JP2010240102A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技球を球通路上でより長く転動させることができ、そのぶん興趣を良好な状態に持続的に確保することができ、かつ効果的に不正な操作を検知することができるようにした遊技機を提供すること。
【解決手段】球通路117において、排球案内部117Eに至るまでの途上に、遊技球を進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過させ得る弛緩部(左側直線部118Lおよび右側直線部118R)と、遊技球を進行方向に交差する幅方向の余裕を弛緩部におけるよりも少なくして通過させ得る規制部(左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119R)とをこの順に形成する。球通路117からの排球を振分ける入賞機構(入賞樋部77G、V入賞口77P等)および不正検知手段(第2磁気センサ57等)を付設する。
【選択図】 図19

Description

本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機などの遊技機には、例えば下記特許文献1に開示されているように、遊技領域の中央部に、センター役物とも称される大型の役物を配置し、この役物の内外に球通路を設けて、遊技球を所定の軌道に沿って案内するようにしたものがある。上記特許文献1に開示のセンター役物930は、図67に示すように、上端の突起部931に設けた入球口(図示せず)に入球した遊技球M11が、センター役物930の左右両側壁部の内部を経て、図中の矢印A11で示すように下部のステージ932上に案内され、矢印A12で示すように該ステージ932上で左右に往復するように転動し、その途上で多くは矢印A13で示すようにステージ932から前方に転落していき、一部は矢印A14で示すように、中央の溝部にうまく嵌って後方の第1排出口933に入球し、内部で下方、前方へと折り返すように案内されて第2排出口934から下方の始動口(図示せず)にむけて落下するように構成されている。
上記構成によれば、遊技球M11がステージ932上を右へ左へと往復することにより、始動口への入賞の期待が高まって興趣が盛り上げられる。
特開2008−229136号公報
しかしながら、上記センター役物930においては、興趣をなるべく良好な状態に維持するためには、ステージ932上を左右に往復する遊技球M11がステージ932上でできるだけ長時間転動するようになっていることが望まれるが、その一方で、該遊技球M11が確実にステージ932から前方に転落するかまたは第1排出口933に入球するようになっている必要があるので、該遊技球M11がステージ932上で長時間転動するようにうまくバランスをとりながらその挙動を制御するのはある程度難しいこととなっている。このため、遊技球M11がステージ932上に案内されるとすぐに、即ち、十分な興趣が得られないうちに、遊技球M11がステージ932から前方に転落するかまたは第1排出口933に入球してしまうことともなりやすい。
さらにまた、上記のように遊技球M11をステージ932上で長時間転動させるようにすると、その間に該遊技球M11が不正な操作の対象として狙われやすくなるという問題もある。例えば、ステージ932上で転動している遊技球M11を磁石で誘導して上記第1排出口933に入球させ、これにより遊技球M11を始動口へ入賞しやすくしたり、あるいは外部から遊技機を叩いたり揺らしたりして、転動している遊技球M11の挙動を操作しようとしたりするといった各種の不正な操作がなされやすく、こうした不正な操作は、ステージ932上で遊技球M11が長時間転動しているほどなされやすい。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、遊技球を球通路上でより長く転動させることができ、そのぶん興趣を良好な状態に持続的に確保することができ、かつ効果的に不正な操作を検知することができるようにした遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
端部側から中央側へかけて下降する下降部が両側にそれぞれ形成されて両下降部の間で遊技球を自重により往復するように転動させるとともに、両下降部の間に、遊技球を自重により側方へ排出されるように案内する排球案内部が形成された球通路が、外部から視認可能な位置に設けられた遊技機であって、
前記球通路において、前記排球案内部に至るまでの途上に、遊技球を進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過させ得る弛緩部と、遊技球を進行方向に交差する幅方向の余裕を前記弛緩部におけるよりも少なくして通過させ得る規制部とがこの順に形成され、
前記排球案内部から排出された遊技球を遊技者にとって有利な遊技領域と該遊技領域よりも有利さの度合いの低い遊技領域とに振り分ける入賞機構を備え、前記規制部によって規制されている間または規制された後の遊技球の挙動に対する不正な操作を検知するための不正検知手段を備えることを特徴とする。
なお本発明において、排球案内部において遊技球が自重により排出される場合の「側方」とは、球通路における遊技球の流通方向に対する側方のことであり、遊技機における側方とは必ずしも一致しない。
上記本発明の構成によれば、遊技球が球通路の両下降部の間を自重により往復するように転動する途上で、まず弛緩部を通過することとなるが、この弛緩部においては、遊技球が進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過するため、遊技球が常に一定の軌道上を通過するのではなく、多少とも遊動可能に、即ち幅方向に余裕のぶんだけ自由にずれることが可能な状態で通過することとなり、そのぶん遊技球の挙動に不測の性質が付与されて興趣が確保される。弛緩部を通過した後、遊技球は規制部を通過することとなるが、このとき、例えば仮に、遊技球の進路が規制部により規制を受けないままであったとすると、遊技球は上述の通り幅方向に余裕をもって遊動可能に転動してくるため、この後に球通路内でいずれの方向に向かうかも予測がつかず、この点で興趣が盛り上げられるともいえる反面、直ちに排球案内部から側方へ排出されて興趣が絶たれてしまう可能性も大きいところである。ところが上記本発明の構成によれば、規制部においては遊技球の進行方向に交差する幅方向の余裕が少なく、したがって遊技球の進路が規制部により往復軌道から逸脱しない範囲内に向けるように規制されるので、上述のように直ちに排球案内部から側方へ排出されることはなく、初めのうちは、排球案内部を通過して往復することとなる。この後、往復を繰り返すうちに遊技球の勢いが減衰するので、その勢いが排球案内部を十分に通過しきれない程度に弱くなると、遊技球が自重により排球案内部に案内されて側方に排出される。このように、遊技球が一定以上の勢いを有している間は、規制部により、往復軌道から逸脱することなく排球案内部を通過して往復するように制御され、したがってそのぶん球通路上でより長く転動することができることとなる。
さらに、上記本発明の構成によれば、効果的に不正行為を検知することができる。特に、上記のように球通路に連通するように入賞機構が配置されていると、該球通路内を流通する間ないし流通する前後の遊技球の挙動を不正に操作して該遊技球を入賞させようとする不正行為がなされやすく、さらに本発明の構成においては、上述の通り遊技球が球通路でより長く転動し得るように構成されているので、上記のような不正な操作がいっそう加えられやすい。また、遊技球が規制部で規制されることにより一定の軌道上を流通するため不正対象として狙いを定めやすくなっていることからも、不正な操作がいっそう加えられやすくなっている。したがって、上記のように規制部によって規制されている間または規制された後の遊技球の挙動に対する不正な操作を検知するための不正検知手段を設けることが有効となる。
本発明によれば、遊技球が球通路上でより長く転動することができ、そのぶん興趣を良好な状態に持続的に確保することができ、かつ効果的に不正な操作を検知することが可能となる。
パチンコ機の一例を示す正面図。 図1のパチンコ機の正面側の斜視図。 図1のパチンコ機の前面枠の斜視図。 遊技盤の一例を示す正面図。 図4の遊技盤の斜視図。 図4の遊技盤の背面図。 図4の遊技盤の背面側の斜視図。 パチンコ機の電気的構成の一例を示すブロック図。 センター役物の斜視図。 センター役物および下段入賞ユニット25の斜視図。 センター役物の正面図。 センター役物の背面図。 センター役物の上面図。 センター役物の下面図。 センター役物の左側面図。 センター役物の右側面図。 図11のA−A線部矢視断面図。 図11のB−B線部矢視断面図。 図11のC−C線部矢視断面図。 センター役物の分解斜視図。 規制部の状況を示す模式断面図。 弛緩部の状況を示す模式断面図。 上段部ユニットの分解斜視図。 上段部ユニットの下側から視た分解斜視図。 遊技盤の分解斜視図。 裏カバー部材の正面図。 裏カバー部材の背面図。 裏カバー部材の上面図。 裏カバー部材の下面図。 裏カバー部材の左側面図。 裏カバー部材の右側面図。 裏カバー部材の分解斜視図。 裏カバー部材の下側から視た分解斜視図。 下段入賞ユニットの分解斜視図。 下段入賞ユニットの下側から視た分解斜視図。 下段入賞ユニットにおける基台の斜視図。 下段入賞ユニットにおける基台の下側から視た斜視図。 下段入賞ユニットにおけるV入賞可動体の斜視図。 下段入賞ユニットにおけるV入賞可動体の下側から視た斜視図。 第1駆動機構におけるリンク支持部材の斜視図。 第1駆動機構におけるリンク支持部材の下側から視た斜視図。 センター役物内を遊技球が流下する状況を示す斜視図。 センター役物内を遊技球が流下する状況を示す図であって図11のD−D線部矢視断面図。 センター役物内を遊技球が流下する状況を示す図であって図11のE−E線部矢視断面図。 (a)規制部が形成された球通路および(b)規制部が形成されていない球通路を遊技球が往復する状況をそれぞれ示す模式平面図。 左側装飾役物の左前側から視た斜視図。 左側装飾役物の右前側から視た斜視図。 左側装飾役物の右後側から視た斜視図。 左側装飾役物の左後側から視た斜視図。 左側装飾役物の正面図。 左側装飾役物の背面図。 左側装飾役物の左側面図。 左側装飾役物の右側面図。 左側装飾役物の上面図。 左側装飾役物の下面図。 左側装飾役物の前側から視た分解斜視図。 左側装飾役物の後側から視た分解斜視図。 装飾突出体の前側から視た斜視図。 装飾突出体の後側から視た斜視図。 図11のF−F線部矢視断面図。 図11のG−G線部矢視断面図。 図11のH−H線部矢視断面図。 規制部の他の例を示す模式断面図。 規制部の他の例を示す模式断面図。 磁気センサを配置する箇所の他の例を示す斜視図。 左側装飾役物における受球面壁と前面壁との交線状況の他の例を示す上面図。 従来の球通路の一例を示す斜視図。
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース(図示せず)と、この樹脂ベースの後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けられている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4および図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図、図5は遊技盤30の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、一般入賞口(右側および左側入賞口)を備える一般入賞装置31Aが設けられた後述する右側および左側装飾役物71R、71Lと、一般入賞口を備える一般入賞装置31Bと、可変入賞装置32と、第1の始動口を備える第1の始動入賞装置33と、第2の始動口を備える第2の始動入賞装置34と、後述するセンター役物83、普通図柄表示装置41、装飾図柄表示装置42等を備える中央ユニット35と、特別図柄表示装置38とを含む各種の部材(役物)が配設されている。これらの右側および左側装飾役物71R、71L、一般入賞装置31B、可変入賞装置32、第1の始動入賞装置33、第2の始動入賞装置34、センター役物83等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、第1の始動入賞装置33の下方には、大入賞口(収容部の入口)61が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置31A、31B、可変入賞装置32および第1の始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチから所定の出力がなされる所謂入賞となると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変入賞装置32は、遊技盤30の盤面から前方に突出する両側板と該両側板の突出端縁に架設された正面視横長に延びる正面板とにより、遊技球が上下に通過可能な周壁をなすように構成されたゲートの内側に、図5に示すように可動プレート32aが設置された構成となっている。該可動プレート32aは、遊技盤30に穿設された貫通孔(大入賞口)を閉塞する横長の板体で、ソレノイド(図示せず)により駆動され、下端縁を軸として前方に回動することにより開放動作するようになっている。ソレノイドが励磁されていない状態では、可動プレート32aは起立して可変入賞装置32の貫通孔(大入賞口)を閉塞し、これにより、可変入賞装置32は、遊技球の入球できない又は入球しにくい閉鎖状態となっている。一方、ソレノイドが励磁されると、可動プレート32aは前方に回動して開放された状態となり、可変入賞装置32が遊技球の入球が可能な開放状態となる。
可変入賞装置32は、遊技状態が大当たり状態に移行することで開放状態に切り替えられ、所定の開放時間(例えば29.5秒)が経過したこと又は所定数(例えば10個)の遊技球が入球したことを閉鎖条件成立として閉鎖状態に切り替えられるようになっている。大当たり状態は、可変入賞装置32が開閉されたことを1ラウンドとして、5ラウンドまたは15ラウンドの開閉が行われるまで継続する。このラウンド数は、第1の始動入賞装置33ないし第2の始動入賞装置34に入賞するタイミングによって5ラウンドとなるか15ラウンドとなるかが決められている。
第1の始動入賞装置33は、一対の可動翼33aを備え、該可動翼33aは遊技盤30の背面側に設置されたソレノイドSL1(図8参照)に連結されている。ソレノイドSL1が励磁されていない場合、一対の可動翼33aは上方へ起立し所定の間隔を置いて対峙する。この場合に、第1の始動入賞装置33の上方には両可動翼33aを覆うように天蓋33bが配設され、これにより第1の始動入賞装置33が遊技球の入球が不可能な閉鎖状態となっている。一方、ソレノイドSL1が励磁されると、各可動翼33aが外側に開いて第1の始動入賞装置33が開放状態となる。この際、天蓋33bと各可動翼33aとの間に遊技球1個分よりも大きな隙間が形成され、この隙間から第1の始動入賞装置33への遊技球の入球が可能な状態となる。
第1の始動入賞装置33の内部には作動センサ(図示せず)が設けられており、開放状態となった第1の始動入賞装置33に入った遊技球は該作動センサにより検出され、その検出結果に基づいて上皿19(場合によっては下皿15)に対し3個の賞品球が払い出される。
また、一般入賞装置31A、31Bにも内部に検出センサ(後述する右側および左側入球センサ29R、29L)が設けられており、当該検出センサの検出結果に基づいて10個の賞品球が払い出される。
第2の始動入賞装置34は、遊技盤30から略垂直に前方へ突出する門状に形成されたスルーゲートとなっている。図5に示すように、第2の始動入賞装置34の内側には第2始動入賞センサ34aが設けられており、通過する遊技球が検出されるようになっている。
上記特別図柄表示装置38は、第1の始動入賞装置33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置41は第2の始動入賞装置34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置38は、9個のLEDセグメントで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は約6インチサイズの液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置41は、後述するセンター役物83の前面部における左上部に配置された普通図柄用の2個のランプ(以下、第1ランプおよび第2ランプとも称す)を備えている。この実施例では、普通図柄用の第1ランプは、その外観形状は「○」形状となっている一方、第2ランプは、第1ランプの右側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置41は、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過する毎に例えば第1および第2ランプによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、第1および第2ランプが交互に光り、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、第1および第2ランプは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図柄表示装置38が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)あるいは後述するセンター役物83内のV入賞口77Pに遊技球が入球した場合に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動入賞装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるようにして遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図6は遊技盤30の背面図、図7は遊技盤30の背面側から視た斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等(図示省略)が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板および該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを後述する裏カバー部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される払出制御装置と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容する基板ボックス(電源・発射制御基板ケース)から構成される電源・発射制御装置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも上記第3制御基板ユニット203に一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更に、これに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて後述する裏カバー部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられている。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パックと遊技球の払出機構部とを一体化したものである。
