JP2007078645A - 交流atき電回路用故障標定装置 - Google Patents

交流atき電回路用故障標定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】区間境界の近傍で発生する故障や、上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく、故障種別と故障発生区間を確実に判定することにある。
【解決手段】複数のAT区間の両端にそれぞれ配置された標本量測定装置より送信される標本量情報を受信してこれら標本量情報から同一電源グループのAT区間を分類して記憶し、故障発生当該グループの標本量情報を選別して記憶する区間グループ標定情報取得手段1bと、この区間グループ標定情報手段により選別して記憶された故障当該グループの標定情報から故障点区間比標定に必要な故障区間両端の標定情報を選別して記憶する故障当該区間情報選別手段1cと、この故障当該区間情報選別手段により選別された故障当該区間両端の標本量情報に基づいて故障点区間比を算出する故障点区間比標定手段1dと、この故障点区間比標定手段で求めた故障区間距離における故障点標定値に基づいて電車線路の起点から故障点までの絶対距離長を算出する故障点距離算出手段1eとを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気鉄道における交流ATき電回路のAT区間に発生する地絡或いは短絡故障点距離を特定するための交流ATき電回路用故障点標定装置に関する。
一般に交流電気鉄道におけるATき電回路は、図14に示すような系統構成となっている。
図14において、鉄道沿線には、き電電源を供給する変電所SSを数10km間隔で備え、双方の変電所電源間をき電区分所SPで区分している。さらに、同一電源区間を限定区分するための補助き電区分所SSPを設けている。これら変電所SS及びそれぞれのき電区分所SP,SSPには単巻変圧器ATを備えている。
ここで、き電区分所SPで双方向の異なる電源を付き合わせる運転方式を突き合せき電といい、一方の電源を反対方面へ延ばした運転方法を延長き電という。
上記電車線には下り線と上り線があり、上下線は変電所及び各区分所に備える上下線タイ開閉器により分離または結合して運用する。
ATき電回路は、図15に示すようにトロリ線T、フィーダ線(き電線)F、レールR及び保護線PWから構成され、約10km間隔で単巻変圧器ATが配置される。また、変電所SSのき電電圧は単巻変圧器ATでトロリ線とレール間電圧を1/2に降圧して電気車に供給している。さらに、トロリ線とレールに流れる電気車電流は単巻変圧器ATで1/2の値に変換されてトロリ線とフィーダ線を帰還し、変電所SSの電源に流れる。
ところで、このようなATき電回路の系統構成において、故障点の標定は、次のようにして行われている。
まず、変電所SSでは、一般的に図16に示すような電車線の線路短絡インピーダンスが検出される。
図16に示すように、T−F短絡インピーダンスは線路長に対し直線であるが、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールと保護線(PW)の渡り地点を節として上部に膨らむインピーダンス特性を有している。このため、線路リアクタンスから求める故障点標定は、T−F短絡以外の故障に対し、標定精度が著しく低下する。また、電車線路の構成からT−F短絡は発生頻度が少なく、故障の多くは碍子せん絡や飛来物によるT−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡かT及びFの地絡である。
そこで、線路インピーダンスが上部に膨らむ故障については、AT区間の故障電流がレールRと保護線PWとで接続される区間両端のAT中性点に流れることを利用して故障点の標定を行っている。
次に図17にT−R短絡故障の一般的な故障電流分布を示す。
図17において、トロリ線TとレールRに流れる故障点電流は、故障区間両端のAT中性点に吸上げられ、ATによってき電電圧基準に変換(1/2)された電流が変電所(SS)に帰還するので、故障区間両端のATは電気車電圧基準の電源として作用する。
また、図18に故障電流のAT吸上げ原理図を示す。図18は簡略のため両端AT1,AT2を同じ電圧、位相の電源とし、き電電圧基準系を無視している。
図18に示す原理図から故障区間の両端ATの吸上げ電流(I1,I2)は次式で求まる。
1=V・(Z2)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (1)
2=V・(Z1)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (2)
ただし、V:電車線系基準電圧、Z1:AT1と故障点間のインピーダンス、Z2:AT2と故障点間のインピーダンス、Z3:故障点インピーダンス、D:AT区間距離長、X:故障点距離長
実回路では、変電所SSにき電電圧系基準の電流がATのT−F間に流れることと、Z1とZ2にはATの漏れインピーダンスが含まれることから補正を行うが、上述した(1)、(2)式は、故障電流に対するATの吸上げ電流と故障点距離が直線的な関係となることを示している。
図19は上述した従来の故障点標定における故障標本量測定装置の構成図である。
図19は電車線路の上下線に配置される複数のAT区間における任意AT区間ATnを代表例として示している。ATn区間両端の故障標本量測定装置bは、区間両端の単巻変圧器ATn、ATn+1のき電電圧と中性点電流を電気量入力としてそれぞれ取り込み、故障発生時の電気量入力を標定情報として測定し、これらの標定情報を遠隔の故障点標定装置aに標定情報通信ラインを介して送信する。
この故障点標定装置aは、各AT区間の両端から送信された故障発生時の標定情報(区間両端のATの中性点電流の値)を取得し、これら取得した標定情報から各区間における両端の標定情報量和を求め、区間両端の標定情報量和の最大値区間を故障当該区間と判定し、この故障区間の両端標本情報から図18に示した原理に基づいて故障点距離を算出する。
図20は、図19に示す従来の故障点標定装置aにおける故障当該区間の両端の標定情報処理ブロック図である。
また、図21は、ATn区間で発生するトロリ〜レール短絡故障における区間両端の単巻変圧器ATn,ATn+1の中点吸上電流の状態を示している。つまり、故障当該区間両端の標定情報である。
故障点標定装置aは、(3)式を用いて故障当該区間(ATn区間)の両端の単巻変圧器ATn、ATn+1の中点吸上電流IATn、IATn+1の電流比(Hi)をそれぞれ算出する。これら算出された電流比(Hi)は、図18に示す原理図で説明したように、故障点から区間両端の単巻変圧器ATの中点との区間インピーダンスに比例するが、AT漏れインピーダンスに応じた誤差を含むため、求めた電流比(Hi)を定数(k)を用い区間距離との直線比例関係に補正して、ATn区間長(D)、起点(絶対基準点)から単巻変圧器ATnでの距離(Ln)それぞれの定数を用いた(4)式により、起点から故障点までの距離(Ls)を算出する。
