JP2007087612A - 導電性部材、導電性部材の製造方法、及び固体酸化物形燃料電池の製造方法 - Google Patents

導電性部材、導電性部材の製造方法、及び固体酸化物形燃料電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
低コストで製造され耐酸化性、熱サイクル特性に優れる被膜を有する固体酸化物形燃料電池の導電性部材を用いた固体酸化物形燃料電池を提供する。
【解決手段】
(a)金属部材32をチャンバ22内に設置し、所定の圧力にする工程と、(b)金属部材32の表面にセラミックス被膜ができるように、セラミックス粉体33、34を500〜1500m/sec.の速度で表面へ吹き付ける工程とを具備する固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法を用いる。セラミックス粉体の平均粒径は2〜5μmがより好ましい。セラミックス粉体は、ランタンクロマイト系酸化物、ランタンマンガネート系酸化物、及びランタンコバルタイト系酸化物のうちから選択される一つである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池の導電性部材、固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法、及び固体酸化物形燃料電池の製造方法に関する。
近年、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の作動温度の低温化が進んでいる。特に、平板型SOFCの場合、セル(空気極/電解質/燃料極)とセルとを電気的に連結する部材やセルから電力を取り出す部材のような導電性の部材(以下、「導電性部材」という)として、耐酸化性を有する金属材料が使われようとしている。このような金属材料をSOFCの酸化雰囲気中で長時間使用すると、その金属材料に含まれるCrが酸化物となり表面被膜を形成する。そのため、導電性部材の導電性の低下やセルの材料の被毒等、SOFCの性能を劣化させる要因となっている。
その対策として、LaCrO等酸化物系セラミックス材料の緻密な被膜で導電性部材を覆うことが効果的と言われている。セラミックス材料の導電性部材への被覆は、プラズマ溶射法が一般的である。セラミックス粉末をキャリアガスが流れているプラズマトーチ内に供給し、溶融したセラミックス材料を導電性部材へ吹き付けることで被覆される。
ただし、プラズマ溶射法でできる被膜には、溶融したものが凝固するときの収縮が起因となる割れ(欠陥)が生じ易い。その対策として、被膜時に導電性部材を高温にしておくことが考えられる。この場合、LaCrOのように高温でCr系酸化物が蒸発しやすい材料を用いるときは、その蒸発により目的とする組成からずれ易くなることが考えられる。そのため、蒸発し難くなるように溶射雰囲気の制御(酸素濃度の制御、キャリアガスへの水素の導入)や、蒸発により組成がずれる分、予め調整することが必要である。また、蒸発するCr系酸化物のCrは有毒な6価のCrであり、環境汚染の面からもその取り扱いには十分な配慮が必要となる。これらのことから、プラズマ溶射法での成膜は、高コストになり易い。加えて、導電性部材に用いる金属材料と被膜に用いるセラミックス材料とは、その熱膨張率が異なることから熱サイクル特性に対しても耐性が要求される。緻密で耐酸化性、熱サイクル特性に優れる被膜を低コストで製造可能な成膜技術が求められる。
関連する技術として特開平3−14512号公報に超微粒子の膜形成方法が開示されている。この超微粒子の膜形成方法は、粒径が1μm以下である超微粒子をキャリアーガスと共に微小孔ノズルの先端からベース面に吹き付け、接着剤の使用無しにその超微粒子をベース面に付着させ、その適当な形状、厚さの連続又は不連続な膜を形成することを特徴とする。
また、特開2003−275630号公報に成膜装置及び成膜方法の技術が開示されている。この成膜装置は、微粒子をガス中に分散させて発生させたエアロゾルをノズルから基板に向けて高速で噴射させて前記微粒子を前記基板に衝突させることにより、前記基板の表面上に膜を形成する。この成膜装置は、前記エアロゾルを噴射する前記ノズルを、複数の構成要素から成る分割構造にしたことを特徴とする。
特開平3−14512号 特開2000−112939号
従って、本発明の目的は、低コストで製造され耐酸化性に優れる被膜を有する固体酸化物形燃料電池の導電性部材、固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法、及び固体酸化物形燃料電池の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、低コストで製造され熱サイクル特性に優れる被膜を有する固体酸化物形燃料電池の導電性部材、固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法、及び固体酸化物形燃料電池の製造方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法は、(a)金属部材(32)をチャンバ(22)内に設置し、所定の圧力にする工程と、(b)金属部材(32)の表面にセラミックス被膜(12)ができるように、セラミックス粉体(33)を500m/sec.以上1500m/sec.以下の速度でその表面へ吹き付ける工程とを具備する。
