以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図19は、本発明の実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機1は、遊技盤2に形成された遊技領域17に遊技球を発射してゲームを行うパチンコ機である。なお、遊技機1には、有価価値カードの挿入により、遊技球を貸し出すためのカードユニット(CR球貸機)b(図17参照)が付設されている。
先ず、遊技機1全体の概要を説明する。
図2は、遊技機1全体を示す正面図である。本遊技機1は、発射された遊技球が流下して遊技を進行させる各種役物が配された遊技領域17を形成する遊技盤2と、前記遊技領域17の前面側を覆うガラス板12を固定し、その周囲に装飾ランプ・LEDやスピーカー180(図17参照)等を取り付けたガラス枠11を有している。
前記ガラス枠11の下方に位置する本体正面部には、遊技球である貸球や賞球を貯留する上受け皿3と、該上受け皿3から溢れた遊技球を貯留する下受け皿4と、前記上受け皿3に貯留した遊技球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、前記下受け皿4に貯留した遊技球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技球の発射操作を遊技者が行うためのハンドル5等が設けられている。
図1は、遊技盤2上の遊技領域17を示す斜視図であり、図3は、遊技盤2上の遊技領域17を示す正面図である。遊技盤2の正面には、発射された遊技球を遊技領域17へ導く誘導レール16が設けられており、該誘導レール16で区画された遊技領域17には、遊技球の流れに変化を与える遊技釘や風車(図示せず)と、各種入賞口と、普通図柄作動ゲート(通過ゲート)26と、特別図柄表示を行う特別図柄表示装置300と、特別図柄表示に対応させる表示遊技を実行する可変表示装置310と、該可変表示装置310の表示遊技に連動して演出動作を行う可動式の演出装置400と、可変表示装置310の表示部311の前面側周囲を縁取る窓枠構造の一部をなす遊技球転動部330と、普通図柄表示を行う普通図柄表示装置140(図5参照)等が設けられている。
前記可変表示装置310は、遊技領域17の略中央よりやや下側に配設され、該可変表示装置310の直ぐ上側に前記演出装置400が配設されている。可変表示装置310および演出装置400は、遊技領域17上にて最も大きな配置スペースを占める役物であり、特に演出装置400は、可変表示装置310の設置空間を制限することになる。なお、演出装置400は、必ずしも表示遊技に連動して演出動作を行うような可動式の装置である必要はなく、表示遊技とは無関係の動作を行う役物や、全く動作しない役物であっても良い。
また、遊技領域17には、その上端付近から一側端に沿うようにレール状に延びる遊技球誘導部材18aと、該遊技球誘導部材18aの外側を流下した遊技球を中央下方付近に導くための遊技球誘導樋18bとが設けられている。遊技球誘導部材18aは、その下端側に設けられたLED群の光が透けて見える透光性材質から形成され、前記誘導レール16と略同一高さのフランジ状に突設され、遊技球が転動・流下する割合が低い領域(図3中で遊技領域17の右半分)に設けられている。遊技球誘導部材18aの内側には、遊技球が流下することがなく、各種装飾部材として、例えば遊技球と同径で半球状のガラス玉19等が適所に設けられている。
前記遊技球誘導部材18aの下端側に設けられたLED群は、上下に並ぶように連設されて、それぞれの光が遊技球誘導部材18aを透過して発光するようになっており、装飾的効果を奏している。図5に示すようにLED群は下から順に、それぞれ2個または4個を一組として、普通図柄表示装置140、普通図柄保留LED150、状態表示LED160、それに特別図柄保留LED170を構成している。LED群について詳しくは後述する。
前記各種入賞口としては、始動入賞口21、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、大入賞口24等がある。遊技球が各種入賞口に入賞すると、それぞれ付設されたスイッチにより検出される。スイッチとして、図17に示すように、始動入賞口スイッチ121、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b等が、それぞれの入賞口内部に設置されている。また、大入賞口24の内部には、カウントスイッチ125が設置されている。さらに、普通図柄作動ゲート26の内部には、普通図柄作動ゲートスイッチ126が設置されている。
前記各種入賞口に遊技球が入賞すると、それぞれ前記スイッチによって検出され、検出される度に入賞口毎に割り当てられた所定数の賞球の払い出しが行われる。本実施の形態では、始動入賞口21には5個、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bにはそれぞれ8個、大入賞口24には15個と、賞球数が割り当てられている。ただし、前記普通図柄作動ゲート26は通過ゲートであり、遊技球が通過しても賞球の払い出しはない。なお、遊技盤2の最下部には、遊技領域17内の何れの入賞口にも入らずに落下した遊技球を、外部に排出するためのアウト口29が設けられている。
次に、遊技盤2上の主要な構成要素について、さらに詳細に説明する。
前記始動入賞口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、図3に示すように、始動入賞口21の左右両端に一対の可動片が揺動可能に設けられている。各可動片は、普通電動役物ソレノイド136(図18参照)によって拡縮動作する。始動入賞口21は、各可動片の拡縮動作により、遊技球が入賞し難い縮状態と入賞し易い拡状態とに作動する普通電動役物として構成されている。
始動入賞口21の各可動片は、前記普通図柄表示装置140における普通図柄表示の表示結果に基づき作動する。図5に示す普通図柄表示装置140は、上下2つのLED141,142の点灯によって普通図柄表示を行い、上側のLED141が「当たり」、下側のLED142が「外れ」と割り当てられている。普通図柄表示の結果が「当たり」に相当すると、前記始動入賞口21の各可動片が、通常の縮状態から拡状態に所定時間の経過または所定個数の遊技球が入賞するまで作動する。なお、前記2つのLED141,142の点灯以外にも普通図柄表示として、7セグメント表示器を使用したり、可変表示装置310の表示領域の一部に表示しても良い。
前記普通図柄表示装置140では、前記普通図柄作動ゲートスイッチ126により遊技球の通過が検出されると、普通図柄表示の権利が獲得されて、該権利に基づいて普通図柄表示が行われる。普通図柄表示が開始されると、前述した上下2つのLED141,142が交互に点滅し、所定時間が経過すると点滅が停止して、上下何れか一方が点灯表示により選択され、この表示結果を遊技者は目視により確認することができる。なお、普通図柄作動ゲートスイッチ126は、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。
また、普通図柄表示装置140における普通図柄表示の実行中に、普通図柄作動ゲートスイッチ126によって遊技球の通過が検出された場合は、普通図柄表示装置140における普通図柄表示の権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄表示が終了した後、保留にされた権利が順次消化される。普通図柄表示の保留数は、例えば上限値4個であり、普通図柄表示装置140の上側にある普通図柄保留LED150の4個のLED151〜154の個々の点灯によって報知される。
