JP2007085453A - シール部材およびシール部材の成型方法 - Google Patents

シール部材およびシール部材の成型方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コストを抑え、所定間隔を置いて位置する双方の壁面材の開口部への取り付け作業を容易とするシール部材とその成型方法を提供する。
【解決手段】 第一の板部300の開口300aから第二の板部200の開口200aに向かって、それらの開口の内部を延びるように筒状に形成されて、全体の骨格をなすシール部材本体2と、そのシール部材本体2を、第一の板部300と前記第二の板部200との双方の開口300a,200aに取り付ける2つの取付部31,32とを有し、これら2つの取付部31,32は、板部300,200の双方の開口をシールする。シール部材本体2と取付部31,32とは、弾性変形可能な高分子材料を用いて形成され、かつ取付部31,32には、フランジ部2aを除き、シール部材本体2よりも弾性変形能が高い高分子材料が用いられて形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、開口を有して対面する2枚の壁面材に挟まれる空間を外部に対してシールするシール部材に関する。
開口を有して対面する2枚の板材に挟まれる空間を外部に対してシールするシール部材としては、例えば、車両の給油口に配置されるシール部材がある。給油口の内部は、車両の外壁材と一体になる外側の板材の開口とホイールハウスを構成する内側の板材の開口とが対面して設けられ、それら双方の開口には燃料タンクから延びるパイプが通されており、そのパイプの先端部が給油口側に表れている。シール部材は、この2つの開口の間に位置するパイプ周りに配置されて、その外側の板材と内側の板材とで隔てられた空間に、パイプから漏れる燃料や外からの水等が侵入することを防いでいる。
このような給油口に形成されるシール構造としては、例えば特許文献1にその記載がある。また、現在では、図8に示すようなシール構造が存在する。図8に示すシール構造は、弾性変形が容易で、筒状に形成されたシール部材100が、フューエルリッド301内側の壁面材300の開口300aとホイールハウスアウターパネル等の壁面材200の開口200aとを跨るようにしてその内部に配置され、そのシール部材100の筒状の本体内部にCリング101,102を取り付け、その外に広がる反発力によって、双方の壁面材200,300に固定されている。このとき、この反発力によって、シール部材100の本体と両壁面材200、300とが押圧されて密着し、両壁面材200,300に挟まれる空間を車両の外部やホイールハウス内の空間に対してシールする。
特公平3−42206号公報
しかしながら、図8に示すような構造のシール部材の場合、これを車両に取り付ける際には、シール本体をつぶした状態にして給油口内壁300の開口300aから挿入し、挿入した内部においてこれを広げて双方の壁面材の開口部分に取り付け、その後に2つのCリング101,102をシール部材100の本体内部に設けられた段部にはめ込むという手順が必要であり、ある程度の錬度が無ければ取り付け作業に時間が掛かるという課題があった。また、Cリングは金属製であり、コスト高であるという課題もあった。
本発明は、コストを抑え、所定間隔を置いて位置する双方の壁面材の開口部への取り付け作業を容易とするシール部材とその成型方法を提供するものである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために、本発明のシール部材は、
所定間隔を置いて位置する双方の板部において、対面するように設けられた双方の板部の開口を連通させる筒状構造を有し、それらの板部に挟まれる空間を外部に対してシールするように双方の開口にまたがって取り付けられるシール部材であって、
外側の前記板部の開口から内方の前記板部の開口の内部に延びる筒状の骨格をなすシール本体を形成し、その筒状のシール本体には、2つの前記開口周辺部にそれぞれ密着するシール部が前記シール本体とは別部材で一体に構成され、前記空間を前記シール部と前記シール本体とで外部に対してシールするとともに、
前記シール本体と前記シール部とは、弾性変形可能な高分子材料を用いて形成され、前記シール部の高分子材料には、前記シール本体の高分子材料よりも弾性変形能が高い高分子材料が用いられており、
前記シール本体は、前記シール部の弾性変形によって前記板部の開口へ挿入され、かつ前記シール本体は2つのシール部によって双方の前記板部の開口を同時にシールすることを特徴とする。
上記構造をなす本発明のシール部材は、シール部と本体とが樹脂やゴム等の高分子材料のみで一体に形成されるため、金属製のCリング等の金属部材を必要とせず低コストで生産できる。また、その高分子材料を可塑性を有するものとすることで例えば、射出成型などによって効率的に製造することが可能である。
また、上記構造のようなシール部材は板部の開口への取り付けが容易となる。従来の図8に示すようなシール部材を取り付ける場合には、シール部材全体を板部の開口に押し込む形で行われるが、押し込む際には挿入しやすいように全体を弾性変形させて小さくして開口に挿入し、挿入後その内部でこれを広げ、双方の板部の開口に対してそれぞれのシール部(段部)を手で嵌め込み、Cリングを装着するというような手順が必要であった。ところが、上記構造のシール部材は、板部の開口に取り付けに際しては、シール部材全体を双方の板部の開口の一方側から挿入することで行うこととなるが、シール本体が比較的剛性のある高分子材料であるため、開口挿入時にはシール本体自身が容易に変形することなく安定して挿入することができ、また、シール部が比較的弾性変形能の高い高分子材料であるため、開口挿入時にシール部が開口周辺部と接触してその挿入が妨げられるような場合であっても、このシール部は容易に弾性変形するため、挿入の妨げとはならない。従って、上記構造のシール部材は、開口への挿入が容易であり、取り付けやすい。
