JP2007090743A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低出力の光源を用いながらインクの硬化に必要な照射エネルギーを得て、インクを良好に硬化させ、高品質な画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクを吐出する記録ヘッド10と、インクに光を照射する紫外線照射装置20とを備えたインクジェット記録装置1であって、紫外線照射装置20は、複数の直状部23b,23cと、直状部23b,23cを連結する少なくとも1つの屈曲部23aと、が形成され、各直状部23b,23cが前記各直状部の長手方向にほぼ平行となるように配置された線状発光体23と、各直状部23b,23cに対応して配置され、各直状部23b,23cから照射された照射光を反射させて所定の集光位置Qに集光させる反射部材30a,30bとを備え、所定の集光位置Qは、各直状部23b,23cの発光中心Ya,Ybからほぼ等距離にある直線上に形成される。
【選択図】図4
【解決手段】インクを吐出する記録ヘッド10と、インクに光を照射する紫外線照射装置20とを備えたインクジェット記録装置1であって、紫外線照射装置20は、複数の直状部23b,23cと、直状部23b,23cを連結する少なくとも1つの屈曲部23aと、が形成され、各直状部23b,23cが前記各直状部の長手方向にほぼ平行となるように配置された線状発光体23と、各直状部23b,23cに対応して配置され、各直状部23b,23cから照射された照射光を反射させて所定の集光位置Qに集光させる反射部材30a,30bとを備え、所定の集光位置Qは、各直状部23b,23cの発光中心Ya,Ybからほぼ等距離にある直線上に形成される。
【選択図】図4
Description
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、光を照射することによって硬化する光硬化性インクを用いて画像の記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
近年、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などの製版を必要とする方式に比較して、簡便にかつ安価に画像を形成することができるという理由から、インクジェット記録装置が多く用いられている。
インクジェット記録装置は、商品や商品の包装に画像記録を行う分野等においても用いられるが、商品や商品の包装には樹脂や金属などのインク吸収性のない記録媒体が用いられることが多い。そして、このようなインク吸収性のない材料を記録媒体として用い、この記録媒体に対してインクを定着させるために、例えば紫外線等の光を照射することによって硬化するインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドと、インクを硬化させる光を発生する光源が設けられた光照射装置とを有し、ノズルから吐出したインクを記録媒体に着弾させた後、この記録媒体に光照射装置により光を照射することでインクを硬化させて、画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。
ここで、光硬化性のインクを硬化させるためには、所定の照射エネルギーが必要とされる。照射エネルギーとは、照射強度(照度)と照射時間との積である。
一般にインクジェット記録装置においては、電力を上げることにより照射強度を容易に上げることができる高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等のHID(High Intensity Discharge Lamps)タイプの光源を用いることでインクの硬化に必要な所定の照射エネルギーを得るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなHIDタイプの光源は光源からの発熱が大きく、消費電力も大きいことから装置に対する負荷が大きいとの問題がある。このため、冷陰極管や低圧水銀ランプ等の低電力・低出力の光源を用いた装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。このような装置においては、インクの硬化に必要な照射エネルギーを得るために低出力の光源を複数並べた上で集光する構成が提案されている。
ただ、光源を複数配置すると、光源からの光が記録ヘッドに到達して記録ヘッドのノズル付近に付着したインクを硬化させ、ノズル欠や吐出曲り等の吐出不良の原因になるおそれも増大する。このような吐出不良を生じると精細な画像記録を阻害するおそれがあるため、光硬化性のインクを用いて画像記録を行うインクジェット記録装置では、記録ヘッドに対する反射光を低減させる対策を施した装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−136672号公報