Hi=(IATn+1/(IATn+IATn+1)…… (3)
Ls=Ln+D・(Hi−k)/(1−2k)…… (4)
但し、Hi:故障区間両端のAT吸上電流比
k:AT漏れインピーダンス補正定数
D:故障区間の距離
n:起点から故障区間基準端ATまでの距離
Ls:起点から故障点までの距離
図22に(3),(4)式を用いて行う故障標定原理特性を示す。
電流比(Hi)直線には両端のAT漏れインピーダンスなどの誤差要因となる定量インピーダンスが介在するため、傾き(電流比(Hi)直線)が生じ、この傾きを定数(k)で補正した直線が区間距離(D)補正直線である。
このように鉄道き電回路の電車線の上下線は、大別すると電気車に電力を送電するトロリ線T、フィーダ線F、レールR、保護線PWなどの電力線からなる送電区間、及び上下線をタイ開閉器で結合或いは分離するき電ポストSS、SSP、SPから構成されている。
しかるに、故障は多様な個所でT、F地絡故障、或いはT−R短絡故障、T−PW短絡故障,F−R短絡故障,F−PW短絡故障、さらにはT−F短絡故障が発生する。
一方、故障点標定装置には、一旦故障が発生した場合の迅速な復旧処置のために故障発生点の選択性と故障点標定距離の正確性が求められる。
しかしながら、上述したAT区間の両端のAT吸上電流比による故障点標定原理には次に述べる不具合がある。
(ア)T−F短絡故障電流は、トロリ線とフィーダ線を帰還し、AT中性点に流れない。このため、AT吸上電流比標定の原理ではT−F短絡故障点を特定できない。
T−F短絡故障は、故障点までの線路インピーダンスが故障点距離とほぼ直線的な関係を示すため、リアクタンス標定は可能であるが、境界点近傍の故障では変電所で検出する故障リアクタンスが両区間とも同等になるので、故障区間を特定することはできない。
また、上述のように、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡、及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールRと保護線PWの渡り地点を節として上部に膨らむため、他の故障種別に対して故障区間の特定は困難である。
(イ)AT近傍の故障は、ATより起点側の電車線故障、き電ポスト構内故障、ATより終点側の電車線故障の三区間に区分されるが、いずれで発生する故障もATの中性点電流では故障点近傍のATと起点側、終点側それぞれのATとの中性点電流比が均等になるため、故障区間を判別できない。
(ウ)電車線路に配置されるSS、SSP、SPには上下線を結合−分離する上下線タイ開閉器を備えている。この上下線タイ開閉器で上下線が結合される場合は故障電流が上下線のATにほぼ半分ずつ流れる。このため、各AT個所では、上下線ATの中性点電流を合計して区間両端の吸上げ電流比を求めるため、結果として故障発生個所が上り線か下り線であるかを特定できない。
本発明は上記ような問題を解消し、T−F短絡故障を含む全故障種別に対し、区間境界の近傍で発生する故障や、上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく、故障種別と故障発生区間を確実に判定することができるATき電回路用故障点標定装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、交流ATき電回路の任意距離区間毎に配備された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間の両端にそれぞれ配置され且つ各端の電気量を取得して標本量情報として測定する標本量測定装置より通信手段を介して送信される標本量情報をそれぞれ受信して前記AT区間の故障検知と故障点標定を行う交流ATき電回路用故障点標定装置において、前記各標本量測定装置により測定された標本量情報から同一電源グループのAT区間を分類して記憶し、故障発生当該グループの標本量情報を選別して記憶する区間グループ標定情報取得手段と、この区間グループ標定情報手段により選別して記憶された故障当該グループの標定情報から故障点区間比標定に必要な故障区間両端の標定情報を選別して記憶する故障当該区間情報選別手段と、この故障当該区間情報選別手段により選別された故障当該区間両端の標本量情報に基づいて故障点区間比を算出する故障点区間比標定手段と、この故障点区間比標定手段で求めた故障区間距離における故障点標定値に基づいて電車線路の起点から故障点までの絶対距離長を算出する故障点距離算出手段とを備える。
本発明によれば、T−F短絡故障を含む全故障種別に対し、区間境界の近傍で発生する故障や、上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく、故障検知と故障発生区間、故障点、故障種別を確実に判定することができる。
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明による故障点標定装置を適用した交流ATき電回路の系統構成図であり、本例では図14に示す系統構成のATき電回路下り線の任意ATn区間を代表として説明する。
図1において、電車線はトロリ線T、レールR、フィーダ線Fに代表される電力送電線で構成され、各AT区間(ATn区間)は、単巻変圧器ATが設置される変電所SS又は、き電区分所SP或いは、補助き電区分所SSPなどを境界としてそれぞれ区分される。
図1の任意ATn区間の代表例に示したように、ATn区間境界点では、境界点両翼のトロリ線Tとフィーダ線Fに備えた計器用変流器CTTan,CTFan,CTTbn,CTFbn、及び計器用変圧器PTnの二次電流と二次電圧を故障標定(電気量)情報として故障標本量測定装置2に導入する。
各AT境界点の故障標本量測定装置2も同様にそれぞれの区間境界点両翼のトロリ線、フィーダ線の計器用変流器及び計器用変圧器の二次電流と二次電圧をそれぞれ導入する。
これら故障標本量測定装置2に導入された電気量は、AT区間境界点から両翼区間双方向を基準極性としてそれぞれ示している。
この故障標本量測定装置2は、故障発生時の導入電気量を標定情報として測定し、その標定情報を遠隔の故障点標定装置1に標定情報通信ラインを介して送信する。
故障点標定装置1は、複数のAT区間の各境界点の故障標本量測定装置2と通信して故障発生時の標定情報(AT区間境界点両翼の電流情報と境界点のき電電圧)を取得し、これらの標定情報から故障標定演算を実行する。
図2は、本発明による故障点標定装置の第1の実施形態における区間流入電流比標定の演算処理ブロック図である。
