JP2007080679A - ガス放電表示パネル - Google Patents

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Michiko Okafuji
美智子 岡藤
Mikihiko Nishitani
幹彦 西谷
Masaharu Terauchi
正治 寺内
Teru Nishitani
輝 西谷
Jun Hashimoto
潤 橋本
Masatoshi Kitagawa
雅俊 北川
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Abstract

【課題】 放電遅れを抑制可能なPDPを提供する。
【解決手段】
スキャン電極102aを覆う誘電体層106の表面に保護層107が形成され、放電空間116を挟んで保護層107と対向して蛍光体層115が形成され、蛍光体層115を基準としてさらに保護層107から遠ざかる位置にデータ電極112が配されてなる放電セルを複数有し、スキャン電極102aとデータ電極112との間で放電を行うガス放電表示パネルであって、前記複数の放電セルそれぞれに配された蛍光体層115は、赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115Bの少なくとも3種があり、緑色蛍光体層115Gは、赤色蛍光体層115R及び青色蛍光体層115Bに比べ、データ電極112に印加される電圧に対して帯電し難い帯電特性を有し、緑色蛍光体層115Gが配された放電セルの保護層107には、放電遅れを抑制する抑制材料が含まれている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス放電表示パネルに関し、特に、プラズマディスプレイパネルの放電遅れを改善する技術に関する。
近年、コンピュータやテレビ等に用いられているディスプレイ装置において、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という。)は、大型で薄型軽量化を実現することのできるディスプレイデバイスとして注目されている。
このPDPは、ガス放電で発生した紫外線によって蛍光体を励起発光させ、画像表示するガス放電パネルである。その放電の形成手法からPDPはAC型(交流型)とDC型(直流型)に分類することができ、その中でも特にAC型は、輝度、発光効率及び寿命の点でDC型よりも優れており、現在のPDPの主流となっている。(例えば、特許文献1)
より具体的には、AC型PDPは、前面板と背面板とを対向させてその外周を封着ガラスにより封着された構成を有する。
上記前面板は、前面ガラス基板の表面上にストライプ状の表示電極対が形成され、さらに、その上に誘電体層が形成され、さらに、その上に保護層が形成されてなる。
また、上記背面板は、背面ガラス基板の表面上にストライプ状のデータ電極が形成され、その上に誘電体層が形成され、また隣り合うデータ電極同士の間に隔壁が形成され、形成された隣り合う隔壁間に、赤、緑及び青色を発光する蛍光体層が順次形成されてなる。
上記背面板と上記前面板とが、双方に配設されている電極同士が直交するように対向配置されて重ね合わされており、その外縁を封着することにより内部に形成される密閉空間に放電ガスが充填されている。
なお、上記表示電極対は2本で1対を構成しており、一方をスキャン電極、他方をサステイン電極という。
上記表示電極対と1本のデータ電極とが、放電空間を挟んで立体的に交差する領域が画像表示に寄与するセルとなる。
AC型のPDPは、画像1フィールドを複数のサブフィールドに時分割し、サブフィールド毎に放電回数を制御して階調表示する。
各サブフィールドは、さらに、消去期間、初期化期間、書き込み期間及び維持期間と呼ばれる期間に区分され、それぞれにおいて各期間固有の処理が実行される。
このうちの書き込み期間では、点灯させるべき放電セルにおいて、パネルの上端の走査電極から順次、負電圧パルスを印加すると共に、データ電極には走査線上の画像データに対応する正電圧パルスを印加することにより、いわゆる書き込み放電を生ぜしめる。
