JP2007090607A - 普通紙タイプのインクジェット記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コックリングや裏抜けを抑制すると共に、強度とインク吸収性が低下しない普通紙タイプのインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】木材パルプを抄紙してなる基紙に、サイズプレスによって中空粒子又はお椀型粒子の水分散液を含浸させ、木材パルプ繊維2間に中空粒子又はお椀型粒子4を分散させる。一般的な中空粒子又はお椀型粒子としては、中空プラスチックピグメント;お椀型プラスチックピグメント;無機粒子であるバテライト、ゾノトライト、アルミナ中空粒子、セラミック中空粒子、シリカ系中空粒子;等が挙げられる。有機物系の中空またはお椀型のプラスチックピグメントとしては、スチレン−アクリル系共重合体を外殻とするものが挙げられる。
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェット記録媒体に関し、特にコックリングやインクの裏抜けの少ないインクジェット記録媒体に関する。
インクジェット記録方式はフルカラー化が容易で印字騒音が少なく、その印字性能も急速に向上している。このようなことから、インクジェット記録方式は多方面に利用されている。例えば、文書作成ソフトからの文書記録、デジタル写真などのデジタル画像の記録の他、銀塩写真や書籍などの美麗な印刷体をスキャナで取り込んで複製したり、ポスターなどの比較的少枚数の展示用画像作成にもインクジェット記録方式が適用されている。
そして、これらの用途に応じた構成のインクジェット記録媒体が提案されている。例えば、文書記録の場合は基紙上に直接記録する普通紙タイプの記録媒体が用いられる。又、デジタル画像記録や美麗な印刷体の複製等、銀塩写真に匹敵する解像度と色再現性が要求される場合は、インク受容層(塗工層)を有する塗工紙タイプの記録媒体が用いられる。特に、画像品質と共に光沢が要求される場合は、塗工層をキャスト方式で作成したキャスト紙タイプの記録媒体が用いられる。さらに、ポスターや展示用途の場合は、厚手の塗工層を有するロール状タイプの記録媒体が用いられる。
ところで、インクジェット記録媒体は、プリンターより吐出されたインクを吸収することが必要である。インクの吐出量は、画像の色再現性が要求されるにつれて多くなるため、上記した塗工紙タイプの記録媒体が開発されている。しかしながら、インクの一部は実際にはインク受容層より内部の基紙中に浸透し、インク量が多くなるに従って、コックリングや、裏抜け(印字画像が紙の裏面から透けて見えること)などの問題が生じることがある。又、塗工層のない普通紙タイプの記録媒体の場合は、コックリングがさらに生じ易くなる。
コックリングとは、記録媒体の印字部に存在する水性インク中の溶媒や親水性成分によって紙の主成分であるセルロース繊維の繊維間水素結合が切断され、又はセルロース繊維自体が膨潤することにより、記録媒体の印字部分のみが伸長して波打つ現象である。又、コックリングが生じると、画像品質の低下や、インクジェット記録媒体の搬送性低下などの二次的な問題を引き起こす可能性がある。
このようなことから、基紙の繊維間水素結合を減らして空隙を多くし嵩高とした技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。この技術によれば、基紙の空隙にインクが保持され、インクの裏抜けやコックリングが低減されると考えられる。
又、形状記憶樹脂である熱可塑性エラストマーを基紙に含浸させてコックリングを防止する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。熱可塑性エラストマーはガラス転移温度(Tg)以上の温度でゴム弾性を示す。そのため、Tg以上の温度で紙を平坦化させて形状を記憶させれば、Tg以下で紙が変形してもTg以上に再加熱することで元の形状に戻すことができる。
一方、インク受容層に吸水性、インク吸収性の中空顔料を含有させる塗工紙タイプの記録媒体が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2002−103791号公報 特開2004−066492号公報 特開2002−219851号公報 特許第3246061号公報
しかしながら、上記した特許文献1、2記載の技術の場合、空隙が多く、紙表面の平滑度が低下すると共に、繊維間結合が減少した分、紙の強度が低下するという問題がある。