図2において、故障点標定装置1は、標本量測定装置通信手段1aを備え、ATき電回路の複数の標本量測定装置(図示せず)と定周期、又は定時及び故障発生時或いは随時通信してそれぞれのAT境界点の標定情報(AT,AT1,……ATn+3)を取得する。
各標本量測定装置から取得する標定情報は、AT境界点の系統運用情報(上下線タイ開閉器運用、延長運用)、故障検知情報、電気量情報(境界点の電圧及び両翼トロリ線、フィーダ線電流)である。
グループ区間情報取得手段1bは、電車線の起点から終点までの全AT区間において、各AT境界点の故障標本量測定装置が検知して送信する系統運用情報と、故障検知信号を取得して次の処理を行う。
(ア)系統運用情報から同一電源区間の故障標本量測定装置をグループ分類して図示しないメモリに記憶し、随時取得する系統運用情報に応じてグループ分類を最新情報に更新する。
(イ)故障検知情報から故障当該グループの故障標本量測定装置に対して順次通信し、各AT境界点の故障発生時の電気量情報を取得して図示しないメモリに格納する。
(ウ)故障発生時に故障当該グループの全故障標本量測定装置からの電気量情報をメモリに格納した後、故障当該区間情報選別手段1cに通知する。
この故障当該区間情報選別手段1cは、上記グループ区間情報取得手段1bの電気量情報格納終了の通知を受けると次の処理(エ)〜(カ)を行う。
(エ)故障発生当該グループの複数のAT境界点(複数AT区間)において、図示しないメモリに格納された同一AT区間両端の電気量情報を順次比較し、正常区間に流れる故障電流は区間外通過で相殺され、故障区間では区間内に流入する原則を応用して区間内流入電流の最大区間、若しくは任意値超過区間を選別する。
図3は、ATn区間のトロリ〜レール短絡故障時における故障区間両端のAT境界点の電流分布状態を示し、ATn区間両端のトロリ線とフィーダ線は次に示す電流(1),(2),(3)である。
(1)トロリ線とレールの故障点には、区間両端の単巻変圧器(ATn、ATn+1)の中点に流れる電流(IATn,IATn+1)と、さらに両翼遠端の単巻変圧器AT(図示しない)、及び電源の中点に帰還する電流(IRa,IRb)が流れ、トロリ線には双方向の電流が流入する。
(2)電源と反対側方向のトロリ線〜レールを流れる電流(IATn+1,IRb)は、単巻変圧器ATの巻線比(1/2)に変換された電流値(0.5IATn+1,0.5IRb)でトロリ線とフィーダ線ともに故障区間を通過して電源に帰還する。区間を通過する上記トロリ線電流とフィーダ線電流は逆位相である。
(3)一方、電源側方向のトロリ線〜レールを流れる電流(IATn,IRa)は、故障区間外(電源側)のトロリ線とフィーダ線から電源に帰還する。
故に、故障区間両端のAT境界点両翼の各電気量(トロリ線電流とフィーダ線電流)は、表1に示すような値となる。
Figure 2007078645
つまり、ATn故障区間の両端トロリ線とフィーダ線の合成(Ian+1+Ibn+1)から区間流入故障電流が求まる。
(オ)選別された故障発生当該区間の両端AT境界点の電気量情報を故障標定情報として図示しないメモリに格納する。故障が多重区間で発生した場合は、それぞれの故障区間について故障標定情報を図示しないメモリに格納する。
(カ)故障発生当該グループの全AT区間の上記故障区間選別処理が終了するとその旨を故障点区間比標定手段1dに通知する。
この故障点区間比標定手段1dは、上記故障当該区間情報選別手段1cの故障区間選別処理終了の通知を受けると、選別された故障当該区間両端の故障標定情報を図示しないメモリより読み出し、その故障標定情報から故障区間両端の合成電流(ΣIn、ΣIn+1)を算出し、この合成電流から故障区間距離に対する区間基準端から故障発生点距離の比率を算出する。
図4に故障区間両端の合成電流比標定の一例を示す。ここで、図示しないメモリより読み出す故障標定情報は、図3で説明したようにAT区間両端のAT境界点の標本量測定装置により測定した事故発生時の電気量情報(AT境界点の電圧及び両翼トロリ線、フィーダ線電流)である。
故障点区間比標定手段1dは、ブロック内に示したアナログ合成回路(原理)で、読み出した故障標定格納情報から(5),(6)式を用いて故障区間両端の合成電流(ΣIn,ΣIn+1)を算出する。
ΣIn=ITan+IFan+ITbn+IFbn…… (5)
ΣIn+1=ITan+1+IFan+1+ITbn+1+IFbn+1…… (6)
但し、ΣIn:ATn境界点の算出電流(ATn中点吸上げ電流)
Tan:ATn境界点の電源側トロリ線電流
Fan:ATn境界点の電源側フィーダ線電流
Tbn:ATn境界点のATn区間側トロリ線電流
Fbn:ATn境界点のATn区間側フィーダ線電流
ΣIn+1:ATn+1境界点の算出電流(ATn中点吸上げ電流)
Tan+1:ATn+1境界点のATn区間側トロリ線電流
Fan+1:ATn+1境界点のATn区間側フィーダ線電流
Tbn+1:ATn+1境界点の電源側トロリ線電流
Fbn+1:ATn+1境界点の電源側フィーダ線電流
上記(5),(6)式の算出値は、表1に示す故障区間両端のAT境界点両翼それぞれの電気量(トロリ線電流とフィーダ線電流)の値から、それぞれ故障区間両端の単巻変圧器(ATn,ATn+1)の中点吸上げ電流(IATn,IATn+1)であることが分かる。
故障点区間比標定手段1dは、次に(7)式を用い、(5),(6)式で求めた合成電流(ΣIn,ΣIn+1)から故障区間距離に対する故障区間基準端から故障点までの区間距離比率(D%)を算出する。
なお、(7)式は従来方式と同様にATき電回路における故障区間両端の故障電流分布原理に基づいている。
D%=(ΣIn+1)/(ΣIn+ΣIn+1)…… (7)
故障点距離算出手段1eは、(8)式を用い、故障点区間比標定手段1dで求めた故障点の区間距離比率(Hi)から電車線の起点から故障点までの距離を算出する。
Ls=Ln+D・(Hi−k)/(1−2k)…… (8)
但し、D%:故障区間両端のAT境界点のトロリ線とフィーダ線両翼合成電流比
k:AT漏れインピーダンス補正定数
D:故障区間の距離
n:起点から故障区間基準端ATまでの距離
Ls:起点から故障点までの距離
このように第1の実施形態では、区間両端のトロリ線とフィーダ線電流のベクトル合成和(区間流入電流)から故障発生区間の検知と故障点標定を行うので、従来の標定方式では困難とされた故障個所(AT構内・上り線・下り線)の特定と、T−F短絡故障の故障点標定が可能になる。
次に本発明による故障点標定装置の第2の実施形態における区間両端差電圧標定を説明する。
第2の実施形態において、演算処理ブロック、及び標本量測定装置通信手段1a、 グループ区間情報取得手段1b、 故障当該区間情報選別手段1c、 故障点距離算出手段1eはそれぞれ図2に示す故障点標定装置1における区間流入電流比標定と同様な手段により前述同様に作用する。
