JP2007085760A - 光学式角度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲温度や電源電圧などの影響を受けにくい光学式角度検出装置を提供する。
【解決手段】光学測距ユニット1は、光軸方位に光束を投光する投光部2と、測定部位から反射した光束を受光して測定部位までの距離を表す測距信号を出力する受光部3とを有する。光軸方位切換部は、光学測距ユニット1に相対して第1位置と第2位置との間を移動可能に取り付けられたレンズ部材と、これを駆動する駆動部材とを含み、レンズ部材が第1位置にあるとき、光学測距ユニット1は第1の光軸方位にある測定部位Aに対応した第1の測距信号を出力し、レンズ部材が第2位置にあるとき第1の光軸方位を第2の光軸方位に切り換え、光学測距ユニット1は第2の光軸方位にある測定部位Bに対応した第2の測距信号を出力する。制御部は、第1及び第2の光軸方位と該第1及び第2の測距信号とに基づき、スクリーン20の一方向の傾斜角を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象物の平面部の傾斜角を光学的に測定する光学式角度検出装置に関する。係る光学式角度検出装置は、例えば液晶プロジェクタのスクリーンの傾きを検出して、投写画面の台形歪を補正する為に用いられる。
一般に液晶プロジェクタなどで拡大投射する場合、スクリーンの正面、すなわちスクリーン面の法線方向から投射した時は、投写画面は歪もなく表示される。一方、スクリーン面の法線方向からずれて投射した時は、画面が歪んで表示される。この様な歪を一般的に台形歪と呼ぶ。この台形歪を映像信号処理により補正する方式が知られている。すなわち、映像信号のデジタル処理を行ない、映像自体に逆の歪を持たせることで台形歪を打ち消す方式である。その際、スクリーンの傾斜角を検出し、これに基づいて台形歪の補正を自動的に行なう方式が報告されており、例えば以下の特許文献1〜4に記載がある。また、一対の光学測距ユニットを用いて対象物の変位を測定する光学式変位計が以下の特許文献5に記載されている。
特開2003−280089 特開2003−283963 特開2004−093275 特開2004−134908 特開平 05−126570
図7は、一対のアクティブ方式の光学測距ユニットを用いた光学式角度検出装置の一例を表す模式図である。この光学式角度検出装置は一対の光学測距ユニット1A,1Bからなり、例えばプロジェクタ10に組み込まれる。一対の光学測距ユニット1A,1Bは平面部を有する対象物に対向配置されている。図示の例では、対象物はスクリーン20である。このスクリーン20はプロジェクタ10に対向配置されており、投写レンズ11から投写される画面がスクリーン20上に映し出される。一対の光学測距ユニット1A,1Bはプロジェクタ10の正面フレームの両側に設けてある。一方の光学測距ユニット1Aで測定部位Aまでの距離を求め、他方の光学測距ユニット1Bで測定部位Bまでの距離を求める。この従来例は、第1の光軸方位と第2の光軸方位が共に固定されており、両者の間で切換える必要はない。
しかしながら、一対の光学測距ユニット1A,1Bを用いると、両者の特性が一致していない場合、安定した角度検出を行うことが困難である。一般に、光学測距ユニットは温度依存性があり、周囲温度によって測距結果に変動が生じる。例えば、一方の光学測距ユニット1Aの温度特性が正の傾きを有し、他方の光学測距ユニット1Bの温度特性に負の傾きがある場合、測距誤差が拡大し、安定した角度検出を行うことが出来ない。この場合、一対の光学測距ユニット1A,1Bの温度特性を考慮した補正演算を行うことになるが、必ずしも実用的な測定精度を得ることは難しい。
