JP2007073291A - 燃料電池用電極触媒粒子及びこれを用いた燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 触媒利用率を向上させることによって触媒使用量を低減させること、長期間にわたって触媒性能を維持することが可能な燃料電池用電極触媒粒子及びこれを用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】 触媒成分が導電性セラミックス粒子に担持されていることを特徴とする、燃料電池用電極触媒粒子。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料電池用電極触媒粒子及びこれを用いた燃料電池に関する。
燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に燃料と酸化剤を供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜・電極接合体を基本構造とする単セルを複数積層して構成されている。中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池において、アノード(燃料極)では(1)式の反応が進行する。
→ 2H + 2e ・・・(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤極)に到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、電気浸透により固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に移動する。
一方、カソードでは(2)式の反応が進行する。
4H + O + 4e → 2HO ・・・(2)
各電極(アノード、カソード)には、上記式(1)、(2)の反応を促進させるため、通常、白金や白金合金からなる触媒金属粒子を、カーボンブラック等の導電性炭素系粒子に担持させた電極触媒が用いられる。カーボンブラック等の導電性炭素系粒子は、表面に複雑な微細凹凸形状を有するため表面積が大きく、多量の触媒金属粒子を担持することができる。このような電極触媒に用いられている白金や白金合金は高価であり、燃料電池のコスト削減を阻む要因の一つとなっているため、触媒の利用率を向上させ、少ない白金量でも優れた発電性能を示す燃料電池の開発が望まれている。
触媒の利用率を向上させるための技術としては、例えば、白金又は白金合金粒子(以下、白金及び白金合金をまとめて白金ということがある)の微粒子化が挙げられる。白金粒子の径を小さくすることによって、白金使用量は同じでも白金の露出表面積が大きくなり、白金の利用率を高めることができる。
一方、特許文献1では、白金粒子の成長抑制を目的として、導電性炭素材料、前記導電性炭素材料に担持された、酸性条件下で白金より酸化されにくい金属粒子、及び前記金属粒子の外表面を覆う白金からなることを特徴とする燃料電池用電極触媒が提案されている。白金粒子の成長は、白金の露出表面積を縮小させるため、触媒利用率の低下を招く。特許文献1に記載の燃料電池用電極触媒は、燃料電池の運転条件下における白金によるカーボンブラック(導電性炭素材料)の酸化を防止することによって、白金粒子の移動を抑制し、白金粒子同士の融着による粒子成長を抑えるものである。
特開2002−289208号公報
触媒の利用効率を向上させるために白金粒子の径を小さくしていくと、粒径が2〜3nmになるまでは順調に利用効率が向上するが、それよりも更に小さくなると、利用効率の向上が頭打ちになる。その原因は明らかではないが、主な原因の一つとして、カーボンブラック等の導電性炭素系粒子は複雑な表面構造を有しているため、粒径があまりに小さい白金粒子を担持させると、該炭素系粒子の表面から内部へと潜り込んでしまって電極反応に有効に働くことができず、触媒利用率が充分に向上しないと推測される。
つまり、担体である炭素系粒子の表面構造が複雑であると、一面においては担体の表面積が大きくなり、微細な白金粒子を多量に担持できるという利点になるが、別の面においては、粒径が2〜3nmよりも小さい白金粒子が担体の表面から内部へと埋もれてしまい、白金粒子の小径化による利用効率の向上に限界をもたらす。
また、担体であるカーボンブラック等の導電性炭素系粒子は、通常、20〜200nm程度の粒径を有しているが、これを小径化して担体の表面積を従来よりも大きくすることによって、白金粒子の担持量を増やそうという試みもある。しかしながら、炭素系粒子の粒径を現状よりも小径のものに調節することが難しく、カーボンナノボール等の特殊なものを除けば、現状よりも小さい粒径を有し、且つ、粒径が2〜3nm程度またはそれよりも小径化された白金粒子を担持させるために適した炭素系粒子を得ることは難しい。
一方、特許文献1に記載の燃料電池用電極触媒は、金属粒子を白金で被覆しており、金属材料/金属材料界面が形成されているため、電極反応条件下において、白金と金属粒子を構成する他の異種金属とが相互拡散を起こしやすく、電極触媒内部の触媒活性の無い金属(金属粒子を構成する金属)が電極触媒表面の白金に拡散(ブリード)し、触媒活性点数を低下させてしまう(図6参照)。極端な場合には、金属粒子と白金が完全に2粒子分離し、金属粒子に白金を担持させたとはいえない状態に至るケースもある(図7参照)。
