JP2007092140A - 鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法およびその均熱炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品品質および生産性の向上を図ることができる鋼帯の連続処理設備における均熱炉操業方法および均熱炉を提供する。
【解決手段】鋼帯Sを搬送ロール12、13で搬送しながら連続処理する連続処理設備における均熱炉操業方法において、鋼帯搬送中の搬送ロール12、13を所定温度に全幅にわたり均一に加熱または冷却しながら、前記均熱炉入口に隣接する鋼帯加熱炉あるいは冷却炉において鋼帯Sを加熱または冷却中のロール温度と等しくなるように加熱または冷却する。
【選択図】図2

Description

この発明は、鋼帯の連続処理設備、特に連続焼鈍設備または連続溶融めっき設備における均熱炉操業方法および均熱炉に関する。
鋼帯の連続焼鈍炉または連続溶融めっき設備等の均熱炉では、鋼帯の熱処理サイクルに応じて広い温度範囲で処理温度を変更しながら鋼帯を生産している。均熱炉前段炉の加熱または冷却条件の調整による均熱炉入口の鋼帯温度の変更、および均熱炉温度の変更によって、均熱炉内の鋼帯温度を変更している。
均熱炉入口の鋼帯温度は通常、短時間で変更可能であり、また均熱炉の炉温も比較的短時間で変更できる。しかし、均熱炉内の鋼帯搬送ロールは、耐熱性の点からロール肉厚が厚く、熱容量が大きいので温度変化が遅い。このために、熱処理サイクル変更時に、鋼帯・均熱炉内・搬送ロール相互間に一時的に温度差が生じる。
例えば、均熱炉内の鋼帯温度を上げようとする場合、まず均熱炉入口での鋼帯が変更後の所定温度まで加熱され、ついで均熱炉内が昇温される。その後、搬送ロールは昇温した鋼帯からの接触伝熱によって加熱されるので、その温度上昇は鋼帯の温度上昇より遅れる。さらに、ロール中央部は鋼帯と接触しているが、接触していないロール端部は炉体からの輻射、炉内雰囲気ガスからの伝熱またはロール中央部からの熱伝導によって加熱されるので、その昇温速度はきわめて遅い。すなわち、均熱炉内の鋼帯昇温過程では、各部温度が鋼帯温度>炉内温度>ロール中央部温度>ロール端部温度となり、これら温度差は避けられない。均熱炉内での鋼帯降温過程でも、鋼帯温度<炉内温度<ロール中央部温度<ロール端部温度となり、温度差が発生する。
均熱炉において、上記温度差により
a.鋼帯・ロール間の伝熱の影響で、均熱炉出口の鋼帯温度が所定温度とならない
b.ロールの熱クラウンのために鋼帯の蛇行あるいは絞りが発生する
という問題が発生していた。特に、高抗張力鋼帯を含む多種類の鋼帯を処理する設備では頻繁に熱処理サイクルを変更するので、上記問題は製品品質および生産性に深刻な影響を及ぼす。
特許文献1ではハースロールのクラウン制御方法としてロールの内側から冷却または加熱する発明が開示されている。また、特許文献2ではハースロールをロール室に入れ、そのロール室に帯板と同じ温度の気体を吹き込むことでロール熱変形を防ぐ発明を開示している。どちらも鋼帯の温度を制御することまで考慮していないので、特に熱処理サイクルの変更時のように、温度の変更に対しての対応が早くなるわけではなかった。
上記温度差による問題を解決する手段として、従来次のような技術があった。
1.鋼帯の昇温速度または降温速度を低くし、温度差を問題が発生しない程度に抑える。この方法では、温度差を抑えることで、蛇行および絞りは発生しない。しかし、鋼帯の昇温および降温に長時間を要し、生産性や品質が低下するという問題があった。
2.均熱炉内雰囲気ガスを鋼帯温度と等しい温度に調節し、ロールと鋼帯との温度差を少なくして、ロールの熱クラウンを防止する。この方法では、ロール中央部とロール端部との間の温度差が若干小さくなり、蛇行および絞りは少し改善される。しかし、熱サイクル移行時、熱慣性の大きいロールと鋼帯との間の温度差はなくならないので、やはり、鋼帯の昇温および降温に長時間を要し、生産性や品質が低下する。