また、本発明のシール部材では、前記シール本体に形成された前記シール部は、前記各板部の開口に前記シール部材が挿入された際に、それらの各板部の開口周辺部の表面又は裏面と密着し、それらの面を押圧してシールするフランジ部を備えることができる。
上記構造によればシール部は、開口周辺部を押圧するフランジ状の構造として形成されることで、シール部が板部と面接触する構造をなすため、より効果的なシール効果が得られる。また、この構造によれば、シール部材の開口に取り付けられたときに、2つのシール部は、双方の板部に挟まれる内部空間側からそれぞれの板部の開口周辺部に延びるフランジ形状をなし、双方の板部の開口周辺部をその外側に向けて押圧する、あるいは、双方の板部の外側からそれぞれの板部の開口周辺部に延びるフランジ形状をなし、双方の板部の開口周辺部を内側に向けて押圧するように形成することができる。この場合、このような双方の板部全体を内から外に押し広げる、あるいは外から内に向けて挟むように押し付ける構造となるため、この場合、これらのシール部は、板部への取り付け構造としても機能する。これにより、Cリング等の他の取付具などを用いることなくシンプルに板部に取り付けることも可能となる。
また、本発明のシール部材では、前記シール部材本体とは別部材とで一体に構成されたシール部は、前記フランジ部のほかに前記板部の開口周辺部に接触するように延びる補助フランジ部を備え、この補助フランジ部と前記フランジ部とによって、前記板部の開口周辺部を表裏両面側から挟み込むように押圧してシールするとともに、この挟み込み構造によって前記シール本体が前記板部へ取り付けられるものであってもよい。
上記構造によれば、シール部は、1つのフランジ部と補助フランジ部とによって1つの板部の開口周辺部を表裏両面側から同時にシールする二重シール構造として形成されるため、シール効果が増す。また、その二重シール構造は、板部への取り付けのための挟み込み構造ともなるため、板部への取り付けもより強固なものとなる。これにより、シール機能と取り付け機能を同時に備える構造とすることができる。
また、本発明のシール部材では、前記シール本体は、前記板部に対して接触するように延びる本体側フランジ部を一体に備え、この本体側フランジ部と前記シール部のフランジ部とによって、前記板部の開口周辺部を表裏両面側から挟み込むように押圧してシールするとともに、この挟み込み構造によって前記シール本体が前記板部へ取り付けることができる。
上記構造においても、既に述べた二重シール構造として形成されるため、シール効果が増すとともに、その構造により板部への取り付けもより強固なものとなる。また、この二重シール構造をなすシール部の一方のフランジ部には、シール本体と同材料からなる本体側フランジ部が用いられており、もう一方をなすフランジ部よりも高い剛性を有する。本発明のシール部材において、シール部のフランジ部全てが弾性変形能の高い材料で形成されると、それら全てのフランジ部が弾性変形しやすいため、これを板部に取り付けた後に位置ぶれを起こしやすい。しかしながら、それらのフランジ部のうち1つでも高い剛性を示す弾性部材にて形成されていれば、そのフランジ部がシール部材全体の位置固定部となり、上記の位置ぶれなどを生じないようにすることができる。上記構造では、本体側フランジ部がその位置固定部としての役割を果たすものであるとともに、この本体側フランジ部は、挿入時のストッパとしても機能し、シール部材を開口に挿入した際のシール本体の位置決めを容易としている。
また、剛性の高い材料からなる本体側フランジ部は、シール本体と同様の比較的高い剛性を有することで、その外側の板部の開口通過時に、その本体側フランジ部を弾性変形させるためにある程度の力が必要となるが、通過後にはその力の分だけ強い力で弾性復帰して、板部の開口周辺部と接触する。このとき、シール部材の取付作業を行う者は、その弾性復帰に伴う振動、あるいは板部や他の部材との接触等によって生じる音や衝撃等を大きく感じることができ、はっきりとした装着感を得ることができる。従って、取り付け作業者が装着が完了したことを明確に認識することが可能となる。
また、本発明のシール部材では、前記シール部材には、前記シール部材本体から前記板部の開口周辺部に接触する本体側フランジ部と、前記シール部材から他方の前記板部の開口周辺部に接触する補助フランジ部とを備え、
前記シール部の2個のフランジ部はそれぞれ前記本体側フランジ部と前記補助フランジ部とによって双方の前記板部の開口周辺部を表裏両面側から挟み込むように押圧してシールするとともに、これらの挟み込み構造によって前記シール本体が前記板部に取り付けることができる。
上記構造においては、双方の板部への固定が既に述べた二重シール構造で行われるため、シール効果・取り付け効果が高い。また、シール部のフランジ部の一方に剛性の高い材料が用いられるため、上記のような位置ぶれ防止、ストッパ機能、装着感等の効果も得られる。また、こうした剛性の高い材料のフランジ部を1つだけとすることで、開口挿入時の挿入を大きく妨げることなく、上記の効果を得ることが可能となる。