これにより、点灯させるべき放電セルにおいて、蛍光体層表面及び維持電極付近の保護層表面には負の壁電荷が蓄積され、走査電極付近の保護層表面には正の壁電荷が蓄積される。
一方、点灯させない放電セルでは、そのデータ電極に電圧を印加しないので、書き込み放電が行われないため壁電荷も蓄積されない。
ところで、近年、走査線の数を増やして高精細化させた、いわゆるHDTV(High definition television)とよばれる高品位TVが普及しており、PDPにおいても高精細化に対応するものが登場している。
このような高精細化に対応するPDPでは、走査電極、維持電極及びデータ電極の数が飛躍的に増加するため、書き込み期間における処理量、即ち書き込み放電の回数が増加する。
全ての書き込み放電を1サブフールド時間内で完了させる必要があるので、書き込み期間では、走査電極に印加される走査パルス、データ電極に印加されるデータパルスは、例えば、図5(a)及び(b)並びに図6(a)及び(b)に示すように、印加する電圧パルスの幅をこれまでの5μsから3μsに短縮して高速駆動させる必要がある。
特開平9−92133号公報
しかしながら、実際のPDPの駆動では、書き込み期間において、電圧の印加が開始されてから放電が開始されるまでにはタイムラグ(以下、「放電遅れ」という。)が生じるため、電圧の印加時間を短かくする程、放電が生じる確率が低くなる傾向にある。
特に、緑色発光蛍光体が配されている放電セルにおいては、図5(c)に示すように、赤色または青色発光の蛍光体が配されている他の放電セルに比べ、放電遅れが顕著となる傾向(図中のG)にあり、高速駆動した場合、図6(c)に示すように緑色発光蛍光体が配されている放電セルでは放電が生じない場合がある。
また、仮に放電を開始したとしても、アドレスパルスのパルス幅内で放電が完了せず、アドレス放電による壁電荷の蓄積が十分に行われない状態に終わるために書き込み不良が発生し、維持期間において点灯しないといういわゆる黒ノイズも発生する。
このように緑色発光蛍光体が配された放電セルで点灯不良が生じると、表示品質の低下を招くという問題がある。
本発明は、このような問題を解決しようとなされたものであって、放電遅れの発生を抑制可能なガス放電表示パネルを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のガス放電表示パネルは、第1電極を覆う誘電体層の表面に保護層が形成され、放電空間を挟んで前記保護層と対向して蛍光体層が形成され、前記蛍光体層を基準としてさらに前記保護層から遠ざかる位置に第2電極が配されてなる放電セルを複数有し、前記第1電極と前記第2電極との間で放電を行うガス放電表示パネルであって、前記蛍光体層には、第1蛍光体層、第2蛍光体層及び第3蛍光体層の少なくとも3種が存在し、1つの放電セルには1種の蛍光体層のみが配されており、第1蛍光体層は、第2蛍光体層及び第3蛍光体層に比べ、第2電極に印加される電圧に対して帯電し難い帯電特性を有し、前記第1蛍光体層が配された放電セルの保護層には、放電遅れを抑制する抑制材料が、前記第2蛍光体層及び前記第3蛍光体層が配された放電セルの保護層よりも多く含まれていることを特徴する。または、第1電極を覆う誘電体層の表面に保護層が形成され、放電空間を挟んで前記保護層と対向して蛍光体層が形成され、前記蛍光体層を基準としてさらに前記保護層から遠ざかる位置に第2電極が配されてなる放電セルを複数有し、前記第1電極と前記第2電極との間で放電を行うガス放電表示パネルであって、前記放電の際には前記第2電極に正の電圧が印加され、前記蛍光体層には、帯電特性が負極性であって緑色発光する緑色蛍光体層、帯電特性が正極性であって赤色発光する赤色蛍光体層及び帯電特性が正極性であって青色発光する青色蛍光体層の3種が存在し、1つの放電セルには1種の蛍光体層のみが配されており、緑色蛍光体層が配された放電セルの保護層の厚みが、赤色発光及び青色発光の蛍光体層を含む放電セルの保護層の厚みに比べて、厚くなっていることを特徴としてもよく、その他にも、第1電極を覆う誘電体層の表面に保護層が形成され、放電空間を挟んで前記保護層と対向して