3.搬送ロール内部に誘導加熱装置を設ける。この方法では、ロールと鋼帯との間の温度差はなくなるが、設備費が膨大となるとともに、誘導加熱装置の耐熱が450℃程度と低いため、生産品種が限定されてしまう。
特開平7−145424号公報 特公平6−19120号公報
即ち、均熱炉の温度を変更する際には、均熱炉内温度、鋼帯、ロール中央部およびロール端部に温度差が生じてしまうという問題、また、この温度差を解消するために長時間を要するために生産性の低下が生じてしまうという問題、この温度差によって蛇行、絞りなどの品質の低下が生じてしまうという問題が見られた。
この発明は上記問題を解決するものであり、製品品質および生産性の向上を図ることができる鋼帯の連続処理設備における均熱炉操業方法および均熱炉を提供することを課題としている。
この発明の鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法は、鋼帯を搬送ロールで搬送しながら連続処理する連続処理設備における均熱炉操業方法において、熱処理サイクルの変更時、鋼帯搬送中の搬送ロールを変更後の温度に向けて全幅にわたり均一に加熱または冷却しながら、前記均熱炉入口に隣接する鋼帯加熱炉ないしは冷却炉において加熱または冷却中のロール温度と等しくなるように鋼帯を加熱または冷却することを特徴としている。
上記均熱炉操業方法において、前記搬送ロールの外周面または内周面に加熱ガスまたは冷却ガスを吹き付けて搬送ロールを加熱または冷却することが好ましい。
また、上記均熱炉操業方法において、前記加熱ガスまたは冷却ガスを、炉内の雰囲気ガスを炉外の雰囲気ガス加熱装置または雰囲気ガス冷却装置により加熱または冷却したガスとすることが好ましい。
さらに、上記均熱炉操業方法において、前記鋼帯加熱炉で誘導加熱器により鋼帯を加熱することが好ましい。
この発明の鋼帯連続処理設備における均熱炉は、鋼帯を搬送ロールで搬送しながら連続処理する連続処理設備における均熱炉において、
前記搬送ロールの内周面または外周面に加熱ガスまたは冷却ガスを吹き付けるガス吹付けノズル、
前記搬送ロールに設けたロール温度測定装置、
均熱炉入口に隣接し、鋼帯を加熱する鋼帯加熱炉あるいは冷却炉、
均熱炉入口の鋼帯温度を測定する鋼帯温度測定装置、および
搬送ロールの加熱温度または冷却温度をロール温度測定値に基づいて制御するとともに、鋼帯温度測定値に基づいて鋼帯温度が前記ロール温度に等しくなるように鋼帯温度を制御する制御装置、
とからなることを特徴としている。
上記均熱炉において、吸気側が炉内に通じている雰囲気ガス循環ブロワ、雰囲気ガス循環ブロワの排気側に接続されたガス循環管、該ガス循環管に設けられた雰囲気ガス冷却装置、前記ガス循環管に設けられた雰囲気ガス加熱装置、および前記ガス循環管から分岐しヘッダを介して前記ガス吹付けノズルに接続された分岐管からなる構成とすることが好ましい。
また、上記均熱炉において、前記鋼帯加熱炉が鋼帯を加熱する誘導加熱器を備えた構成とすることが好ましい。
この発明によれば、
イ.均熱炉出口の鋼帯温度を短時間(例えば、従来約1.5〜4時間に対し約10分)で目標温度に加熱または冷却することができる
ロ.均熱炉出口の鋼帯温度のばらつきが小さい
ハ.鋼帯の蛇行および絞りがなくなる
ニ.設備費の増大を抑える(例えば、搬送ロール内部に加熱装置を設ける場合に比べ、約50%低減する)ことができる
などの格別の効果を奏し、ひいては製品品質および生産性の向上を図ることができる。
図1は、この発明が実施される連続焼鈍設備の一例を示すもので、炉本体部の概略図である。炉本体部1は、加熱炉2、一次均熱炉4、二次均熱炉5、一次冷却炉6、再加熱炉7、再均熱炉8および二次冷却炉9からなっている。炉本体部1の入側は、入側ルーパを経て入側設備に接続されている。入側設備は、払出しリール、溶接機、洗浄装置(いずれも図示しない)その他からなっている。炉本体部1の出側は、最終冷却設備あるいは溶融めっき槽、合金化処理炉、調質圧延機、出側ルーパ、疵検査装置、巻取りリール等(いずれも図示しない)が設けられている。
