JP2007076546A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空調効率の悪化を防いで乗員の快適性を向上させることができると共に、バッテリーの消費電力を抑制し省電力化を図ることができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】 充電されたバッテリー49から供給された電力により、冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮するコンプレッサ43と、圧縮された冷媒を気化するエバポレータ34と、エバポレータ34により冷却された空気を車両の車室内へ送風する送風ファン40と、送風手段40の下流側に設けられ、蓄冷材を含む蓄冷器36と、蓄冷材を保冷制御すると共に、乗員の乗車前に車室内のプレ空調を行う場合、蓄冷材の放冷により冷却された空気が車室内へ吹き出されるように送風ファン40を作動させる制御装置50と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用空調装置に係り、特に、乗員が車両に乗車する前にプレ空調を行う車両用空調装置に関する。
従来、エンジン及び電動モータを駆動源とするハイブリッド車の車室内を空調する空調装置として、エンジンが停止中であっても車室内を空調するために、バッテリーからの電力によって電動コンプレッサを駆動して車室内をプレ空調するものがある(例えば特許文献1参照)。このように電動コンプレッサを用いた空調装置では、バッテリーが過放電しないように制御する必要がある。
このため、特許文献2には、電動コンプレッサによって圧縮され液化した冷媒を気化させるエバポレータ(蒸発器)を通過した冷風が当たる位置に蓄冷材を配置し、プレ空調開始後、車室内温度が目標温度に達するまでは電動コンプレッサを作動させて送風空気を冷却するエアコンモードでプレ空調を実行し、車室内温度が目標温度に達した後は、蓄冷材で送風冷気を冷却する放冷モードでプレ空調を実行する車両用空調装置が記載されている。
特開2004−230936号公報 特開2004−291759号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載された発明では、まずエアコンモードでプレ空調を実行するため、炎天下のような場合には、エバポレータを通過した空気が冷却されるまでに長時間を要する場合があり、消費電力が大きくなる、という問題があった。また、走行中にせっかく蓄冷した蓄冷材が暖まってしまい、放冷モードに移行した後に送風冷気を十分に冷却できず冷却効率が悪化すると共にエネルギーロスが大きくなる、という問題もあった。
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、空調効率の悪化を防いで乗員の快適性を向上させることができると共に、バッテリーの消費電力を抑制し省電力化を図ることができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、充電された蓄電手段から供給された電力により、冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮するコンプレッサと、圧縮された冷媒を気化する蒸発器と、前記蒸発器により冷却された空気を車両の車室内へ送風する送風手段と、前記送風手段の下流側に設けられ、蓄冷材を含む蓄冷手段と、前記蓄冷材を保冷制御すると共に、乗員の乗車前に前記車室内のプレ空調を行う場合、前記蓄冷材の放冷により冷却された空気が前記車室内へ吹き出されるように前記送風手段を作動させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、コンプレッサは、充電された蓄電手段から供給された電力により、冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮する。すなわち電動式のコンプレッサにより冷媒が圧縮され、圧縮された冷媒は蒸発器によって気化される。この蒸発器により冷却された空気を送風手段によって車両の車室内へ送風することにより、車室内が冷房される。
送風手段の下流側には、蓄冷材を含む蓄冷手段が設けられており、制御手段は、蓄冷材を保冷制御すると共に、乗員の乗車前に車室内のプレ空調を行う場合、蓄冷材の放冷により冷却された空気が車室内へ吹き出されるように送風手段を作動させる。
このように、プレ空調では、保冷制御された蓄冷材を放冷させて車室内を冷房するので、乗員の乗車後速やかに冷風を吹き出させることができ、乗員の快適性を向上させることができると共に、炎天下等の熱負荷が高い場合でも消費電力を抑制し省電力化を図ることができる。
なお、請求項2に記載したように、前記制御手段は、前記車両のエンジンの駆動中に、前記蓄冷材を保冷制御することができる。これにより、蓄電手段の消費電力を抑制することができる。
また、請求項3に記載したように、前記蓄冷材を直接冷却する冷却手段と、前記乗員の降車を検出する検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記車両のエンジンの駆動停止中に前記乗員の降車を検出した場合に、前記蓄冷材が保冷されるように前記冷却手段を制御するようにしてもよい。これにより、乗員が降車後、再度乗車した場合により速やかに冷風を吹き出すことができる。なお、検出手段は、例えば車両のドアロックの解錠や施錠、ドアの開閉を検出することによって乗員の降車を検出することができる。