本発明では、セラミックス粉体(33)が超高速で金属部材(32)に衝突するので、セラミックス粉体(33)は金属部材(32)表面で細かく粉砕され、活性な表面を有する細かい粒子になる。これらの活性な表面を有する細かい粒子が、次々と堆積して行くことで、結晶粒径の小さく、緻密で強固な被膜を形成することができる。
上記の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、セラミックス粉体(33)の平均粒径は2〜5μmである。
上記の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、セラミックス粉体(33)は、ランタンクロマイト系酸化物、ランタンマンガネート系酸化物、及びランタンコバルタイト系酸化物のうちから選択される一つである。
上記の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、セラミックス被膜(12)の結晶の50%以上は、結晶粒径が100nm以下である。
上記の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、(b)ステップは、(b1)セラミックス粉体(33)を吹き付けるノズル(29)と金属部材(32)とを相対的に移動させながら、セラミックス粉体(33)をその表面へ吹き付ける工程を備える。
上記の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、(b)ステップは、(b2)金属部材(32)の有する各面ごとに、セラミックス粉体(33)をその表面へ吹き付ける工程を備える。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、(c)請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法で導電性部材(9)を形成する工程と、(d)導電性部材(9)とセル(6)とを積層する工程とを具備する。
上記の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、導電性部材(9)は、セパレータ(9)である。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材は、金属部材(11)と、金属部材(11)を覆う被膜(12)とを具備する。被膜(12)は、ランタンクロマイト系酸化物、ランタンマンガネート系酸化物、及びランタンコバルタイト系酸化物のうちから選択される一つを含む。被膜(12)の結晶の50%以上は、結晶粒径が100nm以下である。
上記の固体酸化物形燃料電池の導電性部材において、導電性部材(9)は、セパレータ(9)である。
本発明により、低コストで製造され耐酸化性、熱サイクル特性に優れる被膜を有する固体酸化物形燃料電池の導電性部材を得ることができる。その導電性部材を用いた固体酸化物形燃料電池を得ることができる。
以下、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材、固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法、及び固体酸化物形燃料電池の製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
まず、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の実施の形態について説明する。ここでは導電性部材としてインターコネクタを、固体酸化物形燃料電池として平板型の固体酸化物形燃料電池をぞれぞれ例とする。
図1は、本発明の固体酸化物形燃料電池及びその導電性部材の実施の形態の構成を示す斜視図である。平板型の固体酸化物形燃料電池1は、セル6とセパレータ9とが積層された構造を有する。図では、一つのセル6とその上下のセパレータ9とを示している。セル6は、電解質膜4と、電解質膜4の一方の側に設けられた燃料極3と、電解質膜4の他方の側に設けられた空気極5とを備える。セパレータ9は、一つのセル6の空気極5と他のセル6の燃料極3とを電気的に接続する。
燃料極3は、主成分がNiO−YSZのような酸化ニッケルと他の金属酸化物の混合物に例示される。燃料極3は多孔質である。電解質膜4は、主成分がZrO−Y(YSZ)のようなジルコニア(ZrO)系酸化物に例示される。電解質膜4は、緻密膜であり、気体のガスが透過しない。空気極5は、主成分がLaQCoO(Q=Sr、Ca)のようなランタンコバルタイト(LaCoO)系酸化物やLaQMnOのようなランタンマンガネート(LaMnO)系酸化物に例示される。空気極5は多孔質である。
