JP2007080730A - 被覆電線の冷却方法とその冷却水槽、およびこの冷却水槽を有する電線被覆機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被覆電線の冷却工程は、1対のプ−リ101、102間に芯線を溶融合成樹脂で被覆した直後の高温状態の被覆電線を複数回にわたりスパイラル状に巻き付け、一方のプーリ101の一部を前記被覆電線とともに冷却水槽100内に貯留してある冷却水中に浸漬し、冷却水と接触させて冷却し、冷却水の水面上ではこの冷却水で濡れた被覆電線を外気と接触させ付着している冷却水を蒸発させ、この潜熱作用により走行中の被覆電線を所定温度に冷却する。
【選択図 】図3
Description
前記冷却水槽内には、1対のプ−リ間に前記芯線を溶融合成樹脂で被覆した直後の高温状態の被覆電線を複数回にわたりスパイラル状に巻き付け、連続走行するように一対のプ−リがその軸線が被覆電線の走行方向を横断し水平として、間隔をおいて配置され、前記一対のプーリのうち、前記引取機寄りに位置する一方のプーリは少なくともその一部が前記冷却水中に水没し、他方のプーリの一部は前記冷却水面上に位置し、冷却水槽内に貯留してある冷却水中と外気との間を被覆電線が繰り返し走行するための走行路が1対のプ−リ間に形成されていることを特徴とする被覆電線冷却水槽としてある。
芯線供給用のサプライヤー10と、この供給されてくる芯線Aを下流に繰り出す繰出器20と、この芯線Aを予熱する予熱機30とが同一の前記第1ライン40上にこの順序で上流から下流にわたり配列されている。
この供給されてくる芯線を溶融合成樹脂で被覆するための電線被覆装置50と、リングマーキング装置60、ロールマーキング装置70、外形測定機90、冷却水槽100、引取機80、アキュームレーター装置110、偏芯検出器120、スパークテスター130、検尺機140、巻引取機150が前記第2ライン160上にこの順序で上流から下流にわたり配列されている。このアキュームレーター装置110は冷却水槽100の後方に配置されている。更に、外形測定機90は前記冷却水槽100の側壁に設けられている。
前記第1ライン40における最下流機器である予熱機30と前記第2ライン160における最上流機器である電線被覆装置50とに亘り移送される芯線Aにテンションをかけるテンショナー170が、前記第1ライン40と前記第2ライン160間に配置されている。このようにして前記電線被覆機Bが構成されている。
なお、前記電線被覆製造ラインは一直線状に形成されている場合もある(請求項26記載の発明の代表的な実施の形態に対応)。
例えば前記電線被覆装置50寄り、即ち前記外形測定機90寄りに位置する一方のプーリ101は前記冷却水中に半没し、他方のプーリ102のほぼ3分の2以上の部分は前記冷却水面上に位置する。
前記樋104は、断面U字型とし、その被覆電線を受け取る高さは、前記外形測定機90から搬出されてくる被覆電線の高さと同一とし、この樋104の入り口には冷却水供給ノズル109の先端が前記樋の底面に向けて配置されている
冷却水槽100の上面は開放しておくか、或いは上面が閉じているときは、水面上の空間は換気をし、若干負圧とし、蒸発を促進させることが好ましい。
芯線供給用のサプライヤー10による芯線供給工程と、この供給されてくる芯線Aを下流に繰出器20により繰り出す工程と、この芯線を予熱機30で予熱する工程を同一の第1ライン40上にこの順序で上流から下流にわたり行う。
次いで、前記第1ライン40における最下流機器である前記予熱機30と前記第2ライン160における最上流機器である前記電線被覆装置50とに亘り移送される前記芯線Aにテンショナー170によりテンションをかける。
前記第2ライン160において、前記テンションをかけた状態で前記電線被覆装置50に供給されてくる芯線A周囲を、前記一方の押出機51、クロスダイヘッドにより溶融合成樹脂で被覆する工程と、必要に応じて、前記他方の押出機52により前記被覆電線の外周面の全面乃至一部に着色する工程と、前記リングマーキング装置60により被覆電線の周方向に電線の径,メーカ名などをマーキングする工程と、前記ロールマーキング装置70により被覆電線の長手方向に品番などをマーキングする工程と、前記外形測定機90による外形測定工程と、冷却水槽100により被覆電線を冷却する工程と、前記引取機80による引取り工程と、冷却済みの被覆電線を前記アキュームレーター装置110により貯留する工程と、前記偏芯検出器120による偏芯検出工程と、前記スパークテスター130によるスパーク試験工程と、前記検尺機140による長さ測定工程と、冷却済みの被覆電線を前記巻取機150により巻き取る工程を、前記第1ライン40とほぼ並列で第1ライン40に連なりその方向が180度異なる第2ライン160上においてこの順序で上流から下流にわたり行う。