この発明を上記再均熱炉で実施する場合を例として説明する。図2はこの再均熱炉8(以下、単に均熱炉という)およびその付属設備の概略図である。なお、以下の説明で図1および図2に示す装置と同様の装置には同じ符号を付け、その詳細な説明は省略する。
均熱炉8は、炉頂部寄りに複数の上部搬送ロール12およびステアリングロール14が配置されており、炉底部寄りに複数の下部搬送ロール13が配置されている。前記一次冷却炉6の一次冷却炉出側ロール室37にブライドルロール16が、また前記二次冷却炉9の上部ロール室10に上部搬送ロール18がそれぞれ配置されている。鋼帯Sはブライドルロール16、上部搬送ロール12、下部搬送ロール13、ステアリングロール14および上部搬送ロール18に順次巻き掛けられて搬送される。
図3に示すように、搬送ロール12、13、14の内周面にロール軸方向に沿って複数のロール温度検出器(熱電対)81が取り付けられている。ロール温度検出器81からの温度検出信号は、スリップリング82を介して後述の制御装置80に出力される。
均熱炉8は、雰囲気ガス循環ブロワ20が設けられている。雰囲気ガス循環ブロア20は、吸気側が炉内に通じており、排気側に循環ガス主管22が接続されている。循環ガス主管22には、雰囲気ガス冷却装置50、雰囲気ガス加熱装置60が順次取り付けられているとともに、雰囲気ガス冷却装置50を迂回するための冷却バイパス管24、冷却バイパス弁25と、雰囲気ガス加熱装置60を迂回するための加熱バイパス管27、加熱バイパス弁28が接続されている。
雰囲気ガス加熱装置60の下流側に、第1〜第5分岐管31〜35が接続されている。第1〜5分岐管31〜35は、炉外で各ロールの近傍まで近づき、第1、2、3分岐管31〜33の先端は均熱炉8内に、第4分岐管34の先端は一次冷却炉出側ブライドルロール室37に、第5分岐管35の先端は二次冷却炉上部搬送ロール室10に、それぞれ位置している。第1〜第5分岐管31〜35には、それぞれ第1〜第5ガス流量調整弁41〜45が取り付けられている。
雰囲気ガス冷却装置50は、ガス冷却温度調整弁55、ガス冷却用熱交換器51が設けられている。ガス冷却用熱交換器51の出口には冷却装置出側ガス温度検出器(熱電対)86および冷却出側遮断弁57が取り付けられている。ガス冷却用熱交換器51は、冷却水ポンプ52より冷却水が供給される冷却管53を備えている。
雰囲気ガス加熱装置60は、ガス加熱用熱交換器61が設けられている。ガス加熱用熱交換器61の入口にガス加熱温度調整弁67が、出口には加熱出側遮断弁68および加熱装置出側ガス温度検出器(熱電対)87がそれぞれ取り付けられている。ガス加熱用熱交換器61は燃料ガス燃焼装置62を備えており、燃料ガス燃焼装置62に供給された燃料ガスを燃焼器63で燃焼する。燃焼用空気は燃焼用空気ブロワ64から供給され、燃焼ガスは加熱管65を通過し、ガス加熱用熱交換器61で雰囲気ガスを加熱する。
ガス吹付けノズル71が上部搬送ロール12、ステアリングロール14の直下に、またガス吹付けノズル72が下部搬送ロール13の直上にそれぞれ配置されている。ガス吹付けノズル71、72は、スリットノズルからなっている。これらガス吹付けノズル71、72は、図3および4に示すようにヘッダ73から突出し、搬送ロール12、13、ステアリングロール14の外周面の底部および頂部にそれぞれ向き合っているとともに、搬送ロールの胴体全長にわたって延びている。ヘッダ73は、前記第1および第2分岐管31、32にそれぞれ接続されている。
ガス吹付けノズル71、72は、図5および6に示すように搬送ロール12、13、ステアリングロール14の内側に配置するようにしてもよい。この場合、ガス吹付けノズル71、72は搬送ロール12、13、ステアリングロール14の内周面の底部に向き合っている。