また、請求項4に記載したように、前記制御手段は、前記車両のエンジンの駆動中は、前記蒸発器により冷却された空気により前記蓄冷材を冷却させ、前記エンジンの駆動停止中は、前記冷却手段により前記蓄冷材を冷却させるようにしてもよい。
なお、請求項5に記載したように、前記冷却手段は、前記蓄電手段から供給された電力により前記蓄冷材を保冷するペルチェ素子である構成とすることができる。このようにペルチェ素子を用いることにより、蓄電手段の消費電力を抑制することができる。
また、請求項6に記載したように、前記冷却手段は、前記冷凍サイクルから分岐させた冷媒を前記蓄冷手段内に循環させることにより前記蓄冷材を冷却する冷媒循環手段である構成としてもよい。このように、冷媒を蓄電手段内に循環させて蓄冷材を直接冷却することにより、速やかに蓄冷することができると共に消費電力を抑制することができる。
また、請求項7に記載したように、前記蓄冷材の温度を検出する蓄冷材温度検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記蓄冷材の温度が予め定めた所定範囲内となるように保冷制御するようにしてもよい。これにより、安定して冷風を吹き出させることができる。
また、請求項8に記載したように、前記蓄電手段の充電量を検出する充電量検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記充電量が予め定めた所定閾値以下の場合には、前記蓄冷材の保冷制御を停止させるようにしてもよい。これにより、蓄電手段の充電量が下がりすぎるのを防ぐことができる。
以上説明したように本発明によれば、空調効率の悪化を防いで乗員の快適性を向上させることができると共に、バッテリーの消費電力を抑制し省電力化を図ることができる、という効果を有する。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示している。図1に示すように、空調ダクト10の一端には車内の空気を取り入れるための内気取入れ口22、22’、車外の空気を取り入れるための外気取り入れ口24、24’が設けられている。内気取入れ口22、22’から内気を取り入れて内気循環モードとするか外気取入れ口24、24’から外気を取り入れて外気導入モードとするかは、ダンパ14、15を駆動することにより切り替えられるようになっている。ダンパ14、15は、制御装置50からの指示により作動する吸込口切替アクチュエータ62によって駆動される。
一方、空調ダクト10の他端には、乗員の主に上半身に向けて吹出すベント吹出し口25、乗員の足元へ向けて吹出すヒータ吹出し口26、及びウィンドウシールドに向けて吹出すデフロスタ吹出し口27が設けられている。どの吹出し口から空気を吹き出させるかは、ダンパ16、17、18を駆動することにより切り替えられるようになっている。ダンパ16、17、18は、制御装置50からの指示により作動する吹出口切替アクチュエータ60によって駆動される。
空気取入れ口22、22’、24、24’の下側には、これらの空気取入れ口から取り入れられた空気をベント吹出し口25、ヒータ吹出し口26、デフロスタ吹出し口27へ向けて送風する送風ファン40が設けられている。この送風ファン40は、モータ41により回転駆動される。
送風ファン40の回転数は、制御装置50の指令によりファン速度制御装置42によって制御される。ファン速度制御装置42は、例えばパワートランジスタ等を含んで構成することができる。この場合、パワートランジスタのベースにかかる電圧のデューティ比を変更することによりファン速度を変更することができる。
送風ファン40の下流側には冷却用熱交換器であるエバポレータ34が配置されている。このエバポレータ34、圧縮器としてのコンプレッサ43、凝縮器としてのコンデンサ46、及び減圧器としてのエキスパンションバルブ47により冷媒の循環路による冷凍サイクルを構成している。エバポレータ34によって冷凍サイクルを循環する低温の冷媒が蒸発し、この蒸発潜熱によりエバポレータ34を通過する空気が冷却される。
エバポレータ34の下流側には、蓄冷器36が配置されている。蓄冷器36には蓄冷材が充填され、これがエバポレータ34で冷却された空気によって冷却されて液体から固体に凝固し、このときの潜熱で大きい熱量が蓄冷される。
蓄冷材としては従来公知のものを用いることができる。例えば、特開2002−274165号公報に記載されたように、デカノール(融点又は凝固点が7°C)、テトラデカン(融点又は凝固点が6°C)等を用いることができる。これらの蓄冷材は融点(凝固点)が7°C、6°Cなので、エバポレータ34通過後の空気の温度を例えば3°Cまで下げれば、その空気でそのまま冷却し蓄冷材を融点以下にして凝固することができ、しかもエバポレータをフロストさせることもない。
蓄冷器36にはペルチェ素子38が取り付けられている。ペルチェ素子38は、図2、3に示すように、N型半導体38N、P型半導体38P、高温側フィン38H、及び低温側フィン38Lをそれぞれ複数備えて成り、N型半導体38NとP型半導体38Pとが交互に接続されると共に、これらの接続部分に高温側フィン38Hと低温側フィン38Lとが交互に接続されている。
そして、図3に示すように、両端のN型半導体38Nにバッテリー49から直流電圧が印加されることにより、所謂ペルチェ効果によって高温側フィン38Hからは放熱され、低温側フィン38Lからは吸熱される。なお、ペルチェ素子38のオンオフは制御装置50によって制御され、制御装置50がリレー48にペルチェ素子駆動用の電流を出力することによりリレー48がオンし、バッテリー49から直流電圧がペルチェ素子38に印加される。
