(実施形態1)
本発明の一実施形態について図1ないし図31に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態に係る表示装置10は、図2に示すように、電子データ100に基づき図形および/または文字などの表示画像を表示する表示部11と、ユーザからの指示または情報の入力を受け付ける操作部(受け付け手段・位置指定情報受け付け手段・設定解除指示受け付け手段)14と、表示装置10の外部に設けられている端末装置22とのデータの入出力を行うためのインタフェース部16とを備えている。
なお、この図2は、本実施の形態に係る表示装置の概略構成を示す図である。
また、この表示装置10は、通信ネットワーク20を通じて、電子データ100を保持する端末装置22と通信可能に接続されている。そして、表示装置10は、自身が保持する電子データ100または、端末装置22から取得した電子データ100に基づく表示を行うことができる。
なお、この端末装置22は、着脱可能なHDD(Hard Disk Drive)またはPC(Personal Computer)カードなどの端末記憶部21を備え、この端末記憶部21に電子データ100を保持している。
またこの表示装置10は、後述する記憶部13(図2において不図示)に記憶された電子データ100を、操作部14として設けられた、例えば上、下、左、右キーまたは中央のキーをユーザが操作することで表示することができる構成である。また、インタフェース部16を介して、ネットワーク20を通じて外部の端末装置22から電子データ100を取得し、該電子データ100に基づく表示を行うことができる構成でもある。
また、この表示装置10では、例えば、表示された画像を、上下にスクロールしたり、左右にスクロールしたりすることができる。すなわち、本実施の形態に係る表示装置10では、表示領域90内において表示しきれない部分を表示させるために、表示画像を上下あるいは左右に移動させることができるように構成されている。
このため、例えば、表示部11において表示している表示画像の下部が表示領域90外となるため表示されていないとき、該表示画像を上方に移動させて見えなかった部分を見えるようにすることができる。
ここで、図1を参照して、本実施の形態に係る表示装置10の要部構成について説明する。なお、この図1は、本実施の形態に係る表示装置10の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように表示装置10は、表示部11、レイアウト部12、表示制御部13(設定手段・スクロール範囲解除手段)、操作部14、記憶部15、インタフェース部16、およびスクロール範囲変更処理部30を備えている。
上記記憶部15は、記憶装置であり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリなどのメモリデバイスで構成される。この記憶部15には、本実施の形態に係る表示装置10において表示させるための電子データ100が格納される。なお、この電子データ100は、文字コードおよび/または画像データなどを含む。
また、この記憶部15には、初期値スクロール範囲情報18も記憶している。この初期値スクロール範囲情報18とは、表示部11における表示領域90にまだ画像など表示されていない初期状態におけるスクロール範囲101を示す情報である。
すなわち、本実施形態では、表示部11の表示領域90に対して座標を設定しており、この設定した座標の値によってこのスクロール範囲101を規定することができるようになっている。なお、このスクロール範囲101とは、表示領域90において、表示画像をスクロールさせて移動可能とさせる範囲であり、電子データ100に基づき表示された表示画像のレイアウトが、ユーザの操作によって、再描画され変更される。
なお、このレイアウトとは、表示領域90において電子データ100に基づき表示される表示画像の表示配置である。
上記表示部11は、図示しないグラフィックカード上にVRAM(Video Random Access Memory)を有している。したがって、表示部11は、入力されるデータを一旦VRAMに格納し、表示用信号に変換させて画像として表示領域90に表示する。なお、本実施形態ではこの表示部11は液晶表示パネルであるが、これに限定されるものではなく例えば、プラズマディスプレイ、有機あるいは無機EL(Electro Luminescence)パネル、CRTディスプレイ等であってもよい。
レイアウト部12は、記憶部15やネットワーク20の記憶装置21の電子データ100から表示部11において表示可能とするためのレイアウトデータを生成するものである。
表示制御部13は、表示装置10が備える各部に対する全体的な制御を行うものである。例えば、表示制御部13は、電子データ100の表示を行うために、記憶部15から該電子データ100を取得したり、あるいは後述するインタフェース部16に指示して端末装置22から該端末装置22が保持する電子データ100を取得したりする。そして、表示制御部13は、取得した電子データ100をVRAMに格納させ、この格納した電子データ100のうち適切な範囲のデータを表示用データに変換させ表示部11において表示させるように指示する。
なお、この表示制御部13は、格納する電子データ100と、電子データ100を格納するVRAM上のアドレスと、表示領域90において設定した座標とが対応付けられたテーブル(不図示)を保持している。そして、表示制御部13は、このテーブルを参照して適切な表示位置に、電子データ100の所望する部分の表示を行うように制御することができる。
また、本実施の形態に係る表示装置10は、表示領域に表示させた画像をスクロールさせることができるようになっているが、この画像のスクロールは例えば下記のようにして実現できる。
すなわち、上述したように表示制御部13が上記テーブルを保持している。このため、表示制御部13は、VRAM上における電子データ100の格納領域を変更させることにより該電子データ100に基づく画像の表示領域における表示位置を変更させ、画像のスクロールを実現させることができる。
あるいは、表示領域90上の座標とVRAMのメモリ領域上のアドレスとの対応関係を書き換えるハードウェア(不図示)をさらに備え、このハードウェアによってVRAMに格納されている電子データ100の表示領域90上の座標とメモリ領域上のアドレスとの対応関係を変更させることにより画像のスクロールを実現する構成であってもよい。
上記のようにスクロールさせて表示画像の表示位置を変更させるたびに表示させる画像の電子データ100のメモリ領域上における格納位置を変更させる場合、VRAMのメモリ領域に電子データ100を格納しなおす必要があるため時間がかかる。
一方、VRAM上のメモリ領域におけるアドレスと、表示領域90上の座標との対応関係をハードウェアによって変更させる場合、上記VRAMにおける電子データ100の格納位置を変更させる構成よりもスクロール後の画像を迅速に表示させることができる。
ただし、VRAM上のメモリ領域におけるアドレスと、表示領域90上の座標との対応関係をハードウェアによって変更させる場合、この変更は対応付けを変更させるために設けられた回路の数だけに限定されてしまう。
上記操作部14は、ユーザからの指示および/または情報を受け付けるための入力手段であり、例えば、キーボード、マウス、タブレット(入力パネル)、入力ペン、キー(ボタン)、またはマイクなど、様々な入力手段によって実現することができる。
インタフェース部16は、本実施の形態に係る表示装置10の外部とのインタフェースを提供するものであり、外部との電子データ100の送受信を行うための入出力手段として機能する。本実施形態に係るインタフェース部16は、ネットワークカードなどにより実現することができ、ネットワーク20に接続されている。なお、このネットワーク20との接続は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
上記スクロール範囲変更処理部30は、表示部11の表示領域90におけるスクロール範囲101の変更を表示制御部13に対して指示するものである。このスクロール範囲変更処理部30は、機能ブロックとして分割固定範囲位置判定部(判定手段・端部判定手段・隣接判定手段)31、データ連続性判定部(判定手段・連続判定手段)32、およびスクロール範囲変更指示部(変更手段)33を備えている。
上記分割固定範囲位置判定部31は、表示部11の表示領域90において分割固定範囲201の表示位置がどこに位置するのかを判定するものである。より具体的には、スクロール範囲101と分割固定範囲201との位置関係を監視し、移動方向における両者の端部が一致するか否かを判定する。
なお、この分割固定範囲201とは、表示画像の配置関係を固定して表示させる範囲であり、この分割固定範囲201において表示される表示画像では、該表示画像の配置関係(レイアウト)を変更させることができない。
データ連続性判定部32は、分割固定範囲201において表示されている表示画像とスクロール範囲101とにおいて表示されている表示画像との間において表示内容に連続性があるか否かを判定するものである。
スクロール範囲変更指示部33は、上記分割固定範囲位置判定部31またはデータ連続性半判定部14における判定結果に応じて、スクロール範囲101を決定し、該スクロール範囲101の変更を表示制御部13に指示するものである。
また、本実施の形態に係る表示装置10が備える各部間でのデータ送受信は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)に接続されたバスを用いて行われているが、これに限定されるものではなく、データを授受できるならば、通信ケーブルや無線通信装置などを介する構成であってもよい。
また、本実施形態に係る表示装置10では、特に上記表示制御部13、レイアウト部12、およびスクロール範囲変更処理部30は、ROM(read only memory)などに記憶されている図示しないプログラムを、図示しないCPUがRAMなどに読み出し実行することによって実現することができる。なお、実現手段としては、プログラムとCPUとを用いる構成に限定されるものではなく、例えば、DSP(Digital Signal Processor)、または、処理手段が回路として組み込まれているロジック回路などを用いる構成であってもよい。また、プログラムは、記憶部13ではなく、外部の記憶装置21に記憶されていてもよい。
すなわち、表示装置10の各ブロック、特に表示制御部13、レイアウト部15、およびスクロール領域変更処理部30は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、表示装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである表示装置10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記表示装置10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、表示装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
ここで、上記した構成を有する本実施の形態に係る表示装置の表示処理について(図3)を参照して説明する。なお、この図3は、本実施の形態に係る表示装置10の表示処理を示すフローチャートである。
まず、表示装置10では、電子データ100の読み込みを行う(ステップS10、以下S10というように称する)。すなわち表示装置10では、表示制御部13が、記憶部15、または外部の端末装置22が保持する電子データ100を読み出すように制御し、読み出した電子データ100を不図示のVRAMに一時記憶させる。
電子データ100が読み出されると、表示装置10は読み出した電子データ100に基づき表示部11に表示させるレイアウトデータを作成し、このレイアウトデータに基づく表示を行う、レイアウト作成・表示処理を行う(S20)。すなわち、電子データ100が読み出されると、表示制御部13からの指示に応じて、VRAMに一時記憶されている電子データ100に基づき、レイアウト部12が表示用のレイアウトデータを生成する。そして、作成されたレイアウトデータを表示制御部13が表示部11に指示して表示させる。なお、このレイアウト作成・表示処理についての詳細な説明は後述する。
このようにレイアウト作成・表示処理によって、表示部11に電子データ100を表示すると、ステップS30へと処理が進む。
ここでは、操作部14が、ユーザの分割固定範囲201を指定する指示を受け付けると、この指示を表示制御部13に通知する。表示制御部13は、操作部14によって受け付けたユーザからの指示に基づき分割固定範囲201を決定する分割固定範囲指定処理を行う。なお、この分割固定範囲201は、スクロール範囲101においてユーザによって任意に指定することができるようになっている。そして、指定された範囲において表示される表示画像の配置位置(レイアウト)は固定される。なお、この分割固定範囲指定処理についての詳細は後述する。
上記分割固定範囲指定処理によって分割固定範囲201を決定すると、次に、操作部14がユーザからのスクロール操作の実行指示を受け付ける。このユーザからのスクロール操作の実行指示に基づき表示制御部13が、スクロール範囲101に表示される表示画像をスクロールできるように、レイアウト部12および表示部11に指示を出す。
一方、レイアウト部12および表示部11は、表示制御部13からの指示に応じて、ユーザからのスクロール操作指示を反映した表示を行うための分割スクロール処理を行う。なお、この分割スクロール処理についての詳細は後述する。
このように、この分割スクロール処理によって、上記スクロール範囲101に表示される表示画像をスクロールさせる。ここで、操作部14が、ユーザから分割固定範囲201を解除する旨の指示を受け付けた場合、表示制御部13は表示部11およびレイアウト部12に下記の指示を行う。
すなわち、表示制御部13が、ユーザの指定した上記分割固定範囲201を解除するように表示部11およびレイアウト部12に指示する。この表示制御部13からの指示に応じて、表示部11およびレイアウト部12が、再びレイアウト作成・表示処理を実行し、分割固定範囲解除処理を行う。なお、この分割固定範囲解除処理についての詳細な説明は後述する。
また、上記した分割固定範囲解除処理によって、表示領域90上における分割固定範囲201を解除させた状態において、操作部14が、ユーザからの表示処理を終了する旨の指示を受け付けるとこの指示を表示制御部13に通知する。表示制御部13は、操作部14が受け付けたユーザからの指示に応じて、表示処理を終了するように表示部11およびレイアウト部12を制御する。
一方、終了を指示する旨の通知を操作部14が受け付けていない間は、再び、ステップS30に処理が戻り、分割固定範囲指定処理、分割スクロール処理、分割固定範囲解除処理のいずれかが繰り返される。
以上、表示装置10における表示処理について説明した。以下では、電子データ100の一例を用いて、表示処理の各処理(分割固定範囲指定処理、分割スクロール処理、分割固定範囲解除処理)それぞれについて詳細に説明する。
まず、前提として、本実施の形態に係る表示装置10では、図40に示す電子データ100に基づき表示を行うものとして説明する。なお、この電子データ100は、上記したように、文字を示す文字コード、および改行などを示す制御コードなどで構成されている。そして、この電子データ100に基づき該電子データ100をすべて表示したと仮定した場合、1行目が「0000−ABCDE」の文字列で構成され、改行コードで改行された2行目は「0001−FGHIJ」の文字列で構成される。そして、順に3行目以降も同様な構成となっている。
そして、この図40に示す電子データ100を表示装置10の表示部11における表示領域90に表示させると図41に示すようになる。なお、本実施例では初期状態では、この表示領域90において表示画像をスクロールさせることができるスクロール範囲101は、この表示領域90と略一致する範囲となっている。
(レイアウト作成・表示処理)
ここで図4を参照して、本実施の形態に係る表示装置10におけるレイアウト作成・表示処理について説明する。なお。この図4は、本実施の形態に係る表示装置10におけるレイアウト作成・表示処理を示すフローチャートである。
まず、表示装置10において電子データ100を読み出すと、表示制御部13が表示部11の表示領域90におけるスクロール範囲101の情報を取得する(S21)。上記したようにこのスクロール範囲101は、電子データ100の表示が行われていない初期状態では、表示領域90と略一致する。
なお、このスクロール範囲101の情報の取得は、以下のようにして実行できる。すなわち、表示制御部13が、電子データ100の読み出しを完了すると、記憶部15に記憶されている初期値スクロール範囲情報18を取得する。この初期値スクロール範囲情報18は、上述したように表示部11における表示領域90に設定した座標の値で表現されている。
そして、表示制御部13は、取得した初期値スクロール範囲情報18をレイアウト部12に送信するとともに、該スクロール範囲101内に表示させるための表示用データを生成するように指示する。
このようにレイアウト部12が、表示制御部13から電子データ100および初期値スクロール範囲情報18を取得すると、スクロール範囲101に表示させる表示用データとしてレイアウトデータを生成する(S22)。すなわち、ここでは図40に示す電子データ100に含まれる文字コードおよび改行コードに基づきレイアウトデータを生成する。
レイアウト部12がレイアウトデータを生成すると、この作成したレイアウトデータを表示制御部13が取得する。そして、表示制御部13は、表示部11に対して、このレイアウトデータを送信するとともに該レイアウトデータを表示させるように指示する。この表示制御部13からの指示に応じて表示部11は、レイアウトデータに基づく表示を行う(S23)。
以上、レイアウト作成・表示処理について説明した。続いて図5および図6を参照して上記した分割固定範囲指定処理の詳細について説明する。
(分割固定範囲指定処理)
図5は、本実施の形態に係るスクロール範囲101において分割固定範囲を指定する一例を示す図である。この図5では、電子データ100に基づく表示の一状態を表している。そして、この図5に示す表示領域90において太線の矩形で表される範囲は、スクロール範囲101を示している。なお、このスクロール範囲101は、説明の便宜上、表示領域90において矩形の太線によって示しているが、スクロール範囲101をこのような矩形画像によって必ずしも視覚的に示す必要はない。また、スクロール範囲101の形状はこのような矩形に限定されるものではない。