本実施形態では、故障点区間比標定手段1dにおいて、故障当該区間両端の標定情報から両端電圧差と、トロリ線及びフィーダ線の区間端通過電流及び区間流入電流とを算出し、予め定めて記憶した式、定数を用いて故障点の区間距離比を求めるようにしたものである。
上記故障点区間比標定手段1dは、故障当該区間情報選別手段1cの故障区間選別処理終了の通知を受けると、選別された故障当該区間両端の故障標定格納情報から、図5に示す故障区間両端の電気量情報(V1、IT1、IF1、V2、IT2、IF2)を図示しないメモリより読み出し、次の(9)式を用いて故障区間距離(D)に対する区間基準端から故障発生点距離の比率(D%)を算出する。
D%=((ΔV)/(ZL)+(IT2+α(IF2)))/((IT1+IT2)+α(IF1+IF2))……(9)
但し、AT区間両端電流の極性は、それぞれ区間方向に流れる電流を基準(正極)とし,各記号は以下である。
D%:基準側AT境界点から故障点距離の故障区間距離に対する比率
ΔV:AT区間両端の差電圧(基準側AT境界点電圧V1−反基準側AT境界点電圧V2
L:区間線路インピーダンス(=トロリ線路インピーダンスZT
IT1:基準側AT境界点の故障区間端トロリ電流(ITbn
IF1:基準側AT境界点の故障区間端フィーダ電流(IFbn
T2:反基準側AT境界点の故障区間端トロリ電流(ITan+1
F2:反基準側AT境界点の故障区間端フィーダ電流(IFan+1
α:トロリ線インピーダンスに対するフィーダ線インピーダンス比
また、故障点距離算出手段1eは、故障点区間比標定手段1dの区間両端差電圧標定原理式(9)で求めた故障点の区間距離比率(Hi)から図2で述べた区間流入電流比標定と同様に、電車線起点から故障点までの距離を算出する。
次に、図6を用いて上述した故障発生点距離の比率(D%)を算出する(9)式の原理について説明する。
図6は第2の実施形態におけるAT区間差電圧標定の原理説明図であり、トロリ、レール、フィーダの各電車線インピーダンスを一線のき電回路インピーダンス(Z1,Z2)に代表(簡略)したトロリ〜レール短絡故障の電流と電圧分布の一例を示している。
トロリ〜レール間のインピーダンス(Z3)は、故障インピーダンスである。図はそれぞれ電源電圧(V)・AT区間両端のき電電圧(V1,V2)、AT区間両端の単巻変圧器(AT1、AT2)のトロリ線とフィーダ線から電源に帰還する電流(I1,I2)、単巻変圧器(AT1、AT2)から変圧比(n)倍となって両端から故障点のトロリー〜レール間に流れる故障電流(nI1,nI2)、AT区間両端から故障点までの区間電圧(VL1,VL2)を示している。原理図からは次の(10)〜(13)式に示す関係式が成立する。
1=(V)((Z1)+(Z3)+n2((Z1)(Z2)/(Z1+Z2))/((ZP)+(Z1)+(Z3)
+n2((Z1)(Z2)/(Z1+Z2))…… (10)
2=(V)((Z3)+n2((Z1)(Z2)/(Z1+Z2))/((ZP)+(Z1)+(Z3)
+n2((Z1)(Z2)/(Z1+Z2))…… (11)
1−V2=(V)((Z1)/((ZP)+(Z1)+(Z3)
+n2((Z1)(Z2)/(Z1+Z2)…… (12)
L1+VL2=(n(I1)+(I2))(Z1)−(I2)(Z2)
=V(Z1)/(((ZP)+(Z1)+(Z3))(Z1+Z2)+n2((Z1)(Z2))/(Z1+(n
−1)(Z2)))…… (13)
ここで、AT区間両端の単巻変圧器(AT1,AT2)の変圧比(n=2)において、(12)式に示すAT区間両端差電圧(V1−V2)は、(13)式に示す区間インピーダンス(Z1,Z2)と区間電流(I1,I2)から発生する区間差電圧(VL1+VL2)と透過するので、(14)式に示す区間距離(Z)に対する故障点距離比(D%)の区間差電圧標定原理式が成立する。
ΔV=(n(I1)+(I2))(D%)(Z)−(I2)(1-D%)(Z)
∴ D%=((ΔVT/ZL)+IT2)/(IT1+IT2)…… (14)
但し、ΔVT:AT区間両端差電圧(=V1−V2)
L:AT区間距離インピーダンス(=Z1+Z2)
D%:AT区間距離に対する故障点距離比(Z1=(D%)ZL,Z2=(1−D%)ZL
T1:AT区間におけるAT1境界点のトロリ線電流(=n(I1)+I2)
T2:AT区間におけるAT2境界点のトロリ線電流(=I2)
また、図示しないが、フィーダ〜レール短絡故障の場合は図6に示す原理図が上下対象となるので、上記(14)式のトロリ線電流をフィーダ線電流に置き換えて(15)式が成立する。
∴ D%=((ΔVF/(ZL)+(α)(IF2))/(α)(IF1+IF2)…… (15)
但し、ΔVF:AT区間両端差電圧(=V1−V2)
α:トロリ線のAT区間インピーダンスに対するフィーダ線区間インピーダンス比
F1:AT区間におけるAT1境界点のフィーダ線電流(=n(I1)+I2)
IF2:AT区間に置けるAT2境界点のフィーダ線電流(=I2)
しかるに、(14)式と(15)式の合成から前記(9)式が、トロリ〜レール短絡故障、フィーダ〜レール短絡故障、トロリ〜フィーダ短絡故障、トロリ地絡故障、フィーダ地絡故障の全故障種別において、AT区間距離に対する故障点距離比(D%)を求める統一原理式として成り立つことが分かる。
次に、実系統のき電回路について説明する。
実際のき電回路は、図7に示すようにトロリT、フィーダF、レールR、保護線PWに代表される多線条回路で構成され、レールRと保護線PWは相互に均等距離区間毎に渡り線で結合されている。つまり、図6のAT区間差電圧標定の原理図に示すAT区間両端のAT1,AT2の電流帰還回路インピーダンス(Z1,Z2)は多線条合成インピーダンス(ΣZ1,ΣZ2)であり、トロリ〜レール短絡故障における実系統のAT区間インピーダンス例を図8に示す。
図8に示した特性は、凡例順にAT境界点のT−F帰還インピーダンス(V/(ΣIF))、区間距離に対する故障点距離比((k)ZL)、AT区間両端のAT1,AT2の電流帰還回路合成インピーダンス比(ΣZ1/(ΣZ1+ΣZ2))、区間差電圧標定から求める故障点インピーダンス比(D%)であり、それぞれ次の特性(キ)、(ク)、(ケ)を有している。
(キ)AT境界点のT−F帰還インピーダンス(V/(ΣIF))は、前述の従来方式で説明したように、T−F短絡の場合は区間長に対し直線((k)ZL)であるが、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡及び図示しないT、Fの地絡故障の場合は、区間両端AT帰還インピーダンス合成とAT変圧比によるAT区間の大きな膨らみとレールと保護線PWの渡り地点を節とした小さな膨らみが重なる。このため、線路リアクタンスから求める故障点距離標定は、T−F短絡以外の故障に対し標定精度低下が著しい。