裏パックは例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部とを有する。保護カバー部は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パックの背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部には、保護カバー部を迂回するようにして払出機構部(図示省略)が配設されている。すなわち、裏パックの最上部には上方に開口したタンクが設けられており、このタンクには遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンクの下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、さらにタンクレールの下流側には縦向きにケースレールが連結されている。払出装置はケースレールの最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレールと、当該タンクレールに振動を付加するためのバイブレータとが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール付近で球詰まりが生じた際、バイブレータが駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部には、前記払出制御基板から払出装置への払出指令の信号を中継する払出中継基板が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板が設置されている。電源スイッチ基板には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置38は上記したように9個のLEDセグメントで構成されており、普通図柄表示装置41は上記したように普通図柄用の第1および第2ランプで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置38で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置38の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、9個のLEDセグメントの点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動入賞装置33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、大当たりを示す点灯パターンあるいは外れを示す点灯パターンが表示され、外れの場合は、始動入賞装置33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動入賞装置33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置41の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、第1ランプ(外観が○形状)と、第2ランプ(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動入賞装置34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置38の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置38の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置38が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合をいう。
また、本パチンコ機10では、上記大当たりとなる乱数の値以外の乱数の値(即ち外れとなる乱数の値)であって例えば規定値(例えば369)より下の値であった場合には、後述するセンター役物83の開閉羽根89R、89Lが開放されるようになっている。即ち、大当たり乱数カウンタC1による大当たりの抽選で外れとなった場合でも、開閉羽根89R、89Lが開放されることでセンター役物83への入球が可能な状態(以下、「小当たり」と称す)となる可能性が付加的に確保されており、この小当たりを経て、さらに遊技球が首尾よくセンター役物83内のV入賞口77Pに遊技球が入球して大当たりとなるチャンスも確保されるようになっている。このように、大当たりだけでなく小当たりも加えて2通りの当選が可能となるように内部抽選がなされ、抽選で直接的に大当たりとなるパターンと、小当たりとなってセンター役物83内のV入賞口77Pに入球して大当たりとなるパターンとの2通りのパターンで大当たりとなるチャンスが設定されており、これにより遊技性が多様化して興趣が向上している。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置38における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置38による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動入賞装置34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置261において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行するのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(図4および図5参照)が設けられ、基本的に、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。さらに、本パチンコ機10においては、前述の通り、抽選で直接的に大当たりとなるパターンと、小当たりとなってセンター役物83内のV入賞口77Pに入球して大当たりとなるパターンとの2通りの当たりのパターンを経て、遊技状態が特別遊技状態に移行するように構成されており、後者の小当たりから大当たりに至るパターンに係るセンター役物83の構成は以下に記述する通りである。
(特徴構成)
上記パチンコ機10においては、図4および図5に示すように、遊技盤30の中央部に、中央ユニット35が配置されている。中央ユニット35は、センター役物83、前述の装飾図柄表示装置42等を含んで構成されたユニットとなっている。
センター役物83は、図9ないし図16に示すように、正面視概略円環状の外形を有する下段部83Bと、該下段部83Bの上端部からさらに上方に正面視概略先端が丸い逆U字形状に延出する外形を有する上段部83Tとから構成され、該下段部83Bおよび上段部83Tはやや奥行を有してそれぞれ内部の大部分が空間となっており、下段部83Bは前後に貫通し、上段部83Tは前面部が開放されている。
センター役物83は、図20の分解斜視図にも示すように、支持枠部材84に前面枠部材85、上段部ユニット86、側板部材87R、87L、ステージ部材88、開閉羽根89R、89L等の各種部材を支持固定して構成されている。
支持枠部材84は、概略円形状の上端部が上方に丸く膨出した正面形状を有し、センター役物83における前面部の外周部を構成する透明樹脂製の枠部材となっており、概略円形状部および上端の膨出部はいずれも内側の大部分が開放されていて、前記下段部83Bおよび上段部83Tの内部空間にそれぞれ連通するようになっている。該支持枠部材84の外周縁における複数個所には、ネジ挿通孔を有するフランジ84Fがそれぞれ形成されており、該フランジ84Fでセンター役物83が遊技盤30の前面上にネジにより締結固定されるようになっている。支持枠部材84には、フランジ84Fと同一面に沿って外周から内側へ延びる内縁壁84Pが形成されている。該内縁壁84Pは、支持枠部材84の外周から内側へやや小幅に延びていて、これより内側の大部分の領域は上述の通り開放されており、該内縁壁84Pの延出端縁(内側端縁)の形状は不定形となっている。支持枠部材84における上端の膨出部には、上端縁に沿って正面視円弧形状をなして前方に延出する庇90が固定されている。該庇90は遊技球の直径よりやや大きい前後幅を有し、上方からこの庇90上に流下してきた遊技球が、該庇90に沿って左右いずれかに振り分けられて右下方または左下方に流下していくこととなる。該庇90の後側には、フランジ84Fを挟んで天蓋91が後方に延出している。該天蓋91は、支持枠部材84における膨出部の上端縁に沿って正面視円弧形状をなし、かつ平面視で先端が丸く先細りする鍔形状となるように延出している。庇90の左右両端の下方には、それぞれ左上入球部92Lおよび右上入球部92Rが設けられている。
左上入球部92Lは、受球部93L、左側開閉羽根89L、センサ収容室94L、左上入球センサ95Lおよび放球部96Lから構成されている。受球部93Lは、遊技球の直径よりやや大きい横幅および前後幅ならびに遊技球の直径の2倍よりやや大きい高さを有する概略直方体の隅部が丸く角落ちし、左側面部がほぼ全面的に開放された外形となるように成形された中空の部位となっていて、上端が庇90の左端に接するようにして起立するように配置形成されている。該受球部93Lの後側面の下部には、遊技球1球が通過し得る切欠(図示せず)が形成されている。該受球部93Lの後側には、該受球部93Lの後側面の形状にほぼ対応する正面視縦長の長方形状で前後にやや厚みを有する直方体状のセンサ収容室94Lが形成されており、該センサ収容室94L内には左上入球センサ95Lが収容されている(図9または図11参照)。該収容室96Lの下部からは概略角管状に後方へ延出する放球部96Lが形成されている。該放球部96Lの底面部は、センサ収容室94Lの後側面から遊技球1球の直径にほぼ相当する程度の長さだけ後方へ延出してこれより後方は開放されている。上記受球部93L、センサ収容室94Lおよび放球部96Lは透明樹脂により一体的に成形されている。
上記受球部93Lの左側には、左側開閉羽根89Lが配置されている。該左側開閉羽根89Lは、遊技球の直径よりやや大きい前後幅を有して正面視上方へ先細りするとともに右側へやや湾曲しながら延びる概略爪形状の可動翼となっており、下部ほぼ中央で後述する左側駆動軸140Lの先端に固定され、該駆動軸140Lを介して後述する左側ソレノイド138Lにより駆動されて、上方に向けて起立した閉位置と左方へ傾倒した開位置との間を回動するように開閉動作するようになっている。該左側開閉羽根89Lは、閉位置にあるときは受球部93Lを閉塞し、外側面(左側面)が庇90の左端に連なる斜面を構成して遊技球を左下方へ流下させるように案内し、一方、開位置にあるときは遊技球を内側面(右側面)で受けて受球部93L内へ入球するように案内する。
右上入球部92Rは、上記左上入球部92Lと左右対称に構成されており、このため、図では各部に対応する参照符号を付しているがその説明は省略する。
支持枠部材84の内縁壁84Pの前面上において、左右の開閉羽根89R、89Lの下方には、固定翼97R、97Lがそれぞれ配置固定されている。該固定翼97R、97Lはそれぞれ、遊技球の直径よりやや大きい前後幅を有し、開閉羽根89R、89Lの直下の位置から左方ないし右方へ若干下傾しながら延出している。該固定翼97R、97Lは、遊技球を左下方ないし右下方へ転動させるように案内するとともに、センター役物83における前面部の左上部および右上部の意匠を構成する固定構造物となっている。
支持枠部材84の内縁壁84Pは、左側の固定翼97Lの取付位置から、該固定翼97Lの長さにほぼ等しい幅をもって下方へ延び、該固定翼97Lの直下の位置には、前記普通図柄表示装置41が配設され(図20では図示省略)、当該位置における内縁壁84Pの裏側には該普通図柄表示装置41の光源であるLED基板が配置されている(図示省略)。内縁壁84Pにおいて、左側の固定翼97Lの右端よりやや下方の位置には、仕切板98が固定されている。該仕切板98は、遊技球の直径よりやや大きい上下幅を有して横長に延びる板部材となっており、内縁壁84Pからさらに内側(右側)へ延出し、その先端が支持枠部材84における中央よりやや右方の位置まで達するように配置されている。該仕切板98は、センター役物83における下段部83Bの上端部に位置している。
支持枠部材84の内縁壁84Pは、上記仕切板98の高さ位置よりさらに下方へ、支持枠部材84の概略円形状の外周に沿って円弧状に延びており、その途上には概略矩形状の透光開口99、99が上下に並置するように穿設されている。該透光開口99、99の後方にはLED基板111が配置され、上下の透光開口99、99にそれぞれ対応してLED基板111上に搭載されたLEDからの発光が透光開口99、99を通して前方へ照射されるようになっている。支持枠部材84の右側においても、上記透光開口99、99およびLED基板111と左右対称に構成された透光開口およびLED基板が配置されている(図示せず)。
支持枠部材84には、上記左側の固定翼97L先端の直下から、右側の固定翼97R先端の直下まで、支持枠部材84の概略円形状の外周に沿って正面視概略上端部が欠落した部分円形状をなすようにして、固定翼97R、97Lの前後幅にほぼ等しい一定の前後幅をもって延びる周壁112が形成されている。
支持枠部材84の右側部における内縁壁84Pの延出端縁(内側端縁)からは内側周壁113が前方へ延出し、周壁112および内縁壁84Pとともに横断面コ字形の溝状部を形成している。該内側周壁113は、支持枠部材84の右下の位置から、右側の固定翼97Rの左端よりやや下方の位置まで、左方へ正面視概略弧状に湾曲しながら延びている。該内側周壁113の上端部の上方における内縁壁84P上には、第1磁気センサ114が配置固定されている。該第1磁気センサ114は、角柱状にやや長く延びる形状を有し、一方端にコネクタにより配線が接続される構成となっており、先端(配線接続端と反対側端)を検出対象の方向に向けて配置(縦置き)しても、検出対象の方向に対し直角をなす方向に配置(横置き)しても磁気を検出することができるが、縦置きのほうがやや感度が高いようになっている。また、先端側だけでなく配線接続端側にも、長さ方向に沿ってやや長い概略卵形状の領域をなして外側へ膨らむ検出範囲を有し、これら両端側の検出範囲においてそれぞれ磁気を検出することができるようになっている。該第1磁気センサ114は、後述する上段部ユニット86における導球盤127の球通路127Rに先端を向けて配置(縦置き)されており、該球通路127Rおよびその近傍が検出範囲内に収まるようになっている。
支持枠部材84の左側部における内縁壁84Pの前面には、導球管部115が配設されている。該導球管部115は、基本的に遊技球1球が流通し得る管形状をなし、透光性を有する樹脂よりなり、ガスや液体の送通管を模した形状に成形されている。該導球管部115の上部は、右方へやや上傾しながら直線状に延びて横架部115Cが形成され、その先端部(右端部)は前記仕切板98の右端よりもさらに遊技球1球ぶんほど右方へ延び、さらに上方へ屈曲してわずかに延出している。この導球管部115の横架部115Cは、先端部も含め、後側が開放された形状となっていて、前記仕切板98により閉塞されるようになっている。ただし、該導球管部115の先端部においては、仕切板98の右端がこの位置までは及んでおらず、該仕切板98の右端よりもさらに右方においては導球管部115の後側が閉塞されずに遊技球1球ぶんほどの幅だけ開放されて後側へ連通するようになっている。上記導球管部115における横架部115Cの左端(下端)は、支持枠部材84の内縁壁84Pに沿って円弧状に延びて降下部115Dが形成されており、この降下部115Dも後側半部が開放された前側半部のみが横架部115Cの左端に連続して一体的に形成されているが、この前側半部に対応する別体の半管状部材が後側から取付けられて閉塞され、この別体の半管状部材もあわせて全体として管状の降下部115Dが構成されている。上記導球管部115における降下部115Dの下端は後方に屈曲してわずかに延出し、後方へ向けて開放されている。導球管部115は、前記横架部115Cから連続する一体部としては降下部115Dの下端部でいったん末端となっているが、これに隣接して後方に直線状に延びる別体の後退部115Bに連通し、上記横架部115Cおよび降下部115Dにこの後退部115Bをあわせて導球管部115が構成されている。該後退部115Bは、前後に延びる管状部材の左側面部が開放され、後述する左側板部材87Lの下端部内側面に固定されて該左側板部材87Lにより閉塞されるようになっている。該後退部115Bの後端部における下部は丸く切除されて切欠部115Eが形成され、遊技球が下方へ脱落しやすいようになっている。
前面枠部材85は、支持枠部材84の内縁壁84Pをほぼ前方から覆う正面視概略円環状であって、外周から内側へかけて前方へ丸く膨出する形状を有するカバー部材となっており、周壁112の内側に前方から嵌着固定されるようになっている。該前面枠部材85は不透明性を有する樹脂よりなり、右上部および左上部には、前記透光開口に対応する左右各2箇所の計4箇所に、透光性を有する樹脂よりなるカバーで覆われた窓部85Aがそれぞれ配設され、これにより前記保留ランプ800a(図4参照)が構成されるようになっている。また、この保留ランプ800aを構成する窓部85Aも含め、前面枠部材85はセンター役物83における前面部の意匠を構成している。
側板部材87R、87Lは、センター役物83における下段部83Bの内部空間を両側から覆うように閉塞する概略板状部材となっていて、やや前後幅を有して支持枠部材84における概略円形状部の両側の外周に沿って円弧状に湾曲しながらやや縦長に延びる側面視矩形状の外形を有している。両側板部材87R、87Lは、それぞれ、不透明性を有する樹脂よりなる外層部材と内層部材とを嵌合した構成となっている。該内層部材には、前後に長く延びる長孔状の窓部87Aが上下に複数並置するように形成され、各窓部87Aは透光性を有する樹脂よりなるカバーで覆われている。外層部材と内層部材との間にはLED基板が介装されており(図示せず)、該LED基板上に搭載されたLEDからの発光が上記内層部材の窓部87Aを通して下段部83Bの内部空間へ照射されるようになっている。
ステージ部材88は、平面視やや横長の長方形状であって後側長辺部の中央から内側へやや大きく概略弧状に陥入する凹部88Hが形成された概略形状を有し、上面に後述の球通路117や種々の紋様が形成されるなど各部にやや複雑な形状を有する樹脂成形体となっている。後側長辺部における該凹部88Hの両側にはそれぞれ後方にやや長く突出する突起116、116が形成されている。
ステージ部材88の上面には、左後の隅部から、凹部88Hを迂回するように前方へ大きく湾曲しながら平面視概略「ひ」字形状の軌跡を描くように右後の隅部まで延びる球通路117が形成されている。該球通路117は、後述するように、遊技球1球が自在に転動して通過し得る可動幅を有し、両側に沿ってガイドレール117F、117Rがそれぞれ立設されて遊技球が逸脱しないようになっている。球通路117の左後端部には、遊技球1球を余裕を持って載置し得る面積を有する平面視矩形状であって左側から右側へかけてやや下傾する案内斜面117Sが形成され、上記ガイドレール117F、117Rのうち球通路117の後側に沿って設けられたガイドレール117Rは、該案内斜面117Sの左端の位置まで延びて該案内斜面117Sの後側端縁に連続するとともに、左端部には遊技球の直径よりやや大きい高さおよび幅を有してガイドレール117Rの他の部位よりも上方に突出する球止壁117Dが形成されている。図9に示すように、該球止壁117Dは前記導球管部115における後退部115Bの後端の開口を遮蔽するように配置されるとともに、案内斜面117Sは該後退部115Bの切欠部115Eの下方に配置され、該後退部115Bを流下してきた遊技球は球止壁117Dに当たって切欠部115Eから下方に落下し、案内斜面117Sにより球通路117内へと案内されることとなる。図20に戻ると、球通路117の右後端部には、前記左後端部の案内斜面117Sとほぼ左右対称の返し斜面117Bが形成され、後側のガイドレール117Rは該返し斜面117Bの右端の位置まで延びて該返し斜面117Bの後側端縁に連続している。該返し斜面117Bの右側には右側板部材87Rが配置され、球通路117の右後端部まで到達した遊技球は、返し斜面117Bを登り右側板部材87Rの内側面に当って跳ね返ることで折返し、返し斜面117Bを降って、以降はそれまでと逆の方向に球通路117を流下していくこととなる。
球通路117はステージ部材88の中央部で凹部88Hの前方を通過するように延びているが、この凹部88Hの前方に位置する部分は、全体的に後方へ下傾し、また後側が部分的に凹部88Hの先端に交差していて、該凹部88Hの先端に沿って弧状に切欠いた形状となっており、この凹部88Hとの交差部分においては後側のガイドレール117Rは形成されず、ある程度の幅(遊技球の直径の3倍をやや上回る程度の幅)にわたって開放されている。即ち、凹部88Hとの交差部分が、後側のガイドレール117Rを(該凹部88Hとの交差部分に相当するだけの)間隔をあけて形成することにより部分的に開放された開放部となっており、このガイドレール117Rの開放部は、この部分で球通路117が後方へ下傾しているため、遊技球が勢いを落として通過する場合には後方へ脱落しやすいようになっている。即ち、遊技球を後方へ脱落するように案内する排球案内部117Eとなっている。
球通路117は、左後端部から中央まで一貫して下降し、中央から右後端部まで一貫して上昇するように延びている。即ち、高さ位置の推移からすると、中央で二分した場合の左側半分および右側半分がそれぞれ、端部側から中央側へかけて下降する下降部となっている。これにより、球通路117の左後端部すなわち案内斜面117Sから球通路117内に案内された遊技球は、球通路117の左後端部と右後端部との間を自重により往復するように転動する。