蛍光体層が形成され、前記蛍光体層を基準としてさらに前記保護層から遠ざかる位置に第2電極が配されてなる放電セルを複数有し、前記第1電極と前記第2電極との間で放電を行うガス放電表示パネルであって、前記放電の際には前記第2電極に正の電圧が印加され、前記蛍光体層は、帯電特性が負極性であって緑色発光する緑色蛍光体層、帯電特性が正極性であって赤色発光する赤色蛍光体層及び帯電特性が正極性であって青色発光する青色蛍光体層の3種が存在し、1つの放電セルには1種の蛍光体層のみが配されており、緑色蛍光体層が配された放電セルの保護層の付着面積が、赤色蛍光体層及び青色蛍光体層が配された放電セルの保護層の付着面積に比べて大きいことを特長としてもよい。
上記構成により以下の効果を奏する。
第1蛍光体層が、第2蛍光体層及び第3蛍光体層に比べ、第2電極に印加される電圧の電位側に帯電し難い帯電特性を有しているため、各放電セルにおける第1電極及び第2電極の両電極間への電圧パルス印加条件が同一であり、どれも同様の電圧上昇が生じるものとすると、第1蛍光体層が配された放電セルにおける上記両電極間の電圧が放電開始電圧に達するまでの時間は、第2及び第3蛍光体層が配された放電セルにおける上記両電極間の電圧が放電開始電圧に達するまでの時間よりも長くなる傾向にあり、放電遅れが助長される傾向にあるが、前記第1蛍光体層が配された放電セルの保護層において生じる放電遅れを抑制する抑制材料が含まれているため、放電遅れが抑制される。
したがって、高速駆動時において、第1蛍光体層が配された放電セルにおける点灯不良の発生が抑えられる。
また、前記緑色蛍光体層は、負極性の帯電特性を有しているため、電圧パルスを第2電極に印加する前の初期状態においては、負の電位に帯電している可能性が高い。
一方、赤色蛍光体層及び青色蛍光体層では、正極性の帯電特性を有しているため、上記初期状態では、正の電位に帯電している可能性が高い。
このため、いずれの放電セルにおいても同様に、第1電極及び第2電極間に電圧パルスを印加した場合、緑色蛍光体層が配された放電セルにおける上記両電極間の電圧が放電開始電圧に達するまでの時間は、赤色蛍光体層及び青色蛍光体層が配された放電セルにおける上記両電極間の電圧が放電開始電圧に達するまでの時間よりも長くなる傾向にあるが、緑色蛍光体層が配された放電セルの保護層の厚みが、赤色蛍光体層及び青色蛍光体層が配された放電セルの保護層の厚みに比べて、厚くなっていることにより静電容量が小さくなっているので、電荷の蓄積能力が相対的に低くなっている。
そのため保護層から電子を放出し易くなっており、より放電の開始が促進され、放電遅れが抑制される。
さらに、緑色蛍光体層が配された放電セル内の2次電子の放出能力が高い保護層の付着面積が、赤色蛍光体層及び青色蛍光体層が配された放電セルの保護層の付着面積に比べて、大きくなっていることにより、緑色蛍光体層が配された放電セルでは、赤色蛍光体層及び青色蛍光体層が配された放電セルよりも、より放電の開始が促進されるので、放電遅れが抑制される。
さらに、請求項2の構成が望ましい。
これにより、以下の効果を奏する。
前記第1蛍光体層は、負極性の帯電特性を有しているため、電圧パルスが第2電極に印加される前の初期状態では、負の電位に帯電している可能性が高い。
一方、前記第2及び第3蛍光体層は、正極性の帯電特性を有しているため、上記初期状態では、正の電位に帯電している可能性が高い。
このため、いずれの放電セルにおいても同様に、第1電極及び第2電極間に電圧パルスを印加した場合、第1蛍光体層が配された放電セルにおける上記両電極間の電圧が放電開始電圧に達するまでの時間は、第2及び第3蛍光体層が配された放電セルにおける上記両電極間の電圧が放電開始電圧に達するまでの時間よりも長くなる傾向にあるが、上述したように、前記第1蛍光体層が配された放電セルの保護層に放電遅れを抑制する抑制材料が含まれているため、放電遅れが抑制される。
また、請求項3の構成が望ましい。
上記構成により、III族元素を用いることにより、放電遅れが抑制される。
また、請求項4の構成が望ましい。
上記構成により、放電遅れを抑制する材料として、安価な材料である、AlまたはBを用いることにより、コストアップが抑制される。