特開2002−336400号公報
特開2002−337035号公報
しかしながら、冷陰極管や低圧水銀ランプ等の低電力・低出力の光源は、光源1本あたりに投入する電力が小さいため、これらの光源を集光しても十分に照射強度を上げることは難しい。このため、低電力・低出力の光源ではインク硬化に必要な照射エネルギーを得られないとの問題があった。
そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、低出力の光源を用いながらインクの硬化に必要な照射エネルギーを得て、インクを良好に硬化させ、高品質な画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のインクジェット記録装置は、記録媒体に対して光硬化性インクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録媒体の表面に着弾した前記光硬化性インクに光を照射する光照射装置とを備えたインクジェット記録装置であって、
前記光照射装置は、
複数の直状部と、前記直状部を連結する少なくとも1つの屈曲部と、が形成され、前記各直状部が前記各直状部の長手方向にほぼ平行となるように配置された線状発光体と、
前記各直状部に対応して配置され、前記各直状部から照射された照射光を反射させて所定の集光位置に集光させる反射部材とを備え、
前記所定の集光位置は、前記各直状部の発光中心からほぼ等距離にある直線上に形成されることを特徴とする。
前記記録媒体の表面に着弾した前記光硬化性インクに光を照射する光照射装置とを備えたインクジェット記録装置であって、
前記光照射装置は、
複数の直状部と、前記直状部を連結する少なくとも1つの屈曲部と、が形成され、前記各直状部が前記各直状部の長手方向にほぼ平行となるように配置された線状発光体と、
前記各直状部に対応して配置され、前記各直状部から照射された照射光を反射させて所定の集光位置に集光させる反射部材とを備え、
前記所定の集光位置は、前記各直状部の発光中心からほぼ等距離にある直線上に形成されることを特徴とする。
請求項1に記載のインクジェット記録装置によれば、記録ヘッドから吐出された光硬化性インクに対して、複数の直状部と直状部を連結する屈曲部とを有する線状発光体を備える光照射装置から光を照射し、反射部材によって照射光を反射させて各直状部の発光中心からほぼ等距離の直線上にある集光位置に集光させるようになっている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記屈曲部を被覆する被覆部材を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、被覆部材によって屈曲部を被覆するようになっている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記各反射部材のうち前記記録ヘッドに最も近い前記反射部材の前記記録ヘッド側に隣接して、光トラップ部を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、反射部材のうち記録ヘッドに最も近い反射部材の記録ヘッド側に隣接して設けられた光トラップ部によって光の反射を抑えるようになっている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録装置において、前記光トラップ部の内面に、光を吸収する光吸収材がコーティングされていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、内面に光を吸収する光吸収材をコーティングした光トラップ部によって光の反射を抑えるようになっている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記線状発光体は、前記インクを硬化させる光を発する低圧水銀ランプであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、光源として低圧水銀ランプを用いてインクを硬化させるようになっている。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記光硬化性インクは、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化性インクであり、前記光照射装置から照射される光のうち少なくとも一部は紫外線であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化性インクを吐出させ、光照射装置から少なくとも一部は紫外線を含む光を照射することによりインクを硬化させるようになっている。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記光硬化性インクは一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクによって画像記録を行うようになっている。
