JP2007085697A - クリンカ輸送配管寿命管理システム及び寿命管理方法 - Google Patents

クリンカ輸送配管寿命管理システム及び寿命管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 火力発電プラントのクリンカ輸送配管の計画的な取替を可能にするクリンカ輸送配管寿命管理システム及び寿命管理方法を提供すること
【解決手段】 この寿命管理システムは、前記輸送配管がクリンカの輸送により経時的に管内部が摩耗するとき、該輸送配管の各位置に依存する摩耗速度を夫々決定する手段と、前記輸送配管の各位置に対応する各摩耗速度に基づき、該輸送配管の管内部が平均に摩耗したときの平均摩耗速度を決定する手段とを備え、前記平均摩耗速度と前記輸送配管の最小要求肉厚値とに基づき、該輸送配管を適時回転したときの該輸送配管の寿命を決定し、前記輸送配管の位置に依存する摩耗速度に基づき、該輸送配管の各位置の現在の肉厚を推定し、前記輸送配管の各位置の現在の肉厚の推定結果に基づき、回転作業時の該輸送配管の回転角度を決定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、火力発電所のボイラから出てくる燃焼後の石炭の残渣であるクリンカを搬送するクリンカ輸送配管の寿命管理システム及び寿命管理方法に関する。
火力発電所では、石炭・油・ガスなどの燃料のもつ熱エネルギーを機械的エネルギーに変え、更に電気エネルギーに変えている。
図1に示すように、例えば石炭12を燃料とする火力発電所では、石炭をボイラ15で燃焼して給水10を蒸気11に変えて、高圧タービン17,中圧タービン18及び低圧タービン19に送っている。蒸気11の熱エネルギーは、これらタービンで機械エネルギーに変換されタービン翼を回転し、夫々のタービンに連結された発電機20,21を回転し、電気エネルギーを生成している。
タービン17,18,19から排気された蒸気は、復水器5に送られる。復水器5は、タービンの排気(蒸気)を冷却凝縮し、真空をつくるとともに復水として回収する装置である。即ち、タービンからの蒸気と冷却水としての海水を取り込み、非接触の熱交換を行って蒸気を冷却して復水(給水)10として回収し、再び給水ポンプ22によりボイラ15へと送られる。
燃料である石炭12は、バンカ13より微粉炭機14へ送られ細かい粉末にされ、ボイラ15へ投入される。石炭粉末は、ボイラの火路32で燃焼され、その灰の塊である残渣(以下、「クリンカ」という。)は、火路32の下方にある貯水した漏斗状のホッパー34に落下する。このクリンカは、クラッシャー(図示せず。)で砕かれて、ジェットパルジョンポンプ(図示せず。)で吸い出して、クリンカ輸送配管30を通して、灰捨場33へ運ばれ捨てられる。
このクリンカ輸送配管30は、直径が約30cm、肉厚約15mmの鋼製の円筒管体よりなる。現在、クリンカの排出は、このクリンカ輸送配管30を通して一日当たり数回の割合で実施されている。
本発明者は、これから説明するような計画的なクリンカ輸送配管の取替、クリンカ輸送配管の寿命管理等に関する先行特許出願、その他の技術文献の存在を知らない。
クリンカ輸送配管は、輸送されるクリンカとの接触により配管の内側が摩耗して減肉し、長期間使用すると配管に孔明きが発生する。現在、クリンカ輸送配管の保守は、プラント停止時に配管肉厚を測定して、必要に応じて取替(交換)している。また、突然配管に孔が明いたときは、配管の取替(交換)を行っている。
しかし、クリンカ輸送配管の取替を計画的に行うことが出来れば、プラントの運転上、非常に便利である。
更には、クリンカ輸送配管の寿命を少しでも延ばすことが出来れば、経済的な効果も見込まれる。
従って、本発明は、クリンカ輸送配管の計画的な取替を可能にするクリンカ輸送配管寿命管理システムを提供することを目的とする。
更に、本発明は、クリンカ輸送配管の寿命を少しでも延ばすことが出来るクリンカ輸送配管寿命管理システムを提供することを目的とする。