始動入賞口21に遊技球が入賞することが、次述する可変表示装置310で表示遊技が実行されるための「表示開始条件」として設定されている。始動入賞口21の内部にある始動入賞口スイッチ121によって遊技球の入賞が検出されると、可変表示装置310において表示遊技を実行する権利が獲得され、該権利に基づき表示遊技が実行される。なお、始動入賞口スイッチ121は、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。
前記可変表示装置310は、図4に示すように、液晶ユニットからなる表示部311と、該表示部311を囲む本体部312とを有している。表示部311は、表示遊技の結果に関わる識別情報等の各種画像を変動表示するものである。なお、表示部311は液晶ユニット以外にも各種画像を表示可能なものであれば良く、他に例えば、CRT(陰極線管)表示器、有機ELディスプレー表示器等を採用して構成してもかまわない。
表示遊技は、前記始動入賞口21に遊技球が入賞する表示開始条件の成立に基づき開始され、基本的には表示部311に、左側の第1図柄、右側の第2図柄、中央の第3図柄と横3列に識別情報である各種図柄が表示され、各列ごとに識別情報がスクロール変動する。変動開始から所定時間が経過すると、各列ごとに1つずつ任意の識別情報が停止確定する。表示遊技の実行中には、識別情報の変動表示に合わせて、キャラクタ画像や背景画像等も表示部311に適宜表示される。なお、変動表示する識別情報の数は横3列に限られるものではなく、他に例えば、縦横に複数ずつ並べてマトリックス状に変動表示させても良い。
前記表示遊技に関して、その開始から表示結果が導出されるまでの演出表示態様には、変動時間や表示内容がそれぞれ異なる複数種類の変動パターンが予め用意されている。各変動パターン毎に、表示遊技の表示結果として特定表示態様が導出されることに対する信頼度が互いに異なるように設定されている。各変動パターンは、後述する主基板1100から送信される制御コマンドに基づき演出制御基板1300により表示制御される。なお変動パターンの種類に応じて、前記可動式の演出装置400の演出動作を異なるように設定すると良い。具体的には例えば、変動パターンの信頼度が高いほど、演出装置400の可動範囲においてより多くないし大きく動作を行うように制御すると良い。
前記演出表示態様の何れの変動パターンに関しても、前記表示遊技の表示結果として、停止確定した識別情報が、予め定めた特定の組み合わせ(例えば「333」等と全て同一種類に揃った状態)となった場合が「特定表示態様(大当たり)」と定められている。また、特定表示態様が確定する前に、特定表示態様となる識別情報の組み合わせのうち、1つの識別情報を除く他の識別情報が特定表示態様となる組み合わせとなり、前記1つの識別情報が未確定である状態が「リーチ表示態様」に相当する。
前記表示遊技の表示結果が最終的に特定表示態様に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が実行されるように設定されている。一方、表示遊技の表示結果が、最終的に前記特定表示態様に確定しなかった場合は、「外れ表示態様(ハズレ)」に該当し、特別遊技状態は実行されない。なお、表示遊技に用いる識別情報は、0〜9の数字や記号等の単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクタを模したものを用いても良い。
また、前記表示遊技の表示結果が、識別情報のうち確変図柄(例えば奇数図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴う特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特定表示態様(確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態が発生するまで、表示遊技の表示結果が特定表示態様に確定する大当たり確率が高確率に変化する。
このように、通常の遊技状態(低確率状態)に比べて、特定表示態様に確定する大当たり確率が高まった遊技状態が、高確率状態(または「確変状態」、「確変モード」とも言う。)である。また、高確率状態中には、可変表示装置310における表示遊技の変動時間が短縮される時間短縮状態(または「時短状態」、「時短モード」とも言う。)も併せて発生するように設定されている。さらに、本実施の形態における時間短縮状態では、前記普通図柄表示装置140における普通図柄表示の変動時間も短縮されるように設定しても良い。
一方、前記表示遊技の表示結果が、識別情報のうち非確変図柄(例えば偶数図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(非確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴わない特別遊技状態が発生することになる。ここで、非確変図柄で揃った特定表示態様(非確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)を限度に、次回以降の表示遊技および普通図柄表示における変動時間が短縮されるように設定しても良い。なお、遊技状態は前記状態表示LED160によって報知され、具体的には、通常の遊技状態(低確率状態)であれば上側のLED161が点灯し、高確率状態中であれば下側のLED162が点灯するように設定されている。
前記表示遊技の実行中あるいは前記特別遊技状態の発生中に、前記始動入賞口21に遊技球が入賞した場合には、表示遊技を実行する権利が保留として獲得され、現在進行中の表示遊技等が終了した後、保留されていた権利が順次消化されるようになっている。前記表示遊技の保留数は、例えば最大で4個と設定されており、実際の保留数は遊技者が目視で確認できるように、特別図柄保留LED170の4個のLED171〜174の個々の点灯によって報知される。なお、特別図柄保留LED170の構成を省いて、可変表示装置310に保留球数を表示するようにしてもかまわない。
前記特別図柄表示装置300は、前記可変表示装置310で実行される表示遊技の表示結果の元となる大当たり判定結果、および確率変動大当たりまたは非確率変動大当たりの区別が可能な特別図柄を、前記表示遊技の実行に対応させて同時に変動表示するものであり、例えば、7セグメントLED等を利用して構成されている。特別図柄表示装置300における特別図柄表示の実行に併せて、前記可変表示装置310における表示遊技が実行されることになる。
前記大入賞口24は、一般にはアタッカーと称されるものであり、大入賞口ソレノイド134(図17、図18参照)の作動により、遊技球が入賞し易い開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞できない通常の閉状態(第2の状態)とに変化するように構成されている。なお、大入賞口24の入賞口を開閉する扉は、その下端を揺動中心として前方に傾倒することで開くようになっている。
大入賞口ソレノイド134は、前記特別遊技状態が成立した際に大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。すなわち、大入賞口24は、前記表示遊技の表示結果が特定表示態様となった場合に、特別遊技状態を形成するように開閉制御される。ここで特別遊技状態は、大入賞口24の扉が開いて遊技球が入賞し易い開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作を、所定の回数(例えば15回)を上限に繰り返す状態である。
図1、図11に示すように、前記可変表示装置310および前記演出装置400は、遊技領域17の表面より奥行方向の後側に配設されている。遊技盤2には、可変表示装置310および演出装置400を収納して前方より視認することができる開口部が設けられており、該開口部の内側に遊技領域17の表面よりも前方に突出しない状態で、可変表示装置310および演出装置400が配設されている。また、前記開口部の外周に沿って、遊技領域17の表面上に突出し、可変表示装置310の表示部311の前面側周囲を縁取る窓枠構造をなすセンターケース350が設けられている。