図6は、本実施の形態に係る表示装置10における分割固定範囲指定処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS20におけるレイアウト作成・表示処理が終了し、レイアウトデータに基づく表示を行っている状態において、操作部14が分割固定範囲指定指示を示す旨の情報を受け付けた場合(S31において「YES」)、該操作部14は受け付けた情報を表示制御部13に通知する。表示制御部13は、この情報を受信すると、操作部14に指示して分割固定範囲201の開始位置の入力を受け付ける、待ち受け状態とさせる。そして、操作部14は、分割固定範囲201の開始位置の入力をユーザから受け付ける(S32)。
一方、分割固定範囲指定指示を受け付けていない場合(S31において「NO」、分割固定範囲指定処理を実行しない(リターン)。
なお、上記した分割固定範囲指定指示は、例えば、ユーザが、以下の操作を行った結果として操作部14が受け付けることができる。
すなわち、ユーザが、操作部14として実現できる操作キーを押下するとメニューが表示され、メニューから「分割固定範囲指定」という項目を選択する。もしくは、ユーザが、分割固定範囲指定指示が割り当てられた任意のキーを押下するなどの操作を行う。そして、このようなユーザによる操作の結果、操作部14は、分割固定範囲指定指示を受け付けることができる。
また、上記した分割固定範囲201の開始位置指定の入力は、ユーザが操作部14を操作して任意の座標、もしくは、縦、横、斜めの直線で矩形範囲の一辺を指定する。なお本実施の形態では、図5に示すようにスクロール範囲101における、表示画像のスクロール方向に対して、垂直となる直線(Yb1)により上記開始位置を指定している。
ステップS32において、ユーザからの分割固定範囲201の開始位置を指定する情報の入力を受け付けると、この受け付けた情報を表示制御部13に送信する。表示制御部13は、この情報を受信すると、操作部14に指示して分割固定範囲201の終了位置の入力を受け付ける、待ち受け状態とさせる。そして、操作部14は、分割固定範囲201の終了位置の入力をユーザから受け付ける(S33)。
この分割固定範囲201の終了位置指定の入力は、分割固定範囲201の開始位置の指定と同様の操作をユーザが行うことで実現できる。なお本実施の形態では、図5に示すようにスクロール範囲101において表示画像をスクロール可能とする方向に対して、垂直となる直線(Yb2)により上記終了位置を指定している。
以上のようにステップS32およびステップS33によって、分割固定範囲201の開始位置および終了位置を示す情報が入力されると、表示制御部13は、操作部14に対して、ユーザからの分割固定範囲201の決定指示の入力を待ち受けるように指示する。このように表示制御部13からの指示に応じて、操作部14がユーザからの上記決定指示の入力を待ち受けている状態において、ユーザから上記決定指示の入力がなされると、この入力された情報は、操作部14を介して表示制御部13に送信される。
表示制御部13は、操作部14から上記決定指示の入力を受信すると、ステップS32およびステップS33によって指定した範囲を分割固定範囲201として決定し、「分割固定範囲指定処理」を終了する(リターン)。
なお、本実施形態では、例えば、図5の分割固定範囲201の開始位置Yb1と終了位置Yb2によって囲まれる斜線の範囲を分割固定範囲201として決定する。開始位置Yb1と終了位置Yb2の位置の指定は逆でもよい。また、スクロール範囲101上における分割固定範囲201の形状は、矩形範囲に限らず多角形や円形など任意の範囲でもよい。
一方、上記ステップS34において分割固定範囲201の決定指示の入力を受け付けていない間では(S34において「NO」)、ステップS32に戻り再度、ステップS32で分割固定範囲201の開始位置を指定の入力を受け付け、S33で分割固定範囲201の終了位置の指定を受け付ける。
なお、ステップS34において分割固定範囲201の終了位置を示す情報を受け付けてから所定期間内に上記決定指示を操作部14が受け付けない場合、上記ステップS32に戻るように構成されていてもよい。あるいは、既に入力した分割固定範囲指定を取り消し変更する旨の指示を示す情報を受け付けることによりステップS32に戻るように構成されていてもよい。
以上、分割固定範囲指定処理の詳細について説明した。続いて以下において分割スクロール処理の詳細について図7〜図15を参照して説明する。
(分割スクロール処理)
図7は、本実施の形態に係る表示装置における分割スクロール処理を示すフローチャートである。また、図8は、本実施の形態に係る表示装置10のスクロール範囲101において表示された表示画像を、ユーザからの下方向への操作指示に応じてスクロールした場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(c)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。
ここで、ステップS30における分割固定範囲指定処理により分割固定範囲201の指定がなされ、表示部11における表示状態が例えば図8(a)に示すようになるものとする。
なお、この図8(a)〜(c)において記載されている矢印は、ユーザからのスクロール操作指示方向を示しており、図8ではユーザによって下方向へスクロール操作指示が指示される事を示している。この下方向へのスクロール操作指示は、ユーザが下キーを押下することで実現できる。
また、本実施例では、ユーザによる1回の下キーの押下に対して、スクロール範囲101において上記スクロール操作指示方向とは逆向きとなる画像移動方向(スクロール範囲における上方向)に表示画像が1行分移動するものとする。
なお、この画像移動方向とは、電子データ100のレイアウトを再描画した際に、電子データ100が移動しているように見える方向を表す。画像移動方向は、ユーザが操作したスクロール操作指示方向と逆の方向を指すことになる。また、上記ユーザによるスクロール操作は、例えば、ユーザが操作部14の上下左右のキーを押下するなどして操作情報を入力することができる。
このように図8(a)に示す表示状態において、ユーザから、スクロール範囲101における表示画像に対する下方向へのスクロール操作指示を操作部14が受け付け(S41において「YES」)、表示状態が図8(a)から図8(b)へと変更されたとする。すなわち、分割固定範囲201を含むスクロール範囲101の表示画像が表示領域90における上方向(画像移動方向)に移動するように表示状態が変更されるものとする。
さらにユーザが操作部14を操作して下方向のスクロールを継続すると、図8(c)に示すように、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部と、分割固定範囲201の画像移動方向側の端部とが一致するような表示となる。
図8(c)に示すような表示状態になると、本実施の形態に係る情報処理装置10では、表示制御部13が、スクロール範囲変更処理部30と協働してスクロール範囲101の縮小を行うスクロール範囲縮小処理を行う(S42)。なお、このスクロール範囲縮小処理の詳細については後述する。
一方、ステップS41においてスクロール操作を示す情報を操作部14が受け付けていない場合、分割スクロール処理を終了する(リターン)。
スクロール範囲縮小処理による判定が完了し、さらにユーザからのスクロール操作の指示を操作部14が受け付け、表示状態が図9(a)に示すようになったとする。なお、図9は、本実施の形態に係る表示装置10のスクロール範囲101における表示画像をユーザからの上方向への操作指示に応じてスクロールした場合の表示状態を示す図であり、同図(a)および(b)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。
表示部11の表示領域90における表示状態が図9(a)に示すような状態から、今度はユーザからの上方向へのスクロール操作指示を受け付けて、縮小されたスクロール範囲101における表示画像が図8(a)〜図8(c)とは逆の方向に移動するものとする。そして、例えば図9(b)のような表示状態となるとする。
すなわち、表示状態が図9(b)に示すように、分割固定範囲201において表示されている表示画像と、スクロール範囲101において表示されている表示画像とが連続するようになる。
このように、分割固定範囲201において表示されている表示画像とスクロール範囲101において表示されている表示画像とが連続する内容となる場合、表示制御部13が、スクロール範囲変更処理部30と協働してスクロール範囲101を拡大させるスクロール範囲拡大処理を行う(S43)。なお、このスクロール範囲拡大処理についての詳細は後述する。スクロール範囲拡大処理の判定が完了するとステップS44へ処理が進む。
ステップS44では、レイアウト部12によって作成されたレイアウトデータに基づき、表示制御部13からの指示に応じて、表示部11がレイアウト作成・表示処理を行う。ここでの処理は、図3のステップS20において示したレイアウト作成・表示処理と同様であるため説明は省略する。なお、このステップS44におけるレイアウト作成・表示処理は、スクロール操作に応じて拡大・縮小したスクロール範囲101内の画像および/または文字の表示について行う。
以上、分割スクロール処理の概略について説明したが、この分割スクロール処理における各処理ステップ、すなわちスクロール縮小処理、スクロール拡大処理についての更なる詳細な説明について図10〜図15を参照して下記において行う。
(スクロール範囲縮小処理)
まず、図10に示すように、スクロール範囲101内において分割固定範囲201が存在するか否かについて確認する(S401)。すなわち、操作部14がスクロール範囲101における表示画像のスクロールを指示する情報を受け付けた場合(S41において「YES」)、この指示を表示制御部13に送信する。そして、表示制御部13は、この指示を受信すると、表示部11に問い合わせて、スクロール範囲101において分割固定範囲201の指定がなされているか否かについて判定する。
なお、図10は、本実施形態に係る表示装置におけるスクロール縮小処理を示すフローチャートである。
ここで、図3に示すステップS30において分割固定範囲201の指定が行われている場合(S401において「YES」)、次のステップS402に進む。
一方、ここでスクロール範囲101内に分割固定範囲201が存在しない場合(S401において「NO」)、スクロール範囲縮小処理を終了する(リターン)。
ステップS402では、ユーザによる表示画像のスクロール操作指示に応じて、スクロール範囲変更処理部30がスクロール範囲101の端部位置と、S401で判定した分割固定範囲201の端部位置とが一致するか否かについて判定する。
すなわち、スクロール範囲101内に分割固定範囲201を指定し、電子データ100に基づく表示をおこなった際、例えば図8(a)に示すように文字画像が表示されたとする。この状態でユーザが操作部14を操作して、表示領域90の下端部において表示しきれていない文字画像を表示させるように、下方向へのスクロール操作指示を行ったとする。
このように下方向へのスクロール操作指示を行うことにより図8(b)に示すように、図8(a)では表示することができなかった「0019−UVWXYZ」を表示させることができる。また、このスクロール操作に応じて、表示画像および/または文字の表示位置が変更されることに伴い、分割固定範囲201もその表示位置が変更される。
さらにユーザが操作部14を操作して下方向のスクロール操作指示を継続すると、図8(c)に示すように、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部と、分割固定範囲201の画像移動方向側の端部とが一致するような表示となる。
本実施の形態に係る表示装置10では、操作部14によって受け付けられた、ユーザからのスクロール操作指示の情報を表示制御部13が受信すると、この表示制御部13は、分割固定範囲位置判定部31に指示して、分割固定範囲201とスクロール範囲101との表示領域90における位置関係を監視させる。
この表示制御部13からの指示に応じて、分割固定範囲位置判定部31は、画像移動方向側における分割固定範囲201とスクロール範囲101との端部が一致するか否かについて監視する。
そして、画像移動方向側において、スクロール範囲101と分割固定範囲201との端部同士の表示位置が一致すると分割固定範囲位置判定部31が判定した場合、ステップS403へ処理が進む。
一方、表示領域90において画像移動方向側のスクロール範囲101の端部と、分割固定範囲201の端部とが一致していない場合(S401において「NO」)、スクロール範囲縮小処理を行わない(リターン)。
上記ステップS402において、画像移動方向側において、スクロール範囲101と分割固定範囲201との端部同士の表示位置が一致すると判定した場合、分割固定範囲位置判定部31がこの判定結果をスクロール範囲変更指示部33に通知する。スクロール範囲変更指示部33は、分割固定範囲位置判定部31からこの通知を受信すると、表示制御部13に対して、スクロール範囲101を、分割固定範囲201を除く範囲となるように変更させるように指示する。
上記スクロール範囲変更指示部33からの指示を受信すると、表示制御部13は、表示領域90においてスクロール範囲101を、分割固定範囲201を除く範囲となるように変更させる(S403)。より具体的には、ユーザによるスクロール操作指示に応じて図8(c)に示す表示状態となった場合、図11(a)に示すように、分割固定範囲201を除く範囲にスクロール範囲101を変更させる。このようにして、本実施の形態に係る表示装置10において、スクロール範囲101内に指定されていた分割固定範囲201を除く範囲にスクロール範囲101を縮小させて、スクロール範囲縮小処理を終了する(リターン)。
なお、図11は、本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90における表示画像を下方向にスクロールした場合の表示状態を示す図であり、同図(a)および(b)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。
以上のようにして、本実施の形態に係る表示装置10では、スクロール範囲縮小処理を行う。このようにスクロール範囲縮小処理を実行した後、縮小されたスクロール範囲101において表示される表示画像に対するスクロールを実行し、図11(b)に示すようにスクロール範囲101に表示される表示画像が1行分だけ画像移動方向(上方向)に移動する。
以下において、本実施形態に係る表示装置10におけるスクロール範囲拡大処理の詳細について図12を参照して説明する。なお、この図12は、本実施形態に係る表示装置10におけるスクロール範囲拡大処理を示すフローチャートである。
(スクロール範囲拡大処理)
上記したようにスクロール範囲縮小処理の判定を実行した後、本実施の形態に係る表示装置10ではスクロール範囲拡大処理の判定を行うように構成されている。
すなわち、スクロール範囲拡大処理では、まず、表示制御部13は、表示部11に問い合わせて、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在するか否かについて確認する。
ここで、ステップS42において既にスクロール範囲縮小処理によりスクロール範囲が初期状態よりも縮小されている場合、例えば図9(a)に示すように、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在することとなる(S511において「YES」)。このため、ステップS511では、表示制御部13が、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在すると判定し、ステップS512へ処理が進む。一方、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在しない場合(S511において「NO」)、スクロール範囲拡大処理を終了する(リターン)。
次に、ステップS513では、表示制御部13が、表示領域90においてスクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在すると判定した場合、分割固定位置範囲判定部31に対して、スクロール範囲101と分割固定範囲201との位置関係を確認するように指示する。すなわち、表示制御部13が、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において、分割固定範囲201と隣接するか否かを判定するように分割固定範囲位置判定部31に対して指示する。この指示に応じて、分割固定範囲位置判定部31が、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において、分割固定範囲201と隣接するか否か判定する(S512)。
ここで、分割固定範囲位置判定部31が、例えば図9(a)に示すように、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において、分割固定範囲201と隣接すると判定した場合(S512において「YES」)、ステップS513へ処理が進む。
一方、分割固定範囲位置判定部31が、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において、分割固定範囲201と隣接しないと判定した場合(S512において「NO」)、スクロール範囲拡大処理を終了する(リターン)。
ステップS513では、分割固定範囲位置判定部31が上記判定内容を示す情報をデータ連続性判定部32に通知する。データ連続性判定部32は、分割固定範囲位置判定部31からの通知に応じて、表示領域90において、分割固定範囲201に表示されている表示画像と、スクロール範囲101に表示されている表示画像との内容が連続するものであるか否かについて判定する。
なお、表示制御部13は上記したように、格納する電子データ100と、電子データ100を格納するVRAM上のアドレスと、表示領域90における画面上の座標位置との対応関係を把握している。このため、データ連続性判定部32が、表示制御部13に対して、分割固定範囲201に表示されている表示画像と、スクロール範囲101に表示されている表示画像とが連続する表示内容となるか否かについて問い合わせることができる。