低温側フィン38Lは、図2に示すように蓄冷器36の中の蓄冷材の一部に接触しているため、ペルチェ素子38に直流電圧を印加することにより、蓄冷材を冷却することができる。高温側フィン38Hは、ペルチェ素子冷却通路12内に位置し、これを通過する空気によって冷却される。この冷却された空気は車外へ排出される。
ペルチェ素子冷却通路12は、ダンパ19によって開閉することができ、高温側フィン38Hを冷却する場合には、ダンパ19を開くと共に、ベント吹出し口25、ヒータ吹出し口26、及びデフロスタ吹出し口27の全てを閉じて、送風ファン40を最小風量で回転させる。これにより、ペルチェ素子冷却通路12だけに最小風量の空気を送風し、高温側フィン38Hを冷却することができる。なお、ダンパ19は、制御装置50からの指示によって作動するペルチェ素子冷却通路ダンパアクチュエータ66によって駆動される。
エバポレータ34の下流側で且つ空調ダクト10の下半分には加熱用熱交換器であるヒータコア30が設けられている。ヒータコア30の一端にはエアミックスダンパ32の一端がこの部分を中心に回動するように設けられている。このエアミックスダンパ32が回動し、その開度を変更することにより、ヒータコア30を通過する第一の空気と、これをバイパスする第二の空気との割合を変更することができる。これにより、各吹出し口から吹出される吹出し空気の吹出し温度が変更される。なお、エアミックスダンパ32は、エアミックスダンパアクチュエータ64によって駆動される。制御装置50は、エアミックスダンパ32の開度が所望の開度となるようにエアミックスダンパアクチュエータ64を駆動する。
コンプレッサ43は電動式のコンプレッサであり、モータ44によって駆動される。コンプレッサ43の駆動用の電力は車両のバッテリー49から供給される。コンプレッサ43の回転数は、制御装置50の指令によりモータ速度制御装置45によって制御される。モータ速度制御装置45は、例えばパワートランジスタ等を含んで構成される。この場合、パワートランジスタのベースにかかる電圧のデューティ比を変更することによりコンプレッサ43の回転数を変更することができる。
また、車両用空調装置は、外気温センサ52、日射センサ54、車室内温度センサ56、エバポレータ後温度センサ58、蓄冷材温度センサ59、及び温度設定装置61を備えており、これらは制御装置50に接続されている。
外気温センサ52は、例えばサーミスター等により構成され、外気温度を抵抗変化として感知し、外気温度に応じた外気温度信号を制御装置50へ出力する。この外気温センサ52は、例えば車両のフロントバンパーリインホースメントの下部等に設置される。
日射センサ54は、フォトダイオード等の光検出手段等により構成され、日射量に応じた日射量信号を制御装置50へ出力する。この日射センサ54は、例えば車両のインストルメントパネル上部のデフロスタ吹出し口付近に設置される。
車室内温度センサ56は、例えばサーミスター等により構成され、車室内の温度を抵抗変化として感知し、車室内温度に応じた車室内温度信号を制御装置50へ出力する。この車室内温度センサ56は、例えば車両のインストルメントパネル内等の所定位置に設置される。
エバポレータ後温度センサ58は、エバポレータ34の下流側に設置される。エバポレータ後温度センサ58は、例えばサーミスター等により構成され、エバポレータ34通過後の空気の温度(エバポレータ後空気温度)を抵抗変化として感知し、その温度に応じたエバポレータ後温度信号を制御装置50へ出力する。
蓄冷材温度センサ59は、例えば蓄冷器36内に設けられ、充填された蓄冷材の温度を検出し、その温度に応じた蓄冷材温度信号を制御装置50へ出力する。
温度設定装置61は、乗員が好みの空調温度を設定するための装置であり、乗員が設定した設定温度に対応した設定温度データを制御装置50へ出力する。
このような車両用空調装置は、エンジン及び電気モータを駆動源とする所謂ハイブリッド車に適用することができるが、電動式のコンプレッサを用いるものであれば、エンジンのみ又は電気モータのみを駆動源とする車両にも適用可能である。
次に、乗員が車両に乗車し、エンジンスイッチがオンされた状態で実行される通常の空調制御について説明する。
まず、制御装置50は、外気温センサ52、日射センサ54、車室内温度センサ56、及び温度設定装置61から出力されたデータを取り込み、これらに基づいて目標吹出し温度TAOを次式により演算する。
AO=K1×Tset−K2×Tr−K3×To−K4×ST+C・・・(1)
ここで、Tsetは設定温度、Trは車室内温度、Toは外気温、STは日射量、K1、K2、K3、K4、Cは予め設定された定数である。
そして、制御装置50は、図4に示すような外気温と目標エバポレータ後温度との対応関係に基づいて、検出した外気温に対応した目標エバポレータ後温度を求め、エバポレータ後温度が目標エバポレータ後温度となるように、コンプレッサ43の回転数を制御する。
図4に示すように、冷房負荷の大きい外気温が高いところでは目標エバポレータ後温度を低くし、冷房負荷の比較小さい外気温が比較的低い中間領域では、目標エバポレータ後温度を高くして省電力化を図り、外気温のかなり低いところではウィンドウが曇らないよう目標エバポレータ後温度を低くして除湿能力を高くしている。