更に、本発明は、クリンカ輸送配管の計画的な取替を可能にするクリンカ輸送配管寿命管理方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、クリンカ輸送配管の寿命を少しでも延ばすことが出来るクリンカ輸送配管寿命管理方法を提供することを目的とする。
上記目的に鑑みて、本発明に係る管体は、固体と流体の混在物を輸送する管体であって、前記管体を回転する手段を備え、該管体の位置に依存する肉厚方向の摩耗速度を平均化している。
更に、本発明に係る寿命管理システムは、石炭を燃料とする火力発電所で使用されるクリンカ輸送配管に適用される寿命管理システムであって、前記輸送配管がクリンカの輸送により経時的に管内部が摩耗するとき、該輸送配管の各位置に依存する摩耗速度を夫々決定する手段と、前記輸送配管の各位置に対応する各摩耗速度に基づき、該輸送配管の管内部が平均に摩耗したときの平均摩耗速度を決定する手段とを備え、前記平均摩耗速度と前記輸送配管の最小要求肉厚値とに基づき、該輸送配管を適時回転したときの該輸送配管の寿命を決定する。
更に、上記寿命管理システムでは、前記輸送配管の位置に依存する摩耗速度に基づき、該輸送配管の各位置の現在の肉厚を推定することもできる。
更に、上記寿命管理システムでは、前記輸送配管の各位置の現在の肉厚の推定結果に基づき、回転作業時の該輸送配管の回転角度を決定することもできる。
更に、本発明に係る管体の使用方法は、固体と流体の混在物を輸送する管体の使用方法であって、前記管体を適時回転し、該管体の位置に依存する肉厚方向の摩耗速度を平均化するステップを含む。
更に、本発明に係る寿命管理方法は、石炭を燃料とする火力発電所で使用されるクリンカ輸送配管に適用される寿命管理方法であって、前記輸送配管がクリンカの輸送により経
時的に管内部が摩耗するとき、該輸送配管の各位置に依存する摩耗速度を夫々決定するステップと、前記輸送配管の各位置に対応する各摩耗速度に基づき、該輸送配管の管内部が平均に摩耗したときの平均摩耗速度を決定するステップと、前記平均摩耗速度と前記輸送配管の最小要求肉厚値とに基づき、該輸送配管を適時回転したときの該輸送配管の寿命を決定するステップとを含む。
更に、上記寿命管理方法では、更に、前記輸送配管の位置に依存する摩耗速度に基づき、該輸送配管の各位置の現在の肉厚を推定するステップを含むことができる。
更に、上記寿命管理システムでは、更に、前記輸送配管の各位置の現在の肉厚の推定結果に基づき、回転作業時の該輸送配管の回転角度を決定するステップと含むことができる。
更に、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、上記寿命管理方法のいずれかを実行させるコンピュータプログラムである。
更に、本発明に係る記録媒体は、上記コンピュータプログラムを記録した記録媒体である。
本発明によれば、クリンカ輸送配管の計画的な取替を可能にするクリンカ輸送配管寿命管理システムを提供することができる。
更に、本発明によれば、クリンカ輸送配管の寿命を少しでも延ばすことが出来るクリンカ輸送配管寿命管理システムを提供することができる。
更に、本発明によれば、クリンカ輸送配管の計画的な取替を可能にするクリンカ輸送配管寿命管理方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、クリンカ輸送配管の寿命を少しでも延ばすことが出来るクリンカ輸送配管寿命管理方法を提供することができる。
以下、本発明に係るクリンカ輸送配管寿命管理システム及び寿命管理方法の実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面に描かれた同じ要素に対しては同じ符号を付して重複した説明を省略する。
[配管摩耗現象の分析]
まず最初に、本発明を容易に理解できるように、本発明完成の経緯を簡単に説明する。石炭の灰であるクリンカは、シリカ等からなり非常に硬い塊となっている。このクリンカは、クリンカ輸送配管30の中を水と一緒に輸送される。従って、本発明者は、固体であるクリンカは配管内の下部に集まりながら輸送されているものと考えた。即ち、配管の摩耗現象は、配管の位置依存性がある(位置に関連する)であろうと考えた。
