JP2007086177A - 受発光デバイス測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクト且つ安価な構成となる受発光デバイス測定装置を提供する。
【解決手段】 受発光デバイス測定装置21は、測定装置本体22と、この測定装置本体22に接続される光ファイバ23と、光ファイバ23の端部24を受発光デバイス25に対して光学的に接続するための治具26とを備えて構成されている。治具26は、受発光デバイス25を所定位置に保持するためのデバイス保持部材と、光ファイバ23の端部24のフェルールを所定位置に保持するためのフェルール保持部材と、このフェルール保持部材をデバイス保持部材の所定位置に合致させた状態でこれらを固定するための固定部材と、フェルールの端面及び受発光デバイス25の受発光素子間の距離を所定距離に合わせるための距離調節部材とを備えて構成されている。治具26は、アルミナによって形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定装置本体と、この測定装置本体に接続される光ファイバと、光ファイバの端部を受発光デバイスに対して光学的に接続するための治具と、を備える受発光デバイス測定装置に関する。
発光デバイスや受光デバイス(本明細書ではこれら二つを総称する場合、受発光デバイスと称する)における素子(発光素子、受光素子:受発光素子)の特性を測定、検査するための装置としては、例えば下記特許文献1に開示された技術が知られている。以下、特許文献1に開示された測定装置について簡単に説明する。
図9において、引用符号1で示される測定装置は、発光デバイス2の特性を測定、検査するための装置であって、光パワーメータ3と、この光パワーメータ3に一端が光学的に接続される光ファイバ4と、光パワーメータ3からの出力信号が入力されるコントローラ5と、コントローラ5からの制御信号により制御されるXYZ位置決め装置6とを備えて構成されている。光ファイバ4の他端側には、発光デバイス2がこの位置を変えずに固定されている。発光デバイス2は、駆動電源7からの供給電流によって作動し、発光素子8が発光するようになっている。
XYZ位置決め装置6は、光ファイバ4の他端を支持する支持体9を有している。支持体9は、光ファイバ4の他端を伴ってX方向、Y方向、Z方向へ移動する(XY平面とZ方向へ移動する。Z方向は光ファイバ4の軸方向に一致する)ことができるように制御されている。光パワーメータ3は、光ファイバ4を通ってくる光強度を監視する機能を有している。光パワーメータ3、コントローラ5、及びXYZ位置決め装置6は、これらの組み合わせにより、発光デバイス2と光ファイバ4の他端との結合光強度が最大になる位置を探し出せるようになっている。
上記構成において、測定装置1を用いて結合光強度が最大になる位置を見つけ、この位置に光ファイバ4の他端を保持すると、光ファイバ4を介しての発光デバイス2からの出力や発光波長などの測定が行われ検査データが得られるようになっている。
特開平9−61752号公報 (第5頁、第2図)
ところで、上記従来技術にあっては、XYZ位置決め装置6やこれを制御するコントローラ5などが構成上必要になり、この結果、測定装置1自体が大型化してしまうという問題点を有している。また、XYZ位置決め装置6やコントローラ5などを備えることにより、測定装置1自体が高価なものとなってしまうという問題点も有している。
その他、上記従来技術にあっては、発光デバイス2の固定に関し、発光デバイス2と図示しない固定治具との接触による漏電を避けるために固定治具を絶縁性を有する合成樹脂製とする場合が考えられるが、これにより発光デバイス2を高温槽に入れて測定することができなくなるという問題点を有している(高温下で樹脂製の固定治具が変形し、正確な温度耐久特性のデータが得られない恐れがある)。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、コンパクト且つ安価な構成となる受発光デバイス測定装置を提供することを課題とする。