また、フランジ部を有する2つのシール部間の距離と双方の板部の開口間の距離とは、通常一致するようにして製造されるが、製造の過程でシール部の形成位置や、双方の板部の開口間距離に多少の誤差が生じたりする場合も考えられる。このような状態にあってシール部材を取り付けるときは、剛性の比較的高い本体側フランジ部を含むシール部は、板部に対して取り付け位置が固定されるが、もう一方の補助フランジ部を含むシール部は、双方のフランジ部の弾性変形能が高いため、誤差を有する開口への取り付けに対して多少の融通がきく。つまり、たとえ上記のような誤差があり、双方の板部の開口に対するシール部の位置関係が通常より多少ずれていたとしても、補助フランジ部側のシール部の弾性変形の状態を通常の場合よりもわずかに変化させて取り付けることが可能であり、このとき、そのフランジ部及び補助フランジ部が板部開口周辺部とある程度の押圧力を持って接触さえしていれば、シール性にも問題を生じることはない。従って、シール部材や板部に多少の寸法誤差があったとしても、問題なく取り付けることができる。
また、本発明のシール部材では、所定間隔を置いて位置する双方の板部と密接する2個の前記シール部は、その一方が前記シール本体の内側から連続して構成され、他方が前記シール部材の外側から連続して構成されており、
前記シール本体に形成した貫通孔を介して、2個の前記シール部が一体化されていてもよい。
上記構造の場合、筒状をなすシール本体の中間部において、その筒構造を内側から外側に貫通する貫通孔が形成され、2つのシール部は、その貫通孔を通って前記シール本体の内側から外側に回り込み、双方のシール部が連続するように形成される。このようなシール本体とシール部とが貫通孔によって絡み合うように形成されることで、双方の結合をより強固なものとすることができる。また、本発明のシール部材は、可塑性を有する高分子材料からなる構造体とすることができるため、例えば、射出成型などによって効率的に製造することが可能であり、射出成型を行う時には、その貫通孔を溶融材料の通り道として利用することができるため、その製造も容易となる。
本発明のシール部材では、所定間隔を置いて位置する双方の板部と密接する2個の前記シール部は、その一方が筒状の前記シール本体の内側と接触する筒状の内側連結部から連続して構成され、他方が前記シール本体の外側と接触する筒状の外側連結部から連続して構成され、
前記シール本体は、前記内側連結部と接触する外周側筒部と、前記外側の連結部と接触する内周側筒部と、それらの中間に位置する中間部とで構成され、
前記外周側筒部は、前記内周側筒部よりも径が大きく形成されるとともに、前記中間部は、前記外周側筒部と前記内周側筒部とが連続するように傾斜して形成され、その傾斜面に前記貫通孔が形成されており、
前記シール本体と前記シール部の連結部とからなる筒構造部全体が、外側の前記板部側の径よりも内方側の前記板部側の径が小さくなるように形成されていてもよい。
上記構造の場合、貫通孔を利用する異なる2部材を強固に固定する構造を維持しつつ、その構造を利用して、シール部材全体を、図2に示すような先細りの筒形状とすることができる。シール部材の板部への取り付けは、図6に示すように、シール本体に設けられた一方のシール部32を外側の板部300の開口に挿入し、さらにそのシール部32をその奥にあるもう一方の板部200の開口にも挿入して、それと同時にもう一方のシール部31を外側の板部300に挿入するような形で行われるが、上記のような先細りの筒形状とすることで、先の挿入されるシール部のフランジ部が外側の板部の開口に接触し難い、あるいは接触しないようにすることができるため、板部の開口への挿入は容易となる。
また、本発明のシール部材では、前記フランジ部は、前記板部に向かって円錐台形状に接近する形状を有するものでもよい。例えば、図2に示すような形状とすることができる。なお、ここでのフランジ部には、本体側フランジ部、補助フランジ部を含むことができる。この場合、両フランジ部の間には、図2の31b、32bのような隙間(溝部)が生じ、この隙間に板部を挟み込むことで板部を取り付けることができる。このとき、フランジ部が筒状の円錐台形状をなすことで、取り付けられた後に、フランジ部の先端が板部の開口を囲むようにその周辺部を押さえ付け、さらにこれが表裏両面から行われる構造となるため、高いシール効果と強固な取付構造が同時に得られる。なお、本体側フランジ部は、高い剛性を有するため、板部をもうひとつのフランジ部とで挟み込んで支持した場合に、本体側フランジ部とは異なるもう一方のフランジ部は板部に対して強固に密着するため十分に高いシール効果が得られる。ところが、高い剛性を有するために、板部の開口への挿入に大きな力が要る。従って、本体側フランジ部は、筒状をなすシール本体の円周方向全周にわたって形成される必要は無く、円周方向に等間隔おきに設けられた、板部に向かって接近する複数の突出部からなるように形成されていてもよい。これにより、一定のシール効果を維持しつつ、板部の開口への挿入に要する力を小さくすることができ、挿入し易くすることができる。
また、上記構造のシール部材を板部の開口に取り付けるときには、その挿入及び取り付けが容易となる利点がある。板部への取り付けは、例えば図6に示すような手順で行われることができるが、このとき、フランジ部3c,2aの外周形状が、先端に向かって細くなる円錐台形状をなしているため、挿入時に開口周辺部と接触しても容易に弾性変形して無理なく挿入することが可能となっている。特に、フランジ部2aが比較的高い剛性を有するものであっても、この形状であれば弾性変形は生じやすく、開口への挿入は容易である。また、この形状であれば、シール部材が所定の位置まで押し込まれると、2つのフランジ部双方の板部の開口周辺部が、対応するフランジ部の間の隙間にほぼ同時に挟み込まれ、ワンタッチでの取り付けが可能となる。また、2つのフランジ部に挟圧された状態となると、シール部材は極めて抜け難い状態となる。