また、請求項5の構成が望ましい。
上記構成により、第2蛍光体層が配された放電セルにおいて生じる放電遅れが助長される傾向であっても、当該放電セルの保護層に、放電遅れを抑制する抑制材料が含まれていることにより、第3蛍光体が配された放電セルにおける放電開始時期に近づけることができる。
ところで、赤色及び青色発光蛍光体として実用化されている蛍光体は、いずれも正極性の帯電特性を有する。
これに対して、緑色発光蛍光体として実用化されている蛍光体は、いずれもが負極性の帯電特性を有する。
このため、カラー表示を実現する上で、必須となる赤色、緑色及び青色発光蛍光体それぞれをPDPなどのガス放電表示パネルに適用した場合、緑色発光蛍光体層が配された放電セルにおける放電遅れが顕著となり易い。
そのため請求項6の構成が望ましい。
上記構成により、緑色を発光する蛍光体層が配された放電セルにおける放電の遅れが抑制されることとなる。
(実施の形態1)
(構成)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス放電表示パネルの一例であるPDP100の1画素に対応する部分の断面図である。
PDP100は、高精細化対応の交流型(AC型)のPDPであり、互いに主面を対向させて配設された前面板90及び背面板91から構成される。
前面板90は、前面ガラス基板101と、表示電極対102と、誘電体層106と、保護層107とからなる。
前面ガラス基板101は、前面板90のベースとなる部材で、この前面ガラス基板101上には、表示電極対102が形成されている。
この表示電極対102の一方がスキャン電極102aであり、もう一方がサステイン電極102bである。
スキャン電極102aは、帯状の透明電極103aの長手方向に沿った縁部にバス電極105aが配されてなる。
また、スキャン電極102aは、帯状の透明電極103bの長手方向に沿った縁部にバス電極105bが配されてなる。
上記バス電極105a及びバス電極105bは、高い導電性を有する銀を主成分とするため、全体の抵抗値を下げる役割を果たす。
表示電極対102及び前面ガラス基板101は、さらに、誘電体層106及び保護層107で覆われている。
この保護層107は、膜厚の平均値が約0.7μmのMgOをベースとする膜体であり、対向する位置に配された蛍光体層の帯電特性に応じて、その組成が異なっている。
保護層107は、より具体的には後述する赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115Bと対向する領域それぞれ形成された保護層107R、107G及び107Bを有する。
ここで、保護層107Gは、母材となるMgOに抑制材料の一例として少なくともAlが0.002%以上、2%以下の範囲で添加されている。
このAlの保護層107Gへの導入は、電子ビーム蒸着法やイオンプレーティング法により誘電体層106の表面に堆積させて形成されたMgO膜表面にマスキングをしたフォトレジフト膜を介して前記Alをイオン注入により選択的に導入する。
一方、保護層107R及び107BにはAlを導入せず、MgOそのものの膜体とする。
背面板91は、背面ガラス基板111と、データ電極112と、誘電体層113と、隔壁114と、隣接する隔壁114どうしの間隙(以下、「隔壁溝」という。)の壁面に形成された蛍光体層115とからなる。
上記蛍光体層115の発光物質としては、例えば、下記に示すような蛍光体材料を用いる。
緑色蛍光体 ZnSiO:Mn
赤色蛍光体 Y:Eu,(Y,Gd)BO:Eu
青色蛍光体 BaMgAl1017:Eu
蛍光体層115は、より具体的には上記緑色蛍光体を含む緑色蛍光体層115Gと、上記赤色蛍光体を含む赤色蛍光体層115Rと、上記青色蛍光体を含む青色蛍光体層115Bとからなる。
前面板90及び背面板91は、対向して重ね合わされ、その周縁部に設けられた不図示の封着ガラスを介して接合されており、赤色蛍光体層115R、G及びBと保護層107との間隙が放電空間116となる。