又、特許文献3記載の技術の場合、特殊な樹脂を基紙に含浸させた後、Tg以上の温度で長時間加熱し続けるため(例えば、70℃以上で30分以上)、生産性に難があり、又、樹脂を含浸するために基紙の空隙が埋まり、インク吸収性が劣る。
特許文献4記載の技術の場合、インク受容層より基紙側にインクが浸透した際に、やはりコックリングが生じるおそれがある。
従って、本発明の目的は、コックリングや裏抜けを抑制すると共に、強度とインク吸収性が低下しない普通紙タイプのインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者らは種々検討した結果、基紙の木材パルプ繊維間に中空粒子又はお椀型粒子を分散させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。その理由は、基紙に浸透したインクの溶媒や親水性成分が基紙中の中空粒子やお椀型粒子の空隙に保持され、パルプ繊維間結合の切断や、繊維自体の膨潤が低減されるため、コックリングが防止されるものと考えられる。また、基紙に浸透したインクの溶媒や親水性成分は上記空隙に保持され、インクが基紙の裏面近傍まで浸透しなくなるため、裏抜けが抑制されると考えられる。
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明の普通紙タイプのインクジェット記録媒体は、木材パルプを抄紙してなる基紙を有し、該基紙の木材パルプの繊維間に中空粒子又はお椀型粒子が分散していることを特徴とする。
前記中空粒子又はお椀型粒子の粒径が0.1μm以上20μm未満であることが好ましい。前記中空粒子又はお椀型粒子の空隙率が15%以上90%未満であることが好ましい。前記中空粒子又はお椀型粒子がプラスチックピグメントであることが好ましい。
本発明によれば、コックリングや裏抜けを抑制すると共に、強度とインク吸収性が低下しない普通紙タイプのインクジェット記録媒体が得られる。
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット記録媒体について説明する。本発明の実施形態に係るインクジェット記録媒体は、木材パルプを抄紙してなる基紙を有し、該基紙の木材パルプの繊維間に中空粒子又はお椀型粒子が分散している普通紙タイプの記録媒体である。
ここで、「普通紙タイプ」とは、基紙表面に塗工層を設けないか、又は少ない塗工量の塗工層を設けた記録媒体をいい、塗工層を設けない基紙と同等の外観及び風合を持つ。例えば、この記録媒体の表面を光学顕微鏡で観察すると、基紙の繊維を視認することができる。
<基紙>
基紙に用いる木材パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独で使用し又は任意の割合で混合して使用することができる。
基紙の抄紙方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。又、抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、基紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、紙中に填料を含有させることが好ましい。填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。さらに基紙に、必要に応じて硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤等の助剤を含有してもよい。なお基紙の坪量は特に制限されない。
<中空粒子又はお椀型粒子>
図1は、基紙の木材パルプの繊維間に、以下に述べる中空粒子が分散している状態を示す。この図において、木材パルプの繊維2,2が交差しており、繊維2,2間に多数の中空粒子4が分散している。
中空粒子は、有機物又は無機物がほぼ球形の外殻を形成し、内部が空孔となっているものであり、外殻の一部が開口するものや、外殻の一部が凹んだものも含まれる。又、お椀型粒子は有機物又は無機物がほぼ球形の外殻を形成するが、外殻が大きく欠損して開口し、お椀のような形状となっているものをいい、例えば、中空重合体粒子の一部を平面で断裁して得られるような開口部を有する構造を持つ。
そして、中空粒子又はお椀型粒子は、通常は溶媒に分散された状態で取り扱われ、溶媒中では粒子の中空部分(空隙)に溶媒が充填されているが、溶媒が蒸発すると粒子内部が空洞となるため、液体に対する吸収能を有する。なお、中空粒子の外殻は密ではなく、外殻のわずかな孔や隙間から粒子内の空洞に液体を吸収できる。
なお、中空粒子又はお椀型粒子の存在は、基紙の断面の電子顕微鏡写真において、空孔を有する粒子、または穴の開いた粒子として確認することができる。図2は、基紙の木材パルプの繊維間に分散している中空粒子を示す拡大図である。この図において、中空粒子4の中央部に凹み4aが存在することがわかる。