また、球通路117は、図19に示すように、いずれの部位においても少なくとも遊技球1球を転動、通過させ得る可動幅を有しているが、全体として一定の可動幅を保持しているわけではない。該球通路117は、左後端部(案内斜面117S)から内側すなわち右側へわずかに延びた後、前方へほぼ90°折れてほぼ直線的に延びて左側直線部118Lを形成し、前後方向中央を過ぎたあたりから右方へ弧状に湾曲して左側コーナー部119Lを形成しながらステージ部材88の前側端近傍まで延びて、この後はステージ部材88の中央部までわずかな曲率でほぼまっすぐに右方へ延び、この中央部からは、以上の左側半分の形状とほぼ左右対称をなすようにして右後端部(返し斜面117B)まで延びて、その途上で右側コーナー部119Rおよび右側直線部118Rを形成している。この球通路117の全体形状において、左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rでは中間部において部分的に可動幅が狭窄化しており、その可動幅が最小となっている部位においては、図21に模式的に示すように、球通路117の幅W1は遊技球M1の直径D1(約11mm)をわずかに下回る約10mmとなっていて、該遊技球M1をスムーズに通過させ得る最小限度以上の程度は確保されているものの、幅方向に遊動し得る余裕は僅かしかない。即ち、遊技球M1が球通路117内で前側のガイドレール117Fの上端に当接してこれより前方への移動が規制された最も前側寄りの位置(以下、「前側限界位置」とも称す)と、遊技球M1が球通路117内で後側のガイドレール117Rの上端に当接してこれより後方への移動が規制された最も後側寄りの位置(以下、「後側限界位置」とも称す)とを両端とする範囲の幅(即ち可動幅)F1が小となっている。これに対し、左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rのそれぞれにおいては中間部から両側部へかけて幅が次第に拡大し、これら両コーナー部119R、119Lを除く球通路117の全体においては、概して上記最小幅W1をいくぶん上回る幅を有しており、図22に模式的に示すように、例えば左側直線部118Lおよび右側直線部118Rにおいては、球通路117の幅W2は遊技球M1の直径D1(約11mm)を上回る約12mmとなっていて、該遊技球M1が幅方向に大きく揺動すること、即ち球通路117の幅方向中央部を通るほぼ単一の線上の軌道だけでなく、このような中央の軌道から側方へ多少とも自在に逸脱した軌道をとることを可能とするだけの余裕が確保されている。即ち、左側直線部118Lおよび右側直線部118Rにおいては、前側限界位置と後側限界位置との間の距離(即ち可動幅)F2が、前記左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rの中間部における前側限界位置と後側限界位置とを両端とする範囲の幅(即ち可動幅)F1よりも大となっている。換言すれば、球通路117の平面形状、なかでも幅の変動状況からすると、左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rは、中間部で可動幅F1が狭窄化していることによって、遊技球M1が幅方向に殆ど揺動することなく、幅方向中央部を通るほぼ単一の線上の軌道を通るように規制される規制部となっており、一方、左側直線部118Lおよび右側直線部118R等のような、両コーナー部119R、119Lを除く球通路117の全体は、遊技球M1がほぼ単一の軌道を通るように規制されることなく幅方向に十分に遊動し得る程度に可動幅F2が大とされて弛緩した弛緩部となっている。
ステージ部材88の上面においては、球通路117および凹部88Hにより区画されるようにして左右方向に並ぶ4領域が形成されているが、各領域には、表面に装飾形状を有する透光性樹脂よりなる装飾部材が全面を覆うように嵌着されており、両端部に配置された装飾部材121R、121Lの裏側(下側)にはLED基板が配置されていて(図示せず)、該装飾部材121R、121Lを通して上方へ光を照射することにより演出がなされるようになっている。
ステージ部材88は、図9に示すように、センター役物83における下段部83B内の下端よりやや上方に横架するように配置され、支持枠部材84および前面枠部材85に固定されて、下段部83B内における底面部を構成する。
図20に示す上段部ユニット86は、センター役物83における上段部83Tのうちの、遊技盤30の前面よりも後方に配置される内奥部を構成するものとなっており、図23および図24の分解斜視図に示すように、外郭部材122の内部に上段入賞機構123を、背面部に開閉羽根駆動部124をそれぞれ配設して構成されている。外郭部材122は、センター役物83における上段部83Tの形状に対応して、左右にほぼ直線状に延びる底辺部から上方に丸く膨出した概略正面形状を有し、前面が下端から上端にかけて後方へ傾斜しながら、全体として奥行方向に延び、前面部が開放されてそれ以外の5面部が閉塞された中空の樹脂成形部材となっている。該外郭部材122の上端面部は、前記支持枠部材84における天蓋91の鍔形状に対応して、前側端縁から後方へ丸く陥入した形状となっており、該天蓋91と嵌合一体化して、センター役物83における上段部83Tの天板部(上面部)を構成するようになっている。該外郭部材122における内奥壁の上端部には、LEDを発光素子とする円形のドット型表示装置21が配置固定されており、センター役物83の上段部83Tにおける上端部の内奥から前方へ向けて変動表示するようになっている。さらに、該ドット型表示装置21の裏側に位置する外郭部材122の内奥壁の内部にはLED基板が配置固定されており(図示せず)、該ドット型表示装置21の両側から前方へ光が照射されて演出がなされるようになっている。外郭部材122は、図20に示すように、支持枠部材84の上部に後方から嵌着固定される。また、図20および図23に示すように、外郭部材122における両側壁の下端部からは、それぞれさらに両側ヘ正面視略ハ字形状に拡がるように突出し、前面が開放された中空の右側突出部23Rおよび左側突出部23Lが突設されている。右側突出部23Rの側壁の下端部は前側端から矩形状に切除されて切欠23Cが形成されており、該切欠23Cは遊技球が通過し得る寸法を有していて、外郭部材122が支持枠部材84に後方から嵌着されると、右側突出部23Rの前面が閉塞され、これにともない上記切欠23Cの前側端も閉塞されて矩形状の排球口が構成されるようになっており、さらにまた、該排球口から内側すなわち左側へ延びる排球通路が形成されてその先端すなわち左側端が図20に示すように後述の支持板部材125における上段排出通路130に連通するようになっている。
上段入賞機構123は、センター役物83における上段部83T内において遊技球を遊技者にとって有利な遊技領域と該遊技領域よりも有利さの度合いの低い遊技領域とに振り分ける機構であり、図23および図24に示すように、支持板部材125、回転体126、導球盤127等の部材で構成されている。
支持板部材125は、概略矩形状であって周囲に上方にやや延出する周壁が形成された皿状に成形され、底面のほぼ中央部には、上方にやや隆起するように円板状の回転台128が形成され、該回転台128の中央には、後述の右側ギア137Rの回転軸が挿通される軸挿通孔128Hが形成されるとともに、該軸挿通孔128Hの右下に隣接する位置から回転台128の径方向に沿って右下方に延び、回転台128の外周部から前下方に直線状に延びる上段入賞通路129と、軸挿通孔128Hの右上に隣接する位置から上記上段入賞通路129にほぼ平行に右下方に延び、回転台128の外周部から側方へ若干下傾しながら直線状に延びる上段排出通路130とが形成されている。上記上段入賞通路129および上段排出通路130のそれぞれにおいて回転台128の外周からやや外側へ出た位置には、上段入賞センサ131および上段排出センサ132がそれぞれ配設され、該上段入賞センサ131および上段排出センサ132は正面視概略逆L字形状の押え板部材125Fにより上方から覆うようにして固定されるようになっている。上記上段入賞通路129の前下端部すなわち下流側端部は、上段入賞センサ131を介して前記導球管部115における横架部115Cの先端部(右端部)に連通するようになっており、上記上段排出通路130の右端部すなわち下流側端部は、上段排出センサ132を介して前記外郭部材122における右側突出部23Rの切欠23Cに至る排球通路に連通するようになっている。支持板部材125の左側端縁部には矩形状のモータ支持部133が突設され、第1モータ134が支持固定されるようになっている。支持板部材125の左上の隅部には、回転台128を左部から右上部まで包囲するようにしてLED基板135が嵌装され、上方へ光を照射して演出がなされるようになっている。支持板部材125の下面にはギア保持部136が取付固定されている。該ギア保持部136は、上方にやや延出する周壁が周囲に形成された横長の皿状部材となっていて、3個のギア137L、137M、137Rを横方向にリンクさせながら並置するようにしてそれぞれ回転自在に保持するようになっている。これらのうち左側のギア137Lは上記第1モータ134の軸の先端に固定されて回転駆動され、右側のギア137Rは、中心に突設された回転軸の先端に回転体126が固定されて、上記左側のギア137Lおよび中央のギア137Mを介して伝達された第1モータ134の回転を回転体126に伝達するようになっており、これにより回転体126が反時計回り方向に回転駆動されるようになっている。
上記支持板部材125は、前方へやや下傾した体勢で、外郭部材122内の底面部に前方から嵌装され固定される。
回転体126は、上記支持板部材125の回転台128よりわずかに小径であって遊技球の直径よりわずかに大きい厚みを有する円板状の樹脂成形体となっている。該回転体126には、外周において120°ずつ間隔をおいた3箇所に、中心へ向けて平面視略U字形状をなして陥入する凹部126Y、126N、126Nが形成されており、これら3凹部126Y、126N、126Nはいずれも、遊技球1球を収容し得る容量を有するとともに、上面部および外側面部(回転体126の外周に位置する側面部)は開放されている。上記3凹部126Y、126N、126Nのうちの1凹部126Yは下面部も完全に開放されていて遊技球が下方へ落下し得るように構成され、残りの2凹部126N、126Nは、いずれも基本的には下面部が開放されているが、図24により明瞭に表れているように、中心側(内奥側)から部分円状にやや延出するように球止片126Sが形成されてこの中心側が部分的に閉塞されており、これら2凹部126N、126N内に収容された遊技球は該球止片126Sに抵触して下方へは落下し得ず、外側面部からのみ外部へ離脱し得るようになっている。上記下面部が開放された1凹部126Yは後述するように遊技球を前記上段入賞通路129に案内し得るものとなっており(以下、上段入賞凹部126Yと称す)、残りの2凹部126N、126Nは遊技球を前記上段排出通路130に案内するようになっている(以下、上段排出凹部126N、126Nと称す)。また、回転体126は、前記前面枠部材85、側板部材87R、87L、庇90、固定翼97R、97L等と同色(本実施形態では黄色)の不透明性を有する樹脂よりなるが、上段入賞凹部126Yの内側には、該上段入賞凹部126Yの内側面を全面的に被覆するとともに該上段入賞凹部126Yの外側端部から回転体126の外周面に沿って両側へそれぞれ小幅に延びるようにして、全体として平面視概略「ひ」字形状をなすように成形された内装部材126Lが嵌着固定され、該内装部材126Lは上記回転体126の構成樹脂とは別色(本実施形態では赤色)の不透明性を有する樹脂で成形されており、これにより視覚的に上段排出凹部126N、126Nと明瞭に区別し得るようになっている。
導球盤127は、上記支持板部材125の上面をほぼ覆う概略矩形状の板状部材であり、透光性を有する有色樹脂よりなる。該導球盤127の中央部には上記回転体126の径よりわずかに大径の円形の貫通孔127Pが穿設されている。該貫通孔127Pにおける外周の大部分には、導球盤127の表面よりも遊技球の半径ぶん程度の高さだけ上方に延出する球止周壁127Nが形成され、該貫通孔127Pにおける外周の前部においては、遊技球の直径の2倍程度に相当する幅W3だけ球止周壁127Nが形成されない開放部127Aが設けられている。導球盤127の上面における前側半部には、貫通孔127Pより大きい径を有する平面視半円形状の外周壁127Eが該貫通孔127Pと同心となるように形成され、該外周壁127Eと貫通孔127Pとの間に、遊技球1球が余裕をもって左右に往復し得る平面視半円形状の球通路127Rが形成されている。該外周壁127Eは、両側部においてはほぼ遊技球の直径以上の高さを有しているが、両側部から前方部へかけて緩やかに弧状に下方へ凹入して、前端においては遊技球の半径ぶん程度の高さとなっており、遊技球をこれより前方へ脱落しないように球通路127R内に留めておくのに必要なほぼ最低限度の高さとなっている。該外周壁127Eは透明樹脂で成形されており、該外周壁127Eを通しても遊技球の挙動は視認することが可能であるが、上記のように前方が低く形成されることで、より視認性が良好となっている。また、上記球通路127Rの両側は導球盤127の表面と面一となっており、該導球盤127は支持板部材125とともに前方へやや下傾した体勢で配置されるため、これにともなって該球通路127Rの両側も前方へやや下傾した体勢となるが、該球通路127Rの中央部は配置状態で上記貫通孔127P側へ(即ち後方へ)やや下傾するように形成されており、したがって該球通路127R内に後上方から流入してきた遊技球は、はじめのうち外周壁127Eの内側面に沿って左右に往復するが、往復するうちに勢いがある程度まで減衰すると、中央部で自重により後方へ案内されて開放部127Aから貫通孔127P内へと転落していくこととなる。
導球盤127の裏面(下面)においては、図24に示すように、貫通孔127Pの周縁から下方に延出する内周壁127Dが形成されている。該内周壁127Dは、貫通孔127Pの周縁における右上部から右下方へむけて直線状に延びてその先端でやや外側へ屈曲してから途絶して一方端を形成しており、この直線状部分で前記支持板部材125における上段排出通路130の後側壁に沿った形状となっていて、該上段排出通路130の後側壁の上端に隣接して同一壁面を構成するようになっている。内周壁127Dにおける上記途絶した一方端と反対側は、前記上段排出通路130の前側壁に近接する位置まで延びてから途絶して他方端を形成しており、これら一方端と他方端との間に、遊技球1球が余裕をもって通過し得る幅だけ開放された内周開放部127Bが形成されている。したがって、上記内周壁127Dは、前記上段入賞通路129の上方においては、該上段入賞通路129に交差するように即ち該上段入賞通路129の上方を通過するように延びていて該上段入賞通路129の上方は閉塞しており、前記上段排出通路130の上方においては、上記内周開放部127Bが形成されて開放されている。
上記上段入賞機構123は、外郭部材122内における底面部に嵌装固定されるが、支持板部材125とともに全体で前方へやや下傾した体勢で配置されるので、導球盤127上で遊技球が前方へ流下するとともに、遊技球の挙動が遊技者から視認しやすくなっている。後述するように、導球盤127の後上部に導入された遊技球は、貫通孔127Pに後上側ないし両側から落下しないように球止周壁127Nにより規制されながら前下方へ流下して球通路127R内に案内され、該球通路127Rを左右に往復するように転動した後、開放部127Aから貫通孔127P内へ落下して、回転体126の上段入賞凹部126Yおよび上段排出凹部126N、126Nのうちのいずれかに入球し、該回転体126の回転により反時計回り方向に搬送される。遊技球が上段入賞凹部126Yに入球した場合には、上段入賞通路129の上方まで搬送されると、上段入賞凹部126Yから下方に落下して該上段入賞通路129内に案内される。遊技球が上段排出凹部126N、126Nに入球した場合には、上段入賞通路129の上方まで搬送されても、球止片126Sにより下方へは落下し得ず、また側方も内周壁127Dにより閉塞されているため、該上段入賞通路129の上方は通過してさらに反時計回り方向に搬送され、上段排出通路130の上方まで搬送されると、内周開放部127Bから側方へ脱落して該上段排出通路130内に案内される。
開閉羽根駆動部124は、左右のソレノイド138R、138Lと、該ソレノイド138R、138Lを後方から覆う後方カバー部材141等で構成されている。左右のソレノイド138R、138Lは、プランジャを下方に突出させ上下動させ得る体勢で、上記外郭部材122における背面の上部に配置固定されている。両ソレノイド138R、138Lには、左右のリンクアーム139R、139Lを介して左右の駆動軸140R、140Lが連動するよう連結されている。左右の駆動軸140R、140Lは、前記外郭部材122および支持枠部材84を前方へ貫通するようにして軸支され、前端に前記左右の開閉羽根89R、89Lがそれぞれ固定されて該開閉羽根89R、89Lを開閉駆動するようになっている。後方カバー部材141は、前記外郭部材122の上部にほぼ対応する正面形状を有し、上記両ソレノイド138R、138Lを収容し得る奥行をもって後方へ延び、前面部が開放されそれ以外の5面部が閉塞された中空の樹脂成形体となっていて、上記両ソレノイド138R、138Lを覆うように後方から外郭部材122における背面の上部に取付固定されるようになっている。また、後方カバー部材141の背面には、センター役物83の各部に配置された各種LED基板、センサ、モータ、上記ソレノイド138R、138L等の電気部品に接続された配線を中継する中上中継基板142が配置固定されている。
センター役物83は、図25に示すように、該センター役物83の正面形状に対応する形状となるように遊技盤30の中央部に穿設された中央貫通孔30Hに前方から嵌装され、前記したようにフランジ84Fで遊技盤30の前面上にネジにより固定される。該センター役物83は取付状態で遊技盤30の後面より後方へやや突出するが、この突出部を後方から覆うようにして、図26ないし図31にも示す裏カバー部材82が遊技盤30の後面に取付固定される。該裏カバー部材82は、前述の通り装飾図柄表示装置42を備える表示制御装置45が搭載される取付ベース(取付台)として機能する他、後述する下段入賞ユニット25、右側球通路部材26Rおよび左側球通路部材26L、LED基板67R、67L等が配置固定される部材となっている。該裏カバー部材82は、図6および図7にも示すように、遊技盤30の裏面における下端よりやや上方の位置から上端近傍の位置までの領域をほぼ全面的に覆う、概略矩形状であって右上および左上の隅部がそれぞれ斜線をなして角落ちないし矩形状に切欠かれた正面形状を有し、両側縁および上端縁に沿って取付用のフランジ82Fが形成され、該フランジ82Fの内側が全体的に後方へ膨出した奥行を有する透明樹脂製の部材となっている。図25に示すように、該裏カバー部材82の上部中央には上部開口82Tが穿設されており、図6および図7に示すように該上部開口82Tからセンター役物83における前記後方カバー部材141が後方へ突出するようになっている。該上部開口82Tの下方には、図25に示すように、やや横長の長方形状の下部開口82Bが穿設されており、該下部開口82Bを後方から閉塞するように表示制御装置45が取り付けられ、これにより、装飾図柄表示装置42の表示画面がセンター役物83における下段部83Bの内奥壁面部に配置され、図4に示すように、該下段部83Bの内奥から該下段部83B内を通して、前方へむけて図柄の変動表示がなされるようになっている。
