JP2007078358A - 移動体計測装置、信号制御システム、移動体計測方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両の高さにかかわらず、従来よりも正確に移動体(例えば、車両)の速度を計測することができる移動体計測装置、該移動体計測装置を備える信号制御システム、移動体計測方法、及び前記移動体計測装置を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 CPU28は、撮像画像の画素の動きベクトルの角度差を算出し、算出した角度差が閾値以下であるか否かを判定し、算出された角度差が閾値以下である画素であって、隣接する画素を連結した連結ブロックを特定する。CPU28は、連結ブロック内の画素の動きベクトルを検索し、検索した動きベクトルから最大値を算出する。CPU28は、動きベクトルの最大値に基づいて、車両の速度を算出する。
【選択図】 図2
【解決手段】 CPU28は、撮像画像の画素の動きベクトルの角度差を算出し、算出した角度差が閾値以下であるか否かを判定し、算出された角度差が閾値以下である画素であって、隣接する画素を連結した連結ブロックを特定する。CPU28は、連結ブロック内の画素の動きベクトルを検索し、検索した動きベクトルから最大値を算出する。CPU28は、動きベクトルの最大値に基づいて、車両の速度を算出する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、道路を含む領域を撮像装置で撮像して得られた撮像画像を処理して、移動体(例えば、車両)の速度又は位置を計測する移動体計測装置、該移動体計測装置を備える信号制御システム、移動体計測方法、及び前記移動体計測装置を実現するコンピュータプログラムに関する。
円滑な交通又は交通事故抑止のために、道路上の車両に関する詳細な交通情報を提供するシステムが求められており、特に車両の速度情報を利用するシステムとして、渋滞又は目的地への予想到着時刻を提供するシステム、交差点での衝突事故を回避するジレンマ感応制御システムなどが実用化されている。
特に、ジレンマ感応制御システムは、交差点へ接近する車両の速度と位置、及び信号現示の赤信号切替タイミングより、車両が赤信号までに停止線で停止できない状態、あるいは交差点を通過できない状態(ジレンマ状態)に陥るか否かを判定し、信号色の切替タイミングを制御して、交差点内での交差車両との衝突事故、又は停止線での急停止による追突事故などを回避するものであり、その有効性は実証されている。
しかし、車両の速度と位置の検出精度が低い場合、信号灯の無駄な青信号の延長を行うことによる交通渋滞が発生し、また、ジレンマ状態から脱却できない状況、却ってジレンマ状態に陥る状況などが発生するため、ジレンマ感応制御システムの普及はあまり進んでいないのが実情である。
従来、超音波によるドップラー効果を利用した車両速度計測装置が実用化されているが、この装置では車両の速度は、ある一点で計測される。このため、例えば、この装置を交差点の上流150mの地点に設置した場合、計測された車両の速度は、交差点の上流150mの地点における速度であり、交差点の上流150mから交差点までの間は、車両が等速度で走行しているものとして信号灯器の制御を行う。
また、画像処理技術を利用するものとして、交差点より50m〜110mの範囲をビデオカメラで撮像し、撮像して得られた撮像画像を処理して車両の速度を計測し、交差点より50mの範囲では、車両の速度を推定するものが提案されている(特許文献1参照)。
また、予め生成しておいた車両が存在しない道路のみの撮像画像と、車両が存在する場合の撮像画像との差分を算出し、車両のみの情報を抽出し、抽出した車両の特徴部分(例えば、ナンバープレート)を追跡することにより、車両の速度を計測するものも提案されている。
また、微小時間間隔の複数の撮像画像間での相関情報を算出し、車両の動きを算出するオプティカルフローは、日照変化、天候変化などの外部環境変化の影響を受けにくく、特に勾配法によるオプティカルフローは、1画素の微小な動きも算出することができ、比較的安定した速度を計測することができるため、勾配法を用いた車両速度計測方法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−217082号公報
特開2002−008018号公報
しかしながら、従来の例にあっては、車両速度計測装置が設置された交差点の上流150mから交差点までの範囲では、車両の加速、減速が全く考慮されていないため、正確でかつ適切な信号灯制御を行うことができなかった。
また、特許文献1の方式においては、速度の具体的な計測方法は提示されておらず、また、交差点からより広範囲における車両の速度を計測することができず、特に交差点から110m〜150mの範囲で高速走行中の車両に対しては、ジレンマ状態であるか否かを判定することができず、適切な信号灯器の制御ができない虞があった。
また、車両が存在しない道路のみの撮像画像と車両が存在する場合の撮像画像との差分に基づいて、車両の速度を計測する方法は、日照変化、天候変化などの外部環境変化の影響により、車両の特徴部分を安定して検出できない場合があり、道路上の影又は路面標識などの車両でない部分を車両として誤検出する場合もあり、車両の速度計測方式としては、抜本的な解決には至っていない。また、交差点から広範囲にある車両の速度を計測する場合、交差点付近に存在する車両に比べて、交差点からより遠方に存在する車両の大きさ、動き量は、非常に小さくなり、従来の速度計測方法では、撮像画像上、数画素に亘って動きを検出するまで車両の検出をすることができず、交差点での信号灯器の制御が間に合わない事態もあった。
また、特許文献2の車両速度計測方法は、勾配法によるオプティカルフローを用いるものであり、外部環境の変化の影響を受けずに、車両の速度を計測することができるものの、車両の見かけ上の動きのみによって速度を計測し、車両の路面からの高さを考慮していないため、車両の正確な速度又は位置を計測することができなかった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、撮像画像の画素の動きベクトルの角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定し、特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、移動体(例えば、車両)の速度を計測することにより、車両の高さにかかわらず、従来よりも正確に移動体の速度を計測することができる移動体計測装置、該移動体計測装置を備える信号制御システム、移動体計測方法、及び前記移動体計測装置を実現するコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素の撮像画像上の座標に基づいて、移動体(例えば、車両)の位置を計測することにより、車両の高さにかかわらず、従来よりも正確に移動体の位置を計測することができる移動体計測装置提供することにある。