センターケース350は、本実施の形態では可変表示装置310のみならず演出装置400も取り囲むように形成されているが、前記表示部311の下辺部は、前記遊技球転動部330によって縁取られている。すなわち、可変表示装置310および演出装置400の上側と両側を縁取るセンターケース350に、表示部311の下辺部を縁取る遊技球転動部330が組み合わされることにより、表示部311の前面側周囲(および演出装置400)を縁取る窓枠構造となる。また、後述するがセンターケース350の一側部(図3中で左側下方部分)351には、遊技領域17を流下する遊技球を受け入れて、遊技球転動部330に遊技球を流出させたり、始動入賞口21へと誘導するための遊技球の各種経路が設けられている。
次に、本発明の主要な構成である遊技球転動部330について説明する。
図6は、遊技球転動部330を斜め前方から見た斜視図であり、図7は、遊技球転動部330を斜め後方から見た斜視図であり、図8は、遊技球転動部330の正面図である。また、図9は、遊技球転動部330の中心の縦断面図であり、図10は、遊技球転動部330の中心断面部分における遊技球の接触状態を示す説明図である。
図4に示すように遊技球転動部330は、前記可変表示装置310の表示部311の下辺部を縁取るように配設されている。図6〜図8に示すように遊技球転動部330は、遊技領域17からセンターケース350内に受け入れられた遊技球が左右方向に転動可能であって、前記始動入賞口21に遊技球を誘導可能な転動面331と、該転動面331の後側の壁面をなす立壁面332とを有している。
遊技球転動部330は、本実施の形態では合成樹脂により一体成形された部材である。遊技球転動部330は、LEDの光を透過できるような透明樹脂から成形されているが、少なくとも転動面331と立壁面332を、それぞれ裏側が見えないような加工を施して、重なる表示部311の縁が透けて見えないようにすると良い。具体的には例えば、転動面331と立壁面332の裏側を、それぞれローレット加工(細かな凸条を連続させて並設する)することにより、透光性はあるが裏側を透視不能にすることができる。
図6に示すように、転動面331は、左右方向における両端が高く中央に向かい徐々に下方に傾斜して、全体的には緩やかに湾曲した弧状に形成されている。転動面331の両端部は、それぞれ中央部に向かい下方へ傾斜し、前後幅方向には略水平な一対の傾斜面部333,333をなしている。転動面331の中央部は、前記始動入賞口21の真上位置に配され、該始動入賞口21へ遊技球を誘導するように溝状に形成され、前後幅方向の前側に傾斜した遊技球誘導部334をなしている。
中央の遊技球誘導部334と両端の各傾斜面部333との間の部分は、それぞれ左右対称に下方に湾曲し、かつ前後幅方向の前側に広がるように傾斜した窪みが形成されている一対の転動放出部335,335をなしている。ここで遊技球誘導部334と各転動放出部335との境界部分には、それぞれ左右方向より勢い良く転動してきた遊技球が乗り越えられる程度に上方に突出した凸条部336が形成されている。
また、後述するワープ装置360の遊技球出口363が開口する側となる一方(図6中で左側)の傾斜面部333には、該ワープ装置360を介して受け入れられた遊技球の初期の転動方向を前記立壁面332の方向へ変化させる突起状の転動方向変化部337が形成されている。さらに、反対側にある他方(図6中で右側)の傾斜面部333には、該傾斜面部333の端まで至った遊技球を斜め前方に誘導する傾斜面状の前方誘導部338が形成されている。
このような転動面331は、その左右方向の全長に亘って前後幅方向に遊技球が1個は転動可能かつ2個は並列不能な前後幅に設定されている。具体的には例えば、転動面331の前後幅は、遊技球の直径の1.5倍程度に設定すると最適である。なお、転動面331の前端縁に沿って、左右方向に連なり略垂直に下方に垂下する前垂れ壁339が設けられている。また、転動面331の後端側裏面に沿って、同じく左右方向に連なり略垂直に下方に垂下する後垂れ壁342が設けられている。ここで前垂れ壁339および後垂れ壁342は、補強用のリブの役目を果たしている。
転動面331の後端縁に沿って、該転動面331の後側の壁面をなす立壁面332が上方に向けて起立するように設けられている。立壁面332の下端縁側は、転動面331の左右方向に全体的に湾曲した弧状に延びているが、立壁面332の上端縁側は、転動面331の左右両端を弦状に結ぶように略水平に延びている。また、立壁面332の上端縁に沿って、後方に向かい延び出る突出壁340が設けられている。突出壁340は、左右方向に亘り同一の前後幅であり、かつ全長に亘って前側に向けて下り傾斜するように設けられている。突出壁340の前後幅は、転動面331の前後幅よりも狭く、具体的には例えば、遊技球の直径よりも狭い寸法に設定すると良い。
図9に示すように、転動面331と立壁面332とが接合する角341は、遊技球の半径よりも小さい径の曲面をなす内面341aおよび外面341bを表裏とする湾曲断面に形成されている。具体的には例えば、遊技球の半径5.5mmに対して、角341の径を4.0mm(R4.0)位に設定すると最適である。このような寸法設定によれば、図10に示すように、角341の内面341aに対して、遊技球は面的に接触することなく局所的な2点(図10中のP1,P2)で接触することになる。
図11は、遊技球転動部330と可変表示装置310、それに演出装置400の配設状態を示す側面図である。図12は、特に遊技球転動部330と可変表示装置310の配設状態における要部を拡大して示す側面図である。遊技球転動部330の突出壁340の後端側は、表示部311の下辺部に当接しており、該表示部311を囲む本体部312の下辺部は、前記角341の裏側外面341bに近接しており、可変表示装置310の上側は、奥行方向の後側に傾斜させて配設されている。このような配置状態に基づく作用については後述する。
遊技盤2の裏側においては、図11に示すように、演出装置400の背面側は後方に大きく出っ張る構造となっているが、後方へ傾斜した可変表示装置310の本体部312の上辺部後側も、演出装置400の背面側と同程度に後方へ出っ張るように配されている。詳しく言えば、本体部312の上辺部の後側角の方が演出装置400の背面よりも若干後方へ突出しているが、図13および図14に示すように、演出装置400の背面には後述する演出制御基板1300が取付けられており、遊技盤2の裏側の全体構造が後方へ極力突出しないように設計されている。
また、本体部312の上辺部の前側角の部分は、図11に示すように、演出装置400の下側に窪むように形成された凹部401に嵌り込むように配設されており、後方へ傾斜させた可変表示装置310が、なおさら上下方向に占めるスペースも極力狭まるように設計されている。このような凹部401は、演出装置400の構成部品の配置を当該部分だけ回避することにより形成されるものであるが、本体部312の上辺部の前側角の部分が嵌り込むような窪みであれば、どのような形態であっても良い。
さらに、前記遊技球転動部330に関連して、前記センターケース350の一側部(図3中で左側下方部分)351には、遊技球の各種経路が設けられている。図15に示すように、各種経路としては、前記遊技球転動部330の転動面331に遊技球を流出させるワープ装置360および通過遊技球経路370、それに前記始動入賞口21に向けて遊技球を案内する遊技球案内部380とがある。以下、順に説明する。
