JP2007090339A - 中空糸膜モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 中空糸膜の洗浄時に中空糸膜外表面より剥離した懸濁物質が排出されやすく、中空糸膜の耐久性も向上した中空糸膜モジュールを提供する。
【解決手段】 中空糸膜束の両端部がそれぞれ束状に接着された中空糸膜モジュールであって、束状接着端部の一方が、中空糸膜端が開口した状態で筒状容器(3)内に固定され(4a)、他方が、中空糸膜束が複数の小束単位に分割されて束状に接着され(4b)、該小束単位内で中空糸膜端面がまとめて閉塞されている。さらに、各小束内の各々に糸状物若しくは棒状物(9)が併設され、その両端がそれぞれ束状接着端部に接着固定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上水処理用途などに用いられる中空糸膜モジュールに関する。詳しくは、長期間にわたり中空糸膜のろ過性能が低下せず、かつ耐久性も向上させた中空糸膜モジュールに関する。
一般に中空糸膜モジュールは、およそ数百本〜数万本の中空糸膜が束ねられた中空糸膜束をケース内に収納し、該中空糸膜束の少なくとも一方の端部を樹脂で接着するとともにケース内に固定した構成になっている。
たとえば特許文献1に、中空糸膜束の両端部がそれぞれ接着され、一方の接着部に複数個の貫通孔が設けられたモジュールが開示されているが、この貫通孔は原水の供給口、洗浄時の空気の供給口そして懸濁物質の排出口などの役割を果たす。ここで、中空糸膜モジュールの洗浄工程に着目する。中空糸膜モジュールは一定時間のろ過工程が終了すると、中空糸膜表面に付着している懸濁物質等を洗浄する工程に供されるが、このとき、洗浄排水が懸濁物質とともに貫通孔から排出されることになる。ところが通常、懸濁物質が排出される貫通孔の総開口面積は中空糸膜モジュールの横断面積の高々20%程度である。従って、複数個の貫通孔どうしの間は滞留箇所となるため、排出すべき懸濁物質が堆積していき、やがては中空糸膜表面を広く覆うとともに、固化して大きな塊になったり、容易に除去できなくなってしまう。結果として、中空糸膜のろ過面積減少による圧損の上昇や、固化した懸濁物質が一部の貫通孔に詰まり、原水や空気の供給が偏るなど中空糸膜モジュールの性能低下につながる。
上記問題を解決するために、例えば特許文献2に開示されているように、中空糸膜の一端をケース内に固定せずに1本ずつ封止し、懸濁物質の排出性を大幅に向上させる方法が考えられる。ところが、本形態の中空糸膜モジュールは、多数本ある中空糸膜の端面の1本1本を封止する作業が煩雑で時間を要するうえに、原水や洗浄用の空気を供給する際、中空糸膜が必要以上に激しく揺れて絡み合ったり、中空糸膜が折れるなどして損傷してしまう。
次に、懸濁物質の排出性も良好で、中空糸膜の封止作業も容易な中空糸膜モジュールの形態として、図3に示すように、封止する側の中空糸膜束端(下端)を複数の小束10に分割してそれぞれを樹脂で接着封止することが考えられる。しかしながら、前記小束10を構成する中空糸膜の中に他より短い中空糸膜が存在すると、下端接着部の樹脂の重量を他より短い中空糸膜が負担することになり、その中空糸膜が切れ易くなる。
特開平9−220446号公報 特開平7−60074号公報
本発明は、中空糸膜の洗浄時に中空糸膜外表面より剥離した懸濁物質が排出されやすく、かつ、中空糸膜の耐久性も向上した中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、次のような構成をとる。
(1)複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束の両端部がそれぞれ束状に接着された中空糸膜モジュールであって、束状接着端部の一方が、中空糸膜端面が開口した状態で接着された接着部Aであり、他方が、中空糸膜束が複数の小束単位に分割されて束状に接着され、中空糸膜端面が該小束単位内でまとめて閉塞されている接着部Bであり、少なくとも1本の糸状物若しくは棒状物が、前記複数の小束内の各々に併設され、糸状物若しくは棒状物の両端がそれぞれ前記接着部Aおよび前記接着部Bにおいて中空糸膜束と一緒に接着固定され、かつ、該糸状物若しくは棒状物の露出部の長さが、前記接着部Aと前記接着部Bの間の中空糸膜のうち最も短い中空糸膜の長さよりも短いことを特徴とする中空糸膜モジュール。
