JP2007089491A - 牛の第２胃洗浄機 - Google Patents

Abstract

【課題】食用に供される牛の第２胃（ハチノスと呼称）は、洗浄性の良くない縦型バスケット型洗浄機か、水槽内で手洗浄するか、高圧水でひだ内部を洗浄する事が普通であったが、人手によるひだ内部の腹糞除去の必要ないハチノス洗浄と、更にハチノス白ボイル迄を可能とするハチノス洗浄機を提供すること。
【解決手段】ハチノスのひだ内部の腹糞汚物を自動的に洗浄する為、円筒型水槽１の内部に、４枚の回転羽根３を持つ低い円錐型回転円板２を回転させ、円筒型水槽１側面に連続した等辺三角山形の側板４を配置した構造により、側板４にて発生する強力な旋回水流でひだ内部洗浄を可能とし、更に温湯使用にてハチノス表面の薄皮分離が出来て、白ボイル製品迄出来るハチノス洗浄機を実現させる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、通称ハチノスと呼ばれる牛の第２胃の洗浄作業が、第２胃の絨毛が蜂の巣の様なひだになっていることから手洗いによる作業が主体であり、効率良くひだ内部まで洗浄する機械が無かった事から、ひだ内部まで確実に洗浄を可能とし、且つハチノス表面の薄皮分離可能な構造を持つハチノス洗浄機に関するものである。

食用に供するハチノスは、牛をと畜後内臓摘出でと体から胃を除去した後、第１胃（ミノ）から第２胃（ハチノス）を分割し、ハチノスのひだ内に付着した腹糞を現状では処理が大変な為洗浄のみを施して生出荷するか、又は温湯で薄皮の分離を施した白色ボイル出荷がある。このハチノス洗浄機には、これまで牛の小腸、大腸の洗浄に用いられる縦型回転バスケット型が用いられているが、ハチノスには多くのひだがありハチノス洗浄に適しているとは言えない現状にある。ひだ内部の汚物を洗浄するには高圧水を使用したり、水槽内での手揉み洗いのため手間がかかり且つ非衛生的な作業であるにも拘わらず、ハチノス洗浄に適した洗浄機は無い状況にある。

本発明の目的は、ハチノスひだ内の腹糞洗浄に問題のある縦型回転バスケット型洗浄機による洗浄や、手揉み洗いを主体とするハチノス洗浄の代わりに、ひだ内部まで自動洗浄可能で、且つ表面の薄皮剥離まで効率良く剥皮出来るハチノス洗浄機を提供することにある。

前述した目的を達成するため、本発明は、ハチノス２〜４頭分を収納できる円筒型水槽１の内部に、回転する低い円錐型回転円板２の上に中心軸と４枚の回転羽根３を配置し、更に円筒型水槽１側面には連続した等辺三角山形の側板４を配置し、回転円板２で強力な旋回水流を発生させる構造を有する洗浄機である。

この構造の洗浄機の特徴は、回転する低い円錐型円板２上の回転羽根４枚の回転で発生する強力な水流が、側面の等辺三角山形の側板４に当たり旋回水流となり、水中のハチノスを旋回させつつ移動させるので、ハチノスのひだ内部の汚物を吐き出すように洗浄する。加えてこの旋回水流は回転円板２の中心軸周りで水槽上方の水面から下方向に向かうので水槽上水面のハチノスは、順次中心軸方向に引きつけられて、旋回水流に入る事が可能となるから、２〜４頭分を均等に洗浄する事が出来る。

ハチノス洗浄に必要な水は水槽上部の蓋１１に装備された給水弁７と円周にシャワーノズルを備えた温湯弁８を持ち、水槽に水を貯め水洗浄する時は、給水弁７から水を満水供給してからハチノスを投入し洗浄動作に入る。洗浄時間は、ハチノスの大きさに依るが４〜６分である。