セパレータ9は、燃料極3へ燃料ガスを供給する溝(図中下側)と空気極5へ酸化剤ガスを供給する溝(図中上側)とを有する。セパレータ9は、燃料ガスと酸化剤ガスとが混ざらないように緻密である。図2は、セパレータ9の構成を示す断面図である。図1におけるAA断面を示している。セパレータ9は、セパレータ本体11とセラミックス被膜12とを含む。
セパレータ本体11は、セパレータ9としての形状を有する。その主成分は、SUS430(フェライト系ステンレス鋼)やSUS304(オーステナイト系ステンレス鋼)のような耐酸化性のある金属が好ましい。更に、金属材料の熱膨張率が、セラミックス材料と同程度であることがより好ましい。その場合、セラミックス被膜12に亀裂が入り難くなるからである。
セラミックス被膜12は、セパレータ本体11の表面を被覆するように設けられている。その主成分は、LaQCrO(Q=Sr、Ca)で示されるランタンクロマイト(LaCrO)系酸化物やLaQMnOで示されるランタンマンガネート(LaMnO)系酸化物やLaQCoOで示されるランタンコバルタイト(LaCoO)系酸化物のような電子導電性酸化物系セラミックス材料に例示される。その膜厚は、5μm以上100μm以下が好ましい。5μm未満の場合、表面の凹凸の影響でセパレータ本体11の表面を覆いきれいない恐れがあるからである。100μmより大きい場合、セパレータ本体11の金属材料と、セラミックス被膜12のセラミックス材料との間の熱膨張率の差により、亀裂が入りやすくなるからである。ただし、金属材料の熱膨張率が、セラミックス材料と同程度ならば、膜厚の上限は更に緩和される。セラミックス被膜12は、気孔等一切ない緻密質な膜であり、結晶の大部分(少なくとも50%以上、より好ましくは80%以上)において、その結晶粒径が100nm以下であることが好ましい。膜の熱膨張差による剥離を低減するためである。結晶の構造(性質)が維持できる(非晶質とならない)範囲であれば下限は特にないが、製造可能な範囲から例えば10nm以上である。更に、結晶の平均粒径も、同様の理由から、10nm以上100nm以下であることがより好ましい。
次に、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法の実施の形態について説明する。ここでは図1及び図2に示す導電性部材を例とする。
まず、セラミックス被膜を成膜する成膜装置の構成について説明する。
図3は、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法を実施する成膜装置の構成を示す概略図である。成膜装置21は、チャンバ22、排気装置23、ガス供給装置24、フィーダ25、混合装置26、配管27、28、ノズル29、基板ホルダ31を具備する。
チャンバ22は、基板ホルダ31に基板32を保持している。基板ホルダ31は、特に基板加熱装置は無く常温である。ただし、成膜中に原料粉の衝突により自然に加熱される場合がある。基板32を保持した状態で、ノズル29に対して相対的に移動可能である。チャンバ22内の圧力は、排気装置23により所望の値に維持される。圧力は、例えば、5〜10Torrである。基板32は、導電性部材の金属材料=セパレータ本体11である。
ガス供給装置24は、He、N、及びAirのようなキャリアガスを、配管27を介して混合装置26へ送出する。キャリアガスの供給速度は、チャンバ22内の圧力とガス供給装置24内でのキャリアガスの圧力との差や配管27、28の内径、長さ、ノズル29の形状などにより制御される。
フィーダ25は、LaQCrO、LaQMnO、LaQCoOのような電子導電性酸化物系セラミックス材料の原料粉を保持している。混合装置26へそれら原料粉を供給する。原料粉の粒径は、1μmより大きく10μm以下の範囲にあることが好ましい。1μm以下の場合、原料粉が基板32へ到達し難くなる。10μmより大きいと原料粉の速度が上がらなくなる。更に、同様の理由から、平均粒径は2μm〜5μmがより好ましい。
混合装置26は、キャリアガスの流れに原料粉を混合する。原料粉を混合されたキャリアガスは、配管28を通り、チャンバ22内のノズル29から基板32へ向って送出される。そのとき、キャリアガス中に含まれる原料粉は、ノズル29から噴出され(原料粉34)、500m/sec.〜1500m/sec.の速度で基板32へ吹き付けられる。500m/sec.より遅い場合には、セラミックス被膜12の緻密性が低くなってしまう。1500m/sec.より速い場合には、基板32へのダメージが大きくなり凹凸ができてしまう他、組成のずれも大きくなる。