光学測距ユニットは上述した温度依存性のほか電源電圧に対する依存性もある。特に高精度測定を要する場合、周囲温度や電源電圧に対する依存性が光学測定ユニット間の特性差となって現れ、大きな問題となっている。また、アクティブ方式の光学測距ユニットは投光部と受光部とを備えており、比較的高価である。したがってこの様に高価な光学測距ユニットを二個用いると、製品の部品コストが高くなるという課題がある。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は周囲温度や電源電圧などの影響を受けにくい光学式角度検出装置を提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、平面部を有する対象物に対向配置された一個の光学測距ユニットと、該光学測距ユニットから該対象物の平面部に指向する光軸方位を切り換える光軸方位切換部と、該光学測距ユニット及び該光軸方位切換部を制御して該対象物の平面部の傾斜角を測定する制御部とを備えた光学式角度検出装置であって、前記光学測距ユニットは、該光軸方位に光束を投光する投光部と、該光軸方位と該平面部が交差する測定部位から反射した光束を受光して該測定部位までの距離を表す測距信号を出力する受光部とを有し、前記光軸方位切換部は、該光学測距ユニットに相対して第1位置と第2位置との間を移動可能に取り付けられたレンズ部材と、これを駆動する駆動部材とを含み、前記レンズ部材が第1位置にあるとき、該光学測距ユニットは第1の光軸方位にある測定部位に対応した第1の測距信号を出力し、前記レンズ部材が第2位置にあるとき該第1の光軸方位を第2の光軸方位に切り換え、該光学測距ユニットは第2の光軸方位にある測定部位に対応した第2の測距信号を出力し、前記制御部は、該第1及び第2の光軸方位と該第1及び第2の測距信号とに基づき、該平面部の一方向の傾斜角を算出することを特徴とする。
一態様では、前記レンズ部材は、該第1位置と該第2位置に加え第3位置にも移動可能であり、前記レンズ部材が第3位置にあるとき該第1の光軸方位を第3の光軸方位に切り換え、該光学測距ユニットは第3の光軸方位にある測定部位に対応した第3の測距信号を出力し、前記制御部は、該第1、第2及び第3の光軸方位と該第1、第2及び第3の測距信号とに基づき、該平面部の二方向の傾斜角を算出する。この場合、前記レンズ部材は、該第1位置を間にして、該第2位置と該第3位置とが移動方向に関して互いに反対側になる。具体的な構成では、前記レンズ部材は投光レンズ及び受光レンズを備えており、第2位置にあるとき該投光レンズは、第1の光軸方位を第2の光軸方位に切り換え、該受光レンズは、第2の光軸方位にある測定部位から反射した光束を該光学測距ユニットの受光部に集光する。好ましくは、前記光学測距ユニットの受光部は、該対象物から反射した光束のスポットを受光するため、該第1の光軸方位にに交差する基線方向に配された受光面を有し、該受光面上における光スポットの位置に応じた測距信号を出力し、前記レンズ部材は、該基線方向と平行に該第1位置と該第2位置との間を移動する。応用態様では、前記光学測距ユニットはプロジェクタに組み込まれており、前記制御部は該プロジェクタが画面を投写するスクリーンを対象物としその平面部の傾斜角を測定する。
本発明によれば、光学式測距ユニットは光軸方位切換部を備えており、光軸方位を切換える様にしている。従来と異なり単独の光学測距ユニットの光軸方位を切換えて測距を行うため、周囲温度や電源電圧に依存する特性変化の影響は実質的にない。温度特性などの影響は複数の測定点で同様に現れることから、角度測定のための演算過程で温度特性の影響などはキャンセルされ結果的に高精度の角度検出を行うことが出来る。本発明はあくまでも光学式測距装置を単独で用いる一方、光軸方位切換部に組み込まれるレンズ部材を操作することで、光軸方位の異なる二箇所の測距を行っている。温度や電圧に対する依存性はどの測定点でも同じ傾向にあることから、複数の測定点のデータに基づいて対象物の傾きなどを演算する場合、各データが同一の傾向となり、差演算等の結果温度や電圧に対する依存性がキャンセルされる。本発明は、1つの光学測距ユニットを用いる一方レンズなどの光学系を切換えて光軸方位を変え、これによって複数の箇所における測定データを得ている。この様にして得られた複数の測定データに基づいて対象物の傾斜角を演算することにより、周囲温度や電源電圧の変動の影響を受けにくい光学式角度検出装置を提供することが出来る。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明にかかる光学式角度検出装置の基本的な構成を示す斜視図である。本発明の光学式角度検出装置は、基本的に光学測距ユニット1と光軸方位切換部と制御部とで構成されている。かかる構成の光学式角度検出装置は、例えばプロジェクタ10に組み込まれる。図示の例では、光学測距ユニット1のみがプロジェクタ10の正面部に現れており、残りの光軸方位切換部と制御部はプロジェクタ10のケース内に組み込まれている。