(2)中空糸膜束が筒状容器内に収納され、前記接着部Aにおいて、中空糸膜端面が開口した状態で接着されるとともに前記筒状容器に固定されたことを特徴とする(1)に記載の中空糸膜モジュール。
(3)前記接着部Aと前記接着部Bの間における前記棒状物の長さが可変であることを特徴とする(1)または(2)に記載の中空糸膜モジュール。
(4)前記筒状容器が通水可能な開放系筒状容器であることを特徴とする(2)又は(3)に記載の中空糸膜モジュール。
本発明によれば、中空糸膜束の一端が小束単位で接着されているため、中空糸膜の洗浄時に中空糸膜外表面より剥離した懸濁物質が排出されやすく、また、中空糸膜束の接着端部の自重による中空糸膜の切断が大幅に軽減され、中空糸膜モジュールの耐久性を向上させることができる。
本発明の最良の実施形態を、上水用の中空糸膜モジュールとして適用される場合を例にとって、図面を参照しながら以下に説明する。
図1は本発明に係る中空糸膜モジュールの一例を示す概略断面図である。この中空糸膜モジュール1は、数百本〜数万本の中空糸膜2が筒状容器3内に収納され、接着部A4aにおいて中空糸膜端面が開口した状態で筒状容器3内に液密に固定されている。一方、接着部B4bにおいては、数十本〜数千本からなる中空糸膜2が小束10の単位に分割された状態で、それぞれの小束10が、中空糸膜端面が閉塞された状態で接着されており、筒状容器3には固定されていない。そして、中空糸膜2の接着部A4a、接着部B4b以外の領域がろ過領域となる。
接着部B4bの束断面形状としては、円筒形、球形、円錐形や角錐形など任意である。
また、中空糸膜2の素材は特に限定されず、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどや、これらの複合素材を例示することができる。
中空糸膜2は、外径が0.3〜3mmの範囲であることが好ましい。これは、中空糸膜の外径が小さすぎると、中空糸膜モジュールを製作する際の中空糸膜取り扱い時や、中空糸膜モジュールを使用する際のろ過、洗浄時などに中空糸膜が折れて損傷するなどの問題があり、逆に外径が大きすぎると同じサイズの筒状ケース内に挿入できる中空糸膜の本数が減って濾過面積が減少するなどの問題があるからである。また、中空糸膜は、膜厚が0.1〜1mmの範囲であることが好ましい。これは、膜厚が小さすぎると、圧力で膜が折れるなどの問題があり、逆に膜厚が大き過ぎると圧損や原料代の増加につながるなどの問題がある。
また、接着部A4aおよび接着部B4bにおいて中空糸膜2を接着する樹脂としては、汎用品で安価であり、水質への影響も小さいエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシアクリレート樹脂などの高分子材料を用いることが好ましい。
次に、筒状容器3の両端にはろ過水を集める上部キャップ5aと原水や洗浄用の空気を供給する下部キャップ5bがそれぞれ取り付けられており、上部キャップ5aにはろ過水出口6が、下部キャップ5bには供給口8がそれぞれ設けられている。
これら、筒状容器3、上部キャップ5a、下部キャップ5bの材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、エチレン・三フッ化塩化エチレン(ECTFE)、フッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂、そしてポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素樹脂、さらにポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などが単独または混合して用いられる。また、樹脂以外ではアルミニウム、ステンレス鋼などが好ましく、さらに、樹脂と金属の複合体や、ガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂などの複合材料を使用してもかまわない。また、筒状容器3、上部キャップ5a、下部キャップ5bは同一の材質でもそれぞれ異なる材質でもかまわない。
