JP2007091813A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体パッケージの連続成形の際に金型汚染が生じ難く、優れた連続成形性を備えた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
(A)エポキシ樹脂。
(B)フェノール樹脂。
(C)下記の(c1)および(c2)の少なくとも一方からなる硬化促進剤。
(c1)分子骨格中に疎水性基を1個有する硬化促進剤であって、上記疎水性基の炭素数が10〜20の範囲である硬化促進剤。
(c2)分子骨格中に疎水性基を複数有する硬化促進剤であって、少なくとも1個の疎水性基が炭素数10〜20であり、かつ疎水性基全部の炭素数が20〜60となる硬化促進剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体パッケージ成形時の離型性と、半導体パッケージ内における密着性に優れ、かつ連続成形時において金型汚染の生じない、優れた成形性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
トランジスター、IC、LSI等の半導体素子は、外部環境からの保護および半導体素子のハンドリングを簡易にするという観点より、従来から、プラスチックパッケージ等によって封止され半導体装置化されている。最近は、LSI素子の高集積化と高速化が進んでおり、パッケージ内部の半導体素子の大形化が進んでいる。このような半導体素子を連続的に樹脂封止する方法として、エポキシ樹脂を主成分とした半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用い、成形金型でのトランスファーモールド装置により成形する方法が広く用いられている。
ところが、上記エポキシ樹脂組成物を用いて金型での連続してのトランスファー成形を行なうと、金型表面に封止樹脂が残存して汚染されたり、金型表面の離型剤が酸化して酸化膜が形成されたりして離型性が低下し、結果、半導体パッケージの金型からの離型が困難となったり、半導体パッケージ表面が汚染しするという問題が生じる。したがって、従来から半導体封止材料に用いる離型剤に関して、金型の洗浄、離型処理を行なうことなく可能な限り連続的に成形可能となるような化合物が検討されている。例えば、従来から、カルナバワックスやポリオレフィンワックス等が用いられているが、連続成形性の点から充分とは言い難く、金型洗浄用のゴム等を用いた洗浄が不可欠であり、このような方法が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−150395号公報
しかしながら、上記金型洗浄用のゴム等を用いた洗浄を頻繁に行なうことは非常に煩雑であり、連続成形性という点において満足のいくものではなく、金型洗浄や離型処理の回数を減らし、量産性を高め、連続成形性のより一層の向上が要望されているのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、半導体パッケージの連続成形の際に金型汚染が生じ難く、優れた連続成形性を備えた半導体封止用エポキシ樹脂組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、下記の(A)〜(C)成分を含有するという構成をとる。
(A)エポキシ樹脂。
(B)フェノール樹脂。
(C)下記の(c1)および(c2)の少なくとも一方からなる硬化促進剤。
(c1)分子骨格中に疎水性基を1個有する硬化促進剤であって、上記疎水性基の炭素数が10〜20の範囲である硬化促進剤。
(c2)分子骨格中に疎水性基を複数有する硬化促進剤であって、少なくとも1個の疎水性基が炭素数10〜20であり、かつ疎水性基全部の炭素数が20〜60となる硬化促進剤。
すなわち、本発明者らは、封止樹脂による金型表面の汚染を防止して連続成形性の向上を図るために鋭意検討を重ねた。その過程で、封止樹脂の表面硬化性を向上させると、金型汚染の発生を抑制することができ、結果、連続成形性を向上させることができるという知見を得た。この知見に基づき、上記封止樹脂の表面硬化性を向上させることのできる封止材料の配合成分を中心に研究を重ねた。その結果、硬化促進剤として、上記特定の硬化促進剤〔(C)成分〕を用いると、上記疎水性基を有することからその化合物が金型表面近傍に移行しやすく高濃度となり、封止樹脂の表面硬化性が向上し、結果、連続成形性の向上が実現することを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、前記特定の硬化促進剤〔(C)成分〕を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、形成される樹脂硬化体の表面硬化性が向上し、封止樹脂による成形金型の表面汚れが防止され、結果、優れた連続成形性が実現し、半導体装置の量産性という点に関して著しい改善が図られ、結果、信頼性の高い半導体装置の量産が可能となる。したがって、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて樹脂封止することにより、高い硬化性による高信頼性の半導体装置が得られる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)と、特定の硬化促進剤(C成分)を用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはこれを打錠したタブレット状になっている。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特に限定されるものではなく従来公知のエポキシ樹脂が用いられる。例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、結晶性を有するビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらエポキシ樹脂のなかでも、特に融点または軟化点が室温を超えていることが好ましい。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、軟化点60〜110℃のものが好適に用いられる。また、上記結晶性エポキシ樹脂としては、エポキシ当量160〜210、融点80〜150℃のものが好適に用いられる。なかでも、上記結晶性エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂成分全体の少なくとも30重量%含有していることが好ましい。具体的には、下記に示す構造式(1),構造式(2)で表されるエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