(ク)AT区間両端の合成インピーダンス比(ΣZ1/(ΣZ1+ΣZ2))は、区間距離との直線比例関係に対し、片端側の合成インピーダンス(図7の例ではAT2帰還インピーダンス)にフィーダ線インピーダンス(ZF)が直列結合するので、AT区間両端の吸上げ電流比の直線比例関係に対して、故障点距離比例直線に対する傾斜誤差が生じる。
(ケ)区間差電圧標定から求める故障点インピーダンス比(D%)は、故障点に対する区間両端電流と区間インピーダンスとの比例関係から生じる区間両端の実差電圧と区間両端の実電流、及び既知の値として予め定めた区間インピーダンス定数とから(9)式を用いて故障点を逆算するので原理上の誤差は生じないが、区間インピーダンスの実回路値と既知数として定める区間インピーダンス定数の不整合率が比例直線に傾き誤差を生じさせる。
以上述べたように図8に示した特性は、上述した(キ)AT境界点のT−F帰還インピーダンス(V/(IT1−IF1))がき電電圧とき電電流から求める従来の線路リアクタンス標定であり、T−F短絡故障に限り有効であるが、上下線が上下タイ開閉器で結合している場合は上下線の線路リアクタンスが半減するため、前方AT区間の故障を当該区間内の故障と標定する場合が発生する。
従って、電源から故障区間までの健全区間を含めた全AT区間の故障点標定結果の中から故障が実際に発生した区間の標定値を選別することが必要である。また、上述した(ク)AT区間両端の合成インピーダンス比(ΣZ1/(ΣZ1+ΣZ2))は、従来の区間両端ATの吸上げ電流比標定である。
この標定原理は、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡、T地絡、F地絡の故障点標定に有効であるが、T−F短絡故障の場合、故障電流はトロリ〜フィーダ間を帰還するため、AT吸上電流比標定は原理上困難である。さらに、上下線タイ開閉器による突合せき電、或いは延長き電などの系統運用により区間両端のAT台数に応じた吸上げ電流の分流や、無視できない標定誤差要因となる区間外へのトロリ線〜レールを流れる電流などの区間両端で吸上げ電流の総和処置が必要となる。
上述の(ケ)の区間差電圧から故障点インピーダンス比(D%)を求める本発明の標定方法は、全故障種別に対して故障点標定が有効である。又、健全AT区間では故障電流が区間両端を通過するため標定値(故障点の区間比)は無効(∞)となる。
一方、故障AT区間の標定値(故障点の区間比)のみが有効(0.0〜1.0)となる。また、上下タイ開閉器による突合せき電、或いは延長き電などの系統運用による分流岐路変化や区間外へのトロリ線〜レールを流れる電流などの影響も無視できる(原理上影響を受けない)。
つまり、本発明の要点は系統運用変化や区間外レール帰還の結果として区間に流入する故障電流と故障点の区間距離との比例関係で、発生する区間両端の差電圧とから故障点を標定することにある。
このように第2の実施形態では、区間に流入する故障電流と故障点の区間距離との比例関係で発生する区間両端の差電圧とから故障点を算出するので、AT接続台数や上下線タイ開閉器による突合せき電、或いは延長き電などの系統運用による分流岐路変化や区間外へのトロリ線〜レールを流れる電流などの影響を受けることがなくなる。つまり、従来の標定方式では困難とされた故障個所(AT構内・上り線・下り線)の特定と、T−F短絡故障の故障点標定が可能になり、系統変化に対して安定した精度で故障点を標定することができ。
次に本発明による故障点標定装置の第3の実施形態として、T分岐(3端子)AT区間の差電圧標定例について説明する。
第3の実施形態において、演算処理ブロック、及び標本量測定装置通信手段1a、 グループ区間情報取得手段1b、故障当該区間情報選別手段1c、故障点距離算出手段1eは図2に示す故障点標定装置1における区間流入電流比標定と同様な手段により前述同様に作用する。
本実施形態では、故障点区間比標定手段1において、T分岐3端子区間の各端の標定情報から、3端子間の両端差電圧及びトロリ線、フィーダ線の区間端通過電流、及びT分岐区間流入電流とを算出し、予め定めて記憶したT分岐の3端子間に対応する式とT分岐点を境界とする3区間それぞれの定数を用いて、3端子間それぞれの故障点区間距離比を算出し、これら3端子間それぞれの故障点区間距離比からT分岐点を境界とする3区間における故障発生区間を検知し、検知した故障発生当該区間の故障点区間距離比を標定値とするものである。
故障点区間比標定手段1dは、本発明における区間両端差電圧標定演算を行う手段である。この故障点区間比標定手段1dは、上記故障当該区間情報選別手段1cの故障区間選別処理終了の通知を受けると、図示しないメモリから選別された故障当該区間両端の故障標定情報から、前述した図5と同様に故障当該T分岐3区間端の電気量情報(3区間端のき電電圧V1,V2,V3及びT分岐区間端のトロリ線電流、IT1,IT2,IT3とフィーダ電流IF1,IF2,IF3)を読み出し、各区間1,2,3の故障発生点距離の比率(D1,D2,D3%)を算出する。
図9は、T分岐(3端子)AT区間の差電圧標定原理図である。
T分岐区間は、分岐点を境界として3区間(区間1,2,3)に区分される。各区間端(AT1,AT2,AT3)にはそれぞれ単巻変圧器ATが設置され、図9はAT1区間端をT分岐区間の基準点としている。各区間は、前述した図7のようにトロリ、フィーダ、レール、保護線PWに代表される多線条回路で構成されているが、図9はこれらの多線条回路インピーダンスを簡略のため、一線に代表したそれぞれの区間インピーダンス(Z1,Z2,Z3)で示している。
図中、記号F1,F2,F3は、各区間の起点側から故障点までの区間距離比(D1,D2,D3%)の故障点を示している。また、記号V1,V2,V3は、T分岐区間の各区間端のき電電圧である。さらに、記号I1,I2,I3は各区間端に流れる故障電流であり、VL1,VL2,VL3はそれぞれの区間インピーダンス(Z1,Z2,Z3)と各区間に流れる故障電流(I1,I2,I3)との関係からT分岐点を中心として発生する区間電圧である。
これら各区間故障(F1,F2,F3)において、図9の原理図に示す各区間端の電圧(V1,V2,V3)、電流(I1,I2,I3)、区間インピーダンス(Z1,Z2,Z3)及び故障点(k)の関係について、次の(コ)、(サ)、(シ)の(16),(17),(18)式に示す、各区間の故障点区間比(D1,D2,D3%)を求める関係式が成り立つ。
但し、Z1=ZL, Z2=αZL, Z3=βZL,
(コ)区間1故障(F1)の故障点区間比(D%)を求める関係式
1−V2=VL1+VL2=(D1%)(ZL1)(I1)−(I-D1%)(ZL1)(I2+I3)−(ZL2)(I2)
(D1%)=((V1−V2)+(ZL1+ZL2))(I2)+(ZL1)(I3))/(ZL1)(I1+I2+I3
(D1%)=((V1−V2)/ZL)+(1+α)(I2)+(I3))/(I1+I2+I3)…… (16)