このブリード現象による触媒活性点数の低下は、燃料電池の高温運転時や高いセル電位での運転時に極めて生じやすく、燃料電池の高性能化を狙って高温運転条件を設定している近時の固体高分子型燃料電池の開発動向に相反している。すなわち、金属粒子に白金を担持させた電極触媒は、触媒活性点の構造を安定に保ち、触媒性能を長期間維持させるためには、低温条件下及び低セル電位の条件下で使用する必要があり、たとえ、白金使用量を低減させることができたとしても、発電効率が低い低温でしか燃料電池を運転できないという問題がある。
また、触媒の高性能化を狙って用いられている白金/ルテニウム合金や白金/コバルト合金等の白金合金を、特許文献1に適用させた場合には、ブリード現象によって、触媒として機能すべき白金合金層に不要な金属原子の侵入、偏析が発生しやすい。その結果生じる合金の組成変動や電子状態の変化は、触媒性能に多大な悪影響を及ぼし、著しい性能低下を引起こしてしまう。しかも、金属粒子に担持された白金合金は、ブリード現象による僅かな組成変動によって、合金としての安定性が極端に低いため、同一品質で大量生産することが困難であり、生産性が低い。
さらに、白金表面部分の面指数は触媒性能と深く関係し、特定の高い活性を有する表面構造を維持し続けることが触媒性能の向上に極めて重要であることが明らかとなっている(参考文献 古屋ら、「エレクトロキャタリシスの展望と応用」、第2章p47(1990)、アイピーシー)が、本質的に金属微粒子の表面は運動性が高いものであり、容易に構造相転移を繰り返す。従って、上記のような金属材料/金属材料界面を有する触媒は、触媒表面を所望の面指数に維持し続けることが極めて困難であり、触媒性能を維持することが難しい。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、触媒利用率を向上させることによって触媒使用量を低減させること、長期間にわたって触媒性能を維持することが可能な燃料電池用電極触媒粒子及びこれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池用電極触媒粒子は、触媒成分が導電性セラミックス粒子に担持されていることを特徴とするものである。
本発明において触媒成分の担体として用いる導電性セラミックス粒子は、従来担体として用いられてきた炭素系材料ほど表面構造が複雑ではないため、微粒子化した触媒成分を担体の表面から内部へと潜り込ませることなく、担持させることができる。しかも、導電性セラミックス粒子は、炭素系材料よりも微粒子化が可能であるため、触媒成分を担持させる表面積を充分確保することができる。従って、本発明の燃料電池用電極触媒粒子は、触媒成分の微粒子化による触媒利用率の向上効果が高い。
前記触媒成分の代表例としては、触媒金属が挙げられる。本発明によれば、触媒成分として触媒金属を用いる場合でも、化学的及び物理的に安定した導電性セラミックス粒子を担体として用いているため、金属粒子に触媒金属を担持させた場合と異なって、触媒活性点の減少や組成変動、結晶面の構造変化等、触媒金属の触媒性能を低下させる問題が生じにくく、長期間にわたる触媒性能の維持が可能である。また、高温条件下やセル電位が高い条件下でも触媒性能の低下が生じにくい。
前記触媒成分の粒径は0.3〜2.0nmであることが好ましく、また、前記導電性セラミックス粒子の粒径は2.0〜50nmであることが好ましい。
触媒活性点数の大きさ、導電性セラミックス粒子から触媒成分への物質移動の防止等の観点から、前記導電性セラミックス粒子が前記触媒成分に被覆されたコア・シェル型構造を有することが好ましい。
また、前記触媒成分を担持した導電性セラミックス粒子の大きさによっては、当該触媒成分を担持した導電性セラミックス粒子の凝集を抑え、長時間運転後にも触媒性能を維持できるように、前記触媒成分を担持した導電性セラミックス粒子が導電性粒子に担持されていることが好ましい。このとき、前記導電性粒子としては、表面積が大きく、尚且つ、耐酸化性に優れることから導電性炭素系粒子が好適である。
以上のような本発明の燃料電池用電極触媒粒子を含む触媒層を備える燃料電池は、触媒使用量を少なくすることによるコスト削減が可能であると共に、長期間にわたって発電性能を維持することできる。
本発明の燃料電池用電極触媒粒子は、触媒成分の利用率が高く、触媒の使用量を低減することができるため、白金等の高価な触媒金属を使用する場合でもコストの削減が可能である。
また、触媒成分として触媒金属を用いる場合でも、触媒活性を長期間にわたって安定に維持することが可能であり、長期間にわたって安定した触媒活性を発現することができる。しかも、この触媒活性は高温条件下においても低下しないため、高温条件下における燃料電池の運転が可能であり、燃料電池を高性能化させることができる。
本発明の燃料電池用電極触媒粒子は、触媒成分が導電性セラミックス粒子に担持されていることを特徴とするものである。
触媒成分は、アノードにおける水素の酸化反応、カソードにおける酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、白金合金Pt1−x(M:金属、0<x<1)等の触媒金属等を用いることができる。中でも触媒金属が好ましく、特に白金又は白金合金(Pt1−x)が好ましく、さらに白金合金が好ましい。