次に、吹出し口から吹き出される空気の吹出し温度を目標吹出し温度に制御するためにヒータコア30を通過する第一の空気(温風)とこれをバイパスする第二の空気(冷風)との割合である混合比(温風/全風量)rを次式により演算する。
r=(TAO−Te)/(Th−Te)・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
ここで、Teはエバポレータ後温度センサ58により検出されたエバポレータ後空気温度、Thはヒータコア後温度センサ(図示省略)により検出されたヒータコア30を通過した空気の温度(ヒータコア後空気温度)である。なお、ヒータコア後空気温度Thは、ヒータコア後温度センサにより直接検出するのではなく、次式により演算して取得するようにしてもよい。
Th=A×Tw+(1−A)×Te・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、Twは水温センサー(図示省略)により検出されたエンジン冷却水の温度、Aは定数で、A≦1である。なお、エンジン冷却水の温度はサーモスタットでほぼ一定値に制御されるので、この値を用いてもよい。
次に、上記(2)式により求めた混合比rとなるエアミックスダンパ32の開度Sを次式により演算する。
S=f1(r)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
ここで、f1()は、混合比rに対応したエアミックスダンパ32の開度Sを求めるための関数である。
次に、制御装置50は、エアミックスダンパ32の開度が上記(4)式で求めた開度Sとなるようにエアミックスダンパアクチュエータ64に指示する。これにより、エアミックスダンパアクチュエータ64がエアミックスダンパ32を駆動し、エアミックスダンパ32の開度が開度Sとなるまで回動される。
上記の処理が繰り返されることにより、車室内温度を徐々に設定温度に近づかせることができる。
次に、制御装置50は、目標吹出し温度TAOと送風ファン40を駆動するモータ41に印加する電圧(送風ファン電圧)との予め定めた対応関係に基づいて、目標吹出し温度TAOに対応する送風ファン電圧を求めて、この送風ファン電圧に対応した信号をファン速度制御装置42に出力する。なお、前記対応関係は、例えばテーブルデータとして予め図示しないメモリに記憶される。
次に、車両のエンジンがオンされた状態で制御装置50が実行する蓄冷材冷却制御について図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この処理中も上記の通常の空調制御が実行される。
この蓄冷材保冷制御では、蓄冷材の温度が第1の所定値から第2の所定値の範囲内を維持するように制御する。
まず、ステップ100では、ペルチェ素子冷却通路12を開けるようにペルチェ素子冷却通路ダンパアクチュエータ66を駆動する。
ステップ102では、蓄冷材温度センサ59から出力された信号を取り込み、蓄冷材温度Tsを取得する。
ステップ104では、蓄冷材温度Tsが蓄冷材の融点近傍の第1の所定値TH1以下であるか否かを判定する。そして、蓄冷材温度Tsが第1の所定値TH1以下である場合には、ステップ106へ移行し、蓄冷材温度Tsが第1の所定値TH1より大きい場合には、ステップ110へ移行する。
ステップ110では、目標エバポレータ後温度を、図4に示す外気温と目標エバポレータ後温度との対応関係に基づいて定めるのではなく、使用する蓄冷材の融点よりも低い予め定めた低温所定値に設定する。例えば、融点が7°Cのデカノールや融点が6°Cのテトラデカンなどの蓄冷材を用いた場合には、低温所定値を3°Cに設定する。これにより、蓄冷材を融点以下に冷却することができる。なお、目標エバポレータ後温度を低い値に設定しても、前述した通常の空調制御においてエアミックスダンパの開度Sが調整されるため、吹出し口から吹き出される空気の吹出し温度が急激に変化することはない。
ステップ106では、蓄冷材温度Tsが、第1の所定値TH1よりも小さい第2の所定値TH2未満であるか否かを判定する。なお、第2の所定値TH2は、これ以上蓄冷材を冷却する必要のない値に設定される。そして、蓄冷材温度Tsが第2の所定値TH1未満である場合、すなわち、蓄冷材が十分に冷却されており、蓄冷材温度Tsがこれ以上冷却する必要のない温度である場合には、ステップ108へ移行する。
ステップ108では、目標エバポレータ後温度を図4に示す外気温と目標エバポレータ後温度との対応関係(通常パターン)に基づいて定める。すなわち、検出した外気温に応じた目標エバポレータ後温度を設定する。
一方、蓄冷材温度Tsが第2の所定値TH2以上である場合、すなわち、蓄冷材温度Tsが第2の所定値TH2以上で且つ第1の所定値TH1以下の適正範囲内にある場合には、現状を維持するためステップ112へ移行する。
ステップ112では、エンジンがオフされたか否か、すなわち図示しないイグニッションスイッチがオフされたか否かを判断し、オフされた場合にはステップ114へ移行する。
ステップ114では、コンプレッサ43を停止させ、ステップ116では、送風ファン40を停止させて本ルーチンを終了する。本ルーチンが終了すると、図6に示すようなエンジンオフ時のプレ空調制御が実行される。
一方、エンジンがオフされていない場合には、ステップ102へ戻って上記と同様の処理を繰り返す。これにより、蓄冷材の温度が第2の所定値TH2以上で且つ第1の所定値TH1以下の適正範囲に保たれる。