また、正確な温度耐久特性のデータを得ることが可能な受発光デバイス測定装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の受発光デバイス測定装置は、測定装置本体と、該測定装置本体に接続される光ファイバと、該光ファイバの端部を受発光デバイスに対して光学的に接続するための治具とを備える受発光デバイス測定装置において、前記治具は、前記受発光デバイスを所定位置に保持するためのデバイス保持部材と、前記光ファイバの前記端部に設けたフェルールを所定位置に保持するためのフェルール保持部材と、該フェルール保持部材を前記デバイス保持部材の所定位置に合致させた状態でこれらを固定するための固定部材と、前記フェルールの端面及び前記受発光デバイスの受発光素子間の距離を所定距離に合わせるための距離調節部材とを備えて構成され、さらに、前記距離調節部材は、前記フェルールを前記受発光デバイスに対して押し付ける機能を有するものと、押し付けを受けた前記受発光デバイスを弾性変形により受け止める機能を有するものとで構成、或いは、前記受発光デバイスに対して前記フェルールのみを進退させる機能を有するもので構成されることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、装置を構成する一部材としての治具において、デバイス保持部材とフェルール保持部材とを合致させると、それぞれ所定位置に保持された受発光デバイスとフェルールとが対向する構造になっている。具体的には、受発光素子に対してこの受発光素子から所定距離の位置となるようにフェルールの端面が対向するようになっている。本発明によれば、治具自体がフェルールの端面及び受発光デバイスの受発光素子間の距離を所定距離に合わせる機能を有している。治具には、距離調節部材が備えられており、デバイス保持部材とフェルール保持部材との合致に伴ってフェルールの端面が受発光素子から所定距離の位置に対向するようになっている。
請求項2記載の本発明の受発光デバイス測定装置は、請求項1に記載の受発光デバイス測定装置において、前記光ファイバは、前記発光素子の発光スポット径よりも大きく且つ前記受光素子の径よりも小さいコア径のものを使用することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、光ファイバのコア径が発光素子の発光スポット径よりも大きいことから、多少の光軸のズレが生じたとしてもこのズレは吸収されるようになっている。また、光ファイバのコア径が受光素子の径よりも小さいことから、この場合も多少の光軸のズレが吸収されるようになっている。
請求項3記載の本発明の受発光デバイス測定装置は、請求項1又は請求項2に記載の受発光デバイス測定装置において、前記治具の材料としてアルミナを用いることを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、高温槽に入れて測定を行ったとしても治具が高温下により変形しないようになっている。
請求項1に記載された本発明によれば、コンパクト且つ安価な構成となる受発光デバイス測定装置を提供することができるという効果を奏する。また、請求項2に記載された本発明によれば、結合損失の影響を最小限に抑えることができるという効果を奏する。また、請求項3に記載された本発明によれば、高温槽に入れての測定をすることができるという効果を奏する。請求項3に記載された本発明によれば、正確な温度耐久特性のデータを得ることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の受発光デバイス測定装置の一実施の形態を示す構成図である。
図1において、本発明の受発光デバイス測定装置21は、測定装置本体22と、この測定装置本体22に接続される光ファイバ23と、光ファイバ23の端部24を受発光デバイス25に対して光学的に接続するための治具26とを備えて構成されている。本発明の受発光デバイス測定装置21は、従来例のようなXYZ位置決め装置6やコントローラ5(図9参照)を用いずに受発光デバイス25の素子(発光素子、受光素子)の特性を測定、検査することができるように構成されている。以下、上記各構成部材について説明する。
測定装置本体22は、本発明の受発光デバイス測定装置21の、素子の特性の測定、検査に関する主要部となっている。測定装置本体22は、特に限定するものではないが、例えば従来例のような光パワーメータ3(図9参照)がここでは用いられているものとする。測定装置本体22は、既知のものが用いられている。
光ファイバ23としては、例えばPCSファイバ(PCS:プラスチック・クラッド・シリカ)がここでは用いられている(一例であるものとする)。光ファイバ23は、ガラスのコアとプラスチックのクラッドとからなっている。このような光ファイバ23は、このコア径が発光素子の発光スポット径よりも大きく且つ受光素子の径よりも小さくなるように形成されている。具体的な一例としては、発光スポット径φ298μm<光ファイバ23のコア径φ500/750μm<発光素子(PD)径φ1000μmとなるように形成されている。
