島、繊維長51mmの海島型複合繊維(島成分の繊度が約0.16デシテックス)を用いた以外は実施例1と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
実施例5
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される青色染料25%owfとした以外は実施例2と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
実施例6
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される赤色染料25%owfとした以外は実施例1と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢性ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
実施例7
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される赤色染料25%owfとした以外は実施例2と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢性ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
実施例8
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される黄色染料25%owfとした以外は実施例1と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢性ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
実施例9
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される黄色染料25%owfとした以外は実施例2と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢性ならびに物性を評価した結果を表1に示した。表1に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性・物性ともに非常に優れた皮革様シート状物であった。
比較例1
海成分としてポリスチレン45部、島成分としてポリエチレンテレフタレート55部からなる複合繊度3デシテックス、36島、繊維長51mmの海島型複合短繊維を用い、カード、クロスラッパーを通してウェブを作製した。ついで1バーブ型のニードルパンチにて3000本/cmの打ち込み密度で処理し複合短繊維不織布を得た。次に約95℃に加温した重合度500、ケン化度88%のポリビニルアルコール(PVA)12%の水溶液に固形分換算で不織布重量に対し25%の付着量になるように浸漬し、PVAの含浸と同時に2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを約30℃のトリクレンでポリスチレンを完全に除去するまで処理し、単繊維繊度約0.04デシテックスの極細短繊維不織布を得た。その後、ポリカーボネート系ポリウレタンを固形分が12重量%になるようにジメチルホルムアミドで希釈させた溶液を、ポリウレタン固形分として対島繊維当たり約35部となるように含浸、湿式凝固し、95℃の熱水中でPVAを除去後乾燥した。次いで、室田製作所(株)製の標準型漉割機を用いて、厚み方向に対して垂直に2枚にスプリット処理した。その後、サンドペーパーにて起毛処理した後、実施例1と同様に染色ならびに後加工を行いスエード調の繊維素材とポリウレタンからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、高分子弾性体としてポリウレタンを用いた皮革様シート状物は、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
比較例2
染色時に紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である“サンライフ”(R) LPS−950(日華化学(株)製)10%owfを用いた以外は比較例1と同様に処理して、繊維素材とポリウレタンからなる皮革様シート状物を得た。表2に示すごとく、高分子弾性体としてポリウレタンを用いた皮革様シート状物は、紫外線吸収剤を変えても変褪色に対する耐光堅牢度が比較例1と比べて変化せず不十分である皮革様シート状物であった。
比較例3
紫外線吸収剤を用いなかった以外は実施例1と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
比較例4
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される青色染料25%owfとした以外は比較例3と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
比較例5
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される赤色染料25%owfとした以外は比較例3と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
比較例6
染料として、アントラキノン系及びキノフタロン系の染料で構成される黄色染料25%owfとした以外は比較例3と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
実施例10
ベンゾトリアジン系紫外線吸収剤“CIBAFAST”(R) P NEWの濃度を1%owfとした以外は実施例1と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
実施例11
ベンゾトリアジン系紫外線吸収剤“CIBAFAST”(R) P NEWの濃度を5%owfとした以外は実施例6と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
実施例12
ベンゾトリアジン系紫外線吸収剤“CIBAFAST”(R) P NEWの濃度を1%owfとした以外は実施例8と同様に処理して繊維素材のみからなる皮革様シート状物を得た。この耐光堅牢度ならびに物性を評価した結果を表2に示した。表2に示すごとく、変褪色に対する耐光堅牢性が不十分である皮革様シート状物であった。
Figure 2007092266
Figure 2007092266

Claims (14)

  1. 単繊維繊度0.0001〜0.5デシテックスの極細短繊維を含み、実質的に繊維素材のみからなる染色された不織布構造体から構成され、かつ該繊維素材が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする皮革様シート状物。
  2. 該紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物および/またはベンゾトリアジン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の皮革様シート状物。
  3. 該不織布構造体を構成する該極細短繊維の繊維長が10cm以下であり、該不織布構造体の目付が100〜550g/mであり、繊維見掛け密度が0.29〜0.70g/cm、引き裂き強力が3〜50Nであり、かつ下式(1)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の皮革様シート状物。
    引張強力(N/cm)≧0.45×目付(g/m)−40 ・・・(1)
  4. 該皮革様シート状物のJIS L0843(1998)7.B−6.法に基づいて測定した耐光堅牢度が4級以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  5. 該皮革様シート状物のJIS L0860(1996)8.1A.法に基づいて測定したドライクリーニングにおける変褪色が4級以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  6. 該皮革様シート状物のJIS L0844(1997)AI法に基づいて測定した洗濯堅牢度における変褪色が4級以上、かつ汚染が3級以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  7. 該皮革様シート状物のJIS L0849(1996)6.1.2法に基づいて測定した乾摩擦堅牢度が4級以上、かつJIS L0849(1996)6.2.2法に基づいて測定した湿摩擦堅牢度が3級以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  8. 該皮革様シート状物のJIS L1096(1999)8.17.5E.(12kPa)マーチンデール法における摩耗試験において、20000回摩耗した時の摩耗減量が20mg以下であり、かつ毛玉の数が5個以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  9. 該極細短繊維が、ポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  10. 該皮革様シート状物の波長333nmの紫外線吸光度A333と波長400〜700nmの可視領域吸光スペクトルにおける吸光度の最大値Amax(400〜700)の比R=A333/Amax(400〜700)が下式(2)を満たすことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の皮革様シート状物。
    R≧0.93 ・・・(2)
  11. 単繊維繊度0.0001〜0.5デシテックスの極細繊維を発生可能な極細繊維発生型短繊維をニードルパンチ法により絡合させた後に、極細繊維を発生させて極細短繊維不織布とし、次いで少なくとも10MPaの圧力で高速流体処理を行って再度絡合させ、染色し、次いで洗浄を行う皮革様シート状物の製造方法であって、該染色と同時および/またはその後に、該極細短繊維に紫外線吸収剤を含有させることを特徴とする皮革様シート状物の製造方法。
  12. 該紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系化合物および/またはベンゾトリアジン系化合物であることを特徴とする請求項11に記載の皮革様シート状物の製造方法。
  13. 該極細短繊維がポリエステル系繊維であり、かつ、用いる染料が分散染料であることを特徴とする請求項11または12に記載の皮革様シート状物の製造方法。
  14. 染色前にサンドペーパーにより起毛処理を施すことを特徴とする請求項11〜13に記載の皮革様シート状物の製造方法。
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