光学測距ユニット1は1個だけ使われており、平面部を有する対象物に対向配置されている。図示の例では、対象物はスクリーン20である。このスクリーン20はプロジェクタ10に対向配置されており、投写レンズ11から投写される画面がスクリーン20上に映し出される。光軸方位切換部は光学測距ユニット1からスクリーン20に指向する光軸方位を切換える。制御部は、光学測距ユニット1及び光軸方位切換部を制御してスクリーン20の傾斜角を測定する。この様にして測定されたスクリーン20の傾斜角は、例えばプロジェクタに入力した映像信号の台形歪補正に用いられる。
光学測距ユニット1は、投光部2と受光部3を備えている。投光部2は光軸方位に光束を投光する。受光部3は、光軸方位とスクリーン20が交差する測定部位から反射した光束を受光して測定部位までの距離を表す測距信号を出力する。光軸方位切換部は、光学測距ユニット1に相対して第1位置と第2位置との間を移動可能に取り付けられたレンズ部材と、これを駆動する駆動部材とを含んでいる。レンズ部材が第1位置にあるとき、光学測距ユニット1は第1の光軸方位にある第1測定部位Aに対応した第1の測距信号を出力する。またレンズ部材が第2位置にあるとき第1の光軸方位を第2の光軸方位に切換え、これに応じて光学測距ユニット1は第2の光軸方位にある第2測定部位Bに対応した第2の測距信号を出力する。制御部は、第1及び第2の光軸方位と第1及び第2の測距信号とに基づきスクリーン20の一方向(図では水平方向)の傾斜角を算出する。
光学測距ユニット1を原点Oとして三角形OABを考えると、上述した測距動作によって辺OA及びOBの長さが第1及び第2の測距用信号からそれぞれ求まる。また頂角AOBは、第1の光軸方位と第2の光軸方位との間との偏向角であり、制御部において既知である。したがって、辺AO、辺BO及び頂角AOBのデータにより、三角形AOBが確定する。これにより、辺ABと辺AOとのなす角が単純な幾何学的計算により求まる。第1の光軸方位AOは制御部において既知である、これと角度OABで交差する辺ABの方位が算出できる。辺ABの方位が即ちスクリーン20の一方向の傾斜角である。図示の例では、辺ABは水平線になっており、スクリーン20の水平方向の傾斜角を検出している。かかる本発明の構成では、単独の光学ユニット1の光軸方位を切換えて測距を行うため、周囲温度や電源電圧に依存する特性変化の影響は実質的にない。温度特性や電源電圧の影響は両測定部位A,Bで同様に現れることから、演算過程で両測定データに含まれる誤差は互いにキャンセルされ結果的に高精度の角度検出を行うことが出来る。
図2は、光学式角度検出装置の参考例を示す模式図である。図1及び図7に示した光学式角度検出装置は水平方向の傾斜角を測定している。これに対して図2に示した光学式角度検出装置は水平方向に加え垂直方向の傾斜角も測定できるようにしている。この為、3個の光学測距ユニット1A,1B,1Cがプロジェクタ10の正面パネルに装着されている。第1の光学測距ユニット1Aは第1の光軸方位にある第1測定部位Aまでの距離を測定する。第2の光学測距ユニット1Bは同じく第2の光軸方位にある第2測定部位Bまでの距離を測定する。第3の光学測距ユニット1Cは第3の光軸方位にある第3測定部位Cまでの距離を測定する。プロジェクタ10内に組み込まれた制御部は、上述した第1、第2及び第3の光軸方位と第1、第2及び第3の測定部位A,B,Cまでの距離とに基づき、スクリーン20の二方向の傾斜角を算出する。
しかしながら、3個の光学測距ユニット1A,1B,1Cを用いると、これらの特性が一致していない場合、安定した角度検出を行うことが困難である。一般的に光学測距ユニットは温度依存性があり、周囲温度によって測定結果に変動が生じる。これにより安定した角度検出を行うことが出来ない。
図3は、本発明にかかる光学式測距装置の第2実施形態を示しており、特に図2に示した水平垂直二方向の角度検出を行うために好適な光学式角度検出装置を提供している。