光ファイバ23は、上記のコアを有することから、発光素子との結合軸のズレ及び受光素子との結合軸のズレが最小限に抑えられるようになっている。言い換えれば、上記の寸法関係から結合軸のズレが吸収されるようになっている。光ファイバ23の端部24には、受発光デバイス25との光学的な接続のために既知のフェルール(図示省略)が取り付けられている。
受発光デバイス25は、発光デバイスや受光デバイスを総称するものであって、ここでは受発光デバイス25の一例としてFOT(Fiber Optic Transceiver )が用いられている。受発光デバイス25は、既知の発光素子又は受光素子を有している。受発光デバイス25は、図示しない複数のリードフレームを介して図示しない駆動電源や基板に電気的に接続されている。
治具26は、受発光デバイス25を所定位置に保持するためのデバイス保持部材(図示省略)と、光ファイバ23の端部24のフェルールを所定位置に保持するためのフェルール保持部材(図示省略)と、このフェルール保持部材をデバイス保持部材の所定位置に合致させた状態でこれらを固定するための固定部材(図示省略)と、フェルールの端面及び受発光デバイス25の受発光素子間の距離を所定距離に合わせるための距離調節部材(図示省略)とを備えて構成されている。尚、このような構成の治具26は、高温槽に入れて測定をすることができるようにアルミナによって形成されている(高温槽に入れない場合はこの限りでないものとする。アルミナは一例であるものとする)。
以下、治具26の具体的な例を二つ挙げて説明する。図2は図1の治具の第一例を示す分解斜視図、図3は図2の治具の拡大図、図4は図2の治具の組み付け時における斜視図、図5は図4の断面図である。また、図6は図1の治具の第二例を示す分解斜視図、図7は図6の治具の組み付け時における斜視図、図8は図7の断面図である。
図2ないし図5において、上記治具26の第一例となる治具26′は、デバイス保持部材31と、シリコンパッド32と、フェルール保持部材33と、一対の締め具34とを備えて構成されている。シリコンパッド32は、特許請求の範囲に記載した距離調節部材を構成する一部材に相当するものとする。また、一対の締め具34は、特許請求の範囲に記載した距離調節部材を構成する一部材と、同じく特許請求の範囲に記載した固定部材とに相当するものとする。治具26′の材料としては、上記同様にアルミナが用いられている。
引用符号23は、上記同様に光ファイバを示している。この光ファイバ23の端部24には、フェルール35が取り付けられている。また、引用符号36は、FCコネクタを示している。このFCコネクタ36は、フェルール35を覆うとともに端部24の近傍を覆うことができるように形成されている。フェルール35及びFCコネクタ36は、既知のものが用いられている。ここでは、これらフェルール35及びFCコネクタ36の構造についての説明を省略するものとする。
FCコネクタ36は、光ファイバ23の接続作業を簡素化するために設けられている(光ファイバ23の接続を行うことができる機構であればFCコネクタ36以外であってもよいものとする)。FCコネクタ36は、挿入強度を一定に保つとともに抜き差しに係る工数を削減することができるという利点を有している。
引用符号25は、上記同様に受発光デバイス(FOT)を示している。受発光デバイス25は、回路基板(図示省略)の回路に電気的に接続される複数のリードフレーム25aと、発光素子(例えばLDやLED)又は受光素子(例えばPD)を有するパッケージ部25bとを備えて構成されている。発光素子又は受光素子は、複数のリードフレーム25aのうちの一つにマウントされている。また、発光素子又は受光素子と残りのリードフレーム25aは、電気的に接続されている。一番外側のリードフレーム25aには、固定用穴25cが複数形成されている。この固定用穴25cは、パッケージ部25bの横に形成されている。