一般的な中空粒子又はお椀型粒子としては、中空プラスチックピグメント;お椀型プラスチックピグメント;無機粒子であるバテライト、ゾノトライト、アルミナ中空粒子、セラミック中空粒子、シリカ系中空粒子;等が挙げられる。安定した品質のものが容易に入手しやすいという点で、中空粒子又はお椀型粒子として、中空又はお椀型のプラスチックピグメントを用いることが好ましい。有機物系の中空またはお椀型のプラスチックピグメントとしては、スチレン−アクリル系共重合体を外殻とするものが挙げられる。プラスチックピグメントのうち、中空粒子の具体的な商品名としては、ニッポールMH5055(日本ゼオン株式会社製)、ローペイクHP1055(ローム・アンド・ハース社製)が挙げられる。お椀型粒子の具体的な商品名としては、ニッポールV1005(日本ゼオン株式会社製)が挙げられる。
外殻が無機物である中空粒子又はお椀型粒子のうち、ゾノトライトは石灰と珪石を主原料とし、水熱合成して得られる珪酸カルシウムであり、日本インシュレーション社が商品を提供している。外殻がセラミックである中空粒子又はお椀型粒子は、例えば球状PMMA(ポリメタクリル酸メチル)の外面に、シリカ粉体を少量含むアルミナ粉体をコーティングした後、PMMAを熱分解することで形成することができる(特開2004-285394号公報、特開2004-284864号公報に製造方法が記載されている)。外殻が炭酸カルシウムである中空粒子又はお椀型粒子は、炭酸カリウム溶液を油相に加えてW/Oエマルションを作製し、このエマルションを塩化カルシウム水溶液に注ぐことにより、界面反応によって形成することができる(江前ら、第66回紙パルプ研究発表会(盛岡)講演要旨集、紙パルプ技術協会、p.142-147(1999年11月))。
中空粒子又はお椀型粒子の粒子径は0.1μm以上20μm未満であることが好ましく、粒子径が0.3μm以上10μm未満であることがさらに好ましい。0.1μm未満であると、後述する中空粒子又はお椀型粒子の空隙率が非常に小さくなり、吸収能が劣るため、コックリングや裏抜けの抑制が不充分となる場合がある。一方、粒子径が20μmを超えると、粒子のサイズが大きくなり過ぎて基紙の平滑度が著しく低下するため、インクジェット記録の印字品質が劣化する場合がある。なお、中空粒子又はお椀型粒子が中空プラスチックピグメントやお椀型プラスチックピグメントの場合は、粒子径が5μm以下であることが好ましい。
中空粒子又はお椀型粒子の空隙率は15%以上90%未満であることが好ましく、空隙率が20%以上70%未満であることがさらに好ましい。空隙率が15%未満であると、空孔の容積が非常に小さくなり、吸収能が低下するため、コックリングや裏抜けの防止が不充分となる場合がある。一方、空隙率が90%を超えると、粒子の外殻が非常に弱くなって外殻の破壊や変形が起こりやすくなり、結果として空孔が減少するので、コックリングや裏抜けの防止が不充分となる場合がある。
なお、粒子径は、個々の中空粒子又はお椀型粒子の最大粒子径を透過型電子顕微鏡を用いて測定し、200個の粒子の平均値を求めた値である。又、空隙率は、透過型電子顕微鏡を用いて測定した個々の粒子の最大粒子径と空孔の最大径より算出し、200個の粒子の平均値を求めた値である。
基紙中に中空粒子又はお椀型粒子を分散させる方法は特に限定されないが、基紙の表面に、中空粒子又はお椀型粒子を含有した溶液をポンド式サイズプレス等で含浸させることが好ましく、又はゲートロールコーター、ブレードコーター等で基紙の表面に上記溶液を塗布することが好ましい。ここで、上記溶液中に結着剤やサイズ剤等の助剤を任意の割合で混合することができる。なお、上記した含浸又は塗布による場合、基紙の表面側により多くの中空粒子又はお椀型粒子が分散するが、通常、基紙の中心部分には中空粒子又はお椀型粒子がほとんど含まれない。
なお、中空粒子を基紙に内添する場合、紙中に中空粒子をとどめておくことが難しく、製造コストが増大する場合がある。また、中空粒子を内添すると、紙料(パルプの分散液)が泡立ち、生産性が低下する場合がある。従って、上記含浸または塗布を行うことが好ましい。
中空粒子又はお椀型粒子は、インクジェット記録媒体に乾燥質量で0.1g/m以上10g/m未満含有されていることが好ましく、0.5g/m以上8g/m未満含有されていることがさらに好ましい。上記した含有量が0.1g/m未満であると、コックリングや裏抜けの防止が不充分となる場合があり、一方、含有量が10g/mを超えると、基紙の風合や質感を著しく損ない、普通紙タイプの記録媒体として適さない傾向にある。