上記搬送ロール12、13、ステアリングロール14と同様に、一次冷却炉出側ロール室37のブライドルロール16にガス吹付けノズル75が、二次冷却炉上部ロール室10の上部搬送ロール18にガス吹付けノズル77がそれぞれ配置されている。第3分岐管33には複数のヘッダ(図示しない)が接続され、それぞれのヘッダに炉幅方向に沿って複数の炉内ガス噴出ノズル74が設けられている。炉内ガス噴出ノズル74から噴出するガスにより、炉内雰囲気温度の調整をしている。
前記再加熱炉7には、搬送中の鋼帯Sを加熱する誘導加熱器39が設けられている。均熱炉入口には、搬送中の鋼帯Sの温度を測定する鋼帯温度検出器(放射温度計)84、85が配置されている。
均熱炉8は、鋼帯Sおよび搬送ロール12、13、ステアリングロール14、ブライドルロール16、上部搬送ロール18の温度を制御するための制御装置80を備えている。制御装置80は、鋼帯Sおよび搬送ロール12、13の他ロールの測定温度に基づいて、ガス吹付けノズル71、72、74、75、77に供給するガスの温度および流量、誘導加熱器39の出力を制御する。また、ガス冷却温度調整弁55、ガス加熱温度調整弁67、その他調整弁や遮断弁の開閉も制御する。
ここで、上記のよう構成された均熱炉8の操業方法、特に熱処理サイクル切替時の温度制御について説明する。連続焼鈍設備では、処理される鋼帯の材質、寸法、最終製品(冷延鋼板または溶融めっき鋼板)などに応じて熱処理温度が異なり、熱処理サイクルが切り替えられる。この発明の均熱炉8では、熱処理サイクルの切替時に、雰囲気ガスを加熱または冷却して、炉内、鋼帯および各ロールを漸次昇温または降温し、所定温度とする。
いま、炉内、鋼帯および各ロールを昇温し、所定温度とするものとする。通常、雰囲気ガス循環ブロア20は運転されており、第1〜第5ガス流量調整弁41〜45はある開度で開いている。この状態で、雰囲気ガス冷却装置50のガス冷却温度調整弁55、冷却出側遮断弁57、加熱ガスバイパス弁28を閉じ、冷却バイパス弁25、ガス加熱温度調整弁67および加熱出側遮断弁68を開く。同時に、雰囲気ガス加熱装置60の燃料ガス燃焼装置62に燃料ガスを供給するとともに、燃焼用空気ブロア64を駆動して燃焼用空気を供給し、燃料ガスを燃料ガス燃焼器63で燃焼する。高温の燃焼ガスは加熱管65を通過し雰囲気ガスを加熱して所定温度の加熱ガスとする。加熱ガスは、前記循環ガス主管22、分岐管31〜35、ヘッダ73を経てガス吹付けノズル71、72、75、77、ならびに炉内ガス噴出ノズル74から噴出する。
ガス吹付けノズル71、72からの加熱ガスは上部搬送ロール12、ステアリングロール14の外周面底部、また下部搬送ロール13の頂部にロール全幅にわたり吹付けられる。搬送ロール12、13、ステアリングロール14は、回転しているため外周面全面に加熱ガスが吹き付けられる。同様に、加熱ガスは、ガス吹付けノズル75から一次冷却炉出側ロール室37のブライドルロール16に、ガス吹付けノズル77から二次冷却炉上部ロール室10の上部搬送ロール18にもそれぞれ吹き付けられる。また、加熱ガスは、炉内ガス噴出ノズル74から炉内に噴出される。上述のように加熱ガスはロール全幅にわたり吹き付けられるとともに、炉内にも噴出されるので、鋼帯搬送中のロールは所定温度に全幅にわたり均一に加熱される。
各ロールは高温の加熱ガスで直接加熱されるので、例えば10℃/minの速い昇温速度で加熱される。一方、鋼帯Sはロールとの温度差を防ぐために、均熱炉入口に隣接する加熱炉ないしは冷却炉で図7に示すようにロール温度と等しくなるように加熱ないしは冷却される。
制御装置80は、目標ロール温度、ロール温度測定値、加熱装置出側ガス温度測定値に基づいて燃料ガス燃焼装置62の流量調整弁(図示しない)を制御して燃焼ガス供給量を調整するとともに、燃焼空気用ブロア64を制御して燃焼用空気量を調整するか、ガス加熱温度調整弁67の開度を調整して、ガス加熱温度を制御する。ガス加熱温度により、ロール温度は制御される。また、制御装置80は、鋼帯温度がロール温度と等しくなるように均熱炉入口の鋼帯温度を制御する。