パッケージ部25bは、発光素子又は受光素子と上記の電気的な接続部分とをカバーにより覆うとともに、このカバー内に光透過性の合成樹脂材料を充填することにより形成されている。パッケージ部25bは、カバー内に充填された光透過性の合成樹脂材料によって発光素子又は受光素子と上記の電気的な接続部分とを保護することができるように形成されている。パッケージ部25bには、発光素子又は受光素子を臨む窓が突出形成されている。この窓は、円筒状に形成されており、フェルール35の先端が差し込まれるように形成されている。窓の奥部は、フェルール35の端面が当接するように形成されている。受発光デバイス25は、窓にフェルール35の先端が差し込まれて嵌合がなされると、発光素子又は受光素子とフェルール35の端面(光ファイバ23の端部24における端面)とが所定の距離を有して対向するようになっている。
尚、パッケージ部25bは、上記の如く樹脂成形がなされる部分であり、この樹脂成形の状態によっては、パッケージ部25bの厚み方向の寸法が不安定になってしまうという問題点を現状では有している。従って、光ファイバ23の端部24の位置を予め固定してしまうと、上記寸法の不安定さにより、発光素子又は受光素子と光ファイバ23の端面とが所定の距離を有して対向することができなくなり、結果、結合損失が生じてしまうという問題点を有している。本発明においては、この問題点にも対処することができるようにするため、治具26′に上記距離調節部材が備えられている。
治具26′を構成するデバイス保持部材31は、受発光デバイス25を所定位置に保持するために備えられている。デバイス保持部材31は、直方体又は立方体となるブロック状に形成されている。このようなデバイス保持部材31の前面には、受発光デバイス25を保持するためのデバイス保持凹部37が形成されている。デバイス保持凹部37は、デバイス保持部材31の前面を凹ませるような格好で形成されている。具体的には、二段の凹部により形成されている。
デバイス保持凹部37の手前側凹部には、受発光デバイス25の固定用穴25cを嵌合させるための位置決め突起38が形成されている。デバイス保持凹部37の奥側凹部には、シリコンパッド32を装着するための部分が形成されている。奥側凹部は、パッケージ部25bの大きさに合わせて、又はパッケージ部25bよりも若干大きめとなるように形成されている。奥側凹部は、正面視矩形状に形成されている。
デバイス保持部材31の前面には、デバイス保持凹部37の他にフェルール保持部材33を案内するためのガイド穴39が複数形成されている。ガイド穴39は、デバイス保持凹部37を挟んで上記前面の対角線方向に配置形成されている。ガイド穴39は、丸穴状に形成されている。
デバイス保持部材31の左側面及び右側面には、ねじ穴40がそれぞれ二つずつ水平方向に並んで形成されている。ねじ穴40は、締め具34の固定用に形成されている。デバイス保持部材31の下面には、上記回路基板(図示省略)に対しての位置決めを行うための位置決め突起41が形成されている。位置決め突起41は、丸ピン状に形成されている。
シリコンパッド32は、デバイス保持凹部37における上記奥側凹部に装着されるように形成されている。シリコンパッド32は、シリコン素材のパッドであり、矩形状に形成されている。また、シリコンパッド32は、弾性部材であって、弾性変形することにより受発光デバイス25を受け止めることができるような機能を有している。シリコンパッド32は、耐熱性に優れたものが用いられている(パッケージ部25bが発熱するため)。シリコンパッド32は、締め具34を操作することによる治具同士の嵌め合わせ強度(ロック強度:例えば30N)に対し、樹脂の圧縮率25%の特性を満足させることができるようなものが用いられている。
フェルール保持部材33は、デバイス保持部材31の前面に合致するようなブロック状の部材であって、フェルール35を所定位置に保持するために備えられている。フェルール保持部材33は、保持部本体42と、一対の締め具固定部43とを有している。フェルール保持部材33は、図示のような形状に形成されている。フェルール保持部材33は、この幅寸法がデバイス保持部材31と同じ幅寸法となるように形成されている。
保持部本体42の前面には、FCコネクタ嵌合部44が形成されている。このFCコネクタ嵌合部44は、保持部本体42の前面中央に形成されている。FCコネクタ嵌合部44の内部は、フェルール35を所定位置に保持することができるように形成されている。また、FCコネクタ嵌合部44の外部は、FCコネクタ36の嵌合が可能となるように形成されている。