この放電空間116には、He、Xe、Neなどの希ガス成分からなる放電ガス(封入ガス)が500〜600Torr(66.5〜79.8kPa)程度の圧力で封入されている。
表示電極対102と1本のデータ電極112とが、放電空間116を挟んで交差する近傍の領域が画像表示に寄与する放電セルとなる。
このPDP100において、点灯させようとする放電セルを横切るスキャン電極とデータ電極112間に電圧が印加されて書き込み放電がなされた後に、前記放電セルを横切るスキャン電極102a及びサステイン電極102bにパルス電圧が印加されることにより維持放電がなされる。
放電空間116において、上記維持放電により紫外線(波長約147nmを中心波長とする共鳴線)が発生し、この紫外線が蛍光体層115に照射されることにより、この紫外線が可視光に変換され放電セルが点灯し、画像が表示される。
(対向する蛍光体層の帯電特性に応じて保護層にAlを添加する理由)
書き込み放電においては、不図示の駆動回路により、図2(a)及び(b)に示すように、スキャン電極102aに負極性の電圧パルスを3μsの間印加する共に、これと同期してデータ電極112に正極性の電圧パルスを3μsの間印加する。
電圧パルスの印加期間として設定されている上記3μsの値は、高精細化のために画素数が増加し、放電回数が増加するため、従来のパルス印加幅として設定されている5μsの値よりも短かく設定されている。
書き込み放電では、電気力線が赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115B内をそれぞれ貫通しているため、各蛍光体層が配された各放電セルでは、赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115Bの物性の違いによって放電特性が異なる。
より具体的には、1)スキャン電極102a及びデータ電極112間に電圧パルス(以下、「書き込みパルス」という。)を印加する前の状態(以下、「初期状態」という。)では、放電空間116に露出している赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115Bの表面は、それぞれ正の電位、負の電位及び正の電位に帯電しいる。
2)書き込みパルスの印加を開始した後であって、かつ書き込み放電が生じる直前では、書き込みパルス印加による電圧上昇中に生じる電気力線の影響により、赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115Bの放電空間116に対する露出面の全てが正の電位に帯電する方向に向かうが、負極性の帯電特性を有する緑色蛍光体層115Gのみが上記電気力線を打ち消す方向に働くので、緑色蛍光体層115Gが配された放電セルでは、赤色蛍光体層115R及び青色蛍光体層115Bが配された放電セルに比べ、スキャン電極102a及びデータ電極112間の電位差が小さくなるため、緑色蛍光体層115Gが配された放電セルにおける上記電位差が放電可能な電圧(以下、「放電開始電圧」という。)以上となるまでの時間が長くなり、放電が開始される時間が相対的に遅くなる。
また、3)一旦書き込み放電が開始された後は、赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115Bの上記露出面には負の壁電荷が蓄積され、これと対向する位置にある保護層表面には正の壁電荷が蓄積される。
このように、緑色蛍光体層115Gが配された放電セルでは、赤色蛍光体層115R及び青色蛍光体層115Bが配された放電セルよりも、放電開始電圧に達するまでの時間が長くなり、書き込み放電の開始時期が遅くなる(以下、「放電遅れ」という。)傾向が顕著になる。
特に、緑色蛍光体層115GにSi(Silicon)が含まれている場合に、放電遅れが助長されることが試験の結果判明した。
このような場合であっても、緑色蛍光体層115Gが配された放電セルの保護層107GにAlが添加されているため、トリガーとなる初期電子が保護層107Gの表面から放出され易くなり、図2(c)に示すように放電遅れ時間を短縮化することができる。