なお、ステップ108では、外気温に対応した目標エバポレータ後温度を設定しているが、外気温によらず一定(低温所定値、例えば3°C)としてもよい。また、プレ空調が必要な外気温の場合、走行中は目標エバポレータ後温度を常に低温所定値に設定し、プレ空調が必要でない外気温の場合は図4に示す通常パターンに基づいて目標エバポレータ後温度を設定してもよい。そして、プレ空調が必要でない外気温の場合は、プレ空調制御を実行しないようにしてもよい。
次に、エンジンがオフの状態で制御装置50により実行されるプレ空調制御について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップ200では、車両に乗員が乗車しようとしているか(乗車しているか)否かを判断する。車両に乗員が乗車しようとしているか否かは、例えば車両のドア(例えば運転席のドア)がロックされているか解除されているかにより判断することができる。すなわち、ドアがロックされた場合には乗員が降車した(乗員が降車してドアをロックした)と判断し、ドアのロックが解除された場合には乗員が乗車した(乗員がドアロックを解除して乗車しようとしている)と判断することができる。
なお、車両に乗車しようとしているか否かの判断は上記に限られるものではなく、ドアの開閉を検出することにより判断することもできる。例えば、エンジン停止後ドアが閉まったままの場合は乗員が乗車したままと判断することができる。また、ドアが一旦開いて閉じた場合は乗員が降車したと考えられ、この状態で再度ドアが開いた場合は乗員が再度乗車するために開けたと考えられるので、この場合は車両に乗車しようとしていると判断することができる。そして、それ以外の場合は乗員が乗車しようとしておらず不在であると判断することができる。この判断の具体例については後述する。
そして、車両に乗員が乗車しようとしていないと判断した場合には、ステップ202へ移行し、車両に乗員が乗車しようとしていると判断した場合には、ステップ220へ移行する。
ステップ202では、蓄冷材温度センサ59から蓄冷材温度Tsを取得し、ステップ204では、蓄冷材温度Tsが前記第1の所定値TH1以下であるか否かを判定する。そして、蓄冷材温度Tsが第1の所定値TH1以下である場合には、ステップ206へ移行し、蓄冷材温度Tsが第1の所定値TH1より大きい場合には、ステップ212へ移行する。
ステップ206では、蓄冷材温度Tsが、第1の所定値TH1よりも小さい前記第2の所定値TH2未満であるか否かを判定する。そして、蓄冷材温度Tsが第2の所定値TH1未満である場合、すなわち蓄冷材が十分に冷却されている場合には、ステップ208へ移行する。一方、蓄冷材温度Tsが第2の所定値TH2以上である場合、すなわち、蓄冷材温度Tsが第2の所定値TH2以上で且つ第1の所定値TH1以下の適正範囲内にある場合には、現状を維持するためステップ224へ移行する。
ステップ208では、蓄冷材をこれ以上冷却する必要がないため、ペルチェ素子38への電圧の印加を停止させる。すなわち、リレー48をオフさせる。そして、ステップ210では、送風ファン40をオフする。
一方、蓄冷材温度Tsが第1の所定値TH1より大きい場合には、蓄冷材を冷却する必要があるので、まずステップ212において、ペルチェ素子38の電源をオンさせる。すなわち、リレー48をオンさせる。
そして、ステップ214では、全ての吹出し口を閉じるように吹出口切替アクチュエータ60を駆動する。
次に、ステップ216では、ペルチェ素子冷却通路12を開けるようペルチェ素子冷却通路ダンパアクチュエータ66を駆動する。
次に、ステップ218では、送風ファン40が予め定めた最小回転数で回転されるようにファン速度制御装置42に指示する。これにより、ペルチェ素子38によって蓄冷器36内の蓄冷材が冷却され、高温側フィン38Hから放熱された空気がペルチェ素子冷却通路12から車外へ排出される。
このように、エンジンがオフの状態で乗員が車両に乗車しようとしておらず不在の場合には、ペルチェ素子38によって蓄冷材温度Tsが適正範囲内となるように制御される。
一方、車両に乗員が乗車しようとしている場合には、ステップ220で、ベント吹出し口25から冷却された空気が吹き出されるように吹出口切替アクチュエータ60を駆動する。
ステップ221では、ペルチェ素子38の電源をオフし、ペルチェ素子冷却通路12を閉じる。
そして、ステップ222では、送風ファン40をオンさせる。すなわち、蓄冷材によって冷却した空気をベント吹出し口25から吹き出させ、放冷によって車室内をプレ冷房する。
ステップ224では、エンジンがオンしたか否かを判断し、エンジンがオフのままの場合には、ステップ200へ戻って上記と同様の処理を繰り返し、エンジンがオンされた場合には、ステップ本ルーチンを終了する。なお、本ルーチンが終了すると、前述した通常の空調制御が実行されると共に、図5に示す蓄冷材冷却制御が実行される。
このように、エンジンオフの状態(駐車時)でドアロックを解除し乗員が乗車しようとした場合には、エンジンオン時又はエンジンオフで乗員不在時に冷却された蓄冷材を放冷させることによってプレ冷房するため、乗車後速やかに冷却された空気を吹き出させることができ、乗員の快適性を向上させることができる。また、エンジンオフで乗員不在時には、コンプレッサ43を作動させずにペルチェ素子38の駆動により蓄冷材を冷却するため、バッテリーの消費電力を抑制することができ、省電力化を図ることができる。
なお、上記では、エンジンのオンオフの状態に拘わらず蓄冷材の温度が所定範囲内となるように制御しているが、何れかの場合にのみ蓄冷材の温度が所定範囲内となるように制御するようにしてもよい。