本発明のシール部材では、全体を構成する2つの異なる高分子材料のうち、弾性変形能の高い方の高分子材料をポリエステル系熱可塑性エラストマーで形成し、弾性変形能の低い方の高分子材料をポリプロピレンまたはナイロンで形成することができる。このシール部材は、例えば車両の給油口に配されて、車両給油口内の壁面材(本発明の板部)とホイールハウスの壁面材(本発明の板部)とに挟まれる空間をシールするものとして利用することができる。この場合、シール部材には、ガソリン等の燃料に対する耐性が要求されるため、上記のようなポリエステル系熱可塑性エラストマーや、ポリプロピレン、ポリアミド等を使用することができる。なお、本発明はこれらの高分子材料に限定されるものではなく、他のものを使用してもよい。
本発明の記載のシール部材の成型方法は、上記のシール部材の成型方法であって、
前記シール本体、又は前記シール本体を形成するための内部形状を有するキャビティ部を備える金型を用い、第一の溶融材料を射出することで前記シール本体を成型する第一の射出成型工程と、
前記第一の射出成型工程で形成された前記シール本体を内包するとともに、その前記シール本体に固定される前記シール部を形成するための内部形状を有するキャビティ部を備える金型を用い、その金型にて第二の溶融材料を射出することで、一体をなす2個の前記シール部を成形する第二の射出成型工程とを有して前記シール部材を成型することを特徴とする。
これにより、二段階の射出成型工程を経て上記シール部材を形成することができる。例えば上記した2種の金型を同時に備え、上記のシール部材の成型が、第一の射出成形工程の後で、その工程での成形物が第二の射出成形工程に移行する自動化された射出成型機を用いることによって、容易な製造が可能となる。
以下、本発明のシール部材の実施例として、車両の給油口に配されて、車両の給油口内の壁面材(本発明の板部)とホイールハウスの壁面材(本発明の板部)とに挟まれる空間をシールするシール部材を例にあげて、本発明の説明を行う。なお、本発明のシール部材は、必ずしも給油口に配されるものでなくとも良い。
図1は、車両の給油口まわりの構造を示すものであり、同図に示されるシール部材1が本発明のシール部材である。給油口10は、リヤフェンダパネル(車両外板)の凹部として形成されて、フューエルリッド301によって蓋をされている。この凹部を構成する給油口内壁の壁面材(板部)300は、フューエルリッド301とは逆側で、ホイールハウスの外側壁面をなす壁面材(板部)200と対面しており、双方の壁面材200,300には開口200a,300aが設けられている。これらの壁面材200,300に挟まれる空間500は、車室内とつながる空間である。本発明のシール部材1は、これらの2つの開口200a,300aに跨るように配置されており、その内部には、車両のリヤシートの下に設置される燃料タンクに給油するためのパイプ400が配設されている。このパイプ400の燃料タンクとは逆側の端部にはキャップ401が設けられ、給油口側に露出して表れる。
図2は、図1に示すシール部材1を拡大した図であり、図2の(a)はその断面を示す図、図2の(b)はその外観を示す図である。また、図3は、図2の(a)の断面部分を更に拡大した拡大図である。図2に示すシール部材1は、全体の骨格として形成される筒状のシール本体2と、図1の壁面材300、200に取り付けるための取付部31,32とを有する取付構造部3とを主として構成される。なお、ここでいう筒状および筒形状とは、円筒等のように定められた特定の形状のみを表すものではなく、少なくとも連通する2つの開口を有する形状のことを表している。また、図2の矢印は、板部の開口にシール部材1を組み付けるときの挿入方向を示している。以下では、その矢印の指す向きを挿入方向奥側(図2の場合は図の下側)、その逆を挿入方向手前側(図2の場合は図の上側)として説明を行う。
シール本体2は、全体が筒状をなして形成されており、給油口内壁面材300側の筒部(外周側筒部)21の径がホイールハウス外壁面材200側の筒部(内周側筒部)23の径よりも大きくなるように形成されており、その本体2の中間部22において筒の径の大きさが入れ替わっている。この径の入れ替わり部分となる中間部22は、筒状の円錐台形状をなして形成される。また、その中間部22の円錐台形状をそのまま外側に延長した形で、壁面材300の内側(裏面側)の面に向かって延びる4つのフランジ部(本発明の本体側フランジ部)2aが形成される。フランジ部2aは、シール本体2の筒状部分の円周方向に対して等間隔に設けられた4つの突出部からなる。なお、このフランジ部2aは、必ずしも4つの突出部からなる必要は無く、少なくともシール本体2の筒状部分の円周方向に対して複数設けられて、壁面材300と係合可能となっていればよい。さらに言えば、その円周方向に対して等間隔おきに配置されていれば、後述するフランジ部3aとともに壁面材300をバランスよく支持することができる。また、フランジ部2aはシール本体2の筒状部分の円周方向全周に連続して形成することもできる。このフランジ部2aの先端は、滑らかな球面状をなして形成されており、その先端部には、挿入方向とは逆向きに突出し、給油口内の壁面材300と組み付けられるときにその壁面材300と係合する係合部2a´が形成されている。この係合部2a´も先端が滑らかな球面状をなして形成されている。フランジ部2a及び係合部2a´は、壁面材300が係止される構造部であるため、接触時に壁面材300に傷が生じないよう先端が球面状となっている。また、シール本体2の中間部22には、図4及び図5に示すように、その傾斜面を上下に貫通する貫通孔2cが、本実施例においては円周方向に4つ形成される。なお、貫通孔2cは少なくとも1以上あればよいが、さらに言うならばその貫通孔を複数設ける、さらにはそれらを円周方向に対して均等に配列させることが、シール部材の強度上及び製造上好ましい。なお、外周側筒部21と内周側筒部23は円筒状に形成され、それぞれの軸線が一致するような位置関係にある。