ここで、図2(c)は、書き込み放電に伴って発生する紫外線の発光強度と時間との関係を示す図であり、紫外線の発光強度変化が放電の強度変化と対応している。
つまり、保護層107Gの影響により、緑色蛍光体層115Gが配された放電セルの放電遅れ時間が、赤色蛍光体層115Rまたは青色蛍光体層115Bが配された放電セルの放電遅れ時間と同等となっている。
以上のように、本実施の形態1では、蛍光体の帯電特性に着目したとき、帯電特性が負極性のために、正極性の帯電特性を有する赤色及び青色の蛍光体層が配された放電セルよりも、放電遅れ時間が顕在化する放電セルにおいて、緑色蛍光体層と対向する保護層にAlを添加することにより、前記放電遅れが抑制される。
なお、本実施の形態1では、保護層107Gに母材となるMgOに抑制材料の一例としてAlが添加されているとしたが、Al(Aluminum)と同じIII族に属するB(Boron)を0.002%以上、2%以下の範囲で添加しても、Alと同様に放電遅れを抑制することが確認されため、Alの代わりにBを保護層に添加してもよい。
また、本実施の形態1では、緑色蛍光体層と対向する保護層にのみAlを添加した、即ち、最も放電遅れが顕著となっている放電セルの保護層のみにAlを添加したが、厳密には、赤色、緑色及び青色蛍光体層それぞれにおいて、帯電特性が異なっているため、さらに、これらの帯電特性に応じてこれらの蛍光体層に対向している保護層それぞれについて、放電遅れが抑制される適量のIII族の元素を添加することにより、放電遅れの抑制をより木目細かに行うことができ、その結果、さらに高速且つ安定的な書き込み、壁電荷の形成が可能となる。
また、保護膜のベースとしてMgOを用いたが、アルカリ土類金属の酸化物またはアルカリ土類金属の弗化物、あるいはこれらの混合物も使用できる。
(実施の形態2)
以下、本実施の形態2におけるガス放電パネルの一例であるPDPについて説明する。
図3は、本発明の実施の形態2におけるPDP200の1画素に対応する部分の断面図である。
PDP200は、実施の形態1のPDP100と同様に、高精細化が図られたPDPであり、互いに主面を対向させて配設された前面板88び背面板91から構成される。つまり、前面板88の構成だけがPDP100と異なる。
より具体的には、PDP200の前面板88は、保護層の構成のみがPDP100の前面板90と異なる。
以下、前面板88に配された保護層108について説明する。
保護層108は、実施の形態1における保護層107と同様に誘電体層106上に積層されたMgOをベースとする膜体であり、対向する位置に配された蛍光体層の帯電特性に応じて、その膜厚が異なっている。
より具体的には、保護層108は、より具体的には、赤色蛍光体層115R、緑色蛍光体層115G及び青色蛍光体層115Bそれぞれと対向する第1保護層領域108R、第2保護層領域108G及び第3保護層領域108Bからなり、第1保護層領域108R及び第3保護層領域108Bの保護膜の厚さは約0.5μmとなっており、また、第2保護層領域108Gの保護膜の厚さが約1.0μmとなっている。
膜厚の制御は、誘電体層106の表面全体に厚い保護膜を堆積させ、マスクエッチングをすることにより第1保護層領域108R及び第3保護層領域108Bの膜厚を薄くする。
(対向する蛍光体層の帯電特性に応じて保護層の膜厚を変える理由)
緑色蛍光体層115Gが配された放電セルでは、実施の形態1において説明したように放電遅れが顕著となる傾向があるため、緑色蛍光体層115Gと対向する位置に存在する第2保護層領域108Gの膜厚を厚くすることによって、静電容量を低下させて電荷の蓄積能力を低下させ、第1保護層領域108R及び第3保護層領域108Bよりも早く電荷が飽和状態に移行させることによって、2次電子放出能力を高めて放電遅れを抑制することができる。
また、本実施の形態2では、緑色蛍光体層と対向する保護層の膜厚のみを厚くした、即ち、最も放電遅れが顕著となっている放電セルの保護層のみを厚くしたが、厳密には、赤色、緑色及び青色蛍光体層それぞれにおいて、帯電特性が異なっているため、さらに、これらの帯電特性に応じてこれらの蛍光体層に対向している保護層それぞれについて、放電遅れが抑制される適量の膜厚を設定することにより、放電遅れの抑制をより木目細かに行うことができ、その結果、さらに高速且つ安定的な書き込み、壁電荷の形成が可能になる。