ここで、本発明による中空糸膜モジュールの実施形態について詳しく説明する。
まず、図3に示す懸濁物質の排出性を向上させた従来の中空糸膜モジュールでは、多数本からなる中空糸膜2が小束10の単位に分割された状態で筒状容器3内に配置されている。それら小束の上端の接着部A4aにおいては束全体をまとめて接着され、また、下端の接着部B4bにおいては、それぞれの小束単位で接着されている。そして、各小束10はそれぞれが数十本〜数千本の中空糸膜2からなるが、数十本〜数千本の中空糸膜の中で他よりろ過領域が短い中空糸膜が存在したとすると、例えば、排水時に中空糸膜が接着部B4bの樹脂によって下方に引っ張られた時に、ろ過領域が最も短い中空糸膜にその引っ張りの張力が集中してしまう。その結果、ろ過領域が最も短い中空糸膜が切れ易く、切れた時にはその切断部から中空糸膜内のろ過水側に原水が直接流れ込むなどの問題が生じる。しかしながら、1つの小束を構成する数十本〜数千本からなる中空糸膜のろ過領域の長さがすべて同一になるように中空糸膜モジュールを製造することは、現実問題として容易なことではない。
一方、本発明によれば、図1に示すように、各小束10を構成する中空糸膜の中に少なくとも1本の糸状物若しくは棒状物9が混入されてるように併設されており、接着部A4aおよび接着部B4bにおいて中空糸膜と一緒に接着されている。ここで、小束10を構成する数十本〜数千本からなる中空糸膜2のうち、ろ過領域が最も短い中空糸膜のろ過領域の長さ(真っ直ぐ伸ばしたときの長さ)をLとすると、前記糸状物若しくは棒状物9の接着部A4aと接着部B4bを除いた部分(露出部)の長さ(糸状物の場合、真っ直ぐ伸ばしたときの長さ)はLより短い。これにより、中空糸膜2が接着部A4aと接着部B4bの間で引っ張られようとするとき、最も短い糸状物若しくは棒状物9に引っ張りによる張力が集中してかかる。
ここで、前記糸状物若しくは棒状物9としては、各小束10の接着部Bに作用する引張り張力がすべて前記糸状物若しくは棒状物9のみに集中しても破断しないだけの強さを有し、しかも、引張り張力がかかっても殆ど伸張せず、中空糸膜を実質的な非緊張状態に維持することができるものを用いている。即ち、この糸状物若しくは棒状物9は、引張り強さが大きく、かつ、引張りによる伸張が小さい線状材であって、引張り応力を負担する抵張力部材として機能するものであり、抵張力線状材ということもできる。この糸状物若しくは棒状物9が具備すべき引張り時の強さや伸度は小束10内の中空糸膜本数等の条件により左右されるが、一般的には、糸状物若しくは棒状物9の1本当たりの引張り強さが10N以上、引張り伸度が1%以下であればよい。
また、糸状物若しくは棒状物9自体が十分な強さを有していても、引っ張り張力により接着部A4aまたは接着部B4bから剥離してしまうおそれがある。従って、万が一、糸状物若しくは棒状物9が接着部A4aまたは接着部B4bから剥離しても、本発明による効果を損なうことがないようにするためには、2本以上の糸状物若しくは棒状物9を、各小束10に混入させておくことが好ましい。
糸状物としては、例えばワイヤーや天然繊維、化学繊維、樹脂チューブなど様々であるが、小束10にかかると予想される張力や接着部A4a、接着部B4bでの接着性などを考慮して選択すればよい。具体的には、引張りに対する強度が大きく伸度が小さく、抗張力線状材として利用されているもの、例えば、スチールワイヤやアラミド繊維コード等が挙げられる。また、糸状物はチューブのように中空状のものであってもかまわないが、当該中空状のものが破断した場合に、破断した箇所から原水がろ過水側に直接流れ込まないようにするために、接着部A4aにおいて当該中空状のものの端面が閉塞されていることが望ましい。
さらに、棒状物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、アクリルなどの樹脂製の棒や、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の棒など任意である。また、中空状の棒であってもかまわないが、前記糸状物同様に、当該中空状の棒が破断した場合に、破断した箇所から原水がろ過水側に直接流れ込まないようにするために、接着部A4aにおいて当該中空状の棒の端面が閉塞されていることが望ましい。