取付構造部3は、壁面材300の開口300aに対するシール部をなすフランジ部3aと、壁面材200の開港200aに対するシール部をなすフランジ部3cと、フランジ部(本発明の補助フランジ部)3bとを備えるとともに、さらにシール本体2の外周側筒部21の内周面と接触して図の上方に延びてフランジ部3aへと連続する内側連結部33と、シール本体2の内周側筒部21の外周面と接触して図の下方に延びてフランジ部3b、3cへと連続する外側連結部35と、貫通孔22をくぐるように形成され、内側連結部33と外側連結部35とを連続させる貫通部34とを備えて形成される。フランジ部3aは、内側連結部33の壁面材300側の端部から折れ曲がり、その壁面材300の外側表面に向かって延びるように形成され、全体が筒状の円錐台形状をなす。フランジ部3cは、外側連結部35の壁面材200側の端部から折れ曲がり、その壁面材200のホイールハウス側の面に向かって延びるように形成され、フランジ部aと同様の筒状の円錐台形状をなしている。フランジ部3bは、壁面材200、300に挟まれた連結部33のうち壁面材200側よりの部分から、壁面材200の面に向かって外側連結部35の中間から延びるように形成され、フランジ部3a,3cと同様に筒状の円錐台形状をなしている。また、シール部3の壁面材200側の端部には、シール本体2の筒の内側に向けて延びるリップ部3dが形成される。そのリップ部3dの付け根部分にはシール本体2の端部が密着しており、その逆側の先端部は逆側の端部に向けて延びる凸部3d´が形成されている。このリップ部は内部に配置されるパイプ400(図1参照)と密着し、シール部材1の筒内部とホイールハウス側の空間とをシールする。なお、内側連結部33と外側連結部35は径の異なる円筒状に形成され、それぞれの軸線が一致するような位置関係にある。
また、このシール部材1は、フランジ部2aとフランジ部3aとで壁面材300の開口300aに取り付けるための取付部31が形成され、フランジ部3bとフランジ部3cとで壁面材200の開口200aに取り付けるための取付部32が形成される。取付部31は、フランジ部2a,3aの間に隙間(溝部)31bが形成されており、その先端部には隙間31bにつながる開口31aが形成される。他方、取付部32は、フランジ部3b、3cの間に隙間32bが形成されて、その先端部には開口32aが形成される。取付部31の開口31aと取付部32の開口32aとは、取り付けるべき壁面材200,300の間の距離L0と同距離を隔てて設けられ、壁面材300,200に取り付けるときに、シール部31,32がこれらの壁面材300,200に同時に嵌合するようになっている。つまり、ワンタッチでの取り付けるが可能となっている。
これらの取付部31,32に関しては、図3に示されているように、シール部材取付時の挿入方向手前側にあたるフランジ部3a,3bの方が挿入方向奥側のフランジ部2a,3cよりも拡径方向に長く形成される。また、これらのフランジ部は、その先端部が板部の開口周辺部に対して接近するように、シール部材1の筒状構造部分(シール本体2や取付構造部3の連結部)の軸線方向に対して傾斜して形成されるが、そのときの傾斜角度は、図3に示されているように、挿入方向手前側のフランジ部2a,3bの方が奥側のフランジ部3a,3cよりも角度が大きく形成される。本実施例の場合は、シール部31に関しては、筒状をなすシール本体2からフランジ部3a,2aへの拡径方向の長さL1、L2がL1>L2となっており、また、シール部材中央の筒状構造部分に対するフランジ部3a、2aの傾斜角度A,BはA>Bとなっている。シール部32に関しても同様で、フランジ部3b、3cの長さL3,L4はL3>L4となっており、傾斜角度C,DはC>Dとなっている。挿入方向奥側のフランジ部2a,3cは、壁面材への取付時にその壁面材の開口を通過する部分であるため、それらの拡径方向への長さL2,L4を短くすることで、開口通過時にその開口周辺部に大きく妨げられない構造となっている。さらにそれらの傾斜角度B,Dを小さくすることで、開口通過時に弾性変形が生じ易く、かつ開口通過後には挿入方向とは逆側に引き抜き難い構造となっている。また、挿入方向手前側のフランジ部3a、2aは、それらの長さL1,L2を長くし、傾斜角度B,Dを大きくすることで、挿入方向に向けて開口を通過し難い構造となっている。
なお、ここでのフランジ部の長さとは、図3のL1〜L4のように、シール部材における筒状構造部分からフランジ部先端までの最短の直線距離であって、フランジ部の軸線に沿った長さである必要はない。また、ここでの傾斜角度とは、筒状構造部分の軸線とフランジ部の傾斜部分の軸線との角度のことを表している。本発明では、取付部を構成する2つのフランジ部について、挿入方向手前側のフランジ部を奥側のフランジ部よりも上記の長さを長くとり、また、板部の表裏から接近するために傾斜したそれらのフランジ部の上記の傾斜角度を、挿入方向奥側よりも手前側の傾斜角度を大きくとることで、取り付けが容易で、かつ抜け防止としても機能する構造とすることができる。