また、バッテリー49の充電量を検出する充電量検出センサをさらに備えた構成とし、制御装置50がエンジンオフ時に蓄冷材の保冷制御を行う場合において、検出した充電量が予め定めた所定閾値以下の場合には、蓄冷材の保冷制御を停止させるようにしてもよい。この場合、所定閾値は、例えば充電量がこれよりも少なくなると、車両に搭載された電装品が正常動作できなくなる可能性のある値に設定される。
次に、車両に乗車しようとしているか否かをドアの開閉に基づいて判断する場合について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップ300では、後述するドア開フラグ、ドア閉フラグ、ドア再度開フラグを全てオフに設定する。
ステップ302では、車両のドア(例えば運転席のドア)が開いたか否かを判断する。これはドアのカーティシスイッチがオンしたか否かで判断することができる。そして、ドアが開いたと判断した場合には、ステップ304へ移行し、ドアが閉まったままの場合には、ステップ312へ移行する。
ステップ304では、ドア開フラグがオンしているか否かを判断し、オンの場合にはステップ306へ移行する。ドア開フラグがオフの場合には、ステップ310へ移行し、ドア開フラグをオンする。すなわち、この場合はエンジンオフ後初めてドアを開けたことを意味する。
一方、ドアが閉まっている場合には、ステップ312でドア開フラグがオンしているか否かを判断し、オンしている場合にはステップ314でドア閉フラグをオンする。すなわち、この場合はドアを開けて閉めた(乗員が車外へ出た)ことを意味する。また、ドア開フラグがオフの場合には、ステップ316へ移行する。
ステップ306では、ドア閉フラグがオンしているか否かを判断し、オンしている場合には、ステップ308へ移行し、オフの場合にはステップ316へ移行する。
ステップ308では、ドア再度開フラグをオンする。すなわち、この場合はドアを開けて閉め(乗員が車外へ出て)、再度ドアを開けた(乗員が再度乗車しようとしている)ことを意味する。このように、同じドアが開いた場合でも、乗員が降りるためにドアを開けたのか、乗車のために開けたのかを的確に判断することができる。
ステップ316では、ドア再度開フラグのみがオフか否か、すなわち、ドア開フラグがオンで且つドア閉フラグがオンで且つドア再度開フラグがオフであるか否かを判断する。これは、具体的には、乗員がドアを開けて降車し、その後ドアを閉めた状態か否か、すなわち車両に乗員が不在であるのか否かを判断していることになる。
そして、ドア再度開フラグのみがオフの場合は、乗員が乗車しようとしておらず不在であると判断し、ステップ318へ移行し、それ以外の場合には、ステップ328へ移行する。
ステップ318〜ステップ326は、図6のステップ202〜218と同様の処理である。すなわち、ステップ318は図6のステップ202と、ステップ320は図6のステップ204と、ステップ322は図6のステップ206と、ステップ324は図6のステップ208及びステップ210と、ステップ326は図6のステップ212〜218と同一の処理である。このため、各処理の説明は省略する。
ステップ328では、ドア開フラグ、ドア閉フラグ、ドア再度開フラグの全てのフラグがオンになっているか否かを判断する。すなわち、乗員が一旦降車して、再度乗車した状態か否かを判断する。
そして、全てのフラグがオンの場合、すなわち、乗員が再度乗車しようとしている状態の場合には、ステップ330へ移行し、それ以外の場合には、ステップ334へ移行する。なお、ステップ330の処理は、図6のステップ220及びステップ222と同一の処理であるため、説明は省略する。そして、ステップ332では、ドア開フラグ、ドア閉フラグ、ドア再度開フラグの全てのフラグをオフして、ステップ334へ移行する。ステップ334の処理は、図6のステップ224と同一の処理であるため、説明は省略する。
このように、ドア開フラグ、ドア閉フラグ、ドア再度開フラグを用いて車両に乗車しようとしているか否かを的確に判断することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。第2実施形態では、蓄冷器36の蓄冷材をペルチェ素子ではなく、冷媒で冷却する場合について説明する。
図8には、本実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示した。本実施形態に係る車両用空調装置は、ペルチェ素子により蓄冷材を冷却する構成に代えて、冷媒により蓄冷材を冷却する構成が設けられている。
このため、図8に示すように、エキスパンションバルブ47の下流側では、エバポレータ34と蓄冷器36の両方に冷媒を流すために配管が2つに分岐しており、それぞれの配管の途中には冷媒制御バルブ51、51’が設けられている。冷媒制御バルブ51、51’は、制御装置50によって制御され、何れか一方の配管、若しくは両方の配管に冷媒が流れるように制御される。
蓄冷器36は、図9に示すように、上下2つのタンク36A、36Bを備え、これらのタンクが複数のチューブ36Cで接続されている。そして、各チューブ36Cには多数のプレートフィン36Dが取り付けられており、通過する空気との熱交換を効果的にする。
チューブ36Cは、図10、11に示すように、外管36C1の中に内管36C2が設けられた構成であり、外管36C1内、すなわち外管36C1と内管36C2との間には、蓄冷材36Eが充填されており、内管36C2内を冷媒が循環するようになっている。