また、本発明の他の目的は、連結ブロック内の画素に対応する移動体の部分又は移動体に関連する部分の速度が、連結ブロック内の画素の動きベクトルの最大値に対応する前記部分の速度と一致する第1領域及び一致しない第2領域の境界に基づいて、移動体の位置を計測することにより、従来よりも正確に車両の位置を計測することができる移動体計測装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、撮像時点が異なる撮像画像夫々で画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて第1の動きベクトルを算出し、算出された第1の動きベクトルに対応して移動して得られた新たな撮像画像及び撮像時点が異なる他の撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、さらに第2の動きベクトルを算出し、算出された第1及び第2の動きベクトルを合成することにより、移動体(例えば、車両)の動きの大小に拘わらず、精度良く移動体の速度又は位置を計測することができる移動体計測装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記画素ブロック又は局所領域の大きさを、撮像画像の遠距離に対応する領域よりも近距離に対応する領域で大きくすることにより、移動体(例えば、車両)までの距離にかかわらず広範囲に亘って、精度良く移動体の速度又は位置を計測することができる移動体計測装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、撮像画像の遠距離に対応する領域において、撮像時点が異なる撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて動きベクトルを算出し、撮像画像の近距離に対応する領域において、撮像時点が異なる撮像画像夫々で画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて動きベクトルを算出することにより、移動体(例えば、車両)までの距離にかかわらず広範囲に亘って、精度良く移動体の速度又は位置を計測することができる移動体計測装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記画素ブロック又は局所領域を横長の矩形状にすることにより、移動体の路面からの高さに応じて変動する動きベクトルの影響を受けずに、精度良く移動体の速度又は位置を計測することができる移動体計測装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、撮像画像の画素の動きベクトルを取得する手段を備えることにより、多地点又は遠隔地点における移動体の速度又は位置を集中的に計測することができる移動体計測装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、移動体計測装置によって出力された移動体(例えば、車両)の速度又は位置を受け付け、受け付けた移動体の速度又は位置に基づいて、信号灯器を制御する信号制御装置を備えることにより、精度良く信号灯器の制御をすることができる信号制御システムを提供することにある。
第1発明に係る移動体計測装置は、取得した撮像画像を処理して移動体の諸量を計測する移動体計測装置において、撮像画像の画素の動きベクトルの角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定する手段と、特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、移動体の速度を計測する手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る移動体計測装置は、第1発明において、前記連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素を特定する手段と、特定された画素の撮像画像上の座標に基づいて、移動体の位置を計測する手段とを備えることを特徴とする。
第3発明に係る移動体計測装置は、第2発明において、前記連結ブロック内の画素に対応する移動体の部分又は移動体に関連する部分の速度を動きベクトルに基づいて算出する手段と、該手段で算出された速度が、前記連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素に対応する前記部分の速度と一致する第1領域及び一致しない第2領域を特定する手段とを備え、前記第1の領域及び第2の領域の境界を、移動体の位置とすることを特徴とする。
第4発明に係る移動体計測装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、撮像時点が異なる第1の撮像時点及び第2の撮像時点における撮像画像夫々で画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて、前記第1の撮像時点における撮像画像の画素の第1の動きベクトルを算出する手段と、該手段で算出された第1の動きベクトルに応じて前記第1の撮像時点における撮像画像の画素を移動して得られた新たな撮像画像及び前記第2の撮像時点における撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、前記新たな撮像画像の画素の第2の動きベクトルを算出する手段とを備え、両手段で算出された第1及び第2の動きベクトルの合成ベクトルを撮像画像の画素の動きベクトルとすることを特徴とする。
第5発明に係る移動体計測装置は、第4発明において、前記画素ブロック又は局所領域の大きさは、撮像画像の遠距離に対応する領域よりも撮像画像の近距離に対応する領域で大きいことを特徴とする。
第6発明に係る移動体計測装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、撮像時点が異なる複数の撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、撮像画像の遠距離に対応する領域の画素の動きベクトルを算出する手段と、撮像時点が異なる複数の撮像画像夫々で画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて、撮像画像の近距離に対応する領域の画素の動きベクトルを算出する手段とを備え、両手段で算出された動きベクトルを撮像画像の画素の動きベクトルとすることを特徴とする。
第7発明に係る移動体計測装置は、第4発明乃至第6発明のいずれかにおいて、前記画素ブロック又は局所領域は、横長の矩形状であることを特徴とする。
第8発明に係る移動体計測装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、撮像画像の画素の動きベクトルを取得する手段を備えることを特徴とする。
第9発明に係る信号制御システムは、第1発明乃至第8発明のいずれかの移動体計測装置と、該移動体計測装置によって出力された移動体の速度又は位置を受け付ける信号制御装置とを備え、受け付けた移動体の速度又は位置に基づいて、信号灯器を制御することを特徴とする。
第10発明に係る移動体計測方法は、取得した撮像画像を処理して移動体の諸量を計測する移動体計測方法において、撮像画像の画素の動きベクトルの角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定し、特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、移動体の速度を計測することを特徴とする。
第11発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、取得した撮像画像を処理して移動体の諸量を計測させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、撮像画像の画素の動きベクトルの角度差を算出する手段と、該手段で算出された角度差が閾値以下であるか否かを判定する手段と、前記角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定する手段と、該手段によって特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、移動体の速度を計測する手段として機能させることを特徴とする。
第1発明、第10発明、及び第11発明にあっては、撮像画像の画素毎の動きベクトルの角度差が閾値以下である画素を連結した連結ブロックを特定する。これにより、位置変化がない道路上の影、路面標記などを排除して、道路を走行する車両(移動体)を特定する。なお、連結ブロックを特定する場合、動きベクトルの角度差が閾値以下であり、かつ隣接した画素を連結することもできる。ある速度で車両が走行している場合、その車両を特定する連結ブロック内の画素の動きベクトルに基づいて算出される車両の速度は、連結ブロック内の画素の位置に拘わらず同じ値でなければならない。しかし、連結ブロック内の画素の位置に応じて、該画素に対応する車両部分の路面からの高さ、又は移動体計測装置から車両部分までの距離が異なるため、連結ブロック内の動きベクトルの大きさに分布が生じる。
