JP2007085672A - 氷蓄熱設備、及び、その運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な氷集積層を蓄熱槽内に形成し得る氷蓄熱設備を提供する。
【解決手段】 蓄熱槽1の貯留冷水Cを製氷原水として槽下部から製氷装置X,3に供給するのに伴い、その製氷装置X,3により生成される氷粒aを氷供給口3cから蓄熱槽1の貯留冷水C中に供給することで、その貯留冷水Cに浮かぶ氷集積層Aを蓄熱槽1内に形成して蓄熱槽1に冷熱を蓄熱する氷蓄熱設備を構成するのに、氷集積層Aの形成初期には、氷供給口3cを蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置させて、その上方に氷集積層Aを形成し、その後、氷集積層Aの下方近傍に氷供給口3cが位置する状態を保つように氷集積層Aの成長に伴い氷供給口3cを漸次的に下方へ移動させる構成にする。
【選択図】 図5

Description

本発明は氷蓄熱設備及びその運転方法に関し、詳しくは、蓄熱槽の貯留冷水を製氷原水として槽下部から製氷装置に供給するのに伴い、その製氷装置により生成される氷粒を氷供給口から前記蓄熱槽の貯留冷水中に供給することで、その貯留冷水に浮かぶ氷集積層を蓄熱槽内に形成して前記蓄熱槽に冷熱を蓄熱する氷蓄熱設備、及び、その運転方法に関する。
従来、この種の氷蓄熱設備において、製氷装置により生成される氷粒を氷供給口から蓄熱槽の貯留冷水中に供給することで、その貯留冷水に浮かぶ氷集積層を蓄熱槽内に形成するのに、氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水の水面上方に配置する形式(特許文献1参照)や、氷供給口を蓄熱槽の槽底部に配置する形式(特許文献2,3参照)が提案されており、また、氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水中の水面近傍に配置する形式も提案されている(特許文献4〜6参照)。
特開平2−166330号公報 特開平5−1834号公報 特開2003−254567号公報 特許第3300714号公報 特開平8−233313号公報 特開2004−93000号公報
しかし、蓄熱槽における氷充填率を大きくして冷熱の蓄熱量を大きく確保したり、氷集積層を形成した蓄熱運転後の蓄熱槽から取り出す冷水の温度を安定化するなどの観点から、氷集積層は蓄熱槽における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一なものを形成するのが望ましいが、上記の従来設備において、氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水の水面上方に配置する形式では、氷供給口から落下供給される氷粒が成長途中の氷集積層の上に山状に積もる為、上記の如き良好な氷集積層(すなわち、蓄熱槽における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一な氷集積層)を形成することが難しく、また、氷供給口を蓄熱槽の槽底部に配置する形式では、氷供給口から貯留冷水中に供給された氷粒が槽底部から長い距離を浮上して成長途中の氷集積層に至るため、製氷装置への供給水を槽底部から取り出すことなどが原因で蓄熱槽内に生じる水流の影響を受け易くて、氷粒が平面視において偏った状態で浮上し易く、この為、やはり上記の如き良好な氷集積層を形成するのが難しい問題があった。
そしてまた、氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水中の水面近傍に配置する形式では、貯留冷水の水面で成長する氷集積層の層中に氷供給口が埋まる状態になって、氷供給口からの氷粒吐出(一般には氷粒と水との混合物の吐出)のため実質的に氷供給口を避けた状態の窪みのある氷集積層が形成されることで、ないしは、氷供給口から供給する氷粒の水平方向への拡がり(場合によっては、氷供給口からの氷粒供給そのもの)が成長途中の氷集積層により阻害されることで、やはり上記の如き良好な氷集積層を形成するのが難しい問題があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な氷供給形態を採ることで上記の如き問題を効果的に解消する点にある。
〔1〕本発明の第1特徴構成は氷蓄熱設備に係り、その特徴は、
蓄熱槽の貯留冷水を製氷原水として槽下部から製氷装置に供給するのに伴い、その製氷装置により生成される氷粒を氷供給口から前記蓄熱槽の貯留冷水中に供給することで、その貯留冷水に浮かぶ氷集積層を蓄熱槽内に形成して前記蓄熱槽に冷熱を蓄熱する氷蓄熱設備を構成するのに、
前記氷集積層の形成初期には、前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置させて、その上方に前記氷集積層を形成し、その後、前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷集積層の成長に伴い前記氷供給口を漸次的に下方へ移動させる構成にしてある点にある。
つまり、この第1特徴構成によれば、氷集積層の下方に氷供給口を位置させるから、氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水の水面上方に配置する形式の如く氷供給口から供給する氷粒が成長途中の氷集積層の上に山状に積もるといったことがなく、また、氷集積層の形成初期を含めて氷集積層の成長(特に厚さ方向の成長)に対し氷集積層の下方近傍に氷供給口が位置する状態を保つようにするから、氷供給口を蓄熱槽の槽底部に配置する形式に比べ、氷供給口から貯留冷水中に供給した氷粒が短い浮上距離で成長途中の氷集積層に至る状態になって、その分、製氷装置への供給水を槽底部から取り出すことなどが原因で蓄熱槽内に生じる水流の影響を受けることの少ない状態で氷粒を浮上させて成長途中の氷集積層に着層させることができる。
そしてまた、氷集積層の形成初期を含めて氷集積層の成長に対し氷集積層の下方近傍に氷供給口が位置する状態を保つようにするから、氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水中の水面近傍に配置する形式の如く貯留冷水の水面で成長する氷集積層の層中に氷供給口が埋まる状態になって実質的に氷供給口を避けた状態の窪みのある氷集積層が形成される、ないしは、氷供給口から供給する氷粒の水平方向への拡がり(場合によっては、氷供給口からの氷粒供給そのもの)が成長途中の氷集積層により阻害されるといったことも回避することができる。
すなわち、これらのことから、先述した各形式の従来設備に比べ、設備の運転上で好ましい良好な氷集積層(すなわち、蓄熱槽における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一な氷集積層)をより確実かつ安定的に形成することができ、これにより、氷充填率の向上による冷熱蓄熱量の増大や、氷集積層を形成した蓄熱運転後の蓄熱槽から取り出す冷水の温度の安定化などを一層効果的に達成することができる。