Figure 2007091813
Figure 2007091813
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられるフェノール樹脂(B成分)は、上記エポキシ樹脂の硬化剤としての作用を奏するものであり、特に限定するものではなく従来公知の各種フェノール樹脂が用いられる。例えば、アラルキル型、ジシクロペンタジエン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ビスフェノール型、トリスヒドロキシフェニルメタン型等の各種フェノール樹脂が用いられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これらフェノール樹脂としては、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましい。上記フェノール樹脂のなかでも、アラルキル型を全体の少なくとも70重量%の割合で含有してなるフェノール樹脂を用いることが好ましい。具体的には、下記に示す構造式(3),構造式(4),構造式(5)で表されるフェノール樹脂が好ましく用いられる。
Figure 2007091813
Figure 2007091813
Figure 2007091813
上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)の配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.7〜1.5当量となるように配合することが好ましい。より好ましくは0.9〜1.2当量である。
上記A成分およびB成分とともに用いられる特定の硬化促進剤(C成分)は、分子骨格中に疎水性基を有することを特徴とし、疎水性基が1個の場合、炭素数10〜20の疎水性基を分子骨格中に有する硬化促進剤(c1)、疎水性基が複数の場合、少なくとも1個の疎水性基が炭素数10〜20であり、かつ疎水性基全部の炭素数が20〜60となる疎水性基を分子骨格中に有する硬化促進剤(c2)であり、このような特徴を備えた硬化促進剤を単独でもしくは2種以上併せて用いる。なお、本発明において、上記疎水性基とは、具体的には、炭素,水素,ハロゲンのみからなる炭素鎖骨格の有機基、下記の式(α)で表されるポリオルガノシロキサン骨格を示す基、さらにデシル,ウンデシル,ドデシル,ミリスチル,パルミチン,ステアリル等の飽和アルキル基、ヘプタメチルトリシロキシプロピル基等のオルガノシロキサン骨格を含有するもの、ヘプタデシルフロロオクチルエチル基等のフッ素含有アルキル基等を例示することができる。
Figure 2007091813
上記特定の硬化促進剤(C成分)として、具体的には、分子骨格中に炭素数10〜20のアルキル置換基を1個有するイミダゾール系硬化促進剤、分子骨格中に炭素数10〜20のアルキル置換基を少なくとも1個有し、かつ疎水性基全部の炭素数が10〜60となるホスフィン系硬化促進剤があげられ、これらは単独でもしくは併せて用いられる。すなわち、上記炭素数10〜20の範囲の疎水性基を分子骨格中に少なくとも1個有することにより、炭素数が10より少ないと、疎水性の程度が小さく、金型表面への移動が起こり難く、表面の硬化性が不充分となり、炭素数が20より多いと、疎水性が高過ぎて、樹脂との相溶性が悪くなり、樹脂組成物全体の硬化性が低下してしまう傾向がみられる。そして、複数の疎水性基を有するものの使用も可能であるが、炭素数が60を超えてしまうと、樹脂との相溶性の低下が著しく、硬化性に不具合を生じたり、またガラス転移温度も下がってしまう傾向がみられる。
上記分子骨格中に炭素数10〜20のアルキル置換基を1個有するイミダゾール系硬化促進剤としては、具体的には、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等があげられる。
上記分子骨格中に炭素数10〜20のアルキル置換基を少なくとも1個有し、かつ疎水性基全部の炭素数が10〜60となるホスフィン系硬化促進剤としては、分子骨格中に炭素数10〜20のフッ化アルキル置換基を1個有するトリアリールホスフィン等があげられる。このようなトリアリールホスフィンとしては、具体的には、4−ペンタデシルフロロオクチルエチルフェニルジフェニルホスフィン等があげられる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記特定の硬化促進剤(C成分)とともに従来から用いられている硬化促進剤、例えば、通常のホスフィン系硬化促進剤を併せて用いることができる。具体的には、上記ホスフィン系硬化促進剤以外のトリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン、トリアリールホスフィノトリアリールボラン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボラート等があげられる。これらホスフィン系硬化促進剤は、不純物が少なく、エポキシ樹脂中の可けん化塩素の脱離を促進しにくく、電気的信頼性の高い硬化物を付与することができる。