本発明によれば、光を発する直状部が複数形成された線状発光体を用いることにより、1本の線状発光体をあたかも複数本の発光体であるかの如く作用させることができ、投入電力を大きくすることなく光の出力を大きくすることができる。
また、各直状部からの照射光をそれぞれに対応して設けられた反射部材によって反射させて最も効率的に照射強度を高めることのできる所定の集光位置に集光させるため、光源として冷陰極管や低圧水銀ランプ等の低電力・低出力のものを用いた場合でも、インク硬化に必要な照射強度を得ることが可能になり、インクを良好に硬化させて高品質な画像を得ることができるとの効果を奏する。この場合、各直状部の発光中心から集光位置までの距離を同じにすることにより、各直状部から照射される光の各反射部材に対する有効角度が同一かつ最も大きくなるので、集光効率が最大となり、インク硬化に必要な照射強度を得やすくなる。
以下、図1から図5を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態について説明する。
まず、図1に示すように、本実施形態において、インクジェット記録装置1は、シリアルプリント方式によるインクジェット記録装置1であり、プリンタ本体2と、プリンタ本体2を下方から支持する支持台3とを備えている。また、プリンタ本体2の中央部には、記録媒体4を非記録面から支持するプラテン5がプリンタ本体2の長手方向に延在するように配設されている。
プラテン5の上方には、プリンタ本体2の長手方向に延在する棒状のガイドレール6が設けられている。このガイドレール6には、キャリッジ7が支持されており、キャリッジ7は図示しない駆動機構によりガイドレール6に沿って主走査方向Aに往復移動自在となっている。
また、プリンタ本体2には、記録媒体4を主走査方向Aと直交する副走査方向Bに送るための搬送機構(図示せず)が設けられている。搬送機構は、例えば、図示しない搬送モータ及び搬送ローラ等から構成されており、搬送モータの駆動により搬送ローラを回転させることによって記録媒体4をプラテン5に沿って副走査方向Bの上流側から下流側に搬送するようになっている。また、搬送機構は、画像記録時において、キャリッジ7の動作に合わせて、記録媒体4の搬送と停止とを繰り返し記録媒体4を間欠的に搬送するようになっている。
キャリッジ7には、本実施形態におけるインクジェット記録装置1で使用される各色(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))に対応した4つの記録ヘッド10が搭載されている。各記録ヘッド10は、外形がほぼ直方体状に形成されており、長手方向が互いに平行となるように並んで配置されている。記録ヘッド10の記録媒体4に対向する面は、記録ヘッド10の長手方向に沿って複数のノズル(図示せず)が列状に形成されたノズル面(図示せず)とされている。
なお、インクジェット記録装置1で使用されるインクは例示したものに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、その他白インクや透明インク等の各色のインクを使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッドがキャリッジに搭載される。また、各記録ヘッド10の数は、ここに例示したものに限定されず、さらに多くの数の記録ヘッドをキャリッジに搭載してもよい。さらに、使用される各色のインクに対応した4つの記録ヘッドを一組とするヘッドユニットをキャリッジに2つ以上搭載する構成としてもよい。この場合には、各ヘッドユニットは副走査方向Bに位置をずらしてキャリッジ内に配置される。
また、前記キャリッジ7には、インクを貯留し記録ヘッド10にインクを供給する中間タンク11が各記録ヘッド10に対応する数備えられ、各記録ヘッド10は、インク供給管12を介してこの中間タンク11と連通されている。なお、この中間タンク11は、図示しないインク供給路によって、インクを貯留するインクタンク13と連通しており、随時インクタンク13から中間タンク11を介してインクが記録ヘッド10に供給されるようになっている。
図1に示すように、インクタンク13は、キャリッジ7の移動範囲であって前記プラテン5の設けられている記録領域の外側一端に設けられている。また、キャリッジ5の移動可能範囲であって記録領域の外側他端には、記録ヘッド8をクリーニングするメンテナンスユニット14が設けられている。なお、インクタンク13及びメンテナンスユニット14の設けられる位置は、図示した例に限定されない。