図12には、車両のエンジンがオンされた状態で制御装置50が実行する蓄冷材冷却制御のフローチャートを示した。なお、図12では、図5に示すフローチャートと同一処理を行うステップについては同一符号を付し、異なる処理を行うステップの符号の末尾に‘A’を付した。
図12に示すように、図5に示すフローチャートと異なるのは、ステップ100A、108A、110Aのみである。すなわち、ステップ100Aでは、両方の冷媒制御バルブ51、51’を開いて、エバポレータ34と蓄冷器36の両方に冷媒を流し、蓄冷材を冷却する。
そして、蓄冷材温度Tsが第2の所定値TH2より小さい場合には、これ以上蓄冷材を冷却する必要はないので、ステップ108Aで蓄冷器36側の冷媒制御バルブ51’を閉じる。
一方、蓄冷材温度Tsが第1の所定値TH1より大きい場合には、蓄冷材を冷却する必要があるので、ステップ110Aで蓄冷器36側の冷媒制御バルブ51’を開ける。このとき、冷媒の温度が第2の所定値TH2よりも低い温度となるように制御する。これは、モータ44で回転されるコンプレッサ43の回転数を変えることによって制御することができる。エバポレータ34の冷媒温度(蒸発温度)は冷媒圧力で一義的に決まるため、冷媒圧力を制御することで冷媒の温度を制御することができる。また、検出したエバポレータ後温度から冷媒の温度を推定してコンプレッサ43の回転数を変えてもよい。
これ以外の処理は、図5に示すフローチャートと同様である。このような処理により、蓄冷材温度Tsを第1の所定値TH1から第2の所定値TH2の範囲内に保つことができる。
図13には、車両のエンジンがオフされた状態で制御装置50が実行するプレ空調制御のフローチャートを示した。なお、図13では、図6に示すフローチャートと同一処理を行うステップについては同一符号を付し、異なる処理を行うステップの符号の末尾に‘A’を付した。
図13に示すように、図6に示すフローチャートと異なるのは、ステップ208A、212A、216A、221Aのみである。すなわち、ステップ208Aでは、蓄冷材を冷却する必要がないのでコンプレッサ43をオフする。
一方、ステップ212Aでは、蓄冷材を冷却する必要があるので、コンプレッサ43をオンし、ステップ216Aでは、蓄冷器36側の冷媒制御バルブ51’を開ける。なお、ステップ212Aで、エバポレータ側の冷媒制御バルブ51を閉じるようにしてもよい。また、コンプレッサの回転数は、蓄冷材を冷却することができる程度(例えば予め定めた最小回転数)でよい。
ステップ221Aでは、乗員が乗車しようとしているので、蓄冷器による冷却を行うために、コンプレッサ43をオフすると共に、蓄冷器側の冷媒制御バルブ51’を閉じる。
このように、本実施形態では、蓄冷器の蓄冷材を冷媒によって冷却し、これを放冷させることで、乗車時に速やかに車室内を冷房することができる。
次に、蓄冷器36の配置に関する変形例について説明する。
図14には、変形例に係る車両用空調装置の概略構成を示した。なお、図8に示す車両用空調装置と同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
図14に示す車両用空調装置では、蓄冷器36の配置が図8に示す車両用空調装置と異なっており、エバポレータ34の下流側全面に配置されるのではなく、空調ダクト10の上半分側に配置されている。そして、蓄冷器36の一端には蓄冷器ダンパ70の一端がこの部分を中心に回動するように設けられている。この蓄冷器ダンパ70が回動し、その開度を変更することにより、蓄冷器36を通過する空気と、これをバイパスする空気との割合を変更することができる。蓄冷器ダンパ70は、蓄冷器ダンパアクチュエータ68によって駆動される。制御装置50は、蓄冷器ダンパ70の開度が所望の開度となるように蓄冷器ダンパアクチュエータ68を駆動する。
エンジンオフ時に乗員の乗車前にプレ冷房する場合のように、蓄冷器36の放冷により冷房する場合は、図15に示すように、蓄冷器ダンパ70を全開にして空調ダクト10を通過する空気を全て蓄冷器36を通るようにする。
また、エンジンオン時に蓄冷材を冷却する場合、エンジンオフ時に蓄冷材を保冷する場合は、図16に示すように蓄冷器ダンパ70を全閉にする。
また、エンジンオン時にコンプレッサ43を駆動してエバポレータ34を通過した冷却風で蓄冷器36を蓄冷できるように、蓄冷器ダンパ70を全開と全閉の中間の位置(図14に示すような位置)としてもよい。これにより、エバポレータ34を通過した冷却風の一部が蓄冷器36を通過するようになり、冷媒による冷却に加えてさらに蓄冷材を冷却することができる。
また、蓄冷器36があまり冷却されていない場合にエバポレータ34を通過した冷却風で冷房する場合、エバポレータ34を通過した空気がそのまま吹出すように蓄冷器ダンパ70を全閉としてもよい。これにより、エバポレータ34を通過した冷却風があまり冷却されていない蓄冷器36を通ることで吹出し温度の下がり方が遅くなるのを防ぐことができる。
なお、図14に示す車両用空調装置は冷媒で蓄冷材を冷却する構成であるが、第1実施形態と同様にペルチェ素子を用いて蓄冷材を冷却するような構成としてもよい。
上記各実施形態では、エンジンオン時に蓄冷材を冷却し、エンジンオフ時に蓄冷材を保冷する場合について説明したが、エンジンオン時に蓄冷材を冷却せず、エンジンオフで乗員が降車したことを検出した場合に、コンプレッサ43を駆動して蓄冷材の冷却を行い、蓄冷材温度が第2の所定値TH2よりも低くなった場合にコンプレッサ43を停止し、蓄冷材が第1の所定値TH1より高くなった場合にコンプレッサ43を駆動して蓄冷材を冷却するようにしてもよい。