進行してくる車両を撮像した場合、車両前部の路面側(すなわち、路面からの高さが略0)の動きベクトルが最も大きく、車両前部の天井側、車両後部の天井側となるにつれて動きベクトルは小さくなる。連結ブロック内の画素の動きベクトルを検索して、動きベクトルの最大値を求め、該最大値に基づいて車両の速度を算出する。これにより、車両前部の路面側(すなわち、路面からの高さが略0である車両前面先端部)を計測箇所とすることで、車両部分の路面からの高さ又は車両部分までの距離の影響を受けずに、車両速度を計測する。
第2発明にあっては、連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素を特定することにより、車両前面先端部の位置を特定する。これにより、車両前面先端部を車両の位置として計測する。
第3発明にあっては、例えば、移動体の部分又は移動体に関連する部分(例えば、車両部分又は車両により生じる影部分)の高さを略0として、前記部分の速度を連結ブロック内の動きベクトルに基づいて算出する。算出された前記部分の速度が、連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素に対応する前記部分の速度と一致する第1領域と一致しない第2領域とを特定する。例えば、車両の影が車両前方(撮像画像上は車両の下側)に生じる場合、走行車両の影も車両と同様に移動するため、連結ブロックには、車両部分及び車両前方の影部分の両方が含まれる。この場合、連結ブロック内の画素の動きベクトルは、車両の影部分の進行方向の先端部分(路面からの高さが略0であって、移動体計測装置からの距離が最も近い部分)で最大となる。車両前方の影部分の速度は、路面からの高さが略0であるため、車両前面先端部の速度と同じになる。一方、車両前面先端部以外の車両部分は、路面からの高さが略0ではないため、車両の影部分の速度と車両前面先端部以外の車両部分との速度は異なる。特定された第1領域(すなわち、車両の影部分)と第2領域(すなわち、車両前面先端部以外の車両部分)との境界を、車両前面先端部の位置とする。
第4発明にあっては、撮像時点の異なる第1の撮像時点及び第2の撮像時点における撮像画像夫々で画素ブロック(例えば、注目画素とその周辺の画素で構成される)を用いたブロックマッチング法に基づいて、画素ブロックの撮像画像での位置変化を求め、前記第1の撮像時点における撮像画像の画素の第1の動きベクトルを算出する。算出された第1の動きベクトルに応じて、前記第1の撮像時点における撮像画像の画素を移動して得られた新たな撮像画像及び前記第2の撮像時点における撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、局所領域でのオプティカルフローが一定という拘束条件のもと、前記新たな撮像画像の画素の第2の動きベクトルを算出し、ブロックマッチング法及び勾配法により算出された第1及び第2の動きベクトルを合成して動きベクトルを算出する。
第5発明にあっては、撮像画像の遠距離に対応する領域(すなわち、撮像画像において車両までの距離が遠い領域)では、前記画素ブロック又は局所領域の大きさを小さくし、撮像画像の近距離に対応する領域(すなわち、撮像画像において車両までの距離が近い領域)では、前記画素ブロック又は局所領域の大きさを大きくする。これにより、前記画素ブロック又は局所領域の大きさを撮像画像での車両の大きさに近づける。
第6発明にあっては、撮像画像の近距離に対応する領域では、撮像時点が異なる撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、画素の動きベクトルを算出する。これにより、画素の動きが小さく、例えば、1画素未満の微小な動きであっても動きベクトルを算出する。一方、撮像画像の遠距離に対応する領域では、撮像時点が異なる撮像画像夫々で画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて、画素の動きベクトルを算出する。これにより、画素の動きがより大きい動きベクトルを算出する。
第7発明にあっては、前記画素ブロック又は局所領域を横長の矩形状にする。これにより、連結ブロック内の動きベクトルを算出する場合に、前記画素ブロック又は局所領域の縦方向に応じて変動する車両部分の路面からの高さ、又は車両部分までの距離の影響を少なくしつつ、所要の画素ブロック又は局所領域の大きさを確保する。
第8発明にあっては、予め算出された動きベクトルを取得する。
第9発明にあっては、計測した移動体の速度又は位置を信号制御装置へ出力し、該信号制御装置は、出力された移動体の速度又は位置に基づいて信号灯器を制御する。
第1発明、第10発明、及び第11発明にあっては、撮像画像の画素の動きベクトルの角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定し、特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、車両の速度を計測することにより、車両の高さにかかわらず、従来よりも正確に車両の速度を計測することができる。
第2発明にあっては、連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素の撮像画像上の座標に基づいて、車両の位置を計測することにより、車両の高さにかかわらず、従来よりも正確に車両の位置を計測することができる。
第3発明にあっては、連結ブロック内の最大の動きベクトルに対応する速度分布の境界に基づいて、車両の位置を計測することにより、車両の前方に影が生じる場合であっても、正確に車両の位置を計測することができる。
第4発明にあっては、撮像時点が異なる第1の撮像時点及び第2の撮像時点における撮像画像の画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて第1の動きベクトルを算出し、算出された第1の動きベクトルに対応して前記第1の撮像時点における撮像画像の画素を移動して得られた新たな撮像画像及び前記第2の撮像時点における撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、さらに第2の動きベクトルを算出し、算出した第1及び第2の動きベクトルを合成して動きベクトルとすることにより、車両の速度又は距離に応じて、撮像面での動きが変動した場合であっても、大きさの大きい動きベクトルを検出することができるとともに、さらに微小な動きベクトルの変化も検出することができ、精度良く車両の速度又は位置を計測することができる。
第5発明にあっては、前記画素ブロック又は局所領域の大きさを、撮像画像の遠距離に対応する領域よりも近距離に対応する領域で大きくすることにより、前記画素ブロック又は局所領域の大きさを撮像画像における車両の大きさに近づけることができ、車両までの距離にかかわらず広範囲に亘って、精度良く車両の速度又は位置を計測することができる。
第6発明にあっては、動きベクトルの算出に、車両までの距離に応じて勾配法又はブロックマッチング法のいずれかを用いることにより、車両が遠距離にある場合は、微小な動きベクトルを算出することができ、車両が近距離にある場合は、大きな動きベクトルを算出することができ、車両までの距離にかかわらず広範囲に亘って、精度良く車両の速度又は位置を計測することができる。
第7発明にあっては、前記画素ブロック又は局所領域を横長の矩形状にすることにより、移動体の路面からの高さに応じて変動する動きベクトルの影響を受けずに、精度良く車両の速度又は位置を計測することができる。
第8発明にあっては、予め算出された動きベクトルを取得して、車両の速度又は位置を計測することができる。