なお、第1特徴構成の実施において、氷供給口は氷粒を水との混合状態で蓄熱槽の貯留冷水中に供給するもの、あるいは、氷粒のみを蓄熱槽の貯留冷水中に供給するもののいずれであってもよく、また、製氷装置として例えば過冷却水の過冷却解除により氷粒を生成する方式の装置を採用する場合には、氷供給口から過冷却水を吐出させる時点で過冷却解除して氷粒を発生させるものにしてもよい。
また、蓄熱槽に貯留する水は、薬剤混合のない単純な水、あるいは、薬剤を混合した水溶液のいずれであってもよい。
〔2〕本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷供給口を下方へ移動させる手段として、
前記氷供給口を形成した氷供給器を前記蓄熱槽内で上下移動させる駆動手段と、前記氷集積層の成長を検出する検出手段と、この検出手段による氷集積層の成長の検出に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段とを設けてある点にある。
つまり、この第2特徴構成によれば、氷供給口を形成した氷供給器を上記の如き制御手段による駆動手段の制御により移動させることで、氷集積層の下方近傍に氷供給口が位置する状態を保つように氷供給口を氷集積層の成長に伴い漸次的に下方へ移動させる(略言すれば、氷供給口そのものを移動させる)から、氷供給口からの氷粒の供給状態を一定に保ち易く、これにより、前述の如き良好な氷集積層を一層確実かつ安定的に形成することができる。
〔3〕本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷供給口を下方へ移動させる手段として、
複数の前記氷供給口を上下方向に並べて前記蓄熱槽に設けるとともに、それら複数の氷供給口を選択的に氷供給状態と氷供給停止状態とに切り換える切換手段と、前記氷集積層の成長を検出する検出手段と、この検出手段による氷集積層の成長の検出に基づいて前記切換手段を制御する制御手段とを設けてある点にある。
つまり、この第3特徴構成によれば、上下方向に並べて設けた複数の氷供給口を上記の如き制御手段による切換手段の制御により選択的に氷供給状態(蓄熱槽の貯留冷水中に氷粒を供給する状態)にすることで、氷集積層の下方近傍に氷供給口が位置する状態を保つように氷供給口を氷集積層の成長に伴い漸次的に下方へ移動させる(略言すれば、氷供給口そのものの移動ではなく、氷供給状態とする氷供給口を切り換えることにより実質的に氷供給口を移動させる)から、蓄熱槽内を移動させる移動部材(例えば、第2特徴構成における氷供給器など)を要することなく氷供給口を移動させることができて、そのような移動部材の移動に支障を来たすことで設備の運転に支障を来たすといったことを回避することができ、この点で良好かつ安定的な運転を保ち易い設備にすることができる。
なお、第2又は第3特徴構成の実施において、氷集積層の成長を検出する検出手段には、例えば、氷集積層の下面が氷供給口に近付くことによる氷粒供給背圧の変化を検知することで氷集積層の成長を検出する方式のものや、氷集積層の存在による超音波や光線の透過状態の変化を検知することで氷集積層の成長を検出する方式のものなど、種々の検出方式のものを採用することができる。
〔4〕本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記氷供給口は、氷粒を前記蓄熱槽の貯留冷水中へ水平向きに吐出する構成にしてある点にある。
つまり、この第4特徴構成によれば、氷粒を氷供給口から蓄熱槽の貯留冷水中へ水平向きに吐出するから、その水平向き吐出により氷粒を蓄熱槽内で水平方向に分散させて浮上させることができ、これにより、氷供給口を平面視で蓄熱槽内の一部箇所に配置する構成を採りながらも、前述の如き良好な氷集積層(蓄熱槽における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一な氷集積層)を確実かつ安定的に形成することができる。
〔5〕本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記氷供給口は、氷粒を平面視で放射状に分散させて前記蓄熱槽の貯留冷水中へ水平向きに吐出する構成にしてある点にある。
つまり、この第5特徴構成によれば、氷粒を氷供給口から蓄熱槽の貯留冷水中へ水平向きに吐出するのに、氷粒を平面視で放射状に分散させて蓄熱槽の貯留冷水中へ水平向きに吐出するから、その平面視放射状の分散により氷粒を蓄熱槽内で水平方向へ一層効果的に分散させて浮上させることができ、これにより、氷供給口を平面視で蓄熱槽内の一部箇所に配置する構成を採りながらも、前述の如き良好な氷集積層を一層効果的に形成することができる。
〔6〕本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記氷集積層の成長に伴い漸次的に下方へ移動させる前記氷供給口を平面視で分散させて前記蓄熱槽に複数設けてある点にある。
つまり、この第6特徴構成によれば、氷集積層の成長に伴い漸次的に下方へ移動させる氷供給口を平面視で分散させて蓄熱槽に複数設けるから、平面視の面積が大きい蓄熱槽についても、前述の如き良好な氷集積層を確実かつ安定的に形成することができる。
〔7〕本発明の第7特徴構成は、第1〜第6特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記氷集積層を前記蓄熱槽内に形成する蓄熱運転の後、前記蓄熱槽の下部から取り出した冷水を負荷装置に供給するとともに、その負荷装置での冷熱消費により昇温した負荷装置からの戻り冷水を前記蓄熱槽の上部に戻す放熱運転を実施するのに、
前記蓄熱槽における貯留冷水の温度が全体的に4℃又はその近傍温度に上昇するまでの間は、前記負荷装置からの戻り冷水を前記蓄熱槽における貯留冷水の水面上方から散水手段により散水する形態で前記蓄熱槽に戻し、
その後は、前記蓄熱運転で下方へ移動させた前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に復帰させた状態で、その氷供給口を通じて前記負荷装置からの戻り冷水を前記蓄熱槽に戻す構成にしてある点にある。