白金合金Pt1−xにおける金属種Mとしては、価電子にd電子を有しているものが好ましく、さらに価電子数が3〜10の範囲内であるものが好ましい。金属種Mとして、具体的には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir等が好ましい。これらの中でも、合金構造の安定性、酸化被毒に対する耐久性の観点から、Ru、Fe、Co、Ni、V、Ir、Pd、Cr、Ti、Zr、W、Mnが特に好ましい。
また、触媒活性と、耐溶出性や耐被毒性とのバランスに優れることから、Pt1−x−yM1M2(M1、M2:金属、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)で表される3元系以上の白金合金を用いることが特に好適である。M1、M2としては、Mとして上記例示したものの中から選択することが好ましい。
触媒成分の粒径は、触媒成分の使用量と表面積との関係から、小さいほど好ましいが、担持される導電性セラミックス粒子とのバランスや触媒性能等を考慮して、適宜決定すればよい。具体的には、平均粒径が5nm以下、特に0.1〜4nm、さらに0.3〜2.0nmの範囲内であることが好ましい。尚、触媒成分の平均粒径とは、触媒成分の長径と短径の平均値であり、透過性高分解能電子顕微鏡等を用いて測定することができる。
本発明の燃料電池用電極触媒粒子(以下、単に電極触媒粒子ということがある)は、触媒成分を導電性セラミックス粒子に担持させたことを特徴とするものである。
導電性セラミックスは、導電性を有することから、上記式(1)又は(2)の反応を促進する触媒成分を担持させた場合、これら触媒成分へ又は触媒成分から電子をスムーズに移動させることができる。
また、導電性セラミックスは、カーボンブラック等の導電性炭素材料ほどその表面が入り組んだ構造を有していないため、粒径が2〜3nmよりも小さい触媒成分をその表面に担持させた場合でも触媒成分粒子が担体表面に埋没しない。従って、触媒成分粒子を2〜3nm程度よりもさらに小さく微粒子化して触媒成分の露出表面積を拡大することが可能であり、触媒成分の利用率を向上させることができる。
さらに、導電性セラミックスは、カーボンブラック等と比較して、微粒子化(例えば、5〜10nm以下程度)が可能である。従って、導電性セラミックス粒子は、従来担体として用いられてきたカーボンブラック等と比べて表面構造が複雑でないため、同等の粒径を有する場合その表面積は小さいが、微粒子化による表面積の拡大が可能であり、触媒成分を担持するための表面積を充分確保することができる。
しかも、触媒成分を担持する担体として化学的及び物理的に安定な導電性セラミックス粒子を用いることによって、触媒成分として触媒金属を用いる場合でも、特許文献1のような内部金属粒子(担体)と触媒金属とのブリード現象が発生しないため、触媒金属の活性点数が低下しにくく、長期間にわたって触媒金属表面を活性の高い初期の状態に維持することができる。
特に、触媒金属として白金合金等の合金、中でもPt−Ru、Pt−Co、Pt−Fe、Pt−Cr、Pt−V、Pt−Mn、Pt−Ni、Pt−Ti、Pt−Zr、Pt−W等の高活性な白金合金を用いる場合にも、ブリード現象による合金の組成変動や電子状態の変化が生じないため、触媒性能が安定に保持される。
その結果、長期間にわたり発電性能が安定した燃料電池を提供することが可能となる。また、触媒性能が安定していることから、同一品質で大量生産することも可能である。
しかも、導電性セラミックス粒子は、固体高分子電解質型燃料電池の運転温度(80℃程度)付近では、分子運動性が低く、剛直な状態にあり、金属のように熱運動によって刻々と形状を変化させてしまうようなことがない。このため、導電性セラミックス粒子の表面にエピタキシャル成長した白金合金も、結晶構造を安定して保ち続けることが可能であり、表面原子配置(面指数)を高活性且つ耐被毒性に優れた状態を保持し続けることができる。これに対して、金属粒子は、室温付近でも時々刻々と形状を変化させるため、金属粒子からなる担体の表面にエピタキシャル成長させた白金合金は、高活性な表面原子配置を維持することが不可能、すなわち、触媒性能を持続させることが不可能である(「超微粒子」、林主税 他編、三田出版会、103〜11頁参照)。
以上のように、触媒成分(典型的には触媒金属)を導電性セラミックス粒子に担持させることによって、少ない触媒成分量で触媒成分の露出表面積を大きくすることが可能であと共に、触媒活性を長期間にわたって安定に維持することが可能である。従って、本発明の燃料電池用電極触媒粒子は、触媒利用率を向上させ、触媒成分の使用量を低減することが可能である。ゆえに、白金や白金合金等を触媒成分として用いる場合、希少資源である白金の有効利用及び燃料電池のコスト削減を達成することができる。
また、高温条件下や高セル電圧下において触媒性能を低下させる問題、例えば、ブリード現象等がないため、高温条件下や高セル電圧下における燃料電池の運転が可能であり、燃料電池を高性能化させることができる。