第9発明にあっては、移動体計測装置によって出力された車両の速度又は位置を信号制御装置で受け付け、受け付けた車両の速度又は位置に基づいて、信号灯器を制御することにより、精度良く信号灯器の制御をすることができる。
実施の形態1
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る移動体計測装置を含む信号制御システムの概要を示す模式図である。図において、1は道路を含む領域を撮像するビデオカメラである。ビデオカメラ1は、交差点近傍に設置され、ビデオカメラ1の光軸は、例えば、交差点付近の停止線から10m〜150mの範囲にある道路に存在する車両の速度・位置計測範囲を撮像するように道路方向に沿って配置してある。これにより、ビデオカメラ1は、交差点の上流150mの位置から交差点に向かって走行する車両を撮像する。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る移動体計測装置を含む信号制御システムの概要を示す模式図である。図において、1は道路を含む領域を撮像するビデオカメラである。ビデオカメラ1は、交差点近傍に設置され、ビデオカメラ1の光軸は、例えば、交差点付近の停止線から10m〜150mの範囲にある道路に存在する車両の速度・位置計測範囲を撮像するように道路方向に沿って配置してある。これにより、ビデオカメラ1は、交差点の上流150mの位置から交差点に向かって走行する車両を撮像する。
ビデオカメラ1には、計測装置2を接続してある。計測装置2は、ビデオカメラ1で撮像して得られた撮像画像を処理して車両の速度又は位置を計測する。計測装置2には、通信線5を介して信号制御装置3を接続してあり、計測した車両の速度又は位置を信号制御装置3へ出力する。信号制御装置3には、信号灯器4を接続してある。信号制御装置3は、計測装置2から出力された車両の速度又は位置を受け付け、受け付けた車両の速度又は位置に基づいて、信号灯器4の表示を制御する。これにより、円滑な交通又は事故の未然防止を行う。
図2は計測装置2及び信号制御装置3の構成を示すブロック図である。図において、1はビデオカメラである。ビデオカメラ1は撮像して得られた撮像画像を映像信号(アナログ信号)として画像入力部21へ出力する。画像入力部21は、取得した映像信号をA/D変換部22へ出力し、A/D変換部22は、入力された映像信号をデジタル信号に変換し、CPU28の制御のもと、変換されたデジタル信号を画像データとして画像メモリ23へ記憶する。CPU28は、画像入力部21を介してビデオカメラ1から入力された撮像画像を画像データとして、ビデオカメラ1のフレームレート(撮像時点の間隔、例えば、1秒間に30フレーム)と同期して、1フレーム単位(例えば、480×640画素)で画像メモリ23に記憶する。
補助記憶部27は、本発明のコンピュータプログラムPGを記録したCD−ROM29が挿入されることにより、CD−ROM29に記録されたコンピュータプログラムPGをRAM24に記憶する。CPU28は、RAM24に記憶されたコンピュータプログラムPGを実行する。計測装置2は、CD−ROM29に記録したコンピュータプログラムPGがRAM24に読み込まれ、読み込まれたコンピュータプログラムPGをCPU28で実行することにより、後述する動きベクトル算出処理、車両の速度・位置計測処理などを実現する。なお、CPU28は、車両が速度又は位置計測範囲に存在する間、車両の速度、位置を計測する処理を繰り返すことができる。
画像メモリ23は、画像入力部21を介して取得された撮像画像を画像データとして、フレーム毎に記憶する。
記憶部26は、コンピュータプログラムPGをCPU28で実行することにより、得られた動きベクトルの算出結果、車両の速度、又は車両の位置などの計測結果を各フレームに対応して記憶している。
通信部25は、計測装置2で計測された車両の速度、車両の位置などの計測結果を、通信線5を介して信号制御装置3へ出力する。
信号制御装置3の通信部31は、計測装置2から出力された車両の速度又は位置を受け付け、受け付けた車両の速度又は位置をCPU35の制御のもと、記憶部32に記憶する。また、通信部31は、信号灯器4の信号表示を制御するための制御信号を出力する。
記憶部32は、信号灯器4の信号表示を制御するために用いられる信号表示データ321、信号表示を計画する表示計画データ322などを記憶している。信号表示データ321は、月日、曜日、時間帯、交差点の交通量などに応じて、信号灯器4の青表示、黄表示、及び赤表示の各表示時間などを設定してある。
CPU35は、補助記憶部34で読み込まれたコンピュータプログラムをRAM33にロードし、該コンピュータプログラムを実行することにより、信号灯器4の制御処理を行う。より具体的には、CPU35は、記憶部32に記憶された車両の速度又は位置に基づいて、車両が交差点に進入する進入時点(進入時の時刻又は進入時までの所要時間のいずれでもよい)を算出する。CPU35は、算出された進入時点における信号灯器4の表示状況を信号表示データ321に基づいて判定し、車両が交差点を安全に通過できないと判定される場合には、黄表示又は赤表示になる時刻を早くする、又は青表示の時刻を延長するよう表示計画を変更して表示計画データ322を更新する。また、車両が交差点を安全に通過できると判定される場合には、表示計画を変更しない。
CPU35は、車両が速度又は位置の計測範囲に存在する間、上述の処理を繰り返し実施することができる。
図3は撮像画像の一例を示す説明図である。図に示すように、計測装置2は、例えば、交差点の停止線から10〜150mの範囲であって、片側4車線の道路を走行する車両をビデオカメラ1で撮像して得られた撮像画像に基づいて、車両の速度又は位置を計測する。
図4は画素の動きベクトルを示す説明図である。図に示すように、撮像時点tkの撮像画像における画素Pjの座標が(xk、yk)、撮像時点tk+1の撮像画像における画素Pjの座標が(xk+1、yk+1)である場合、動きベクトルPVjは、(xk+1−xk、yk+1−yk)となる。異なる撮像時点の時間間隔は、1フレーム間隔でもよく、また、数フレーム間隔であってもよい。なお、上述の画素は、複数の画素で構成される画素ブロックであってもよい。この場合は、画素ブロック毎に動きベクトルが決定される。
図5は本発明に係る移動体計測装置の動きベクトルの算出例を示す説明図である。動きベクトルの算出方法は、ブロックマッチング法と勾配法とがある。本発明においては、ブロックマッチング法及び勾配法で算出した動きベクトル(第1及び第2の動きベクトル)を合成して最終的な動きベクトルを算出する。
まず、ブロックマッチング法について説明する。ブロックマッチング法は、異なる撮像時点(例えば、時刻tと時刻t+1)の撮像画像を用いる。ブロックマッチング法は、時刻tの撮像画像において、注目画素P1を中心とする矩形領域をテンプレートとして登録し、時刻t+1の撮像画像における任意の画素を中心とする前記テンプレートと同じ大きさの矩形領域との相関値を算出し、算出した相関値が最大となる画素位置P2を検出するものである。
相関値は、数1の式で表される。
ここで、矩形領域のサイズをHxW(H、Wは整数)、時刻tにおける撮像画像の座標(x、y)の画素の輝度値をI(x、y、t)、0≦i≦W、0≦j≦H(i、jは整数)であり、−1≦相関値≦1である。また、数2の式は矩形領域内の平均輝度値である。
上述の通り、ブロックマッチング法は、矩形領域(画素ブロック)の大きさを適宜変更することにより、動き量が大きい場合の動きベクトルを算出することができる。
次に、勾配法について説明する。勾配法は、動画像の各フレームのオプティカルフロー(動きベクトルの場)を求める方法として、各画素における輝度(明るさ)の空間的勾配と時間的勾配の関係を用いるものである。すなわち、勾配法は、撮像画像の輝度分布が動きに際して不変に保たれると仮定した勾配拘束式(すなわち、輝度の空間的勾配と時間的勾配の関係式)に基づいて、オプティカルフローを求める方法である。勾配法のうち、空間的局所最適化法は、特に計算量が少なく精度良好な方法であり、以下に説明する。