つぎに、炉内、鋼帯および各ロールを降温し、所定温度とする場合について説明する。雰囲気ガス冷却装置50のガス冷却温度調整弁55、冷却出側遮断弁57および加熱バイパス弁28を開き、冷却バイパス弁25、ガス加熱温度調整弁67および加熱出側遮断弁68を閉じる。同時に、冷却水ポンプ52を駆動し、冷却管53に冷却水を供給する。冷却水は冷却管53を通過する雰囲気ガスを冷却し所定温度の冷却ガスとする。冷却ガスは、循環ガス主管22、分岐管31〜35、ヘッダ73を経てガス吹付けノズル71、72、75、77および炉内ガス噴出ノズル74から噴出する。
冷却ガスは、加熱の場合と同様に各ノズルから噴出し、各ロールを冷却するとともに炉内を冷却する。各ロールは低温の冷却ガスで直接冷却されるので、例えば10℃/minの速い降温速度で冷却される。一方、鋼帯Sはロールとの温度差を防ぐために、一次冷却炉6でロール温度と等しくなるように冷却される。
制御装置80は、目標ロール温度、ロール温度測定値、冷却装置出側ガス温度測定値に基づいて、ガス冷却温度調整弁55の開度を調整して、ガス冷却温度を制御する。ガス冷却温度により、ロール温度は制御される。また、制御装置80は、鋼帯温度がロール温度と等しくなるように均熱炉入口の鋼帯温度を制御する。
(実施例1)
図2に示す設備において、熱処理サイクル切替時の温度推移をテストした。鋼板は冷延鋼板であり、材質は、1470MPa級高張力鋼板(ハイテン)から590MPa級加工誘起変態型高張力鋼(TRIPハイテン)への移行、板厚は、1.0mm、板幅は、1700mmである。鋼板を250℃から390℃(温度差140℃)まで昇温し、また390℃から250℃に降温する。テストの結果を図8(a)および(b)に示す。従来技術では、このサイクル移行に6時間かかっていたが、図8から明らかなように、30分以内に熱サイクルを切り替えることができた。なお、蛇行、絞り等はこのテスト中で生じていなかった。また、材質も所定の通りで均質なものが得られた。
(実施例2)
図2に示す設備において、熱処理サイクル切替時の温度推移をテストした。鋼板は溶融めっき鋼板であり、材質は、590MP級ハイテンから590MP級TRIPハイテンへの移行、板厚は、1.0mm、板幅は、1700mmである。鋼板を415℃から570℃まで昇温し、また570℃から415℃に降温する。テストの結果を図9(a)および(b)に示す。従来技術では、このサイクル移行に6時間かかっていたが、図9から明らかなように、30分以内に熱サイクルを切り替えることができた。
また、通常の熱処理サイクル切替の最大温度差である60℃では従来法では、150分程度かかっているが、本法では10分以下で切り替えが可能であり、10分という短い時間であれば、熱処理サイクルに鋭敏でない鋼種の鋼帯をいれ、切り替え時間でも製品を製造することも可能であるため、製品品質や生産性が大幅に改善する。なお、蛇行、絞り等はこのテスト中で生じていなかった。また、材質も所定の通りで均質なものが得られた。
この発明が実施される連続焼鈍設備の一例を示すもので、炉本体部の概略図である。 図1に示す連続焼鈍炉の均熱炉を模式的に示す炉構成図である。 上記均熱炉の搬送ロールとガス吹付けノズルの一例を模式的に示すロール断面図である。 図3の搬送ロールとガス吹付けノズルとの側面図である。 搬送ロールとガス吹付けノズルとの他の例を模式的に示すロール断面図である。 図5に示す搬送ロールの縦断面図である。 鋼帯温度および搬送ロール温度の時間変化を示すグラフである。 冷延鋼板製造工程における加熱ガス温度、搬送ロール温度および炉内温度の時間変化をシミュレーションした結果を示すグラフである。 溶融めっき鋼板製造工程における加熱ガス温度、搬送ロール温度および炉内温度の時間変化をシミュレーションした結果を示すグラフである。
符号の説明
1 連続焼鈍炉の炉本体部 2 加熱炉