本発明の燃料電池用電極触媒粒子において、触媒成分の導電性セラミックス粒子に対する担持状態は特に限定されず、例えば、触媒成分粒子が導電性セラミックス粒子の表面に島状に点在する態様(図2参照)であってもよいし、或いは、導電性セラミックス粒子の表面を触媒成分で被覆したコア−シェル型(図1参照)であってもよい。
触媒活性点を充分に確保し、高い出力密度が得られること、触媒性能の低下を引起こす触媒成分表面への導電性セラミックス成分の含浸を起こりづらくすること、等の観点からはコア−シェル型が好ましい。また、コア−シェル型は、導電性セラミックス粒子の表面が露出していないため、酸性雰囲気である燃料電池内での導電性セラミックスの成分の溶出を防止することもできる。例えば、過酸化水素分解能を有する亜鉛が導電性セラミックス粒子から溶出した場合には、ヒドロキシラジカル(・OH)や過酸化物ラジカル(・OOH)等の酸化力の強いラジカルが発生し、燃料電池の耐久性が低下してしまうおそれがあるが、コア−シェル型の場合には、このような問題が発生しにくい。
導電性セラミックスとしては、導電性を有し、微粒子化しても酸性水溶液中で安定なものであれば特に限定されないが、特に金属イオンとして鉄及び銅を含まないものが好ましい。また、ここでいうセラミックスとは、金属酸化物、若しくは、金属窒化物からなる融点300℃以上の固体材料であり、単結晶性、多結晶性若しくはアモルファス性等の固体構造を有するものである。
導電性セラミックスとして、具体的は、アンチモンドープ酸化スズ、鉛ドープ酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、アルミニウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化スズ等が挙げられる。
中でも、アルミニウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化スズが好適である。これらは、導電性が高いため、電子移動がスムーズに行われ、電極触媒粒子における抵抗損失を抑えることが可能である。また、化学安定性にも優れる。さらには、原料が安価であることから量産性に優れている。
導電性セラミックス粒子の粒径は、担持する触媒成分の粒径や量等に応じて適宜選択すればよく、例えば、従来の炭素系材料からなる担体粒子と同様に20〜200nm程度としてもよいが、0.3〜2.0nm程度の粒径を有する触媒成分を均一に担持させる場合には、2.0〜100nm、特に2.0〜50nmであることが好ましい。このような粒径の小さい導電性セラミックスを用いることで、担体である導電性セラミックスの表面積を大きくし、より多くの触媒成分を担持することができるという利点もある。
尚、導電性セラミックス粒子の粒径とは、導電性セラミックス粒子の長径と短径の平均値であり、透過性高分解能電子顕微鏡等を用いて測定することができる。また、導電性セラミックス粒子は、真球状である必要はなく、楕円状の断面積を有するものであってもよく、繊維状であってもよい。
触媒成分を担持した導電性セラミックス粒子の凝集を抑制するため、特に、2.0〜50nm程度の粒径を有する導電性セラミックス粒子に触媒成分を担持させた場合には、当該触媒成分を担持した導電性セラミックス粒子(一次担持複合体)を、さらに、導電性粒子に担持させた二次担持複合体とすることが好ましい(図3参照)。一次担持複合体の凝集を抑えることによって、一次担持複合体の肥大化、一次担持複合体の肥大化に伴う触媒活性点の減少を抑制し、長期間にわたって触媒性能を維持することができる。2.0〜50nm程度の粒径を有する導電性セラミックス粒子に触媒成分を担持させた場合には、当該粒子の運動性が特に高いため、凝集しやすく、二次担持複合体構造とすることによる効果が特に高い。
一次担持複合体を担持させる導電性粒子は、導電性を有し、且つ、一次担持複合体(触媒成分を担持した導電性セラミックス)を表面に担持することができるものであれば特に限定されず、従来から触媒成分の担体として用いられている導電性炭素系粒子を用いることができる。導電性炭素系粒子としては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックが好適である。
触媒成分を直接担持した導電性セラミックス粒子(一次担持複合体)よりも粒径の大きな導電性セラミックス粒子を導電性粒子として用いることも可能であるが、表面積が大きく、一次担持複合体を多く担持することが可能であり、且つ、耐酸化性に優れるという理由から、一次担持複合体を担持する導電性粒子としては上記したような導電性炭素系粒子が好ましい。導電性粒子は、粒径が5〜200nm、特に、20〜80nmであることが好ましく、また、窒素吸着法(BET法)による比表面積が150m2/cm2以上であることが好ましい。尚、導電性粒子は、真球状である必要はなく、楕円状の断面積を有するものであってもよく、繊維状であってもよい。
本発明の電極触媒粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、一般的な方法を適用することができる。ここで、導電性セラミックス粒子に触媒金属を担持させた一次担持複合体を、さらに導電性粒子(カーボンブラック)に担持させた電極触媒粒子(二次担持複合体)の製造方法について、簡単に説明する。