上記のような本発明のシール部材1は、樹脂、合成樹脂、ゴム、合成ゴム、エラストマー、プラスチック等、ある程度の弾性変形能を有する高分子材料によって形成されるものであり、本実施例においては2つの異なる高分子材料によって形成されている。シール本体2とフランジ部2aとからなる本体構造部は、シール部材1全体の骨格をなす部分であるため、シール部3よりも剛性のある材料で形成されており、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリアミド(PA)、さらにこれらのいずれかを主成分として含有する高分子材料を使用することができる。その他にも、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリスチレン(PS:特に耐衝撃性ポリスチレン(HIPS))、さらにこれらのいずれかを主成分として含有する高分子材料等を使用することもできる。また、これらの熱可塑性樹脂以外に熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂等を使用することもできる。シール部3には、エラストマーやスーパータフナイロン等の弾性変形能の高い材料で形成されている。また、本発明のシール部材1を後述するような射出成形によって作成することを考慮すれば、本体構造部にポリプロピレン(あるいはPP+タルク)、シール部にエラストマーを用いる、あるいは、本体構造部に変性ポリアミド、シール部にエラストマーやスーパータフナイロンを用いることで、本体構造部とシール部との接着が可能となり、双方がはがれ難くなる。なお、本実施例のシール部材1の場合は給油口に配されるものであるため、その材料としてはガソリン等の燃料に対する耐性を有するものが選択される必要がある。本実施例においては、シール本体2(本体構造部)にはポリプロピレンまたはポリアミド、シール部3にはポリエステル系エラストマー等を適用するものとする。
次に、2枚の対面する壁面材の開口に本発明のシール部材を組み付ける手順を説明する。本発明のシール部材を組み付ける場合には、以下の(1)〜(4)を行うこととなり、これだけの手順で簡単に取み付けを完了することができる。
(1)挿入方向手前側の板部300の開口に、挿入方向奥側の取付部32をなす挿入方向奥側のフランジ部3cを挿入する。
(2)挿入方向手前側の板部300の開口に、挿入方向奥側の取付部32をなす挿入方向手前側のフランジ部3bを挿入する。
(3)挿入方向奥側の板部200の開口に、挿入方向奥側の取付部32をなす挿入方向奥側のフランジ部3cを挿入する。
(4)挿入方向手前側の板部300の開口に、挿入方向手前側の取付部31をなす挿入方向奥側のフランジ部2aを挿入する。
以下、上記の(1)〜(4)の具体的な組み付け方法について、図6を用いて説明する。まずは、図6の(a)に示すように、シール部材1を取付部32側の端部側から給油口内の壁面材300の開口300aに挿入して、上記(1)を行う。そしてさらに挿入を続けることで上記(2)を行い、図6の(b)のように、取付部31が壁面材300の開口300aに挿入された状態とする。これら(1)及び(2)の処理では、取付部32が、開口300aよりも小さい開口200aに合わせた大きさで形成されるため、開口300aを通過する際には、フランジ部3bが多少の弾性変形を強いられるものの、挿入にそれほどの力を要することなく容易に挿入できる。なお、このフランジ部3bを小さくする等、開口に干渉することの無い形状とすることもできる。そして、さらに挿入を続けると、上記(3)と(4)とがほぼ同時に行われる。(3)では、図6の(c)に示すように、フランジ部3cの下面が壁面材200の開口200aに接触し、さらに挿入を続けることで、その開口200aの内縁側がその面を押圧してフランジ部3cに弾性変形を生じさせ、その面を開口200aの内縁側が這うような形で挿入されることで、図6の(d)のように、フランジ部2a,3a,3b,3cの先端が壁面材300,200の開口300a,200aの周辺部に密着した状態となる。このときのフランジ部3cの弾性変形は、フランジ部3cが本体2側に接近するような変形であり、フランジ部3cの形状からすればそうした変形は容易に生じうるものである。従って、フランジ部3cの開口200aへの挿入は容易である。また、(4)では、フランジ部2aが、(3)におけるフランジ部3cと同様の弾性変形を生じて開口に挿入される。上記の(3)と(4)とは、板部200,300の間隔L0と、2つのシール部の間隔とが同じであるために、1回の挿入で同時に行われる。
なお、フランジ部2aは弾性変形可能な材料ではあるが、フランジ部3cよりも高い剛性を有する高分子材料からなる。しかしながら、上記で述べたように挿入による弾性変形を生じ易い形状をなしているため、その変形は容易に生じ、挿入の妨げにはならない。上記の(3)と(4)とを行った後には、図6の(d)のような状態となるが、行った直後にはその挿入のための力が作用し続けるため、その力によってフランジ部3a、3bが開口200a、300aを貫通するように働く。しかしながら、このとき弾性変形を強いられるフランジ部3a、3bが、板部に接近するように延びる筒状の円錐台形状をなしていることから、フランジ部3a、3bが開口200a、300aを貫通することはない。つまり、貫通させるには、図6に示すフランジ部3a、3bの筒状の円錐台形状を裏返す程の大きな力が必要であるため、これらの変形は生じ得ない。従って、シール部材1は、開口300a、200aに挿入した際に、フランジ部2a,3cはこれらの開口を貫通し、フランジ部3a,3bはこれらの開口を貫通しないで止まり、これにより、図2の隙間(溝部)31b、32bに壁面材300,200が挟み込まれた状態となる。つまり、本発明のシール部材1は、開口に押込むことで、双方の壁面材300,200が隙間31a,31bにほぼ同時に嵌合し、ワンタッチでの装着が可能となっている。