そして、小束内に併設する糸状若しくは棒状物として、長さが可変である棒状物を用いることがさらに好ましい。ここで、小束内における中空糸膜の弛み率を、次式
[(L−D)/D]×100
(但し、L:接着部Aと接着部Bの間の中空糸膜の長さ、D:接着部Aと接着部Bの距離)で表すと、一定長が維持される棒状物を用いる場合、前記弛み率が一定に保たれることになる。一般的に中空糸膜モジュールにおける弛み率は0〜3%に設定されることが好ましい。しかし、例えば、原水の濁度が高い条件下で使用される中空糸膜モジュールの場合は、弛み率を大きめに設定し、エアスクラビング時などにおける中空糸膜の揺れを大きくし、中空糸膜表面に付着した懸濁物質を剥離しやすくすることが好ましい。また逆に、原水が清澄な条件下で使用される中空糸膜モジュールの場合は、弛み率を小さくして中空糸膜の本数を増やし、膜面積を大きくすることができる。このように、原水の条件によって小束内における中空糸膜の弛み率を最適化することが好ましく、この他にも、運転条件などによっても好ましい弛み率の範囲が存在する。
本発明の場合では、小束内に長さ可変の棒状物を併設すれば、中空糸膜の弛み率を用途に応じて設定することができ、非常に望ましいことである。ここで、長さ可変の棒状物としては、ねじ構造により継合される部分を途中に1箇所若しくは複数箇所設け、ねじ込み量を変えることによって棒状物の長さを調整できるようにした構造の棒状物が例示される。例えば、このねじ構造を2箇所若しくは1箇所設けた棒状物によって中空糸膜の弛み率を変える方法としては、棒状物の端部側の部材を接着部Aおよび接着部Bに接着固定させ、あるいはそのいずれかにねじ口となる部材を設け、棒状物のねじ込み量を調整して、接着部Aと接着部Bとの間の距離を変え、中空糸膜の弛み率を変える方法が挙げられる。また、ねじ継合以外の伸縮可能な構造を棒状物の途中に設け、同様に中空糸膜の弛み率を変えたりすることでもよい。
次に、上記構成からなる中空糸膜モジュールによる原水の膜ろ過処理は次のようにして行うことができる。
まず、下部キャップ5bに設けた供給口8から原水を中空糸膜モジュール内に供給する。筒状容器3内のろ過領域に到達した原水は、排出口7から排出されるまでの間に、一部が各中空糸膜2を透過して中空糸膜の内部に浸入する。中空糸膜の内部に浸入したろ過水は中空糸膜の端部の開口面から上部キャップ5aに集められてろ過水出口6から取り出される。中空糸膜を透過しなかった濃縮水は、排出口7から排出される。
このような一定時間のろ過工程が終了すると、ろ過水または圧縮性気体をろ過水出口6側から原水側へ流す逆洗や、圧縮性気体を混入させた原水または圧縮性気体のみを供給口8側から供給し、中空糸膜モジュール1内に蓄積した懸濁物質を排出するエアースクラビングを行う。このとき、本実施形態においては、接着部B4bが筒状容器3に固定されていないため、中空糸膜2が接着部B4bと共に揺れやすく、中空糸膜2の表面に付着した懸濁物質が剥離しやすくなる。さらに、モジュール下方(供給口8)から排水する際も、懸濁物質を含む水が自由に動く複数の接着部B4bの間隙を通って排出されるため、中空糸膜モジュール1内には懸濁物質がほとんど残留せず、ろ過性能が低下しない。
さらに、排水時などに各小束10が接着部B4bの樹脂と共に下方に引っ張られても、十分な強度を有する糸状物若しくは棒状物9が張力を負担することで、中空糸膜2が切断して原水がろ過水側に直接流れ込むなどの問題を回避でき、中空糸膜の修復作業(切れた中空糸膜を閉塞するなど)を行うことなく、長期間にわたって中空糸膜モジュール1を安定して使用することができる。
上記の説明は、原水を供給口8から供給して加圧ろ過する加圧型中空糸膜モジュールについて述べたが、中空糸膜モジュールを原水が入った処理水槽内に浸漬させ、ろ過水出口6側から吸引ろ過する浸漬型中空糸膜モジュールであってもかまわない。その場合、筒状容器3は、例えば網状になっていて通水可能な状態であることが好ましい。これは、筒状容器3を通じて原水の取り込みが可能になり、吸引ろ過の抵抗を大幅に小さくできる上に、懸濁物質の排出も筒状容器3を通じて行え、懸濁物質の排出性がさらに向上するからである。さらに、筒状容器3により、エアースクラビング時などに中空糸膜2が過剰に揺れて切断することなどを防止できるという効果もある。しかし、中空糸膜2が過剰に揺れることなどを留意しなくてもよい場合は、図2に示すように、筒状容器を有さない浸漬型中空糸膜モジュールであってもかまわない。この場合、筒状容器がないため中空糸膜モジュールの部材費を低減することができる。