図2は、平成11年10月(第1回測定)、平成14年3月(第2回測定)及び平成16年5月(第3回測定)の3回に亘って、クリンカ輸送配管30を実測したデータである。配管30の公称肉厚は15mmである。
図中右上に示すように、クリンカ輸送配管30の特定の場所で一周の位置P(1)〜P(8)の8カ所測定している。具体的な位置は、配管断面を時計の文字盤に対応させると、12時が位置P(1)、1時半が位置P(2)、3時が位置P(3)、4時半が位置P(4)、6時が位置P(5)、7時半が位置P(6)、9時が位置P(7)、10時半が位置P(8)となっている。後で説明するように配管30が回転しても、この位置P(n)は変わらない、即ち一種の座標である。
第1回測定(平成11年10月)の測定結果(◇)をグラフを見ると、配管断面の上半分の位置P(1)、P(2)、P(8)では配管の摩耗はほとんど生じていないが、配管断面の下半分の位置P(4)、P(5)、P(6)では2mm以上の摩耗が生じていることが分かる。
第1回測定(◇)〜第3回測定(△)の肉厚の推移を見ると、上半分の位置P(1)、P(2)、P(8)に対して、下半分の位置P(4)、P(5)、P(6)の方が大きく減少していることが分かる。図2より、配管の摩耗現象は、配管の位置Pに依存性があることが客観的に判明した。
次に、本発明者は、図2のデータから、配管の各位置Pの摩耗特性を調べることにした。図3は、横軸に配管使用の経過時間をとり、縦軸に各位置P毎の配管肉厚をプロットしたグラフである。但し、ここでは、図を分かり易くするため、1つおきの位置P(1),P(3),P(5),P(7)のみをプロットしてある。
図3より、配管断面の上位の位置P(1)は、時間の推移に対する摩耗量が一番少なく、配管断面の中位の位置P(3)及びP(7)は、時間の推移に対する摩耗量が中位であり、配管断面の下位の位置P(5)は、時間の推移に対する摩耗量が一番多くなっている。
未だ取得されたデータ量が少ないので今後のデータの蓄積を待たなければならない面もあるが、図3に示す各位置P毎に、時間に対する摩耗速度、即ち摩耗係数Kが一定であると仮定すると、第1回測定(平成11年10月)から第3回測定(平成16年5月)までの期間55ヶ月間の各位置P(n)の時間に対する摩耗係数KP(n)は次のように算出できる。
KP(1)=3.0 [mm/55ヶ月]=0.65 [mm/年]
KP(3)=4.5 [mm/55ヶ月]=0.98 [mm/年]
KP(5)=6.5 [mm/55ヶ月]=1.42 [mm/年]
KP(7)=4.0 [mm/55ヶ月]=0.87 [mm/年]
ここで示されていない各位置P(2),P(4),P(6),P(8)の摩耗整数Kも同様に求めることが出来る。また、更にデータの蓄積を待って、一層精度の良い各位置の摩耗係数を決定することが出来る。
輸送配管30は、一カ所でも孔が明くと取替(交換)しなければならない。位置P(5)の摩耗係数KP(5)が一番大きいことから、配管断面で見て一番下の部分に最初に孔が明くことが予想される。本発明者は、ここで、輸送配管を適当なタイミングで回転させることにより、配管各部の(配位置依存性を有する)摩耗係数を平均化させることにより配管の寿命を延ばすことが出来ると考えた。
図4は、輸送配管の使用開始から4年目で配管を反転(180度回転)し、更に4年間使用して取替(交換)する場合の配管肉厚のシミュレーション結果である。図中、右上に示すように、配管断面の位置P(1)〜P(8)に対応する配管の箇所をa〜hとする(例えば、配管の外周面に、断面で45度間隔に箇所a〜hと順次表示する)。
ここで注意すべきことは、配管箇所a〜hは配管自体の箇所を表示するものであり、配管を回転させると回転量だけ配管と共に移動する。一方、配管断面の位置P(1)〜P(8)は、上述したように時計文字盤に対応して規定した座標であり、配管を回転させても元のままであることに注意されたい。