<塗工層>
本発明の記録媒体は、普通紙タイプであるので、原則として基紙上にインク受容層等の塗工層を設けないが、基紙の質感を損なわない範囲内で、画質向上を目的として例えばバインダーやサイズ剤等の助剤を含有する塗工液を基紙上に形成することができる。基紙の質感を損なわない塗工量は、通常、片面あたり5g/m以下である。
<実施例>
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り、質量部及び質量%を示す。
なお、以下の中空粒子又はお椀型粒子は、いずれもスチレンーアクリル系共重合体を組成とする。
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度480ml)70%と針葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度500ml)30%とを混合し、この混合パルプに対してカチオン化澱粉0.5%、アルキルケテンダイマー0.05%、硫酸バンド2%、炭酸カルシウム10%を添加して紙料とした。この紙料を用いて長網抄紙機で紙匹を形成し、3段のウェットプレスを行った後、乾燥して基紙を作製した。
次に、基紙の両面に、以下の水分散液をポンド式サイズプレスにより、中空粒子の乾燥質量が両面合計で1g/mとなるように含浸させ、乾燥した後、マシンカレンダー処理して、坪量80g/mの普通紙タイプのインクジェット記録媒体を得た。
水分散液:中空粒子として粒子径1μm、空隙率55%の中空プラスチックピグメント(ローペイクHP1055:ローム・アンド・ハース社製)5%と、消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ社製)0.5%を水に分散した。
サイズプレスにおける中空粒子の乾燥質量が両面合計で4g/mとなるように含浸したこと以外は、実施例1と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
サイズプレスにおける中空粒子の乾燥質量が両面合計で8g/mとなるように含浸したこと以外は、実施例1と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子として、上記ローペイクHP1055の代わりに、粒子径0.5μm、空隙率55%の中空プラスチックピグメント(ニッポールMH5055:日本ゼオン社製)を用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子として、上記ローペイクHP1055の代わりに、粒子径0.35μm、空隙率35%の中空プラスチックピグメントを用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子として、上記ローペイクHP1055の代わりに、粒子径0.55μm、空隙率25%の中空プラスチックピグメント(ローペイクOP84J:ローム・アンド・ハース社製)を用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子として、上記ローペイクHP1055の代わりに、粒子径1.1μm、空隙率55%の中空プラスチックピグメントを用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子である上記ローペイクHP1055の代わりに、お椀型粒子として粒子径0.8μm、空隙率55%相当のお椀型プラスチックピグメント(ニッポールV1005:日本ゼオン社製)を用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例1>
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子である上記ローペイクHP1055の代わりに、密実粒子(内部に空孔がない粒子)として粒子径0.32μmの密実プラスチックピグメント(ニッポールV1004:日本ゼオン社製)を用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子である上記ローペイクHP1055の代わりに、密実粒子として粒子径0.25μmの密実プラスチックピグメントを用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
サイズプレスにおける水分散液中の中空粒子である上記ローペイクHP1055の代わりに、密実粒子として粒子径0.20μmの密実プラスチックピグメントを用いたこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例4>