つまり、この第7特徴構成によれば、上記の放熱運転を実施するのに、蓄熱槽における貯留冷水の温度が全体的に4℃又はその近傍温度に上昇するまでの間は、負荷装置での冷熱消費により昇温した負荷装置からの戻り冷水(例えば、16℃の冷水)を蓄熱槽における貯留冷水の水面上方から散水手段により散水する形態で蓄熱槽に戻すから、先の蓄熱運転で形成した氷集積層が存在する状態(後述の前段放熱運転)では、前述の如き良好な氷集積層(すなわち、蓄熱槽における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一な氷集積層であって、散水した負荷装置からの戻り冷水が氷集積層と十分に熱交換することなく短絡的に槽下部に向かうことを効果的に防止できる氷集積層)を前述第1特徴構成の実施により形成することとも相俟って、その戻り冷水の散水により氷集積層を効率的に融解させることができて、そのことで蓄熱槽における貯留冷水の温度を均一かつ安定的に0℃又はその近傍温度に保つことができ、これにより、蓄熱槽の槽下部から負荷装置に供給する冷水の温度を安定的に0℃又はその近傍温度に保つことができる。
また、それに続き、氷集積層が融解により消滅した状態(後述の過渡放熱運転)では、散水による混合促進とも相俟って、水面上方からの散水により蓄熱槽の上部に戻す負荷装置からの戻り冷水(例えば、16℃の冷水)と蓄熱槽における貯留冷水(0℃又はその近傍温度の冷水)とを、それらの温度の相違による比重の異なりによりいわゆる完全混合方式で効果的に混合させることができて、そのことで蓄熱槽における貯留冷水の温度を0℃又はその近傍温度から4℃又はその近傍温度まで均一かつ漸次的に上昇させることができ、これにより、蓄熱槽の下部から負荷装置に供給する冷水の温度を0℃又はその近傍温度から4℃又はその近傍温度まで漸次的に上昇させることができて、負荷装置に供給する冷水の急激かつ大きな温度変化を効果的に抑止することができる。
そして、蓄熱槽における貯留冷水の温度が全体的に4℃又はその近傍温度に上昇した後(すなわち、蓄熱槽における貯留冷水が他温度に比べて比重の大きい冷水になった後)は、先の蓄熱運転で下方へ移動させた氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水中の上部に復帰させた状態で、その氷供給口を通じて負荷装置からの戻り冷水を蓄熱槽の上部に戻すから(後述の後段放熱運転)、高温(例えば16℃)で比重の小さい負荷装置からの戻り冷水を槽内の上側に存在させ、かつ、4℃又はその近傍温度の比重の大きな冷水を槽内の下側に存在させるいわゆる温度成層状態を保って、それら上側冷水と下側冷水との境界を漸次的に下降させる槽内流動形態で、負荷装置への供給冷水を槽下部から取り出すとともに負荷装置からの戻り冷水を槽上部へ戻すことができ、これにより、蓄熱槽における下側の4℃又はその近傍温度の冷水を使い切る(逆言すれば、蓄熱槽が負荷装置からの戻り冷水で満たされる)までの間、蓄熱槽の下部から負荷装置に供給する冷水の温度を4℃又はその近傍温度に安定的に保つことができる。
すなわち、これらのことにより、負荷装置に供給する冷水の温度を効果的に安定化して負荷装置の運転を安定的に行えるようにしながらも、蓄熱槽における氷集積層が保有する潜熱としての冷熱(すなわち、放熱運転の開始後、氷集積層が融解により消滅するまでの蓄熱槽からの取り出し冷熱)と、蓄熱槽における貯留冷水が保有する顕熱としての冷熱(すなわち、氷集積層が融解により消滅した後、蓄熱槽が負荷装置からの戻り冷水で満たされるまでの蓄熱槽からの取り出し冷熱)とを効果的かつ効率的に負荷装置に供給することができる有効冷熱蓄熱量の大きな氷蓄熱設備にすることができる。
また、この第7特徴構成によれば、蓄熱運転で氷集積層の成長に伴い氷供給口を漸次的に下方へ移動させる構成を採りながらも、放熱運転では、その氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水中の上部に復帰させて負荷装置からの戻り冷水の戻し口に兼用する形態を採るから、蓄熱運転で氷集積層の成長に伴い漸次的に下降させる氷供給口とは別に、放熱運転において負荷装置からの戻り冷水を蓄熱槽の上部に戻す専用の冷水戻し口を設けるのに比べ、設備の構造を簡素化することができて、設備コストを安価にするとともに設備の製作及びメンテナンスを容易にすることができる。
〔8〕本発明の第8特徴構成は、第1〜第7特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記氷集積層を形成する蓄熱運転において、前記氷供給口からの氷粒供給による前記氷集積層の形成に先立ち、前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置させた状態で、その氷供給口を通じ前記蓄熱槽における貯留冷水を冷熱源装置に供給して4℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水を前記蓄熱槽の下部に戻し、
その後、前記蓄熱槽の上部における貯留冷水の温度が4℃又はその近傍温度に低下すると、前記蓄熱槽の下部から取り出した冷水を冷熱源装置に供給して0℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置する前記氷供給口を通じて前記蓄熱槽に戻す状態に切り換え、
さらにその後、前記蓄熱槽の下部における貯留冷水の温度が0℃又はその近傍温度に低下したとき、前記氷供給口からの氷粒供給による前記氷集積層の形成に移行する構成にしてある点にある。
つまり、この第8特徴構成によれば、氷集積層を形成する蓄熱運転において、氷供給口からの氷粒供給による氷集積層の形成に先立ち、先ず、氷供給口を蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置させた状態で、その氷供給口を通じ蓄熱槽における貯留冷水を冷熱源装置に供給して4℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水を蓄熱槽の下部に戻すから(後述の前段蓄熱運転)、蓄熱槽の上部における貯留冷水の温度が4℃又はその近傍温度に低下するまでの間(すなわち、冷熱源装置で4℃又はその近傍温度に冷却した冷水により蓄熱槽が満たされるまでの間)、冷熱源装置で冷却した4℃又はその近傍温度の比重の大きな冷水を槽内の下側に存在させ、かつ、未だ冷却しておらず高温で比重の小さな冷水を槽内の上側に存在させるいわゆる温度成層状態を保って、それら下側冷水と上側貯留水との境界を漸次的に上昇させる槽内流動形態で、冷熱源装置により冷却した4℃又はその近傍温度の冷水が保有する冷熱(顕熱)を蓄熱槽に対し効率的に蓄熱することができる。
また、その後、蓄熱槽の上部における貯留冷水の温度が4℃又はその近傍温度に低下すると、蓄熱槽の下部から取り出した冷水を冷熱源装置に供給して0℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水を蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置する氷供給口を通じて蓄熱槽に戻す状態に切り換えるから(後述の過渡蓄熱運転)、蓄熱槽の下部における貯留冷水の温度が0℃又はその近傍温度に低下するまでの間(すなわち、冷熱源装置で冷却した0℃又はその近傍温度の冷水により蓄熱槽が満たされるまでの間)、4℃又はその近傍温度の比重の大きな冷水を槽内の下側に存在させ、かつ、冷熱源装置で冷却した0℃又はその近傍温度の比重の小さな冷水を槽内の上側に存在させるいわゆる温度成層状態を保って、それら下側冷水と上側冷水との境界を漸次的に下降させる槽内流動形態で、冷熱源装置により冷却した0℃又はその近傍温度の冷水が保有する冷熱(顕熱)を蓄熱槽に対し効率的に蓄熱することができる。