前記キャリッジ7の両側には光照射装置としての紫外線照射装置20がそれぞれキャリッジ7の側面に接するように設けられている。紫外線照射装置20は、図2及び図3に示すように、記録媒体4側に向かって開口する箱型であって、副走査方向Bにおける上流側端部が上方に向けて突出形成されたカバー部材21を有している。このカバー部材21の内部には、図4に示すように、インクを硬化させる紫外線を発光する光源として低圧水銀ランプ22が設けられている。なお、光源としては、低圧水銀ランプ22に限らず、ブラックライト、冷陰極管等低出力タイプの光源を適用することが可能である。
低圧水銀ランプ22は、図4及び図5に示すように、副走査方向Bに沿って設けられ所定位置に屈曲部23aを有してほぼU字状に屈曲し、記録ヘッド10の長手方向の長さ以上の長さ寸法となるように2つの直状部23b,23cが形成された線状発光体23と、線状発光体23の両端に取り付けられカバー部材21の突出形成部分に沿って上方に延在する円筒状の口金部24と、からなっている。各直状部23b,23cは長手方向にほぼ平行となるように配置されている。低圧水銀ランプ22は、口金部24に通電させることにより線状発光体23が発光するようになっている。
カバー部材21において線状発光体23が収納される部分の内側には、線状発光体23から照射され拡散した紫外線を記録媒体4に対して反射させる反射部材30a,30b(図4及び図5参照)が、それぞれ2つの直状部23b,23cに対応して各直状部23b,23cを覆うように設けられている。
反射部材30a,30bは、直状部23b,23cから照射された光を所定の集光位置Qに直線状に集光させるようになっている。
ここで、所定の集光位置Qとは、各直状部23b,23cから照射される光の各反射部材30a,30bに対する有効角度が同一かつ最も大きくなり、集光効率が最大となる位置であって、具体的には、各直状部23b,23cの発光中心Ya,Ybから集光位置Qまでの距離がほぼ等しくなる位置である。
「直状部23b,23cの発光中心Ya,Yb」とは、本発明に係る線状発光体23の直状部23b,23cのから拡散している各光線を線状発光体23側に内挿したときに光線が収束する箇所を示すものである。発光体がニクロム線等の直線状のものである場合には、発光体の直線の軸が発光中心Ya,Ybとなる。また、例えば、発光体が放電管のような円管状のものである場合には、発光体の円形断面の中心を通る中心軸が発光中心Ya,Ybとなる。さらに、断面が円形でない発光体の場合には、発光体の断面形状の重心を通る直線が発光中心Ya,Ybとなる。
前記紫外線硬化性インクは、硬化するために一定以上の照射エネルギーの光を照射する必要がある。ここで、光の照射エネルギーは、照射強度と照射時間との積によって求められるが、画像記録を行う際に照射時間を長くすると生産性が低下して好ましくない。そこで、照射強度を上げることにより照射エネルギーを高くする必要があるが、集光位置Qが前記のような位置にくるように各直状部23b,23c及び各反射部材30a,30bを配置することにより、各直状部23b,23cから照射された光を効率よく集光して、インクの硬化をさせるに足りる照射エネルギーを得ることのできる照射強度を実現することができる。
なお、反射部材30a,30bとしては、例えば、全波長域にわたって紫外線を効率よく反射する高純度のアルミ製の反射部材30が適用される。特に、アルミを主に含有する金属化合物の薄膜をガラス表面に蒸着させたコールドミラー(ガラス成形板)は、紫外線を効率良く反射する一方で、インクの硬化に寄与しない可視光線及び赤外線をミラー後方に透過させることで、線状発光体23の発熱による発光効率低下を抑制することができるため、好ましい。
また、2つの反射部材30a,30bのうち、記録ヘッド10を搭載するキャリッジ7に最も近接した位置に配置される反射部材30に隣接しての側面には、紫外線照射装置20から照射され記録ヘッド10側に入射してくる紫外線を捕捉するための光トラップ部31が設けられている。例えば、図4において右側に位置する反射部材30aが最もキャリッジ7に隣接している場合、光トラップ部31は反射部材30aのキャリッジ7側の側面に設けられる。
光トラップ部31は、反射部材30に沿って延在するとともに、記録媒体4に向かって開口しており、開口した端縁が記録媒体4とほぼ平行となるように配設される。
なお、光トラップ部31の形状は、光トラップ部31の内部に紫外線が入射可能で、かつ入射してきた紫外線が光トラップ部31の内面にて反射を繰り返すような形状であればよく、図4及び図5に示した形状に限定されない。
光トラップ部31は、反射部材30に沿って延在するとともに、記録媒体4に向かって開口しており、開口した端縁が記録媒体4とほぼ平行となるように配設される。
なお、光トラップ部31の形状は、光トラップ部31の内部に紫外線が入射可能で、かつ入射してきた紫外線が光トラップ部31の内面にて反射を繰り返すような形状であればよく、図4及び図5に示した形状に限定されない。
