JP2007087650A - 燃料電池用燃料極およびその動作方法ならびに燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高濃度のCOが混入したH2ガスでも高能率で動作し、また、発電効率が低下した場合にはH2を流通させることにより短時間で発電効率が復活する燃料電池用燃料極を提供する。
【解決手段】 燃料極16とCO選択酸化触媒20とが複合した構造を有する燃料極複合体10とする。燃料極としては、例えばPtまたはPt/Ruを含むものを用いることができる。CO選択酸化触媒としては、例えばFe2O3/Pt/TiO2を用いることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 燃料極16とCO選択酸化触媒20とが複合した構造を有する燃料極複合体10とする。燃料極としては、例えばPtまたはPt/Ruを含むものを用いることができる。CO選択酸化触媒としては、例えばFe2O3/Pt/TiO2を用いることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電気化学的な反応を利用して発電を行う、例えば定置型あるいは移動型として使用される燃料電池用の燃料極に関し、特に、水素、メタノールやその他のアルコールおよびそれらの水溶液、あるいはその他の炭化水素系燃料およびそれらの混合物を燃料として用いる燃料電池用の燃料極に関する。より具体的には、本発明は、Pt/C、Pt/Ru/C等の組成を持つ電極がCOにより被毒されることを防いだり、上記電極のCOによる被毒を除去・回復させたりする機能を持つCO除去触媒を複合(ハイブリッド)させた構造を有する燃料極ないしは燃料極複合体に関するものである。
電気化学デバイスの典型例である燃料電池は、電解質を介して一対の電極を接触させ、一方の電極(燃料極)に燃料を、他方の電極(酸化剤極)に酸化剤を供給し、燃料の酸化を電池内で電気化学的に生じさせることにより、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。燃料電池には電解質の種類によりいくつかの型があるが、近年では、高出力の得られる燃料電池として、電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池(PEFC)およびメタノール直接型燃料電池(DMFC)が注目されている。
例えば固体高分子型燃料電池では、燃料極(アノード)に水素ガスを、酸化剤極(カソード)に酸素ガスを供給し、外部回路より電流を取り出すとき、下記のような反応が生じる。このとき、燃料極上の白金等の触媒が有効に機能し、式(1)の反応が殆ど過電圧を生じず、スムーズに進行することが望ましい。
・燃料極反応:H2→2H++2e− …(1)
・酸化剤極反応:2H++2e−+1/2O2→H2O …(2)
また、水素燃料以外の燃料、例えば取り扱いが容易なアルコールや炭化水素を用いる場合、燃料を燃料極で直接酸化する方式と、改質器により下記式(3)のような反応により水素に改質してから供給する方式とがある。しかし、後者の場合、下記式(4)のシフト反応により、微量のCOが燃料中に混入する。
・改質反応:CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(3)
・シフト反応:CO2+H2→CO+H2O …(4)
上記のいずれの方式においても、固体高分子型燃料電池のような電気化学デバイスでは、数十ppmのCOの混入により、電極触媒が被毒して、アノード反応の過電圧が増大して発電特性が低下することが問題となっている。メタノール直接型燃料電池についてもCOによる電極触媒の被毒は同様に大きな問題である。
・燃料極反応:H2→2H++2e− …(1)
・酸化剤極反応:2H++2e−+1/2O2→H2O …(2)
また、水素燃料以外の燃料、例えば取り扱いが容易なアルコールや炭化水素を用いる場合、燃料を燃料極で直接酸化する方式と、改質器により下記式(3)のような反応により水素に改質してから供給する方式とがある。しかし、後者の場合、下記式(4)のシフト反応により、微量のCOが燃料中に混入する。
・改質反応:CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(3)
・シフト反応:CO2+H2→CO+H2O …(4)
上記のいずれの方式においても、固体高分子型燃料電池のような電気化学デバイスでは、数十ppmのCOの混入により、電極触媒が被毒して、アノード反応の過電圧が増大して発電特性が低下することが問題となっている。メタノール直接型燃料電池についてもCOによる電極触媒の被毒は同様に大きな問題である。