そして、その後、蓄熱槽の下部における貯留冷水の温度が0℃又はその近傍温度に低下したとき、氷供給口からの氷粒供給による氷集積層の形成に移行するから(後述の後段蓄熱運転)、蓄熱運転の全体として、顕熱としての冷熱(すなわち、冷熱源装置により冷却した冷水の保有冷熱)を蓄熱槽に蓄熱することと、それに続き、潜熱としての冷熱(すなわち、氷集積層の保有潜熱としての冷熱)を蓄熱槽に蓄熱することとを極めて効率的かつ能率良く行うことができる。
また、この第8特徴構成によれば、蓄熱運転において氷供給口を、冷熱源装置に供給する貯留冷水の取出口と、冷熱源装置からの戻り冷水の戻し口と、氷粒を貯留冷水中に供給する本来の氷供給口との三者に兼用する形態を採るから、これら三者の口として各別の専用口を設けるのに比べ、設備の構造を簡素化することができて、設備コストを安価にするとともに設備の製作及びメンテナンスを容易にすることができる。
なお、第8特徴構成の実施において、4℃又はその近傍温度の冷水を生成する冷熱源装置と0℃又はその近傍温度の冷水を生成する冷熱源装置とは、共通の冷熱源装置あるいは各別の冷熱源装置のいずれであってもよく、また、0℃又はその近傍温度の冷水を生成する冷熱源装置と氷粒を生成する製氷装置も、共通の装置あるいは各別の装置のいずれであってもよい。
〔9〕本発明の第9特徴構成は氷蓄熱設備の運転方法に係り、その特徴は、
蓄熱槽の貯留冷水を製氷原水として槽下部から製氷装置に供給するのに伴い、その製氷装置により生成される氷粒を氷供給口から前記蓄熱槽の貯留冷水中に供給することで、その貯留冷水に浮かぶ氷集積層を蓄熱槽内に形成して前記蓄熱槽に冷熱を蓄熱するのに、
前記氷集積層の形成初期には、前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置させて、その上方に前記氷集積層を形成し、その後、前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷集積層の成長に伴い前記氷供給口を漸次的に下方へ移動させる点にある。
つまり、この第9特徴構成の設備運転方法によれば、第1特徴構成の氷蓄熱設備により得られる前述の効果と同様、氷供給口から供給する氷粒が成長途中の氷集積層の上に山状に積もるといったがなく、また、氷供給口から貯留冷水中に供給した氷粒が短い浮上距離で成長途中の氷集積層に至る状態になって、その分、製氷装置への供給水を槽底部から取り出すことなどが原因で蓄熱槽内に生じる水流の影響を受けることの少ない状態で氷粒を浮上させて成長途中の氷集積層に着層させることができる。
そしてまた、貯留水の水面で成長する氷集積層の層中に氷供給口が埋まる状態になって実質的に氷供給口を避けた状態の窪みのある氷集積層が形成される、ないしは、氷供給口から供給する氷粒の水平方向への拡がり(場合によっては、氷供給口からの氷粒供給そのもの)が成長途中の氷集積層により阻害されるといったことも回避することができ、これらのことから、設備の運転上で好ましい良好な氷集積層(すなわち、蓄熱槽における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一な氷集積層)を確実かつ安定的に形成することができて、氷充填率の向上による冷熱蓄熱量の増大や、氷集積層を形成した蓄熱運転後の蓄熱槽から取り出す冷水の温度の安定化などを効果的に達成することができる。
なお、第1特徴構成と同様、第9特徴構成の実施において、氷供給口は氷粒を水との混合状態で蓄熱槽の貯留冷水中に供給するもの、あるいは、氷粒のみを蓄熱槽の貯留冷水中に供給するもののいずれであってもよく、また、例えば製氷装置として過冷却水の過冷却解除により氷粒を生成する方式の装置を採用する場合には、氷供給口から過冷却水を吐出させる時点で過冷却解除して氷粒を発生させるものにしてもよい。
また、蓄熱槽に貯留する水は、薬剤混合のない単純な水、あるいは、薬剤を混合した水溶液のいずれであってもよい。
図1は空調用の氷蓄熱設備を示し、1は冷水Cとともに氷を貯留する蓄熱槽であり、この蓄熱槽1内の下部には、槽内貯留冷水Cの取り出し及び槽内への冷水Cの戻しに用いる下部出入器2を設け、また、蓄熱槽1内の上部で下部出入器2のほぼ直上方には、同じく槽内貯留冷水Cの取り出し及び槽内への冷水Cの戻しに用いるとともに、氷供給器として槽内への氷の供給に用いる上部出入器3を設けてある。
下部出入器2及び上部出入器3は、図2に示す如く、ほぼ同構造のものであり、平行に配置した上下二枚の円板状部材2a,3aの間の隙部に対して、上部又は下部の出入管4,5を一方の円板状部材2a,3aの中心部で開口させるとともに、それら二枚の円板状部材2a,3aの外周縁どうしにわたる多孔板2b,3bを円板状部材2a,3aの全周にわたらせて張設し、この多孔板2b,3bの張設部(厳密には多孔板2b,3bにおける多数の孔)を槽内に対する出入口2c,3cとする構造にしてある。
すなわち、槽内への冷水Cの戻しについては、出入管4,5を通じて戻る冷水Cを下部出入器2又は上部出入器3における出入口2c,3cから平面視で放射状に分散させて槽内の貯留冷水C中へ水平向きに吐出し、一方、槽内冷水Cの取り出しについては、槽内の貯留冷水Cを下部出入器2又は上部出入器3における出入口2c,3cから平面視で均等に吸入して出入管4,5に導くようにしてある。
下部出入器2及びそれに接続した下部出入管4は槽内において固設してあり、これに対し、上部出入器3に接続した上部出入管5の縦配管部5aは、その長手方向(すなわち上下方向)に伸縮自在な管にし、この縦配管部5aの伸縮により槽内における上部出入器3の上下移動を許容する。
そして、上部出入器3には、蓄熱槽1の上方から槽内に垂下した棒状連動部材6の下端を連結し、蓄熱槽1の上方には、この棒状連動部材6をラックピニオン機構などを介して上下移動させる駆動装置7を設けてあり、この駆動装置7により棒状連動部材6を上下に駆動移動させることで上部出入器3を図中実線で示す状態と一点鎖線で示す状態とにわたり槽内で上下移動させるようにしてある。
8は冷凍機9の吸熱部と熱源熱交換器10との間においてブラインBをブラインポンプ11により循環させるブライン循環路、12は冷凍機9の放熱部と冷却塔13との間において冷却水CWを冷却水ポンプ14により循環させる冷却水循環路、15は蓄熱槽1と熱源熱交換器10との間において冷水Cを熱源側冷水ポンプ16により循環させる熱源側冷水循環路であり、下部出入器2に接続した下部出入管4は熱源側冷水循環路15の往路15aを通じて熱源熱交換器10の冷水入口10aに接続し、上部出入器3に接続した上部出入管5は熱源側冷水循環路15の復路15bを通じて熱源熱交換器10の冷水出口10bに接続してある。