ハチノス白仕上げ洗浄する時は、円周上に均等なシャワーノズルを備えた温湯弁８を使用し、７０度程度の温湯を連続給湯しながら洗浄を行うと温湯の旋回流によりハチノス表面の薄膜を剥皮され、ひだ内部までをきれいに洗浄する事が可能となり、ハチノス白仕上げしたボイル製品とする事が出来る。

洗浄で汚れた水は、水槽底面にある排水口９から手動排水弁１０により外部に排出されるが、回転洗浄中は給水弁７の給水量又は温湯弁８の給湯量に見合った排水量に手動排水弁１０で調節する。

洗浄を完了したハチノスは、回転円板２が停止している状態で、円筒水槽側面にある手動ハンドル１３を持ち上げ製品取出し扉１２を開きハチノスを受け板１４に落して取出す。

円筒型水槽１の中心軸に対し直角に配置された４枚のカマボコ形回転羽根３を持つ回転円板２の駆動は、底面下に取付けられた駆動プーリーベルト６を持つ減速機付モータ５により行われる。

ハチノスの食品衛生を重視して、円筒型水槽１内部及び製品に接する部分の材質は全てＳＵＳ製を使用する。

駆動モータ回転速度は、回転円板２による旋回水流の大きさ形状に大きく影響し、洗浄効果を左右する。その回転数は洗浄機本体側面にある別置き制御盤１６にて任意に設定され、ハチノス洗浄に最適回転数で運転可能である。

本発明のハチノス洗浄機を利用する方法によれば、従来の洗浄機や手作業洗浄作業に較べ、ひだ内部の腹糞汚物が残らない洗浄の出来た製品が得られ、且つ温湯洗浄により表皮の剥皮機能をも発揮できる事から白色ボイルしたハチノス製品が得られる効果は極めて顕著なものがある。

以下、本発明による好適な実施形態を、添付図面にて示す。

本発明は、ハチノス洗浄に問題のある縦型回転バスケット型洗浄や、水槽内手揉み洗浄や、高圧水でひだ内部処理して来た事に較べると、極めて衛生的であり、洗浄作業者の作業の改善に大きく寄与し、本ハチノス洗浄機は洗浄だけの生出荷を可能とし、更に白仕上げハチノス製品の生産に対し最良の策を提供する。

ハチノス洗浄機の正面図と水槽内部構造を示すA-A 矢視図である。 ハチノス機の駆動系を示すB-B 矢視図である。

符号の説明

１ ハチノス洗浄機水槽(ＳＵＳ製)
２ 回転円板(ＳＵＳ製)
３ 回転羽根(ＳＵＳ製) ４枚
４ 等辺三角山型側板(ＳＵＳ製) 製品取出し扉部分側板なし
５ 回転円板駆動モータ
６ 駆動プーリーベルト
７ ２５Ａ給水弁
８ ２５Ａ温湯弁（シャワー付属）
９ ５０Ａ排水口(ＳＵＳ製)
１０ ５０Ａ排水弁(ＳＵＳ製)
１１ 水槽上蓋(ＳＵＳ製)
１２ 製品取出し扉(ＳＵＳ製)
１３ 操作ハンドル(ＳＵＳ製)
１４ 製品受け板(ＳＵＳ製)
１５ 回転円板中心軸固定ボルト付(ＳＵＳ製)
１６ 制御盤（操作スイッチ付）
１７ 制御盤用台車
１８ モータ電源ケーブル
１９ キャスター

Claims (1)

1. 食用に供される牛の第２胃（ハチノスと呼称）の洗浄工程において、従来の水槽内の手洗浄や高圧水でひだ内部の汚物を洗浄していた手作業に替わり、円筒型水槽内に４枚の回転羽根を持つ回転円板で強力な水流を発生させ、円筒型水槽の円周に配置された等辺三角山型側板に水流を当てて旋回水流とし、この作用でハチノスのひだ内部まで洗浄可能とし、更に温湯でハチノス表面の薄皮分離迄を可能とする、ハチノス製品を効率的に生産できるハチノス洗浄機。
   

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