<実施例1>
図1に示す中空糸膜モジュールを用いて原水の膜ろ過処理を行った。
中空糸膜としては、外径1.5mm、内径0.9mmm、長さ約1000mmのポリフッ化ビニリデン製多孔質中空糸膜を約3000本用いた。筒状ケースは、ABS樹脂製で、内径約130mm、長さ約1000mmであった。また、接着部Aと接着部Bにはそれぞれウレタン樹脂を使用した。接着部Bは円筒形とし、420本から430本の中空糸膜をまとめて端面を閉塞し小束とした。
さらに、糸状物(抗張力部材)として、直径0.5mmのステンレスワイヤーを用い、それぞれの小束において、ろ過領域が最も短い中空糸膜のろ過領域の長さ(真っ直ぐ伸ばしたときの長さ)が998mmから1001mmであったのに対し、ステンレスワイヤーの接着部Aと接着部Bを除いた部分の長さ(真っ直ぐ伸ばしたときの長さ)を988mmから990mmとした。
そして、原水として琵琶湖湖水をポンプにより40L/m・hrで供給してろ過を30分行い、その後、ろ過水60L/m・hrで逆洗し、エアーを100L/minで1分間、供給口からモジュール内へ吹き込み、同じく供給口から排水した。このろ過、逆洗およびエアースクラビング、排水のサイクルを繰り返した。
その結果、12ヶ月経過しても膜破断検査による中空糸膜の破断は確認されなかった。
<比較例1>
各小束に、糸状物(抗張力部材)を併設しなかった以外は、実施例1と同様の中空糸膜モジュールを用いて、同様に原水のろ過を行った。その結果、約6ヶ月後の膜破断検査で、1本の中空糸膜が切断していることが分かったので、ろ過を再開する前に、切断していた中空糸膜を樹脂で閉塞する作業を行なった。
本発明に係る中空糸膜モジュールの一実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明に係る中空糸膜モジュールの他の一実施形態を示す概略縦断面図である。 従来の中空糸膜モジュールを示す概略縦断面図である。
符号の説明
1 :中空糸膜モジュール
2 :中空糸膜
3 :筒状容器
4a:接着部A
4b:接着部B
5a:上部キャップ
5b:下部キャップ
6 :ろ過水出口
7 :排出口
8 :供給口
9 :糸状物若しくは棒状物
10 :小束

Claims (4)

  1. 複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束の両端部がそれぞれ束状に接着された中空糸膜モジュールであって、束状接着端部の一方が、中空糸膜端面が開口した状態で接着された接着部Aであり、他方が、中空糸膜束が複数の小束単位に分割されて束状に接着され、中空糸膜端面が該小束単位内でまとめて閉塞されている接着部Bであり、少なくとも1本の糸状物若しくは棒状物が、前記複数の小束内の各々に併設され、糸状物若しくは棒状物の両端がそれぞれ前記接着部Aおよび前記接着部Bにおいて中空糸膜束と一緒に接着固定され、かつ、該糸状物若しくは棒状物の露出部の長さが、前記接着部Aと前記接着部Bの間の中空糸膜のうち最も短い中空糸膜の長さよりも短いことを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 中空糸膜束が筒状容器内に収納され、前記接着部Aにおいて、中空糸膜端面が開口した状態で接着されるとともに前記筒状容器に固定されたことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記接着部Aと前記接着部Bの間における前記棒状物の長さが可変であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記筒状容器が通水可能な開放系筒状容器であることを特徴とする請求項2又は3に記載の中空糸膜モジュール。
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