この冷却水槽100の後方に配置されている前記アキュームレーター装置110は前記冷却水槽100で冷却され引取機80で引取られた被覆電線を、巻芯交換時に一時貯留する。
なお、前記全ての工程を、一直線上で行う場合もある(請求項8記載の発明の代表的な実施の形態に対応)。
即ち、前記外形測定工程寄りにおいて樋104内を流れる冷却水中での被覆電線の冷却と、この樋104の下流端側に位置する他方のプーリ102の外周面上で、このプーリ102への巻き取り箇所に冷却水を散布のズル105から散布し冷却する。
この際、前記冷却水槽100の水位は、前記外形測定工程寄りに位置する一方のプーリ101を前記冷却水中に少なくとも半没し、他方のプーリ102を前記冷却水面上に位置する所望位置となるように、前記水位調整装置180により調整され維持される。
すなわち、前記水位調整装置180のオーバーフロー管181は、その上下軸線方向でスライドされ、前記冷却水槽100の水位が所望高さになる位置に固定される。従って、前記冷却水の散布に伴い、前記水位をオーバすると、このオーバーフロー管181の上端から前記冷却水槽100内の過剰の冷却水は、流入し、このオーバーフロー管181の下端から前期冷却水排水タンク182内に流下し、前記排水ポンプ183により前記冷却水槽外に排水されるとともに、この排水タンク182内の水位が上限水位位置を超えると、前記第二のオーバーフロー部183からも過剰な冷却水は排水される。
前記前記一対のプーリ101、102を、前記引取り工程における引取り力または前記冷却済みの被覆電線巻き取り工程における巻取力により連れ回りする。
20 繰出器
30 予熱機
50 電線被覆装置
60 リングマーキング装置
70 ロールマーキング装置
80 引取機
90 外形測定機
100 冷却水槽
101、102 プ−リ
103 予備冷却装置
104 樋
105 散布ノズル
106 大径部
107 小径部
108 エアブラシ装置
109 冷却水供給ノズル
110 アキュームレーター装置
120 偏芯検出器
130 スパークテスター
140 検尺機
150 巻取機
170 テンショナー
180 水位調整装置
Claims (27)
- 電線被覆製造ラインにおいて芯線を溶融合成樹脂で被覆した後、被覆電線を冷却する際に、冷却水槽内に貯留してある冷却水中での接触冷却と、冷却水の水面上での外気との接触に伴う冷却水の蒸発による潜熱冷却とを移送中の被覆電線に少なくとも一回付与して、所定温度に冷却することを特徴とする被覆電線の冷却方法。
- 電線被覆製造ラインにおける芯線を溶融合成樹脂で被覆する工程と冷却済みの被覆電線を巻き取る工程との間において行われる被覆電線の冷却工程は、1対のプ−リ間に前記芯線を溶融合成樹脂で被覆した直後の高温状態の被覆電線を複数回にわたりスパイラル状に巻き付け、前記一方のプーリの一部を前記被覆電線とともに冷却水槽内に貯留してある冷却水中に浸漬し、冷却水と接触させて冷却し、冷却水の水面上ではこの冷却水で濡れた前記被覆電線を外気と接触させ付着している冷却水を蒸発させ、この蒸発時の潜熱作用により走行中の被覆電線を所望温度に冷却することを特徴とする被覆電線の冷却方法。