導電性セラミックス粒子は、例えば、マグネトロンスパッタ、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシー等のドライプロセス法や、液相コロイド還元、気相還元、錯体熱分解等によって導電性セラミックスを粒子化することで得られる。
導電性セラミックス粒子に触媒金属を担持させる方法としては、例えば、触媒金属塩又は触媒金属錯体等の触媒金属化合物を含有する溶液中に導電性セラミックス粒子を含浸させ、その後、水素ガス等により触媒金属化合物を還元し、導電性セラミックス粒子表面に触媒金属を析出させる方法が挙げられる。触媒金属として合金を用いる場合には、合金を構成する触媒金属を含む触媒金属化合物を含有する溶液中に、導電性セラミックス粒子を含浸させ、上記同様、触媒金属化合物を還元させる。その後、溶液を蒸発乾固させ、通常、水素/窒素混合ガス等の還元雰囲気下、250〜350℃程度で0.5〜5時間加熱して触媒金属の合金化処理を行う。
本発明の燃料電池用電極触媒粒子は、燃料電池に好適に用いることができる。以下、本発明の燃料電池用電極触媒粒子を用いた燃料電池について説明する。
図4は、本発明の燃料電池における単セルの一形態例を示す切断した断面図である。図4に示すように、電解質膜1は、一方の面にカソード(酸化剤極)4a、他方の面にアノード(燃料極)4bが設けられ、膜・電極接合体5を形成している。本実施形態において、両電極4(カソード4a、アノード4b)は、それぞれ電解質膜側から順に、カソード触媒層2aとカソードガス拡散層3a、アノード触媒層2bとアノードガス拡散層3bとが積層した構造を有している。
膜・電極接合体5は、カソードセパレータ6a及びアノードセパレータ6bで挟持され、単セル100を構成している。セパレータ6は、各電極4に反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)を供給する流路7(7a、7b)を画成し、各単セル間をガスシールすると共に、集電体としても機能するものである。カソード4aは、流路7aから酸化剤ガス(酸素を含む又は酸素を発生させるガス。通常は空気。)が供給され、アノード4bは、流路7bから燃料ガス(水素を含む又は水素を発生させるガス。通常、水素ガス。)が供給される。
尚、ここでは、固体高分子型燃料電池を例に本発明を説明するが、本発明の燃料電池は固体高分子型燃料電池に限定されるものではない。
電解質膜1は、一般的に固体高分子型燃料電池用電解質膜を用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、ナフィオン(商品名)等に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜等のフッ素系電解質膜や、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ(アリルエーテルケトン)樹脂等の炭化水素系高分子にスルホン酸基、カルボン酸基、ボロン酸基等のイオン交換基を導入した炭化水素系電解質膜等が挙げられる。
プロトン伝導性の観点からは、イオン交換容量が0.5〜2.0meq./g程度の高分子電解質が好適に用いられる。プロトン伝導性と耐久性のバランスから、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜等のフッ素系電解質膜が好ましいが、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン等の耐熱性に優れ、プロトン伝導性の高い芳香族エンジニアリングプラスチック系電解質膜も好適に用いることができる。
電解質膜1の膜厚は、プロトン伝導性の観点からは薄い方が好ましいが、長時間運転時の耐久性能を得るためには、ある程度厚い方が好ましい。以上のような観点から、電解質膜は、通常、15〜150μm程度、特に、30〜75μm程度の膜厚を有しているものが好ましい。また、反応ガスが対極にクロスリークすることによる発電効率の低下を防ぐため、クラックやピンホール等の貫通孔がなく、元来ガス透過性のない電解質膜が好ましい。
ガス拡散層3は、触媒層2に効率良くガスを供給することができるガス拡散性、導電性、及びガス拡散層を構成する材料として要求される強度を有するもの、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素質多孔質体や、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、ニッケル−クロム合金、銅及びその合金、銀、アルミ合金、亜鉛合金、鉛合金、チタン、ニオブ、タンタル、鉄、ステンレス、金、白金等の金属から構成される金属メッシュ又は金属多孔質体等の導電性多孔質体からなるガス拡散層シートを用いて形成することができる。導電性多孔質体の厚さは、50〜300μm程度であることが好ましい。
ガス拡散層シートは、上記したような導電性多孔質体の単層からなるものであってもよいが、触媒層に面する側に撥水層を設けることもできる。撥水層は、通常、炭素粒子や炭素繊維等の導電性粉粒体、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性樹脂等を含む多孔質構造を有するものである。撥水層は、必ずしも必要なものではないが、触媒層及び電解質膜内の水分量を適度に保持しつつ、ガス拡散層の排水性を高めることができる上に、触媒層とガス拡散層間の電気的接触を改善することができるという利点がある。