即ち、図中、右上に示すように、最初に位置P(1)〜P(8)に対応して配管箇所を夫々a〜hとしたとき、配管30を回転作業により180度だけ回転(反転)させると、位置P(1)〜P(8)に対応する配管箇所はe,f,g,h,a,b,c,dとずれてくる。
図4のシミュレーション結果に示すように、箇所aは、使用開始から4年間は位置P(1)に在るため、一番少ない摩耗係数KP(1)で摩耗する。4年経過時に反転(180度回転)した後は位置P(5)に移動するため、一番大きい摩耗係数KP(5)で摩耗する。各摩耗整数は、図3に基づき算出できるため、配管箇所aの使用開始から8年間の肉厚の摩耗状況を推定(シミュレート)することが出来る。
同様に、配管箇所cは最初の前半4年間は摩耗係数KP(3)で摩耗し、後半4年間は摩耗
係数KP(7)で摩耗する。配管箇所eは最初の前半4年間は摩耗係数KP(5)で摩耗し、後半4年間は摩耗係数KP(1)で摩耗する。配管箇所gは最初の前半4年間は摩耗係数KP(7)で摩耗し、後半4年間は摩耗係数KP(3)で摩耗する。その他の箇所も同様にシミュレートすることが出来る。
図4から、本発明者は、配管の寿命を決定できることを発見した。即ち、平均摩耗係数Kave.と配管肉厚の要求最小仕様値(spec.)tmin.(例えば、6mm)により、配管の寿命を決定することが出来る。この平均摩耗係数Kave.は、例えば配管を常時回転させながらクリンカを輸送した場合(従って配管の各箇所a〜hが均一に摩耗した場合)の摩耗係数Kである。当所肉厚15mmから平均摩耗係数Kave.で摩耗が進み、配管肉厚の要求最小仕様値tmin.に達した時点迄が、この輸送配管の寿命となる。なお、ここでは説明を簡単にするため、配管の当所肉厚のバラツキ、摩耗のバラツキ等に起因する安全率(安全係数)等の議論は含めていないことを承知されたい。
[クリンカ輸送配管寿命管理システム]
上述の実験及びシミュレーションから得られた知見に基づき、本発明者は、クリンカ輸送配管寿命管理システムを構成している。図5は、クリンカ輸送配管寿命管理システムのブロック図である。配管寿命管理手段50は、図に示していないが、CPU、記憶手段、入出力手段、モニタ等を備えた通常のコンピュータでよい。配管寿命管理手段50に対して、配管各箇所の摩耗係数データ及び修理回数データが入力される。配管寿命管理手段50からは、次の作業日時、作業内容(反転、120度回転、取替等)のデータが出力される。更に、配管各箇所の推定肉厚データも出力される。
配管寿命管理手段50では、配管の寿命が決定される。図6(A)は、配管寿命管理手段50で実行される、回転作業を1回とした場合の配管肉厚の摩耗状況のシミュレーションを説明する図である。横軸は、経過時間である。当初肉厚t(例えば、15mm)から平均摩耗係数Kave.で摩耗した場合の肉厚の推移を「平均摩耗特性線」として波線で示す。この平均摩耗特性線と配管肉厚の要求最小仕様値tmin.とのクロス点が取替時期であり、使用開始から取替時期までが配管の寿命となる。
配管箇所aは、前半(反転前)は位置P(1)にあって比較的小さい摩耗係数KP(1)で摩耗し、後半(反転後)は位置P(5)にあって比較的大きい摩耗係数KP(5)で摩耗する。配管箇所eは、前半(反転前)は位置P(5)にあって摩耗係数KP(5)で摩耗し、後半(反転後)は位置P(1)にあって摩耗係数KP(1)で摩耗する。他の箇所に関しても同様にシミュレートすることが出来る。
図6(B)は、配管寿命管理手段50で実行される、回転作業を2回とした場合の配管肉厚の摩耗状況のイメージ図である。平均摩耗特性線と配管の寿命の決定とに関しては、図6(A)のそれらと同じである。第1回目作業では120度回転させ、第2回目作業では240度回転させている。配管箇所aは、前期(第1回回転前)は位置P(1)にあって摩耗係数KP(1)で摩耗し、中期(第1〜2回回転の間)は位置P(120度)にあって摩耗係数KP(120度)で摩耗し、後期(第2回回転後)は位置P(240度)にあって摩耗係数KP(240度)で摩耗する。(注:120度、240度は、P(1)〜P(8)のいずれにも対応しないため、表記が異なる。)