裏カバー部材82の前側面(内側面)における下部開口82Bの右方および左方にはそれぞれ、右側球通路部材26Rおよび左側球通路部材26Lが配置固定されている。右側球通路部材26Rおよび左側球通路部材26Lは、図32および図33の分解斜視図にも示ように、上下にやや長く延びる透明樹脂製の成形体となっており、前面部が開放されて後方に溝状に陥入する右側球通路27Rおよび左側球通路27Lがそれぞれ上端から下端まで延びるように形成されている。左側球通路部材26Lにおける左側球通路27Lは、左側球通路部材26Lの左上端を上端とし、その上端面は閉塞され、該上端からわずかに下方へ延びたところで、正面視概略S字形状をなすように右方および下方へ続けて屈曲し、左側球通路部材26Lの中央より若干下方の高さ位置まで、左側球通路部材26Lの右側面に沿って下方へ直線状に延び、その下端から、左右に蛇行しながら左側球通路部材26Lの左下端まで延び、その下端面は開放されている。該左側球通路27Lの上端部は、後述する左側装飾役物71Lの一般入賞口すなわち左側入賞口148Aに連通し、下端部は、下方に配置形成された別部材の排球通路(図示せず)に連通するようになっている。左側球通路部材26Lにおける該左側球通路27Lの直線部の上端近傍には、センサ保持部28Lが形成されており、左側入球センサ29Lが左側球通路27Lに直交するように嵌着されて該左側球通路27Lを流下する遊技球が検知されるようになっている。左側球通路部材26Lの前面における左上部には、左側球通路27Lの直線部の左側に連続するように左上フランジ62Lが形成され、左側球通路部材26Lの前面における右下部には、左側球通路27Lの蛇行部の間に形成された間隙(谷間)を埋めるように右下フランジ63Lが形成されており、左上フランジ62Lおよび右下フランジ63Lにはそれぞれネジ挿通孔が穿設されている。裏カバー部材82の前側面(内側面)における下部開口82Bの右方および左方にはそれぞれ、縦長の直方体状に前方へ突出する取付台部64R、64Lがそれぞれ形成され、左側の取付台部64Lの突出端面(前面)には、左側球通路部材26Lにおける左上フランジ62Lおよび右下フランジ63Lのネジ挿通孔に対応する左上および右下の位置に、前方へ円柱状に突出し内部にネジ穴が形成された螺入部65L、65Lがそれぞれ形成されており、左側球通路部材26Lが左側の取付台部64L上にネジにより締結固定されるようになっている。左側球通路部材26Lは取付状態では前面が裏カバー部材82のフランジ82Fと面一となるようになっており、裏カバー部材82がフランジ82Fで遊技盤30の後面に取付固定されると、左側球通路部材26Lの前面が遊技盤30の後面に当接し、これにより左側球通路27Lの前面部が閉塞されるようになっている。右側球通路部材26Rは、右側球通路27Rに側面受球部66が形成されている点以外は、左側球通路部材26Lと左右対称に構成され、右側入球センサ29Rも左側入球センサ29Lと左右対称に配置されるようになっており、裏カバー部材82における右側の取付台部64Rに対する取付構造も左側球通路部材26Lの場合と同様となっている。側面受球部66は、右側球通路27Rの直線部におけるセンサ保持部28Rより若干下方の位置から左方へやや突出してその先端は開放されている。該側面受球部66は前記センター役物83の外郭部材122における右側突出部23Rの切欠23Cに連通しており、支持板部材125の上段排出通路130から排出された遊技球が、センター役物83の外郭部材122内を右方へ案内され、切欠23Cから側面受球部66へ導入されて右側球通路27R内に左側から合流するようになっている。
裏カバー部材82の前側面(内側面)における右上および左上の隅部にはそれぞれLED基板67R、67Lが配置固定されている。図4および図5に示すように、中央ユニット35のやや右上方および左上方にはそれぞれ光透過性を有する樹脂で構成された風車68R、68Lが配置されており、各風車68R、68Lの裏側では遊技盤30に貫通孔が穿設されていて(図示せず)、上記LED基板67R、67Lから風車68R、68Lを通して前方へ光が照射されて演出がなされるようになっている。図27に示すように、裏カバー部材82の後側面(外側面)における右下および左下(図27では左下および右下)の隅部にはそれぞれ、上記右上および左上のLED基板67R、67Lの他、後述する右側および左側装飾役物71R、71Lに配設されたLED基板、下段入賞ユニット25の各部に配置された各種LED基板、センサ、モータ等の電気部品に接続された配線を中継する右下中継基板69Rおよび左下中継基板69Lが配置固定され、さらに、右下中継基板69Rには、振動センサ70が搭載されており、遊技機を揺らして遊技球の挙動を不正に操作するといった不正行為が検知されるようになっている。
裏カバー部材82の前側面(内側面)における下部開口82Bの直下には、図25にも示すように、下段入賞ユニット25が配置される。該下段入賞ユニット25は、図34および図35の分解斜視図にも示ように、基台72にV入賞可動体73、背板74、第1駆動機構75、第2駆動機構76等を支持固定して構成されている。
基台72は、水平に配置される横長の板状に成形された樹脂製の部材となっており、平面視U字形状の外形をなして前方へ円弧状に突出する中央台部72Mの両側に、平面視概略矩形状をなして側方へ延出する右側延出部72Rおよび左側延出部72Lがそれぞれ一体的に形成された構成となっている。該基台72は、やや厚みを有する板状に水平方向に横長に拡がる概略直方体状の全体形状を有し、各壁面が樹脂板により構成されて全壁面が一体的に形成されており、各部に各種の凹凸形状を有するが基本的には、中央台部72Mは上面が閉塞されて下面が開放された概略台状となっており、右側延出部72Rおよび左側延出部72Lはいずれも上面が開放されて下面が閉塞された概略皿状となっている。
上記基台72の中央台部72Mには、図36に示すように、前側端縁に沿って内側に下段中央排出溝72Eが形成されている。該下段中央排出溝72Eは、上面部が開放され、遊技球が余裕をもって内部を流通し得る幅および深さを有して平面視半円状に延びる溝となっており、底面は中央から両側へそれぞれわずかに下傾している。該下段中央排出溝72Eの内側には、中央台部72Mを上下に(厚さ方向に)貫通し下段中央排出溝72Eに沿って平面視概略半円状に延びる周状スリット72Cが形成されている。該周状スリット72Cは、後述する下段入賞樋部材77における入賞樋部77Gの水平片を収容し得る幅を有して、下段中央排出溝72Eの内側に沿って前方へ膨出する平面視半円周形状となるように左右に延び、その両側端は、後述する下段入賞樋部材77における両側湾曲片77Cを収容し得る程度の幅に狭小化しながらさらに後方へやや延びており、したがって全体として前側180°の角度範囲よりもやや後方へ大きく延びている。また、該周状スリット72Cの前側端縁は下段中央排出溝72Eにおける後側壁(内側壁)の上端に接しながら延びており、該下段中央排出溝72Eにおける後側壁(内側壁)の上端とともに、下方へ正面視台形状にやや陥入している。中央台部72Mの中央部には、上記下段中央排出溝72Eおよび周状スリット72Cより内側にこれらと同心となるように軸挿通孔72Pが穿設されている。
中央台部72Mの裏面(下面)においては、図37に示すように、軸挿通孔72Pの周縁から内周壁72Sが下方にやや延出しており、該内周壁72Sに下段入賞樋部材77が回動自在に嵌着されている。該下段入賞樋部材77は、内周壁72Sに嵌着される中央の円環状軸支部77Mから後方にレバー片77Lが、前方に入賞樋部77Gがそれぞれ延出するように一体的に形成された樹脂製の部材となっている。レバー片77Lは、後方に水平にやや長く帯状に延び、前端部および後端部にはそれぞれネジ挿通孔が穿設され、中央部にはピン挿通孔が穿設されており、前端部のネジ挿通孔および中央部のピン挿通孔で後述するV入賞可動体73が固定され、後端部のネジ挿通孔で後述する第2駆動機構76のカム溝部材147が固定されるようになっている。入賞樋部77Gは、円環状軸支部77Mから前方に水平片が延出して該水平片に遊技球1球が通過し得る円形のV入賞口77Pが穿設され、さらに、該V入賞口77Pの両側から上方に両側壁77Sが延出するとともに該V入賞口77Pの前端部の位置から水平片がやや上方に延び、その上端から図36に示すように両側壁77Sとともに溝形状をなして前方へ延出した構成となっている。さらにまた、両側壁77Sの後端近傍からは、上記下段中央排出溝72Eと同心となるように平面視円弧状に湾曲しながら入賞樋部77Gの両側を周壁状に覆うように左右両側に延出する両側湾曲片77Cが形成されている。下段入賞樋部材77は、前記回転体126の内装部材126Lと同色(本実施形態では赤色)の不透明性を有する樹脂で成形されており、一方、該下段入賞樋部材77の周辺に位置する基台72やステージ部材88はこれとは別色(本実施形態では青系色)の光透過性ないし半光透過性を有する樹脂で成形されていて、これにより該下段入賞樋部材77が、視覚的に周囲から明瞭に区別することができるようになっている上、さらに前記回転体126の内装部材126Lと同じく赤色となっていることで、該内装部材126Lとともに、入賞に係る部材であることが周囲から目立って強調される配色となっている。該下段入賞樋部材77は、後側(レバー片77L形成側)を上記周状スリット72Cに前方から挿通し、円環状軸支部77Mを軸挿通孔72Pの内周壁72Sに嵌着するようにして取り付けられ、入賞樋部77Gおよび両側湾曲片77Cの大部分が周状スリット72C(下段中央排出溝72Eの後側壁)よりも上方に位置し、入賞樋部77Gが下段中央排出溝72Eの上に架かるように前方へ延びる体勢で配置されるようになっている。この取付状態では、入賞樋部77Gの水平片および両側湾曲片77Cの下端部が周状スリット72C内に嵌入しており、下段入賞樋部材77が軸挿通孔72Pの内周壁72Sの周方向に回動すると入賞樋部77Gの水平片および両側湾曲片77Cが周状スリット72Cの形成範囲内で周方向に移動し、これにともなって入賞樋部77Gが前方の四半円ぶん程度の範囲内で左右方向に揺動するようになっている。
中央台部72Mの表面(上面)においては、軸挿通孔72Pの外側に、該軸挿通孔72Pと同心となるように円環状溝72Hが形成され、該円環状溝72Hの後部から、平面視概略扇形状に拡大しながら後方へ拡がり、その後側周縁の中央部からさらに後方へ概略矩形状に延出して、全体として平面視概略矢印状となる形状を有する矢印状開口72Fが穿設され、さらに該矢印状開口72Fの後方には、軸挿通孔72Pと同心となるように、円弧状の周壁および円弧状スリット72Kがこの順に形成されている。また、中央台部72Mの後側端縁からは、後側壁72Wが上方へ延出し、該後側壁72Wの両端部には位置合せ孔72N、72Nがそれぞれ穿設され、上端縁の中央およびその両側の3箇所にはU字形状の切欠72Dがそれぞれ形成されている。
上記基台72の右側延出部72Rおよび左側延出部72Lの前端部にはそれぞれ、下段右側排出溝78Rおよび下段左側排出溝78Lが形成されている。下段右側排出溝78Rは、上面が開放され、右側延出部72Rの前端縁に沿って内側に、左端から右端まで若干下傾しながら延びており、右端面は右側延出部72Rの右側壁により閉塞され、右端部の底面には、図37に示すように、遊技球が通過し得る概略矩形状の下段右側排球口80Rが穿設されていて、下方に配置形成された別部材の排球通路(図示せず)に連通するようになっている。該下段右側排出溝78Rの左端は前記下段中央排出溝72Eの右端に連通し、この左端の位置には下段右側センサ保持部81Rが形成されていて、図36に示すように下段右側排球センサ46Rが下段右側排出溝78Rに直交するように嵌着されて該下段右側排出溝78Rを流下する遊技球が検知されるようになっている。右側延出部72Rにおいて下段右側排出溝78Rの後方に隣接する位置には、LED基板47Rが配置固定されており、上方に配置される前記センター役物83のステージ部材88を透過させるように下方から光を照射して演出がなされるようになっている。左側延出部72Lは、上記右側延出部72Rと左右対称に構成され、下段左側排出溝78L、下段左側排球口80Lおよび下段左側センサ保持部81Lが同様にして形成され、下段左側排球センサ46LおよびLED基板47Lが同様にして配置固定されている。
上記基台72の裏面(下面)においては、図37に示すように、下段中央排出溝72Eの中央部および左端部の位置に、下方に円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部72Y、72Zがそれぞれ形成されており、右側延出部72Rにおける中央より左寄りの位置には、いずれも上記螺入部72Y、72Zとほぼ同様の構成であって延出長さの短い小螺入部72Vおよび延出長さの長い大螺入部72Xが、前後に並置するように形成されている。また、上記基台72の中央台部72Mにおける後側面の右端部および左端部には、後方に円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部72A、72Bがそれぞれ形成されている。
また、上記基台72の裏面(下面)において、右側延出部72Rの右後の隅部および左側延出部72Lの左後の隅部には、当該隅部における基台72の両側面壁および後側面壁に連続するように、平面視矩形の周壁形状をなしてやや下方に延び、その後側面壁が大きく延出してネジ挿通孔が穿設され、両側面壁が、中央部から後側面壁の下端まで次第に延出長さが増大する側面視三角状のステーを形成する構成を有するブラケット部72G、72Gが、それぞれ形成されている。一方、図26および図32に示すように、裏カバー部材82の前側面(内側面)における下部開口82Bの右下端および左下端の下方には、前方に円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部82G、82Gがそれぞれ形成されており、両螺入部82G、82Gに上記基台72の両ブラケット部72G、72Gがそれぞれネジにより締結固定されるようになっている。
上記基台72の裏面(下面)には、図34および図35に示ように、下段入賞通路部材48が取付固定される。該下段入賞通路部材48には、前記基台72の周状スリット72Cに対応する平面視円弧形状をなして左端から右端へやや下傾しながら延びる下段入賞溝48Gが形成され、該下段入賞溝48Gの上面部は開放されて周状スリット72Cに連通するようになっている。該下段入賞通路部材48における下段入賞溝48Gの右端面壁の外側(後側)には、上下に円柱状に延び内部にネジ穴を有する螺入部48Kが形成されている。上記下段入賞溝48Gにおける右端部の右側(外側)壁は概略直方体状に右方へやや膨出し、該膨出部まで跨るようにして、下段入賞溝48Gの底面に排球口48Aが穿設され、さらに該膨出部の下端部から右方に矩形状に延出するセンサ取付片48Bが形成されており、該センサ取付片48Bの前部には係合孔48Fが穿設されていて後述するセンサ保持部材48Hの係止爪48Eが係止固定され、該センサ取付片48Bの右後の隅部にはネジ挿通孔48Cが穿設されていて前記基台72の小螺入部72Vにネジにより締結固定されるようになっている。上記下段入賞溝48Gの右端部およびセンサ取付片48Bには、下段入賞センサ49を収容したセンサ保持部材48Hが該センサ取付片48Bに下方から嵌着され、上記排球口48Aを通過する遊技球が検知されるようになっている。センサ保持部材48Hは、下段入賞センサ49を下方から支承するように収容、保持する矩形状の皿状部材となっている。該センサ保持部材48Hの前側縁には係止爪48Eが上方に突設されていて上記センサ取付片48Bの係合孔48Fに係止固定されるようになっており、一方、該センサ保持部材48Hの後側縁における右端部および左端部には、後方へ平面視略U字形に延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片48R、48Lがそれぞれ形成されていて、右側のネジ挿通片48Rは前記基台72の大螺入部72Xに、左側のネジ挿通片48Lは上記下段入賞通路部材48の螺入部48Kにそれぞれネジにより締結固定されるようになっている。
上記下段入賞通路部材48における下段入賞溝48Gの後側には、上壁部48Tが形成されている。該上壁部48Tは、下段入賞溝48Gにおける後側壁の上端縁から、該下段入賞溝48Gの後方の空間を上方から覆う天板状に水平方向に延出する壁となっており、下段入賞溝48Gの円弧形状と同心となる軸挿通孔48Mが穿設されていて、該軸挿通孔48Mに後述する第1駆動機構75の演出部駆動軸43が挿通されるようになっている。該上壁部48Tは、下段入賞溝48Gの左端に隣接する位置から、上記軸挿通孔48Mの径方向に沿ってさらに大きく外側へ延出し、この延出方向に沿って内側および外側にそれぞれギア軸挿通孔48Nが穿設されていて、該ギア軸挿通孔48Nに後述する第1駆動機構75の駆動ギア39Dおよび伝動ギア39Tを枢支する軸が挿通されるようになっている。
上記下段入賞通路部材48の前面における下端縁には、ほぼ中央の位置および右端近傍の位置に、上記軸挿通孔48Mの径方向に沿って外側へ平面視略U字形に延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片48Y、48Pがそれぞれ形成されており、中央のネジ挿通片48Yは前記基台72における中央部の螺入部72Yにネジにより締結固定され、右側のネジ挿通片48Pには後述する磁気センサ保持部材58がネジにより締結固定されるようになっている。
上記基台72の裏面(下面)において下段中央排出溝72Eの中央より右側の位置には、第2磁気センサ57が配置される。該第2磁気センサ57は、前記第1磁気センサ114と同一の構成を有し、磁気センサ保持部材58により下方から水平に支承されるようにして固定され、センター役物83の下端部中央に先端を向ける(縦置きする)ように、下段中央排出溝72Eの下側における右端部と中央部との間に架設するように斜方向に(右後から左前へ)配置されるようになっており、前記ステージ部材88の前側、特に排球案内部117Eおよびその近傍が検出範囲内に収まるようになっている。磁気センサ保持部材58は、第2磁気センサ57の中央部を下方から支承する水平な矩形板状に形成されて該第2磁気センサ57に沿って斜方向に配置される支承面部を有している。該支承面部の下面には、下方に円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部が形成されており、該螺入部が前記下段入賞通路部材48における右側のネジ挿通片48P上に立てるように配置されて下方からネジにより締結固定されるようになっている。一方、支承面部の後端部には、右方に矩形状に延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片が形成されている。図36および図37に示すように、前記基台72の右側延出部72Rにおける下段右側センサ保持部81Rには、蓋部材81Cが上方から嵌着固定されており、該蓋部材81Cには左方へ延出する水平片が形成され、該水平片には下方に円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部が形成されていて、該螺入部に上記磁気センサ保持部材58のネジ挿通片がネジにより締結固定されるようになっている。これにより、第2磁気センサ57が、上面を基台72の裏面(下面)につき合わせるようにして下方から磁気センサ保持部材58により支承された体勢で固定される。
V入賞可動体73は、図38および図39にも示すように、所定のキャラクタを模した立像状の全体形状を有し、下側の胴体部73Bと上側の演出部73Tとから構成されている。胴体部73Bは、上端および下端が窄んで中央部が丸く膨出した壺形の外形を有し、前側下部に横長の下部開口73Aが形成されるとともに上端部にも平面視円状の上端開口73Nが穿設され、上記下部開口73Aの両側に耳状突起73Eが形成された中空の不透明樹脂よりなる成形体となっており、下端には、平面視円環状に下方へ延出する円環状突条73Rが形成され、該円環状突条73Rが前記基台72における中央台部72Mの円環状溝72H内にスライド自在に嵌入し、これにより胴体部73Bが中央台部72M上に垂直方向の軸を中心として回転自在に支承されるようになっている。また、図39に示すように、該円環状突条73Rの後側に隣接して、円柱状に下方へ延出し内部にネジ穴を有する螺入部73Sが形成され、さらに、該螺入部73Sを後方から覆うように上下に延びて該螺入部73Sの下端近傍の位置から側面視鉤形状をなして後方へ延びる鉤状片73Lが形成され、該鉤状片73Lの水平片には下面に規制ピン73Pが突設されており、上記螺入部73Sが、前記基台72の中央台部72Mにおける矢印状開口72Fの扇状部に挿通され、下方に配置される下段入賞樋部材77のレバー片77Lに対して前端部のネジ挿通孔でネジにより固定され、一方、上記規制ピン73Pが、矢印状開口72Fの矩形状部に挿通され、レバー片77Lのピン挿通孔に挿通されて係止され、これにより、上記螺入部73Sおよび規制ピン73Pが矢印状開口72Fにより可動範囲を規制されながら、胴体部73Bが下段入賞樋部材77と一体的に回動するようになっている。
演出部73Tは、上記胴体部73Bの上端開口73Nに連なるように上方にやや延びてその上端に両側へ延びる翼状部が形成され、該翼状部の上に、正面視円状で前方へ丸く膨出する椀状部が載置されるように形成された、中空で基本的に不透明樹脂よりなる成形体となっている。該演出部73Tの下端部には、図39に示すように上記胴体部73Bの上端開口73Nよりわずかに小径で下方に円筒状に延出する軸部73Dが形成され、該軸部73Dが胴体部73Bの上端開口73N内に上方から挿入されて回転自在に嵌合し、これにより演出部73Tが胴体部73Bに対し回転自在に支承されている。該軸部73Dの上端部における径方向に対向する2箇所には、それぞれ係合孔73Fが穿設されている。演出部73Tにおける椀状部の前面には、「V」の字を模した形状に成形された、光透過性を有する有色樹脂よりなるV字透光窓73Mが設けられており、該演出部73Tが回転動作に加えて発光による演出を行い得るようになっている。
