JP2007085498A - 支承装置 - Google Patents

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Akira Kosaka
晃 小坂
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Abstract

【課題】支承装置の各部材を組付けする際にそれらの位置決め作業を容易にし、かつ部材表面の損傷を低減し、しかも部材間の締結性が低下しない支承装置を提供することである。
【解決手段】上部構造物12にソールプレート10を介して締結される上沓5と、下部構造物13にベースプレート11を介して締結される下沓9と、前記上沓5と下沓9との間に配設され一体に締結されるゴム支承部20とからなる支承装置であって、前記ソールプレート10、上沓5、ゴム支承部20、下沓9およびベースプレート11の各締結面のうち、少なくとも1つに溝1が形成され、該溝1内には、載荷重に抗して溝1から突出する弾性すべり部材4が収容されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、建築構造物、橋梁、陸橋等の支承装置に関し、特に支承装置の各部材を締結する際に、それらの位置決めを容易にするための弾性すべり材を備えた支承装置に関する。
一般に、橋梁などの上部構造物と橋脚などの下部構造物との間には、ゴム支承体が配置され、上部構造物から作用する力を下部構造物に伝え、上部構造の荷重の載荷によるたわみやねじれ変形を吸収している。このゴム支承体は、通常、上部構造物に固定される上沓と、下部構造物にアンカーボルトにより固定される下沓と、これらの間に配設されたゴム支承部とを備える。このゴム支承体により下向きの鉛直荷重が支持される。
通常、前記支承装置は、橋梁などに使用される場合、支承本体および上沓、下沓、ベースプレートなどの部材の組付け作業や施工時において、各部材を所定の位置に設置するにあたっては、各部材をクレーンで吊り上げたり、チェーンブロックで引き摺りながら各部材を所定位置に搬送後、最終的な位置決めは人力によって行なっていた。
しかし、これらの部材は重量物であるため、部材の慣性力や各部材間の摩擦の抵抗が大きく、そのため正確で微小な位置決めが困難である。また、各部材は亜鉛メッキなどを施した鋼板がそのまま使用されるので、前記位置決めの際、締結部材の表面を損傷しやすい。この損傷により、メッキ部分の剥離などが起こり、防錆効果が低下する。
一方、前記各部材間の摩擦抵抗をなくすために、各部材間に緩衝材などを挟むと、組立ての精度や各部材間の締結性が低下するといった問題が生じる。
特許文献1では、橋梁での支承装置の設置において、橋梁の橋桁架設後において生じる橋桁の収縮を吸収するために、支承部材間にベアリングシートなどを用いてスライド移動させる提案がなされている。しかしながら、これは橋梁の組付け後の上部構造物の伸縮に対応するものであるため、橋梁の組付け時において適用するのは困難である。
特開2001−234977号公報
本発明の課題は、支承装置の各部材を組付けする際にそれらの位置決め作業を容易にし、かつ部材表面の損傷を低減し、しかも部材間の締結性が低下しない支承装置を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の支承装置は、以下の構成をなす。
(1)上部構造物にソールプレートを介して締結される上プレートと、下部構造物にベースプレートを介して締結される下プレートと、前記上プレートと下プレートとの間に配設され一体に締結されるゴム支承部とからなる支承装置であって、前記ソールプレート、上プレート、ゴム支承部、下プレートおよびベースプレートの各締結面のうち、少なくとも1つに凹部が形成され、該凹部内には、載荷重に抗して凹部から突出する弾性すべり部材が収容されていることを特徴とする支承装置。
(2)前記弾性すべり部材が、表面にすべり部材を設けた弾性体からなる(1)に記載の支承装置。
(3)前記凹部が、締結後の前記弾性すべり部材をすべて凹部内に収容するのに充分な容積を有する(1)または(2)に記載の支承装置。
(4)前記弾性すべり部材が、締結時の締結力で凹部内に収容される(1)〜(3)のいずれかに記載の支承装置。
本発明の(1)〜(4)に記載の支承装置によれば、組付ける各部材締結面のうち、少なくとも1つに凹部が形成され、該凹部内に収容された弾性すべり部材は、載荷重支持機能と、すべり機能とが備わるために、部材の組み付け締結時において部材間の摩擦抵抗を低下させ、各部材の位置決めを容易にすることができる。また、各部材表面への損傷を防止することができるので、損傷による防錆の低下を低減できる。さらに、締結後は、締結力で弾性すべり部材が凹部内にすべて収容されるので、部材間の締結性を低下させないという効果がある。
以下、本発明の一実施形態にかかる支承装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態にかかる支承装置の概略断面図であり、図2は上沓5(上プレート)の部分拡大断面図であり、図3は弾性すべり材4の断面図である。図4は、上沓5をゴム支承部の上に載荷した状態の断面図であり、図5は、上沓5をゴム支承部と締結した状態の断面図である。
図1に示すように、支承装置は、橋梁などの上部構造物12にソールプレート10を介して固定される上沓5と、橋脚などの下部構造物13にベースプレート11を介して固定される下沓9と、これらの間に配設されたゴム支承部20とを備えている。ゴム支承部20は、複数のゴム層7と硬質板8との積層体および該積層体の上下両面に配設された補強部6,6(鋼板)からなる。