本発明においては、上記特定の硬化促進剤(C成分)として、分子骨格中に炭素数10〜20のアルキル置換基を1個有するイミダゾール系硬化促進剤を用い、さらに従来から用いられている上記トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィンを併用した組み合わせが、優れた電気的信頼性および表面硬化性の観点から特に好ましい。
上記特定の硬化促進剤(C成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物中の樹脂成分100重量部(以下「部」と略す)に対して0.1〜10部に設定することが好ましく、より好ましくは0.2〜5部である。すなわち、0.1部未満では、充分な表面硬化性を得ることが困難であり、10部を超えると、ガラス転移温度の低下等の不具合をもたらす傾向がみられるからである。なお、上記含有量は、特定の硬化促進剤(C成分)単独での使用の場合のみならず、特定の硬化促進剤(C成分)とともに従来から用いられている硬化促進剤を併用する場合はその合計量を意味する。
上記特定の硬化促進剤(C成分)とともに上記従来から用いられている硬化促進剤を併用する場合、上記特定の硬化促進剤(C成分)の含有割合は、従来から用いられている硬化促進剤100部に対して、特定の硬化促進剤(C成分)を5〜100部に設定することが好ましく、より好ましくは10〜30部である。すなわち、5部未満では、表面硬化性および連続成形性の向上効果が得られ難く、100部を超えると、ガラス転移温度の低下が生起し、特に封止樹脂表面部でのガラス転移温度の低下は逆に金型からの成形品の離型性に悪影響を与える恐れがあるからである。
さらに、成形金型表面の離型剤の酸化を防止する目的で、還元性化合物を配合することが好ましい。上記還元性化合物としては、例えば、硬化促進剤としての効果も有するトリオクチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィニルハイドロキノン等があげられる。特に、トリオクチルホスフィンは、疎水的性質が高く成形金型表面への移行性を有するため、上記特定の硬化促進剤(C成分)と併用することにより、成形金型表面の離型剤の酸化を防止し、成形金型の洗浄頻度を低減させることが可能となる。
上記還元性化合物の配合量は、つぎのように設定することが好ましい。すなわち、エポキシ樹脂組成物100部に対して還元性化合物を0.01〜0.3部の範囲に設定することが好ましい。すなわち、0.01部未満では、添加効果が得られ難く、0.3部を超えて多くなると、ガラス転移温度を低下させたり、湿度等により溶出し電気的信頼性を損なう場合が生じる傾向がみられるからである。
また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜C成分に加えて、通常、無機質充填剤が用いられる。上記無機質充填剤としては、従来公知の各種充填剤が用いられ、例えば、石英ガラス粉末、溶融シリカ粉末および結晶性シリカ粉末等のシリカ粉末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。好ましくは流動性という観点から溶融シリカ粉末が、とりわけ球状溶融シリカ粉末を用いることが好ましい。そして、上記無機質充填剤としては、レーザー散乱式粒度分布測定装置による平均粒径が0.1〜50μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜30μmであり、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
上記無機質充填剤の含有量は、通常、エポキシ樹脂組成物全体の60〜95重量%となるよう設定することが好ましい。
さらに、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記上記A〜C成分および無機質充填剤以外に、必要に応じて他の添加剤である、カーボンブラック等の着色剤や顔料、カルナバワックスや酸化ポリオレフィンワックス等の離型剤、可撓性付与剤(各種シリコーン化合物やアクリロニトリル−ブタジエンゴム等)、各種シランカップリング剤である密着性付与剤、イオントラップ剤(水酸化ビスマス、ハイドロタルサイト類化合物等)、難燃剤等を適宜に配合することができる。
上記難燃剤としては、特に限定するものではなく従来公知の各種難燃剤、例えば、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、赤リン、リン酸エステル等のリン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、上記A〜C成分および無機質充填剤、さらに必要に応じて上記他の添加剤を所定の割合で適宜配合する。ついで、これら混合物を、ミキシングロール機,単軸押出機あるいは二軸押出機等の装置で加熱溶融混合する。ついで、これを室温に冷却した後、公知の方法で粉砕し、さらに必要に応じてタブレット状に打錠するという一連の工程を経由することにより製造することができる。
そして、上記一連の製造工程において、上記特定の硬化促進剤(C成分)(従来の硬化促進剤の併用を含む)と、カルナバワックスや酸化ポリオレフィンワックス等の離型剤とを予め溶融混合した後、この予備溶融混合物と残りの配合成分とを配合し、加熱溶融混合する製法を採用することが好ましい。このように予備混合することにより、上記離型剤の成形金型表面への移行効果も加わり、上記特定の硬化促進剤(C成分)の成形金型表面濃度が高まって、封止樹脂の成形金型表面の硬化性が向上し一層好ましい。
このような半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止は、特に限定されるものではなく、通常のトランスファーモールド等の公知のモールド方法により行うことができる。