そこで、上述したCOによる被毒の影響を低減するために、従来より数々の工夫がなされてきた。基本的には、COの被毒を受けにくい電極、具体的にはPt/Ru合金等の電極触媒を用いた燃料極が開発されてきた。本発明はこれと全く異なる方式であり、例えば燃料極に使用する燃料中のCOを選択的に除去する機能を付与するものである。
電極触媒の組成については、Pt/Ru合金を用いた場合は、100ppmのCO濃度まで発電効率を維持できることが報告されている(非特許文献1参照)。しかし、電極触媒組成による改善では、Pt/Ru合金でもCO被毒対策としてはまだ不充分である。
燃料中のCOを除去する方法としては、電極触媒を含む層中で空気を添加して除去する方法(特許文献1参照)や、燃料電池の燃料中に微量の空気を混入する方法(非特許文献2参照)等が報告されている。
上述した空気混入によるCOの除去方法では、燃料中のCOを酸化し、被毒を与えない程度にCO濃度を低減することは可能でも、同時に大量の水素も燃焼してしまい、燃料の消費量を増大させてしまう欠点がある。
前述のように、従来の燃料電池では、COによる燃料極の被毒を低減するために、COの被毒に強い電極触媒の開発や燃料ガス中に空気を混入する方法が試みられてきた。しかしながら、電極触媒に被毒に強いPt/Ru合金を採用しても、CO被毒対策としてはなお不十分であり、アノード反応の過電圧が増大し特性の低下を抑えることができないという課題があった。また、空気混入によるCO除去方法を採用した場合には、被毒を与えない程度にCO濃度を低減できるものの、同時に大量の水素を燃焼するため、燃料の消費量が増大してしまい、さらに水素に必要以上に酸素を混入させることは安全上好ましくなく、実用上問題が大きいという課題があった。そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決することにある。
本発明の発明者のうちの田中虔一は、H2中のCOの選択酸化活性が高い新規の触媒を開発した(特許文献2参照)。特許文献2に記載された触媒を使用することにより、アノード極でのH2の酸化、消費を抑えてCOを酸化することが可能となった。ただし、特許文献2の発明は、燃料電池の主要構成要素である燃料極および燃料極ユニットそれ自体に関する発明ではない。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するためにさらに検討を行った結果、CO選択酸化触媒、具体的には例えば特許文献2に記載された触媒を固体高分子型燃料電池のPt燃料極に複合化(ハイブリッド)する方法で製作された燃料極(ないしは燃料極ユニット)は、数百ppmあるいは数千ppm単位の高濃度のCOが混入しているH2を燃料として用いても、約70%程度の発電効率を維持することを見出した。また、本発明者らは、70%程度まで発電効率が低下した上記燃料極ユニットは、高純度のH2を流通させた場合、驚くべきことに、1分程度の短時間で発電効率がほぼ100%まで復活することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記(1)〜(8)に示す燃料電池用燃料極、燃料電池用燃料極の動作方法および燃料電池を提供する。
(1)電極触媒とCO除去触媒とを保有することを特徴とする燃料電池用燃料極。
(2)前記CO除去触媒はCO選択酸化触媒であることを特徴とする(1)の燃料電池用燃料極。
(3)前記電極触媒はPtまたはPt/Ruを含むことを特徴とする(1)または(2)の燃料電池用燃料極。
(4)前記CO除去触媒は、室温以上のいずれかの温度でCOの除去率が80%以上(ただし、条件はH2:CO:O2=20:3:1.5ml/min)であることを特徴とする(1)から(3)の燃料電池用燃料極。
(5)(1)〜(4)の燃料電池用燃料極を動作させる当たり、燃料のH2に混入したCOの量を1とした場合、前記燃料電池用燃料極にO2を0.5から1の範囲で接触させることを特徴とする燃料電池用燃料極の動作方法。
(6)前記燃料のH2に混入したCOが1ppm以上であることを特徴とする(5)の燃料電池用燃料極の動作方法。
(7)前記燃料のH2に混入したCOが100ppmから1000ppmであることを特徴とする(5)の燃料電池用燃料極の動作方法。
(8)前記燃料のH2に混入したCOが1000ppm以上であることを特徴とする(5)の燃料電池用燃料極の動作方法。
(9)(1)〜(4)の燃料電池用燃料極を構成要素とすることを特徴とする燃料電池。
(1)電極触媒とCO除去触媒とを保有することを特徴とする燃料電池用燃料極。
(2)前記CO除去触媒はCO選択酸化触媒であることを特徴とする(1)の燃料電池用燃料極。
(3)前記電極触媒はPtまたはPt/Ruを含むことを特徴とする(1)または(2)の燃料電池用燃料極。