また、この熱源側冷水循環路15には、下部出入器2に接続した下部取水管4を熱源熱交換器10の冷水入口10aに代えて冷水出口10bに連通させ、かつ、上部出入器3に接続した上部出入管5を熱源熱交換器10の冷水出口10bに代えて冷水入口10aに連通させた状態で、冷水Cを蓄熱槽1と熱源熱交換器10との間において同じく熱源側冷水ポンプ16により循環させるための2本の切換用バイパス路15c,15d、及び、切換用開閉弁V1〜V5を装備してある。
つまり、この熱源側冷水循環路15では、下部出入器2−往路15a−熱源熱交換器10−復路15b−上部出入器3の順に冷水Cを循環させる正転循環(図4参照)と、上部出入器3−切換用バイパス路15c−熱源熱交換器10−切換用バイパス路15d−下部出入器2の順に冷水Cを循環させる逆転循環(図3参照)との選択的な実施を可能にしてある。
一方、蓄熱槽1における槽内水面の上方には、その槽内水面のほぼ全体に対して均一に散水する散水器17を装備してあり、この散水器17は散水用給水管18を介して上部出入管5と並列の状態で熱源側冷水循環路15の復路15bに接続し、散水用給水管18及び上部出入管5には、それらを開閉する切換用開閉弁V6,V7を装備してある。
また、熱源側冷水循環路15の往路15aには、2本のバイパス路15c,15dの接続部よりも蓄熱槽1寄りの箇所において空調機やファンコイルユニットなどの負荷装置19に対する負荷側冷水循環路20の往路20aを接続し、熱源側冷水循環路15の復路15bには、2本のバイパス路15a,15bの接続部と散水用給水管18の分岐部との間において負荷側冷水循環路20の復路20bを接続してあり、これら負荷側冷水循環路20の往路20a及び復路20bには、それらを開閉する切換用開閉弁V8,V9を熱源側冷水循環路15に対する接続部近傍において装備し、また、負荷側冷水循環路20の往路20aには、負荷側冷水循環路20を通じて負荷装置19と蓄熱槽1との間で冷水Cを循環させる負荷側冷水ポンプ21を装備してある。
22a〜22cは蓄熱槽1の下部、上下中間部、上部の夫々における貯留冷水Cの温度ta,tb,tcを検出する第1〜第3温度センサ、23は熱源熱交換器10の冷水出口10bにおける冷水温度toを検出する第4温度センサ、24は上部出入管5の管内水圧pを検出する圧力センサ、25は棒状連動部材6の下方への延出長Lを検出するストロークセンサ、26はこれらセンサの検出情報に基づき切換用開閉弁V1〜V9の開閉操作や各装置の発停操作などを実行する制御器であり、具体的には、この制御器26は次の(イ)〜(ヘ)の制御を実行する。
なお、図3〜図10において、各切換用開閉弁V1〜V9のうち白抜きのものは開弁状態を示し、黒塗りのものは閉弁状態を示す。
(イ)前段蓄熱運転
設定蓄熱開始時刻T1になると、先の放熱運転の完了で例えば16℃の高温冷水Cが蓄熱槽1内に満たされた図10に示す如き状態から、図3に示す如く、上部出入器3を蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置させた状態で、切換用開閉弁V1〜V9の開閉操作及び熱源側冷水ポンプ16の運転により熱源側冷水循環路15において前記の逆転循環を実施するとともに、冷凍機9、ブラインポンプ11、冷却塔13、冷却水ポンプ14を運転する。
また、熱源側冷水循環路15での逆転循環において、熱源熱交換器10の冷水出口10bにおける冷水温度toが第1設定温度t1(本例ではt1=4℃)になるように、第4温度センサ23により検出される出口冷水温度toに基づき冷凍機9の出力を調整する。
つまり、この前段蓄熱運転では、上部出入器3を蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置させた状態で、その上部出入器3の出入口3cを通じ蓄熱槽1における高温冷水C(16℃)を熱源熱交換器10に供給して冷凍機9による冷却ブラインBとの熱交換により第1設定温度t1に冷却し、その冷却した第1設定温度t1の冷水C(4℃)を下部出入器2の出入口2cから平面視で放射状に分散させて蓄熱槽1における下部の貯留冷水C中へ水平向きに吐出し、これにより、第3温度センサ22cにより検出される蓄熱槽上部の貯留冷水温度tcが第1設定温度t1に低下するまでの間(すなわち、熱源熱交換器10で第1設定温度t1に冷却した冷水C(4℃)により蓄熱槽1が満たされるまでの間)、熱源熱交換器10で第1設定温度t1に冷却した比重の大きな冷水C(4℃)を槽内の下側に存在させ、かつ、未だ第1設定温度t1に冷却していない比重の小さな冷水C(16℃)を槽内の上側に存在させる温度成層状態を保って、それら下側冷水C(4℃)と上側冷水C(16℃)との境界Kを漸次的に上昇させる槽内流動形態で、熱源熱交換器10により冷却した第1設定温度t1の冷水C(4℃)が保有する冷熱(顕熱)を蓄熱槽1に蓄熱する。
(ロ)過渡蓄熱運転
上記の前段蓄熱運転において第3温度センサ22cにより検出される蓄熱槽上部の貯留冷水温度tcが第1設定温度t1に低下する(すなわち、熱源熱交換器10で第1設定温度t1に冷却した冷水C(4℃)により蓄熱槽1が満たされた状態になる)と、図4に示す如く、上部出入器3を引き続き蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置させた状態で、切換用開閉弁V1〜V9の開閉操作及び熱源側冷水ポンプ16の運転により熱源側冷水循環路15において前記の正転循環を実施するとともに、冷凍機9、ブラインポンプ11、冷却塔13、冷却水循環ポンプ14を引き続き運転する。
また、熱源側冷水循環路15での正転循環において、熱源熱交換器10の冷水出口10bにおける冷水温度toが第2設定温度t2(本例ではt2=0℃)になるように、第4温度センサ23により検出される出口冷水温度toに基づき冷凍機9の出力を調整する。
つまり、この過渡蓄熱運転では、下部出入器2の出入口2cを通じて蓄熱槽1の下部から取り出した冷水C(4℃)を熱源熱交換器10に供給して冷凍機9による冷却ブラインBとの熱交換により第2設定温度t2に冷却し、その冷却した第2設定温度t2の冷水C(0℃)を蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置する上部出入器3の出入口3cから平面視で放射状に分散させて蓄熱槽1における上部の貯留冷水C中へ水平向きに吐出し、これにより、第1温度センサ22aにより検出される蓄熱槽下部の貯留冷水温度taが第2設定温度t2に低下するまでの間(すなわち、熱源熱交換器10で第2設定温度t2に冷却した冷水C(0℃)により蓄熱槽1が満たされるまでの間)、熱源熱交換器10で第2設定温度t2に冷却した比重の小さな冷水C(0℃)を槽内の上側に存在させ、かつ、未だ第2設定温度t2に冷却していない比重の大きな冷水C(4℃)を槽内の下側に存在させる温度成層状態を保って、それら上側冷水C(0℃)と下側冷水C(4℃)との境界Kを漸次的に下降させる槽内流動形態で、熱源熱交換器10により冷却した第2設定温度t2の冷水C(0℃)が保有する冷熱(顕熱)を蓄熱槽1に蓄熱する。