ワープ装置360は、可変表示装置310の側方における遊技領域17を流下する遊技球を受け入れて、遊技球転動部330の転動面331に遊技球を流出させる遊技球の経路をなしている。ワープ装置360は、その遊技球移動経路362も含めて、前記表示部311の前面側周囲を縁取る窓枠構造であるセンターケース350に設けられている。ワープ装置360は、センターケース350の一側部351に開設された遊技球入口361と、該遊技球入口361に流入した遊技球を斜め下方へ流下させる遊技球移動経路362と、該遊技球移動経路362を流下し終えた遊技球を傾斜面部343を介して転動面331に流出させる遊技球出口363を有してなる。
ワープ装置360の遊技球入口361、遊技球移動経路362、遊技球出口363は、それぞれ遊技球が円滑に通過可能な大きさの断面積に設定されている。また、ワープ装置360が設けられているセンターケース350の一側部351のうち、少なくとも遊技球移動経路362に正面から重なる部分は、遊技球の動きを視認することができるように、半透明または透明の合成樹脂等の透光性材質によって形成されている。
通過遊技球経路370は、前記普通図柄作動ゲート26を通過した遊技球を受け入れて、遊技球転動部330に向けて流下させると共に、該遊技球転動部330の転動面331へ流出させる遊技球の経路をなしている。通過遊技球経路370は、その遊技球移動経路372も含めて、前記ワープ装置360と同様にセンターケース350に設けられている。ここで普通図柄作動ゲート26は、前述したように、遊技球の通過により始動入賞口21への遊技球の入賞率に影響を与える所定動作の開始条件を付与可能な通過ゲートであり、所定動作とは、普通図柄表示ないし始動入賞口21の拡状態への変化が該当する。
通過遊技球経路370は、普通図柄作動ゲート26の斜め下方の位置に開設された遊技球入口371と、該遊技球入口371に流入した遊技球を斜め下方へ流下させる遊技球移動経路372と、該遊技球移動経路372を流下し終えた遊技球を傾斜面部343を介して転動面331に流出させる遊技球出口373を有してなる。なお、普通図柄作動ゲート26を通過した遊技球を、全て遊技球入口371へ導くように構成する必要はなく、例えば構造上、所定確率で遊技球を受け入れるように設定すると良い。
通過遊技球経路370の遊技球入口371、遊技球移動経路372、遊技球出口373は、それぞれ遊技球が円滑に通過可能な大きさの断面積に設定されている。また、通過遊技球経路370が設けられているセンターケース350の一側部351のうち、少なくとも遊技球移動経路372に正面から重なる部分は、遊技球の動きを視認することができるように、半透明または透明の合成樹脂等の透光性材質によって形成されている。
遊技球案内部380は、可変表示装置310の側方を流下する遊技球を、始動入賞口21の方向へ案内する遊技球の経路をなしている。遊技球案内部380も、前記ワープ装置360や通過遊技球経路370と同様にセンターケース350に設けられている。本実施の形態では遊技球案内部380は、遊技球転動部330の転動面331の左側前方に配設されている。
前記傾斜面部343および転動面331の傾斜面部333の上流側には、遊技球案内部380と転動面331を隔てる隔壁部381が設けられており、該隔壁部381の下端縁に沿って、始動入賞口21の上方に向かって下方へ傾斜する樋板382が一体に設けられている。樋板382は、遊技球1個が通過可能な前後幅に設定されている。なお、傾斜面部343は、遊技球案内部380とは部材として別体であるが、傾斜面部343を転動面331の上流側として捉えて、転動面331の一部を構成するものとしても良い。
遊技球案内部380は、前記樋板382と、該樋板382を流下する遊技球の勢いを増すための流下勢増加部383と、樋板382の前端縁に沿って上方に突設されたフランジ部384とを有してなる。ここで樋板382の傾斜角度は、具体的には例えば5度に設定すると最適である。また、樋板382の上流端は、例えば、前記ワープ装置360や前記通過遊技球経路370に受け入れられなかった遊技球を受け入れ可能な位置に配設されており、樋板382の下流端は、勢い良く放出される遊技球を始動入賞口21の方向に向けて導くように配設されている。
詳しく言えば、流下勢増加部383は、樋板382の表面に所定間隔おきに並び、それぞれ台形断面の山型形状に突設された複数の突起群からなる。このような流下勢増加部383は、遊技球の接地面を小さくするための構造であり、各突起間の間隔は、遊技球の直径寸法よりも狭く設定されている。ただし、各突起間の間隔は、余り狭くしすぎると却って遊技球の衝突時における反発力を高めることができないので、本実施の形態では、遊技球の直径よりも若干狭い間隔に設定されている。なお、各突起として台形断面のものを図15中に示したが、他の形状として半円形断面、三角形断面等の様々な形状に形成しても良い。
また、前記フランジ部384には、樋板382上を案内される遊技球の動きを視認することができるように、長手方向に延びる溝状に開口する覗き孔が穿設されている。もちろん、前記ワープ装置360や通過遊技球経路370の場合と同様に、遊技球の動きを視認することができるように、半透明または透明の合成樹脂等の透光性材質によって形成しても良い。
さらに、図15に示す例では、前記隔壁部381の少なくとも一部の高さが、遊技球案内部380を流下する遊技球が該隔壁部381を飛び越えて、遊技球転動部330の転動面331に移動可能な高さに設定されている。ここで、隔壁部381の少なくとも一部とは、転動面331の下流側にて遊技球を最も始動入賞口21に導き易い部位に設定されており、当該部位における隔壁部381の高さは、具体的には遊技球の半径よりも若干低い程度の高さに設定すると良い。
次に、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図17は、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図17に示すように、本実施の形態では制御基板として、主基板1100、演出制御基板1300、払出制御基板200、発射制御基板600、電源基板2700等を有している。主基板1100は、遊技機1全体の制御を掌る制御基板であり、演出制御基板1300は、可変表示装置310の表示制御、LED・ランプの点灯制御や音声制御、およびモータ駆動制御をそれぞれ統括して行う制御基板である。
これらの各種制御基板は、前述した演出制御基板1300をはじめとして、図13および図14に示すように、遊技盤2の裏面側に後方へ極力出っ張らないようコンパクトに配設されている。また、各種制御基板はそれぞれ専用のケースに納められており、外部からのゴミや他の設備機器からのこぼれ球、さらには静電気、電気ノイズからも保護されるように構成されている。
図18は、主基板1100の詳細を示している。
主基板1100は、主基板1100内部のクロック回路1110が生成するクロックを基準に動作する。また、クロック回路1110が生成したクロックを内部タイマー1107で分周して得た一定時間間隔の割り込み信号をCPU1102に入力することで、一定時間毎に該CPU1102でタイマー割り込み処理を実行する。CPU1102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割り込み毎に実行することで一連の動作を遂行する。
始動入賞口スイッチ121、普通図柄作動ゲートスイッチ126、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bは、それぞれ遊技球の入賞を検出するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、入力インターフェイス回路1115aに入力される。カウントスイッチ125、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、入力インターフェイス回路1115bに入力される。