上部構造物12と上沓5とは、ソールプレート10を介し、上沓取付けボルト15により締結固定されている。前記ゴム支承部20は、上下両面の補強部6,6が上沓5および下沓9(下プレート)と締結ボルト16により締結固定されている。また、下部構造物13と下沓9とは、ベースプレート11を介し、下沓取付けボルト15により締結固定されている。
なお、図1において、18および19はせん断キーである。
本実施形態では、図2に示すように、ゴム支承部20と締結される上沓5の締結面に矩形状の溝1(凹部)が形成されており、この溝1内に弾性すべり材4が収容される。なお、図2において、17は締結ボルト16の挿通孔である。
溝1は、図3に示すように、上沓5の締結面51の周囲に複数設けられていてもよい。溝1の長さや幅は特に限定されない。また、溝1に代えて、例えば円形やその他の形状の穴であってもよい。
前記溝1は、締結後の前記弾性すべり部材4をすべて溝1内に収容するのに充分な容積を有する。
本発明における弾性すべり部材4は、図4に示すように表面にすべり部材3を設けた弾性体2からなる。この弾性すべり部材4は、溝1内に一部が突出するように収容されている。特に、上沓5をゴム支承部20の上面に載置した、いわゆる自重載荷状態において、弾性すべり部材4は載荷重(本実施形態の場合は上沓5の重さ)に抗して溝1から突出するように構成される。これにより、部材組み付け時のすべり機能が発揮される。弾性すべり部材4の突出長さは0.5〜10mm、好ましくは1〜3mmであるのがよい。
弾性体2が載荷重を支える荷重支持機能を有するためには、弾性体2として例えばゴムや熱可塑性エラストマーなどを使用するのがよい。すべり部材3としては、例えば四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂のフィルムまたは成形体が挙げられる。
前記弾性すべり部材4は、必要なら弾性体2側を前記溝1の底部に接着するなどして、溝1に収容される。
支承装置を組み立てる際には、吊り用リング15などを用いて上沓5を吊り上げて、ゴム支承部20の上に載置し、上沓5の位置決めを行う。このとき、図5に示すように、上沓5をゴム支承部20の上に載置した状態では、前記弾性すべり部材4は、上沓5の締結面より突出して、上沓5の荷重を支えている。これにより、上沓5とゴム支承部20の補強部6との間の摩擦抵抗が低減され、位置決めのために人力で部材を容易に移動することができ、正確な位置決めが可能となる。
位置決めが設定された後、上沓5とゴム支承部20の補強部6とは締結ボルト16により締結される。このとき、締結ボルト16の締結力により弾性すべり部材4は変形し、溝1に押し込まれる。溝1の容積は弾性すべり部材4を収容するのに充分な容積を有しているので、押し込まれた弾性すべり部材4は、すべて溝1の中に収納される。これにより、上沓5と上沓5連結鋼板6を締結ボルト16で固定した後は、図6に示すように、上沓5とゴム支承部20の締結面には弾性すべり部材4が介在することがなく、上沓5とゴム支承部20との締結性を低減させることがない。
上沓5とゴム支承部20上の所定位置に設置するにあたっては、すべり部材4が両者の間に介在しているので、これら部材間の接触による損傷が低減し、損傷による防錆用のメッキの剥離なども低減するので防錆の効果を損なわない。
なお、上記実施形態では、上沓5に溝1を形成した場合について説明したが、ゴム支承部20の補強部6に、弾性すべり部材4を収容した溝1を形成しても同様の効果を得ることができる。また、ソールプレート10と上沓5との間、下沓9とゴム支承部20の下部にある補強部6との間、下沓9とベースプレート11との間における各締結面の一方または両方にも同様な弾性すべり部材4を収容した溝1を形成しても同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる支承装置の概略断面図である。 上沓(上プレート)の部分拡大断面図である。 溝(凹部)が形成された上沓の締結面を示す底面図である。 弾性すべり部材の断面図である。 上沓をゴム支承部の上に載荷した状態の断面図である。 上沓をゴム支承部と締結した状態の断面図である。
符号の説明
1:溝(凹部)
2:弾性体
3:すべり部材
4:弾性すべり部材
5:上沓(上プレート)
6:補強部
7:ゴム層
8:硬質板
9:下沓(下プレート)
10:ソールプレート
11:ベースプレート
12:上部構造体
13:下部構造体
16:締結ボルト

Claims (4)

  1. 上部構造物にソールプレートを介して締結される上プレートと、下部構造物にベースプレートを介して締結される下プレートと、前記上プレートと下プレートとの間に配設され一体に締結されるゴム支承部とからなる支承装置であって、
    前記ソールプレート、上プレート、ゴム支承部、下プレートおよびベースプレートの各締結面のうち、少なくとも1つに凹部が形成され、
    該凹部内には、載荷重に抗して凹部から突出する弾性すべり部材が収容されていることを特徴とする支承装置。
  2. 前記弾性すべり部材が、表面にすべり部材を設けた弾性体からなる請求項1に記載の支承装置。
  3. 前記凹部が、締結後の前記弾性すべり部材をすべて凹部内に収容するのに充分な容積を有する請求項1または2に記載の支承装置。
  4. 前記弾性すべり部材が、締結時の締結力で凹部内に収容される請求項1〜3のいずれかに記載の支承装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8647687B2 (en) 2008-07-11 2014-02-11 Nestec S.A. Isoamyl acetate for weight management

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