(ハ)後段蓄熱運転
上記の過渡蓄熱運転において第1温度センサ22aにより検出される蓄熱槽下部の貯留冷水温度taが第2設定温度t2に低下する(すなわち、熱源熱交換器10で第2設定温度t2に冷却した冷水C(0℃)により蓄熱槽1が満たされた状態になる)と、図5に示す如く、上部出入器3を蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部から漸次的に下降させながら、熱源側冷水循環路15において正転循環を継続するとともに、冷凍機9、ブラインポンプ11、冷却塔13、冷却水ポンプ14を引き続き運転する。
また、熱源側冷水循環路15での正転循環において、熱源熱交換器10の冷水出口10bにおける冷水温度toが氷点下の第3設定温度t3(本例ではt3=−2℃)になるように、第4温度センサ23により検出される出口冷水温度toに基づき冷凍機9の出力を調整する。
つまり、この後段蓄熱運転では、下部出入器2の出入口2cを通じて蓄熱槽1の下部から取り出した冷水C(0℃)を熱源熱交換器10に供給して冷凍機9による冷却ブラインBとの熱交換により氷点下の第3設定温度t3に冷却し、その冷却した第3設定温度t3の過冷却水C(−2℃)を上部出入器3の出入口3cから蓄熱槽1の貯留冷水C中に戻すが、この際、上部出入器3に張設した多孔板3bへの過冷却水C(−2℃)の衝突により過冷却を解除して、その過冷却水C(−2℃)を0℃の冷水Cとそれに含まれる多数の氷粒aとに変化させることで、それら多数の氷粒aを浮上させて貯留冷水C(0℃)に浮かぶ氷集積層Aを蓄熱槽1内に形成し、これにより、多数の氷粒aの保有冷熱(主に融解潜熱)を蓄熱槽1に蓄熱する。
また、氷集積層Aを蓄熱槽1内に形成するのに、0℃の冷水Cと多数の氷粒aとの混合物を上部出入器3の出入口3cから平面視で放射状に分散させて蓄熱槽1の貯留冷水C中へ水平向きに吐出することで、それら多数の氷粒aを平面視において蓄熱槽1内に広く均等に分散させた状態で浮上させるようにするとともに、上部出入器3を貯留冷水C中の上部から漸次的に下降させることで、氷集積層Aの成長に対し上部出入器3の出入口3c(すなわち、氷供給口)が氷集積層Aの下方近傍に位置する状態を保つようにし、これらのことにより、蓄熱槽1における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一な氷集積層Aを蓄熱槽1内に形成する。
そして、ストロークセンサ25により検出される棒状連動部材6の下方延出長Lが設定上限長Lsに至ったとき(すなわち、図6に示す如く所要厚さの氷集積層Aが蓄熱槽1内に形成されたとき)、後段蓄熱運転を終了して蓄熱運転の全てを完了し、この状態で設定空調開始時刻T2に至るのを待つ。
なお、上部出入器3の下降については、圧力センサ24により検出される上部出入管5の管内水圧pが設定閾水圧psを上回ると、その検出管内水圧pが設定閾水圧psを下回る状態になるまで所定の小さな速度で上部出入器3を下降させるように駆動装置7を制御する構成にしてあり、また、設定閾水圧psとしては、氷集積層Aの成長により氷集積層Aの下面部が上部出入器3の出入口3cに近付くことで上部出入器3の出入口3cからの混合物(0℃の冷水とそれに含まれる多数の氷粒a)の吐出抵抗が増大したときの上部出入管5の管内水圧(換言すれば、氷粒供給背圧)を用いてあり、これにより、氷集積層Aの成長に対し上部出入器3の出入口3c(氷供給口)が氷集積層Aの下方近傍に位置する状態を保つように上部出入器3を漸次的に下降させる。
(ニ)前段放熱運転
設定空調開始時刻T2になると、先の蓄熱運転の完了で低温冷水C(0℃)と所要厚さの氷集積層Aとが蓄熱槽1内に存在する図6に示す状態から、図7に示す如く、切換用開閉弁V1〜V9の開閉操作及び負荷側冷水ポンプ21の運転により、蓄熱槽1における冷水Cを下部出入器2−負荷側冷水循環路20の往路20a−負荷装置19−負荷側冷水循環路20の復路20b−散水器17の順に循環させる。
つまり、この前段放熱運転では、氷集積層Aとともに蓄熱槽1内に存在する冷水C(0℃)を下部出入器2の出入口2cを通じ負荷装置19に供給し、そして、負荷装置19での冷熱消費により昇温した負荷装置19からの戻り冷水C(例えば16℃の冷水)を散水器17により氷集積層Aに対し散水する形態で蓄熱槽1に戻すが、前述の如く蓄熱槽1における平面視の占有面積が大きくて厚さが均一な氷集積層A(すなわち、散水した戻り冷水Cが氷集積層Aと十分に熱交換することなく短絡的に蓄熱槽1の下部に向かうことを効果的に防止できる氷集積層)を形成することとも相俟って、負荷装置19からの戻り冷水C(16℃)の散水により氷集積層Aを効率的に融解させ、これにより、蓄熱槽1における貯留冷水Cの温度を均一かつ安定的に0℃に保って、負荷装置19に供給する冷水Cの温度を安定的に0℃に保つ。
(ホ)過渡放熱運転
この過渡放熱運転は、上記の前段放熱運転において氷集積層Aが融解により消滅すると、制御器26による切換操作を伴うことなく自ずと前段放熱運転から移行する運転であり、この過渡放熱運転では、図8に示す如く、先の前段放熱運転に引き続き、蓄熱槽1における冷水Cを下部出入器2−負荷側冷水循環路20の往路20a−負荷装置19−負荷側冷水循環路20の復路20b−散水器17の順に循環させる。
つまり、先の前段放熱運転において氷集積層Aが融解により消滅すると、蓄熱槽1における貯留冷水Cは負荷装置19からの戻り冷水Cのため0℃を上回るようになるが、この過渡放熱運転では、氷集積層Aの融解による消滅後、第1〜第3温度センサ22a〜22cにより検出される蓄熱槽下部の貯留冷水温度ta,蓄熱槽上下中間部の貯留冷水温度tb,蓄熱槽上部の貯留冷水温度tcの夫々がほぼ前記の第1設定温度t1(本例ではt1=4℃)に上昇するまでの間、負荷装置19からの戻り冷水C(16℃)を散水器17による散水で蓄熱槽1の上部に戻すことにより、その散水による混合促進とも相俟って、負荷装置19からの戻り冷水C(16℃)と蓄熱槽1における貯留冷水C(0℃)とを、それらの温度の相違による比重の異なりにより完全混合方式で効果的に混合させ、これにより、蓄熱槽1における貯留冷水Cの温度をほぼ0℃からほぼ4℃まで均一かつ漸次的に上昇させて、負荷装置19に供給する冷水Cの急激かつ大きな温度変化を防止する。
(ヘ)後段放熱運転
上記の過渡放熱運転において第1〜第3温度センサ22a〜22cにより検出される蓄熱槽下部の貯留冷水温度ta,蓄熱槽上下中間部の貯留冷水温度tb,蓄熱槽上部の貯留冷水温度tcの夫々がほぼ前記の第1設定温度t1(本例ではt1=4℃)に上昇すると、図9に示す如く、上部出入器3を蓄熱槽1における貯留冷水Cの上部に復帰させた状態で、切換用開閉弁V1〜V9の開閉操作及び負荷側冷水ポンプ21の運転により、蓄熱槽1における冷水Cを下部出入器2−負荷側冷水循環路20の往路20a−負荷装置19−負荷側冷水循環路20の復路20b−上部出入器3の順に循環させる。