また、光トラップ部31の内面には、紫外線吸収率の高い材料で構成された紫外線吸収材がコーティングされている。ここで、紫外線吸収材を光トラップ部31の内面にコーティングする方法としては、例えば、紫外線吸収率の高い材料を光トラップ部31の内面にアルマイト処理などの各種金属酸化物処理する方法や、メッキ処理・蒸着・スパッタリング処理する方法等が挙げられる。なお、紫外線吸収材として適用可能な紫外線吸収率の高い材料としては、例えば、カーボンブラック、超粒子化した酸化チタン・酸化亜鉛・酸化鉄(α−Fe2O3、Fe3O4)等の粉体などの無機物や、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族化合物などの有機物等が挙げられるが、紫外線吸収材はここに例示したものに限定されない。
さらに、カバー部材21の内部であって屈曲部23aの周囲には、屈曲部23aを被覆して屈曲部23aから照射される紫外線を遮蔽する被覆部材32が設けられている。なお、被覆部材32の内面には、前記光トラップ部31の内面にコーティングされているのと同様の紫外線吸収率の高い材料から構成された紫外線吸収材がコーティングされていてもよい。
図3に示すように、カバー部材21の線状発光体23が収納される部分の各側面には、カバー部材21内に外気を取り込む複数の外気取込口25が設けられている。また、カバー部材21の外面であって線状発光体23に対応する位置には、低圧水銀ランプ22の線状発光体23の温度上昇を防ぐ発光体冷却ファン26が設けられている。また、カバー部材21の突出形成部分には、口金部24が収納されるようになっており、カバー部材21の外面であって口金部24に対応する位置には、口金部24を冷却するための口金部冷却ファン27が設けられている。
カバー部材21における副走査方向B上流側の側面は、図3に示すように、蓋部28として、底辺を軸に低圧水銀ランプ22が収納される本体部29に対して回動することにより開閉自在とされている。低圧水銀ランプ22は、蓋部28を開けた状態で取り出し可能となっている。
また、インクジェット記録装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、各種の処理プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)、各種データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)を備える図示しない制御部を備えている。制御部は、ROMに記憶された処理プログラムをRAMに展開してCPUがこの処理プログラムを実行することにより、装置各部を制御して画像記録動作を行うようになっている。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録装置1の作用について説明する。
画像記録動作が開始されると、口金部24に電力が供給されて紫外線照射装置20の低圧水銀ランプ22が点灯する。線状発光体23のうち屈曲部23aから照射された光は被覆部材32によって遮蔽され、直状部23b,23cから照射された光が反射部材30a,30bによりそれぞれ所定の集光位置Qに集光される。また、線状発光体23から照射された光のうち、記録ヘッド10の側に入射しようとする光はキャリッジ7に隣接した反射部材30aに設けられた光トラップ部31によって捕捉され、光トラップ部31の内部にコーティングされた紫外線吸収材により吸収される。
制御部が装置各部を制御することにより、記録媒体4を副走査方向Bに間欠搬送するとともに、キャリッジ7を主走査方向Aに往復移動させながら記録ヘッド10から所定のインクを吐出する。そして、記録媒体4上に吐出されたインクに紫外線照射装置20から照射された紫外線が照射することによりインクが硬化定着し、所望の画像が記録される。
以上より、インクジェット記録装置1によれば、複数の直状部23b,23cが形成された線状発光体23を用いることにより、投入電力を大きくすることなく低圧水銀ランプ22からの光の出力を大きくすることができる。また、各直状部23b,23cからの照射光をそれぞれ反射部材30a,30bによって反射させて最も効率的に照射強度を高めることのできる所定の集光位置Qに集光させるため、光源として低電力・低出力の低圧水銀ランプ22を用いた場合でも、インク硬化に必要な照射強度を得ることが可能となり、インクを効果的に硬化させて高精細な画像記録を行うことができる。