入力インターフェイス回路1115a,1115bのアドレスは、CPU1102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU1102が出力するアドレス信号およびリード/ライトの制御信号を、CPU1102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路1113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
前記チップセレクト信号にて、入力インターフェイス回路1115a,1115bがセレクトされると、始動入賞口スイッチ121等からの各入力信号が各入力インターフェイス回路1115a,1115bを通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間毎に発生する割り込み信号によって、次の割り込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号毎に指定されたRAM領域(RAM1104)に記憶される。
始動入賞口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定された各RAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU1102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。なお、各入賞口に設けられたスイッチの賞球払い出し数は、固定となっているが、遊技機の仕様により払い出し個数を変更することができる。
その他、始動入賞口スイッチ121、普通図柄作動ゲートスイッチ126からの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これらの値がRAM領域の各乱数値記憶領域に記憶され、このデータを基にして、遊技機1の遊技状態や遊技演出等が設定され、各制御基板に遊技状態や遊技演出等のデータが順次出力される。各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ1114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路1116a〜1116eに出力される。出力用のラッチ回路1116a〜1116eとCPU1102とを結ぶデータバスの途中に、バッファ1114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
始動入賞口スイッチ5個賞球RAM領域、左右袖入賞口スイッチ、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU1102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116cに出力する。
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路1113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路1116a、ラッチ回路1116cに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路1116aに、割り込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路1116cにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板200に賞球データとして出力される。
賞球データが入力された払出制御基板200は、球排出機構を制御して、入力された賞球データに対応した数の賞球排出を行う。実際に払い出された賞球総数はCPU1102で演算処理され、その値がRAM領域(RAM1104)の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また、排出賞球数の設定数毎に出力信号がラッチ回路1116dに出力され、アドレスデコード回路1113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力され、枠用外部端子板800を介して管理用コンピュータ(図示せず)等に出力される。
始動入賞口スイッチ121、普通図柄作動ゲートスイッチ126の入力信号に対応した乱数値が格納されているRAM領域(RAM1104)に乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置140、可変表示装置310における表示の開始直前に前述した変動パターンコマンド等が決定され、該決定された変動パターンコマンド等を演出制御基板1300に送信すると共に、決定された情報をRAM領域(RAM1104)に記憶する。
普通図柄に係わる乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置140の普通図柄表示を実行するための表示制御データが生成され、表示制御データがCPU1102からデータバスを通じてラッチ回路1116eに出力される。そして、アドレスデコード回路1113からチップセレクト信号が出力される毎に、前記普通図柄表示装置140において普通図柄表示が一定時間行われる。
普通図柄表示装置140の表示結果が当たりの場合には、前記始動入賞口21の各可動片を拡開動作させる普通電動役物ソレノイド136の制動データが、CPU1102からラッチ回路1116eに出力されると共に、アドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号に応じて、ラッチ回路1116eから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、始動入賞口21が拡状態となり、遊技球が入賞し易い状態が発生する。
始動入賞口21に係わる乱数値が記憶されている場合は、可変表示装置310の表示遊技を行わせるため演出制御基板1300に、前記変動パターンコマンドとこれに対応して停止図柄を定める各停止図柄等に関するデータが、時系列にラッチ回路1116bを介して、演出制御基板1300へ演出出力データとして順次出力され、演出制御基板1300を制御する。また、LED・ランプの点灯演出や音声演出、モータ駆動制御も、それぞれ同調して実行されるようになっている。
特別遊技状態が発生する場合、大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路1116eに出力され、かつアドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号がラッチ回路1116eに入力される。これによりラッチ回路1116eから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力されて、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態となって遊技球を大入賞口24内に誘導可能となる。
大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125により、入賞した遊技球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達すると、ラッチ回路1116eの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134が非能動状態になり、1回のラウンドが終了する。その後、未だ上限ラウンド回数に到達していない場合には、大当たりラウンドがさらに継続することになる。