そして、このデータ連続性判定部32からの問い合わせに対して、表示制御部13から得られた、現在の分割固定範囲201における表示状態と、スクロール範囲101における表示状態とを比較する。この比較の結果、データ連続性判定部32が、分割固定範囲201に表示されている表示画像と、スクロール範囲101に表示されている表示画像との表示内容が連続するか否かを判定する。
例えば、ユーザのスクロール操作指示に応じて、表示部11における表示領域90の表示状態が、スクロール範囲101に表示される表示画像と分割固定範囲201に表示される表示画像との表示内容が図9(b)に示すように連続するものとなる場合(S513において「YES」)、データ連続性判定部32は、この判定結果をスクロール範囲変更指示部33に通知する。
そして、スクロール範囲変更指示部33は、データ連続性判定部32からの通知に基づき、スクロール範囲101を分割固定範囲201も含む範囲に拡大するように変更させる(S514)。
一方、データ連続性判定部32が、スクロール範囲101に表示される表示画像と、分割固定範囲201に表示される表示画像とが連続する表示内容とならないと判定した場合(S514において「NO」)、スクロール範囲拡大処理を終了する(リターン)。
上記した「スクロール範囲縮小処理」および「スクロール範囲拡大処理」について、より明確に説明するために下記において図5、図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14、および図15を参照してより具体的に説明する。
まず、スクロール範囲101で分割固定範囲201を指定した表示状態(図5)において、ユーザからの下方へのスクロール操作指示を受け、表示画像を画像移動方向(上方向)に1行分移動させるとする(図8(a))。このような前提の下、まずスクロール範囲縮小処理の判定を実行する。
すなわち、図10に示すステップS401の判定では、図8(a)に示す表示状態を参照すると、スクロール範囲101に分割固定範囲201が存在しているため「YES」となる。
続くステップS402の判定では、図8(a)に示すように、画像移動方向におけるスクロール範囲101の端部位置が、分割固定範囲201の端部位置と一致していないため「NO」となる。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
続いて、上記した前提の下、スクロール範囲拡大処理の判定を行うと下記のようになる。すなわち、ステップS511の判定では、スクロール範囲101の外部に分割固定範囲201は存在しないため「NO」となる。よって、スクロール範囲101の拡大はなく、スクロール範囲拡大処理は終了する。
したがって、スクロール範囲101に変更はなく、スクロール範囲101における表示状態は図8(a)に示す状態のままである。また、このスクロール範囲101における表示画像は、ユーザからの下方へのスクロール操作指示に応じて図8(a)に示す表示状態から図8(b)に示す表示状態となり、表示画像が上方向に1行分移動した状態の表示となる。
ここで、ユーザからさらに下方へのスクロール操作指示がなされると図8(b)に示す表示状態から図8(c)に示す表示状態となる。この表示状態の変更は、上記図5の表示状態から図8(a)の表示状態となる場合と同様であり、スクロール範囲101の縮小処理および拡大処理は実行されていない。
次に、図8(c)の表示状態から、さらにユーザからの下方向へのスクロール操作指示を受け付けた場合、スクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理の判定は下記の通りとなる。
まず、スクロール範囲縮小処理では、まず、図10に示すステップS401の判定において、スクロール範囲101の内部には、分割固定範囲201が存在するため「YES」となる。次のステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と、分割固定範囲201の画像移動方向側の端部位置とが一致するため、「YES」となる。
そして続くステップS403では、スクロール範囲101は、分割固定範囲201を除いた状態(図11(a))に縮小させ、スクロール範囲101の縮小処理を終了する。このようにスクロール範囲縮小処理の判定を実行した後、表示装置10ではスクロール範囲拡大処理の判定を実行する。
すなわち、まず、ステップS511における判定では、図11(a)に示すようにスクロール範囲101の外部に分割固定範囲201が存在しているため「YES」となる。続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において、分割固定範囲201と隣接していないことからここでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。
これにより、スクロール範囲101は縮小されたスクロール範囲101のままであり、このスクロール範囲101に表示される表示画像が1行分だけ上方に移動して表示された状態(図11(b))となる。
一方、分割固定範囲201はこの時点ではスクロール範囲101外となっているため、表示領域90における表示位置および分割固定範囲201に表示される表示画像に変更が生じない。
以上のように、本実施の形態に係る表示装置10では、上記した分割スクロール処理によって、下キーの押下による操作だけで分割した画面に対するスクロールを可能とする。またユーザは、分割固定範囲201を指定した後、この分割された分割固定範囲201に対してスクロール操作指示を行うために焦点を当てるなどの操作を必要とせず操作部11の操作性が向上する。
すなわち、下キーを押下するだけでスクロール範囲と分割固定範囲との2つの表示領域を含む表示領域に対するスクロール操作を扱うことができる。
また、上記図11(b)の表示状態、すなわち図9(a)に示すようにスクロール範囲101の縮小処理がなされている表示状態において、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けた場合、スクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理それぞれにおける判定は下記の通りとなる。
すなわち、まずスクロール範囲縮小処理では、図10におけるステップS401において、スクロール範囲101には、分割固定範囲201が存在しないため、「NO」と判定される。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
続いてスクロール範囲拡大処理の判定を実行する。すなわち、図12におけるステップS511での判定において、スクロール範囲101の外部に分割固定範囲201が存在することから「YES」となり、ステップS512に進む。
次のステップS512における判定では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において、分割固定範囲201の端部位置と隣接していることから「YES」となり、ステップS513に進む。
次のステップS513では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置と、分割固定範囲201とにおける該スクロール範囲101と隣接する側とでは、両者における表示内容は、図9(a)に示すように前者が「0016−FGHIJ」となり、後者が「0014−UVWXYZ」となる。この表示では、表示画像が連続する表示内容とならないため、ここでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲拡大処理は実行されず終了する。
このように、図9(a)に示す表示状態からスクロール範囲101に変更はなく、スクロール範囲101において表示される表示画像は1行分だけ下方向に移動させて表示した状態(図9(b))となる。
続いて、図9(b)に示す表示状態からユーザからの上方向への操作指示に応じてさらに、スクロールする場合、スクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理それぞれにおける判定は下記のようになる。
すなわち、まずスクロール範囲縮小処理の判定では次のようになる。ステップS401の判定において、図9(b)に示す表示状態では、スクロール範囲101には、分割固定範囲201が存在しない。このためこのステップでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
次に、スクロール範囲拡大処理の判定を実行する。まず、ステップS511の判定において、図9(b)に示す表示状態は、スクロール範囲101の外部に分割固定範囲201が存在する。このため、このステップでの判定では「YES」となりステップS512に進む。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール方向側の端部において分割固定範囲201と隣接している。このためこのステップでの判定は「YES」となり次のステップS513に進む。そして、次のステップS513における判定では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において表示画像は、「0015−ABCDE」となる。一方、分割固定範囲201における、スクロール範囲101と隣接する側の端部位置において表示される表示画像は「0014−UVWXYZ」となる。このように両者における表示画像の表示内容が連続するためステップS513における判定は「YES」となり次のステップS514に進む。
ステップS514では、スクロール範囲101を、分割固定範囲201を含んだ状態(図13(a))となるように、スクロール範囲101の拡大処理を実行し終了する。これにより、縮小されたスクロール範囲101が、当初の分割固定範囲201を含むスクロール範囲101へと変更される。そして、図13(b)に示すようにスクロール範囲101において表示される表示画像が1行分だけ下方向に移動して表示された状態となる。
ここで、図13(b)に示す表示状態から、さらにユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付ける場合について説明する。すなわち、図13(b)の表示状態において、さらにユーザから上方へのスクロール操作指示がなされると、スクロール範囲縮小処理では下記のように判定される。
すなわち、ステップS402において、スクロール範囲101内に、分割固定範囲201が存在するか否か判定される。ここでの判定は、図13(b)に示すように「YES」となり次のステップS402に進む。
続くステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と分割固定範囲201の画像移動方向側の端部位置とが一致するか否か判定する。ここで図13(b)に示すように、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置において分割固定範囲201の端部位置と一致していないことから「NO」となる。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
上記のようにスクロール範囲縮小処理の判定が終了すると、次にスクロール範囲拡大処理の判定が下記のように実行される。
すなわち、ステップS511の判定において、図13(b)の表示状態では、スクロール範囲101の外部に分割固定範囲201は存在していない。このためこのステップにおける判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲拡大処理は実行されず終了する。これにより、スクロール範囲101の変更はなく、スクロール範囲101において表示される表示画像が1行分下方へ移動させられた状態で表示される(図13(c))。
さらに続けて、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けると、この操作指示1回ごとに表示状態が図13(c)から図14(a)に、表示状態が図14(a)から図14(b)に、表示状態が図14(b)から図14(c)に表示状態が変更となり、これらの表示状態の変更時における表示装置10における各処理は、上記した図13(b)から図13(c)への表示状態の変更と同様となる。
次に、上記図14(c)の表示状態からさらに上方向へのスクロール操作指示を受け付けた場合におけるスクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理それぞれにおける判定について説明する。まず、上記した処理と同様にスクロール範囲101の縮小処理に係る判定を実行する。
すなわち、まず、図10に示すステップS401に示す判定では、図14(c)の表示状態では、スクロール範囲101に分割固定範囲201が存在しているため「YES」となる。続くステップS402では、図14(c)の表示状態では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と、分割固定範囲201に画像移動方向側に端部位置とが一致しているため、このステップの判定は「YES」となる。
次のステップS403では、スクロール範囲101を、分割固定範囲201を除く範囲に変更するように、該スクロール範囲101を縮小させ(図15(a))、スクロール範囲縮小処理は終了する。
このようにスクロール範囲101の縮小処理を実行した後、次に、スクロール範囲101の拡大処理に係る判定を行う。
すなわち、図12に示すステップS511において、図15(a)ではスクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在しているため、このステップにおける判定は「YES」となる。続くステップS512では、図15(a)は、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側において分割固定範囲201と隣接していないため「NO」となる。したがって、スクロール範囲101の拡大処理を実行せず終了する。
上記した判定処理により、図14(c)に示す表示状態が、図15(a)に示す表示状態へと変更されスクロール範囲101が縮小される。このスクロール範囲101が縮小された状態(図15(a))において、ユーザからの上方へのスクロール操作指示に応じて、該スクロール範囲101の表示画像が下方向に1行分移動し図15(b)に示す表示状態となる。一方、分割固定範囲201における表示画像は、スクロール範囲101外となり変更されない。
以上のように、本実施の形態に係る表示装置の分割スクロール処理では、上キーの押下による上方へのスクロール操作指示だけで分割された画面におけるスクロールを実行することができる。すなわち、ユーザは、分割固定範囲201を指定した後は、この分割された分割固定範囲201に焦点を当てる操作が必要なく操作部11の操作性が向上する。
また、以上のように上または下方向へのスクロール操作を繰り返した場合であっても、本実施の形態に係る表示装置10では、分割固定範囲201とスクロール範囲101との表示画像の内容の連続性を保ってスクロールさせることができる。すなわち、分割固定範囲201に表示された表示画像の表示位置と、スクロール範囲101に表示された表示画像の表示位置とが逆転した表示関係となることがなく、ユーザは表示領域90における表示画像の表示位置を容易に把握することができる。
(分割固定範囲解除処理)
次に、図16、および図17を参照して、図3のステップS50に示す分割固定範囲解除処理について詳細に説明する。
図16は、本実施の形態に係る表示装置10における表示状態の一例を示すものであり、同図(a)〜(c)それぞれは、分割固定範囲解除処理時における表示状態の一例を示す。なお、この図16(a)の表示状態は、図15(b)の表示状態と同一である。
また、図17は、本実施の形態に係る表示装置10における分割固定範囲解除処理の一例を示すフローチャートである。
例えば、図16(a)に示す表示状態において、ユーザから分割固定範囲201を解除させる旨の指示情報を操作部14が受け付ける(図17のS501において「YES」)。操作部14は、このユーザからの指示を受け付けると、この指示を表示制御部13に送信する。表示制御部13は、操作部14から上記指示を受信すると、初期値スクロール範囲情報18を参照して、スクロール範囲101を初期状態に変更させるように表示部11を制御する。このようにして、本実施の形態に係る表示装置10では、スクロール範囲101を初期状態に変更させる(S502)。例えば、ユーザから分割固定範囲201を解除させる旨の指示情報を操作部14が受け付けると、図16(a)に示す表示状態から図16(b)に示す表示状態へとスクロール範囲101を変更させる。なお、このスクロール範囲101には分割固定範囲201を含んだ状態となっている。
この分割固定範囲201の解除指示は、例えば、操作部14の中央のキーを押下するとメニューが表示され、メニューから「分割固定範囲解除」という項目をユーザが選択することで操作部14が受け付けることができる。もしくは、分割固定範囲201の解指示に対して個別に割り当てられている任意のキーが表示装置10に備えられており、このキーをユーザが押下することで、分割固定範囲201の解除指示を操作部14が受け付ける構成であってもよい。
一方、操作部14が分割固定範囲201の解除指示を受け付けていない間は(S501において「NO」)、分割固定範囲解除処理を実行じない(リターン)。このように、スクロール範囲101を初期状態に変更させると、次に、ステップS503において、表示装置10は、レイアウト作成・表示処理を実行する。すなわち、表示制御部13が電子データ100を読み出すとともに、表示領域90におけるスクロール範囲101の情報を取得する。そして、表示制御部13は、取得したスクロール範囲情報および電子データ100をレイアウト部12に送信するとともに、該スクロール範囲101内に表示させるための表示用データを生成するように指示する。
このようにレイアウト部12が、表示制御部13から電子データ100および初期値スクロール範囲情報18を取得すると、スクロール範囲101に表示させる表示用データであるレイアウトデータを生成することができる。そして、レイアウト部12がレイアウトデータを生成すると、この作成したレイアウトデータを表示制御部13が取得し、表示部11に対して、該レイアウトデータを送信するとともに表示するように指示する。この表示制御部13からの指示に応じて表示部11は、レイアウトデータに基づき表示画像の表示を行う。