また、各直状部23b,23cの発光中心Ya,Ybから集光位置Qまでの距離を同じにすることにより、各直状部23b,23cから照射される光の各反射部材30a,30bに対する有効角度が同一かつ最も大きくなるので、集光効率を最大とすることができ、より効果的に照射強度を上げることができる。なお、前述のように、発光体が直線状のものである場合には、発光体の直線の軸が発光中心Ya,Ybとなり、発光体が放電管等の円管状のものである場合には、発光体の円形断面の中心を通る中心軸が発光中心Ya,Ybとなる。また、発光体の断面が円形でない場合には、発光体の断面形状の重心を通る直線が発光中心Ya,Ybとなる。
また、線状発光体23の屈曲部23aの照射強度は低く、インク硬化に資する光を照射することはできず、かえって屈曲部23aから照射された光が記録媒体4等に反射して記録ヘッド10に到達し、記録ヘッド10に付着したインクを硬化させてノズル欠等の吐出不良の原因になる。この点、本実施の形態によれば、被覆部材32によって屈曲部23aを被覆してしまうので、屈曲部23aから照射された光が記録ヘッド10に到達することを防ぎ、直状部23b,23cからの光のみによって効率的にインクを硬化させることができる。
また、本実施の形態によれば、記録ヘッド10の最も近くに設けられる反射部材30aの記録ヘッド10側に隣接して光を捕捉する光トラップ部31を設けているので、紫外線照射装置20から照射された光が記録ヘッド10に回り込むことを防止できる。これにより、複数の直状部23b,23cが形成された線状発光体23から光を照射する場合でも、記録ヘッド10に付着したインクに光が照射されて硬化するのを防ぎ、ノズル欠等の吐出不良を引き起こすのを防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、光トラップ部31の内面に紫外線を吸収する紫外線吸収材がコーティングされているので、記録ヘッド10への紫外線の回り込みをより効果的に防止できる。これにより、複数の直状部23b,23cが形成された線状発光体23から紫外線を照射する場合でも、記録ヘッド10に付着したインクに光が照射されて硬化するのを防ぎ、ノズル欠等の吐出不良を引き起こすのを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、光源として低圧水銀ランプ22を用いているので、低電力・低出力でインクを硬化させることができ、経済性に優れている。また、このような低電力・低出力の光源を用いた場合でも効率的に光を集光することによりインク硬化に十分な照射強度を確保することができる。
また、本実施の形態によれば、インクに対して紫外線を照射することによってインクを硬化させるので、樹脂フィルム等のインク吸収性の乏しい記録媒体4に対しても画像を形成することが可能である。そして、このようなインクを用いる場合でも、照射された紫外線を効率よく集光することにより、安定してインクを硬化定着させることができる。
また、本実施の形態によれば、照射された光を蓄積する性質を有するカチオン重合系のインクを用いるので、低圧水銀ランプ22等のような低電力・低出力の光源を用いた場合でも安定してインクを硬化定着させることができる。
なお、本実施形態においては、低圧水銀ランプ22の形状は屈曲部23aを1箇所だけ設けて線状発光体23をU字状に形成し、線状発光体23の両端部に口金部23aが取り付けられる構成としたが、低圧水銀ランプ22の形状はここに例示したものに限定されない。
例えば、低圧水銀ランプとして、図6及び図7に示すように、線状発光体40が、より複数の直状部42a,42b,42c,42dと、各直状部42a,42b,42c,42dを2つずつ連結する複数の屈曲部41と、から構成されるものを用いてもよい。このように、より多くの直状部42a,42b,42c,42dを備えることにより、低圧水銀ランプに投入する電力及び光の出力をより大きくして照射強度を上げることが可能となる。この場合には、反射部材43も各直状部42に対応して反射部材43a,43b,43c,43dというように4つ設けられる。これにより、複数の直状部42a,42b,42c,42dから照射された光を効率的に集光することができる。また、被覆部材44は各屈曲部41を全て被覆するように形成される。
なお、この場合も、各反射部材43a,43b,43c,43dによって集光される光の集光位置Qは、前記各直状部42a,42b,42c,42dの各発光中心Za,Zb,Zc,Zdからほぼ等距離にある直線上に形成される。
なお、この場合も、各反射部材43a,43b,43c,43dによって集光される光の集光位置Qは、前記各直状部42a,42b,42c,42dの各発光中心Za,Zb,Zc,Zdからほぼ等距離にある直線上に形成される。
また、この場合、キャリッジに最も近接する位置に設けられた反射部材に隣接して光トラップ部45が設けられる。例えば、図6において右端部に位置する反射部材43aが最もキャリッジに隣接している場合、光トラップ部45は反射部材43aのキャリッジ側の側面に設けられる。
また、反射部材30a,30bは一体部品で構成するものとしてもよいし、別部品として構成されていてもよい。反射部材30a,30bを一体部品で構成した場合には、部品点数を減らして装置の小型化、軽量化を実現できる。