勾配法は、異なる撮像時点(例えば、時刻tと時刻t+1)の撮像画像を用いる。時刻tにおける撮像画像の座標(x、y)の画素の輝度をI(x、y、t)とする。時刻t+1(時刻tに対してδtだけ時間が経過したとする)において、座標(x、y)の画素が座標(x+δx、y+δy)に移動したとする。ここで、輝度は変化しないと仮定すると、I(x、y、t)=I(x+δx、y+δy、t+δt)の関係式が成立する。
上式の右辺をテイラー展開すると、数3の式が得られる。
ε(x、y、t)は、2次以上の高次の項であり、微小であるためこれを無視するとともに、数3の式の両辺δtで割り、δtを0に近づけると、数4の式を得る。この式は、オプティカルフローの勾配拘束式と呼ばれる。
ここで、輝度勾配をIx=δI/δx、Iy=δI/δy、時間勾配をIt=δI/δtとし、オプティカルフローをu=δx/δt、v=δy/δtとする。
所要の局所領域(M×N)(M、Nは整数)でオプティカルフローが一定であるという拘束条件を付加すると、局所領域で得られるオプティカルフローは、同一の解を持つと仮定するので、誤差Eは数5の式で表される。ここで、0≦i≦M、0≦j≦N(i、jは整数)は局所領域内の座標である。
最小2乗法の考え方から、δE/δu=0、δE/δv=0を算出し、局所領域内で重み付け平滑化すると、数6の(1)式及び(2)式を得る。ここでwi,jは重み付けマトリクスであり、局所領域の中央部ほど重み付けが大きくなるような分布を持つマトリクスを使用することができる。
数6の式を解くことにより、オプティカルフロー(u、v)、すなわち、動きベクトルの場が数7の(3)式、(4)式、及び(5)式のように得られる。
上述の通り、勾配法は、ブロックマッチング法のように画素ブロックを用いる必要がないため、1画素未満の微小な動きベクトルであっても算出することができる。
図5に示すように、本発明に係る移動体計測装置の動きベクトルの算出法は、まずブロックマッチング法により、撮像時点が異なる第1の撮像時点及び第2の撮像時点における撮像画像夫々で画素ブロックを用いて前記第1の撮像時点における撮像画像の画素の大きな動きベクトル(第1の動きベクトル)を算出する。算出した動きベクトルに応じて、前記第1の撮像時点における撮像画像の画素を移動して得られた新たな撮像画像及び前記第2の撮像時点における撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法により動きベクトル(第2の動きベクトル)を算出し、夫々の方法で算出した動きベクトル(第1及び第2の動きベクトル)を合成して最終的な動きベクトルを算出する。これにより、ブロックマッチング法により、大きな動きベクトルを算出するとともに、ブロックマッチング法では、算出することができない1画素未満の微小な動きベクトルも算出し、両者の動きベクトルを合成することにより、精度良く動きベクトルを求めることが可能になる。
次に、本発明に係る移動体計測装置2の処理手順について説明する。図6は移動体計測装置2の動きベクトル算出の処理手順を示すフローチャートである。CPU28は、撮像時点の異なる2つの撮像画像(例えば、撮像時点tのフレームft、撮像時点t+1のフレームft+1)を画像メモリ23から取得する(S10)。
CPU28は、取得した一方の撮像画像の画素ブロック(例えば、7×15画素)毎に、画素ブロック内画素が有する輝度値(又は階調値など)に基づいて、他方の撮像画像を走査し一致する画素ブロックを特定する(S11)。2つの撮像画像間で一致する画素ブロックを特定する場合、上述した相関値を用いることができる。
CPU28は、2つの撮像画像で一致する画素ブロックの撮像画像における座標(位置)変化に基づいて、ブロックマッチング法による各画素の動きベクトルを算出する(S12)。なお、座標変化が無い場合は、動きベクトルはゼロである。
CPU28は、撮像時点tにおける撮像画像の画素毎に算出した動きベクトルに応じて、各画素を動きベクトル分(大きさ及び方向)だけ移動させた撮像画像を生成する(S13)。
CPU28は、生成した撮像画像及び撮像時点t+1における撮像画像に対して、勾配法により動きベクトルを算出し(S14)、ブロックマッチング法により算出した動きベクトルと勾配法により算出した動きベクトルを合成して最終的な動きベクトルを算出する(S15)。
CPU28は、算出された動きベクトルの角度差を算出し(S16)、算出した角度差が閾値以下であるか否かを判定し(S17)、算出された角度差が閾値以下である場合(S17でYES)、すべての動きベクトルについて処理したか否かを判定し(S18)、すべての動きベクトルについて処理した場合(S18でYES)、角度差が閾値以下である画素であって、隣接する画素を連結した連結ブロックを特定する(S19)。
一方、算出された角度差が閾値以下でない場合(S17でNO)、又はすべての動きベクトルについて処理していない場合(S18でNO)、CPU28は、ステップS16以降の処理を続ける。
これにより、動きベクトルの方向が異なる画素は、ノイズとして除去する。また、連結ブロックは走行車両に対応する。なお、連結ブロックを特定する場合に、連結ブロックを構成する画素の数が、予め定めた閾値より小さい場合は、ノイズとして除去することもできる。
CPU28は、動きベクトルの算出処理の終了要求を受け付けた否かを判定し(S20)、処理終了でない場合(S20でNO)には、ステップS10以降の処理を続ける。処理終了である場合(S20でYES)、CPU28は、処理を終了する。
図7は連結ブロックの例を示す説明図である。図に示すように、撮像画像を所定の画素で分割し、各画素の動きベクトルを算出し、算出した動きベクトルの角度差が閾値以下である画素であって、隣接する画素のみを連結することにより、連結ブロックを特定する。動きベクトルの角度差が閾値以下の画素であっても、離隔している画素はノイズとして除去する。また、連結された画素の数が所定の閾値以下の場合も、ノイズとして除去することにより、連結ブロックにより走行車両を精度良く特定することができる。
図8は連結ブロックにより特定された車両の例を示す説明図である。上述の通り、ビデオカメラ1は、片側4車線の道路を含む領域を撮像するように配置してある。ある撮像時点における撮像画像の車両は、連結ブロックにより特定される。
1つの連結ブロックが1つの車両を特定していることから、連結ブロック内の各位置の実空間上での速度は、どこでも同じである。しかし、見かけ上の動きである撮像画像上での動きベクトルは、車両各部の路面からの高さ、又は計測位置から車両各部までの距離に応じて、その大きさが異なる。これにより、連結ブロック内で、動きベクトルの大きさは異なり、大きさの分布が生ずる。
次に車両の路面からの高さによる動きベクトルの大きさの変動について説明する。図9は実空間座標及び撮像面座標の関係を示す説明図である。実空間での座標系を(X、Y、Z)、撮像画像上での座標系を(x、y)とする。実空間では、高さ方向(垂直方向)をZ、道路の延びる方向をY、道路を横断する方向をXにとる。撮像画像面上でのx軸方向を実空間でのX方向に平行とし、撮像画像面上でのy軸方向を実空間でのY方向とし、ビデオカメラ俯角(ビデオカメラの光軸とY軸方向とがなす角度)をαとなるように設置する。また、ビデオカメラレンズの焦点距離をF、ビデオカメラの設置高さをh、撮像画像面のy軸方向の大きさ(寸法)をQy、撮像画像面のy軸方向の画素数をNyとする。この場合、撮像画像面上のyは、数8の式で表される。
図10は車両の各部の動きベクトルの差を説明する説明図である。図に示すように、例えば、α=28°、h=10000mm(10m)、F=4.8mm、Qy=4.8mm、Ny=480画素とし、高さ3000mm(3m)、長さ8000mm(8m)の車両(例えば、トラック)がビデオカメラ方向に1フレーム(1/30秒)の間(時刻tから時刻t+1の間)に、ビデオカメラから12500mm(12.5m)の地点から500mm(0.5m)移動したとする。この場合、車両の速度は54km/hに相当する。