なお、図6の(d)に示すように、シール部材1が両壁面材200,300に組み付けられた状態となる瞬間には、高い剛性を有するフランジ部2aが、図6の(c)の状態から図6の(d)の状態に弾性復帰力によって復帰する。そして、フランジ部2aの先端と、その先端部に設けられた係合部2a´が壁面材300と接触して係合し、その接触によって衝撃や振動、音が生じる。従って、このシール部材1を取り付ける者は、それらの衝撃や振動、音による感触・感覚によって、取り付けが完了したという装着感を得ることができる。また、フランジ部2aの先端と係合部2a´との2つの接触部を有することで、壁面材との組み付けがより強固となるとともに、係合時の装着感を一層確かに得ることができる。
このようにして、シール部材1は、給油口内の壁面材300とホイールハウスの壁面材200とに対してワンタッチで装着することができる。従って、図8のシール部材のように、Cリング101,102等の組付け具を用いるものとは異なり、シール機能を有する取付部が一体となったシール本体を、双方の壁面材(板部)にワンタッチで容易に取り付けることが可能となっている。
なお、給油口内壁壁面材300とホイールハウスの壁面材200とに対するシール部材1の装着が完了すると、次にガソリンタンクから延びるパイプ400を、そのシール部材の内部を通るように配する。このパイプ400は、ホイールハウス側から挿入されて、給油口側に端部が突出するように配置される。パイプ400をホイールハウス側から挿入するときには、シール部材1の第二フランジ部の端部に設けられたリップ部3dを挿入方向に押込むようにして弾性変形する。これにより、パイプ400が装着されたときのシール部材1のホイールハウス側は、パイプ400とリップ部3dとが接触しているとともに、リップ部3dの弾性復帰力によってパイプ400が押圧されるため、シール部材1の内部とホイールハウスとがシールされ、ホイールハウス側からの水等の進入を防ぐことが可能となる。
以下では、本発明のシール部材の成型方法(製造方法)について、図7を用いて説明する。図2に示すような構造を有するシール部材1は、2回の射出成型工程を経て形成される。このとき用いられる射出成形機には、溶融材料を射出する射出部と、それぞれが所定の内部形状のキャビティを有すると金型とを含んで構成される一般的なものを用いることができる。なお、本実施例においては、2つの金型を用いて2度の射出成型を行うとともに、そのうち先に行われる射出成形によって整形された成形物を次に行われる射出成形に使用する金型へと移行する手段を備える射出成型機を使用するものとする。
図7には、2つの金型50,60の一例が簡略的に示されており、それらを有する金型を用いた射出成型工程が順に示されている。図7の(a)に示す第一の金型50によってシール本体2が形成される。第一の金型50は、上側(第一側)をなす凸状の可動部50aと下側(第二側)をなす凹状の固定部50bとが嵌合して型締めされることで、内部にキャビティ52が形成されている。ここでは、図示しない射出成型機の第一の射出口から第一の金型50の注入口51に対して上記で述べたポリプロピレンまたはポリアミド等の溶融材料が射出されることで、その溶融材料がキャビティ52に回り込み、シール本体2が形成される。このとき、キャビティ50の凸状部50a側に設けられた凹状部50bとの密着面を有する貫通孔形成部52aにより、形成されるシール本体2の中間部22には、貫通孔2cが形成される。シール本体2が形成されると、使用した第一の金型50は、射出成形機が備える周知の金型移動機構によって可動部50aがスライド移動し、可動部50aと固定部50bとに分離される。
第一の金型50が外されると、図7の(b)に示す第二の金型60によって、第一の金型50によって成形された成形物と密着する形でシール部を備える取付構造部3が形成される。第二の金型60は、上側(第一側)をなす凸状部60aと下側(第二側)をなす凹状部60bと、それらの間の中間部60cとが嵌合して型締めされており、内部にキャビティ62が形成されている。ここでは、図示しない射出成型機の第二の射出口から第二の金型60の注入口61に対して上記で述べたエラストマー等の溶融材料が射出されることで、その溶融材料がキャビティ62に回り込み、シール本体2が形成される。このとき、キャビティ62の内部空間に配されたシール本体2には貫通孔2cが形成されているため、射出された溶融材料は、その貫通孔2cを介して上側から下側に回り込み、キャビティ62には図7の(c)のような成形物が形成される。その後、その成形物を冷却固化することで図2に示すシール部材が形成され、射出成形機が備える周知の金型移動機構によって第二の金型が分離されて、シール部材が取り出される。
なお、本発明のシール部材は、少なくとも高剛性のシール部材本体と、それよりも弾性変形能の高いシール部とからなり、対面する板部の双方に設けられた開口に対して、その開口を同時にシールすることが可能な構成をなしていればよい。上記実施例のように、高剛性のシール本体には必ずしもフランジ部が形成される必要はなく、対面する板部のそれぞれの開口をシールする弾性変形能の高いフランジ部が少なくとも2以上あればよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
本発明のシール部材を給油口に組み付けたときの断面を示す図。 本発明のシール部材の一例を簡略的に示す図。 図2(a)の部分拡大図。 シール本体に設けられる貫通孔を説明する第一の図。 シール本体に設けられる貫通孔を説明する第二の図。 本発明のシール部材を2枚の壁面材の開口部への組み付けを説明する図。 本発明のシール部材の成型方法を説明する図。 従来のシール部材を給油口に組み付けたときの断面を示す図。
符号の説明
1 シール部材
2 シール本体
2a 本体側フランジ部
2c 貫通孔
21 外周側筒部
22 中間部
23 内周側筒部
3 取付構造部
3a,3c フランジ部(シール部)
3b 補助フランジ部
3d リップ部