(サ)区間2故障(F2)の故障点区間比(D2%)を求める関係式
1−V2=VL1+VL2=(ZL1)(I1)+(D2%)(ZL2)(I1+I3)−(1−D2%)(ZL2)(I2)
(D2%)=((V1−V2)+(ZL2))(I2)−(ZL1)(I1))/(ZL2)(I1+I2+I3
(D2%)=((V1−V2)/ZL)+α(I2)−(I1))/α(I1+I2+I3)…… (17)
(シ)区間3故障(F3)の故障点区間比(D3%)を求める関係式
1−V3=VL1+VL3=(ZL1)(I1)+(D3%)(ZL3)(I1+I2)−(1−D3%)(ZL3)(I3)
(D3%)=((V1−V3)+(ZL3))(I3)−(ZL1)(I1))/(ZL3)(I1+I2+I3
(D3%)=((V1−V2)/ZL)+β(I3)−(I1))/β(I1+I2+I3)…… (18)
上述した各区間の故障点区間比を求める(16),(17),(18)式の関係式は、当該区間の故障において原理上故障点を正確に標定できるが、一方で他の区間故障の場合には正確な故障点比を求めることができない。T分岐区間で発生する故障はT分岐点(3区間の中心)、または3区間内の何処かで発生している。
しかるに、本発明の第3の実施形態では、上記(16),(17),(18)式の故障区間比の関係式で求めた値を用い、次に示す(19),(20)の結果から故障区間を次に示す方法(4)、(5)、(6)で判定し、故障区間に応じた関係式で求めた故障点区間比を選別する。
(ΣD%)=(D2%)+(D3%)…… (19)
(ΔD%)=(D2%)−(D3%)…… (20)
判定方法
(4)D%≦kの場合……区間1故障(故障点区間比(D1%)の標定値を選別)
(5)ΣD%≧kで、且つΔD%≧kの場合……区間2故障(故障点区間比(D2%)の標定値を選別)
(6)ΣD%≧kで、且つΔD%≦kの場合……区間3故障(故障点区間比(D2%)の標定値を選別)
但し、kの値は0近似の任意値とする。(原理上は0である)
以上述べた本発明によるT分岐区間差電圧標定の特性例を図10に示す。
図10において、グラフ横軸は順に区間1,2,3の各区間に対する故障点比率であり、縦軸は(16),(17),(18)で求めた故障点標定比率の値である。
また、グラフ凡例記号の(F故障)、(F2故障)、(F3故障)は、それぞれグラフ上段の故障発生区間領域に対する故障区間判定結果を凡例記号で示すもので、縦軸の数値とは関係しない。
(16)式で求める区間1故障(F1)の故障点区間比は、グラフ凡例記号の(D1%)であり、(17)式で求める区間2故障(F2)の故障点区間比は、(D2%)、(18)式で求める区間3故障(F3)の故障点区間比は、(D3%)である。
各区間の故障点標定(D1%, D2%, D3%)は、当該区間の故障に対しては正確な故障点比率を算出する一方で他区間の故障標定が不可能であることが分かる。また、上記(19),(20)の結果を用いて行う故障区間判定論理は、故障区間を的確に選別し、故障区間に応じた標定関係式の標定結果(D%)を選別している。
故に、故障区間と故障当該区間標定値とを選別する本発明による標定原理を用いれば正確にT分岐区間領域で発生する故障点を正確に標定することが可能である。
次に実回路(多線条)における本発明のT分岐区間の差電圧標定による原理式の応用例を説明する。
T分岐3区間における実際のき電回路は、図7と同様にトロリ、フィーダ、レール、保護線PWに代表される多線条回路で構成され、レールと保護線(PW)は相互に均等距離区間毎に渡り線で結合されている。つまり、図6のAT区間差電圧標定の原理図での説明と同様に、T分岐3区間端もAT1,AT2、AT3の各電流帰還回路インピーダンス(Z1,Z2,Z3)は他条線合成インピーダンス(ΣZ1,ΣZ2,ΣZ3)である。
このように系統運用変化や区間外への帰還回路及び故障種別に応じて合成インピーダンスは複雑・多様に変化し、故障電流値や3区間端の分流比も多様に変化する。3区間端の分流比や合成インピーダンスがそれぞれどのように変化しても、結果として故障電流は区間内に流入するので図9で示した本発明の標定原理を応用できる。
しかしながら、故障区間に流入する実回路の故障電流はトロリ線、又はフィーダ線、或いは両線から故障点に流入するので、3区間端のトロリ線電流とフィーダ線電流、及び故障点区間距離との比例関係で発生する3区間端の差電圧を関数とする故障点比率との関係式で求めることが必要となる。
実回路における各区間1,2,3の区間インピーダンス関係式を次の(7),(8),(9)に示し、本発明の第3の実施形態では、これら関係式(ス)、(セ)、(ソ)を展開して成り立つ(21),(22),(23)式を用いて故障点区間比(D1,D2,D3%)を標定する。
(7)ZL1=(ZT1+ZF1),ZL2=(ZT2+ZF2),ZL3=(ZT3+ZF3
(8)ZF1=(τ1)ZT1,ZF2=(τ2)ZT2,ZF3=(τ3)ZT3
(9)ZL1=(1+τ1)ZT1,ZL2=α(1+τ2)ZT1,ZL3=β(1+τ3)ZT1
但し、ZT:トロリ線インピーダンス,ZF:フィーダ線インピーダンス,
τ:トロリ線に対するフィーダ線のインピーダンス比,1,2,3:それぞれの区間区分
α:区間1と区間2の距離比、β:区間1と区間2の距離比
ここで、簡略のため、各区間インピーダンスは均等に分布し、各区間のトロリ線に対するフィーダ線のインピーダンス比τ1, τ12, τ3は同一(τ123=τ)とする。
(ス)実回路における区間1故障(F1)の故障点区間比(D1%)を求める関係式
1−V2=VL1+VL2=(D1%)(ZL1)(I1)−(1−D1%)(ZL1)(I2+I3)−(ZL2)(I2)
=(D1%)(ZT1)(IT1+(τ1)IF1)−(1−D1%)(ZT1)(IT2+(τ2)IF2+IT3
+(τ3)IF3)−α(ZT1)(IT2+(τ2)IF2)
(D1%)=((V1−V2)/ZT1+(1+α)(IT2+τ(IF2)+IT3+τ(IF3))/((IT1+IT2+IT3
+τ(IF1+IF2+IF3)…… (21)
(セ)実回路における区間2故障(F2)の故障点区間比(D2%)を求める関係式
1−V2=VL1+VL2=(ZL1)(I1)+(D2%)(ZL2)(I1+I3)−(1−D2%)(ZL2)(I2)
(D2%)=((V1−V2)/ZT1+α(IT2−IT1+τ(IF2−IF1))/α((IT1+IT2+IT3
+τ(IF1+IF2+I F3)…… (22)
(ソ)実回路における区間3故障(F3)の故障点区間比(D3%)を求める関係式
1−V3=VL1+VL3=(ZL1)(I1)+(D3%)(ZL3)(I1+I2)−(1−D3%)(ZL3)(I3)
(D3%)=((V1−V2)/ZT1+β(IT3−IT1+τ(IF3−IF1))/β((IT1+IT2+IT3
+τ(IF1+IF2+IF3))…… (23)