すなわち、ここでのレイアウトデータに基づく表示画像の表示処理では、分割固定範囲201の指定範囲を解除させた表示状態となる。例えば、図16(c)に示すような表示状態となるように、スクロール範囲変更前の図16(a)の表示状態の表示に合わせてレイアウト作成・表示処理する。
なお、上記では、電子データ100に基づく表示画像が横書きの文字であり、スクロール範囲101において上下方向にスクロールされる構成について説明した。また、この構成の表示装置10では、上下方向へのスクロール操作指示方向に対して、垂直方向となる直線で分割固定範囲201を指定するように設定していた。しかしながら、表示画像の表示方向、スクロール範囲101における表示画像の移動方向、および分割固定範囲201の指定方法はこれに限定されるものではない。
例えば、電子データ100に基づく表示画像が縦書きの文字であり、スクロール範囲101における左右方向に対して該表示画像がスクロールされるように構成されていてもよい。以下実施例1として、このように電子データ100に基づく表示画像が縦書きの文字であり、スクロール範囲101における左右方向に対して該表示画像がスクロールされるように構成されている場合について図18〜図20を参照して説明する。
(実施例1)
なお、この図18は、本実施の形態に係る表示装置10のスクロール範囲101において分割固定範囲201を指定する一例を示す図である。この図18では、図40に示す電子データ100に基づき、表示領域90ける縦方向に表示させた表示画像に対して分割固定範囲201を指定する。
そして、この図18では表示領域90において太線の矩形で表される範囲は、スクロール範囲101を示している。なお、このスクロール範囲101は、説明の便宜上、表示領域90において矩形の太線によって示しているが、スクロール範囲101をこのような矩形画像によって必ずしも示す必要はない。
このような表示状態の表示装置10に対して、ユーザから分割固定範囲201の指定を指示する情報を操作部14が受け付けた場合(図6のS31において「YES」)、続くステップS32では、開始位置としてXc1をユーザが指定し、ステップS33では、終了位置としてユーザがXc2を指定する。そして、図6のステップS34では、開始位置Xc1と終了位置Xc2とによって囲まれる斜線の範囲を分割固定範囲201として規定する。
このように分割固定範囲201を規定した場合、スクロール範囲101における表示画像を左または右方向にスクロールさせると、例えば図19(a)〜図19(d)に示すような表示状態となる。この図19は、本実施の形態に係る表示装置10のスクロール範囲101における表示画像を、左方向へのスクロール操作指示によりスクロールさせた場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(d)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。
例えば、ユーザが左キーを一回押下して左方へのスクロール操作指示を実行すると、表示装置10では、図19(a)から図19(b)の表示状態、すなわち表示画像が右方に1行分移動して表示される表示状態になるものとする。
この図19において、図19(a)、図19(b)、図19(d)は、図18における表示状態から繰り返し、ユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付け、順に分割スクロール処理を繰り返した状態を表している。また、図19(c)は、図19(b)から図19(d)に表示状態を変更する際のスクロール範囲101の変更を表す。
図18に示す表示状態において、ユーザから1回の左方へのスクロール操作指示を受け付けると、表示装置10では、上記したスクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理それぞれにおける各判定が行われる。
すなわち、スクロール範囲縮小処理における判定が次のようになされる。まず、図10のステップS401における判定がなされる。図18に示す表示状態ではスクロール範囲101に、分割固定範囲201が存在する。このためこのステップS401における判定は「YES」となりステップS402に進む。
続くステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側における端部位置と、分割固定範囲201の画像移動方向側における端部位置とが一致していないため、このステップにおける判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
続いて今度はスクロール範囲101の拡大処理を実行する。具体的には以下の判定処理が行われる。すなわち、図12に示すステップS511の判定では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在しないため「NO」となる。よって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。
上記スクロールの縮小処理および拡大処理において、スクロール範囲101に変更が生じないまま、スクロール範囲101における表示画像を1行分右方へ移動させ、図19(a)に示すような表示状態となる。
続けて、さらにユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付けると、表示状態が図19(a)から図19(b)へと変更される。この表示状態の変更は上記した図18から図19(a)への変更と同様の処理が行われる。
さらに図19(b)に示す表示状態において、ユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付けた場合、スクロール範囲縮小処理の判定は下記のように実行される。すなわち、スクロール範囲101に分割固定範囲201が存在するため、ステップS401の判定は「YES」となりステップS402に進む。
続くステップS402では、スクロール範囲101における画像移動方向側の端部位置と、分割固定範囲201における画像移動方向側の端部位置とが一致しているため「YES」となる。そして、次のステップS403では、スクロール範囲101を、分割固定範囲201を除いた状態へと縮小させる(図19(c))。そして、スクロール範囲縮小処理を終了させる。
続いて、スクロール範囲101の拡大処理に係る判定を行う。すなわち、図12のステップS511の判定では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在しているため、「YES」となる。次のステップS512では、スクロール範囲101のスクロール方向側の端部において、分割固定範囲201と隣接していないため、このステップにおける判定は「NO」となる。したがって、表示装置10では、スクロール範囲101の拡大処理が実行されず終了する。
したがって、スクロール範囲101の縮小処理が実行され、スクロール範囲101において表示される表示画像が1行分右方へ移動させられた表示状態(図19(d))となる。
以上のように、左右方向にスクロールされるように構成されている表示装置10では、
上記分割スクロール処理によって、例えば左キーの押下による左方へのスクロール操作だけで分割された画面におけるスクロールを可能とする。
このためユーザは、分割固定範囲201を指定した後は、分割された画面それぞれに焦点を当てるなど余分な操作を行う必要がなく、操作部11の操作性が向上する。
上記では表示画像(縦書きの文字)をユーザからの左方向へのスクロール操作指示に応じてスクロールする表示装置10について説明したが、今度は、図19(d)に示す表示状態から逆に右方向へのスクロール操作指示を受けてスクロールする場合における処理について図20を参照して説明する。
なお、この図20は、本実施の形態に係る表示装置10のスクロール範囲101における表示画像を、右方向へのスクロール操作指示に応じてスクロールした場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(d)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。
この図20において、図20(a)、図20(b)、図20(d)は、図19(d)における表示状態から繰り返し、ユーザからの右方へのスクロール操作指示を受け付け、順に分割スクロール処理を繰り返した状態を表している。また、図20(c)は、図20(b)から図20(d)への表示状態となるように分割スクロールする場合のスクロール範囲101の変更を表す。
ここでは、ユーザが右キーを一回押下すると、図20(a)から図20(b)の表示状態となり、レイアウトが右方に1行分スクロールされる、すなわち表示画像が左方向に1行分移動するものとする。
まず、図20(a)に示す表示状態、すなわち図19(d)に示す表示状態において、ユーザから右方へのスクロール操作指示を受け付けると、表示装置10では、上記したスクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理における各判定が行われる。
まず、スクロール範囲縮小処理として図10のステップS401における判定では、図20(a)に示す表示状態ではスクロール範囲101に、分割固定範囲201が存在しないため「NO」となる。したがって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
次に、スクロール範囲拡大処理として図12のステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在するため「YES」となる。続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール方向側の端部において分割固定範囲201と隣接しているため「YES」となる。
次のステップS513では、隣接するスクロール範囲101と分割固定範囲201との間において表示画像が連続するか否か判定を行う。図20(a)に示す表示例では、スクロール範囲101のスクロール方向側(分割固定範囲201と隣接する側)における表示画像が「0015−ABCDE」であり、一方、分割固定範囲201のスクロール範囲101と隣接する側における表示画像が「0013−FQRST」となる。このため両者の表示画像の表示内容は連続するものではなくステップS513における判定は「NO」となる。
よって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。これにより、スクロール範囲101に対する変更はなく、スクロール範囲101における表示画像が1行分右方へスクロールされて表示状態が図20(b)に示すようになる。
ここでさらに、図20(b)に示す表示状態においてユーザからの右方へのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲縮小処理におけるステップS401では、表示状態が図20(b)の場合、スクロール範囲101内に、分割固定範囲201が存在しないため「NO」となる。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理における判定が行われる。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201が存在するため「YES」となる。続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において、分割固定範囲201と隣接していることから「YES」となる。
次のステップS513では、隣接するスクロール範囲101と分割固定範囲201との間において表示画像が連続するか否か判定を行う。図20(b)に示す表示例では、スクロール範囲101のスクロール方向側(分割固定範囲201と隣接する側)における表示画像が「0014−UVWXYZ」であり、一方、分割固定範囲201のスクロール範囲101と隣接する側における表示画像が「0013−FQRST」となる。このため両者の表示画像は連続する内容となり、ステップS513における判定は「YES」となる。
このため、次のステップS514では、スクロール範囲101を、分割固定範囲201を含んだ状態(図20(c))に拡大し、スクロール範囲拡大処理を終了する。このように、スクロール範囲101は図20(c)に示すように分割固定範囲201をも含む範囲に拡大され、ユーザからの右方へのスクロール操作指示に応じて、拡大されたこのスクロール範囲101の表示画像が1行分左方へ移動した状態で表示される(図20(d))。
以上のように、左右方向にスクロールされるように構成されている表示装置10では、
上記分割スクロール処理によって、例えば右キーの押下による右方へのスクロール操作指示だけで分割した画面のスクロールが可能となる。
このためユーザは、分割固定範囲201を指定した後は、分割された範囲(分割固定範囲)に焦点を当てる必要がなく、操作部11の操作性が向上する。
以上のように左または右方向へのスクロール操作指示を繰り返し受け付けた場合であっても、本実施の形態に係る表示装置10では、分割固定範囲201とスクロール範囲101との表示画像の内容の連続性を保ってスクロールさせることができる。すなわち、分割固定範囲201に表示された表示画像の表示位置と、スクロール範囲101に表示された表示画像の表示位置とが逆転した表示関係となることがなく、ユーザは表示領域90における表示画像の表示位置を容易に把握することができる。
また、上記では、分割固定範囲201を1つ指定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば分割固定範囲201を複数指定した構成であってもよい。以下実施例2として、スクロール範囲101において分割固定範囲201を複数指定することが可能となるように構成されている場合について図21〜図23を参照して説明する。
(実施例2)
図21は、図41に示した電子データ100に基づく表示画像に対して分割固定範囲201を複数指定する一例を示す図である。この図21では、上記電子データ100を表示させた場合における、表示領域90の一状態を表している。そして、図5と同様に、表示領域90において太線の矩形で表される範囲は、スクロール範囲101を示している。なお、このスクロール範囲101は、説明の便宜上、表示領域90において矩形の太線によって示しているが、スクロール範囲101をこのような矩形画像によって必ずしも示す必要はない。
このような表示状態の表示装置10に対して、ユーザからまず、分割固定範囲201aの指定を指示する情報を操作部14が受け付けた場合(図6のS31において「YES」)、続くステップS32では、開始位置としてYd1をユーザが指定し、ステップS33では、終了位置としてユーザがYd2を指定する。
このため、図6のステップS34では、開始位置Yd1と終了位置Yd2とによって囲まれる斜線の範囲を分割固定範囲201aとして規定する。
ここでは、さらに他の分割固定範囲201bを規定する構成であるため、再度、上記ステップS32およびステップS33を実行する。すなわち、2つ目の分割固定範囲201bとして、ステップ32で開始位置Yd3を指定し、ステップS33では、終了位置Yd4を指定する。そしてステップS34では、開始位置Yd3と終了位置Yd4によって囲まれる斜線の範囲を分割固定範囲として規定する。なお、上記したように表示領域90に座標を設定しているが、この設定されている座標の値で上記Yd1、Yd2、Yd3、Yd4の関係を表すと、各位置はYd1<Yd2<Yd3<Yd4が成り立つものとする。
この図22は、本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、分割固定範囲201a・201bを複数指定し、下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(f)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。またここでは、下キーを一回押下すると、表示画像が上方に1行分移動し表示されるものとする。
この図22において、図22(a)、図22(c)、図22(d)、図22(f)は、図21における表示状態から繰り返し、ユーザからのスクロール操作指示を受け付け、順に分割スクロール処理を繰り返した状態を表している。また、図22(b)は、図22(a)から図22(c)の表示状態となるように分割スクロールする場合のスクロール範囲101の変更を表し、図22(e)は、図22(d)から図22(f)の表示状態となるように分割スクロールする場合のスクロール範囲101の変更を表す。
まず、図21に示す表示状態から下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合における処理について説明する。まず、ユーザからのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲縮小処理の判定を行う。すなわち、ステップS401では、図21に示す表示状態では、スクロール範囲101内に、2つの分割固定範囲201a・201bが存在している。このためこのステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と分割固定範囲201a・201bの画像移動方向側の端部位置とが一致していないため、このステップでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、図12に示すステップS511において、図21に示す表示状態では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201a・201bが存在しないためここでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。これにより、スクロール範囲101に変更はなく、スクロール範囲101内に表示されている表示画像を1行分上方へ移動した表示状態である図22(a)となる。
次に、図22(a)に示す表示状態において、ユーザから1回の下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合の処理について説明する。まず、スクロール範囲101の縮小処理に関する判定においてステップS401では、スクロール範囲101に2つの分割固定範囲201a・201bが存在するため、このステップでの判定は「YES」となる。
次のステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と分割固定範囲201aの画像移動方向側の端部位置とが一致するため、ステップS403において、このスクロール範囲101を、分割固定範囲201aを除く範囲に変更させる。
このように、スクロール範囲101を、分割固定範囲201aを除いた状態(図22(b))のスクロール範囲101へと縮小させ、スクロール範囲101の縮小処理を終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201aが存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図22(b)に示すように、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲と隣接していないため、ここでの判定は「NO」となりスクロール範囲101の拡大処理を実行せず終了する。
これにより、スクロール範囲101が図22(b)に示すように縮小され、スクロール範囲101において表示される表示画像が1行分上方へ移動して表示された状態(図22(c))となる。分割固定範囲201aは、スクロール範囲101外となるため該分割固定範囲201aに表示されている表示画像に変更はない。
次に図22(c)に示す表示状態において、ユーザからさらに下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合の処理を説明する。まず、スクロール範囲101の縮小処理に関する判定において、ステップS401では、スクロール範囲101に分割固定範囲201bが存在するため、このステップでの判定は「YES」となる。
次のステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と、スクロール範囲101に存在する分割固定範囲201bの画像移動方向側の端部位置とが一致しないため、ここでの判定は「NO」となる。このため、図22(c)に示す表示状態からスクロール範囲101のさらなる縮小はなくスクロール範囲縮小処理を終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201aが存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図22(c)に示すように、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲と隣接していないため、ここでの判定は「NO」となりスクロール範囲101の拡大処理を実行せず終了する。
この処理により、スクロール範囲101を変更しないまま、該スクロール範囲101に表示される表示画像が1行分上方へ移動し表示され図22(d)に示す表示状態となる。なお、分割固定範囲201a内の表示画像の表示に変更はない。
次に、図22(d)に示す表示状態において、ユーザから下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合について説明する。
まず、スクロール範囲101の縮小処理に関する判定において、ステップS401では、スクロール範囲101に分割固定範囲201bが存在するため、このステップでの判定は「YES」となる。
次のステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と、スクロール範囲101に存在する分割固定範囲201bの画像移動方向側の端部位置とが一致するため、ここでの判定は「YES」となる。このため、次のステップS403に進み、スクロール範囲101を、分割固定範囲201bを除いた状態(図22(e))に縮小し、スクロール範囲縮小処理を終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201a・201bが存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲の端部と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図22(f)に示すように、スクロール範囲101のスクロール方向側の端部位置において分割固定範囲と隣接していない。このため、ここでの判定は「NO」となりスクロール範囲101の拡大処理を実行せず終了する。
この処理により、スクロール範囲101がさらに図22(e)に示すように縮小され、該スクロール範囲101に表示される表示画像が1行分上方に移動し図22(f)に示す表示状態となる。なお、分割固定範囲201a・201b内の表示画像の表示に変更はない。
以上のように、分割スクロール処理によって、下キーの押下による下方へのスクロール操作指示だけで複数に分割された画面でのスクロールが可能となる。このようにユーザは、分割固定範囲201a・201bをそれぞれ指定した後、この分割された分割固定範囲201a・201bそれぞれに焦点を当てるなど余分な操作を必要とすることがないため、操作部11の操作性を向上させることができる。
続いて、図22(f)に示す表示状態において、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けた場合について図23を参照して説明する。
この図23は、本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、分割固定範囲201a・201bを複数指定し、上方へのスクロール操作指示をユーザから受け付けた場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(f)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。またここでは、上キーを一回押下すると、表示画像が上方に1行分移動して表示されるものとする。
この図23において、図23(a)、図23(b)、図23(d)、図23(e)は、図22(f)における表示状態から繰り返し、ユーザからのスクロール操作指示を受け付け、順に分割スクロール処理を繰り返した状態を表している。
また、図23(c)は、図23(b)から図23(d)への表示状態となるように分割スクロールする場合のスクロール範囲101の変更を表し、図23(f)は、図23(e)から図21への表示状態となるように分割スクロールする場合のスクロール範囲101の変更を表す。
ここで、図23(a)、すなわち図22(f)に示す表示状態において、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けた場合について説明する。
まず、スクロール範囲101の縮小処理に関する判定において、ステップS401では、スクロール範囲101に分割固定範囲201aおよび分割固定範囲201bともに存在しないため、このステップでの判定は「NO」となる。したがって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201a・201bが存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲201bと隣接するため、ここでの判定は「YES」となる。次のステップS513では、隣接するスクロール範囲101と分割固定範囲201bとの間で表示画像が連続していない、すなわち、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の表示画像「0018−PQRST」と、分割固定範囲201bの、スクロール範囲101に隣接する側の表示画像「0016−FGHIJ」とは連続した内容ではないため「NO」となる。
したがって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。これにより、スクロール範囲101は、図23(a)に示される範囲と変更なく、スクロール範囲101において表示されている表示画像が1行分下方へ移動して図23(b)に示す表示状態となる。なお、分割固定範囲201a・201bはスクロール範囲101外となり表示に変更はない。
次に、図23(b)に示す表示状態において、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けた場合について説明する。
まず、スクロール範囲101の縮小処理に関する判定において、ステップS401では、スクロール範囲101に分割固定範囲201aおよび分割固定範囲201bともに存在しないため、このステップでの判定は「NO」となる。したがって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201a・201bが存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲201bと隣接するため、ここでの判定は「YES」となる。次のステップS513では、隣接するスクロール範囲101と分割固定範囲201bとの間で表示画像の内容が連続している、すなわち、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の表示画像「0017−KLMNO」と、分割固定範囲201bの、スクロール範囲101に隣接する側の表示画像「0016−FGHIJ」とは連続していることから「YES」となる。
このため、次のステップ514に進み、スクロール範囲101を、分割固定範囲201bを含んだ状態(図23(c))となるように拡大させ、スクロール範囲拡大処理を終了する。
これにより、スクロール範囲101は、スクロール範囲101が図23(b)に示す範囲から図23(d)に示す範囲に拡大され、またスクロール範囲101に表示される表示画像を1行分下方に移動して表示させ、図23(d)に示す表示状態となる。すなわち、図23(d)に示すように、スクロール範囲101において、該スクロール範囲101内に表示される表示画像と分割固定範囲において表示される表示画像とが互いに連続するような位置関係を保持したまま上方へのスクロール操作指示に応じたスクロールが実行される。なお、分割固定範囲201aはスクロール範囲101外となるため、分割固定範囲401の表示には変更がない。
次に、図23(d)に示す表示状態において、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けた場合について説明する。
まず、スクロール範囲101の縮小処理に関する判定において、ステップS401では、スクロール範囲101に分割固定範囲201bが存在するため、このステップでの判定は「YES」となる。したがって、ステップS402に進み、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と分割固定範囲の画像移動方向側の端部位置とが一致するか判定する。図23(d)では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と、このスクロール範囲101内に存在する分割固定範囲201bの画像移動方向側の端部位置とが一致しないためスクロール範囲101の縮小処理を終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲201aが存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。続くステップS512では、図23(d)において、スクロール範囲101のスクロール方向側の端部で分割固定範囲201aと隣接しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
次のステップS513では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向である上方の末端の境界において、隣接する上記スクロール範囲101と分割固定範囲との間において表示画像の内容が連続するか否かを判定する。ここで、隣接する上記スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の表示画像が「0014−UVWXYZ」であり、一方、分割固定範囲201aのスクロール範囲101と隣接する側の表示画像が「0012−KLMNO」であるため、その表示内容は連続しておらず、ここでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の拡大処理の実行は行われず終了する。
これにより、図23(d)に示すスクロール範囲101に変更はなく、このスクロール範囲101において表示される表示画像を1行分下方に移動し表示させる(図23(e))。なお、分割固定範囲201aはスクロール範囲101外であるため、分割固定範囲201aにおいて表示される表示画像に変更はない。
次に、図23(e)に示す表示状態において、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けた場合について説明する。
まず、スクロール範囲101の縮小処理に関する判定において、ステップS401では、スクロール範囲101に分割固定範囲201bが存在するため、このステップでの判定は「YES」となる。したがって、ステップS402に進み、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と分割固定範囲の画像移動方向側の端部位置とが一致するか判定する。図23(e)では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と、このスクロール範囲101内に存在する分割固定範囲201bの画像移動方向側の端部位置とが一致しないためスクロール範囲101の縮小処理を終了する。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわちステップS511では、スクロール範囲101の外部に分割固定範囲201aが存在することからここでの判定では「YES」となる。
続くステップ512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において、分割固定範囲201aと隣接していることからここでの判定は「YES」となる。このため次のステップS513では、スクロール範囲101と該スクロール範囲101と隣接する分割固定範囲201aとの間で表示画像の内容が連続するか否かを判定する。すなわち、図23(e)に示すように、スクロール範囲101において、スクロール操作指示方向側に表示されている表示画像(「0013−PQRST」)と分割固定範囲201aにおいて上記スクロール範囲101と隣接する側に表示されている表示画像(「0012−KLMNO」は連続しているため、ここでの判定は「YES」となる。
このためステップS514に進み、スクロール範囲101を、分割固定範囲201a・201bともに含んだ状態(図23(f))に拡大させ、スクロール範囲拡大処理を終了する。これにより、スクロール範囲101は、図21に示すように範囲が拡大され、スクロール範囲101において表示される表示画像が1行分下方へ移動し表示された状態となる。
さらに続けて、ユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付けると、図21に示す表示状態から分割固定範囲201a・201bそれぞれがスクロール範囲101における下方に固定された状態となる。この以降の処理は上記した下方へのスクロール操作指示に応じた分割スクロール処理と、表示画像のスクロールさせる方向が逆となるだけで、処理内容はほぼ同様となるため説明は省略する。
以上のように、分割スクロール処理によって、上キーの押下による上方へのスクロール操作指示だけで複数に分割された画面に対するスクロールが可能となる。このようにユーザは、分割固定範囲201a・201bをそれぞれ指定した後、この分割された分割固定範囲201a・201bそれぞれに焦点を当てるなど余分な操作を必要とせず、操作部11の操作性が向上する。
すなわち、図21に示すように、スクロール範囲101において、該スクロール範囲101内に表示される表示画像と分割固定範囲201a・201bにおいて表示される表示画像との内容が互いに連続するような位置関係を保持したまま上方にスクロールされる。
このため、複数の分割固定範囲201a・201bに表示された表示画像の位置と、スクロール範囲101に表示された表示画像の位置とが逆転して表示されることがなく、ユーザは電子データ100の位置を把握しやすい。
以上、電子データ100に基づく表示画像を横書きに表示させ、表示領域90におけるスクロール範囲101のスクロール方向(上下方向)に対して、垂直となる直線で分割固定範囲を複数指定して分割スクロールする場合について説明した。
また、上記表示装置10では表示画像として文字が表示される構成であったが、表示される表示画像はこれに限定されるものではなく、図形等であってもよい。以下実施例3として、表示装置10の表示部11に表示画像として図形等を表示させ、該表示画像に対する分割スクロールについて図24〜図27を参照して説明する。
(実施例3)
図24は、本実施の形態に係る表示装置10において表示される表示画像の電子データ100の一例を示す図である。すなわち、本実施の形態に係る表示装置ではこの電子データ100に基づき、図24に示すように3人の人物とその背景に山が描写された画像を表示させることができる。なお、この図24に示す電子データ100において説明の便宜上、左側の人物を人物601、中央の人物を人物602、右側の人物を人物603とする。
図25は、図24に示された電子データ100に基づき表示領域90に表示された表示画像の中の人物602に対して分割固定範囲202を指定する一例を示す図である。この図25に示す表示状態において、太線の矩形で表される範囲は、スクロール範囲101である。なお、この図25に示す表示状態では人物602を、表示領域90における中央にレイアウトした場合の表示状態を示している。
ここでこの図24に示す表示状態における分割固定範囲指定処理について説明する。まず、ユーザからの分割固定範囲指定指示を操作部14が受け付けると(S31において「YES」)、次にユーザから分割固定範囲開始位置の指定の入力を受け付ける(S32)。このステップS32では、開始位置として表示領域90上における座標(Xf1,Yf1)を指定する。
上記開始位置の指定の入力を受け付けると、次に、ユーザから分割固定範囲終了位置の指定の入力を受け付ける(S33)。このステップS33では、終了位置として表示領域90上における座標(Xf2,Yf2)を指定する。