動きベクトルを求めるための車両の各部として、A1(時刻tにおける車両前部の路面側、すなわち、路面からの高さが略0である車両前面先端部)、A2(時刻t+1における車両前部の路面側、すなわち、路面からの高さが略0である車両前面先端部)、B1(時刻tにおける車両前部の天井部)、B2(時刻t+1における車両前部の天井部)、C1(時刻tにおける車両後部の天井部)、C2(時刻t+1における車両後部の天井部)を設定する。
この場合、数8の式を用いて、車両の各部A1、B1、C1、A2、B2、C2に対応する撮像画像上でのy座標、y1a、y1b、y1c、y2a、y2b、y2cは、夫々330.35、250.46、162.71、340.33、258.91、166.46と算出される。ここで、車両の各部A1、A2においては、路面からの高さZ=0としている。
すなわち、車両各部の見かけ上の動き(動きベクトルの大きさ)は、y2a−y1a=9.98、y2b−y1b=8.45、y2c−y1c=3.75となり、車両前部の路面側の動きベクトル(y2a−y1a)が最大となる。
逆に、撮像画像上で算出された動きベクトルの大きさ(y2b−y1b)=8.45、(y2c−y1c)=3.75とした場合、これに対応する車両の各部B1、B2、C1、C2を路面からの高さ0として、車両各部のB1、B2、C1、C2の移動距離を算出すると、Y方向の移動量が大きくなり、実際の車両の速度より大きい速度を算出することになり、誤差を生じる。すなわち、従来は、車両の高さを所定の平均高さを用いることにより、Y方向の移動量を求めていたが、車両毎に高さが異なるため、車両毎に誤差が生じていた。
車両のA1、A2は、路面からの高さが略0であり、車両の高さにより生ずる誤差が全く無く、車両の移動量、すなわち、車両の速度を求めることができる。すなわち、車両の各部の中で(連結ブロック内の画素で)、最大の動きベクトルを求めることにより、精度良く車両の速度を計測することが可能となる。また、連結ブロック内の画素で、最大の動きベクトルを有する画素の撮像画像上の座標に基づいて、車両の先頭位置(高さ0の車両前部の位置)を計測することも可能となる。
撮像画像上のy座標の移動量を、その撮像時間差で除することにより、車両の速度を算出することができる。
道路を走行する車両を撮像した場合、車両の前方に該車両による影が生じる場合がある。図11は車両前方に影が生じた場合の動きベクトルの分布を示す説明図である。図において、S、A、B、Cは夫々、車両の影領域の先端部、車両前部の路面側(すなわち、路面からの高さが略0である車両前面先端部)、車両前部の天井部、車両後部の天井部の位置を示す。
この場合は、影領域の先端部Sで動きベクトルが最大となる。この影領域は路面からの高さが0であるため、この部分の速度は、車両の速度と一致する。そして、車両後方、すなわち、影領域の先端部Sから、車両各部A、B、Cへと移動して、車両各部A、B、Cでの動きベクトルに対して、高さ0として速度を算出すると、影領域の先端部Sから車両の前部の路面側Aまでは、同一速度となる。一方、車両前部の天井部B、車両後部の天井部Cでは、高さが0でないため、算出された速度は大きくなる。
すなわち、連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素(通常は、連結ブロックの下側部分)から連結ブロック内を走査し(例えば、下側から上側へ)、各画素の動きベクトルに基づいて、高さ0として各画素に対応する車両部分(又は影部分を含む)の速度を算出し、算出した速度が変化する位置を車両前面部の路面側、すなわち車両先頭位置として検出することができる。
なお、影領域が存在する場合、従来の方法では、影領域の先端部を車両先頭位置として検出していたため、停止線までの到着時間に誤差が生じ、精度良く信号灯器の制御を行うことができない場合があった。
図12は撮像画像上の座標位置と速度との関係を示すグラフである。高さZにある部分がΔL移動した場合に、高さ0として算出される前記部分の移動量Lは、L=ΔL・H/(H−Z)で表される。この式に、上述のパラメータを用いると、影の先端部Sから車両前部の路面側Aまでの間(すなわち、影領域)では、速度が同じ(54km/h)であり、車両前部の路面側Aから車両前部の天井部Bに座標が変化するにつれて、速度が大きくなり、車両前部の天井部Bでは、速度が77km/hとなる。
次に、本発明に係る移動体計測装置2の速度・位置計測処理手順について説明する。図13は移動体計測装置2の車両の速度・位置算出の処理手順を示すフローチャートである。CPU28は、連結ブロック内の画素の動きベクトルを検索する(S30)。CPU28は、連結ブロック内のすべての画素を検索したか否かを判定し(S31)、すべての画素を検索していない場合(S31でNO)、ステップS30の処理を続ける。
連結ブロック内のすべての画素を検索した場合(S31でYES)、CPU28は、検索した動きベクトルから最大値を算出する(S32)。なお、複数の画素で動きベクトルが最大となる場合もある。CPU28は、動きベクトルの最大値に基づいて、車両の速度を算出する(S33)。これにより、車両の高さ、又は計測装置から車両各部までの距離に拘わらず、精度良く車両の速度を計測することができる。
CPU28は、連結ブロックを下側から上側に走査して、高さ0とした場合の各画素の見かけ速度(すなわち、各画素に対応する車両部分又は影部分の実空間での速度)を算出する(S34)。CPU28は、見かけ速度が車両速度(動きベクトルの最大値に対応する車両の速度)に一致するか否かを判定し(S35)、一致する場合(S35でYES)、その画素を影領域として記録する(S36)。一致しない場合(S35でNO)、CPU28は、その画素を車両領域として記録する(S37)。
CPU28は、連結ブロック内のすべての画素について見かけ速度を算出したか否かを判定し(S38)、すべての画素について見かけ速度を算出していない場合(S38でNO)、ステップS34以降の処理を続ける。すべての画素について見かけ速度を算出した場合(S38でYES)、CPU28は、影領域と車両領域との境界を車両位置として算出する(S39)。これにより、影の有無に拘わらず、車両の先頭位置を求めることができる。
CPU28は、1フレーム内のすべての連結ブロックについて処理を行ったか否かを判定し(S40)、すべての連結ブロックの処理が終了していない場合(S40でNO)、ステップS30以降の処理を続ける。すべての連結ブロックの処理が終了した場合(S40でYES)、CPU28は、算出した車両の速度・車両の位置を出力し(S41)、処理を終了する。
上述の処理は、撮像画像1フレームに対する処理であるが、この処理を各フレームに対して継続して処理を行うこともできる。また、複数のフレームの都度、間引きして処理を行うようにしてもよい。
図14は移動体計測装置2で算出される算出情報を示す説明図である。図14(a)に示すように、1フレームの撮像画像は、例えば、480×640の画素P1、P2、…Pnに分割される。図14(b)に示すように、画素毎に算出された動きベクトルPV1、PV2、…PVnが記録される。動きが検出されなかった画素の動きベクトルはゼロである。図14(c)に示すように、1フレームの撮像画像毎に、検出された車両数(連結ブロック数)、車両毎の車両の速度V1 、…、車両毎の車両位置Y1 、…などを記録する。
実施の形態2
上述の実施の形態1においては、動きベクトルを算出する場合に、ブロックマッチング法及び勾配法で算出した動きベクトルを合成して最終的な動きベクトルを算出するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、車両までの距離に応じてブロックマッチング法及び勾配法を使い分けることもできる。
上述の実施の形態1においては、動きベクトルを算出する場合に、ブロックマッチング法及び勾配法で算出した動きベクトルを合成して最終的な動きベクトルを算出するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、車両までの距離に応じてブロックマッチング法及び勾配法を使い分けることもできる。