回転作業をn回とすると、各作業の回転角度は360度/(n+1)とする。ここで、更に回転作業回数を増加することにより、図6(A)の菱形図形は細くなり、転作作業回数を無限(即ち、常時回転)にすると、平均摩耗特性線に収束すると予想される。
図6に関連して説明したように、図5の配管寿命管理手段50は、平均摩耗特性線と配管肉厚の要求最小仕様値(spec.)tmin.とを使用して配管の寿命を決定している。更に、
この寿命期間中に計画する修理作業(回転)回数nを入力すると、次回の作業日時、作業内容を決定することができる。実際の火力プラントでは、プラントを停止して頻繁に回転作業を頻繁に行うことは現実的でないため、多くの場合、最大でも2〜3回程度となる。
また、配管寿命管理手段50では、箇所P(n)と摩擦係数K(n)とにより図4に示すような配管各箇所の肉厚の推定肉厚データを逐次出力することが出来る。
[クリンカ輸送配管寿命管理方法]
図7は、図5のクリンカ輸送配管寿命管理システムで実行される寿命管理方法を示すフローチャートである。開始とは、配管を取替(交換)した後、新品の使用開始を意味する。
ステップS10で、配管の使用時間(t)を計測するタイマをスタートする。
ステップS11で、修理回数(n)を入力する。
ステップS12で、次の修理(回転作業)迄の期間Tを算出する。具体的には、T=(寿命/修理回数n)で算出される。ここで配管寿命は、図6に関連して説明したように、配管寿命管理手段50で決定される。
ステップS13で、配管の使用時間(t)が次の修理迄の期間Tを越えたか否かが判定される。越えるとステップS14に進む。
ステップS14で、n=ゼロか否かが判定される。ゼロでなければ、配管は寿命でないのでステップS15に進む。ゼロなら配管は寿命であるのでステップS18に進む。
ステップS15で、修理(回転)作業を実行する。作業回数が1回なら180度回転を行い、作業回数が2回なら120度回転を行い、作業回数がn回なら360度/(n+1)度回転を行う。
ステップS16で、n=n−1を行う。
ステップS17で、配管の使用時間(t)を計測するタイマをリセットする。ステップS12に進む。
ステップS18で、ステップS14でn=ゼロと判定されて配管が寿命に達していれば、配管の取替の指令が出力される。
なお、図7のフローチャートのステップS12では、次の修理までの期間(即ち、修理−修理間の期間)Tは全て同一に計算されているが、これに限定されない。たとえプラント運転の事情により次の修理までの期間Tに長短が生じても、図5の配管寿命管理手段50からは、位置データ、これに対応する摩擦速度及び使用時間とに基づき配管各箇所の肉厚の推定肉厚データが出力されるので、これを利用して、次の回転作業時及び取替時を容易に決定できる。
図8は、配管回転作業を容易にするための装置の一例である。配管30を、軸受けを備えた支持台51で支持している。例えば、支持台51と配管30との間に、ベアリング52を介在させることにより、配管30の回転作業を容易にすることが出来る。回転駆動手段及び係止手段は適当な手段を採用できる。
また、本発明の対象は、火力発電所のクリンカ輸送配管に限定されない。本発明の原理は、固体と流体の混在物を輸送する管状体の肉厚の摩耗減少を管理する場合に広く適用できることを承知されたい。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらは例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