- 一対のプ−リ間に前記芯線を溶融合成樹脂で被覆した直後の高温状態の被覆電線を複数回にわたりスパイラル状に巻き付ける以前に、前記冷却水槽の水面上において、この被覆電線をその外周面で冷却水と接触させ、予備冷却することを特徴とする請求項2記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記予備冷却は、前記芯線を溶融合成樹脂で被覆する工程寄りにおいて樋内を流れる冷却水中での被覆電線の冷却と、この樋の下流端側に位置する一方のプーリの外周面上で、このプーリへの巻き取り箇所に冷却水を散布し冷却する工程とを含むことを特徴とする請求項2または3記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記一対のプーリのうち、前記芯線を溶融合成樹脂で被覆する工程寄りに位置する一方のプーリを前記冷却水中に少なくとも半没し、他方のプーリを前記冷却水面上に位置させ、これらプーリ間に被覆電線を複数回スパイラル状に巻きつけ、連続走行させて前記冷却を行うことを特徴とする請求項2、3または4記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記樋の下流端側から出てくる被覆電線をこの樋と同一高さに位置する一方のプーリと同軸上の大径プーリ周面で受け取り、次いで前記他方に位置するプーリと前記大径プーリと同軸上の小径プーリ間で前記連続走行させることを特徴とする請求項4または5記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記芯線を溶融合成樹脂で被覆する工程で被覆された被覆電線の外形を前記冷却水槽の側壁に設けた外形測定機により測定後、この被覆電線を前記冷却水槽に供給し冷却を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記電線被覆製造ラインを平面U字型乃至コ字型とすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記電線被覆製造ラインを平面一直線状とすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記一対のプーリを、前記冷却済みの被覆電線の引き取り工程における引取力若しくは巻き取り工程における巻取力により連れ回りすることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8または9記載被覆電線の冷却方法。
- 前記冷却済みの被覆電線にエアを吹き付け、付着している水分を除去すると共に、前記冷却水槽内に外気を取り込むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の被覆電線の冷却方法。
- 前記冷却水槽の水位を所望高さに設定し、前記一対のプーリのうち、前記芯線を溶融合成樹脂で被覆する工程寄りに位置する一方のプーリを前記冷却水中に少なくとも半没し、他方のプーリを前記冷却水面上に位置させ、過剰の冷却水をこのオーバーフロー管の上端から前記冷却水槽下方の冷却水排水タンク内へ排出し、前記冷却水槽の水位を一定に維持することを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の被覆電線の冷却方法。
- 少なくとも芯線供給用のサプライヤーと、この供給されてくる芯線を下流に繰り出す繰出器と、前記芯線にテンションをかけるテンショナーと、供給されてくる芯線を溶融合成樹脂で被覆するための電線被覆装置と、被覆電線を冷却する冷却水槽と、冷却済みの被覆電線を引き取る引取機と、冷却済みの被覆電線を巻き取る為の巻取機が少なくとも配列されてなる電線被覆製造ラインを備える電線被覆機に用いられる冷却水槽おいて、
前記冷却水槽内には、1対のプ−リ間に前記芯線を溶融合成樹脂で被覆した直後の高温状態の被覆電線を複数回にわたりスパイラル状に巻き付け、連続走行するように一対のプ−リがその軸線が被覆電線の走行方向を横断し水平として、間隔をおいて配置され、前記一対のプーリのうち、前記電線被覆装置寄りに位置する一方のプーリは少なくともその一部が前記冷却水中に水没し、他方のプーリの一部は前記冷却水面上に位置し、冷却水槽内に貯留してある冷却水中と外気との間を被覆電線が繰り返し走行するための走行路が1対のプ−リ間に形成されていることを特徴とする被覆電線冷却水槽。 - 一対のプ−リ間に前記芯線を溶融合成樹脂で被覆した直後の高温状態の被覆電線を複数回にわたりスパイラル状に巻き付ける以前に、前記冷却水槽の水面上において、この被覆電線をその外周面で冷却水と接触させ、予備冷却する予備冷却装置が前記冷却水槽内に配備されていることを特徴とする請求項13記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記予備冷却装置は、前記電線被覆装置寄りにおいて被覆電線冷却用の樋と、この樋の下流端側に位置する他方のプーリの外周面上で、このプーリへの巻き取り箇所に冷却水を散布し冷却する散布ノズルとを備えることを特徴とする請求項14記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記樋の下流端側に位置する他方のプーリは、前記樋の下流端側から出てくる被覆電線をこの樋と同一高さで受け取る大径プーリ部と、この大径プーリ部と同心の小径部とからなり、前記電線被覆装置寄りに位置する一方のプーリと前記他方のプーリの小径部は同一の直径を有し、この他方のプーリの軸線は前記一方のプーリの軸線より高位に位置し、前記一方のプーリと他方のプーリの小径部間に前記被覆電線が水面を横切り傾斜して走行可能としてあることを特徴とする請求項15記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記一対のプーリは、前記冷却済みの被覆電線の引取機による引取力若しくは前記巻取機の巻取力により連れ回り可能に前記冷却水槽内に軸支されていることを特徴とする請求項13、14、15または16記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記冷却済みの被覆電線にエアを吹き付け、付着している水分を除去すると共に、前記冷却水槽内に外気を取り込むためのエアブラシ装置が、前記冷却水槽に配備されていることを特徴とする請求項13、14、15、16または17記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記電線被覆装置寄りに位置する一方のプーリは前記冷却水中に半没し、他方のプーリのほぼ3分の2以上の部分は前記冷却水面上に位置することを特徴とする請求項13、14、15、16、17または18記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記冷却水槽の水位を一定に維持する水位調整装置が配備されていることを特徴とする請求項13、14、15、16、17、18または19記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記水位調整装置は、前記冷却水槽の水位を所望高さに設定する上下軸線方向でスライド可能に配備されたオーバーフロー管を備え、このオーバーフロー管の上端は前記冷却水槽内に位置し、その下端は冷却水排水タンク内で、その下限水位位置に位置し、この排水タンクには排水ポンプが接続され、更にこの排水タンクの側壁には、その上限水位位置に第二のオーバーフロー部が設けられていることを特徴とする請求項20記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記樋は、断面U字型とし、その被覆電線を受け取る高さは、前記電線被覆装置から搬出されてくる被覆電線の高さと同一とし、この樋の入り口には冷却水供給ノズルの先端が前記樋の底面に向けて配置されていることを特徴とする請求項15、16、17、18、19、20または21記載の被覆電線冷却水槽。
- 前記芯線を溶融合成樹脂で被覆する工程で被覆された被覆電線の外形を、前記冷却水槽に供給される直前で測定する外形測定機が前記冷却水槽の側壁に設けられていることを特徴とする請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21または22記載の被覆電線冷却水槽。
- 請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23記載の被覆電線冷却水槽を備えることを特徴とする電線被覆機。
- 前記電線被覆製造ラインは平面U字型乃至コ字型としてあることを特徴とする請求項24記載の電線被覆機。
- 前記電線被覆製造ラインは平面一直線状としてあることを特徴とする請求項24記載の電線被覆機。
- 前記冷却水槽で冷却され引取機で引取られた被覆電線を、巻芯交換時に一時貯留するアキュームレーター装置が前記冷却水槽の後方に配置されていることを特徴とする請求項24、25または26記載の電線被覆機。
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