このように原料粉が超高速で基板32に衝突するので、セラミックス材料の原料粉は、基板32上で粉砕され、元々の粒径以下の細かい粒子になると考えられる。これはセラミックス材料を原料粉に用いる場合に特有と考えられる。なぜなら、金属の原料粉を用いる場合には、金属粉は基板32上で変形するので粉砕されることはないと予測されるからである。細かくなったセラミックス材料の粒子の表面は、活性な状態を有する表面になると考えられる。これらの活性な表面を有する細かい粒子は結合力があり、次々と堆積して行くことで、結晶粒径の小さく、緻密で強固な被膜を形成することができる。
図4は、セパレータの特性の評価結果を示す表である。この評価では、セパレータ9のみを酸化雰囲気で熱処理し、セラミックス被膜12の状態やセパレータ9の酸化による重量の増加を評価した。図中、「金属材料」は、導電性部材の金属材料=セパレータ本体11の材質であり、図3における基板32である。「被膜の有無」は、セパレータ9にセラミックス被膜を成膜したか否かを示す。ここでは、LaQCrOを用いた結果を示している。「850℃10時間後の酸化増量」は、セパレータ9を850℃で10時間大気中で酸化処理を施した場合における、単位表面積当たりセパレータ9の酸化による重量変化を示す。「熱サイクル後の被膜状態」は、常温−850℃間を60分で昇温し60分で降温する熱サイクルを200回実施した後の被膜の状態を示す。
図に示すように、金属材料がSUS430の場合、セラミックス被膜12がある場合には、酸化増量が1g/m以下となった。これはセラミックス被膜12が無い場合における酸化増量の1/5以下である。金属材料がSUS304の場合、セラミックス被膜12がある場合には、酸化増量が同じく1g/m以下となった。これはセラミックス被膜12が無い場合における酸化増量の1/9以下である。このように、緻密なセラミックス被膜12があることで、耐酸化性が著しく向上している。
又、金属材料がSUS430及びSUS304のいずれの場合でも、熱サイクル後、膜質に変化は見られず緻密な状態を維持していた。プラズマ溶射法によるLaQCrOのセラミックス被膜の場合、同じ評価において、一部剥離が見られた。すなわち、このセラミックス被膜12は、熱サイクル特性も著しく向上している。
LaQCrOのセラミックス被膜とSUS304とは熱膨張係数の差が大きいにもかかわらず、高い耐酸化性、熱サイクル特性を示しているのは、被膜の結晶粒が100nm以下で非常に小さく粒界が多数存在し、その粒界部分が熱膨張差により生じる応力を緩和しているためと思われる。
図5は、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法及び固体酸化物形燃料電池の製造方法の実施の形態を示すフロー図である。
まず、SUS430の板を加工し、金属部材(セパレータ本体11)を形成する(ステップS01)。次に、形成された金属部材を図3に示す成膜装置21のチャンバ22の基板ホルダ31に、基板32として設置する(ステップS02)。続いて、成膜装置21のチャンバ22を、排気装置23を用いて圧力5Torrにする。そして、フィーダ33から供給されたLaQCrOの原料粉と、ガス供給装置24から供給されたキャリアガスNとを混合して、ノズル29から原料粉を流速500m/sec.〜1500m/sec.で基板32へ吹き出す。これにより、基板32上に、原料粉を用いたセラミックス被膜(セラミックス被膜12)が成膜される。この成膜を金属部材の各面に施すことで、全面にセラミックス被膜12を有するセパレータ9(固体酸化物形燃料電池の導電性部材)が形成される(ステップS03)。
流速は、キャリアガスNのガス圧力とチャンバ22内の圧力差やNガス流量などにより制御される。キャリアガスにはNガスを用いているが、本発明がこれに制限されるものではない。基板ホルダ31は、ノズル29に対して相対的に移動(スキャン)されることで、基板32におけるセラミックス被膜12を成膜する面の全体に遍く成膜が行われるようにする。なお、相対的に移動(スキャン)されるものはノズル29であってもよいし基板ホルダ31であってもよい、また両者であってもよい。
その後、電解質膜4の一方の側に燃料極3を設け、他方の側に空気極5を設けたセル6形成する。そして、セル6とセパレータ9とを図1に示すように積層することで固体酸化物形燃料電池を製造する(ステップS04)。
本発明では、緻密で耐酸化性及び熱サイクル特性の高いセラミックス被膜を、金属部材の全体を覆うように形成するので、低コストで製造され耐酸化性、熱サイクル特性に優れる被膜を有する固体酸化物形燃料電池の導電性部材を得ることができる。その導電性部材を用いた固体酸化物形燃料電池を得ることができる。そして、金属製の導電性部材を長期間に渡り安定的に固体酸化物形燃料電池の運転に用いることができる。なお、本実施の形態では、導電性部材としてセパレータについて説明しているが、本発明はその例に限定されるものではなく、固体酸化物形燃料電池内における導電性の必要な箇所に用いられる他の部材(例示:インターコネクタ、インターコネクタとセルとの接合部材、集電部材)に対しても同様に使用することができ、同様の効果を得ることができる。