遊技機1に電源が供給されると、電源基板2700よりリセット信号が供給され、主基板1100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化すると、クロック同期・遅延回路1111による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン1101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン1101が稼動状態になり、主基板1100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン1101の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板2700から停電検出信号がワンチップマイコン1101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)1105に供給され、ワンチップマイコン1101において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間に亘って賞球検出データの検出を行った後、RAM1104に停電処理判定のデータを保存し、RAM1104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下することで、電源基板2700からRAM1104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM1104の記憶状態が保持される。
電源が次に供給された時、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン1101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU1102はI/Oポート1106のデータを検出してRAM1104の初期化を行う。シュート球切れスイッチ131で球切れを検出した信号、およびオーバーフロースイッチ133で遊技機1の下受け皿4にて賞球の球詰まりを検出した信号は、入力インターフェイス回路1115bおよびデータバスを通じてワンチップマイコン1101に取り込まれる。
次に、図19に示す演出制御基板1300について説明する。
演出制御基板1300は、遊技領域17内に配設された可変表示装置310の表示遊技や、遊技盤2上に設置された各種LED・ランプの点滅、スピーカー180での音声、効果音、遊技機1の異常状態を知らせるための警告音等に関する制御、それにモータの駆動制御を行うものである。なお、ここでのモータは、前記演出装置400の演出動作を行うための駆動手段であるモータが該当する。
演出制御基板1300は、マイクロコンピュータ1301を動作させるクロック発信器1316と、演出制御を実行することで取得した情報を一時記憶するための制御用RAM1311と、演出出力データに基づき演出制御を実行するための制御プログラムが記憶された制御用ROM1310を有し、主基板1100からの制御情報を入力する入力インターフェイス1314を通して制御情報を取得し、取得した情報に基づき遊技演出を実行する。
マイクロコンピュータ1301は、クロック発信器1316が生成するクロックを基準に動作し、主基板1100からの制御情報が入力インターフェイス1314を通して、マイクロコンピュータ1301内のPIOa1306a、PIOj1306jに入力され、入力情報に基づき可変表示装置310での演出、各種ランプ・LEDでの光による演出、音による演出等を制御用ROM1310に記憶されたプログラムの手順で実行する。
電源基板2700からのリセット信号は、遊技機1に電源が投入されると、電源基板2700からマイクロコンピュータ1301に入力されて、制御ROM1310に記憶されている制御手順に従って、マイクロコンピュータ1301のリセットを行うと共に、演出制御基板1300の初期化を行うように設定されている。
演出制御基板1300は、画像処理部と、ランプ・LED・モータ駆動回路部と、音声制御部とを有し、マイクロコンピュータ1301は、それぞれを主基板1100からの制御信号に基づいて制御する。先ず、画像処理部は、可変表示装置310上での演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1301は、各制御信号に基づいて画像制御IC1320へ具体的な指示を行う。画像制御IC1320は、クロック発信器1316のクロック信号を基準に動作する。
画像制御IC1320は、マイクロコンピュータ1301からの制御情報に従って、画像データROM1322の画像データを入手し、具体的な映像信号を生成し、可変表示装置310へ出力する。図19では、画像制御IC1320が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶する領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC1320の内部にVRAMを内蔵した画像制御ICで構成してある。なお、前記演出表示態様の表示内容に関する画像データは、画像データROM1322に記憶されている。
画像補正IC1321は、画像制御IC1320からの入力画像信号(アナログR,G,B信号、水平、垂直同期信号)を可変表示装置310用に補正し出力する。電源生成回路1324a〜1324fは、電源基板2700からの電源に基づいてDC13V,23V,−5V,3.3V,2.5Vの各電圧を画像処理部へと供給することにより、画像制御IC1320、画像補正IC1321を駆動する。
また、前記ランプ・LED・モータ駆動回路部は、光による演出やモータ駆動制御を行う部位であり、遊技機1および遊技盤2上に設置されたランプ・LEDによる具体的な演出を行うLED駆動回路a1400a〜LED駆動回路c1400cと、モータによる演出装置400の演出動作を行う駆動回路1401とを有している。CPU1302の制御に従いPIOb1306b〜PIOe1306e(パラレルI/O)を通し、LED駆動回路a1400a、LED駆動回路b1400b、LED駆動回路c1400cと、駆動回路1401に制御信号を出力して、各駆動回路がランプ・LED・モータを動作させる。
さらに、前記音声制御部は、音による演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1301は、遊技機1に設置されたスピーカー180に具体的な演出を行わせるため、音声制御IC1500に制御情報を出力する。音声制御IC1500は、クロック発信器1316のクロック信号を分周器1317で分周し、音声制御IC1500の動作クロックとして使用する。また、マイクロコンピュータ1301の制御情報に従い、音声データROM1501の音声データを入手し、具体的な音声信号を生成し、スピーカー180へと出力する。
前記CPU1302は、パラレルI/OであるPIOf1306f、PIOg1306gを通して、音声制御IC1500に音による制御情報を出力する。PIOf1306fは、データを出力し、PIOg1306gは、制御信号(チップセレクト、リード、ライト等)を出力する。音声制御IC1500は、マイクロコンピュータ1301からの制御情報に基づき、音声データROM1501のデータを入手し音声信号に変換する。
また、擬音や効果音等は、音声制御IC1500に内蔵された発信器で作られ出力される。音声制御IC1500からの音声信号は、フィルター1502で出力電圧調整を行い音声以外のノイズ成分を除去してアンプ1503へと出力され、アンプ1503によりスピーカー駆動可能な電圧レベルに増幅され、スピーカー180から音として出力される。
以下に、遊技機1の作用について説明する。
先ず、遊技盤2上の各種構成部品の組み付けに際しては、主たる課題として、遊技機1の裏面構成部と島内機具とが干渉しないように、遊技盤2の裏面側における出っ張りを抑えると共に、始動入賞口21へ入賞する遊技球の流下スペースを確保すべく、可変表示装置310を極力下方へずらさないように配設する必要がある。