図15は撮像画像を分割して動きベクトル算出法を使い分ける場合の例を示す説明図である。図に示すように、車両までの距離が遠い場合、すなわち、撮像画像上の上側の領域においては、勾配法により動きベクトルを算出する。一方、車両までの距離が近い場合、すなわち、撮像画像上の下側の領域においては、ブロックマッチング法により動きベクトルを算出する。
車両が遠距離にある場合、動きベクトルの大きさは比較的小さく、1画素未満の微小な動きベクトルも算出することができる勾配法が優れている。一方車両が近距離にある場合、動きベクトルは大きく変化するため、効率よく大きな動きベクトルを算出できるブロックマッチング法が優れている。なお、ブロックマッチング法及び勾配法での動きベクトル算出手順は、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
実施の形態3
上述の実施の形態では、動きベクトルを算出するための画素ブロック(ブロックマッチング法の場合)、又は局所領域(勾配法の場合)は、横長の矩形状であったが、これに限定されるものではなく、例えば、車両までの距離に応じて大きさを変えることもできる。
上述の実施の形態では、動きベクトルを算出するための画素ブロック(ブロックマッチング法の場合)、又は局所領域(勾配法の場合)は、横長の矩形状であったが、これに限定されるものではなく、例えば、車両までの距離に応じて大きさを変えることもできる。
図16は画素ブロック又は局所領域の例を示す説明図である。図に示すように、車両までの距離が遠い場合、すなわち、撮像画像上の上側の領域においては、画素ブロック又は局所領域を小さくし(例えば、4×8)する。一方、車両までの距離が近い場合、すなわち、撮像画像上の下側の領域においては、画素ブロック又は局所領域を大きく(例えば、8×16)する。
車両までの距離に応じて、撮像画像上での車両の大きさも異なり、画素ブロック又は局所領域の大きさを、車両の大きさの1/2〜1/10程度になるようにすることで、動きベクトル算出のための処理労力を低減しつつ、精度良く動きベクトルを算出することができる。
実施の形態4
上述の実施の形態においては、ビデオカメラで撮像して得られた撮像画像から各画素ブロックの動きベクトルを算出する構成であったが、これに限定されるものではなく、ビデオカメラで撮像してMPEG、MPEG2、MPEG4、H.264等の符号化映像の形式に変換された映像データに含まれる各画素ブロックの動きベクトル情報を用いてもよい。例えば、複数の交差点近傍に設置されたビデオカメラ1、1、…で撮像して得られた撮像画像に基づいて、予め動きベクトルを算出しておき、算出した動きベクトルを通信回線に接続された計測装置で取得して、多地点、遠隔地点などの車両の速度・位置を集中的に計測することもできる。
上述の実施の形態においては、ビデオカメラで撮像して得られた撮像画像から各画素ブロックの動きベクトルを算出する構成であったが、これに限定されるものではなく、ビデオカメラで撮像してMPEG、MPEG2、MPEG4、H.264等の符号化映像の形式に変換された映像データに含まれる各画素ブロックの動きベクトル情報を用いてもよい。例えば、複数の交差点近傍に設置されたビデオカメラ1、1、…で撮像して得られた撮像画像に基づいて、予め動きベクトルを算出しておき、算出した動きベクトルを通信回線に接続された計測装置で取得して、多地点、遠隔地点などの車両の速度・位置を集中的に計測することもできる。
図17は本発明の実施の形態に係る移動体計測装置を含む信号制御システムの概要を示す模式図である。図において、1は道路を含む領域を撮像するビデオカメラである。ビデオカメラ1は、複数の交差点近傍に設置され、ビデオカメラ1の光軸は、例えば、交差点付近の停止線から10m〜150mの範囲にある道路に存在する車両の速度・位置計測範囲を撮像するように道路方向に沿って配置してある。これにより、ビデオカメラ1は、交差点の上流150mの位置から交差点に向かって走行する車両を撮像する。
ビデオカメラ1には、制御装置6を接続してあり、制御装置6には信号灯器4を接続してある。制御装置6は、ビデオカメラ1で撮像して得られた画像データを所定の方式(例えば、MPEG、MPEG2、MPEG4、H.264など)に基づいて符号化処理するとともに、画像データに基づいて算出した動きベクトルを符号化処理し、符号化処理後のデータ及び動きベクトルを、通信回線7を介して接続された計測装置2へ送信する。
ここで、MPEG、MPEG2、MPEG4、H.264等の符号化映像とは、画像の中の動く部分だけを検出し保存するなどして映像データを圧縮しているものであって、この形式に変換する際に、画素の動きベクトルの算出が行われる。
制御装置6は、後述するように、計測装置2から通信回線7を介して出力された車両の速度、位置を取得し、取得した車両の速度、位置に基づいて、信号灯器4の制御を行う。これにより、多地点又は遠隔地点にある交差点での円滑な交通又は事故の未然防止を行う。
計測装置2は、画像入力部21に代えて、通信部25で制御装置6、6、…から送信された符号化処理後のデータを取得し、取得したデータ元の画像データを復元するとともに、動きベクトルなどを抽出する。計測装置2は、抽出した動きベクトルに基づいて、車両の速度・位置を算出し、算出した車両の速度、位置を制御装置6、6、…へ通信回線7を介して出力する。
図18は制御装置6の構成を示すブロック図である。ビデオカメラ1は撮像して得られた撮像画像を映像信号(アナログ信号)として画像入力部61へ出力する。画像入力部61は、取得した映像信号をA/D変換部62へ出力し、A/D変換部62は、入力された映像信号をデジタル信号に変換し、CPU68の制御のもと、変換されたデジタル信号を画像データとして画像メモリ63へ記憶する。CPU68は、画像入力部61を介してビデオカメラ1から入力された撮像画像を画像データとして、ビデオカメラ1のフレームレート(撮像時点の間隔、例えば、1秒間に30フレーム)と同期して、1フレーム単位(例えば、480×640画素)で画像メモリ63に記憶する。
CPU68は、画像メモリ63に記憶した画像データを所定の方式(例えば、MPEG、MPEG2、MPEG4、H.264など)に基づいて符号化処理し、符号化処理後のデータを通信部65から計測装置2へ送信する。CPU68は、符号化処理を行う際に画像データに基づいて動きベクトルを算出し、算出した動きベクトルを符号化処理する。
補助記憶部67は、コンピュータプログラムPGを読み込み、CPU68は、読み込まれたコンピュータプログラムをRAM64にロードし、ロードされたコンピュータプログラムPGを実行することにより、動きベクトル算出処理、信号灯器4の制御処理などを行う。なお、動きベクトル算出処理、信号灯器4の制御処理は、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
図19は実施の形態4における計測装置2の処理手順を示すフローチャートである。CPU28は、制御装置6から送信された符号化画像データを受信する(S50)。CPU28は、受信した符号化画像データから動きベクトルを抽出する(S51)。
CPU28は、算出された動きベクトルの方向が略一致する画素であって、隣接する画素を連結した連結ブロックを特定する(S52)。CPU28は、連結ブロック内のすべての画素を検索して、動きベクトルの最大値を算出する(S53)。CPU28は、動きベクトルの最大値を撮像間隔で除して、車両の速度を算出する(S54)。
CPU28は、動きベクトルが最大となる画素の見かけ速度の変化点に基づいて、車両の位置を算出し(S55)、すべての連結ブロックについて処理を終了したか否かを判断する(S56)。すべての連結ブロックについて処理が終了していない場合(S56でNO)、CPU28は、ステップS53以降の処理を続ける。一方、すべての連結ブロックについて処理が終了した場合、算出した車両の速度、車両の位置を出力し(S57)、制御装置6へ送信して処理を終了する。