このように第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に本発明による故障点標定装置の第4の実施形態として、同一AT区間に異なる線路インピーダンス区分を有する異線種区分AT区間に対する原理式の応用例を説明する。
実際のき電回路は、山間・渓谷・河川など立地・周囲条件による電車線路構成の違いにより同一AT区間が異なるインピーダンス線路で結合される場合が多い。
図11はこのような異なるインピーダンス線路で結合されるAT区間の一例として線種区分1(トンネル)と線種区分2の結合を示し、図12は、図11におけるインピーダンス比(線種区分1:線種区分2=1:2)と距離比(線種区分1:線種区分2=13:7)から求めた本発明の標定原理特性を示したものである。
図11において、線種区分1(d1)区間はトロリZT1、フィーダZF1、レールZR1,(本図ではレールと保護線(PW)の均等距離区間毎に渡り線で結合を省略し、一線表示している)で代表される多線条回路で構成され、線種区分2(d2)区間はトロリZT2、フィーダZF2、レールZR2、で代表される多線条回路で構成される。つまり、同一AT区間が異種のインピーダンスと距離で結合されると、AT区間基準端から故障点までの故障点距離比(D%)とインピーダンス比(ZF)との直線比例関係が崩れる。
即ち、図12に示すように、故障点距離比(ZF)が比例直線で有るに対し、インピーダンス比(ZF)は線種区分の結合点を節として直線の傾斜が変わる。従って、AT区間インピーダンスが区間全域に均等分布することを前提とした計算では標定誤差が生じることになる。
そこで、本発明による方式は、それぞれの線種区分毎に各当該区分(d1,d2)上で発生する故障を前提とする(24),(25)式を用いた標定式により求めたそれぞれの標定値(d1%,d2%)から故障発生の線種区分を選別し、この選別された線種区分の標定結果から全区間距離に対する故障点距離比(D%)を求める。
1−V2=(d1%)((IT1)(ZT1)+(IF1)(ZF1))−(IT2)(1−d1%)(ZT1)+ZT2)−(IF2)((1−d1%)(ZF1)+ZF2
∴d1%=((V1−V2)/ZT1+(1+ε)(IT2+(τ)IF2))/(IT1+IT2)
+(τ)(IF1+IF2)…… (24)
1−V2=(IT1)(ZT1)+(IF1)(ZF1)+(d2%)((IT1)(ZT2)+(IF1)(ZF2))
−(1−d2%)(((IT2)(ZT2)+(IF2)(ZF2))
∴d2%=((V1−V2)/ZT1+(ε)(IT2+(τ)IF2))
−(1/ε)(IT1+(τ)IF1))/(ε)((IT1+IT2)+(τ)(IF1+IF2))…… (25)
但し、各区間のインピーダンスは均等分布とし、
ε:区間距離比(トンネル区間基準)
τ:フィーダ線路インピーダンス比(トロリ線路基準)
(25),(26)で求めた値から故障発生の線種区分を次のように選別する。
線種区分1故障を選別するための論理
1%≦1, 又はd2%≦0, 又はd1%×d2%≦0
次に故障発生区分が線種区分1の場合は、(26)式、線種区分1でない場合(=線種区分2)は(27)式を用いて故障点距離比(D%)を算出する。
[線種区分1故障]
D%=(d1%)((d1)/(d1+d2)))…… (26)
[線種区分2故障]
D%=((d2%)(d2)+(d1))/(d1+d2)))…… (27)
このように第4の実施形態では、従来方式では困難とされていた異なる線種(異なる線路インピーダンス)で区分される区間において、線種インピーダンスと通過電流との比例関係で生じる差電圧と区間通過電流と区間流入電流とをそれぞれ線種区分上で発生する故障の標定関係式で線種区分の故障点距離比を算出し、線種区分の故障点距離比の算出値から故障発生当該線種区分の故障標定値を選別するので、故障個所(AT構内・上り線・下り線)の特定と、T−F短絡故障の故障点標定が可能になり、系統変化に対し安定した精度で故障点を標定することができる。
次に、本発明による故障点評定装置の第5の実施形態として、AT区間のインピーダンス定数の算出、及び補正の方法について説明する。
上述したAT区間の差電圧標定方式(区間端の差電圧、区間端の通過電流、既知数定める区間インピーダンスインピーダンス定数を関数として故障点の区間距離比を求める方法)は既知数として定めた区間インピーダンス定数と実回路インピーダンス値の不整合率が故障点の標定誤差に影響する。
差電圧標定方式の標定値は、区間端に発生する差電圧成分と区間通過電流比からなり、既知数として定めたインピーダンス定数の不整合率は差電圧に誤差を発生させるが、区間通過電流比で抑制されるので定数不整合率に比べて標定誤差率は縮小するものの、既知数として定めた定数値が実回路値に近く、インピーダンス不整合率から発生する標定誤差が無視できる範囲であることが重要になる。
一方、き電回路は他条線で構成されている。このため故障種別に応じた電流帰還岐路により電流帰還線相互インピーダンスは一定しない。
従って、机上計算から求めた定数値を実回路値と一致させることは困難である。つまり、既知数として定める区間インピーダンス定数は実際回路におけるAT区間の差電圧とAT区間通過電流から求めれば理想的な値を得ることができる。
図13はAT区間のインピーダンス算出原理図であり、実回路における任意AT区間と置き換える。区間のトロリ線とフィーダ線夫々の区間両端には端巻き変圧器AT1,AT2が接続され、それぞれの区間端電圧V1,V2が発生している。故障点は基準端から任意区間距離比(D%)地点で発生している。
区間両端の端巻き変圧器AT1,AT2は区間距離に応じた区間インピーダンスで結合され、トロリ、フィーダ線それぞれの故障点(D%)から基準端、及び反基準端までのインピーダンスはそれぞれ(D%ZT),((1−D%)ZT),(D%ZF),((1−D%)ZF)である。
各区間端のトロリ線とフィーダ線には、故障電流IT1,IT2,IF1,IF2がそれぞれ流れている。図13の上述した関係に於いて(28)式の原理式が成立する。
1−V2=(VT1+VF1)−(VT2+VF2
=(D%)((IT1)(ZT)+(IF1)(ZF))−(1−D%)((IT2)(ZT)+(IF2)(ZF))
=((D%)(IT1+IT2)−(IT2))(ZT)+((D%)(IF1+IF2)−(IF2))(ZF)
∴ ΔV=A(ZT)+B(ZF)…… (28)
但し、ΔV=V1−V2、A=((D%)(IT1+IT2)−(IT2)),
B=((D%)(IF1+IF2)−(IF2))
上記(28)式は、故障点(D%)を既知数としてAT区間両端の電圧(V1,V2)と電流(IT1,IT2,IF1,IF2)、これら二組の実測値から区間インピーダンス(ZT,ZF)が求まることを示している。二組の実測値の故障点比率を(D%)、(D%m)とすると、それぞれの実測値による関係式(10),(11)から(29),(30)式のインピーダンス算出原理式が成り立つ。