本発明では、緻密で耐酸化性及び熱サイクル特性の高いセラミックス被膜を用いることで、高温で耐酸化性を必要とする金属材料の使用範囲及び寿命を改善することが可能となる。本発明は、用途をSOFCの導電性部材に限定するものではない。本発明は、特に、耐酸化性、耐熱サイクル性と導電性を同時に満足する必要がある場合に有効である。またLaCrO3溶射により被覆する場合、CrOの6価のCr酸化物が蒸発しやすく飛散するが、本発明では常温で成膜するためCrOの生成はなく環境に対しても優しい被覆方法である。
図1は、本発明の固体酸化物形燃料電池及びその導電性部材の実施の形態の構成を示す斜視図である。 図2は、セパレータの構成を示す断面図である。 図3は、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法を実施する成膜装置の構成を示す概略図である。 図4は、セパレータの特性の評価結果を示す表である。 図5は、本発明の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法及び固体酸化物形燃料電池の製造方法の実施の形態を示すフロー図である。
符号の説明
1 固体酸化物形燃料電池
3 燃料極
4 電解質膜
5 空気極
6 セル
9 セパレータ
11 セセパレータ本体
12 ラミックス被膜
21 成膜装置
22 チャンバ
23 排気装置
24 ガス供給装置
25 フィーダ
26 混合装置
27、28 配管
29 ノズル
31 基板ホルダ
32 基板
33、34 原料粉

Claims (10)

  1. (a)金属部材をチャンバ内に設置し、所定の圧力にする工程と、
    (b)前記金属部材の表面にセラミックス被膜ができるように、セラミックス粉体を500m/sec.以上1500m/sec.以下の速度で前記表面へ吹き付ける工程と
    を具備する
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、
    前記セラミックス粉体の平均粒径は2〜5μmである
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法。
  3. 請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、
    前記セラミックス粉体は、ランタンクロマイト系酸化物、ランタンマンガネート系酸化物、及びランタンコバルタイト系酸化物のうちから選択される一つである
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法。
  4. 請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、
    前記セラミックス被膜の結晶の50%以上は、結晶粒径が100nm以下である
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、
    前記(b)ステップは、
    (b1)前記セラミックス粉体を吹き付けるノズルと前記金属部材とを相対的に移動させながら、前記セラミックス粉体を前記表面へ吹き付ける工程を備える
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法において、
    前記(b)ステップは、
    (b2)前記金属部材の有する各面ごとに、前記セラミックス粉体を前記表面へ吹き付ける工程を備える
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法。
  7. (c)請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材の製造方法で前記導電性部材を形成する工程と、
    (d)前記導電性部材とセルとを積層する工程と
    を具備する
    固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  8. 請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、
    前記導電性部材は、セパレータ及び接合材である
    固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  9. 金属部材と、
    前記金属部材を覆う被膜と
    を具備し、
    前記被膜は、ランタンクロマイト系酸化物、ランタンマンガネート系酸化物、及びランタンコバルタイト系酸化物のうちから選択される一つを含み、
    前記被膜の結晶の50%以上は、結晶粒径が100nm以下である
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材。
  10. 請求項9に記載の固体酸化物形燃料電池の導電性部材において、
    前記導電性部材は、セパレータ及び接合材である
    固体酸化物形燃料電池の導電性部材。
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