なお、上述の処理は、撮像画像1フレームに対する処理であるが、この処理を各フレームに対して継続して処理を行うこともできる。また、複数のフレームの都度、間引きして処理を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本発明にあっては、高精度な車両速度計測及び車両位置計測を広範囲、かつ多地点・遠隔地点において安定的に実現することができ、特に、検出した車両の位置のずれによる速度誤差、検出した車両の路面からの高さによる速度誤差、遠距離にある車両を検出した場合に、車両の動きが微小であるが故に、精度良く車両の速度が計測できずに信号灯器の制御遅れが生じるなどの問題を解決することができる。
上述の実施の形態1〜3においては、ビデオカメラ1と計測装置2とは、別個の装置で構成されていたが、ビデオカメラ1と計測装置2とを統合して、ひとつの装置として構成してもよい。
上述の実施の形態においては、撮像画像のすべての画素に対して動きベクトルを算出する構成であったが、複数の画素で構成されるブロック毎に動きベクトルを算出する構成であってもよい。
上述の実施の形態においては、ブロックマッチング法で動きベクトルを算出する場合に、数1の式で表される相関値を用いる構成であったが、これに限定されるものではなく、画素ブロック内画素の差分階調値の絶対値の和、画素の平均階調値の差の絶対値、画素の階調値の標準偏差の差の絶対値など、いずれの方法を用いてもよい。
上述の実施の形態において、異なる撮像時点の撮像画像を取得する場合、撮像時点の時間間隔は、道路の交通状況に応じて、適宜設定することができる。車両が比較的高速で走行する道路の場合は、時間間隔を短くし、低速走行車両が多い道路では、時間間隔を長くすることができる。
上述の実施の形態においては、交差点に向かって進行する車両に対して、速度、位置を計測する構成であったが、本発明は、計測装置から遠ざかる方向に進行する車両に対しても適用することができる。また、移動体は、車両に限定されるものではなく、移動する物体であれば他のものであってもよい。
上述の実施の形態においては、車両の位置を計測する場合、車両部分の高さを0として、速度を算出する構成であったが、高さを0に限定する必要はなく、微小な高さを設定して速度を算出する構成であってもよい。しかし、高さを0にすることにより、速度を算出する際の処理労力を低減することができるとともに、精度よく速度、位置を算出することが可能となる。
1 ビデオカメラ
2 計測装置
3 信号制御装置
4 信号灯器
6 制御装置
21 画像入力部
22 A/D変換部
23 画像メモリ
24 RAM
25 通信部
26 記憶部
27 補助記憶部
28 CPU
29 CD−ROM
31 通信部
32 記憶部
33 RAM
34 補助記憶部
35 CPU
2 計測装置
3 信号制御装置
4 信号灯器
6 制御装置
21 画像入力部
22 A/D変換部
23 画像メモリ
24 RAM
25 通信部
26 記憶部
27 補助記憶部
28 CPU
29 CD−ROM
31 通信部
32 記憶部
33 RAM
34 補助記憶部
35 CPU
Claims (11)
- 取得した撮像画像を処理して移動体の諸量を計測する移動体計測装置において、
撮像画像の画素の動きベクトルの角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定する手段と、
特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、移動体の速度を計測する手段とを備えることを特徴とする移動体計測装置。 - 前記連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素を特定する手段と、
特定された画素の撮像画像上の座標に基づいて、移動体の位置を計測する手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動体計測装置。 - 前記連結ブロック内の画素に対応する移動体の部分又は移動体に関連する部分の速度を動きベクトルに基づいて算出する手段と、
該手段で算出された速度が、前記連結ブロック内の動きベクトルが最大となる画素に対応する前記部分の速度と一致する第1領域及び一致しない第2領域を特定する手段と
を備え、
前記第1の領域及び第2の領域の境界を、移動体の位置とすることを特徴とする請求項2に記載の移動体計測装置。 - 撮像時点が異なる第1の撮像時点及び第2の撮像時点における撮像画像夫々で画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて、前記第1の撮像時点における撮像画像の画素の第1の動きベクトルを算出する手段と、
該手段で算出された第1の動きベクトルに応じて前記第1の撮像時点における撮像画像の画素を移動して得られた新たな撮像画像及び前記第2の撮像時点における撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、前記新たな撮像画像の画素の第2の動きベクトルを算出する手段と
を備え、
両手段で算出された第1及び第2の動きベクトルの合成ベクトルを撮像画像の画素の動きベクトルとすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動体計測装置。 - 前記画素ブロック又は局所領域の大きさは、撮像画像の遠距離に対応する領域よりも撮像画像の近距離に対応する領域で大きいことを特徴とする請求項4に記載の移動体計測装置。
- 撮像時点が異なる複数の撮像画像夫々で局所領域を用いた勾配法に基づいて、撮像画像の遠距離に対応する領域の画素の動きベクトルを算出する手段と、
撮像時点が異なる複数の撮像画像夫々で画素ブロックを用いたブロックマッチング法に基づいて、撮像画像の近距離に対応する領域の画素の動きベクトルを算出する手段と
を備え、
両手段で算出された動きベクトルを撮像画像の画素の動きベクトルとすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動体計測装置。 - 前記画素ブロック又は局所領域は、横長の矩形状であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の移動体計測装置。
- 撮像画像の画素の動きベクトルを取得する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動体計測装置。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の移動体計測装置と、該移動体計測装置によって出力された移動体の速度又は位置を受け付ける信号制御装置とを備え、受け付けた移動体の速度又は位置に基づいて、信号灯器を制御することを特徴とする信号制御システム。
- 取得した撮像画像を処理して移動体の諸量を計測する移動体計測方法において、
撮像画像の画素の動きベクトルの角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定し、
特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、移動体の速度を計測することを特徴とする移動体計測方法。 - コンピュータに、取得した撮像画像を処理して移動体の諸量を計測させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、
撮像画像の画素の動きベクトルの角度差を算出する手段と、
該手段で算出された角度差が閾値以下であるか否かを判定する手段と、
前記角度差が閾値以下である画素を連結してなる連結ブロックを特定する手段と、
該手段によって特定された連結ブロック内の動きベクトルの最大値に基づいて、移動体の速度を計測する手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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