図1は、本実施形態が適用される火力発電所とそこに使用されているクリンカ輸送配管を説明する図である。 図2は、図1のクリンカ輸送配管の肉厚を3回にわたって実測したデータである。 図3は、図2のデータに基づいて、配管使用の経過時間に対する各位置P毎の配管肉厚をプロットしたグラフである。 図4は、輸送配管の使用開始から4年目で配管を180度回転し、更に4年間使用してえ取替える場合の配管肉厚のシミュレーション結果である。 図5は、クリンカ輸送配管寿命管理システムのブロック図である。 図6(A)は、配管寿命管理手段で実行される、回転作業を1回とした場合の配管肉厚の摩耗状況のシミュレーションを説明する図であり、図6(B)は、回転作業を2回とした場合の配管肉厚の摩耗状況のシミュレーションを説明する図である。 図7は、図5のクリンカ輸送配管寿命管理システムで実行される寿命管理方法を示すフローチャートである。 図8は、配管回転作業を容易にするための装置の一例である。
符号の説明
5:復水器、 11:蒸気、 12:石炭、 15:ボイラ、 17:高圧タービン、
18:中圧タービン、 19:低圧タービン、 20:発電機、 21:発電機、 22:給水ポンプ、 30:クリンカ輸送配管、 32:火路、 33:灰捨場、 34:ホッパー、
P(1)〜P(8):クリンカ輸送配管の各位置、 Kp(n):位置P(n)の摩擦係数、 Kave.:平均の摩擦係数、 tmin.:輸送配管の要求最小肉厚(spec.)

Claims (10)

  1. 固体と流体の混在物を輸送する管体において、
    前記管体を回転する手段を備え、該管体の位置に依存する肉厚方向の摩耗速度を平均化している、管体。
  2. 石炭を燃料とする火力発電所で使用されるクリンカ輸送配管に適用される寿命管理システムにおいて、
    前記輸送配管がクリンカの輸送により経時的に管内部が摩耗するとき、該輸送配管の各位置に依存する摩耗速度を夫々決定する手段と、
    前記輸送配管の各位置に対応する各摩耗速度に基づき、該輸送配管の管内部が平均に摩耗したときの平均摩耗速度を決定する手段とを備え、
    前記平均摩耗速度と前記輸送配管の最小要求肉厚値とに基づき、該輸送配管を適時回転したときの該輸送配管の寿命を決定する、寿命管理システム。
  3. 請求項2記載の寿命管理システムにおいて、
    前記輸送配管の位置に依存する摩耗速度に基づき、該輸送配管の各位置の現在の肉厚を推定する、寿命管理システム。
  4. 請求項3記載の寿命管理システムにおいて、
    前記輸送配管の各位置の現在の肉厚の推定結果に基づき、回転作業時の該輸送配管の回転角度を決定する、寿命管理システム。
  5. 固体と流体の混在物を輸送する管体の使用方法において、
    前記管体を適時回転し、該管体の位置に依存する肉厚方向の摩耗速度を平均化するステップを含む、管体の使用方法。
  6. 石炭を燃料とする火力発電所で使用されるクリンカ輸送配管に適用される寿命管理方法において、
    前記輸送配管がクリンカの輸送により経時的に管内部が摩耗するとき、該輸送配管の各位置に依存する摩耗速度を夫々決定するステップと、
    前記輸送配管の各位置に対応する各摩耗速度に基づき、該輸送配管の管内部が平均に摩耗したときの平均摩耗速度を決定するステップと、
    前記平均摩耗速度と前記輸送配管の最小要求肉厚値とに基づき、該輸送配管を適時回転したときの該輸送配管の寿命を決定するステップとを含む、寿命管理方法。
  7. 請求項6記載の寿命管理方法において、更に、
    前記輸送配管の位置に依存する摩耗速度に基づき、該輸送配管の各位置の現在の肉厚を推定するステップを含む、寿命管理方法。
  8. 請求項7記載の寿命管理方法において、更に、
    前記輸送配管の各位置の現在の肉厚の推定結果に基づき、回転作業時の該輸送配管の回転角度を決定するステップと含む、寿命管理方法。
  9. コンピュータに、
    請求項5乃至8のいずれか一項記載のステップを実行させる、コンピュータプログラム。
  10. 請求項9に記載のコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
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