つまり、この後段放熱運転では、下部出入器2の出入口2cを通じて蓄熱槽1における下部の冷水C(4℃)を負荷装置19に供給し、そして、負荷装置19での冷熱消費により昇温した負荷装置19からの戻り冷水C(16℃)を蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に復帰させた上部出入器3の出入口3cから平面視で放射状に分散させて蓄熱槽上部の貯留冷水C中へ水平向きに吐出することにより、高温で比重の小さな負荷装置19からの戻り冷水Cを槽内の上側に存在させ、かつ、比重の大きな4℃の冷水Cを槽内の下側に存在させる温度成層状態を保って、それら下側冷水C(4℃)と上側冷水C(16℃)との境界Kを漸次的に下降させる槽内流動形態で、負荷装置19への供給冷水Cを蓄熱槽1の下部から取り出すようにし、これにより、図10に示す如く蓄熱層1における下側の冷水(4℃)を使い切る(逆言すれば、負荷装置19からの戻り冷水(16℃)により蓄熱槽1が満たされる)までの間、負荷装置19に供給する冷水Cの温度をほぼ4℃に安定的に保つ。
以上要するに、本実施形態において、ブライン系装置8〜11及び冷却水系装置12〜14は、蓄熱槽1の貯留冷水Cを冷却する冷熱源装置Xを構成し、また、この冷熱源装置Xと上部出入器3とは、蓄熱槽1の貯留冷水Cを製氷原水として蓄熱槽1に供給する氷粒aを過冷却解除方式により生成する製氷装置を構成する。
そして、上部出入器3の出入口3cは蓄熱槽1の貯留冷水C中に氷粒aを供給する氷供給口を構成し、本実施形態の氷蓄熱設備では、貯留冷水Cに浮かぶ氷集積層Aを蓄熱槽1内に形成するのに、氷集積層Aの形成初期には、氷供給口3cを蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置させて、その上方に氷集積層Aを形成し、その後、氷集積層Aの下方近傍に氷供給口3cが位置する状態を保つように氷集積層Aの成長に伴い氷供給口3cを漸次的に下方へ移動させる構成にしてある。
また、氷集積層Aの下方近傍に氷供給口3cが位置する状態を保つように氷供給口3cを下方へ移動させる手段として、駆動装置7は、氷供給口3cを形成した氷供給器3(上部出入器)を蓄熱槽1内で上下移動させる駆動手段を構成し、圧力センサ24は、氷集積層Aの成長を検出する検出手段を構成し、制御器26は、この検出手段24による氷集積層Aの成長の検出に基づいて駆動手段7を制御する制御手段を構成する。
そしてまた、本実施形態の氷蓄熱設備では、蓄熱運転を行うのに、氷供給口3cからの氷粒供給による氷集積層Aの形成に先立ち、氷供給口3cを蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置させた状態で、その氷供給口3cを通じ蓄熱槽1における貯留冷水Cを冷熱源装置Xに供給して4℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水Cを蓄熱槽1の下部に戻す前段蓄熱運転を実施し、その後、その前段蓄熱運転において蓄熱槽1の上部における貯留冷水Cの温度tcが4℃又はその近傍温度に低下すると、蓄熱槽1の下部から取り出した冷水Cを冷熱源装置Xに供給して0℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水Cを蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に位置する氷供給口3cを通じて蓄熱槽1に戻す過渡蓄熱運転に切り換え、さらにその後、その過渡蓄熱運転において蓄熱槽1の下部における貯留冷水Cの温度taが0℃又はその近傍温度に低下したとき、氷供給口3cからの氷粒供給により氷集積層Aを形成する後段蓄熱運転に移行する構成にしてある。
また、蓄熱運転の後、蓄熱槽1の下部から取り出した冷水Cを負荷装置19に供給するとともに、その負荷装置19での冷熱消費により昇温した負荷装置19からの戻り冷水Cを蓄熱槽1の上部に戻す放熱運転を行うのに、蓄熱槽1における貯留冷水Cの温度ta〜tcが全体的に4℃又はその近傍温度に上昇するまでの間は、負荷装置19からの戻り冷水Cを蓄熱槽1における貯留冷水Cの水面上方から散水手段17により散水する形態で蓄熱槽1に戻す前段放熱運転と過渡放熱運転とを実施し、その後は、蓄熱運転で下方へ移動させた氷供給口3cを蓄熱槽1における貯留冷水C中の上部に復帰させた状態で、その氷供給口3cを通じて負荷装置19からの戻り冷水Cを蓄熱槽1に戻す後段放熱運転を行う構成にしてある。
〔別の実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
前述の実施形態では、氷集積層Aの下方近傍に氷供給口3c(上部出入器3の出入口)が位置する状態を保つように氷集積層Aの成長に伴い氷供給口3cを下方へ移動させるのに、氷供給口3cを形成した氷供給器3(上部出入口)を駆動手段7により下方へ移動させることで氷供給口3cを下方へ移動させるようにしたが、これに代え、図11に示す如く、複数の氷供給口3cを上下方向に並べて蓄熱槽1に設けるとともに、それら複数の氷供給口3cを選択的に氷供給状態(貯留冷水C中へ氷粒aを供給する状態)と氷供給停止状態とに切り換える弁などの切換手段V7と、氷集積層Aの成長を検出する前述圧力センサなどの検出手段24と、この検出手段24による氷集積層Aの成長の検出に基づいて切換手段V7を制御する前述制御器の如き制御手段26とを設け、この制御手段26による切換手段V7の制御により、氷供給状態とする氷供給口3cを順次、下方の氷供給口3cに移行させることで、実質的に氷供給口3cを下方へ移動させる構成にしてもよい。
また、氷供給口3cを形成した複数の氷供給器3を上下方向に並べて蓄熱槽1に設けるとともに、それら氷供給器3各々の氷供給口3cを選択的に氷供給状態と氷供給停止状態とに切り換える弁などの切換手段と、それら氷供給器3の各々を上下方向に移動させる駆動手段と、氷集積層Aの成長の検出に基づき、それら切換手段及び駆動手段を制御する制御手段を設け、これにより、氷供給状態とする氷供給口3cの選択的な切り換えと各氷供給器3の下方への移動との組み合わせをもって、実質的に氷供給口3cを下方へ移動させる構成にしてもよい。
前述の実施形態では、蓄熱槽1内に1つの氷供給口3cを設ける構成を示したが、これに代え、氷集積層Aの成長に伴い漸次的に下方へ移動させる氷供給口3cを図12に示す如く平面視で分散させて蓄熱槽1に複数設けるようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、蓄熱槽1を一槽だけ設ける構成を示したが、これに代え、図13に示す如く、複数の蓄熱槽1を並列的に設け、これら蓄熱槽1の夫々に、氷集積層Aの成長に伴い漸次的に下方へ移動させる氷供給口3cを装備する構成にしてもよい。