さらに、被覆部材32と反射部材30a,30bを、全て一体部品で構成するものとしてもよい。この場合には、さらなる部品点数の低減を図ることができ、装置の小型化、軽量化を実現できる。
さらに、被覆部材32と反射部材30a,30bを、全て一体部品で構成するものとしてもよい。この場合には、さらなる部品点数の低減を図ることができ、装置の小型化、軽量化を実現できる。
また、本実施形態においては、キャリッジ7に搭載された記録ヘッド10を主走査方向Aに往復移動させるとともに、記録媒体4を副走査方向Bに搬送させながら、記録ヘッド10からインクを吐出させて、画像を記録するシリアルヘッド方式のインクジェット記録装置1としたが、記録媒体4の全幅にわたって設けられ記録媒体4の上方において固定された記録ヘッドからインクを吐出させるとともに、記録ヘッドと直行する方向に記録媒体4を搬送させて、画像を形成するラインヘッド方式のインクジェット記録装置に適用することも可能である。
また、本実施形態では、紫外線を照射することにより硬化するインクを用いて画像記録を行うものとしたが、インクは必ずしもこれには限定されず、例えば、電子線、X線、可視光線、赤外線等の紫外線以外の光を照射することにより硬化するインクであってもよい。この場合、インクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用される。また、紫外線以外の光で硬化する光硬化性のインクを用いる場合は、紫外線光源に代えて、その光を照射する光源を適用する。
1 インクジェット記録装置
4 記録媒体
7 キャリッジ
10 記録ヘッド
20 紫外線照射装置
21 カバー部材
22 低圧水銀ランプ
23 線状発光体
24 口金部
30 反射部材
Q 集光位置
A 主走査方向
B 副走査方向
Ya,Yb 発光中心
4 記録媒体
7 キャリッジ
10 記録ヘッド
20 紫外線照射装置
21 カバー部材
22 低圧水銀ランプ
23 線状発光体
24 口金部
30 反射部材
Q 集光位置
A 主走査方向
B 副走査方向
Ya,Yb 発光中心
Claims (7)
- 記録媒体に対して光硬化性インクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録媒体の表面に着弾した前記光硬化性インクに光を照射する光照射装置とを備えたインクジェット記録装置であって、
前記光照射装置は、
複数の直状部と、前記直状部を連結する少なくとも1つの屈曲部と、が形成され、前記各直状部が前記各直状部の長手方向にほぼ平行となるように配置された線状発光体と、
前記各直状部に対応して配置され、前記各直状部から照射された照射光を反射させて所定の集光位置に集光させる反射部材とを備え、
前記所定の集光位置は、前記各直状部の発光中心からほぼ等距離にある直線上に形成されることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記屈曲部を被覆する被覆部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記各反射部材のうち前記記録ヘッドに最も近い前記反射部材の前記記録ヘッド側に隣接して、光トラップ部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記光トラップ部の内面に、光を吸収する光吸収材がコーティングされていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記線状発光体は、前記光硬化性インクを硬化させる光を発する低圧水銀ランプであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記光硬化性インクは、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化性インクであり、前記光照射装置から照射される光のうち少なくとも一部は紫外線であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記光硬化性インクは一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005284799A JP2007090743A (ja) | 2005-09-29 | 2005-09-29 | インクジェット記録装置 |
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2005
- 2005-09-29 JP JP2005284799A patent/JP2007090743A/ja active Pending
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