4 一次均熱炉 5 二次均熱炉
6 一次冷却炉 7 再加熱炉
8 再均熱炉 9 二次冷却炉
10 二次冷却炉上部ロール室 12、13、18 搬送ロール
14 ステアリングロール 16 ブライドルロール
20 雰囲気ガス循環ブロア 22 循環ガス主管
24 冷却バイパス弁 25 冷却バイパス弁
27 加熱バイパス管 28 加熱バイパス弁
31〜35 分岐管 37 一次冷却炉出側ロール室
39 誘導加熱器 41〜45 ガス流量調整弁
50 雰囲気ガス冷却装置 51 ガス冷却用熱交換器
52 冷却水ポンプ 53 冷却管
55 ガス冷却温度調整弁 57 冷却出側遮断弁
60 雰囲気ガス加熱装置 61 ガス加熱用熱交換器
62 燃料ガス燃焼装置 63 燃料ガス燃焼器
64 燃焼用空気ブロア 65 加熱管
67 ガス加熱温度調整弁 68 加熱出側遮断弁
71、72、75、77 ガス吹付けノズル
73 ノズルヘッダ 74 炉内ガス噴出ノズル
80 制御装置 81 ロール温度検出器
82 スリップリング 84、85 鋼帯温度検出器
86 冷却装置出側ガス温度検出器 87 加熱装置出側ガス温度検出器

Claims (7)

  1. 鋼帯を搬送ロールで搬送しながら連続処理する鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法において、熱処理サイクルの変更時、鋼帯搬送中の搬送ロールを変更後の温度に向けて全幅にわたり均一に加熱または冷却しながら、前記均熱炉入口に隣接する鋼帯加熱炉あるいは冷却炉において加熱または冷却中のロール温度と等しくなるように鋼帯を加熱・冷却することを特徴とする鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法。
  2. 前記搬送ロールの外周面または内周面に加熱ガスまたは冷却ガスを全幅に吹き付けて搬送ロールを加熱または冷却する請求項1に記載の鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法。
  3. 前記加熱ガスまたは冷却ガスが、炉内の雰囲気ガスを炉外の雰囲気ガス加熱装置または雰囲気ガス冷却装置により加熱または冷却したガスである請求項1または請求項2記載の鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法。
  4. 前記鋼帯加熱炉において誘導加熱器で鋼帯を加熱する請求項1,2または3記載の鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法。
  5. 鋼帯を搬送ロールで搬送しながら連続処理する鋼帯連続処理設備における均熱炉において、
    前記搬送ロールの内周面または外周面に加熱ガスまたは冷却ガスを吹き付けるガス吹付けノズル、
    前記搬送ロールに設けたロール温度測定装置、
    均熱炉入口に隣接し、鋼帯を加熱する鋼帯加熱炉あるいは冷却炉、
    均熱炉入口の鋼帯温度を測定する鋼帯温度測定装置、および
    搬送ロールの加熱温度または冷却温度をロール温度測定値に基づいて制御するとともに、鋼帯温度測定値に基づいて鋼帯温度が前記ロール温度に等しくなるように鋼帯温度を制御する制御装置、
    とからなることを特徴とする鋼帯連続処理設備における均熱炉。
  6. 吸気側が炉内に通じている雰囲気ガス循環ブロワ、該雰囲気ガス循環ブロワの排気側に接続されたガス循環管、該ガス循環管に設けられた雰囲気ガス冷却装置、前記ガス循環管に設けられた雰囲気ガス加熱装置、および、前記ガス循環管から分岐しヘッダを介して前記ガス吹付けノズルに接続された分岐管を有する請求項5記載の鋼帯連続処理設備における均熱炉。
  7. 前記鋼帯加熱炉が鋼帯を加熱する誘導加熱器を備えた請求項5または請求項6記載の鋼帯連続処理設備における均熱炉。
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