第1実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示す図である。 蓄冷器及びペルチェ素子を示す斜視図である。 ペルチェ素子の構成を示す図である。 外気温と目標エバポレータ後温度との対応関係を示す線図である。 第1実施形態に係るエンジンON時に実行される蓄冷材冷却制御の処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態に係るエンジンOFF時に実行されるプレ空調制御の処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例に係るエンジンOFF時に実行されるプレ空調制御の処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示す図である。 蓄冷器の斜視図である。 図9のA−A断面図である。 蓄冷器のチューブの斜視図である。 第2実施形態に係るエンジンON時に実行される蓄冷材冷却制御の処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係るエンジンOFF時に実行されるプレ空調制御の処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例に係る車両用空調装置の概略構成を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る車両用空調装置の空調ダクト部分の概略構成を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る車両用空調装置の空調ダクト部分の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 空調ダクト
12 ペルチェ素子冷却通路
36 蓄冷器(蓄冷手段)
36E 蓄冷材
38 ペルチェ素子(冷却手段)
40 送風ファン(送風手段)
43 コンプレッサ
49 バッテリー
50 制御装置
51 冷媒制御バルブ
51’ 冷媒制御バルブ(冷却手段)
59 蓄冷材温度センサ(蓄冷材温度検出手段)
66 ペルチェ素子冷却通路ダンパアクチュエータ
68 蓄冷器ダンパアクチュエータ
70 蓄冷器ダンパ

Claims (8)

  1. 充電された蓄電手段から供給された電力により、冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮するコンプレッサと、
    圧縮された冷媒を気化する蒸発器と、
    前記蒸発器により冷却された空気を車両の車室内へ送風する送風手段と、
    前記送風手段の下流側に設けられ、蓄冷材を含む蓄冷手段と、
    前記蓄冷材を保冷制御すると共に、乗員の乗車前に前記車室内のプレ空調を行う場合、前記蓄冷材の放冷により冷却された空気が前記車室内へ吹き出されるように前記送風手段を作動させる制御手段と、
    を備えた車両用空調装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両のエンジンの駆動中に、前記蓄冷材を保冷制御することを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記蓄冷材を直接冷却する冷却手段と、前記乗員の降車を検出する検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記車両のエンジンの駆動停止中に前記乗員の降車を検出した場合に、前記蓄冷材が保冷されるように前記冷却手段を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御手段は、前記車両のエンジンの駆動中は、前記蒸発器により冷却された空気により前記蓄冷材を冷却させ、前記エンジンの駆動停止中は、前記冷却手段により前記蓄冷材を冷却させることを特徴とする請求項3記載の車両用空調装置。
  5. 前記冷却手段は、前記蓄電手段から供給された電力により前記蓄冷材を保冷するペルチェ素子であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の車両用空調装置。
  6. 前記冷却手段は、前記冷凍サイクルから分岐させた冷媒を前記蓄冷手段内に循環させることにより前記蓄冷材を冷却する冷媒循環手段であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の車両用空調装置。
  7. 前記蓄冷材の温度を検出する蓄冷材温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記蓄冷材の温度が予め定めた所定範囲内となるように保冷制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の車両用空調装置。
  8. 前記蓄電手段の充電量を検出する充電量検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記充電量が予め定めた所定閾値以下の場合には、前記蓄冷材の保冷制御を停止させることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の車両用空調装置。
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