図34および図35に示ように、前記基台72の中央台部72M上には、球除けフード143が配置固定される。該球除けフード143は、下端から円筒状に上方に延びて上端が半球状に閉塞した半カプセル状体を、中心軸よりやや後方の位置で径方向に垂直に切断して後側を逆U字形状に大きく開放した形状を有する概略キャップ状の透明樹脂よりなる成形体となっている。該球除けフード143の径は前記基台72の中央台部72Mにおける周状スリット72Cの外径(前側縁すなわち下段中央排出溝72Eの後側壁の径)にほぼ等しく、高さは前記V入賞可動体73の高さより若干大きくなっている。該球除けフード143の下端縁における右後端部および左後端部には両側に延出するフランジ143Fがそれぞれ形成され、さらに両フランジ143Fには、該球除けフード143の両側面に沿って半円柱状に上方へ延びて内部にネジ穴を有する螺入部がそれぞれ形成されており、該球除けフード143は、前側の外周を前記周状スリット72Cの前側縁(下段中央排出溝72Eの後側壁)の位置に合致させるようにして前記基台72の中央台部72M上に配置され、該中央台部72Mの下方からネジを両フランジ143Fの螺入部にそれぞれ螺入することにより締結固定される。このとき、該球除けフード143の前下端には、前記周状スリット72Cの前側端縁(下段中央排出溝72Eにおける後側壁)における正面視台形状の陥入部の両端に対応する位置を両端として上方に陥入する横長の前下切欠143Cが形成されており、該前下切欠143Cが上記周状スリット72Cの陥入部と一体となって周方向に横長に延びる開口を構成するようになっていて、前記下段入賞樋部材77における入賞樋部77Gが、該開口の内側から外側へ径方向に突出した体勢で、該開口内を上部に若干の余裕を有して周方向に移動し得るようになっている。上記球除けフード143により、V入賞可動体73がその視認性を実質的に損なわれることなくほぼ全体的に覆われることとなるが、このとき、入賞樋部77GのV入賞口77Pの上方も該球除けフード143に覆われて遊技球が前方からこの位置まで進入することができないようになっており、したがって例えば、前記ステージ部材88上で遊技球が遊技球同士の衝突等により弾んでV入賞可動体73の方へ飛来し、該V入賞可動体73に当って落下しV入賞口77Pに入球するという事態、即ち前記ステージ部材88上で遊技球が排球案内部117Eに案内されることなく短絡的にV入賞口77Pに入球するという事態が防止されるようになっている。
背板74は、図34および図35に示ように、上記基台72の横幅にほぼ等しい横幅を有する横長の長方形状の板状部材となっており、前面には装飾として凹凸形状を有し、図35に示ように、下端部には、左端よりやや内側の位置から右端よりやや内側の位置にかけて、後方へやや突出する横長の突出部74Eが形成されている。該突出部74Eの両端部には、背板74の前面まで貫通するように逆U字形状の切欠74C、74Cがそれぞれ形成されており、両切欠74C、74Cは前記基台72における後側壁72Wの両位置合せ孔72N、72Nにそれぞれ連通するようになっている。該突出部74Eにおける両切欠74C、74Cの間には、間隔をおいて3箇所に、前後に延びるネジ穴を内部に有する螺入部74Sがそれぞれ形成されている。該背板74は、突出部74Eの下端および後端を前記基台72における上面および後側壁72Wの前面にそれぞれ突き合わせるようにして配置され、中央の螺入部74Sを後側壁72Wにおける中央の切欠72D内に挿通して後方から後述する支持基材144における上端中央部のネジ挿通片144Tをネジで締結固定することによって基台72に対し固定されるようになっており、これにより、基台72の後側端部から上方に立設され、裏カバー部材82の下部開口82B(装飾図柄表示装置42)より下方を覆うようにして、センター役物83の下段部83Bの内部空間における内奥壁部の下端部を構成するようになっている。
第1駆動機構75は、図34および図35に示ように、リンク支持部材59、第2モータ60、回転位置検知センサ37等を有して構成されている。リンク支持部材59は、前記下段入賞通路部材48の上壁部48Tにほぼ対応する平面形状を有して水平に横長に延びる板状の部材となっており、図40および図41にも示ように、上面に駆動ギア39D、伝動ギア39Tおよび演出部駆動軸43が左側からこの順にリンクさせながら並置するようにしてそれぞれ回転自在に支持され、下面における左端部に第2モータ60が下方から配置固定されるようになっている。駆動ギア39Dは、上記第2モータ60の駆動軸に固定されて回転駆動されるようになっている。リンク支持部材59の中央部には伝動ギア39Tの外径よりやや小径の貫通孔59Hが穿設されており、該貫通孔59Hの上に伝動ギア39Tが同心となるように回転自在に軸支されるようになっている。伝動ギア39Tの下面における外周より若干内側寄り(中心寄り)の1箇所からは、周方向に沿って弧状に湾曲しながらやや小幅に延びるとともに上下にやや長く延びる遮光片39Hが下方に延出し、該遮光片39Hが上記貫通孔59Hの周縁との間にやや間隔をおいて下方に延出していて、伝動ギア39Tの回転にともなって遮光片39Hが該貫通孔59Hに抵触することなく自在に回転するようになっている。演出部駆動軸43は、上下にやや長く延びる円筒状の軸となっており、下端部の外周にはギア部が形成されていて、第2モータ60の回転が駆動ギア39Dおよび伝動ギア39Tを介し伝達されて回転駆動されるようになっている。該演出部駆動軸43の上端部における径方向に対向する2箇所には、それぞれ弾性係合片43Eが形成されている。各弾性係合片43Eは、互いに間隔をおいて演出部駆動軸43の上端縁から下方に延びる2条の切込みを入れることにより両切込みの間に形成され、上端部には外側へ突出する係止爪が形成されている。
リンク支持部材59の右端部には、上記演出部駆動軸43の外径よりやや小径の基板挿通孔59Pが該演出部駆動軸43と同心となるように穿設され、該基板挿通孔59Pの右後方および左前方には、下方に円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部59Fがそれぞれ形成されている。
図34および図35に示ように、リンク支持部材59は、前記下段入賞通路部材48における下段入賞溝48Gの後側に隣接させるようにして、上壁部48Tの下面に下方から嵌着固定され、該上壁部48Tのギア軸挿通孔48Nに軸が挿通されて駆動ギア39Dおよび伝動ギア39Tが枢着されるようになっている。またこのとき、演出部駆動軸43は、前記下段入賞通路部材48の軸挿通孔48M、基台72の軸挿通孔72PおよびV入賞可動体73の胴体部73Bの中心部を貫通するように挿通され、上端がV入賞可動体73における演出部73Tの軸部73D内に下方から嵌挿されて、弾性係合片43Eの係止爪が軸部73Dの係合孔73Fに係止することにより、上端にV入賞可動体73の演出部73Tが固定されるようになっている。これにより、V入賞可動体73の演出部73Tが、胴体部73Bとは別個に独立して、第1駆動機構75により回転駆動されることとなる。
リンク支持部材59の下面における右端部には、基板支持部材44が配置固定される。該基板支持部材44は、上面部が開放されたやや縦長の直方体状の樹脂成形体となっていて、上下に長く帯状に延びて上端部にLED55Dが搭載されたLED基板55の下端部が上面部から内部に挿入されて支持固定されている。該基板支持部材44における前面壁の下端部は全面的に開放されて矩形状開口44Aが形成されており、LED基板55の下端に接続された配線(図示せず)が外部にひき出されるようになっている。該基板支持部材44における両側面には、両側方へ延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片44R、44Lがそれぞれ形成されていて、前記リンク支持部材59の両螺入部59Fにネジにより締結固定されるようになっている。該基板支持部材44は、前記リンク支持部材59の基板挿通孔59PにLED基板55を下方から挿通するようにして該リンク支持部材59に取り付けられ、これにより該LED基板55は、リンク支持部材59の基板挿通孔59Pから演出部駆動軸43の内部を通って前記V入賞可動体73における演出部73Tの内部まで延び、上端部が該演出部73TのV字透光窓73Mの裏側まで達して、上記LED55Dから該V字透光窓73Mを通して前方へ光が照射されるようになっている。
回転位置検知センサ37は、基台上に、前記伝動ギア39Tの遮光片39Hの厚さよりやや大きい間隔をおいて平行に上方に延出するように2本の角柱状体が立設することによりゲート部が設けられ、該ゲート部の両角柱状体における一対の対向面のうち一方に発光素子が、他方に受光素子がそれぞれ配置された構成となっている。該回転位置検知センサ37は、前記伝動ギア39Tにおける遮光片39Hの下端部が回転するときの軌道を上記ゲート部の両角柱状体が下方から挟む体勢となるようにして、前記基板支持部材44の左方に隣接する位置に、左前から右後へ斜方向に向けて配置され、垂直片の上端に一方側へ延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片を有して側面視鉤形状に成形された取付片37Mを介して、前記基台72における左側の螺入部72Zに固定されるようになっている。
前記伝動ギア39Tの遮光片39Hが回転する途上で上記回転位置検知センサ37のゲート部を通過すると、発光素子からの光が遮られて該遮光片39Hの通過が検知される。これにより、伝動ギア39Tの回転位置が把握され、さらにこれに基づいて、前記V入賞可動体73における演出部73Tの回転位置が把握されることとなり、例えば、回転動作中にある演出部73TのV字透光窓73Mがちょうど前方を向く位置にくるタイミングで前記LED基板55のLED55Dに瞬間的に発光させるといったように、該演出部73Tの回転位置に応じて所望のタイミングでV字透光窓73Mにおける発光を制御することが可能となっている。
第2駆動機構76は、支持基材144、第3モータ145、回転板146、カム溝部材147等を有して構成されている。支持基材144は、正面視概略矩形状で外周から前方に周壁が延出した形状を有する樹脂成形体となっており、中央部には軸挿通孔144Pが穿設され、右後側端縁および左後側端縁の下端部には、両側方へ延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片144R、144Lがそれぞれ形成され、右側壁および左側壁の上端部には、両側へ直方体上に突出し、さらにその突出端面から両側方へU字形の垂直片状に延出しネジ挿通孔が穿設されるとともに外周から周壁が前方へ延出した形状を有するネジ挿通部144M、144Hがそれぞれ形成されている。また、該支持基材144の上壁における前側端縁の中央部には、上方に延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片144Tが形成されている。該支持基材144の後面には、駆動軸を上記軸挿通孔144Pに挿通するようにして第3モータ145が後方から配置固定される。
支持基材144の前面(内奥面)には、上記軸挿通孔144Pと同心の円周に沿って周壁状に延びるスペーサ壁144Sが前方に延出するように形成されている。該スペーサ壁144Sは、回転板146を支持基材144の前面(内奥面)との間に間隔を置いて支承する部位となっている。該スペーサ壁144Sの下端部は開放され、また両側部には第3モータ145取付用の螺入部がそれぞれ一体的に形成されている。
回転板146は、上記支持基材144のスペーサ壁144Sとほぼ等しい径を有する樹脂製の円板状部材となっており、前面における外周部には、概略球状の摺動子146Sが前方に突出するように配置固定されている。該回転板146は、上記支持基材144のスペーサ壁144Sに前方からつき合わせるようにして配置され、第3モータ145の駆動軸の先端に固定されて回転駆動されるようになっている。
図32に示すように、前記裏カバー部材82の前側面(内側面)における下端中央部には、円柱状に前方へ延出し内部にネジ穴を有する2本の螺入部82R、82Lが左右に間隔をおいて形成され、該螺入部82R、82Lの上方にはモータ挿通孔82Mが穿設されている。上記支持基材144は、第3モータ145をモータ挿通孔82Mに挿通するようにして、裏カバー部材82における下端近傍の中央部に前方から配置され、両側下端部のネジ挿通片144R、144Lが上記裏カバー部材82の螺入部82R、82Lにそれぞれネジにより締結固定されるようになっている。上記支持基材144における両側上端部のネジ挿通部144M、144Hは、前記基台72における後側面の螺入部72A、72Bにそれぞれネジにより締結固定され、上記支持基材144における上端中央部のネジ挿通片144Tは、前記基台72の後側壁72Wにおける中央の切欠72D内に挿通された、前記背板74の突出部74Eにおける中央の螺入部74Sにネジにより締結固定されるようになっており、このとき前記基台72は前述の通り前記裏カバー部材82に固定されるので、上記支持基材144の上部も該基台72を介して裏カバー部材82に対し固定されることとなる。
カム溝部材147は、上下にやや長く概略直方体形の箱状(概略角筒状)に延び、両側壁の後部がさらに上方にやや長く延びて、その上端縁が互いに内側に向かって延出し正面視コ字状に連続するようにして上壁を形成し、下端面は閉塞されて下壁を形成し、後側面は開放されて、これにより該カム溝部材147の下部に、上下にやや長く延びる横断面コ字形状のカム溝が形成された構成を有する樹脂成形体となっており、上壁には円柱状に上方へ延出し内部にネジ穴を有する螺入部が形成されている。該カム溝部材147のカム溝は、前記回転板146の摺動子146Sの径をわずかに上回る幅ならびに該摺動子146Sの径をやや大きく上回る深さを有しており、該摺動子146Sを、深さ方向に十分に遊動し得るとともに長さ方向に自在に摺動し得るように内部に嵌入させ得るようになっている。該カム溝部材147は、摺動子146Sを後方から内部に嵌入させながら、上端部を前記下段入賞樋部材77におけるレバー片77Lの後端部に上方から被せるように嵌着し、下方からネジを該レバー片77Lのネジ挿通孔を通して上壁の螺入部に螺入することにより、該レバー片77Lの後端部に吊下した体勢で固定されるようになっている。
上記回転板146が第3モータ145に回転駆動されて摺動子146Sを周回させると、該摺動子146Sがカム溝部材147内で遊動ないし摺動しながらカム機構により該カム溝部材147を左右に往復させ、これにともない下段入賞樋部材77のレバー片77Lが左右に往復するように回動する。このようにして第2駆動機構76で駆動されることにより、センター役物83における下段部83Bの内部では、下段入賞樋部材77の入賞樋部77Gが、V入賞可動体73の胴体部73Bとともに、左右に往復するように回動すなわち首振り様に揺動するようになっている。
上記下段入賞ユニット25は、図25に示すように、裏カバー部材82における前側面(内側面)の下端部中央に支持固定され、この状態で該裏カバー部材82は遊技盤30の後面に後方から取付固定されることとなり、一方、センター役物83は前述の通り遊技盤30の中央貫通孔30Hに前方から嵌装、固定される。即ち、センター役物83と裏カバー部材82とが、遊技盤30の前後から該遊技盤30を挟むようにして配置固定される。これにより、図4、図5および図10に示すように、下段入賞ユニット25の基台72がセンター役物83のステージ部材88に後方から嵌合するようにして配置される。このとき、該基台72とステージ部材88とは、前記ステージ部材88の後側の突起116、116を、前記背板74の切欠74C、74Cを通して基台72の位置合せ孔72N、72Nに挿入するようにして、互いに嵌合するようになっている。この嵌合状態では、ステージ部材88が基台72の上に重なるように配置され、前記基台72の中央台部72Mが、前記ステージ部材88における中央の凹部88Hを下方から蓋をするように覆って該凹部88H内の空間における底面部を構成し、したがって、該中央台部72Mと凹部88Hとが一体となって、ステージ部材88の中央部に、概略弧状の平面形状をなして下方に段状に陥没する窪みを構成することとなる。さらに、該中央台部72Mの下段中央排出溝72Eが、ステージ部材88の凹部88Hの内周に沿って配置され、該下段中央排出溝72Eの上に架かる前記下段入賞樋部材77における入賞樋部77Gの底面が、前記ステージ部材88における球通路117の排球案内部117Eよりわずかに下方の高さに位置するようになっている。
上記ステージ部材88の球通路117に案内された遊技球は、前述の通り、球通路117の左後端部と右後端部との間を自重により往復するように転動するが、この往復を繰り返す途上において、初めのうちは、下降部を降下することによる勢いによって排球案内部117Eを通過して往復するものの、この後、往復を繰り返すうちに勢いが減衰していくので、その勢いが排球案内部117Eを十分に通過しきれない程度に弱くなると、該遊技球が自重により排球案内部117Eに案内されて後側へ、即ち上記ステージ部材88の中央部に形成された窪みへと排出され、下段中央排出溝72E内に流入することとなる。
このとき、下段中央排出溝72Eの上には前記下段入賞樋部材77における入賞樋部77Gが架かっていて前述の通り首振り様に揺動しており、該入賞樋部77Gの幅は遊技球1球を若干の余裕をもって収容し得る程度であり、一方、排球案内部117Eの幅(左右幅)は前述の通り遊技球3球ぶんをやや上回る程度となっているので、排球案内部117Eから排出された遊技球は、およそ1/3の確率で入賞樋部77Gに捕捉されてV入賞口77Pに入球することとなり、該入賞樋部77Gに捕捉されなかった場合には下段中央排出溝72E内に流入して左下方ないし右下方へと排出されていくこととなる。ここでは、上記下段入賞樋部材77、該下段入賞樋部材77を駆動する第2駆動機構76等が、ステージ部材88の球通路117とともに、センター役物83における下段部83B内において遊技球を遊技者にとって有利な遊技領域と該遊技領域よりも有利さの度合いの低い遊技領域とに振り分ける下段入賞機構を構成している。
以下、上記センター役物83の動作について説明する。
本パチンコ機10においては、前述の通り、大当たりの抽選で外れとなったとしても、まだ小当たりとなる可能性が付加的に確保されており、この小当たりとなった場合には、上記センター役物83の開閉羽根89R、89Lが2回開放されるようになっている。
図42および図43に示すように、開放された右側開閉羽根89Rまたは左側開閉羽根89Lに遊技球M2が入球すると、該遊技球M2は、右上入球部92Rにおける受球部93Rまたは左上入球部92Lにおける受球部93Lから右上入球センサ95Rまたは左上入球センサ95Lを通過してセンター役物83内に入球したことが検知され、続いて、右上入球部92Rにおける放球部96Rまたは左上入球部92Lにおける放球部96Lを経て前記上段入賞機構123における導球盤127の後上部に流下する。該導球盤127上では前述の通り、該遊技球M2は、前下方へ流下して球通路127R内に案内され、該球通路127Rを左右に往復するように転動した後、開放部127Aから貫通孔127P内へ落下して、回転体126による抽選(以下、「上段振分」とも称す)がなされることとなる。この上段振分においては、前述の通り、上段入賞凹部126Yおよび上段排出凹部126N、126Nの3凹部うち、遊技球M2が上段入賞凹部126Y(1凹部)に入球した場合には、上段入賞通路129内に案内され、上段入賞センサ131により当り(入賞)として検知されることとなり、上段排出凹部126N、126N(2凹部)に入球した場合には、上段排出通路130内に案内されて上段排出センサ132により外れとして検知され、センター役物83の外郭部材122内を通り前記右側球通路部材26Rの右側球通路27R内に合流して下方へ排出されることとなる。即ち、回転体126においては当選確率1/3で抽選(上段振分)がなされるようになっている。
上記のようにして遊技球M2が導球盤127の球通路127Rを左右に転動して貫通孔127P内へ落下していく途上では、例えば、前方から磁石を近づけて該遊技球M2を回転体126の上段入賞凹部126Yへ誘導するといった不正行為がなされやすいが、センター役物83には前述の通り第1磁気センサ114が導球盤127の球通路127Rに先端を向けて配置(縦置き)されているので、該第1磁気センサ114によりこのような磁石を用いた不正行為を検知することが可能となっている。
上段入賞通路129内に案内され上段入賞センサ131を通過した遊技球M2は、図42および図44に示すように、前記導球管部115における横架部115Cに先端部(右端部)から流入し、該導球管部115内を流下して、ステージ部材88の左後端部へ案内される。この途上で、遊技球M2は、該導球管部115により、センター役物83における下段部83Bの前上端部を中央よりやや右方の位置から左方へ、ついで該下段部83Bの左側の内周に沿って下方へ、ついで該下段部83Bの左下端部を前端から後方へと案内される。即ち、該下段部83Bの内側面に沿って幅方向から高さ方向、奥行方向へと順次方向転換させるようにして、該下段部83B内をできるだけ広範囲に行き渡るように案内されるようになっており、そのぶん該遊技球M2の流通距離が長くなってその流通にも多くの時間を要することとなり、これによってより長く入賞への期待を持たされることとなって興趣が盛り上げられ、また装飾図柄表示装置42での図柄表示による演出等を行う時間も確保されるようになっている。しかもこのとき、導球管部115が透光性を有していることにより、該導球管部115内を長駆して流通する遊技球M2が遊技者から視認されて、視覚的にも演出効果が得られるようになっている。