本遊技機1によれば、図11および図12に示すように、遊技球転動部330に関して、立壁面332(図9参照)の上端側より後方に向かって延び出た突出壁340の後端側を、可変表示装置310の表示部311の下辺部に近接ないし当接させる。すなわち、遊技球転動部330に設けてある突出壁340を、そのまま表示部311の前面側周囲を縁取る窓枠構造の一部(下辺部)として利用することができる。
これにより、遊技領域17において、演出装置400により設置空間が下方へ制限される可変表示装置310を、さらにその下方空間をなるべく侵食しないように後方へ傾斜させた際、該傾斜させた本体部312の下辺部を、前記突出壁340により窓枠構造の一部を分担させた分だけ、より前側に配置させることが可能となり、可変表示装置310が遊技盤2の裏面側へ迫り出すことを抑えることができる。しかも、遊技球転動部330が、そのままセンターケース350と組み合わされることで、前記窓枠構造の一部を構成するため、該窓枠構造の部品点数および組み立て工数を削減することができる。
しかも、図11に示すように、可変表示装置310の真上に位置する演出装置400の下側には、上方内側に向かって窪んだ凹部401が形成されており、可変表示装置310の本体部312における上辺部の前側角の部分を、前記凹部401に嵌め込むように配設することができる。これにより、後方へ傾斜させた可変表示装置310が上下方向に占めるスペースをなおさら狭めることが可能となり、該可変表示装置310の下方における遊技球の流下スペースを、よりいっそう多く確保することができる。
さらに、図9に示すように、遊技球転動部330における転動面331と立壁面332とが接合する角341を、曲面をなす内面341aおよび外面341bを表裏とする湾曲断面に形成することにより、図12に示すように、遊技球転動部330の裏側における前記角341の裏側外面341bの後方への出っ張り度合いを抑えることができる。
これにより、前述した主たる課題に基づき、可変表示装置310を後方へ傾斜させ、かつ本体部312の下辺部をなるべく前側に配置させるに際し、本体部312の下辺部を前記角341の裏側外面341bに近接させることで、可変表示装置310の傾斜角度をより大きくとることができる。従って、大型の可変表示装置310であっても、可変表示装置310の上下方向の遊技領域17が狭くならずにすみ、遊技球の流下スペースが侵食されることがない。
次に、遊技盤2上における遊技球の流れと遊技状態について説明する。
遊技者がハンドル5を操作すると、遊技球が1個ずつ遊技領域17に発射される。遊技領域17上にて遊技球は、遊技釘や風車等に衝突しながら方向を変えつつ流下し、その途中で各種入賞口に入賞したり、普通図柄作動ゲート26を通過することがある。遊技領域17内の何れの入賞口にも入らずに落下した遊技球は、アウト口29から外部に排出される。また、図1において、遊技領域17の上端付近より右側に流下した遊技球は、遊技球誘導部材18aの外側に沿って落下した後、遊技球誘導樋18bによって、始動入賞口21のある中央下方付近に導かれるように流下する。
図3および図15において、ワープ装置360は遊技球を次のように案内する。すなわち、可変表示装置310の側方にて遊技領域17を流下していた遊技球が遊技球入口361に流入すると、該遊技球入口361に連なりセンターケース350(の一側部351)内にある遊技球移動経路362を遊技球はそのまま流下する。遊技球移動経路362を流下し終えた遊技球は、遊技球出口363から外部へ排出され、該遊技球出口363が側方から臨む傾斜面部343を介して、遊技球転動部330の転動面331に流出する。
このように、大型化した可変表示装置310に関連したセンターケース350を、ワープ装置360における遊技球の移動経路として利用することにより、限られた遊技領域17内にて演出装置400および可変表示装置310の大型化に伴い遊技球の流下スペースが侵食されても、遊技球の多様な移動形態を実現することができる。
また、通過遊技球経路370は遊技球を次のように案内する。すなわち、可変表示装置310の側方にて遊技領域17を流下していた遊技球が普通図柄作動ゲート26を通過すると、普通図柄表示装置140(図5参照)にて普通図柄表示が実行され、遊技球は続いて通過遊技球経路370の遊技球入口371に受け入れられる。
遊技球は、遊技球入口371に連なりセンターケース350(の一側部351)内にある遊技球移動経路372をそのまま流下する。遊技球移動経路372を流下し終えた遊技球は、遊技球出口373から外部へ排出され、該遊技球出口373が側方から臨む傾斜面部343を介して、遊技球転動部330の転動面331に流出する。このように、センターケース350を、前記ワープ装置360のみならず、通過遊技球経路370における遊技球の移動経路としても利用することで、よりいっそう遊技球の多様な移動形態を実現することができる。
前記ワープ装置360および前記通過遊技球経路370を介して、遊技球転動部330の転動面331上に流出した遊技球は、図6に示すように、転動面331にある転動方向変化部337によって、初期の転動方向が立壁面332の方向へ変化する。これにより、転動面331の前後幅が比較的狭い場合であっても、前記ワープ装置360等を介して受け入れられた遊技球が、転動する間もなく直ぐに落下してしまう事態を防止することができる。
転動面331上において遊技球は、転動方向変化部337によって立壁面332の方向へ誘導されつつも、流出時の転動する勢いによって、緩やかに下方へ湾曲した弧状の転動面331上に沿って、左右方向へと転動の勢いが少なくなるまで転動を繰り返す。ここで転動面331の前後幅は、遊技球が1個は転動可能かつ2個は並列不能に設定されており、遊技球が左右方向に転動可能な前後幅を十分に確保しつつも、該前後幅を極力コンパクトに抑えることができる。これにより、可変表示装置310の本体部312の下辺部を、より前側に傾斜させて配置することが可能となり、上下方向および後方のスペースが限られた遊技領域17内にて、可変表示装置310の設置空間をできる限り大きく確保することができる。
また、図6に示すように、転動面331の後側壁面をなす立壁面332に連なる突出壁340は、前側に向けて下り傾斜させて設けられている。これにより、遊技球が突出壁340に乗り上げてしまっても、直ぐに転動面331に落下させることができる。また、可変表示装置310における表示部311の下辺部を、前記傾斜した突出壁340によって直接縁取ることにより、スッキリとしたシャープな感じがするデザインにまとめることができる。また、突出壁340が前側に向けて下り傾斜していることに加え、前後幅も狭く設定されているので、遊技球の乗り上げを防止できるだけでなく、遊技球転動部330の前後幅をより狭く設定することができる。
さらに、図10に示すように、転動面331と立壁面332とが接合する角341は、単なる曲面ではなく、遊技球の半径よりも小さい径の曲面(R4.0)をなす湾曲断面に形成されている。これにより、前記角341の内面341aに対して、遊技球は面的に接触することなく、局所的な2点(図10中のP1,P2)で接触することになり、遊技球の転動時における摩擦抵抗も軽減されて、前記角341に沿って遊技球が遊技球転動部330上に滞留することを防止することができる。もちろん、前記転動方向変化部337によって遊技球が立壁面332の方向に導かれたとしても、角341に沿って立壁面332側に遊技球が滞留する虞はない。
遊技球転動部330上を左右方向に転動した遊技球は、凸条部336を乗り越えた後に遊技球誘導部334にて転動する勢いが減退した場合、該遊技球誘導部334から遊技球は始動入賞口21のほぼ真下へと落下することになる。このように遊技球転動部330の遊技球誘導部334によって、遊技球は始動入賞口21に誘導されるので、遊技釘を打ち込む遊技領域17上のスペースに乏しくても、始動入賞口21に対して遊技球が入賞する確率を高く設定することが可能となる。