そして、ステップS34では、開始位置(Xf1,Yf1)と終了位置(Xf2,Yf2)とによって囲まれる斜線の範囲を分割固定範囲202として規定する。この分割固定範囲202は、図25に示すように人物602を包含する範囲となっている。
また、上記図26は、本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、分割固定範囲202を指定し、左方または右方へとスクロールした場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(f)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。またここでは、左キーまたは右キーを一回押下すると、表示画像を左または右に所定の画素数分移動させるものとする。
なお、この図26(a)に示す表示状態は、上記した図25に示す表示状態と同一となっている。また、図26(b)に示す表示状態、図26(d)に示す表示状態、図26(e)に示す表示状態は、図26(a)に示す表示状態から、ユーザからのスクロール操作指示を繰り返し受け付け、この受け付けた指示に応じて順に分割スクロール処理を繰り返した表示状態を表す。
また、図27は、本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、分割固定範囲202を指定し、左右あるいは上下へとスクロールした場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(e)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。またここでは、ユーザが左右キーあるいは上下キーを一回押下すると、表示画像が左右あるいは上下に所定の画素数分移動させられるものとする。
また、図27(a)に示す表示状態、図27(b)に示す表示状態、図27(d)に示す表示状態は、図27(e)に示す表示状態は、図26(a)に示す表示状態から、ユーザからのスクロール操作指示を繰り返し受け付け、この受け付けた指示に応じて順に分割スクロール処理を繰り返した表示状態を表す。
まずここで、図26(a)に示す表示状態において、本実施の形態に係る表示装置10がユーザから右方へのスクロール操作指示を受け付け、分割スクロールを行う処理について説明する。まず、操作部14がユーザからのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲101の縮小処理の判定を行う。すなわち、図26(a)に示す表示状態では、スクロール範囲101内に分割固定範囲202が存在している。このため、ステップS401における判定は「YES」となる。
続くステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と分割固定範囲202の画像移動方向側の端部位置とが一致していないため、このステップでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず終了する。
次に、スクロール範囲拡大処理に関する判定を行う。すなわち、図12に示すステップS511において、図26(a)に示す表示状態では、スクロール範囲101外に分割固定範囲202が存在しないためここでの判定は「NO」となる。よって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。
このため、スクロール範囲101に変更はなく、スクロール範囲101内に表示されている表示画像を所定画素分だけ左方へ移動させた状態である図26(b)となる。
続いて、図26(b)に示す表示状態において、本実施の形態に係る表示装置10がユーザから右方へのスクロール操作指示を受け付け、分割スクロールを行う処理について説明する。上記したように、ユーザからのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲101の縮小処理の判定を行う。すなわち、図26(b)に示す表示状態では、スクロール範囲101内に分割固定範囲202が存在している。このため、ステップS401における判定は「YES」となる。
続くステップS402では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置と分割固定範囲202の画像移動方向側の端部位置とが一致しているため、このステップでの判定は「YES」となる。このため、次のステップS403において、上記スクロール範囲101を、分割固定範囲202を除く範囲に変更させる。すなわち、スクロール範囲101が、図26(c)に示すように、表示領域90において太線で表される多角形の範囲へと縮小され、スクロール範囲縮小処理を終了させる。
次に、スクロール範囲101の拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲202が存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図26(c)に示すように、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲202と隣接していないため、ここでの判定は「NO」となりスクロール範囲101の拡大処理を実行せず終了する。
以上分割スクロールによって、表示装置10が備える表示部11において規定されていたスクロール範囲101を図26(c)に示すように縮小させるように変更し、この縮小されたスクロール範囲101の表示画像データを左方へ移動させ、図26(d)に示すような表示状態となる。なお、分割固定範囲202はスクロール範囲101外となる。このため、この分割固定範囲202の表示画像の表示に変更はない。
また、図26(d)に示すように、上記した分割スクロールによって、電子データ100上では離れて配されていた人物602と人物603とが、表示領域90上では並んで表示されるように変更されている。ただし、人物602が左側に、人物603が右側にそれぞれ表示されており、これら2つの表示画像(人物602と人物603)それぞれの電子データ100上での配置順は維持されている。
続いて、図26(d)に示す表示状態において、本実施の形態に係る表示装置10がユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付け、分割スクロールを行う処理について説明する。上記したように、ユーザからのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲101の縮小処理の判定を行う。すなわち、図26(d)に示す表示状態では、スクロール範囲101内に分割固定範囲202が存在していないため、ステップS401における判定は「NO」となる。
したがって、スクロール範囲101の縮小処理は実行されず、スクロール範囲縮小処理を終了させる。次に、スクロール範囲拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲202が存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲202と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図26(d)に示すように、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲202と隣接しているため、ここでの判定は「YES」となる。このため、スクロール範囲拡大処理の判定において次のステップS513に進む。
本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、スクロール範囲101と分割固定範囲202との間で表示画像が連続しているか否か判定する(S513)。このステップS513の判定では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置と、該端部位置にて隣接する分割固定範囲202との境界において、スクロール範囲101に表示される表示画像の人物603と分割固定範囲202に表示される表示画像の人物602とが連続する表示内容ではない。このため、このステップS512における判定は「NO」となる。
よって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。したがって、スクロール範囲101は変更されず、該スクロール範囲101において表示される表示画像が右方へ移動して図26(e)に示す表示状態となる。
続いて、図26(e)に示す表示状態において、本実施の形態に係る表示装置10がユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付け、分割スクロールを行う処理について説明する。上記したように、ユーザからのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲101の縮小処理の判定を行う。すなわち、図26(e)に示す表示状態では、スクロール範囲101内に分割固定範囲202が存在していないため、ステップS401における判定は「NO」となる。
したがって、ステップS401における判定は「NO」となるため、スクロール範囲縮小処理は実行されず終了させる。次に、スクロール範囲拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲202が存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部位置において分割固定範囲202と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図26(e)に示すように、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において分割固定範囲202と隣接しているため、ここでの判定は「YES」となる。
上記ステップS512における判定が「YES」となるため、続いて本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、スクロール範囲101と分割固定範囲202との間で表示画像の内容が連続しているか否か判定する(S513)。このステップS513の判定では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部と、該端部に隣接する分割固定範囲202との境界において、スクロール範囲101に表示される表示画像の人物603と分割固定範囲202に表示される表示画像の人物602との表示内容が連続する。このため、このステップS512における判定は「YES」となる。
このようにステップS513の判定において「YES」となるため、続くステップS514において、スクロール範囲101を、分割固定範囲202を含んだ範囲へと拡大させ(図26(f))、スクロール範囲拡大処理を終了する。
以上のように、スクロール範囲101は拡大され図26(f)に示す範囲へと変更され、スクロール範囲101において表示されている表示画像が右方へ移動し図27(a)に示す表示状態となる。
続く図27(a)に示す表示状態において、ユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付け、分割スクロール処理を実行し図27(b)の表示状態となる処理の説明は以下の理由のため省略する。すなわち、この処理は、図26(a)の表示状態において、ユーザからの右方へのスクロール操作指示に応じた分割スクロール処理を実行し図26(b)の表示状態となる上記した処理と、スクロールさせる方向が逆となっている以外は同じである。このため、図27(a)から図27(b)への処理の説明は省略する。
続いて、図27(b)に示す表示状態において、本実施の形態に係る表示装置10がユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付け、分割スクロールを行う処理について説明する。上記したように、ユーザから左方へのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲縮小処理の判定を行う。すなわち、図27(b)に示す表示状態では、スクロール範囲101内に分割固定範囲202が存在しているため、ステップS401における判定は「YES」となる。
このため、ステップS402において、画像移動方向側の端部位置においてスクロール範囲101と分割固定範囲202とが一致するか否かを判定する。図27(b)では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部位置において、分割固定範囲202の画像移動方向側の端部位置と一致するためこのステップでの判定は「YES」となる。
このため、スクロール範囲101を、分割固定範囲202を除く範囲へと縮小させスクロール範囲縮小処理を終了させる。すなわち、このスクロール範囲縮小処理により図27(c)において太線で示す縮小されたスクロール範囲101となる。
次に、本実施の形態に係る表示装置10では、スクロール範囲拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲202が存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において分割固定範囲と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図27(c)に示すように、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において分割固定範囲202と隣接していないため、ここでの判定は「NO」となる。
上記ステップS512における判定が「YES」となるため、続いて本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、スクロール範囲101と分割固定範囲202との間で表示画像の内容が連続しているか否か判定する(S513)。
このステップS513の判定では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部と、該端部に隣接する分割固定範囲202との境界において、スクロール範囲101に表示される表示画像の人物603と分割固定範囲202に表示される表示画像の人物602とは表示内容が連続するものではない。このため、このステップS512における判定は「NO」となる。
よって、スクロール範囲101の拡大処理は実行されず終了する。したがって、スクロール範囲101は変更されず、該スクロール範囲101において表示される表示画像が右方へ移動して図27(d)に示す表示状態となる。また、分割固定範囲202はスクロール範囲101外に設定されており、このため分割固定範囲202において表示される表示画像の表示に変更はない。
続いて、図27(d)に示す表示状態において、本実施の形態に係る表示装置10がユーザから上方へのスクロール操作指示を受け付け、分割スクロールを行う処理について説明する。上記したように、ユーザからのスクロール操作指示を受け付けると、スクロール範囲縮小処理の判定を行う。
すなわち、図27(d)に示す表示状態では、スクロール範囲101内に分割固定範囲202が存在していないため、ステップS401における判定は「NO」となる。このため、スクロール範囲縮小処理は実行されず終了する。
次に、上記表示装置10は、スクロール範囲拡大処理に関する判定を行う。すなわち、ステップS511では、スクロール範囲101外に分割固定範囲202が存在しているため、このステップでの判定は「YES」となる。
続くステップS512では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において分割固定範囲と隣接するか否かを判定する。このステップにおける判定では、図27(d)に示すように、スクロール範囲101のスクロール方向側の端部において分割固定範囲202と隣接していないため、ここでの判定は「NO」となる。したがって、スクロール範囲101は拡大されず、スクロール範囲拡大処理を終了させる。
これにより、スクロール範囲101の変更はなく、スクロール範囲101の表示画像が下方に移動し図27(e)に示す表状態となる。また、分割固定範囲202はスクロール範囲101外であるため、分割固定範囲202において表示される表示画像に変更はない。
この図27(e)に示す表示状態では、分割スクロール処理によって、電子データ100上では、離れて配されている人物601と人物602とが並んで表示されている。ただし、人物601が左側、人物602が右側に表示されており、電子データ100上での人物601と人物601との位置関係は維持されている。
以上のように、分割スクロール処理によって、上下左右キーそれぞれの押下による各方向へのスクロール操作指示を受け付けるだけで分割された画面へのスクロールが可能となる。また、このようにユーザは、分割固定範囲202を指定した後、この分割された分割固定範囲202に焦点を当てるなど余分な操作を必要とせず操作部11の操作性を向上させることができる。
また、各方向への分割スクロールを繰り返しても、スクロール範囲101において、該スクロール範囲101内に表示される表示画像と分割固定範囲202において表示される表示画像との内容が互いに連続するような位置関係を保持したままスクロールされる。
このため、分割固定範囲202に表示された表示画像の位置と、スクロール範囲101に表示された表示画像の位置とが逆転して表示されることがなく、ユーザは電子データ100の位置を把握しやすい。
以上、電子データ100として図形などの画像データを用いて表示画像を表示する表示装置10について説明した。そして、この表示装置10では、上下左右方向にスクロールするスクロール範囲101に対し、矩形の分割固定範囲202を指定して分割スクロールする場合について説明した。
また、上記において、ユーザからの分割固定範囲を指定するための指示として開始位置と終了位置を受け付け、該指示に応じた分割固定範囲を規定する構成であった。この分割固定範囲指定処理はこれに限定されるものではなく、実施例4として示す以下の構成とすることでさらに容易な分割固定範囲の指定処理が可能となる。以下実施例4として、分割固定範囲指定処理の別の構成について図28および図29を参照して説明する。
(実施例4)