ステージ部材88上に案内された遊技球M2は、前述の通り、球通路117内を左後端部と右後端部との間で繰り返し往復することとなる。このとき、上方の導球管部115における切欠部115Eから落下してきた遊技球M2は、図45(a)に矢印A1で模式的に示すように、左後端部の案内斜面117Sから左側直線部118L内へ案内されて前方へ流下していくが、該左側直線部118Lは前述の通り弛緩部となっているから、球通路117の幅方向中央部を通るほぼ単一の線上の軌道だけでなく、このような中央の軌道から側方へ多少とも自在に逸脱して、例えば同図の矢印A2で示すように、ガイドレール117F、117Rで跳ね返りながら幅方向に蛇行するようにして流下していくことも可能となっており、これにより遊技球M2の挙動に不測の性質が付与されて興趣が確保される。遊技球M2が左側コーナー部119Lに至ると、該左側コーナー部119Lは前述の通り規制部となっているから、同図の矢印A3で示すように、該遊技球M2は幅方向に殆ど揺動することなく、幅方向中央部を通るほぼ単一の線上の軌道を通るように規制されて該左側コーナー部119Lを通過していくこととなる。このとき、該左側コーナー部119Lを通過する間に、該左側コーナー部119Lの湾曲形状(カーブ)により遊技球M2に遠心力が働くので、該遊技球M2は該左側コーナー部119Lに入って以降は、矢印A3で示すように、前側のガイドレール117Fの内側に沿って(該前側のガイドレール117Fに圧しつけられながら)転動していくこととなる。この後、遊技球M2は、排球案内部117Eを通って右側コーナー部119Rから右側直線部118Rへと登坂していき、返し斜面117Bで右側板部材87Rの内側面で跳ね返って折返し、再び右側直線部118R内へ案内されて前方へ流下していくが、右側直線部118Rも弛緩部となっているから、上記左側直線部118Lの場合と同様に、中央の軌道から側方へ多少とも自在に逸脱して、例えば同図の矢印A4で示すように蛇行するようにして流下していくことも可能となっており、また、右側コーナー部119Rも規制部となっているから、上記左側コーナー部119Lの場合と同様に、同図の矢印A5で示すように幅方向中央部を通るほぼ単一の線上の軌道を通るように規制されて該右側コーナー部119Rを通過していくこととなる。
このとき、もし仮に、例えば図45(b)に模式的に示すように、球通路156が上記のような規制部を有しておらず、全域で弛緩部となるように形成されていたとすると、遊技球M3が、左側コーナー部157Lないし右側コーナー部157Rにおいても、中央の軌道から側方へ多少とも自在に逸脱して、例えば同図の矢印A6で示すように、ガイドレールで跳ね返りながら幅方向に蛇行するようにして通過していくこととなる。この場合、左側コーナー部157Lないし右側コーナー部157Rを通過した後の遊技球M3の進路が一定せず、この後にいずれの方向に向かうかも予測がつかないため、この点で興趣が盛り上げられるともいえるところであるが、その反面、例えば同図の矢印A7で示すように、遊技球M3が排球案内部156Eの後方へ向けて直行し該排球案内部156Eから脱落してしまうことともなりやすく、したがって例えば、遊技球M3がまだ球通路156内での往復をあまり繰り返していないうちであっても、これ以降に往復を繰り返す勢いを十分に残していながら、直ちに排球案内部156Eから排出されてしまい、これにより興趣が大きく損なわれるといったこととなりやすい。
これに対し、本パチンコ機10の球通路117においては、前述の通り遊技球M2は左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rにおいて幅方向中央部を通るほぼ単一の線上の軌道を通るように規制されるので、該左側コーナー部119Lないし右側コーナー部119Rを通過した後の該遊技球M2の進路も上記軌道の延長上に規制され、したがって、該遊技球M2が排球案内部117Eの後方へ向けて直行し該排球案内部117Eから直ちに脱落してしまうといったことがなく、該遊技球M2が一定以上の勢いを保持している間は排球案内部117Eを通過して往復を繰り返すことができるようになっている。換言すれば、遊技球M2が、左側コーナー部119Lないし右側コーナー部119Rで規制されることによって、往復軌道から逸脱することなく排球案内部117Eを通過して往復するように制御され(即ち整流され)、したがってそのぶん球通路117上でより長く転動して興趣が維持されるようになっている。
遊技球M2は、上記のようにして球通路117において往復を繰り返すうちに勢いがある程度まで減衰すると、排球案内部117Eに案内されて後側へ排出され、下段中央排出溝72Eへと落下していく。この落下途上で、図45(a)に矢印A8で示すように該遊技球M2が首尾よく入賞樋部77Gに捕捉されてV入賞口77Pに入球した場合には、前記下段入賞通路部材48における下段入賞溝48G内に案内され、排球口48Aを通って、下段入賞センサ49により当り(入賞)として検知されながら下方へ排出されていき、該入賞樋部77Gに捕捉されなかった場合には、下段中央排出溝72E内に流入して左下方ないし右下方へ案内され、下段左側排球センサ46Lないし下段右側排球センサ46Rにより外れとして検知されて、下段左側排球口80Lないし下段右側排球口80Rから下方へ排出されていくこととなる。即ち、該遊技球M2が球通路117の排球案内部117Eから下段中央排出溝72Eへと落下していく途上で、首振り様に揺動する下段入賞通路部材48の入賞樋部77Gによって当り外れの振分(以下、「下段振分」とも称す)がなされるようになっており、この下段振分における当選確率は前述の通りおよそ1/3となっている。
以上のようにして、小当たりとなって右上入球部92Rないし左上入球部92Lからセンター役物83内に遊技球M2が入球すると、該遊技球M2は、センター役物83内を多方向に案内されながら下方へ流下していき、その途上で順次上段振分および下段振分がなされて、首尾よく(即ちおよそ1/9の当選確率で)いずれの振分においても当りとなってV入賞口77Pに入球すると、大当たりとなって遊技状態が特別遊技状態に移行することとなる。このように遊技球M2がセンター役物83内を流下していく途上で、各部に配置されたセンサにより上段振分ないし下段振分の結果が検知され、この検知結果に基づいてセンター役物83内における遊技球M2のおよその進行状況も把握されて、これに応じ装飾図柄表示装置42による図柄表示やドット型表示装置21による変動表示、V入賞可動体73の演出部73Tによる回転動作および発光、さらには各部のLED基板による発光や音声等により、各種の演出がなされるようになっている。
以下、右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lについて説明する。
右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lは、図4および図5に示すように、遊技盤30における中央ユニット35の右方および左方に配置され、これらのうち、左側装飾役物71Lは、遊技盤30の遊技領域における左端部から、該遊技領域の内周縁(レールユニット50における内レール51の内側面)に沿って、該遊技領域の左上端部まで概略弧形状に延び、上端部から右方へやや延出して、図46ないし図55にも示すように全体として正面視概略「へ」字状に屈曲した外形を有する部材となっており、主として、遊技領域の左上周縁部において遊技球を右下方すなわち遊技領域の中央寄りへと案内するとともに、所定の装飾が施され、発光による演出も行い得るように構成された装飾役物となっているが、これと併せて、前記一般入賞装置31Aも一体的に備える複合部材となっている。
左側装飾役物71Lは、図56および図57の分解斜視図にも示すように、役物基材148Mの前面側に第1光拡散部材151、第2光拡散部材152、装飾突出体153等を、後面側に背面部材154およびLED基板155をそれぞれ取り付けて構成されている。役物基材148Mは、遊技盤30の盤面方向に沿って上述の正面概略「へ」字状に拡がるフランジ148Fの後面側に、該フランジ148Fの外周縁よりやや内側から後方に延出する外郭壁148P等が形成されて、概略厚板状に前後方向にやや厚みを有する、不透明樹脂よりなる成形体となっている。上記フランジ148Fの左側端縁は遊技領域の内周縁に沿ってほぼ円弧状に延び、下端部はやや鋭角的に下方へ突出し、右側端縁は下端から上端にかけて左側端縁との間隔を次第に増大させながら右上方へ弧状に延びており、したがって該フランジ148Fの平面形状が全体として、上部から左下方へ次第に幅狭となるように先鋭化しつつ、遊技領域の内周縁に沿って概略爪形状をなすように湾曲しながら延びるものとなっている。該フランジ148Fの上部は右方へやや延出し、該延出部の上端縁は左右に直線状に延び、該上端縁の右端からは、外側へ弧状に丸く膨出する曲線をなして左下方へ延びて上記爪形状部の右側端縁に連続している。該フランジ148Fの左上の隅部すなわち上記左側端縁と上端縁との交差部は上方に鋭角的に突出している。該フランジ148Fの左上の隅部、右上の隅部および下端の隅部にはそれぞれネジ挿通孔が穿設されており、これらネジ挿通孔で該フランジ148Fが遊技盤30の盤面上にネジにより締結固定されるようになっている。また、該フランジ148Fには、後述する装飾突出体153の螺入部153Dおよび小突起153Eに対応する位置に、ネジ挿通孔148Sおよび突起嵌挿孔148Dがそれぞれ穿設されている。
フランジ148Fには、複数(4個)の楕円形状の光透過孔148Nが、幅方向中央部に上下に一列に並置するように穿設されている。これら光透過孔148Nは、最下端のものから順次大径となっていくようして、かつ、それぞれ長径がやや右上がりとなるように傾斜させるようにして形成されている。各光透過孔148Nには、内周縁から後方へ延出する内周壁がそれぞれ形成され、中間に位置する2個の光透過孔148Nの間には、両光透過孔148Nの内周壁と一体的に連続しながら後方へ円柱状に延出し、後述する第1光拡散部材151の螺入部151Gを嵌入し得る螺入部収容穴が前方から内部に陥入するように形成され、該螺入部収容穴の内奥壁にネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通部148Gが一体的に形成されている。
外郭壁148Pは、図57に示すように、フランジ148Fの外周縁よりやや内側寄りに、該外周縁に沿って延び、全体として該フランジ148Fの正面形状にほぼ対応する正面視概略爪形状をなす周壁状に形成されている。該外郭壁148Pにおいて上記中間に位置する2個の光透過孔148Nの両側にそれぞれ隣接する計4箇所の部分はそれぞれ開放され、また、該外郭壁148Pにおける右上の隅部、左側の下端部および左側の中央部には、該外郭壁148Pの内面に沿って後方へ円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部148Hがそれぞれ形成されている。
外郭壁148Pの右上部には、左側入賞樋部148Kが一体的に形成されている。該左側入賞樋部148Kは、上方が開放された断面略U字形の樋状となっており、前記フランジ148Fにおける右上の延出部の後側面から後方へ、外郭壁148Pの延出高さよりも、背面部材154の厚みに相当するぶんだけ大きく延出して、全体として遊技盤30の厚さにほぼ等しい長さとなるように形成されている。前記フランジ148Fにおける右上の延出部には、左側入賞樋部148Kの断面形状に対応する略U字形であって該左側入賞樋部148Kの上端よりもやや上方へ長く延びる左側入賞口148Aが穿設され、左側入賞樋部148Kの前端に連通している。該左側入賞樋部148Kの底面には、該左側入賞樋部148Kの延出方向に沿って延び、上端縁が後方へやや下傾する案内リブが突設されている。
フランジ148Fにおける上記左側入賞口148Aの形成位置には、左側受球部149が前方から配置固定される。該左側受球部149は、上記左側入賞口148Aに対応する断面略U字形状をなして前後に樋状に延び、その前端が、上端部を切除した部分円形状の前面壁により閉塞された形状となるように、上記役物基材148Mと同一の不透明樹脂を成形してなる部材となっており、両側壁には後端から前方へ延びるネジ穴がそれぞれ形成されていて、上記フランジ148Fにおける右上の延出部の前面に配置されネジにより締結固定されるようになっている。該左側受球部149内には、前面壁の内面における上端中央よりやや下方の位置から、該前面壁の内面に沿って下方へ、次第に後方へ幅広に突出していくように延び、その下端部から、該左側受球部149の底面に沿って後方へ、次第に低くなるように上端がやや下傾しながら延びる案内リブが突設されており、上記左側入賞樋部148Kの案内リブに連なるようになっている。
上記役物基材148Mの前面側には、第1光拡散部材151および第2光拡散部材152が配置固定される。第1光拡散部材151は、上記複数(4個)の光透過孔148Nに一対一に対応する寸法、形状および位置関係となるように配置された4つの楕円状部が、これらの間を架橋して上下に一体的に連続した形状となるように透明樹脂により成形された板状部材となっており、裏面(後面)には多数の半球状の小突起が格子状に整然と密に配列形成されていて(図示省略)、光を拡散させながら透過させ得るようになっている。図56に示すように、該第1光拡散部材151の表面(前面)における上端部および下端部には、装飾突出体153における周壁153Pの上側部および下側部を嵌入させ得る溝151Hがそれぞれ形成され、各溝151Hの右端近傍には突起嵌挿孔151Dがそれぞれ穿設されている。図57に示すように、該第1光拡散部材151の裏面(後面)において前記役物基材148Mのネジ挿通部148Gに対応する位置には、後方へ円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部151Gが形成されている。
第2光拡散部材152は、上記第1光拡散部材151と同一の形状に調製された透明樹脂製のホログラムシートとなっており、微細な凹凸により光を拡散させながら透過させ得るようになっている。該第2光拡散部材152には、上記第1光拡散部材151の螺入部151Gおよび突起嵌挿孔151Dに対応する位置に、螺入部挿通孔152Gおよび突起嵌挿孔152Dがそれぞれ穿設されている。
上記役物基材148M(フランジ148F)の前面側には、第1光拡散部材151および第2光拡散部材152と同一の正面形状を有して該第1光拡散部材151および第2光拡散部材152をあわせた厚さにほぼ等しい深さだけ陥入する凹部148Eが形成されており、第1光拡散部材151と第2光拡散部材152とが、第1光拡散部材151の螺入部151Gを第2光拡散部材152の螺入部挿通孔152Gに挿通するようにして前後に重合され、さらに該第1光拡散部材151の螺入部151Gを前記役物基材148Mのネジ挿通部148Gに嵌入するようにして凹部148E内に嵌装され、該螺入部151Gにネジ挿通部148Gの裏側からネジを螺入することにより締結固定されるようになっている。
装飾突出体153は、図58および図59にも示すように、前記役物基材148M(フランジ148F)における爪形状部の下端を除く大部分に対応する概略爪形の正面形状をなして上下に延びる透明樹脂製の成形体となっており、前面の外周からは、遊技球の直径よりやや大きい延出高さを有する周壁153Pが後方へ延出している。該装飾突出体153は、全体として一体成形されているが、相対的に大きい容積を有する左側部153Lの右側から相対的に小さい容積を有する右側部153Rが右方へ突出した形状となっている。上記左側部153Lは、図60ないし図62にも示すように、前面壁が横断面弧状をなして前方へわずかに丸く膨出する領域が幅方向に2つ連続して形成されて、図58および図59に示すようにこれら両領域が左右に隣接しながら上下に概略爪形状に延びた形状となっている。該左側部153Lにおける左右の両領域のうち、右側領域の前面における中央部には、星を模した浮彫状であって表面にメッキが施された装飾突起153Fが大小2つを並置するようにして形成され、後面(内側面)における上部および下部には、同じく星を模した刻印状の装飾凹部153Bが大小2つを並置するようにして(下部では1つのみ)それぞれ形成されており、また、右側領域の前面における左側縁の下部ならびに左側領域の前面における上端部には、正面視楕円状で表面にメッキが施された浮彫状の装飾突起153Sがそれぞれ大小2つずつを並置するようにして形成されている。さらにまた、右側領域の後面(内側面)における中央部ならびに左側領域の後面(内側面)における上部には、正面視楕円状で内側へやや丸く湾曲するように凹入する凹レンズ部153Mが、それぞれ大小のものを2つないし3つ並置するようにして形成されている。左側部153Lの上端部における周壁153Pは、上記左右の各領域から、それぞれ正面視弧状をなして上方へわずかに丸く膨出しており、全体として、左上から右下へ連続する2つの湾曲面をなして下傾しながら延びる形状となっている。
装飾突出体153の右側部153Rは、上記左側部153Lの右側縁に沿って概略弧形状をなして湾曲しながら下端から右上方へ延び、中央部がやや幅狭で、上方および下方へそれぞれ次第に右方へ幅広に膨出する形状となっている。該右側部153Rの上端部における周壁153Pは、湾曲することなく平面状に左上端から右下方へ下傾しながら延びて受球面壁153Cを構成しており、一方、装飾突出体153の下端部における周壁153Pは、左側部153Lの左下端から右側部153Rの右下端へかけて、正面視弧状をなして内側(上方)へわずかに丸く陥入しながら、全体として1つの湾曲面をなして上傾しながら延びている。上記受球面壁153Cは、上記左側部153Lにおける上端面の右端に連なって右下方へ延びており、該左側部153Lにおける上端面を転動して流下してきた遊技球を右下方へ案内するようにもなっているが、これとともに、前記左側受球部149のすぐ左下の位置に配置形成されているので、特に、該左側受球部149を左側へ逸れて左側入賞口148Aに入球せずに流下してきた遊技球を直接的に受けて右下方へ案内することも多い受球面を構成している。
装飾突出体153における右側部153Rの前面壁153Kは、図60ないし図62に示すように、右側から左側へかけて、内方(後方)へ次第に後退していくように傾斜しており、したがって遊技盤30の盤面に対して平行となることなく傾斜するように形成されている。即ち、該前面壁153Kの右側縁は、右側部153Rの右前側端縁に位置し、該前面壁153Kの左側縁は、右側部153Rの左前側端縁より後方(前後方向中央よりわずかに後方)の位置まで後退しており、これにともない、該前面壁153Kの上端縁および下端縁は、図54および図55に示すように、右側部153Rの上面壁すなわち受球面壁153Cおよび下面壁153Uに対して、それぞれ右側から左側へかけて内方(後方)へ次第に後退していくように傾斜しながら交差している。該前面壁153Kの左側縁からは前方(正面方向)へまっすぐに延びて左側部153Lの右側壁を形成している。したがって、図60ないし図62に示すように、左側部153Lの右側壁、右側部153Rの前面壁153Kおよび右側壁が、横断面略N字状に屈曲しながら連続する形状となっている。
さらにまた、上記装飾突出体153の右側部153Rにおける前面壁153Kの左側縁は、上端および下端において上述のように前後方向中央よりわずかに後方の位置まで後退しているのに対し、高さ方向中央部においては前後方向中央よりわずかに前方の位置までしか後退していない。即ち、該前面壁153Kの左側縁は、高さ方向中央部においてはやや浅く後退し、上下両端へ次第に深く後退するように、全体的にやや湾曲しながら延びている。図61および図62には、該前面壁153Kの左側縁が、高さ方向中央部から下端へ次第に深く後退していくように延びている様子が、図では次第に上方に隆起していく形として表れている。以上の構成により、右側部153Rの前面壁153Kは、正面視において概略弧形状をなして湾曲しながら下端から右上方へ延びているのみならず、右側中央から左上端および左左端へかけてそれぞれ次第に深く内奥側へ後退していくようにやや湾曲する湾曲面を形成している。