(実施の形態3)
以下、本実施の形態3におけるガス放電パネルの一例であるPDPについて説明する。
図4は、本発明の実施の形態3におけるPDP300の1画素に対応する部分の断面図である。
PDP300は、実施の形態1のPDP100と同様に、高精細化が図られたPDPであり、互いに主面を対向させて配設された前面板89び背面板91から構成される。つまり、前面板89の構成だけがPDP100と異なる。
より具体的には、PDP300の前面板89は、保護層の構成のみがPDP100の前面板90と異なる。
以下、前面板89に配された保護層109について説明する。
保護層109は、実施の形態1における保護層107と同様に誘電体層106上に積層されたMgOをベースとする膜体であり、対向する位置に配された蛍光体層の帯電特性に応じて、放電セルにおける付着面積が異なっている。
より具体的には、各放電セルの保護層は、放電セルの中央を通り隔壁に平行して帯状に配されており、赤色蛍光体層115Rが配された放電セル内における保護層109の幅W1、緑色蛍光体層115Gが配された放電セル内における保護層109の幅W2、青色蛍光体層115Bが配された放電セル内における保護層109の幅W3について、それぞれ以下に示す2つの式の関係を満足するように構成されている。
[数1] W2>W1
[数2] W2>W3
つまり、緑色蛍光体層115Gが配された放電セル内における保護層109の付着面積が、赤色蛍光体層115R及び青色蛍光体層115Bが配された放電セル内における保護層109の付着面積よりも大きくなっている。
ここで、W1、W2及びW3の具体的寸法は、それれぞれ150μm、170μm及び160μmである。
このように保護層109を帯状に配し、かつその幅をコントロールするには、誘電体層106の表面全体に一旦保護膜を積層させ、不要な部分をマスクエッチングにより取り除いて幅を調整する。
(対向する蛍光体層の帯電特性に応じて保護層の付着面積を変える理由)
緑色蛍光体層115Gが配された放電セルでは、実施の形態1において説明したように放電遅れが顕著となる傾向があるため、緑色蛍光体層115Gと対向する位置に存在する保護層109の幅W2の値を、赤色蛍光体層115R及び青色蛍光体層115Bが配された放電セルに存在する保護層109の幅W1及びW3の値よりも大きくして、2次電子放出係数の大きい保護層の付着面積を相対的に大きくすることによって、2次電子放出を容易に行えるようにし、放電開始時期を早めることができる。
(その他の事項)
本発明は、PDP以外のガス放電表示パネルに対して適用した場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
本願発明は、テレビジョン及びコンピュータ用モニタなどに用いられる表示デバイスに適用可能である。
本発明の実施の形態1におけるガス放電表示パネルの一例であるPDPの1画素に対応する部分の断面図である。 本実施の形態1における赤色、緑色及び青色蛍光体層が配された放電セルにおける放電遅れの発生状況を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるPDPの1画素に対応する部分の断面図である。 本発明の実施の形態3におけるPDPの1画素に対応する部分の断面図である。 従来のPDPにおける放電遅れの状況を示す図である。 従来の高精細化対応PDPにおける放電発生状況を示す図である。
符号の説明
88 前面板
89 前面板
90 前面板
91 背面板
100 PDP
101 前面ガラス基板
102 表示電極対
102a スキャン電極
102b サステイン電極
103a 透明電極
103b 透明電極
105a バス電極
105b バス電極
106 誘電体層
107 保護層
108 保護層
108R 第1保護層領域
108G 第2保護層領域
108B 第3保護層領域
109 保護層
111 背面ガラス基板
112 データ電極
113 誘電体層