図示するように本光学式角度検出装置は、基本的に1個の光学測距ユニット1と光軸方位切換部6と制御部(図示せず)とで構成されている。光学測距ユニット1は樹脂成形品などからなるフレーム14で構成されており、これと一体的に投光部2及び受光部3が取り付けられている。投光部2と受光部3は基線長Bだけ互いに離間している。投光部2の前面には投光レンズ22が装着されており、投光部2から発した光束を第1の光軸方位に指向する。一方受光部3の前面には受光レンズ32が装着されており、第1の光軸方位にある測定点から反射した光束を集光する。フレーム14は基線長Bの方向に延在しており、両端に一対の案内ピン15,15が植設されている。なお図示しないが、このフレーム14は本光学式角度検出装置が装着される本体側に固定されている。
一方光軸方位切換部6はレンズ部材61と駆動部材とで構成されている。駆動部材は電磁アクチュエータなどからなり、その出力部である駆動ピン69aのみが図示されている。レンズ部材61はモールド成形品などからなり、基本的に長手形状をしている。長手形状の両端にはガイド部66が形成されている。このガイド部66は光学測距ユニット1側の案内ピン15に装着される。この結果レンズ部材61は基線長Bと平行な方向に移動可能である。なお移動量を規制する為、レンズ部材61の両端にはストッパ67がそれぞれ配されている。
レンズ部材61の中央下部には突起があり、支持部64によって支持されている。支持部64はレンズ部材61の基線長方向位置を微調整可能である。このため支持部64は返信ピン6Sを備えている。
レンズ部材61の中央上側にある突起は、駆動部材側の駆動ピン69aと係合している。駆動ピン69aは矢印で示した双方向に稼動し、これに応じてレンズ部材61は基線長方向に移動する。なおレンズ部材61の上端面には一対のバネ68が当接しており、ガタを吸収している。
レンズ部材61の幅広部には、開口部62C,63Cが形成されている。また投光レンズ62R,62Lも形成されている。加えて受光レンズ63R,63Lもモールドで一体成形されている。
図示の状態でレンズ部材61は第1位置(中立位置)にある。このとき開口62Cが光学測距ユニット1の投光レンズ22と整合し、開口63Cが同じく光学測距ユニット1の受光レンズ32と整合している。したがってレンズ部材61が第1位置(中立位置)にあるとき、光学測距ユニット1は第1の光軸方位にある測定部位Aに対応した第1の測距信号を出力する。
次に駆動ピン69aを右側に駆動すると、これと連動してレンズ部材61が中立位置(第1位置)から第2位置(右方位置)に移動してストッパ67に当接する。このときレンズ部材1上の投光レンズ62Lが光学測距ユニット1側の投光レンズ22と整合する。この結果光軸が折り曲げられ、元の第1の光軸方位が第2の光軸方位に切換えられる。これと連動してレンズ部材61上の受光レンズ63Lが光学測距ユニット1側の受光レンズ32と整合する。この結果第2測定部位Bから反射した光が効率よく受光部3に集光される。この様にレンズ部材61が第2位置(右方位置)にあるとき第1の光軸方位を第2の光軸方位に切換え、光学測距ユニット1は第2の光軸方位にある測定部位Bに対応した第2の測距信号を出力する。
逆に駆動ピン69aが左方に移動すると、これと連動してレンズ部材61も左方に移動し、ストッパ67と度当りした点で位置決めされる。このときレンズ部材61側の投光レンズ62Rと光学測距ユニット1側の投光レンズ22が整合する。投光レンズ62Rの光学作用により光軸が折り曲げられ、元の第1の光軸方位は第3の光軸方位に切換えられる。これと連動してレンズ部材61側の受光レンズ63Rが光学測距ユニット1側の受光レンズ32と整合する。これにより第3の光軸方位にある第3測定部位Cから反射した光束が効率よく受光レンズ63L及び32によって集められ、受光部3に入射する。即ちレンズ部材61は第1位置(中立位置)と第2位置(右方位置)に加え第3位置(左方位置)にも移動可能であり、レンズ部材61が第3位置にあるとき第1の光軸方位を第3の光軸方位に切換え、光学測距ユニット1は第3の光軸方位にある測定部位Cに対応した第3の測距信号を出力する。図示しない制御部は、第1、第2及び第3の光軸方位と第1、第2及び第3の測定部位A,B,Cまでの距離とに基づき、平面部の二方向の傾斜角を算出する。本実施形態では、レンズ部材61は、第1位置(中立位置)を間にして、第2位置(右方位置)と第3位置(左方位置)とが移動方向に関して互いに反対側になっている。