一方、遊技球転動部330上を左右方向に転動した遊技球が、前記遊技球誘導部334の両側にある一対の転動放出部335,335にて転動する勢いが減退した場合、各転動放出部335から遊技球は始動入賞口21の両側へ、あるいは未だ残っている転動の勢いによって右側ないし左側に向けて落下することになる。この場合における遊技球が始動入賞口21に入賞する確率は、前記遊技球誘導部334より落下する場合に比べれば非常に低いものとなる。
さらに、図15において遊技球案内部380は、遊技球を次のように案内する。すなわち、可変表示装置310の側方にて遊技領域17を流下していた遊技球が、前記遊技球入口361や前記遊技球入口371に受け入れられることなく、樋板382上に流入すると、該樋板382の傾斜(例えば5度)に沿って下方へ流下する。樋板382を流下し終えた遊技球は、始動入賞口21に向けて排出されるので、遊技者は始動入賞口21に遊技球が入賞することを十分に期待することができる。樋板382の表面上には、所定間隔おきに並ぶ複数の突起群からなる流下勢増加部383があるので、遊技球が流下する勢いが減速することが防止され、効果的に始動入賞口21へ誘導することができる。
このような遊技球案内部380も、前記ワープ装置360や前記通過遊技球経路370と同様にセンターケース350に設けられており、始動入賞口21に向けて遊技球を誘導する誘導釘を設ける場所を確保できなくても、遊技球を始動入賞口21へ誘導することが可能になる。特に、遊技球案内部380は、比較的スペースに余裕がある転動面331の左側の前方に配設されているので、該遊技球案内部380が他の構成と干渉することを防止することができると共に、効果的に遊技球を始動入賞口21へ誘導することが可能となる。
また、遊技球案内部380と前記遊技球転動部330の転動面331とを隔てる隔壁部381を設けたことにより、前記ワープ装置360や前記通過遊技球経路370から流出した遊技球が、転動面331に到達する前あるいは到達した後に、遊技球案内部380へ落下することを防止することができる。ただし、図15に示すように、隔壁部381の少なくとも一部の高さを、遊技球案内部380を流下する遊技球が該隔壁部381を飛び越えて、転動面331に移動可能な高さに設定したことにより、遊技球案内部380を流下する遊技球が跳ね上がり遊技球転動部330に移動する場合があるため、遊技球が転動可能な遊技領域17が狭くなっても、始動入賞口21への入賞率を低下させることがない。
前記隔壁部381の別の実施の形態として、図16に示すように、隔壁部381Aの高さを、遊技球案内部380を流下する遊技球が該隔壁部381Aを飛び越え不能で、前記遊技球転動部330の転動面331に移動できない高さに設定しても良い。これにより、遊技球案内部380を流下する遊技球が転動面331へ移動することを防止することができる。ここで、遊技球案内部380と遊技球転動部330とを比較した場合に、本来は遊技球転動部330の方が始動入賞口21に遊技球を導入させる確率が高く設定されている。
特に、前記ワープ装置360のみならず前記通過遊技球経路370を設けたことにより、始動入賞口21への遊技球の入賞率が高くなり過ぎるような場合には、遊技機1の設計組み立て時に隔壁部381Aを採用することにより、始動入賞口21への遊技球の入賞率が高くなりすぎることを防止することができる。隔壁部381Aの高さは、具体的には例えば、遊技球の半径以上の高さに設定すると良い。
前述したような様々な流下経路を経て、始動入賞口21に遊技球が入賞すると、始動入賞口スイッチ121により検出され、該始動入賞口スイッチ121の始動信号に基づき、可変表示装置310において複数の識別情報が変動表示する表示遊技が実行される。そして、表示遊技の結果が最終的に特定表示態様に確定すると、大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が発生する。
このような遊技の進行に応じて変化する状態変化に応じて、前記遊技球誘導部材18aの下端側に設けられたLED群140,150,160,170(図5参照)の点灯状態が変化し、それぞれの光が遊技球誘導部材18aを透過して発光する。これにより、遊技機1の状態変化の告知を行うと同時に、装飾性を高めることができる。
特に、普通図柄表示装置140、普通図柄保留LED150、特別図柄保留LED170は、頻繁に表示状態が変化するので、華やかな印象を与えることができる。また、前記遊技球誘導部材18aの下端に沿った狭いスペースで、遊技球の流下領域を確保することができると同時に、遊技機1の状態変化の告知を行うことができる。なお、LED群140,150,160,170は、全てを同じ色に設定しても良いし、それぞれ異なる色に設定してもかまわない。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機、スロットマシンといった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態では、演出装置400を表示遊技に連動して演出動作を行う可動式の装置として説明したが、該演出装置としては、表示遊技とは無関係の動作を行う役物、あるいは全く動作しない役物であっても良く、可変表示装置310の上側に設けられて、該可変表示装置310の設置空間を制限する全ての役物が該当する。ここで可変表示装置310の「上側」とは、互いに平面視で重ならないことを必須とするものではなく、例えば、上側の演出装置400と下側の可変表示装置310の一部同士が重なるように配設される場合も含む。また、演出装置400と可変表示装置310の上下方向に延びる中心線が必ずしも正面視で一致する必要もなく、左右にずれている場合も含む。
また、前記実施の形態では、遊技球転動部330と可変表示装置310との配設状態として、遊技球転動部330の突出壁340の後端側を、表示部311の下辺部に当接させているが、必ずしも接触させる必要はなく近接させる程度で足り、逆に、本体部312の下辺部は、遊技球転動部330の角341の裏側外面341bに近接した状態であるが、互いに当接(接触)させても良い。
また、前記実施の形態では、遊技球転動部330の立壁面332を角341の部分を除いて垂直面として形成したが、他の構成として例えば、遊技球誘導部334の真後ろに位置する部位に、該遊技球誘導部334と同様に傾斜した窪みを形成することで、始動入賞口21への入賞率を高くするように設定しても良い。
また、前記ワープ装置360および前記通過遊技球経路370の数や位置は、図示したものに限定されるものではない。例えば、前記実施の形態では、可変表示装置310の側方における遊技領域17を流下する遊技球を受け入れる位置にワープ装置360と通過遊技球経路370を配置したが、可変表示装置310の上方における遊技領域17を流下する遊技球を受け入れる位置に、ワープ装置360や通過遊技球経路370を配置しても良い。
また、前記実施の形態では、前記遊技球案内部380を、前記遊技球転動部330の転動面331の左側前方に配設したが、転動面331の右側前方に配設したり、あるいは、左右両側に一対配設するようにしても良い。また、遊技球案内部380を、主として樋板382により構成したが、他の構成として例えば、隔壁部381とフランジ部384との間に所定間隔おきに流下勢増加部として棒状部材を架け渡すように複数並設するようにしても良い。
さらに、前記実施の形態では、主基板1100に対して、表示遊技の制御やランプ・LEDの点灯制御、音声の出力制御、それにモータの駆動制御を1つの演出制御基板1300によって集中的に行うように構成しているが、他の制御基板の構成として、表示制御基板、ランプ・モータ制御基板、音制御基板との3つの制御基板に分けたり、あるいは 表示制御基板、音・ランプ・モータ制御基板との2つの制御基板に分けても良い。