前述の実施形態では、氷供給口3cを上部冷水取出口や上部冷水戻し口として兼用する例を示したが、これら上部冷水取出口や上部冷水戻し口として氷供給口とは別の専用口を設けるようにしてもよい。
また、氷供給口3cは、氷粒aを平面視で放射状に分散させて貯留冷水C中へ水平向きに吐出させる構造に限らず、氷粒aを水平一方向ないし互いに逆向きの水平二方向に向けて貯留冷水C中へ吐出させる構造などであってもよく、その具体的構造は種々の変更が可能である。
本発明の実施において、氷粒aを生成する製氷装置は過冷却解除方式の製氷装置に限られるものではなく、例えば、層状の氷を削って氷粒を生成する方式のものや、塊状の氷を砕いて氷粒を生成する方式のものなどであってもよい。
前述の実施形態では、蓄熱槽1に蓄熱した冷熱を空調に用いる例を示したが、本発明の実施において、蓄熱槽1に蓄熱した冷熱の用途は空調に限られるものではなく、物品の冷却など、どのような用途であってもよい。
氷蓄熱設備の全体構成を示す図 出入器の斜視図 前段蓄熱運転の運転形態を示す図 過渡蓄熱運転の運転形態を示す図 後段蓄熱運転の運転形態を示す図 蓄熱運転の完了状態を示す図 前段放熱運転の運転形態を示す図 過渡放熱運転の運転形態を示す図 後段放熱運転の運転形態を示す図 放熱運転の完了状態を示す図 別実施形態を示す設備構成図 別実施形態を示す蓄熱槽の平面図 別実施形態を示す蓄熱槽の側面図
符号の説明
1 蓄熱槽
C 冷水
X,3 製氷装置
a 氷粒
3c 氷供給口
A 氷集積層
3 氷供給器
7 駆動手段
24 検出手段
26 制御手段
V7 切換手段
19 負荷装置
17 散水手段
X 冷熱源装置

Claims (9)

  1. 蓄熱槽の貯留冷水を製氷原水として槽下部から製氷装置に供給するのに伴い、その製氷装置により生成される氷粒を氷供給口から前記蓄熱槽の貯留冷水中に供給することで、その貯留冷水に浮かぶ氷集積層を蓄熱槽内に形成して前記蓄熱槽に冷熱を蓄熱する氷蓄熱設備であって、
    前記氷集積層の形成初期には、前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置させて、その上方に前記氷集積層を形成し、その後、前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷集積層の成長に伴い前記氷供給口を漸次的に下方へ移動させる構成にしてある氷蓄熱設備。
  2. 前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷供給口を下方へ移動させる手段として、
    前記氷供給口を形成した氷供給器を前記蓄熱槽内で上下移動させる駆動手段と、前記氷集積層の成長を検出する検出手段と、この検出手段による氷集積層の成長の検出に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段とを設けてある請求項1記載の氷蓄熱設備。
  3. 前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷供給口を下方へ移動させる手段として、
    複数の前記氷供給口を上下方向に並べて前記蓄熱槽に設けるとともに、それら複数の氷供給口を選択的に氷供給状態と氷供給停止状態とに切り換える切換手段と、前記氷集積層の成長を検出する検出手段と、この検出手段による氷集積層の成長の検出に基づいて前記切換手段を制御する制御手段とを設けてある請求項1記載の氷蓄熱設備。
  4. 前記氷供給口は、氷粒を前記蓄熱槽の貯留冷水中へ水平向きに吐出する構成にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の氷蓄熱設備。
  5. 前記氷供給口は、氷粒を平面視で放射状に分散させて前記蓄熱槽の貯留冷水中へ水平向きに吐出する構成にしてある請求項4記載の氷蓄熱設備。
  6. 前記氷集積層の成長に伴い漸次的に下方へ移動させる前記氷供給口を平面視で分散させて前記蓄熱槽に複数設けてある請求項1〜5のいずれか1項に記載の氷蓄熱設備。
  7. 前記氷集積層を前記蓄熱槽内に形成する蓄熱運転の後、前記蓄熱槽の下部から取り出した冷水を負荷装置に供給するとともに、その負荷装置での冷熱消費により昇温した負荷装置からの戻り冷水を前記蓄熱槽の上部に戻す放熱運転を実施するのに、
    前記蓄熱槽における貯留冷水の温度が全体的に4℃又はその近傍温度に上昇するまでの間は、前記負荷装置からの戻り冷水を前記蓄熱槽における貯留冷水の水面上方から散水手段により散水する形態で前記蓄熱槽に戻し、
    その後は、前記蓄熱運転で下方へ移動させた前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に復帰させた状態で、その氷供給口を通じて前記負荷装置からの戻り冷水を前記蓄熱槽に戻す構成にしてある請求項1〜6のいずれか1項に記載の氷蓄熱設備。
  8. 前記氷集積層を形成する蓄熱運転において、前記氷供給口からの氷粒供給による前記氷集積層の形成に先立ち、前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置させた状態で、その氷供給口を通じ前記蓄熱槽における貯留冷水を冷熱源装置に供給して4℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水を前記蓄熱槽の下部に戻し、
    その後、前記蓄熱槽の上部における貯留冷水の温度が4℃又はその近傍温度に低下すると、前記蓄熱槽の下部から取り出した冷水を冷熱源装置に供給して0℃又はその近傍温度に冷却するとともに、その冷却した冷水を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置する前記氷供給口を通じて前記蓄熱槽に戻す状態に切り換え、
    さらにその後、前記蓄熱槽の下部における貯留冷水の温度が0℃又はその近傍温度に低下したとき、前記氷供給口からの氷粒供給による前記氷集積層の形成に移行する構成にしてある請求項1〜7のいずれか1項に記載の氷蓄熱設備。
  9. 蓄熱槽の貯留冷水を製氷原水として槽下部から製氷装置に供給するのに伴い、その製氷装置により生成される氷粒を氷供給口から前記蓄熱槽の貯留冷水中に供給することで、その貯留冷水に浮かぶ氷集積層を蓄熱槽内に形成して前記蓄熱槽に冷熱を蓄熱する氷蓄熱設備の運転方法であって、
    前記氷集積層の形成初期には、前記氷供給口を前記蓄熱槽における貯留冷水中の上部に位置させて、その上方に前記氷集積層を形成し、その後、前記氷集積層の下方近傍に前記氷供給口が位置する状態を保つように前記氷集積層の成長に伴い前記氷供給口を漸次的に下方へ移動させる氷蓄熱設備の運転方法。

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