図4は、図3に示した第二実施形態にかかる光学式角度検出装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。図示するように、光軸方位切換部6は移動可能に搭載されたレンズ部材61を備えている。このレンズ部材61は固定された投光部2が投光する光束の光路及び同じく固定された受光部3が受光する光束の光路に配され、制御部を構成するマイクロコンピュータ7の制御に応じて移動することで光軸を第1の方位、第2の方位及び第3の方位で切換える。以下図4を参照して本光学式角度検出装置の各部分を具体的に説明する。
光学測距ユニットは投光部2及び受光部3からなり、測距部4を介してマイクロコンピュータ7に接続されている。一方光軸方位切換部6はレンズ部材61、モータ69m及びドライバ69dで構成されている。ドライバ69dはマイクロコンピュータ7の制御に基づきモータ(電磁アクチュエータ)69mを時計方向と反時計方向とで双方向回動する。モータ69mの回転トルクは駆動ピン69aを介してレンズ部材61に伝達され、測距ユニットの光軸方位を三方向に切換える。
図5は、本発明にかかる光学測距ユニットの全体的な光学構成を示す模式図である。図示する様に、本測距ユニット1は受光部3と投光部2とを備えている。投光部2は例えばIRDからなり、光軸Yに沿って対象物に光スポットを投光する。この為に投光レンズ22を用いている。受光部3は例えばPSDからなり、対象物から反射した光スポットを受光する為、光軸Yに直交する基線X方向に配された受光面を構成し、受光面上における光スポットの受光位置に応じた電気信号を出力する。尚、対象物から反射した光スポットは受光レンズ32により、受光面上に結像される。ここでBは基線長を示し、f1は投光レンズ22の焦点距離を示し、f2は受光レンズ32の焦点距離を示し、lpは受光面の全長を示し、Lは対象物までの距離を示し、xは受光面の左端を基準にした光スポットの受光位置を示し、x0は対象物の距離Lが無限遠の時に対応する受光位置を示し、Δxはxとx0との差分を表わしている。ここで、周知の三角測量の原理により、Δx=B・f2/Lとなる。即ち、無限遠に対応した受光位置x0を基準とする実際の光スポット受光位置Δxは、対象物の距離Lに反比例している。換言すると、Δxを受光部3で検出することにより、対象物までの距離Lを求めることができる。尚、図5に示した光学設定例は、基線長Bが25mmで、受光レンズの焦点距離f2が10mmの場合である。
図6は、本光学測距ユニットの動作説明に供する等価回路図である。ここで、lpは前述した様に受光部3の受光面の全長を示し、xは受光面左端からの受光位置を表わし、RはPSD抵抗であり、R=r1+r2で表わされる。ここで、r1は受光位置と出力端子OUT1の間に生ずる抵抗を表わし、r2は受光位置と出力端子OUT2の間に生ずる抵抗を表わしている。riは各出力端子に接続されるアンプの入力インピーダンスを表わし、i0は受光部3に生ずる光電流を表わしており、i0=i1+i2である。ここで、i1は出力端子OUT1から取り出される電流を表わし、i2は出力端子OUT2から取り出される電流を表わしている。この場合、測距出力AFOは、以下の数式1で表わす様に、i1とi2の電流比として出力される。但し、数式1はx大で測距出力大となる方向に各出力電流を設定した場合である。
Figure 2007085760
i1とi2の関係は受光位置と入力インピーダンスriに反比例し、又抵抗r1は受光位置xに比例すると仮定すると、以下の数式2が得られる。
Figure 2007085760
今、Rがriに比べてはるかに大きいとすると、以下の数式3が得られ、結局測距出力AFOは1/lpの傾きを持つことになる。
Figure 2007085760
ここで、光学系との関係について表わすと、以下の数式4及び数式5が与えられる。
Figure 2007085760
Figure 2007085760
尚、前述した様に、x0は無限遠に対応する受光位置を表わし、Δxはx0を基準とした場合の受光位置xの移動量を表わし、Bは基線長を表わし、f2は受光レンズの焦点距離を表わし、Lは対象物までの距離を表わしている。
ここで、数式4及び数式5を数式3に代入すると、以下の数式6が得られる。
Figure 2007085760
数式6から明らかな様に、測距出力AFOはx0を設定点とし、傾きB・f2/lpで、1/Lに比例することとなる。尚、数式6で受光位置xは受光スポットの重心を示している。実際の測距では受光スポットが受光面上にあることが条件であり、この為xが取り得る値は受光面の両端より受光スポットの半径分だけ内側にあることになる。