(4)前記CO除去触媒は、室温以上のいずれかの温度でCOの除去率が80%以上(ただし、条件はH2:CO:O2=20:3:1.5ml/min)であることを特徴とする(1)から(3)の燃料電池用燃料極。
(5)(1)〜(4)の燃料電池用燃料極を動作させる当たり、燃料のH2に混入したCOの量を1とした場合、前記燃料電池用燃料極にO2を0.5から1の範囲で接触させることを特徴とする燃料電池用燃料極の動作方法。
(6)前記燃料のH2に混入したCOが1ppm以上であることを特徴とする(5)の燃料電池用燃料極の動作方法。
(7)前記燃料のH2に混入したCOが100ppmから1000ppmであることを特徴とする(5)の燃料電池用燃料極の動作方法。
(8)前記燃料のH2に混入したCOが1000ppm以上であることを特徴とする(5)の燃料電池用燃料極の動作方法。
(9)(1)〜(4)の燃料電池用燃料極を構成要素とすることを特徴とする燃料電池。
前述した通り、例えば固体高分子型燃料電池の場合で、100ppm以下のCOが混入していても、発電効率が一定程度維持可能なPt/Ru系燃料極については、各種の試みがあり、報告例も多いが、数百ppm例えば500ppm以上、あるいは800ppm以上、さらには1000ppm、場合によりそれ以上の高濃度のCOが混入しているH2ガスでも有効に動作する、燃料極の報告例は殆どなく、かつ、短時間で回復可能な燃料極の報告例も見当たらない。さらには高濃度のCOが混入したH2ガスでも比較的高能率で動作し、かつ高純度のH2を流通させた場合、1分程度の短時間で発電効率がほぼ100%まで復活する燃料極の報告例はまったく存在しない。本発明のハイブリッド方式を、例えばPt/Ru電極触媒を使用した電極と複合化することにより、数千ppm単位のCOが混入したH2を燃料として直接使用することも可能である。また、本発明の実施例の電極はメタノール水溶液を原料とした場合でも発電可能であることを確認している。
本発明の燃料極は、高濃度のCOが混入したH2ガスでも高能率で動作し、また、発電効率が低下した場合にはH2を流通させることにより短時間で発電効率が復活する。
本発明は、燃料極の部分に種々の方法でCO除去触媒を複合化(ハイブリッド)することにより構成される電極ユニットないしは電極複合体の形式で提供される。CO除去触媒としては、COを化学的反応により除去できる触媒であればよいが、特にCO選択酸化触媒が好適である。ただし、それ以外にCOからメタンを生じるメタネーション触媒も、状況に応じ使用することも任意である。
本発明に用いるCO選択酸化触媒等のCO除去触媒は、後述する実施例の触媒に限定されるものではなく、Pt系、Ru系、Au系やその他公知の貴金属、卑金属、および酸化物系の触媒が使用可能である。メタノール直接型燃料電池のようにメタノール等のアルコールを燃料として使用する場合は、メタノール等を分解し、副生成物を除去できる機能を持つ触媒を使用することが望ましい。
なお、CO選択酸化触媒のCO選択酸化能力の定義は一義的ではないが、例えば、H2+CO+O2の混合ガスを使用し、これらの流量比がH2:CO:O2=20:3:1.5ml/minであるガス条件の場合に、30〜1000℃のいずれかの温度域、場合により40〜150℃のいずれかの温度域、さらに他の場合によれば60℃〜150℃のいずれかの温度域でCOの酸化除去率が80%以上、さらに好ましくは90%以上の触媒であれば、本発明に好適に使用できる。
また、H2中のCOに対するO2の比は、燃料のH2に混入したCOの量を1としたとき、O2が0.5〜1の条件でCOを選択酸化可能な触媒が好適である。この場合、混入するO2はCOと等量あるいはそれ以下であるので、安全上の問題は事実上ない。また、水素の酸化損失量も極めて少ない。
本発明に使用するCO選択酸化触媒としては、一例として特許文献2に記載の触媒、すなわち貴金属を担持した金属酸化物を同種あるいは異種の金属酸化物で被覆した触媒の中で選択し、任意に用いることが可能であるが、具体的には例えばFexOy/Pt/TiO2、FexOy/Pt/Al2O3、FexOy/Pt/CeO2、FexOy/Au/TiO2、FexOy/Au/Al2O3、FexOy/Au/CeO2等の触媒、より具体的にはFe3O4/Pt/TiO2、Fe2O3/Pt/Al2O3、Fe2O3/Pt/CeO2等の触媒が使用できる。TixOy/Au/TiO2あるいはTixOy/Au/TiO2も使用可能である。これらの中でFe3O4/Pt/TiO2が特に好ましい場合がある。なお、特許文献2には、燃料極と該特許文献2記載の触媒とを複合化することおよびその効果に関する記載はない。