FCコネクタ嵌合部44にフェルール35が保持されると、このフェルール35の先端は、保持部本体42を貫通して保持部本体42の後面側に略位置不動の状態で突出するようになっている。フェルール35の保持位置は、デバイス保持部材31に保持された受発光デバイス25の発光素子又は受光素子の位置に合うように設定されている。また、フェルール35の保持位置は、受発光デバイス25におけるパッケージ部25bの厚み方向の寸法がマイナス交差の状態の時でも、パッケージ部25bの窓の奥部にフェルール35の端面が当接するような位置に設定されている。
一対の締め具固定部43は、FCコネクタ嵌合部44を挟み込むような格好で保持部本体42の左右両側に形成されている。各締め具固定部43には、ねじ穴45がそれぞれ二つずつ垂直方向に並んで形成されている。ねじ穴45は、フェルール保持部材33の左側面及び右側面に相当する部分に形成されている。ねじ穴45は、締め具34の固定用に形成されている。
保持部本体42の後面には、デバイス保持部材31の二つのガイド穴39に差し込まれて案内されるガイド突起46が二つ形成されている。二つのガイド突起46は、保持部本体42の後面の対角線方向に並んで配置形成されている。フェルール保持部材33の下面に相当する部分には、上記回路基板(図示省略)に対しての位置決めを行うための位置決め突起47が形成されている。位置決め突起47は、丸ピン状に形成されている。
締め具34は、デバイス保持部材31とフェルール保持部材33とに跨って取り付けられる固定部材であって、複数の構成からなっている。具体的にこの構成について説明すると、締め具34は、デバイス保持部材31に固定される第一ベース48と、フェルール保持部材33に固定される第二ベース49と、フェルール保持部材33をデバイス保持部材31側に引き寄せるためのレバー機構50と、デバイス保持部材31及びフェルール保持部材33を固定するための複数のねじ51とを備えて構成されている。
このような構成の締め具34は、デバイス保持部材31及びフェルール保持部材33同士の固定の他に、フェルール35を受発光デバイス25に対して押し付けることができるような機能を有している。デバイス保持部材31及びフェルール保持部材33同士の固定は、締め具34を用いることによって簡素化できるようになっている。
第一ベース48には、デバイス保持部材31のねじ穴40に対応する位置に、これと同様のねじ穴52が形成されている。また、第一ベース48には、レバー機構50に対する一対の回転軸支持部53が形成されている。第二ベース49には、フェルール保持部材33のねじ穴45に対応する位置に、これと同様のねじ穴54が形成されている。また、第二ベース49には、レバー機構50に対するフック55が形成されている。
レバー機構50は、回転軸56を有するレバー57と、このレバー57に取り付けられる矩形環状部材58とを備えて構成されている。レバー57は、回転軸支持部53に対して取り付けられる回転軸56を介して回転自在なものとなっている。矩形環状部材58は、第二ベース49のフック55に対して引っ掛かるような形状に形成されている。
締め具34は、レバー機構50を取り付けた第一ベース48をデバイス保持部材31に対してねじ51で固定するとともに、第二ベース49を同じくねじ51でフェルール保持部材33に固定すると、取り付けが完了するようになっている。また、締め具34は、矩形環状部材58をフック55に引っ掛け、この状態からレバー57を操作すると、フェルール保持部材33をデバイス保持部材31側へ引き寄せることができるようになっている。
上記構成において、受発光デバイス25を所定位置に保持したデバイス保持部材31の前面と、フェルール35を所定位置に保持したフェルール保持部材33の後面とを対向させ、この後に、締め具34のフック55に同じく締め具34の矩形環状部材58を引っ掛けレバー57の操作をすると、フェルール保持部材33はデバイス保持部材31側へ引き寄せられる。そして、これに伴ってフェルール35の先端が受発光デバイス25の窓に差し込まれるとともに押し付けられる。フェルール35からの押し付けを受けた受発光デバイス25は、シリコンパッド32の弾性変形により受け止められる。締め具34の作用による固定が完了すると、デバイス保持部材31及びフェルール保持部材33同士が所定位置において合致し、受発光デバイス25と光ファイバ23とが光学的に良好な位置で接続される(図4及び図5参照)。
以上、図2ないし図5を参照しながら説明してきたように、治具26′自体でフェルール35の端面及び受発光デバイス25の受発光素子間の距離を所定距離に合わせることができる。従って、従来例のようなXYZ位置決め装置6やコントローラ5(図9参照)を用いずに受発光デバイス25の受発光素子の特性を測定、検査することができる。