図28は、図40に示す電子データ100に基づく表示に対して分割固定範囲203を指定する一例を示す図である。この図28では、電子データ100を表示させた場合における、ある表示領域90の一状態を表している。そして、この図28に示す表示領域90において太線の矩形で表される範囲は、スクロール範囲101を示している。なお、このスクロール範囲101は、説明の便宜上、表示領域90において矩形の太線によって示しているが、スクロール範囲101をこのような矩形画像によって必ずしも示す必要はない。
また、図29は、図3のステップS30における分割固定範囲指定処理の別の構成を示すフローチャートである。すなわち、図6に示す分割固定範囲指定処理の別の構成を示す。
まず、図29において、ステップS301は、図6に示すステップS31と同様の処理であるため説明は省略する。このステップS301において操作部14がユーザから分割固定範囲203の指定指示を受け付けた場合(S301において「YES」)、該操作部14は受け付けた指定指示を表示制御部13に通知する。
表示制御部13は、この指定指示の通知を受信すると、操作部14に対して、分割固定範囲を指定する情報の入力に対する待ち受けを指示する。このようにしてユーザからの分割固定範囲を指定する情報の入力を待ち受けるように表示制御部13から指示を受信すると、この指示に応じて、操作部14はユーザからの分割固定範囲を指定する情報の入力を待ち受ける。
そして、ユーザから分割固定範囲を指定する情報を受け付けると(S302)、操作部14がこの受け付けた情報を表示制御部13に送信する。このユーザから入力される分割固定範囲203を指定する情報としては、例えば、図28に示す表示状態において、Ye1のような直線を規定する情報が挙げられる。このYe1は、表示領域90において横書き表示され、上下方向となる画像移動方向に対して垂直となる直線である。
一方、分割固定範囲の指定指示を受け付けていない間は(S301において「NO」)、分割固定範囲指定処理を実行しない(リターン)。
上記したようにユーザから分割固定範囲203を指定する情報を受け付けると、表示制御部13は、操作部14に対してユーザからのスクロール操作指示の入力情報を待ち受けるように指示する。この表示制御部13からの指示に応じて、操作部14がスクロール操作指示の入力に対する待ち受け状態にあるとき、スクロール操作指示を受け付けた場合(S303において「YES」)、この受け付けた入力情報を表示制御部13に送信しステップS304へ処理が進む。
一方、スクロール操作指示の入力情報を受け付けていない間(S303において「NO」)、このスクロール操作指示を受け付けるまでステップS303が繰り返される。
ステップS304では、表示制御部13が、表示部11に対して問い合わせステップS303において受け付けたスクロール操作指示に応じた画像移動方向側のスクロール範囲101の端部位置を示す座標を取得する。
そして、ステップS305において、表示制御部13が、以下のようにして分割固定範囲203の決定を行う。すなわち上記ステップS302で取得した分割位置とステップS304で取得した画像移動方向側のスクロール範囲101の端部位置とによって囲まれる範囲を分割固定範囲203として決定する。
ここで、図30を参照して上記した分割固定範囲203の指定処理についてより具体的に説明する。なおこの図30は、本実施の形態に係る表示装置10において、電子データ100に基づき表示画像を表示した表示状態を示す図であり、同図(a)〜(c)は分割固定範囲指定処理を説明する表示状態を示す。
より具体的には、図30に示すようにスクロール範囲101において、ステップS302によって分割位置(Ye1)を指定した後、ユーザによる下ボタンの押下によって下方へのスクロール操作指示を受け付けられた場合、スクロール範囲101における画像移動方向側の端部位置(Ye2)を示す座標を取得する。そして、表示装置10では、このYe1とYe2とによって囲まれる斜線の範囲を分割固定範囲として決定する。
このように分割固定範囲203を決定した状態において、さらに続けて、下方へのスクロール操作指示に基づく分割スクロールを行った場合、図30(b)に示すように分割固定範囲203を除く範囲をスクロール範囲101として縮小させる。そして、図30(c)に示すようにスクロール範囲101において表示されている表示画像に対して下方へのスクロールが実行される。
また、上記図28に示す表示状態において、今度は上キーをユーザが押下した場合は、下記図31に示すように分割固定範囲203が決定されることとなる。
なお、この図31は、本実施の形態に係る表示装置10において、電子データ100に基づき表示画像を表示した表示状態を示す図であり、同図(a)〜(c)は分割固定範囲指定処理を説明する表示状態を示す。
より具体的には、図31に示すようにスクロール範囲101においてステップS302によって分割位置(Ye1)を指定した後、ユーザによる上ボタンの押下によって上方へのスクロール操作指示を受け付けた場合、スクロール範囲101における画像移動方向側の端部位置(Ye2)を示す座標を取得する。そして、表示装置10では、このYe1とYe2とによって囲まれる斜線の範囲を分割固定範囲203として決定する。
このように分割固定範囲203を決定した状態において、さらに続けて、上方へのスクロール操作指示に応じた分割スクロール処理を行った場合、図31(b)に示す表示状態となる、すなわち、スクロール範囲101を、分割固定範囲203を除く範囲として縮小させる。そして、図31(c)に示すようにスクロール範囲101において表示されている表示画像に対して上方へのスクロール操作指示が実行される。
以上のように、本実施の形態に係る表示装置10は、スクロール範囲101内で分割位置を指定後、スクロール操作指示を受け付けるだけで分割固定範囲203を決定することができる構成である。このように構成されているため、ユーザは分割固定範囲203を指定する操作が分割位置の1回だけとなり、より容易に分割固定範囲203を指定することができる。
以上、分割固定範囲指定処理の別の実施例について説明した。この分割固定範囲指定処理では、上記にて先に説明した分割固定範囲指定処理と同様に、分割固定範囲203の決定をユーザから受け付けた入力情報に応じて行われていたがこれに限定されるものではない。例えば、下記に示すように表示させる表示画像の電子データ100に付加された情報に基づき分割固定範囲203を指定する構成であってもよい。
以下において、本実施の別の実施形態(実施形態2)として、表示画像の電子データ100に付加された情報に基づき分割固定範囲を指定する表示装置10の構成を、図32〜図39を参照して説明する。
(実施形態2)
本実施の形態(実施形態2)に係る表示装置10は、上記実施形態1において示した表示装置10の構成と比較して下記の点が異なる。
すなわち、スクロール範囲変更処理部30が機能ブロックとして分割表示範囲判定部34をさらに備える点で異なる。この分割表示範囲判定部34は、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部が、分割表示範囲301の端部と隣接するか否か判定するものである。この分割表示範囲判定部34は、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割表示範囲の端部と隣接すると判定した場合、この判定結果をスクロール範囲変更指示部33に通知する。
なお、この分割表示範囲301とは、分割固定範囲204を表示可能とする範囲であって、分割固定範囲204は、この分割表示範囲301を越えて表示されることはない。このように、上記表示装置10では、上記分割表示範囲を設定することができる。このため、表示装置10において表示させるコンテンツの作成者は、該コンテテンツの作成時に分割表示範囲を規定することにより、コンテンツの中のある任意の範囲に対してのみ分割固定範囲の表示が可能となるように設定することができる。
また、操作部14がユーザからのスクロール操作指示を受け付けた場合、表示制御部13が電子データ100に付加された情報に基づき分割固定範囲204および分割表示範囲301を特定する点が上記実施形態1に示す表示装置10と異なる。
なお、実施形態1に示す表示装置10が備える部材と同一の部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
図32は、本発明の別の実施形態に係る表示装置の要部構成を示すブロック図である。
実施形態2に示す表示装置10は上記図32に示す構成を備え、図33に示す処理フローにより表示処理を実行する。
ここで、まず上記した構成を有する本実施の形態(実施形態2)に係る表示装置10の表示処理について図33を参照して説明する。なお、この図33は、本実施の形態に係る表示装置10の表示処理を示すフローチャートである。
まず、操作部14がユーザから表示処理の実行指示を受け付けると、この受け付けた指示を表示制御部13に通知する。表示制御部13は、操作部14から受信した通知に応じて、記憶部15または外部の端末装置22から電子データ100を取得し、取得した電子データ100を不図示のVRAMに一時記憶させる。このようにして表示装置10は電子データ100を読み込む(S1000)。
このようにして電子データ100を読み込むと、表示装置10はこの電子データ100に基づく表示画像を表示部11に表示させるためにレイアウトデータを作成する。そして、表示装置10はこの作成したレイアウトデータに基づく表示を行う、レイアウト作成・表示処理を行う(S2000)。すなわち、電子データ100が読み出されると、表示制御部13からの指示に応じて、VRAMに一時記憶されている電子データ100に基づき、レイアウト部12が表示用データとしてレイアウトデータを生成する。
このようにレイアウト作成・表示処理によって、表示部11に電子データ100を表示すると、ステップS3000へと処理が進む。なお、このレイアウト作成・表示処理は、ステップS20におけるレイアウト作成・表示処理と同様であるため説明は省略する。
次のステップS3000では、表示制御部13が読み込んだ電子データ100に基づき分割固定範囲204を特定する。すなわち、実施形態2に係る表示装置10が読み込んだ電子データ100は例えば、図34に示すように記述されており、分割固定範囲の情報が付加されている。
この図34は、本発明の別の実施形態である表示装置10において表示可能とする電子データ100の一例を示す図である。この図34に示す電子データ100には、分割固定範囲204の情報が付加されている。すなわち、この電子データ100は、XML形式で記述されており、タグ<body>〜</body>の間では表示装置10において表示させる表示画像の内容を表しており、タグ<br/>は該表示画像における改行位置を表している。
また、タグ701として示される<split_area>からタグ704として示される</split_area>までの間の範囲では、分割表示範囲301を表している。したがって、タグ701からタグ704までの範囲内でのみ分割固定範囲204を規定することができる。
また、タグ702として示される<split_item>からタグ703として示される</split_item>タグまでの間の範囲は分割固定範囲204を表す。
そして、この図34に示す電子データ100に基づく表示画像は、例えば図35に示すように表示部11において表示される。この図35は、図34に示す電子データ100に基づき表示させた表示画像の一例を示す図である。なお、この図35において太線の矩形で表す範囲は、表示領域90においてスクロールを可能とする範囲(スクロール範囲101)であり、このスクロール範囲101内で表示する例えば文字などを上下方向に移動可能とさせる。
また、この図35において、Yg2からYg3までの間の範囲(斜線部)は、分割固定範囲204を示しており、図34に示す電子データ100ではタグ702からタグ703までの間で表された範囲に相当する。
また、図35において、Yg1からYg4までの間の範囲は、分割表示範囲301を示しており、図34に示す電子データ100ではタグ701からタグ704までの間で表された範囲に相当する。
なお、分割固定範囲を示す情報を付加した電子データ100は図34に示すようなタグとして記述される形式に限定されるものではなく、電子データ100のオフセット位置を別データとして保持し、この別データを参照することにより分割固定範囲204を確認することができるようになっていてもよい。
したがって、本実施の形態(実施形態2)に係る表示装置10は、実施形態1に係る表示装置10とは異なり、読み込んだ電子データ100に含まれる分割固定範囲204の情報に基づき、スクロール範囲101における分割固定範囲204の位置を特定することができる。
表示制御部13が読み込んだ電子データ100に基づき分割固定範囲204を特定すると、分割スクロール処理を実行する(S4000)。ここで、本実施の形態(実施形態2)に係る表示装置10における分割スクロール処理について図36を参照して説明する。なお、この図36は、本発明の別の実施形態に係るものであり、電子データ100に付加された情報を用いた分割スクロール処理の一例を示すフローチャートである。
図36に示すように、まず、上記した図7のステップS41と同様に、ユーザからの、スクロール範囲101におけるスクロール操作指示を操作部14が受け付けた場合(S411において「YES」)、上記図7のステップS42と同様にスクロール範囲縮小処理を実行する(S412)。
一方、操作部14が、スクロール操作指示を受け付けていない間(S411において「NO」)は、分割スクロール処理を実行しない(リターン)。
上記ステップS412においてスクロール範囲縮小処理の判定を実行した後、今度はスクロール範囲拡大処理の判定を実行する(S413)。なお、ステップS412のスクロール範囲縮小処理、およびステップS413のスクロール拡大処理それぞれは、図7に示すステップS42のスクロール範囲縮小処理、およびステップS43のスクロール拡大処理と同様であるためその説明は省略する。
ステップS413においてスクロール拡大処理の判定を実行した後、続くステップS414では、表示制御部13が分割表示範囲判定処理を行う。分割表示範囲判定処理については後述する。分割表示範囲判定処理が終了するとステップS415へ進み、レイアウト作成・表示処理を実行する。このレイアウト作成・表示処理は、上記した図3のステップS20のレイアウト作成・表示処理と同様であるため説明は省略する。
ここで、図37を参照して上記した分割表示範囲判定処理の詳細について説明する。
図37は、本発明の別の実施形態に係る表示装置10における分割表示範囲判定処理を示すフローチャートである。
ステップS413においてスクロール範囲拡大処理の判定を実行した後、続くステップS4111では、表示制御部13が、表示部11に問い合わせてスクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在するかを判定する。スクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在する場合(S4111において「YES」)、ステップS4112へ処理が進む。一方、スクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在しない場合(S4111において「No」)、分割表示範囲判定処理を終了する。
続くステップS4112では、表示制御部13が、表示部11の表示領域90においてスクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在すると判定した場合、分割固定位置範囲判定部31に対して、スクロール範囲101と分割固定範囲204との位置関係を確認するように指示する。すなわち、表示制御部13が、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204と隣接するか否かを判定するように分割固定範囲位置判定部31に対して指示する。この指示に応じて、分割固定範囲位置判定部31が、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204の端部と隣接するか否か判定する。
このステップS4112での判定において、分割固定範囲位置判定部31が、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204と隣接すると判定した場合(S4112において「YES」)、この判定結果を分割表示範囲判定部34に通知する。分割表示範囲判定部34は、この通知を受信すると、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割表示範囲301の端部と隣接するか否か判定する(S4113)。
このステップS4113での判定において、分割表示範囲判定部34が、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割表示範囲301の端部と隣接すると判定した場合(S4113において「YES」)、この判定結果をスクロール範囲変更指示部33に通知する。スクロール範囲変更指示部33は、分割表示範囲判定部34からの通知に応じて、スクロール範囲101を、該スクロール範囲101と隣接する分割固定範囲204を含む範囲に変更させる(S4114)。このようにしてスクロール範囲101が変更されると表示装置10は、分割表示範囲判定処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS4113の判定において「NO」の場合、分割表示範囲判定処理を終了する(リターン)。
上記した分割表示範囲判定処理について図38および図39を参照してより具体的に説明する。図38は、本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、分割固定範囲204を電子データ100に基づき指定し、ユーザからの下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(d)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。またここでは、下キーを一回押下すると、表示領域90におけるレイアウトが下方に1行分スクロールされる、すなわち表示画像が上方向に1行分移動するものとする。
この図38において、図38(a)、図38(b)、図38(d)それぞれに示す表示状態は、図35に示す表示状態からスクロール操作指示を受け付け、順に分割スクロール処理を繰り返した状態を表している。一方、図38(c)に示す表示状態は、分割スクロール処理によって図38(b)から図38(d)へと表示状態が変更させられる際のスクロール範囲101の変更を表す。