本発明にかかる光学式角度検出装置の全体構成を示す斜視図である。 参考例にかかる光学式角度検出装置を示す斜視図である。 本発明にかかる光学式角度検出装置の実施形態を示す模式的な分解斜視図である。 本発明にかかる光学式角度検出装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明にかかる光学式角度検出装置に組み込まれる光学測距ユニットの光学構成を示す幾何光学図である。 光学測距ユニットの動作説明に供する回路図である。 従来の光学式角度検出装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・光学測距ユニット、2・・・投光部、3・・・受光部、6・・・光軸方位切換部、7・・・マイクロコンピュータ(制御部)、61・・・レンズ部材、69m・・・モータ(駆動部材)、10・・・プロジェクタ、20・・・スクリーン

Claims (6)

  1. 平面部を有する対象物に対向配置された一個の光学測距ユニットと、該光学測距ユニットから該対象物の平面部に指向する光軸方位を切り換える光軸方位切換部と、該光学測距ユニット及び該光軸方位切換部を制御して該対象物の平面部の傾斜角を測定する制御部とを備えた光学式角度検出装置であって、
    前記光学測距ユニットは、該光軸方位に光束を投光する投光部と、該光軸方位と該平面部が交差する測定部位から反射した光束を受光して該測定部位までの距離を表す測距信号を出力する受光部とを有し、
    前記光軸方位切換部は、該光学測距ユニットに相対して第1位置と第2位置との間を移動可能に取り付けられたレンズ部材と、これを駆動する駆動部材とを含み、
    前記レンズ部材が第1位置にあるとき、該光学測距ユニットは第1の光軸方位にある測定部位に対応した第1の測距信号を出力し、
    前記レンズ部材が第2位置にあるとき該第1の光軸方位を第2の光軸方位に切り換え、該光学測距ユニットは第2の光軸方位にある測定部位に対応した第2の測距信号を出力し、
    前記制御部は、該第1及び第2の光軸方位と該第1及び第2の測距信号とに基づき、該平面部の一方向の傾斜角を算出することを特徴とする光学式角度検出装置。
  2. 前記レンズ部材は、該第1位置と該第2位置に加え第3位置にも移動可能であり、
    前記レンズ部材が第3位置にあるとき該第1の光軸方位を第3の光軸方位に切り換え、該光学測距ユニットは第3の光軸方位にある測定部位に対応した第3の測距信号を出力し、
    前記制御部は、該第1、第2及び第3の光軸方位と該第1、第2及び第3の測距信号とに基づき、該平面部の二方向の傾斜角を算出することを特徴とする請求項1記載の光学式角度検出装置。
  3. 前記レンズ部材は、該第1位置を間にして、該第2位置と該第3位置とが移動方向に関して互いに反対側になることを特徴とする請求項2記載の光学式角度検出装置。
  4. 前記レンズ部材は投光レンズ及び受光レンズを備えており、第2位置にあるとき該投光レンズは、第1の光軸方位を第2の光軸方位に切り換え、該受光レンズは、第2の光軸方位にある測定部位から反射した光束を該光学測距ユニットの受光部に集光することを特徴とする請求項1記載の光学式角度検出装置。
  5. 前記光学測距ユニットの受光部は、該対象物から反射した光束のスポットを受光するため、該第1の光軸方位にに交差する基線方向に配された受光面を有し、該受光面上における光スポットの位置に応じた測距信号を出力し、
    前記レンズ部材は、該基線方向と平行に該第1位置と該第2位置との間を移動することを特徴とする請求項1記載の光学式角度検出装置。
  6. 前記光学測距ユニットはプロジェクタに組み込まれており、前記制御部は該プロジェクタが画面を投写するスクリーンを対象物としその平面部の傾斜角を測定することを特徴とする請求項1又は2記載の光学式角度検出装置。
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WO2009057434A1 (ja) * 2007-10-31 2009-05-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 取り付け角度測定装置および取り付け角度測定方法

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