ここで、実際に得られた結果の一例を説明する。本発明によれば、治具26′を用いることにより、発光出力のバラツキ(標準偏差)が、測定標準偏差σ=0.01dBm、3σ=0.03dBmとなって安定し、この結果、整合性の取れた信憑性のある出力値を得ることができた。また、10秒で受発光デバイス25と光ファイバ23とを光学的に良好な位置で接続することができ、結果、工数の短縮を図ることができた。
次に、図6ないし図8を参照しながら第二例となる治具26″の説明をする。
図6ないし図8において、治具26″は、アルミナ製のものであって、デバイス保持部材71と、フェルール保持部材72と、固定部材としてのねじ73と、距離調節部材74とを備えて構成されている。
デバイス保持部材71は、受発光デバイス25を所定位置に保持するために備えられている。デバイス保持部材71は、図示のようなブロック状となる形状に形成されている。このようなデバイス保持部材71の前面には、受発光デバイス25を保持するためのデバイス保持凹部75が形成されている。デバイス保持凹部75は、デバイス保持部材71の前面を凹ませるような格好で形成されている。ここでのデバイス保持凹部75は、一段の凹部により形成されている。
デバイス保持凹部75には、受発光デバイス25の固定用穴25cを嵌合させるための位置決め突起76が形成されている。デバイス保持凹部75は、パッケージ部25bの大きさに合わせて形成されている。デバイス保持凹部75は、このデバイス保持凹部75に受発光デバイス25が保持されると、受発光デバイス25の窓がデバイス保持部材71の前面から突出するようなサイズに形成されている。また、受発光デバイス25のパッケージ部25bの前面がデバイス保持部材71の前面と略同一平面となるようなサイズに形成されている。
デバイス保持部材71の前面には、デバイス保持凹部75の他にフェルール保持部材72を案内するためのガイド突起77が二つ形成されている。二つのガイド突起77は、デバイス保持凹部75を挟んで水平方向に配置形成されている。ガイド突起77は、丸ピン状に形成されている。デバイス保持部材71には、前面及び後面を貫通するような二つのねじ挿通孔78も形成されている。ねじ挿通孔78は、ガイド突起77の外側に配置形成されている。
フェルール保持部材72は、フェルール35を所定位置に保持するために備えられている。フェルール保持部材72は、直方体又は立方体となるブロック状の部材であって、デバイス保持部材71の前面に合致するような形状に形成されている。フェルール保持部材72は、特に限定するものではないが、デバイス保持部材71と同じ幅寸法、同じ高さ寸法となるように形成されている。
フェルール保持部材72には、調節部材取付部79及び保持部80が形成されている。この調節部材取付部79及び保持部80は、フェルール保持部材72の前面中央から後面中央を貫通するように連続して形成されている。調節部材取付部79は、距離調節部材74に対する取付部分であって、この内周面には雌ねじ81が形成されている。距離調節部材74は、ねじ込みによって調節部材取付部79に取り付くようになっている。
保持部80は、調節部材取付部79を介して差し込まれたフェルール35を保持するための部分として形成されている。保持部80の中間には、フェルール35の突出量(前進量)を規制するための環状ストッパ82が形成されている。保持部80に収容されたフェルール35は、距離調節部材74のねじ込みにより押し込まれ、この先端(フェルール35の先端)が受発光デバイス25の窓に差し込まれるようになっている。フェルール35の保持位置は、デバイス保持部材71に保持された受発光デバイス25の発光素子又は受光素子の位置に合うように設定されている。
フェルール保持部材72の後面には、デバイス保持部材71の二つのガイド突起77により案内される二つのガイド穴83が形成されている。また、フェルール保持部材72の後面には、デバイス保持部材71の二つのねじ挿通孔78と同じ位置にねじ穴84が形成されている。ねじ穴84には、ねじ挿通孔78を貫通するねじ73が螺合するようになっている。フェルール保持部材72の下面には、回路基板(図示省略)に対しての位置決めを行うための位置決め突起85が形成されている。位置決め突起85は、丸ピン状に形成されている。