114 隔壁
115 蛍光体層
115B 青色蛍光体層
115R 赤色蛍光体層
115G 緑色蛍光体層
116 放電空間
200 PDP
300 PDP

Claims (8)

  1. 第1電極を覆う誘電体層の表面に保護層が形成され、放電空間を挟んで前記保護層と対向して蛍光体層が形成され、前記蛍光体層を基準としてさらに前記保護層から遠ざかる位置に第2電極が配されてなる放電セルを複数有し、前記第1電極と前記第2電極との間で放電を行うガス放電表示パネルであって、
    前記蛍光体層には、第1蛍光体層、第2蛍光体層及び第3蛍光体層の少なくとも3種が存在し、1つの放電セルには1種の蛍光体層のみが配されており、
    第1蛍光体層は、第2蛍光体層及び第3蛍光体層に比べ、第2電極に印加される電圧に対して帯電し難い帯電特性を有し、
    前記第1蛍光体層が配された放電セルの保護層には、放電遅れを抑制する抑制材料が、前記第2蛍光体層及び前記第3蛍光体層が配された放電セルの保護層よりも多く含まれていることを特徴とするガス放電表示パネル。
  2. 前記放電の際には前記第2電極に正の電圧が印加され、
    前記第1蛍光体層が負極性の帯電特性を有し、
    前記第2蛍光体層及び前記第3蛍光体層が正極性の帯電特性を有することを特徴とする請求項1に記載のガス放電表示パネル。
  3. 前記保護層の主成分は、MgOであって、
    前記抑制材料として、III族元素を用いることを特徴とする請求項2に記載のガス放電表示パネル。
  4. 前記抑制材料は、少なくともAlまたはBであることを特徴とする請求項3に記載のガス放電表示パネル。
  5. さらに、前記第2蛍光体層は、第3蛍光体層に比べ、第2電極に印加される電圧に対して帯電し難い帯電特性を有し、
    前記第2蛍光体層が配された放電セルの保護層にも、放電遅れを抑制する抑制材料が含まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガス放電表示パネル。
  6. 前記第1蛍光体層、前記第2蛍光体層及び前記第3蛍光体層は、それぞれ発光色が異なり、
    前記第1蛍光体層は、緑色を発光することを特徴とする請求項2に記載のガス放電表示パネル。
  7. 第1電極を覆う誘電体層の表面に保護層が形成され、放電空間を挟んで前記保護層と対向して蛍光体層が形成され、前記蛍光体層を基準としてさらに前記保護層から遠ざかる位置に第2電極が配されてなる放電セルを複数有し、前記第1電極と前記第2電極との間で放電を行うガス放電表示パネルであって、
    前記放電の際には前記第2電極に正の電圧が印加され、
    前記蛍光体層には、帯電特性が負極性であって緑色発光する緑色蛍光体層、帯電特性が正極性であって赤色発光する赤色蛍光体層及び帯電特性が正極性であって青色発光する青色蛍光体層の3種が存在し、1つの放電セルには1種の蛍光体層のみが配されており、
    緑色蛍光体層が配された放電セルの保護層の厚みが、赤色発光及び青色発光の蛍光体層を含む放電セルの保護層の厚みに比べて、厚くなっていることを特徴とするガス放電表示パネル。
  8. 第1電極を覆う誘電体層の表面に保護層が形成され、放電空間を挟んで前記保護層と対向して蛍光体層が形成され、前記蛍光体層を基準としてさらに前記保護層から遠ざかる位置に第2電極が配されてなる放電セルを複数有し、前記第1電極と前記第2電極との間で放電を行うガス放電表示パネルであって、
    前記放電の際には前記第2電極に正の電圧が印加され、
    前記蛍光体層は、帯電特性が負極性であって緑色発光する緑色蛍光体層、帯電特性が正極性であって赤色発光する赤色蛍光体層及び帯電特性が正極性であって青色発光する青色蛍光体層の3種が存在し、1つの放電セルには1種の蛍光体層のみが配されており、
    緑色蛍光体層が配された放電セルの保護層の付着面積が、赤色蛍光体層及び青色蛍光体層が配された放電セルの保護層の付着面積に比べて大きいことを特徴とするガス放電表示パネル。
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