撥水層を導電性多孔質体上に形成する方法は特に限定されない。例えば、炭素粒子等の導電性粉粒体と撥水性樹脂、及び必要に応じてその他の成分を、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール等の有機溶剤、水又はこれらの混合物等の溶剤と混合した撥水層インクを、導電性多孔質体の少なくとも触媒層に面する側に塗布し、その後、乾燥及び/又は焼成すればよい。
このとき撥水層インクは、導電性多孔質体の内部に含浸してもよい。また、撥水層の形状は特に限定されず、例えば、導電性多孔質層の触媒層側の面全体を覆うような形状でもよいし、格子状等の所定パターンを有する形状でもよい。撥水層の厚さは、通常、5〜50μm程度でよい。撥水層インクを導電性多孔質体に塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スプレー法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法等が挙げられる。
また、導電性多孔質体は、触媒層と面する側に、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性樹脂をバーコーター等によって含浸塗布することによって、触媒層内の水分がガス拡散層の外へ効率良く排出されるように加工してもよい。
触媒層2は、導電性を有するガス拡散層3と電気的に接続され、且つ、電解質膜1に隣接してプロトンが効率良く到達できる状態にあり、さらには、反応ガスが効率良く到達できるよう物理的/化学的環境が整えられる。
触媒層2には、本発明の電極触媒粒子の他、少なくともイオン伝導性材料が含有される。イオン伝導性材料としては、電解質膜に用いられる電解質材料の中から、適宜選択することができ、具体的には、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂に代表されるフッ素系樹脂やスルホン酸基、カルボン酸基、ボロン酸基等のイオン伝導性基を側鎖に有する炭化水素系樹脂等の固体高分子電解質が挙げられる。
触媒層は、電極触媒粒子及びイオン伝導性材料、さらに必要に応じて撥水性高分子や結着剤等その他の材料を溶媒に混合・分散させて得られる触媒層インクを用いて形成することができる。触媒層インクの溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、プロピレングリコール等のアルコール類と水との混合物等を用いることができるが、これらに限定されない。また、触媒層の単位面積当りの触媒金属担持量は、電極触媒粒子に用いられる触媒金属の触媒性能によって異なるが、通常、0.5〜5mg/cm程度とすればよい。また、触媒層の膜厚は、特に限定されないが、3〜20μm程度とすればよい。
電解質膜1の両面に電極4a、4bを設ける方法は特に限定されず、一般的な方法を採用することができる。例えば、まず、電解質膜1の両面に触媒層インクを塗布、乾燥することによって、電解質膜1の表面に触媒層を形成し、次に、ガス拡散層シートを触媒層上に接合する方法がある。或いは、予めガス拡散層シートの触媒層側の面に、触媒層インクを塗布・乾燥して触媒層を形成したものを、触媒層が電解質膜とガス拡散層に挟まれるように、電解質膜と接合する方法がある。或いは、触媒層インクを、ポリテトラフルオロエチレン等の基材上に塗布、乾燥させた触媒層シートを電解質膜又はガス拡散層シートと接合し、基材を剥離後、触媒層が電解質膜とガス拡散層に挟まれるように、ガス拡散層シート又は電解質膜と接合する方法がある。
上記方法において、電解質膜、ガス拡散層シート、基材の表面に触媒インクを塗布する方法は特に限定されず、例えば、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法等が挙げられる。また、電解質膜、各層間の接合は、例えば、ホットプレス等によって行うことができる。
このように電解質膜1を一対の電極4a、4bで接合した膜・電極接合体5は、さらにセパレータ6a、6bで挟持され単セル100を形成する。セパレータ6としては、例えば、炭素繊維と高濃度に含有し、樹脂との複合材からなるカーボンセパレータや、金属材料を用いた金属セパレータ等を用いることができる。金属セパレータとしては、耐腐食性に優れた金属材料からなるものや、表面をカーボンや耐腐食性に優れた金属材料等で被覆し、耐腐食性を高めるコーティングが施されたもの等が挙げられる。
尚、本発明の燃料電池は、図4に示す形態に限定されず、例えば、ガス流路を画成する溝が設けられていないセパレータ6を用い、セパレータ6と電極4との間に空孔率の高い金属多孔体8(8a、8b)を介在させ、この金属多孔体8に直接反応ガスを貫流させてガス流路7a、7bとする形態も実施可能である(図5参照)。また、燃料電池の機能向上を目的として、上記以外の層が設けられていてもよい。