このようにして得られる半導体装置は、その封止樹脂層の形成材料である半導体封止用エポキシ樹脂組成物中に含まれる、前記特定の硬化促進剤(C成分)の作用により、樹脂硬化体の表面硬化性が向上するため、連続成形時の金型汚れが発生し難く、良好な量産性を有するものである。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の作製に先立って、下記に示す化合物を準備した。
〔エポキシ樹脂A〕
下記の構造式(a)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量195、融点107℃)
Figure 2007091813
〔エポキシ樹脂B〕
下記の構造式(b)で表されるエポキシ樹脂(エポキシ当量169、軟化点60℃)
Figure 2007091813
〔エポキシ樹脂C〕
下記の構造式(c)で表されるエポキシ樹脂(エポキシ当量177、融点点141℃)
Figure 2007091813
〔エポキシ樹脂D〕
臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量271、臭素含有量36重量%)
〔フェノール樹脂A〕
下記の構造式(d)で表されるフェノール樹脂(水酸基当量170、軟化点62℃)
Figure 2007091813
〔フェノール樹脂B〕
下記の構造式(e)で表されるフェノール樹脂(水酸基当量210、軟化点75℃)
Figure 2007091813
〔フェノール樹脂C〕
下記の構造式(f)で表されるフェノール樹脂(水酸基当量104、軟化点60℃)
Figure 2007091813
〔無機質充填剤〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径13μm)
〔離型剤〕
カルナバワックス
〔難燃剤〕
三酸化アンチモン
〔着色剤〕
カーボンブラック
〔密着性付与剤〕
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
〔還元性化合物〕
トリオクチルホスフィン
〔硬化促進剤A〕
2−ウンデシルイミダゾール
〔硬化促進剤B〕
2−ヘプタデシルイミダゾール
〔硬化促進剤C〕
4−ペンタデシルフロロオクチルエチルフェニルジフェニルホスフィン
〔リン系硬化促進剤A〕
トリフェニルホスフィン
〔リン系硬化促進剤B〕
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート
〔実施例1〜8、比較例1〜4〕
下記の表1〜表2に示す各成分を用いて同表に示す割合で配合し、90〜110℃に加熱したロール混練機にかけて3分間溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後、粉砕し、さらに打錠することによりタブレット化して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。なお、実施例3,7,8では、まず、硬化促進剤と離型剤であるカルナバワックスを予備混合した後、この予備混合物に残りの各配合成分を配合し、90〜110℃に加熱したロール混練機にかけて3分間溶融混練した。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造した。
Figure 2007091813
Figure 2007091813
つぎに、上記各実施例および比較例で得られたタブレット状のエポキシ樹脂組成物を用い、半導体パッケージ自動成形機(TOWA社製、マルチプランジャーモールドUPS−40L)による、28ピンスモールアウトラインパッケージ(SOP−28)成形金型での、1000ショットの連続成形を試みた。この連続成形において、パッケージの離型性を評価し、離型性に問題が発生しはじめた成形ショット数を確認した。さらに、連続成形300回,500回,1000回の各成形ショット後において金型を目視により観察して金型表面の汚れ具合を評価した。このときの金型表面の汚れ具合において、初期の金型表面と比べて樹脂の付着、汚れ、変色がみられないものを○、初期の金型表面と比べて樹脂の付着、汚れ、変色が確認されたものを×として表示した。なお、「−」は観察による評価をしなかったことを示す。
Figure 2007091813
Figure 2007091813
上記結果から、全ての実施例品では、連続成形時の離型性が良好であり、しかも金型の汚れも500回の成形ショットでは発生せず良好であった。なかでも、離型剤であるカルナバワックスと硬化促進剤とを予備混合し、これに残りの成分を配合してなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いた実施例3,7,8品、さらに実施例4品は、特に連続成形性に優れたものであった。これに対して、比較例品では連続成形での不良発生ショット数が小さく全てが450ショット以下で不良が発生し、また500回の成形ショットでは全てに金型汚れが発生した。

Claims (3)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂。
    (B)フェノール樹脂。
    (C)下記の(c1)および(c2)の少なくとも一方からなる硬化促進剤。
    (c1)分子骨格中に疎水性基を1個有する硬化促進剤であって、上記疎水性基の炭素数が10〜20の範囲である硬化促進剤。
    (c2)分子骨格中に疎水性基を複数有する硬化促進剤であって、少なくとも1個の疎水性基が炭素数10〜20であり、かつ疎水性基全部の炭素数が20〜60となる硬化促進剤。
  2. 上記(C)成分である硬化促進剤が、分子骨格中に炭素数10〜20のアルキル置換基を1個有するイミダゾール系硬化促進剤、および、分子骨格中に炭素数10〜20のアルキル置換基を少なくとも1個有し、かつ疎水性基全部の炭素数が10〜60となるホスフィン系硬化促進剤の少なくとも一方である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置。
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