上記装飾突出体153の右側部153Rにおける前面壁153Kの前面には、図61に示すように、上述の湾曲面形状に沿って湾曲しながら上下に一列に並ぶ文字列をかたどった装飾刻印153Gが形成されている。また、図59に示すように、該前面壁153Kの後面(裏面)における上端部のほぼ中央には、後方へ円柱状に延出し内部にネジ穴を有する螺入部153Dが形成され、左側部153Lの内面(裏面)における上端縁の左端よりやや内側寄り(右寄り)の位置ならびに左側縁における下端よりやや上方の位置には、周壁153Pの内側に沿って延出するように同様の螺入部153Dがそれぞれ形成されている。これら左側部153Lにおける左上部および下部の螺入部153Dは、前記装飾突起153Sにより前方から隠蔽されている。また、周壁153Pの後端縁(延出端縁)において、右側部153Rの左上端の位置および左下端の位置(即ち左側部153Lの右上端の位置および右下端の位置)、左側部153Lの上端縁の左端よりやや内側寄り(右寄り)の位置(上記螺入部153Dの右側に隣接する位置)ならびに下端縁の左端近傍の位置には、後方へ突出する小突起153Eがそれぞれ形成されており、該周壁153Pにおける上壁部および下壁部の後端縁が前記第1光拡散部材151の溝151Hにそれぞれ嵌入されるとともに、各小突起153Eが該第1光拡散部材151および役物基材148Mの突起嵌挿孔151D、148Dにそれぞれ嵌挿されるようになっている。
上記装飾突出体153は、前記役物基材148Mの前面に前方から配置され、ネジ挿通孔148Sを通してネジを螺入部153Dに螺入することにより締結固定されるようになっている。
上記役物基材148Mの後面側には、図56および図57に示すように、背面部材154およびLED基板155が配置固定される。背面部材154は、前記役物基材148Mの外郭壁148Pにおける左側入賞樋部148Kを除く全外周に一致する外周を有し、該外周から周壁が前方へやや延出した形状を有する透明樹脂製の板状部材となっており、右上の隅部、左側の下端部および左側の中央部にはネジ挿通孔154Hがそれぞれ穿設され、上部中央および下部中央には、矩形状の開口154Tおよび上下にやや長い概略長方形状のコネクタ挿通開口154Bがそれぞれ穿設されている。
LED基板155は、上記背面部材154における周壁の内周面にほぼ対応する外形を有し、右上端部は、上記背面部材154の右上のネジ挿通孔155Hの左端に隣接する位置まで幅方向に短縮され、左側の下端部および左側の中央部は、上記背面部材154の右上のネジ挿通孔155Hに対応して角落ちないし切欠いた形状となっている。該LED基板155の前面には、前記役物基材148Mの複数(4個)の光透過孔148Nに一対一に対応する位置にLED155Dがそれぞれ搭載されている。
上記LED基板155は、背面部材154における周壁の内側に嵌装されてネジにより締結固定され、該背面部材154は、周壁の前端縁を前記役物基材148Mにおける外郭壁148Pの後端縁に合わせるようにして該役物基材148Mの後側に後方から嵌合するように配置され、ネジ挿通孔154Hで前記役物基材148Mの螺入部148Hにネジにより締結固定される。
上記左側装飾役物71Lは、遊技盤30に穿設された貫通孔に前方から嵌装されてフランジ148Fでネジにより締結固定される。取付状態では、前記左側入賞樋部148Kが該遊技盤30の貫通孔内を後方へ延びて前記左側球通路部材26Lにおける左側球通路27Lの上端部に連通するようになっており、左側装飾役物71Lの左側受球部149に入球した遊技球は、該左側入賞樋部148Kから左側球通路27Lの上端部に流入して左側入球センサ29Lにより検知されることとなる。即ち、上記左側装飾役物71Lにおける左側受球部149、左側入賞口148A、左側入賞樋部148K、左側球通路部材26Lにおける左側球通路27Lならびに左側入球センサ29Lにより、前記一般入賞装置31Aが構成されている。
右側装飾役物71Rは、上記左側装飾役物71Lと左右対称となるように配置構成されており、このため右側装飾役物71Rについては説明を省略する。
(作用)
上述の通り、本パチンコ機10は、図45(a)に示すように、端部側から中央側へかけて下降する下降部が両側すなわち左側半分および右側半分にそれぞれ形成されて両下降部の間で遊技球M2を自重により往復するように転動させるとともに、両下降部の間に、遊技球M2を自重により側方(即ちパチンコ機10における後方)へ排出されるように案内する排球案内部117Eが形成された球通路117が、外部から視認可能な位置に設けられた構成を有し、上記球通路117において、上記排球案内部117Eに至るまでの途上に、遊技球M2を進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過させ得る弛緩部である左側直線部118Lおよび右側直線部118Rと、遊技球M2を進行方向に交差する幅方向の余裕を上記弛緩部におけるよりも少なくして通過させ得る規制部である左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rとがこの順に形成されているので、遊技球M2が球通路117の両下降部の間を自重により往復するように転動する途上で、まず左側直線部118Lを通過することとなるが、この弛緩部である左側直線部118Lにおいては、遊技球M2が進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過するため、遊技球M2が常に一定の軌道上を通過するのではなく、多少とも遊動可能に、即ち幅方向に余裕のぶんだけ自由にずれることが可能な状態で通過することとなり、そのぶん該遊技球M2の挙動に不測の性質が付与されて興趣が確保される。左側直線部118Lを通過した後、遊技球M2は規制部である左側コーナー部119Lを通過することとなるが、このとき、例えば仮に、図45(b)に示すように、規制部が形成されておらず、したがって遊技球M3の進路が規制部により規制を受けないままであったとすると、遊技球M3は上述の通り幅方向に余裕をもって遊動可能に転動してくるため、この後に球通路156内でいずれの方向に向かうかも予測がつかず、この点で興趣が盛り上げられるともいえる反面、直ちに排球案内部156Eから側方へ排出されて興趣が絶たれてしまう可能性も大きいところである。ところが本パチンコ機10における球通路117によれば、規制部である左側コーナー部119Lにおいては遊技球の進行方向に交差する幅方向の余裕が少なく、したがって遊技球M2の進路が規制部により往復軌道から逸脱しない範囲内に向けるように規制されるので、規制部が形成されていない上述の球通路156の場合のように、直ちに排球案内部117Eから側方へ排出されることはなく、初めのうちは、排球案内部117Eを通過して往復することとなる。この後、往復を繰り返すうちに遊技球M2の勢いが減衰するので、その勢いが排球案内部117Eを十分に通過しきれない程度に弱くなると、遊技球M2が自重により排球案内部117Eに案内されて側方に排出される。このように、遊技球M2が一定以上の勢いを有している間は、規制部である左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rにより、往復軌道から逸脱することなく排球案内部117Eを通過して往復するように制御され、したがってそのぶん球通路117上でより長く転動することができることとなる。
また、上記規制部が、左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rにおいて球通路117の可動幅を狭窄化することにより形成されているので、簡単な構成により効果的に遊技球M2の進路を規制し得る規制部となっている。
また、上記球通路117が、左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rを有して平面視湾曲形状となるように形成されているので、例えば平面視直線状となるように形成された球通路の場合に比して、遊技球M2の軌道に変化が付与されてそのぶん演出効果が良好となっているだけでなく、該遊技球M2の挙動にさらに不測の性質が付与されて興趣が確保される一方で、規制部がないとすると該遊技球M2が直ちに排球案内部156Eから側方へ排出される不都合がより生じやすくなるため、規制部の形成による効果が一層発揮されるようになっている。
さらにまた、該左側コーナー部119Lおよび右側コーナー部119Rの湾曲形状による遠心力を利用して、遊技球M2を外側のガイドレールに沿って転動させることもでき、これによりさらに確実かつ効果的に遊技球M2の進路を往復軌道上に規制することができる。
また、上記球通路117の上方に、上部および下部の2箇所にそれぞれ横方向に延びる部位すなわち横架部115Cおよび後退部115Bを有して遊技球M2を上方から球通路117の上流側端部すなわち左後端部の案内斜面117Sに案内する導球通路すなわち導球管部115が配置されているので、遊技球M2が多方向に案内されながら、より時間をかけて流下するように球通路117まで案内され、これにより興趣がさらに長く持続するようになっている。
また、上記導球通路すなわち導球管部115が、透光性を有する樹脂よりなるものとなっているので、該導球管部115内を流下する遊技球M2が視認されて視覚的にも演出効果が得られるようになっている。
また、上記球通路117が、両側に沿ってガイドレール117F、117Rを有し、上記排球案内部117Eが、上記両側のガイドレール117F、117Rのうちの一方側すなわち後側のガイドレール117Rを間隔をあけて形成することにより部分的に開放された開放部を設け、この開放部側(後側)へ球通路117を下傾させるようにして形成されているので、遊技球M2が一定以上の勢いを保持している間は該遊技球M2を通過させやすく、かつ、該遊技球M2の勢いがある程度まで減衰すると該遊技球M2を自重により確実に側方へ排出するように案内し得る排球案内部117Eが簡単な構成により形成されている。
また、上記排球案内部117Eから排出された遊技球M2を遊技者にとって有利な遊技領域と該遊技領域よりも有利さの度合いの低い遊技領域とに振り分ける下段入賞機構を備え、上記規制部によって規制されている間または規制された後の遊技球M2の挙動に対する不正な操作を検知するための不正検知手段として第2磁気センサ57および振動センサ70を備えるので、効果的に不正行為を検知することができる。特に、上記のように球通路117に連通するように入賞機構が配置されていると、該球通路117内を流通する間ないし流通する前後の遊技球M2の挙動を不正に操作して該遊技球M2を入賞させようとする不正行為がなされやすく、さらに本パチンコ機10においては、上述の通り遊技球M2が球通路117でより長く転動し得るように構成されているので、上記のような不正な操作がいっそう加えられやすい。また、遊技球M2が規制部で規制されることにより一定の軌道上を流通するようになっていることからも、不正な操作がいっそう加えられやすくなっている。したがって、上記のように規制部によって規制されている間または規制された後の遊技球M2の挙動に対する不正な操作を検知するための不正検知手段を設けることが有効となっている。
また、上記不正検知手段として、第2磁気センサ57が上記排球案内部117Eの近傍に向けて配置されているので、上記排球案内部117Eの近傍から遊技球M2を磁石により不正に誘導して下段入賞機構で入賞させようとする不正操作を効果的に検知することができる。このような磁石による不正操作の場合、遊技球M2が磁石により排球案内部117Eの近傍まで誘導されることとなるため、この排球案内部117Eの近傍を検知範囲内とすることが特に有効である。
また、本パチンコ機10は、前面に遊技球を流下させる遊技盤30を備え、該遊技盤30の前面に、遊技球を所定方向へ案内する役物として右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lが配置された構成において、上記右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lに、入賞口(左側装飾役物71Lの場合は左側入賞口148A)が一体的に形成され、流下してきた遊技球を受ける受球面壁153Cが形成され、該受球面壁153Cに対し、遊技盤30の盤面に対して平行となることなく傾斜する体勢で交差する前面壁153Kが形成されているので、簡単な構成によって、右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lの機械的強度および装飾性をともに向上させることができる。上記右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lは、入賞口が一体的に形成されていることにより、遊技球が特に頻繁に流下してくるため、該右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lに受球面を配置すると、流下してくる遊技球を直接的に受けることも当然多くなって破損もしやすくなる。そこで、上記のように受球面壁153Cに対し傾斜しながら交差する前面壁153Kを形成することによって、該前面壁153Kが受球面壁153Cの補強リブとして機能し、これにより該受球面壁153Cの機械的強度が効果的に向上している。また、該前面壁153Kが遊技盤30の盤面に対して傾斜していることにより、該前面壁153Kに立体感が付与されて装飾性がより良好となっている。即ち、受球面壁153Cに対し傾斜する体勢で交差する前面壁153Kを形成するという簡単な構成により、受球面壁153Cの機械的強度および前面壁153Kの装飾性のいずれもが効果的に向上している。
また、上記右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lは、遊技球が流下する遊技領域の上部(即ち遊技領域における左端部から左上端部までの位置および右端部から右上端部までの位置)に設けられ、遊技球が勢い良く当接し得る位置に配置されているため特に効果がある。遊技球が勢い良く当接し得る位置を受球面壁153Cとした右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lを配置することによって、該右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lの破損を避ける目的で該右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lを保護する釘を該右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lの周りに設けたり、クッション材としてのゴムやエラストマー等を用いた部材を設ける等の必要性が低減されてパチンコ機10全体としてのコストが低減されつつ、遊技球が入球可能な入賞口を有する右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lの配置位置やサイズに対しての設計自由度が高くなっている。
また、上記受球面壁153Cが、上記入賞口の下流側であって、該入賞口に入球しなかった遊技球が当り得る位置に配設されている。入賞口の下流側は、遊技球が該入賞口に入球せずに流下してくることが特に多いため、前述のように受球面壁153Cに対し傾斜しながら交差する前面壁153Kを形成するようにした構成がいっそう有効となっている。
また、上記前面壁153Kが、前後方向に湾曲する湾曲面となっているので、該前面壁153Kの装飾性がより良好となっている。
また、上記右側装飾役物71Rないし左側装飾役物71Lの入賞口に上端部が連通するとともに、下方に配置された別部材の排球通路に下端部が連通して、該入賞口に入球した遊技球を下方の排球通路に案内する右側球通路27Rないし左側球通路27Lを有する右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lが遊技盤30の裏面側に配置されているので、上記右側装飾役物71Rないし左側装飾役物71Lの入賞口に入球した遊技球を下方に排出する通路の上流部が該右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lにより部分的に構成されており、これにより、例えば右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71L等の構成や配置を機種の変更に応じて別のものに代えるような場合でも、該右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lの入賞口に連通する遊技球排出用の通路としては全体を変更する必要がなく、右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lのみを別のものに代えるだけで部分的に対応することができ、あるいは、該右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lを省略し、そのぶんのスペースを利用して、より大型の液晶表示装置を配置することや、球通路部材とは異なる別の部材を配置すること等も可能となっている。例えば仮に、遊技球排出用の通路の全体が球集合板に形成されていると、該球集合板ごと変更することが必要となり、特に、球集合板には別の通路もあわせて複数の通路が形成されていることが多く、このため変更の不要な通路もあわせて変更することとなりやすい。これに対し、本パチンコ機10においては、上記のように遊技球排出用の通路の上流部が右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lとして別個に独立して構成されているので、この上流部のみを部分的に変更することができ、したがって変更の及ぶ範囲が必要最小限に抑えられている。
また、上記遊技盤30の前面に、遊技球が入球し難いまたは入球し得ない閉位置と入球し易い開位置との間で変移するように開閉動作する開閉羽根89R、89Lが配置され、上記右側装飾役物71Rないし左側装飾役物71Lが、該開閉羽根89R、89Lの側方に配置されているので、上述のように右側装飾役物71Rないし左側装飾役物71Lの入賞口に連通する遊技球排出用の通路の上流部を右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lとして別個に独立させた構成がより有効となっている。上記開閉羽根89R、89Lは、遊技球が入球するか否かの点から特に注目されやすいため、この付近の配置構成は重要度が高く、変更の対象ともなりやすいので、上記右側装飾役物71Rないし左側装飾役物71Lも開閉羽根89R、89Lの側方に配置されることで変更の対象となりやすくなっており、したがって上記のように遊技球排出用の通路の上流部を別個に独立して構成することが有用となっている。
また、遊技盤30の裏面側に、該遊技盤30の裏面側を覆うように裏カバー部材82が取り付けられ、上記右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lが、該裏カバー部材82の前側面に配置固定されているので、該右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lを遊技盤30の裏面側に容易に配置固定することができる。上述のように右側装飾役物71Rないし左側装飾役物71Lの入賞口に連通する遊技球排出用の通路の上流部を右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lとして別個に独立させて構成した場合、仮に該右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lを遊技盤30の裏面側に直接的に配置固定するようにすると、その取付作業も煩瑣となるが、上記のように該右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lを裏カバー部材82の前側面に配置固定しておくようにすれば、該右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lを裏カバー部材82ごと一度に遊技盤30の裏面側に取り付けることができるので、該右側球通路部材26Rないし左側球通路部材26Lを個別に遊技盤30の裏面側に取り付ける必要がなく位置合せも不要となり、したがって取付作業を容易に行うことができる。
(変更態様)
上記パチンコ機10には、例えば以下に列挙するように様々な変更を加えることが可能である。
(1)前記実施形態においては、球通路117の規制部が、該球通路117の可動幅を狭窄化することにより形成されていたが、規制部としては、遊技球の進路を規制し得るものであればよく、例えば図63に示すように、球通路158の底面を一方側から他方側へ向けて下傾させるように形成し、遊技球M4を他方側のガイドレール158Fに寄せるようにして通過させる構成としてもよい。同図に示す例では、球通路158の底面が一方側から他方側へ向けて下傾していることにより、遊技球M4が球通路158内で他方側のガイドレール158Fに当接してこれより外側への移動が規制された最も他方側寄りの位置(他方側限界位置)に規制されながら通過していくようになっている。即ち、遊技球M4が、他方側限界位置より外側への移動も内側への移動も規制されて、該他方側限界位置を通るほぼ単一の軌道上を転動するように規制されながら通過していくようになっており、この場合、可動幅は遊技球M4の直径に一致する、即ち遊技球M4が他方側限界位置から幅方向には不動となるように規制されるようになっている。この構成においては、遊技球M4の進路が球通路158の底面の傾斜および他方側のガイドレール158Fにより規制されているので、球通路158の幅の大小によらずに規制部が構成されている。