また、ここでは、酸化剤及び燃料共にガス(酸化剤ガス、燃料ガス)を用いた場合を中心に説明したが、メタノール溶液等の液体燃料、空気等のガス状の酸化剤を用いる直接メタノール型燃料電池においても、本発明を適用することが可能である。
(実施例1)
<電極触媒粒子の製造>
まず、石英るつぼ上に、マグネトロンスパッタを用いてアルミニウムドープ酸化亜鉛をスパッタ処理し、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子を析出させた。得られたアルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子を、透過型高分解能電子顕微鏡(日本電子製)によって観察したところ、平均粒径が約8nm程度だった。
次に、窒素パージしたシールボックス内で、界面活性剤を滴下したアルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子を、塩化白金酸と硝酸ルテニウムのイソプロパノール/水混合溶液に投入し、超音波ホモジナイザーにて15時間分散させた。その後、塩化白金酸と硝酸ルテニウムを水素ガスバブリングにより還元し、この混合溶液を一昼夜静置して、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子上に白金/ルテニウム混合微粒子を析出させた。
続いて、上記混合溶液をロータリーエバポレーターを用いて蒸発乾固させた後、水素/窒素の混合ガスでパージした電気炉で、200℃、2時間の合金化処理を行い、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子上の白金/ルテニウム混合微粒子を合金化した。得られた白金/ルテニウム合金担持アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子(一次担持複合体微粒子)を、透過型高分解能電子顕微鏡(日本電子製)によって観察したところ、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子に担持された白金/ルテニウム合金微粒子の平均粒径は、約3nmであった。また、得られた白金/ルテニウム合金担持アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子(一次担持複合体微粒子)におけるアルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子に対する白金の割合は、27重量%だった。
次に、得られた一次担持複合体微粒子をエタノール/水/プロピレングリコール混合溶液に投入し、さらに、カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC、平均粒径:40nm、ライオン株式会社製)を添加して、超音波ホモジナイザーで4時間処理を行い、一次担持複合体微粒子とカーボンブラックが均一に分散した混合溶液を得た。さらに、この混合溶液を一昼夜静置して、一次担持複合体微粒子がカーボンブラック上に二次担持された電極触媒粒子を含む分散液を得た。
<触媒層インクの調製>
フッ素系固体高分子電解質膜(商品名:Nafion、デュポン社製)を、水/エタノールの混合溶液に、濃度5重量%で溶解した。この溶液に、上記にて得られた電極触媒粒子を含む分散液を加え、超音波分散して触媒層インクを得た。
<燃料電池単セルの作製>
フッ素系固体高分子電解質膜(商品名:Nafion、膜厚45μm、デュポン製)の両面に、調製した触媒層インクを吹き付けて塗布し、触媒層インクを揮発乾固させて触媒層を形成した。触媒層の膜厚は約15μmであり、単位面積の白金担持量は0.7mg/cmであった。
次に、この触媒層を形成した電解質膜を、2枚のカーボンクロス(東レ製、厚み200μm)で挟持し、130℃、3MPaの条件でヒートプレスすることによって、ガス拡散層、触媒層、電解質膜からなる膜・電極接合体を得た。ガス拡散層として用いたカーボンクロスは、触媒層と接する側に、ポリテトラフルオロエチレンを溶剤に溶解させた撥水材が含浸塗布されているものである。
さらに、炭素繊維と熱硬化性樹脂の複合材料からなり、ガス流路となる溝が形成された2枚のセパレータで、上記膜・電極接合体を挟持し、燃料電池単セルを作製した。得られた単セルの有効面積は1cmだった。
<燃料電池単セルの発電性能評価>
得られた燃料電池単セルのアノード側に水素ガス(50ml/min)、カソード側に空気(150ml/min)を供給し、定電流密度(300mA/cm)条件で運転した。セル電圧は690mVであった。
(実施例2)
<電極触媒粒子の製造>
実施例1と比べて、塩化白金酸と硝酸ルテニウムのイソプロパノール/水混合溶液を高濃度とし、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子が完全に白金/ルテニウムで被覆されるようにした以外は、実施例1と同様(アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子とカーボンブラックの使用量の割合等も同じ)にして電極触媒粒子を製造した。