また、図39は、本実施の形態に係る表示装置10の表示領域90において、分割固定範囲204を電子データ100に基づき指定し、ユーザからの下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合の表示状態を示す図であり、同図(a)〜(d)はそれぞれ、表示領域90における表示状態の一例を示している。
この図39において、図39(a)、図39(c)、図39(d)それぞれに示す表示状態は、図35に示す表示状態から繰り返しスクロール操作指示を受け付け、順に分割スクロール処理を繰り返した状態を表している。一方、図39(b)に示す表示状態は、分割スクロール処理によって図39(a)から図39(c)へと表示状態が変更させられる際のスクロール範囲101の変更を表す。
まず、ここで図35に示す状態から、ユーザからの下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合における表示装置10での分割スクロール処理について説明する。
操作部14が、ユーザからの下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合、スクロール範囲縮小処理の判定を行う(S412)。ここで、図35に示すように、スクロール範囲101の端部位置と、電子データ100に基づき指定された分割固定範囲の端部位置とが一致していないため、スクロール範囲101を縮小させることなくスクロール範囲縮小処理を終了する。
一方、次のスクロール範囲拡大処理の判定(S413)では、スクロール範囲101外において分割固定範囲204が存在しないため、スクロール範囲101を拡大させることなくスクロール拡大処理を終了する。
なお、上記ステップS412およびステップS413において示すスクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理については上記実施形態1に示すスクロール範囲縮小処理およびスクロール範囲拡大処理と同様であるため、ここでの説明は省略するものとする。
スクロール範囲拡大処理の判定が終了すると、次に表示装置10では、分割表示範囲判定処理の判定を実行する(S414)。
すなわち、まず、表示装置10の表示制御部13は、表示部11に問い合わせて、スクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在するか否かを判定する(S4111)。このステップS4111では、図35に示すようにスクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在しないため、ここでの判定は「NO」となり、分割表示範囲判定処理を終了する(リターン)。
これにより、スクロール範囲101に変更はなく、スクロール範囲101に表示された表示画像が、ユーザからの下方へのスクロール操作指示に応じた表示状態(図38(a))となる。なお、この図38(a)に示す表示状態では、図35に示す表示状態からスクロール範囲101において画像移動方向(上方向)に1行分移動させた状態であり、この移動に伴い分割固定範囲204および分割表示範囲301も移動している。このため、図38(a)では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部と、分割表示範囲301の画像移動方向側の端部とが一致した状態となっている。
続けて、図38(a)に示す表示状態においてユーザからの下方へのスクロール操作指示を受け付けると、図38(a)に示す表示状態から図38(b)に示す表示状態へと変更する。なお、この図38(a)から図38(b)への表示状態の変更は、上記した図35から図38(a)への表示状態の変更と同様であるため説明は省略する。
したがって、スクロール範囲101に変更はなく、スクロール範囲101に表示された表示画像を画像移動方向(上方)に1行分移動させた表示状態となる。なお、図38(b)に示す表示状態では、図38(a)に示す表示状態から、スクロール範囲101に表示されている表示画像を画像移動方向(上方向)に1行分移動させるため、この移動に伴い分割固定範囲204および分割表示範囲301も移動する。このため、図38(b)では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部と、分割固定範囲の画像移動方向側の端部とが一致した状態となっている。
さらに、図38(b)に示す表示状態から下方へのスクロール操作指示を受け付け実行する分割スクロール処理について説明する。図38(b)に示す表示状態において、ユーザから下方へのスクロール操作指示を操作部14が受け付ける(S411において「YES」)と、ステップ412においてスクロール範囲縮小処理の判定を実行する。
このスクロール範囲縮小処理では、分割固定範囲204がスクロール範囲101内にあり、該スクロール範囲101の画像移動方向側の端部と該分割固定範囲の画像移動方向側の端部とが一致する。このため、スクロール範囲101を、分割固定範囲204を除く範囲に縮小させ(図38(c))、処理を終了させる。
続く、ステップS413のスクロール範囲拡大処理では、図38(c)に示す状態では、スクロール範囲101のスクロール操作方向側の端部において、分割固定範囲204のスクロール操作側の端部が隣接していないため、スクロール範囲拡大処理は実行されず処理を終了する。
スクロール範囲拡大処理の判定を実行した後、表示装置10は分割表示範囲判定処理(S414)を実行する。すなわち、まずステップS411において、図38(c)に示す状態ではスクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在することから「YES」となり、ステップS4112に進む。
続くステップS4112では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204と隣接するか判定する。この判定において、図38(c)に示す状態では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204と隣接するため「YES」となり、次のステップS4113に進む。
ステップS4113において、図38(c)に示す状態では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において分割表示範囲301の端部と隣接していない。このため、このステップS4113での判定は「NO」となり、分割表示範囲判定処理を終了する(リターン)。
これにより、図38(b)に示す表示状態におけるスクロール範囲101が、図38(c)に示す範囲に縮小される。また、スクロール範囲101において表示されている表示画像が、下方へのスクロール操作指示に応じてスクロールされ、図38(d)に示す表示状態となる。
なお、このとき分割固定範囲204がスクロール範囲101外であるため、上記下方へのスクロール操作指示に応じて分割固定範囲に表示される表示画像の表示に変更が生じることがない。
さらにまた、図38(d)に示す表示状態において、ユーザから下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合に実行する分割スクロール処理ついて説明する。
図38(d)に示す表示状態において、ユーザから下方へのスクロール操作指示を操作部14が受け付ける(S411において「YES」)と、ステップ412においてスクロール範囲縮小処理の判定を実行する。
このスクロール範囲縮小処理では、分割固定範囲204がスクロール範囲101外となるためスクロール範囲101の縮小が行われず、スクロール範囲縮小処理を終了させる。
続く、ステップS413のスクロール範囲拡大処理の判定において、図38(d)に示す状態では、スクロール範囲101のスクロール操作方向側の端部において分割固定範囲204のスクロール操作方向側の端部が隣接していないため、スクロール範囲拡大処理は実行されず処理を終了する。
スクロール範囲拡大処理の判定を実行した後、表示装置10は分割表示範囲判定処理(S414)を実行する。すなわち、まずステップS411において、図38(d)に示す表示状態ではスクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在することから「YES」となり、ステップS4112に進む。
続くステップS4112では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204と隣接するか判定する。この判定において、図38(d)に示す状態では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲と隣接するため「YES」となり、次のステップS4113に進む。
ステップS4113において、図38(d)に示す状態では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において分割表示範囲301の端部と隣接していない。このため、このステップS4113での判定は「NO」となり、分割表示範囲判定処理を終了する(リターン)。
これにより、図38(d)に示す表示状態におけるスクロール範囲101は、図38(c)において縮小されたままである。また、スクロール範囲101において表示されている表示画像が、ユーザからの下方へのスクロール操作指示に応じてスクロールされ、図39(a)に示す表示状態となる。なお、このとき分割固定範囲204がスクロール範囲101外であるため、上記下方へのスクロール操作指示に応じて分割固定範囲204に表示される表示画像の表示に変更が生じることがない。
また、図39(a)に示す表示状態では、分割表示範囲301の画像移動方向側とは反対側となる端部がスクロール範囲101の画像移動方向側の端部に隣接している状態である。
さらにまた、図39(a)に示す表示状態において、ユーザから下方へのスクロール操作指示を受け付けた場合に実行する分割スクロール処理ついて説明する。
図39(a)に示す表示状態において、ユーザからの下方へのスクロール操作指示を操作部14が受け付ける(S411において「YES」)と、ステップ412においてスクロール範囲縮小処理の判定を実行する。
このスクロール範囲縮小処理では、分割固定範囲204がスクロール範囲101外となるためスクロール範囲101の縮小が行われず、スクロール範囲縮小処理を終了させる。
続く、ステップS413のスクロール範囲拡大処理の判定において、図39(a)に示す状態では、スクロール範囲101のスクロール操作指示方向側の端部において分割固定範囲204と隣接していないため、スクロール範囲拡大処理は実行されず処理を終了する。
スクロール範囲拡大処理の判定を実行した後、表示装置10は分割表示範囲判定処理(S414)を実行する。すなわち、まずステップS4111において、図39(a)に示す表示状態ではスクロール範囲101外に分割固定範囲204が存在することから「YES」となり、ステップS4112に進む。
続くステップS4112では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204と隣接するか判定する。この判定において、図39(a)に示す状態では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において、分割固定範囲204と隣接するため「YES」となり、次のステップS4113に進む。
ステップS4113において、図39(a)に示す状態では、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部において分割表示範囲301の端部と隣接している。このため、このステップS4113での判定は「YES」となり、スクロール範囲101を、分割固定範囲204を含む範囲に変更させる(図39(b))。
そして、スクロール範囲101において表示されている表示画像が、下方へのスクロール操作指示に応じて表示領域90における上方向に移動し図39(c)に示す表示状態となる。なお、この図39(c)に示す表示状態では、スクロール範囲101内の分割固定範囲204に表示されている表示画像が上記スクロール操作指示に応じて移動することで、該表示画像の一部が非表示となっている。
さらに、図39(c)に示す表示状態において、ユーザからの下方へのスクロール操作指示を操作部14が受け付ける(S411において「YES」)と、ステップ412においてスクロール範囲縮小処理の判定を実行する。
このスクロール範囲縮小処理では、スクロール範囲101に分割固定範囲204が存在するが、スクロール範囲101の画像移動方向側の端部と分割固定範囲204の画像移動方向側の端部とが一致しないためスクロール範囲101の縮小が行われず、スクロール範囲縮小処理を終了させる。
続く、ステップS413のスクロール範囲拡大処理の判定において、図39(c)に示す状態では、スクロール範囲101のスクロール操作方向側の端部において分割固定範囲204のスクロール操作側の端部とが隣接していないため、スクロール範囲拡大処理は実行されず処理を終了する。
これによりスクロール範囲101は図39(c)のまま変更なく、このスクロール範囲101において表示される表示画像が下方への操作指示に応じてスクロールした状態、すなわち図39(d)に示す表示状態となる。
以上のように、電子データ100に付加された分割固定範囲204の情報を用いた分割スクロール処理によって、下ボタンの押下による下方へのスクロール操作だけで画面を分割したスクロールが可能となる。
なお、分割表示範囲301の指定は、電子データ100に付加された情報を用いた分割固定範囲指定処理に限ったものではなく、前述の実施形態においてもユーザが、分割固定範囲指定後に分割表示範囲301を指定することで同様の処理となる。
なお、本実施の形態に係る表示装置10は以下に示す構成を有するものと言える。すなわち、本実施の形態に係る表示装置10は、表示範囲を分割して電子データを表示する表示装置であって、スクロールする範囲を取得するスクロール範囲取得手段と、前記スクロール範囲を分割して表示を固定する範囲を少なくとも1つ指定する分割固定範囲指定手段と、前記スクロール範囲内をスクロールさせるスクロール操作手段と、前記スクロール操作に伴い前記分割固定範囲がスクロール範囲内の末端に存在するか判定するスクロール範囲内末端判定手段と、前記判定に従い前記スクロール範囲を前記末端に存在する分割固定範囲を除く範囲に変更するスクロール範囲変更手段とを備えることを特徴とする。
上記構成によると、電子データを表示しているスクロール範囲に、ユーザが分割固定範囲を指定する。範囲の指定は、座標でもよいし、行列方向の直線で指定してもよい。分割固定範囲を含むスクロール範囲内がスクロールして、スクロール方向とは逆方向になる画像移動方向の末端に分割固定範囲が隣接しているか判定する。分割固定範囲が隣接していた場合、スクロール範囲を分割固定範囲を除く範囲に変更する。これにより、分割固定範囲はスクロール範囲から外れ、レイアウトが変更されない固定範囲となるため、1方向の操作だけで画面分割したスクロールが可能となる。
また、本実施の形態に係る表示装置10は、上記した構成において、前記スクロール範囲変更手段により前記スクロール範囲外となった前記分割固定範囲が、前記スクロール範囲と隣接しているか判定するスクロール範囲外末端判定手段と、前記判定した分割固定範囲の電子データと前記スクロール範囲の隣接している電子データが境界で連続であるか判定する境界判定手段とをさらに備え、前記スクロール範囲変更手段は、前記判定に従い前記前記スクロール範囲を変更するように構成されていてもよい。
上記構成によると前記スクロール範囲変更の後、前記スクロール方向とは逆の方向にスクロール操作を行った場合、スクロール範囲外に存在する分割固定範囲が、スクロール範囲のスクロール方向の末端に隣接しているか判定する。スクロール範囲外に分割固定範囲が隣接していた場合、隣接している境界で、スクロール範囲内の電子データと分割固定範囲の電子データが連続であるか判定する。電子データが連続と判断された場合、スクロール範囲を分割固定範囲を含む範囲に変更する。これにより、分割固定範囲が再びスクロール範囲に含まれるため、レイアウトが重複することがなく、電子データの表示位置が逆さになることがない。
また、本実施の形態に係る表示装置10は、上記した構成において、前記分割固定範囲指定手段は、前記スクロール範囲の任意の位置を指定し、前記スクロール操作に伴い前記指定の位置から前記スクロール範囲の末端までを表示を固定する範囲とするように構成されていてもよい。
また、上記構成によると、前記分割固定範囲の指定は、ユーザが任意の位置を一箇所指定し、その後のスクロール操作によって、スクロール方向と逆方向となる画像移動方向のスクロール範囲の末端と、ユーザが指定した位置で囲まれる範囲を分割固定範囲とする。これにより、ユーザは分割位置を指定した後にスクロール操作するだけでよく、分割固定する範囲を指定する必要がないので操作が容易になる。
また、本実施の形態に係る表示装置は、上記した構成において、前記分割固定範囲指定手段は、電子データに付加された情報を用いて指定するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態に係る表示装置は、上記した構成において、前記スクロール範囲を解除するスクロール範囲解除手段をさらに備えることが好ましい。
また、本実施の形態に係る表示装置は、上記した構成において、前記分割固定範囲指定手段は、矩形範囲を指定するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態に係る表示装置は、上記した構成において、前記電子データに付加された情報は、スクリプトにタグで指定するように構成されていてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、前記分割固定範囲の指定は、ユーザの操作によって指定される範囲によって決定されるものに限らず、電子データに付加された位置や範囲の情報に従って、分割固定範囲を指定する。これにより、電子データ作成者が常に表示しておきたい内容を画面分割させて表示させることが可能となる。
以上のように、本発明によれば、スクロール範囲が分割固定範囲を含む範囲、もしくは除く範囲へ変更されるので、それぞれの分割画面で表示内容が重複することがなく、表示内容の位置が分割画面内で逆転しないという効果が得られる。また、同様にして、一方向のスクロールで分割画面のスクロールを制御できるという効果が得られる。