あるいは、例えば図64に示すように、球通路159の底面を両側から中央へ向けて下傾させるように形成し、遊技球M5を中央に寄せるようにして通過させる構成としてもよい。同図に示す例では、球通路159の底面が両側から中央へ向けて下傾していることにより、遊技球M5が球通路159内で幅方向中央の位置に規制されながら通過していくようになっている。即ち、遊技球M5が、幅方向中央の位置より外側への移動も内側への移動も規制されて、幅方向中央の位置を通るほぼ単一の軌道上を転動するように規制されながら通過していくようになっており、この場合、可動幅は遊技球M5の直径に一致する、即ち遊技球M5が幅方向中央の位置から幅方向には不動となるように規制されるようになっている。この構成においては、遊技球M5の進路が球通路159の底面の傾斜により規制されているので、球通路159の幅の大小によらずに規制部が構成されている。
あるいはまた、例えば球通路におけるガイドレールの高さが遊技球の半径(約5.5mm)を下回る場合には、該ガイドレールを部分的にさらに高く形成することによっても規制部を構成することができる。ガイドレールの高さが遊技球の半径(約5.5mm)を下回る場合には、該ガイドレールが高くなるほど、可動幅は狭くなる。
(2)前記実施形態においては、不正検知手段である第1磁気センサ114および第2磁気センサ57が、上段部ユニット86における導球盤127の球通路127Rおよびステージ部材88の排球案内部117Eに先端を向けてそれぞれ配置(縦置き)されていたが、これ以外にも、不正な操作がなされる可能性のある箇所であれば、磁気センサ同士や他の入賞センサ等との間で誤動作を生じ得る位置でない限り、なるべく磁気センサを配置しておくようにすることが望ましい。図65は、前記実施形態において、センター役物83の外郭部材122における両側壁の内部に、第3磁気センサ22R、22Lをそれぞれ配置固定した例を示す図である。同図に示す左右の両第3磁気センサ22R、22Lは、前記第1磁気センサ114と同一の構成を有し、前記左上入球部92Lおよび右上入球部92Rにおける特に左右の開閉羽根89R、89Lの軸支位置の付近に先端を向けて配置(縦置き)されており、該開閉羽根89R、89Lの軸支位置およびその近傍が検出範囲内に収まるようになっている。該開閉羽根89R、89Lおよびその近傍の位置も、磁石で遊技球を入球するように誘導しようとする不正な操作がなされやすく、上記のように磁気センサを配置することが望まれる箇所の一つである。
(3)前記実施形態においては、不正検知手段として、上記第1および第2磁気センサ114、57の他、遊技機を揺らしたり叩いたりすることによって遊技球の挙動を操作しようとする不正行為を検知する振動センサ70が設けられていたが、不正検知手段としてはこれ以外にも、例えば、遊技機に不正に進入した器具等の物体を検知する赤外線センサ、超音波センサ、レーザセンサ、レーダセンサ等を設けるようにしてもよく、また上記各種のセンサを複数あわせて配置するようにしてもよい。
(4)前記実施形態においては、右側装飾役物71Rおよび左側装飾役物71Lにおける受球面壁153Cに対して前面壁153Kが傾斜する体勢で交差し、遊技盤30の盤面に対して傾斜する直線(斜線)状の交線をなすようになっていたが、例えば図66に示す左側装飾役物160Lのように、受球面壁161と前面壁162との交線が山状に屈曲するようにしたり、あるいは谷状、ジグザグ状、波状、弧状等の各種の形状をなして屈曲するようにしてもよい(図示省略)。
なお本明細書は、次に掲げる発明をいずれも開示している。
本発明にかかる遊技機は、手段1として、
端部側から中央側へかけて下降する下降部が両側にそれぞれ形成されて両下降部の間で遊技球を自重により往復するように転動させるとともに、両下降部の間に、遊技球を自重により側方へ排出されるように案内する排球案内部が形成された球通路が、外部から視認可能な位置に設けられた遊技機であって、
前記球通路において、前記排球案内部に至るまでの途上に、遊技球を進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過させ得る弛緩部と、遊技球を進行方向に交差する幅方向の余裕を前記弛緩部におけるよりも少なくして通過させ得る規制部とがこの順に形成されていることを特徴とする。
なお本発明において、排球案内部において遊技球が自重により排出される場合の「側方」とは、球通路における遊技球の流通方向に対する側方のことであり、遊技機における側方とは必ずしも一致しない。
上記手段1の構成によれば、遊技球が球通路の両下降部の間を自重により往復するように転動する途上で、まず弛緩部を通過することとなるが、この弛緩部においては、遊技球が進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過するため、遊技球が常に一定の軌道上を通過するのではなく、多少とも遊動可能に、即ち幅方向に余裕のぶんだけ自由にずれることが可能な状態で通過することとなり、そのぶん遊技球の挙動に不測の性質が付与されて興趣が確保される。弛緩部を通過した後、遊技球は規制部を通過することとなるが、このとき、例えば仮に、遊技球の進路が規制部により規制を受けないままであったとすると、遊技球は上述の通り幅方向に余裕をもって遊動可能に転動してくるため、この後に球通路内でいずれの方向に向かうかも予測がつかず、この点で興趣が盛り上げられるともいえる反面、直ちに排球案内部から側方へ排出されて興趣が絶たれてしまう可能性も大きいところである。ところが上記手段1の構成によれば、規制部においては遊技球の進行方向に交差する幅方向の余裕が少なく、したがって遊技球の進路が往復軌道から逸脱しない範囲内に向けるように規制されるので、上述のように直ちに排球案内部から側方へ排出されることはなく、初めのうちは、排球案内部を通過して往復することとなる。この後、往復を繰り返すうちに遊技球の勢いが減衰するので、その勢いが排球案内部を十分に通過しきれない程度に弱くなると、遊技球が自重により排球案内部に案内されて側方に排出される。このように、遊技球が一定以上の勢いを有している間は、規制部により、往復軌道から逸脱することなく排球案内部を通過して往復するように制御され、したがってそのぶん球通路上でより長く転動することができることとなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段2として、手段1の遊技機において、
前記規制部が、前記球通路の可動幅を狭窄化することにより形成されていることを特徴とする。
本発明において、「球通路の可動幅」とは、球通路において遊技球が幅方向に移動し得る範囲を意味し、例えば、両側にガイドレールが設けられた球通路の場合、遊技球が球通路内で一方側のガイドレールに当接してこれより外側への移動が規制された最も一方側寄りの位置(以下、「一方側限界位置」とも称す)と、遊技球が球通路内で他方側のガイドレールに当接してこれより外側への移動が規制された最も他方側寄りの位置(以下、「他方側限界位置」とも称す)とを両端とする範囲の幅がこの可動幅に相当する。なお、例えば両側のガイドレールの高さが遊技球の半径(約5.5mm)以上である場合には、遊技球が一方側限界位置ないし他方側限界位置においてガイドレールの内側面に当接してこれより外側への移動が規制されることとなり、この場合、可動幅は球通路の幅(即ち両ガイドレール間の間隔)に一致する。一方、例えば図21ないし図22に示すように、両側のガイドレール117F、117Rの高さが遊技球M1の半径(D1×1/2)=約5.5mmを下回る場合には、遊技球M1が一方側限界位置ないし他方側限界位置においてガイドレール117F、117Rの上端に当接してこれより外側への移動が規制されるが、該ガイドレール117F、117Rの上端よりも上方で外側へやや迫り出すこととなり、したがってこの分、可動幅F1、F2は球通路の幅(即ち両ガイドレール117F、117R間の間隔)W1、W2よりも大となる。
上記手段2の構成によれば、簡単な構成により効果的に遊技球の進路を規制し得る規制部を形成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段3として、手段1または手段2の遊技機において、
前記球通路が、平面視湾曲形状となるように形成されていることを特徴とする。
上記手段3の構成によれば、例えば平面視直線状となるように形成された球通路の場合に比して、遊技球の軌道に変化が付与されてそのぶん演出効果を良好とすることが可能となるだけでなく、該遊技球の挙動にさらに不測の性質が付与されて興趣を確保することができる一方で、規制部がないとすると該遊技球が直ちに排球案内部から側方へ排出される不都合がより生じやすくなるため、規制部の形成による効果が一層発揮されることとなる。
さらにまた、該球通路の湾曲形状による遠心力を利用して、遊技球を球通路の外側に沿って転動させることもでき、これによりさらに確実かつ効果的に遊技球の進路を往復軌道上に規制することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段4として、手段1から手段3のいずれかの遊技機において、
前記球通路の上方に、少なくとも1箇所に横方向に延びる部位を有して遊技球を上方から球通路の上流側端部に案内する導球通路が配置されていることを特徴とする。
上記手段4の構成によれば、遊技球を多方向に案内しながら、より時間をかけて流下するように球通路まで案内することができ、これにより興趣をさらに長く持続させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段5として、手段4の遊技機において、
前記導球通路が、透光性を有する樹脂よりなるものとなっていることを特徴とする。
上記手段5の構成によれば、導球通路内を流下する遊技球が視認されることとなって視覚的にも演出効果を得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段6として、手段1から手段5のいずれかの遊技機において、
前記球通路が、両側に沿ってガイドレールを有し、前記排球案内部が、該両側のガイドレールのうちの一方側のガイドレールを間隔をあけて形成することにより部分的に開放された開放部を設け、この開放部側へ球通路を下傾させるようにして形成されていることを特徴とする。
上記手段6の構成によれば、遊技球が一定以上の勢いを保持している間は該遊技球を通過させやすく、かつ、該遊技球の勢いがある程度まで減衰すると該遊技球を自重により確実に側方へ排出するように案内し得る排球案内部を簡単な構成により形成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段7として、手段1から手段6のいずれかの遊技機において、
前記排球案内部から排出された遊技球を遊技者にとって有利な遊技領域と該遊技領域よりも有利さの度合いの低い遊技領域とに振り分ける入賞機構を備え、前記規制部によって規制されている間または規制された後の遊技球の挙動に対する不正な操作を検知するための不正検知手段を備えることを特徴とする。
上記手段7の構成によれば、効果的に不正行為を検知することができる。特に、上記手段7の構成のように球通路に連通するように入賞機構が配置されていると、該球通路内を流通する間ないし流通する前後の遊技球の挙動を不正に操作して該遊技球を入賞させようとする不正行為がなされやすく、さらに手段1ないし手段6の遊技機においては、上述の通り遊技球が球通路でより長く転動し得るように構成されているので、上記のような不正な操作がいっそう加えられやすい。また、遊技球が規制部で規制されることにより一定の軌道上を流通するため不正対象として狙いを定めやすくなっていることからも、不正な操作がいっそう加えられやすくなっている。したがって、上記手段7の構成のように規制部によって規制されている間または規制された後の遊技球の挙動に対する不正な操作を検知するための不正検知手段を設けることが有効となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段8として、手段7の遊技機において、
前記不正検知手段として磁気センサが前記排球案内部の近傍に向けて配置されていることを特徴とする。
上記手段8の構成によれば、前記排球案内部の近傍から遊技球を磁石により不正に誘導して入賞機構で入賞させようとする不正操作を効果的に検知することができる。このような磁石による不正操作の場合、遊技球が磁石により排球案内部の近傍まで誘導されることとなるため、この排球案内部の近傍を検知範囲内とすることが特に有効である。
また、本発明にかかる遊技機は、手段9として、
前面に遊技球を流下させる遊技盤を備え、該遊技盤の前面に、遊技球を所定方向へ案内する役物が配置された遊技機であって、前記役物に、入賞口が一体的に形成され、流下してきた遊技球を受ける受球面壁が形成され、該受球面壁に対し、遊技盤の盤面に対して平行となることなく傾斜する体勢で交差する前面壁が形成されていることを特徴とする。
本発明において、「役物」には、可動動作するキャラクタ等の部材を設けたもの、可動動作する部材を備えず装飾のみを施したもの等がいずれも含まれる。
また、「入賞口」とは、遊技球が入球した場合に一定の賞球が払い出される入賞口のほか、遊技球が入球した場合に一定の抽選が行われて当選した場合には所定の開放口が開放状態とされることによって遊技球が獲得し易い遊技状態へ移行する入賞口であっても良く、かかる場合には入賞口に遊技球が入賞した場合に一定数の賞球の払い出しがあるものの他、賞球の払い出しがないものであっても良い。
上記手段9の構成によれば、簡単な構成によって、役物の機械的強度および装飾性をともに向上させることができる。役物に入賞口が一体的に形成されている場合には、遊技球が特に頻繁に流下してくるため、該役物に受球面を配置すると、流下してくる遊技球を直接的に受けることも当然多くなって破損もしやすくなる。そこで、上記手段9の構成のように受球面壁に対し傾斜しながら交差する前面壁を形成することによって、該前面壁が受球面壁の補強リブとして機能し、これにより該受球面壁の機械的強度を効果的に向上させることができる。また、該前面壁を遊技盤の盤面に対して傾斜させることにより、該前面壁に立体感を付与して装飾性をより良好とすることができる。即ち、受球面壁に対し傾斜する体勢で交差する前面壁を形成するという簡単な構成により、受球面壁の機械的強度および前面壁の装飾性のいずれをも効果的に向上させることができる。
また、上記手段9の役物は、遊技球が流下する遊技領域の上部に設けられる場合や、遊技領域の入口から遠い側すなわち遊技球の発射後に遊技領域に入った遊技球の勢いが無くなる前に遊技球が当接する位置に設けられる場合など、遊技球が勢い良く当接し得る位置に役物の一部が配置される場合に特に効果がある。遊技球が勢い良く当接し得る位置を受球面壁とした役物を配置することによって、役物の破損を避ける目的で役物を保護する釘を役物の周りに設けたり、クッション材としてのゴムやエラストマー等を用いた部材を設ける等の必要性を低減して遊技機全体としてのコストを低減しつつ、遊技球が入球可能な入賞口を有する役物の配置位置やサイズに対しての設計自由度を高めることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段10として、手段9の遊技機において、
前記受球面壁が、前記入賞口の下流側であって、該入賞口に入球しなかった遊技球が当り得る位置に配設されていることを特徴とする。
上記手段10の構成によれば、入賞口の下流側は、遊技球が該入賞口に入球せずに流下してくることが特に多いため、上記手段9のように受球面壁に対し傾斜しながら交差する前面壁を形成するようにした構成がいっそう有効となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段11として、手段9または手段10の遊技機において、
前記前面壁が、前後方向に湾曲する湾曲面となっていることを特徴とする。
上記手段11の構成によれば、前面壁の装飾性をより良好とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段12として、手段9から手段11のいずれかの遊技機において、
前記役物の入賞口に上端部が連通するとともに、下方に配置された別部材の排球通路に下端部が連通して、該入賞口に入球した遊技球を下方の排球通路に案内する球通路を有する球通路部材が遊技盤の裏面側に配置されていることを特徴とする。
上記手段12の構成によれば、役物の入賞口に入球した遊技球を下方に排出する通路の上流部が球通路部材により部分的に構成され、これにより、例えば役物等の構成や配置を機種の変更に応じて別のものに代えるような場合でも、該役物の入賞口に連通する遊技球排出用の通路としては全体を変更する必要がなく、球通路部材のみを別のものに代えるだけで部分的に対応することができ、あるいは、該球通路部材を省略し、そのぶんのスペースを利用して、より大型の液晶表示装置を配置することや、該球通路部材とは異なる別の部材を配置すること等も可能となる。例えば仮に、遊技球排出用の通路の全体が球集合板に形成されていると、該球集合板ごと変更することが必要となり、特に、球集合板には別の通路もあわせて複数の通路が形成されていることが多く、このため変更の不要な通路もあわせて変更することとなりやすい。これに対し、手段12の構成においては、上記のように遊技球排出用の通路の上流部が球通路部材として別個に独立して構成されるので、この上流部のみを部分的に変更することができ、したがって変更の及ぶ範囲を必要最小限に抑えることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段13として、手段12の遊技機において、
前記遊技盤の前面に、遊技球が入球し難いまたは入球し得ない閉位置と入球し易い開位置との間で変移するように開閉動作する開閉羽根が配置され、前記役物が、該開閉羽根の側方に配置されていることを特徴とする。
上記手段13の構成によれば、上記手段12の構成のように役物の入賞口に連通する遊技球排出用の通路の上流部を球通路部材として別個に独立させる構成がより有効となる。前記開閉羽根は、遊技球が入球するか否かの点から特に注目されやすいため、この付近の配置構成は重要度が高く、変更の対象ともなりやすいので、前記役物も開閉羽根の側方に配置されることで変更の対象となりやすくなり、したがって上記手段12の構成のように遊技球排出用の通路の上流部を別個に独立して構成することが有用となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段14として、手段12または手段13の遊技機において、
前記遊技盤の裏面側に、該遊技盤の裏面側を覆うようにカバー部材が取り付けられ、前記球通路部材が、該カバー部材の前側面に配置固定されていることを特徴とする。
上記手段14の構成によれば、球通路部材を遊技盤の裏面側に容易に配置固定することができる。上記手段12の構成のように役物の入賞口に連通する遊技球排出用の通路の上流部を球通路部材として別個に独立させて構成する場合、仮に該球通路部材を遊技盤の裏面側に直接的に配置固定するようにすると、その取付作業も煩瑣となるが、上記手段14の構成のように該球通路部材をカバー部材の前側面に配置固定しておくようにすれば、該球通路部材をカバー部材ごと一度に遊技盤の裏面側に取り付けることができるので、該球通路部材を個別に遊技盤の裏面側に取り付ける必要がなく位置合せも不要となり、したがって取付作業を容易に行うことができる。
本発明は、パチンコ遊技機であれば広汎に実施することが可能である。
117:球通路
117E:排球案内部
118L:左側直線部(弛緩部)
118R:右側直線部(弛緩部)
119L:左側コーナー部(規制部)
119R:右側コーナー部(規制部)
77G:入賞樋部(入賞機構)
77P:V入賞口(入賞機構)
57:第2磁気センサ(不正検知手段)

Claims (1)

  1. 端部側から中央側へかけて下降する下降部が両側にそれぞれ形成されて両下降部の間で遊技球を自重により往復するように転動させるとともに、両下降部の間に、遊技球を自重により側方へ排出されるように案内する排球案内部が形成された球通路が、外部から視認可能な位置に設けられた遊技機であって、
    前記球通路において、前記排球案内部に至るまでの途上に、遊技球を進行方向に交差する幅方向に余裕を有して通過させ得る弛緩部と、遊技球を進行方向に交差する幅方向の余裕を前記弛緩部におけるよりも少なくして通過させ得る規制部とがこの順に形成され、
    前記排球案内部から排出された遊技球を遊技者にとって有利な遊技領域と該遊技領域よりも有利さの度合いの低い遊技領域とに振り分ける入賞機構を備え、前記規制部によって規制されている間または規制された後の遊技球の挙動に対する不正な操作を検知するための不正検知手段を備えることを特徴とする遊技機。
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