また、特許文献2の実施例1に記載の方法で製造されたFexOy/Pt/TiO2(担体に対してPtが1%)上でSn、B、BiあるいはPbの化合物の分解反応を行い、CO酸化の選択性の向上を図った触媒も適宜使用可能である。具体的には、FexOy/Pt/TiO2(担体に対してPtが1%)上でSn(CH3)4+2H2あるいはSn+4CH4の反応を100℃で行い、CO選択性を95%以上に調整した触媒を本発明の電極ユニットないしは電極複合体に使用することもできる。なお、上記方法に使用する材料は、FexOy/Pt/TiO2以外でも、貴金属を担持した金属酸化物を同種あるいは異種の金属酸化物で被覆した触媒の中で好適なものを原材料として選定することができる。例えば、FexOy/Au/TiO2でもよい。
本発明は、種々の方法によってCO除去触媒を複合化、あるいは付加することにより得られる燃料極であるが、燃料極に使用する電極触媒等の種類についても特に限定はなく、Pt系、Pt/Ru系やその他の化合物の組成による電極触媒が使用できる。なお、Ptは正20面体、10面体の形状の微粒子が好ましい場合がある。このPt微粒子は、例えば負電位をコントロールした負電極で作成することが可能である。
本発明において、CO選択酸化触媒等のCO除去触媒を燃料極に複合化する方法としては、既に形成された電極触媒膜に塗布やスクリーン印刷等の技法で積層するほか、気体透過性膜に別途塗布し、複合化する方法も好ましい。気体透過性膜は導電性材料で形成されていることが好ましい。また、CO選択酸化触媒を燃料極のどの箇所に複合化するかも、燃料極の機能上大きな問題がない範囲で、適宜選定できる。なお、CO選択酸化触媒等のCO除去触媒は通常粉体であるが、公知の分散方法を用い、アルコール、水、その他の溶媒に分散し、液状、インク状にして塗布あるいは印刷することが好ましい。上記分散液には、燃料極の特性を大きく妨げない範囲で、バインダー(結合剤)などの他の成分を添加することも任意である。
図1は、本発明に係る燃料電池の一例を示す模式図である。本例の燃料電池において、10は燃料極、12は空気極、14は固体高分子電解質膜、16はPt電極触媒膜、18はカーボンペーパー、20はCO選択酸化触媒膜、22はセパレータを示す。また、図2は、本発明に係る燃料極複合体の製造方法の一例を示す模式図である。この燃料極複合体30は、例えば、グラファイト32上にCO選択酸化触媒膜34を成膜することにより作製することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は下記例に限定されるものではない。
(実施例)
市販の燃料電池用Pt/C触媒(Pt:45.8%、田中貴金属工業社製TEC10E50E)と5%ナフィオン(商品名、以下同じ)溶液とを質量比で1:10となるように秤量して混合し、塊ができないようによく混ぜた。しかる後、加熱乾燥し、さらに160℃で3時間加熱した。Pt/C電極触媒を塗布するカーボンペーパーは、前処理として、カーボンブラック0.6g、ポリテトラフルオロエチレン(PtFE)5ml、純水20mlを混合して調製した溶液に浸した後、300℃で5分間加熱乾燥した。ナフィオン溶液と混合したPt/C電極触媒をカーボンペーパー1cm2当たり2mgとなるように秤量し、少量のイソプロピルアルコールと混合して塗布した。室温でイソプロピルアルコールを蒸発させた後、Pt/C電極触媒を塗布したカーボンペーパー2枚を用いてプロトン化したナフィオン112を挟み、さらにそれを前処理のないカーボンペーパー2枚を用いて挟み、1MPa、120℃で1分間加熱圧着することにより、Pt/C燃料極を作製した。
市販の燃料電池用Pt/C触媒(Pt:45.8%、田中貴金属工業社製TEC10E50E)と5%ナフィオン(商品名、以下同じ)溶液とを質量比で1:10となるように秤量して混合し、塊ができないようによく混ぜた。しかる後、加熱乾燥し、さらに160℃で3時間加熱した。Pt/C電極触媒を塗布するカーボンペーパーは、前処理として、カーボンブラック0.6g、ポリテトラフルオロエチレン(PtFE)5ml、純水20mlを混合して調製した溶液に浸した後、300℃で5分間加熱乾燥した。ナフィオン溶液と混合したPt/C電極触媒をカーボンペーパー1cm2当たり2mgとなるように秤量し、少量のイソプロピルアルコールと混合して塗布した。室温でイソプロピルアルコールを蒸発させた後、Pt/C電極触媒を塗布したカーボンペーパー2枚を用いてプロトン化したナフィオン112を挟み、さらにそれを前処理のないカーボンペーパー2枚を用いて挟み、1MPa、120℃で1分間加熱圧着することにより、Pt/C燃料極を作製した。