得られた白金/ルテニウム合金担持アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子(一次担持複合体微粒子)は平均粒径が約10nmであった。また、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子に対する白金の割合は、95重量%だった。
<燃料電池単セルの作製>
実施例1と同様にして調製した触媒層インクを用いて、実施例1同様、燃料電池単セルを作製した。得られた燃料電池単セルの触媒層単位面積当りの白金担持量は、2.5mg/cmであった。
<燃料電池単セルの発電性能評価>
実施例1と同様にして、得られた燃料電池単セルを定電流密度(300mA/cm)条件で運転した。セル電圧は750mVであった。
(比較例)
<電極触媒粒子の製造>
塩化白金酸と硝酸ルテニウムのイソプロパノール/水混合溶液に、カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC、平均粒径:40nm、ライオン株式会社製)を添加して、超音波ホモジナイザーで4時間処理を行い、分散溶液を得た。その後、塩化白金酸と硝酸ルテニウムを水素ガスバブリングにより還元し、この分散溶液を一昼夜静置して、カーボンブラック上に白金/ルテニウム合金(平均粒径:2.4nm)を析出させた。
<触媒層インクの調製>
フッ素系固体高分子電解質(商品名:Nafion、デュポン社製)の5重量%水/エタノール混合溶液に、上記にて得られた電極触媒粒子を含む分散液を加え、超音波分散して触媒層インクを得た。
<燃料電池単セルの作製>
上記にて調製した触媒層インクを用いて、実施例1同様にして燃料電池単セルを作製した。得られた燃料電池単セルの触媒層単位面積当りの白金担持量は、0.7mg/cmであった。
<燃料電池単セルの発電性能評価>
実施例1と同様にして、得られた燃料電池単セルを定電流密度(300mA/cm)条件で運転した。セル電圧は620mVであった。
以上の結果から、カーボンブラックに白金/ルテニウム合金粒子を担持させた電極触媒粒子を用いた比較例は、触媒層の単位面積当りの白金担持量は同じであるにもかかわらず、実施例1よりもセル電圧が低くなった。これは、電極触媒粒子の白金/ルテニウム合金粒子の粒径が小さく、カーボンブラックの細孔内に合金粒子が入り込み、白金が有効に利用されないために、電極触媒の性能が実施例1よりも劣っているからと考えられる。
また、実施例2は、電極触媒粒子におけるアルミニウムドープ酸化亜鉛に対する白金量が実施例1の3倍以上であり、それに伴い、触媒層の白金担持量も3倍以上となったため、実施例1のセル電圧が690mVであるのに対して、実施例2のセル電圧は750mVと高くなった。実施例2で用いたような白金担持量の多い電極触媒粒子を用いることによって、触媒層を厚くしなくても、多くの触媒成分を含む触媒層を形成することができる。
本発明の燃料電池用電極触媒粒子(一次担持複合体)の一形態を示す模式図である。 本発明の燃料電池用電極触媒粒子(一次担持複合体)の一形態を示す模式図である。 本発明の燃料電池用電極触媒粒子(二次担持複合体)の一形態を示す模式図である。 本発明の固体高分子型燃料電池の一形態例を示した断面図である。 本発明の固体高分子型燃料電池の一形態例を示した断面図である。 金属粒子を白金で被覆した従来の電極触媒において、金属粒子の金属が白金に拡散する現象を説明する図である。 金属粒子を白金で被覆した従来の電極触媒において、金属粒子と白金が2粒子分離する現象を説明する図である。
符号の説明
1…固体高分子電解質膜
2…触媒層(2a:カソード触媒層、2b:アノード触媒層)
3…ガス拡散層(3a:カソードガス拡散層、3b:アノードガス拡散層)
4…電極(4a:カソード、4b:アノード)
5…膜・電極接合体
6…セパレータ(6a:カソードセパレータ、6b:アノードセパレータ)
7…流路(7a、7b)
8…金属多孔体(8a、8b)
100…単セル

Claims (8)

  1. 触媒成分が導電性セラミックス粒子に担持されていることを特徴とする、燃料電池用電極触媒粒子。
  2. 前記触媒成分が触媒金属である、請求項1に記載の燃料電池用電極触媒粒子。
  3. 前記触媒成分の粒径が0.3〜2.0nmである、請求項1又は2に記載の燃料電池用電極触媒粒子。
  4. 前記導電性セラミックス粒子の粒径が2.0〜50nmである、請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒粒子。
  5. 前記導電性セラミックス粒子が前記触媒成分に被覆されたコア・シェル型構造を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒粒子。
  6. 前記触媒成分を担持した導電性セラミックス粒子が、導電性粒子に担持されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒粒子。
  7. 前記導電性粒子が導電性炭素系粒子である、請求項6に記載の燃料電池用電極触媒粒子。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒粒子を含む触媒層を備える燃料電池。
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