サイズプレスにおける水分散液中に上記ローペイクHP1055を配合しなかったこと以外は、実施例2と全く同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
<評価>
1.コックリング
各インクジェット記録媒体のコックリングの程度を以下の方法で判定した。まず、表計算ソフト(エクセル)を用いて帯状の緑ベタ画像(幅15mm、長さ150mm)をインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−G820)を用いて各インクジェット記録媒体に印字した。プリンターの印字モードは、「普通紙/きれい」モードとした。
印字後の記録媒体を目視評価し、コックリング(波打ち具合)を判定した。
○:波打ちが小さく、凹凸はほとんどみられない。
×:波打ちが大きく、凹凸が目立つ。
2.裏抜け
上記コックリングの判定に用いた印字後の記録媒体を裏から目視し、インクの透け具合(裏抜け)を判定した。
○:裏抜けが殆どなく、印字画像も見えない。
△:裏抜けが若干あるが、印字画像は見えない。
×:裏抜けがあり、印字画像が透けて見える。
3.強度
実施例2、及び比較例4のインクジェット記録媒体の印字前の強度を、フラクチャー・タフネス・テスター(ローレンツェン・アンド・ベットレー社製のSE−064)を用い、JIS−P8113に準拠した引張強度測定法により測定した。
4.白色度
実施例2、及び比較例4のインクジェット記録媒体の白色度を、分光光度計(村上色彩技術研究所製のCMS−35SPX)を用い、JIS−P8148に準拠した白色度測定法により測定した。
5.インク吸収性
実施例2、及び比較例4の各インクジェット記録媒体に対し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製のPM−G820、「普通紙/きれい」モードで印字)を用いて緑ベタ帯を印字し、印字直後の印字部表面を目視観察した。以下の基準でインク吸収性を評価した。
○:インクが完全に吸収されており、印字部に濡れによる光沢はみられない。
×:インクが吸収されておらず、印字部に濡れによる光沢がみられる。
6.不透明度
実施例2、及び比較例4のインクジェット記録媒体の不透明度を、分光光度計(村上色彩技術研究所製のCMS−35SPX)を用い、JIS−P8149に準拠した不透明度測定法により測定した。
不透明度の値が大きいほど、裏抜けが少なくなる。
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、各実施例の場合、コックリングや裏抜けを抑制すると共に、強度とインク吸収性の低下はみられなかった。又、各実施例の場合、白色度及び不透明度も優れていた。
一方、中空粒子の代わりに、粒子内部に空孔のない密実粒子を基紙に含浸させた比較例1〜3の場合、コックリングと裏抜けを抑制できなかった。
又、中空粒子を基紙に含浸させなかった比較例4の場合も、コックリングと裏抜けを抑制できなかった。
なお、実施例2の試料は、通常の普通紙である比較例4の試料と同等の強度を有していた。
基紙の木材パルプの繊維間に中空粒子が分散している状態を示す図である。 基紙の木材パルプの繊維間に分散している中空粒子を示す拡大図である。
符号の説明
2 木材パルプの繊維
4 中空粒子
4a 中空粒子の凹み

Claims (4)

  1. 木材パルプを抄紙してなる基紙を有し、該基紙の木材パルプの繊維間に中空粒子又はお椀型粒子が分散していることを特徴とする普通紙タイプのインクジェット記録媒体。
  2. 前記中空粒子又はお椀型粒子の粒径が0.1μm以上20μm未満であることを特徴とする請求項1記載の普通紙タイプのインクジェット記録媒体。
  3. 前記中空粒子又はお椀型粒子の空隙率が15%以上90%未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の普通紙タイプのインクジェット記録媒体。
  4. 前記中空粒子又はお椀型粒子がプラスチックピグメントであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の普通紙タイプのインクジェット記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013500185A (ja) * 2010-01-31 2013-01-07 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 表面処理された紙

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