一方、複合化に使用したFe3O4/Pt/TiO2触媒は、別途特許文献2の実施例1に記載された方法により作製した。具体的には、Pt/TiO2触媒(Ptは1重量%)を、Fe換算で触媒の100重量%に相当する量のFe(NO3)3水溶液に浸し、水を蒸発させて硝酸鉄の全量をPt/TiO2触媒に担持させ、140℃で3時間乾燥させたものを電気炉で400℃において2時間焼成し、水素気流下で加熱してFe3O4/Pt/TiO2とした。
得られたFe3O4/Pt/TiO2を少量の純水と混合し、前記により得られたPt/C燃料極上に塗布し、本発明の燃料極複合体とした。
(比較例)
実施例で作製したPt/C燃料極をそのまま燃料極として用いた。
実施例で作製したPt/C燃料極をそのまま燃料極として用いた。
実施例の燃料極複合体および比較例の燃料極をそれぞれ単セル燃料電池に組み込み発電実験を行った。この場合、水素ガスまたは少量の一酸化炭素と酸素を含む水素ガス(H2中のCO濃度は800ppmであり、COと等量のO2を含む)を80℃の水に0.4L/minの流速でバブリングさせ、80℃に保った実施例の燃料極複合体または比較例の燃料極に供給した。燃料電池の発電特性は、電池が定常状態になるまで1〜2A/cm2の電流で30分以上作動させ、定常状態になった後、負荷をかけて燃料電池の電流−電圧特性を測定した。なお、測定に用いた電極の面積は1cm2であり、電流値1.0Aにおける電圧変化を測定している。結果を図3、図4に示す。
図3(a)は通常のPt/C電極である比較例の燃料極を用いた燃料電池の発電特性、図3(b)はFexOy/Pt/TiO2を複合化したPt/C電極である実施例の燃料極複合体を用いた燃料電池の発電特性を示す。また、図3中1はH2での電流(A)と電圧(V)との関係、2はH2での出力(W)と電流(A)との関係、3は800ppmのCOおよびCOと等量のO2を含むH2での電流(A)と電圧(V)との関係、4は800ppmのCOおよびCOと等量のO2を含むH2での出力(W)と電流(A)との関係を示す。
図3から分かるように、比較例の燃料極を用いた燃料電池においては、H2ガスのみであると電流が1.0Aのときに0.6Vの電圧が得られるが、800ppmのCOを含むH2ガスでは電流が1.0Aのときに電圧は殆どゼロとなる。これに対し、実施例の燃料極複合体を用いた燃料電池においては、H2ガスのみでの発電特性は比較例の燃料極を用いた燃料電池とほぼ同じ(1.0Aで0.6V)であるが、800ppmのCOを含むH2ガスでは発電特性が全く異なる。すなわち、1.0Aにおいて0.4Vの電圧が得られ、約70%の出力を保っていることが分かる。
また、実施例の燃料極複合体を用いた燃料電池に800ppmのCOを含むH2ガスを流通させ、起電力が低下した後に再びH2ガスを流通させたときの発電特性(電流−電圧特性)を図4に示す。H2ガスにより1分以内で起電力が回復することが分る。
Claims (9)
- 電極触媒とCO除去触媒とを保有することを特徴とする燃料電池用燃料極。
- 前記CO除去触媒は、CO選択酸化触媒であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用燃料極。
- 前記電極触媒はPtまたはPt/Ruを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用燃料極。
- 前記CO除去触媒は、室温以上のいずれかの温度でCOの除去率が80%以上(ただし、条件はH2:CO:O2=20:3:1.5ml/min)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用燃料極。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用燃料極を動作させる当たり、燃料のH2に混入したCOの量を1とした場合、前記燃料電池用燃料極にO2を0.5から1の範囲で接触させることを特徴とする燃料電池用燃料極の動作方法。
- 前記燃料のH2に混入したCOが1ppm以上であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用燃料極の動作方法。
- 前記燃料のH2に混入したCOが100ppmから1000ppmであることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用燃料極の動作方法。
- 前記燃料のH2に混入したCOが1000ppm以上であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用燃料極の動作方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用燃料極を構成要素とすることを特徴とする燃料電池。
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