31,32 取付部
33 内側連結部
34 貫通部
35 外側連結部
200 ホイールハウスの壁面材(板部)
200a 開口
300 給油口内の壁面材(板部)
300a 開口
400 パイプ

Claims (10)

  1. 所定間隔を置いて位置する双方の板部において、対面するように設けられた双方の板部の開口を連通させる筒状構造を有し、それらの板部に挟まれる空間を外部に対してシールするように双方の開口にまたがって取り付けられるシール部材であって、
    外側の前記板部の開口から内方の前記板部の開口の内部に延びる筒状の骨格をなすシール本体を形成し、その筒状のシール本体には、2つの前記開口周辺部にそれぞれ密着するシール部が前記シール本体とは別部材で一体に構成され、前記空間を前記シール部と前記シール本体とで外部に対してシールするとともに、
    前記シール本体と前記シール部とは、弾性変形可能な高分子材料を用いて形成され、前記シール部の高分子材料には、前記シール本体の高分子材料よりも弾性変形能が高い高分子材料が用いられており、
    前記シール本体は、前記シール部の弾性変形によって前記板部の開口へ挿入され、かつ前記シール本体は2つのシール部によって双方の前記板部の開口を同時にシールすることを特徴とするシール部材。
  2. 前記シール本体に形成された前記シール部は、前記各板部の開口に前記シール部材が挿入された際に、それらの各板部の開口周辺部の表面又は裏面と密着し、それらの面を押圧してシールするフランジ部を備える請求項1に記載のシール部材。
  3. 前記シール部材本体とは別部材で一体に構成されたシール部は、前記フランジ部のほかに前記板部の開口周辺部に接触するように延びる補助フランジ部を備え、この補助フランジ部と前記フランジ部とによって、前記板部の開口周辺部を表裏両面側から挟み込むように押圧してシールするとともに、この挟み込み構造によって前記シール本体が前記板部へ取り付けられる請求項2に記載のシール部材。
  4. 前記シール本体は、前記板部に対して接触するように延びる本体側フランジ部を一体に備え、この本体側フランジ部と前記シール部のフランジ部とによって、前記板部の開口周辺部を表裏両面側から挟み込むように押圧してシールするとともに、この挟み込み構造によって前記シール本体が前記板部へ取り付けられる請求項2に記載のシール部材。
  5. 前記シール部材には、前記シール部材本体から前記板部の開口周辺部に接触する本体側フランジ部と、前記シール部材から他方の前記板部の開口周辺部に接触する補助フランジ部とを備え、
    前記シール部の2個のフランジ部はそれぞれ前記本体側フランジ部と前記補助フランジ部とによって双方の前記板部の開口周辺部を表裏両面側から挟み込むように押圧してシールするとともに、これらの挟み込み構造によって前記シール本体が前記板部に取り付けられる請求項3又は4に記載のシール部材。
  6. 所定間隔を置いて位置する双方の板部と密接する2個の前記シール部は、その一方が前記シール本体の内側から連続して構成され、他方が前記シール部材の外側から連続して構成されており、
    前記シール本体に形成した貫通孔を介して、2個の前記シール部が一体化されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシール部材。
  7. 所定間隔を置いて位置する双方の板部と密接する2個の前記シール部は、その一方が筒状の前記シール本体の内側と接触する筒状の内側連結部から連続して構成され、他方が前記シール本体の外側と接触する筒状の外側連結部から連続して構成され、
    前記シール本体は、前記内側連結部と接触する外周側筒部と、前記外側の連結部と接触する内周側筒部と、それらの中間に位置する中間部とで構成され、
    前記外周側筒部は、前記内周側筒部よりも径が大きく形成されるとともに、前記中間部は、前記外周側筒部と前記内周側筒部とが連続するように傾斜して形成され、その傾斜面に前記貫通孔が形成されており、
    前記シール本体と前記シール部の連結部とからなる筒構造部全体が、外側の前記板部側の径よりも内方側の前記板部側の径が小さくなるように形成される請求項6に記載のシール部材。
  8. 前記フランジ部及び前記補助フランジ部は、前記板部に向かって円錐台形状に接近する形状を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシール部材。
  9. 前記シール部は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーで形成され、前記シール本体は、ポリプロピレンまたはポリアミドで形成される請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシール部材。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のシール部材の成型方法であって、
    前記シール本体、又は前記シール本体を形成するための内部形状を有するキャビティ部を備える金型を用い、第一の溶融材料を射出することで前記シール本体を成型する第一の射出成型工程と、
    前記第一の射出成型工程で形成された前記シール本体を内包するとともに、その前記シール本体に固定される前記シール部を形成するための内部形状を有するキャビティ部を備える金型を用い、その金型にて第二の溶融材料を射出することで、一体をなす2個の前記シール部を成形する第二の射出成型工程とを有して前記シール部材を成型することを特徴とするシール部材の成型方法。


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