(10) ΔV=A(ZT)+B(ZF
(11)ΔVm = Am(ZT)+Bm(ZF
T=((△V)(Bm)−(△Vm)(B))/((A)(Bm)−(Am)(B))…… (29)
F=((△V((Am)−(△Vm)(A))/((Am)(B)−(A)(Bm))… (30)
しかるに、故障点の区間比率が明らかな、AT区間における人工故障試験の実測値や、実際に発生した過去の故障記録情報から上述の(29),(30)式を用いて、実回路の区間インピーダンスを求め、求めた値を本発明の差電圧標定における予め定める区間インピーダンス定数とすれば、より正確な故障点標定が可能である。
このように第5の実施形態では、AT区間の差電圧標定方式は区間端の差電圧、区間端の通過電流、既知数として定める区間インピーダンスインピーダンス定数を実際回路におけるAT区間の差電圧とAT区間通過電流から求めるので、理想的な値を容易に得ることが可能となる。
本発明による故障点標定装置を適用した交流ATき電回路の系統構成図。 本発明による故障点標定装置の第1の実施形態における区間流入電流比標定の演算処理ブロック図。 同実施形態において、ATn区間のトロリ〜レール短絡故障時における故障区間両端のAT境界点の電流分布状態を示す図。 同実施形態において、故障区間両端の合成電流比標定の一例を説明するための図。 本発明による故障点標定装置の第2の実施形態として、差電圧標定における故障区間両端の選別例を説明するための図。 同実施形態におけるAT区間差電圧標定の原理を説明するための図。 実系統における故障区間の電圧と電流の状態を示す図。 同実施形態において、故障点距離の区間距離比と区間インピーダンス比の関係を示す特性図。 本発明による故障点標定装置の第3の実施形態として、T分岐AT区間の差電圧標定原理を説明するための図。 同実施形態において、T分岐区間差電圧標定の特性例を示す図。 本発明による故障点標定装置の第4の実施形態として、異線種区分AT区間の差電圧標定を説明するための系統構成図。 同実施形態における異線種区分AT区間の差電圧標定特性図。 本発明による故障点標定装置の第5の実施形態を説明するためのAT区間のインピーダンス算出原理図。 従来の交流電気鉄道におけるATき電回路を示す系統構成図。 交流ATき電回路の原理図。 交流ATき電回路のインピーダンス特性図。 交流ATき電回路において、T−R短絡故障の一般的な故障電流分布を説明するための図。 故障電流のAT吸上げ原理を説明するための等価回路図。 従来の故障点標定装置を適用した系統構成図。 従来の故障点標定装置の処理ブロック図。 従来の故障点標定装置における標本量情報の説明図。 従来の故障点標定原理を説明するための特性図。
符号の説明
1…故障点標定装置、1a…標本量測定装置通信手段、1b…グループ区間情報取得手段、1c…故障当該区間情報選別手段、1d…故障点区間比標定手段、1e…故障点距離算出手段、2…電気量情報測定装置

Claims (5)

  1. 交流ATき電回路の任意距離区間毎に配備された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間の両端にそれぞれ配置され且つ各端の電気量を取得して標本量情報として測定する標本量測定装置より通信手段を介して送信される標本量情報をそれぞれ受信して前記AT区間の故障検知と故障点標定を行う交流ATき電回路用故障点標定装置において、
    前記各標本量測定装置により測定された標本量情報から同一電源グループのAT区間を分類して記憶し、故障発生当該グループの標本量情報を選別して記憶する区間グループ標定情報取得手段と、
    この区間グループ標定情報手段により選別して記憶された故障当該グループの標定情報から故障点区間比標定に必要な故障区間両端の標定情報を選別して記憶する故障当該区間情報選別手段と、
    この故障当該区間情報選別手段により選別された故障当該区間両端の標本量情報に基づいて故障点区間比を算出する故障点区間比標定手段と、
    この故障点区間比標定手段で求めた故障区間比に基づいて電車線路の起点から故障点までの絶対距離長を算出する故障点距離算出手段と、
    を備えたことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置。
  2. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置において
    前記故障点区間比標定手段は、故障当該区間両端の標定情報から両端電圧差と、トロリ線及びフィーダ線の区間端通過電流及び区間流入電流とをそれぞれ算出し、これらの算出結果をもとに予め定められた関係式と定数を用いて故障点の区間距離比を求めることを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置。
  3. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置において
    前記故障点区間比標定手段は、T分岐3端子区間の各端の標定情報から、3端子の各端子の両端差電圧及びトロリ線、フィーダ線の区間端通過電流及びT分岐区間流入電流とをそれぞれ算出し、これらの算出結果をもとに予め定められたT分岐の3端子間に対応する関係式とT分岐点を境界とする3区間それぞれの定数を用いて3端子間の故障点区間距離比をそれぞれ算出し、これら3端子間の故障点区間距離比からT分岐点を境界とする3区間における故障発生区間を検知し、この検知した故障発生当該区間の故障点区間距離比を標定値とすることを特徴とするATき電回路用故障点標定装置。
  4. 請求項2又は請求項3記載のATき電回路用故障点標定装置において、
    前記故障点区間比標定手段は、異なるインピーダンスの線路(線種)で結合されるAT区間を線種区分毎に予め定められた線種区分上で発生する故障を前提とする関係式と線種区分定数を用いて故障点区間距離比を算出し、これら各線種区分毎の故障点区間距離比から故障発生の線種区分を検知し、この検知した故障発生当該線種区分の故障点区間距離比を標定値とすることを特徴とするATき電回路用故障点標定装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のATき電回路用故障点標定装置において、
    前記故障点区間比標定手段は、実回路で行う人工故障試験の故障標定情報、又は実回路における過去の故障標定情報から、故障発生点の区間比率を既知数として予め定めた関係式から求め、その値を区間インピーダンス定数として定めることを特徴とするATき電回路用故障点標定装置。
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