距離調節部材74は、受発光デバイス25に対してフェルール35のみを進退させることができる機能を有している。距離調節部材74には、雄ねじ86と光ファイバ差し込み凹部87とが形成されている。距離調節部材74の先端部には、フェルール35に当接する当接面88が形成されている。当接面88は、フェルール35の押し込みの際にこのフェルール35の後部に当接して押し込みを行えるようになっている。
上記構成において、受発光デバイス25を所定位置に保持したデバイス保持部材71の前面と、距離調節部材74を調節部材取付部79にねじ込みフェルール35を仮止めの状態で保持したフェルール保持部材72の後面とを対向させ、この後に、ねじ73を介してデバイス保持部材71及びフェルール保持部材72同士を固定すると、これらデバイス保持部材71及びフェルール保持部材72同士が所定位置において合致する。そして、距離調節部材74を更にねじ込み、フェルール35を受発光デバイス25側へ押し込んでフェルール35の先端を受発光デバイス25に嵌合させると、受発光デバイス25と光ファイバ23とが光学的に良好な位置で接続される(図7及び図8参照)。
以上、図6ないし図8を参照しながら説明してきたように、治具26″自体でフェルール35の端面及び受発光デバイス25の受発光素子間の距離を所定距離に合わせることができる。従って、従来例のようなXYZ位置決め装置6やコントローラ5(図9参照)を用いずに受発光デバイス25の受発光素子の特性を測定、検査することができる。
尚、治具26″を用いることにより、発光出力のバラツキ(標準偏差)が、測定標準偏差σ=0.24dBm、3σ=0.72dBmとなって安定し、この結果、整合性の取れた出力値を得ることができた(第一例の治具26′よりも若干劣るが十分に効果を奏する)。また、60秒で受発光デバイス25と光ファイバ23とを光学的に良好な位置で接続することができた。
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
本発明の受発光デバイス測定装置の一実施の形態を示す構成図である。 図1の治具の第一例を示す分解斜視図である。 図2の治具の拡大図である。 図2の治具の組み付け時における斜視図である。 図4の断面図である。 図1の治具の第二例を示す分解斜視図である。 図6の治具の組み付け時における斜視図である。 図7の断面図である。 従来例の測定装置の構成図である。
符号の説明
21 受発光デバイス測定装置
22 測定装置本体
23 光ファイバ
24 端部
25 受発光デバイス
26、26′、26″ 治具
31 デバイス保持部材
32 シリコンパッド(距離調節部材)
33 フェルール保持部材
34 締め具(距離調節部材、固定部材)
35 フェルール
71 デバイス保持部材
72 フェルール保持部材
73 ねじ(固定部材)
74 距離調節部材

Claims (3)

  1. 測定装置本体と、該測定装置本体に接続される光ファイバと、該光ファイバの端部を受発光デバイスに対して光学的に接続するための治具とを備える受発光デバイス測定装置において、
    前記治具は、前記受発光デバイスを所定位置に保持するためのデバイス保持部材と、前記光ファイバの前記端部に設けたフェルールを所定位置に保持するためのフェルール保持部材と、該フェルール保持部材を前記デバイス保持部材の所定位置に合致させた状態でこれらを固定するための固定部材と、前記フェルールの端面及び前記受発光デバイスの受発光素子間の距離を所定距離に合わせるための距離調節部材とを備えて構成され、
    さらに、前記距離調節部材は、前記フェルールを前記受発光デバイスに対して押し付ける機能を有するものと、押し付けを受けた前記受発光デバイスを弾性変形により受け止める機能を有するものとで構成、或いは、前記受発光デバイスに対して前記フェルールのみを進退させる機能を有するもので構成される
    ことを特徴とする受発光デバイス測定装置。
  2. 請求項1に記載の受発光デバイス測定装置において、
    前記光ファイバは、前記発光素子の発光スポット径よりも大きく且つ前記受光素子の径よりも小さいコア径のものを使用する
    ことを特徴とする受発光デバイス測定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の受発光デバイス測定装置において、
    前記治具の材料としてアルミナを用いる
    ことを特徴とする受発光デバイス測定装置。
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