JP2007072439A - 光ファイバー線クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバー線をクリップするためにベースに固定されるのに適した光ファイバー線クリップを提供する。
【解決手段】この光ファイバー線クリップは貫通孔を備える。光ファイバー線は貫通孔の中を通って配置され、貫通孔の壁によって留められるようになっている。貫通孔の壁と光ファイバー線の表面との間の最大静止摩は、光ファイバー線が耐えうる最大応力よりも小さく設定される。
【選択図】図3

Description

この発明は光学装置用のクリップに関し、より詳細には、光ファイバー線クリップに関する。
光ファイバー、すなわち光導電ファイバーは、ガラス内における光の全反射の原則に基づいて電気通信信号を伝達するための光導電装置である。光ファイバーは、高帯域や、干渉に対する非感受性、長距離信号伝送性を有しているという特性において有利である。従って、光ファイバーネットワークシステムは電気通信ネットワークにおいて不可欠の要素になっている。
近年、光ファイバー線機器の価格が徐々に低下しており、それによりFTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)電気通信システムがより普及し始めている。この電気通信システムは適切な顧客宅内機器を利用し、その結果、電気通信信号がデータ端未からユーザ端未へ光ファイバー線を通ってダイレクトに伝送される。従って、このような電気通信システムを使用するユーザは、迅速かつ高速な信号伝送を享受することができる。
しかしながら、同じ電気通信信号の伝送用の銅ケーブルと比較すると、光ファイバー線の構造の強度はかなり弱いので、光ファイバー線を損傷から守るために、ユーザ端未内の装置には、通常適当な配線装置が必要となる。
図1は、従来の光ファイバー線クリップを概略的に示している。図1を参照すると、この光ファイバー線クリップ100は主に、第1クリップホルダー110と、第2クリップホルダー120とからなる。第1クリップホルダー110は、複数の突出部112と固定部114を備える。第2クリップホルダー120は、複数の突出部122を備える。第1クリップホルダー110と第2クリップホルダー120は、図1中の矢印で示した方向に沿って相対的に動くよう構成されている。従って、この光ファイバー線クリップ100は、第1の突出部112と第2の突出部122とを介して、第1クリップホルダー110と第2クリップホルダー120との間に、光ファイバー線Wを留めることができる。
図2は、図1の光ファイバー線クリップによって、光ファイバー線が光ファイバー線ディスク(optical fiber wire disc)に固定して留められた場合を示す図である。光ファイバー線クリップ100は、光ファイバー線Wが第1クリップホルダー110と第2クリップホルダー120とによって留められた後、光ファイバー線ディスク200のフレーム210内に配置される。フレーム210の内側には、複数の第3の突出部212が配置されている。光ファイバー線Wは、光ファイバー線クリップ100によって、第1のクリップホルダー110の固定部114とフレーム210の第3の突出部212とを介して、光ファイバー線ディスク200上に固定して留められる。
ここにおいて、光ファイバー線クリップ100によって、光ファイバー線Wを光ファイバー線クリップ100とフレーム210を介して光ファイバー線ディスク200上に固定して留めることができるが、光ファイバー線Wが光ファイバー線クリップ100内に堅固に留められているため、光ファイバー線Wが外力によって引っ張られたとき、光ファイバー線Wが容易に破損してしまっていた。
光ファイバー線Wが外力によって引っ張られた時に破損し易いので、別の従来の技術においては、光ファイバー線クリップ100の設計が省略され、光ファイバー線Wが、フレーム210内を通過する時に、いずれの場所にも留められていないものもある。この場合、光ファイバー線Wが外力によって引っ張られた時、光ファイバー線Wは光ファイバー線クリップ100によって制限されず、光ファイバー線Wが外力に沿って動いた時に、光ファイバー線にある程度の緩衝が設けられることとなる。そのような設計によって、光ファイバー線が破損するのを防止している。しかしながら、そのような設計では、光ファイバー線ディスク200の中に光ファイバー線Wを正確に位置決めすることができない。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであって、本発明の目的は、光ファイバー線クリップによって留められた光ファイバー線が外力によって引っ張られても光ファイバー線が容易に破損しない光ファイバー線クリップを提供することにある。
本発明は光ファイバー線を留めるためベース(土台)に固定されるように構成された光ファイバー線クリップを提供する。この光ファイバー線クリップは貫通孔を備える。光ファイバー線は貫通孔内を通って配置され、貫通孔の壁(内壁)によって留められる(クリップされる)ようになっている。貫通孔の壁と光ファイバー線の表面との間の最大静止摩擦は、光ファイバー線が耐えうる最大応力よりも小さくなるように設定されている。
本発明の実施形態においては、上記ベースはフレームを備えていてもよく、上記光ファイバー線クリップは、上記フレームの内側で上記ベース上に固定して配置されるように構成される。
本発明の実施形態においては、上記光ファイバー線クリップはテーパー形状でもよく、上記貫通孔は、テーパー形状の軸に沿って上記テーパー形状を横断する。
本発明の実施形態においては、上記フレームは第1フレームバーと第2フレームバーとを備えていてもよく、上記第1フレームバーと上記第2フレームバーは所定の角度を形成する。
本発明の実施形態においては、この光ファイバー線クリップはさらにスリットを備えていてもよい。そのスリットは、テーパー形状の軸に沿ってテーパー形状の一つの端面からその端面に対応する他の端面まで延び、光ファイバー線はそのスリットを介してテーパー形状の一面から上記貫通孔の中に配置されるようになっている。
本発明の実施形態においては、上記光ファイバー線クリップはシリカゲルのような材料によって形成される。
本発明においては、貫通孔の壁と光ファイバー線の表面との間の最大静止摩擦が、光ファイバー線が耐えうる最大応力の範囲以内となるように設定されている。よって、この光ファイバー線クリップによってクリップされた光ファイバー線が外力によって引っ張られると、光ファイバー線が破損する前に光ファイバー線が相対的に移動する。従って、本発明によって提供された光ファイバー線クリップは、通常の力よりも大きな外力によって光ファイバー線が引っ張られた時に、光ファイバー線が破損するのを防止できる。
添付の図面は本発明の理解を深めるために添えられており、この明細書に添付されてこの明細書の一部を構成している。図面は本発明の実施形態を示しており、明細書の記載と共に、本発明の原理を説明する役目を果たしている。
図3は、本発明の実施形態に係る光ファイバー線クリップを概略的に示している。図3を参照すると、この光ファイバー線クリップ300は、貫通孔310を備える。貫通孔310の壁は光ファイバー線Wの一部分(線分)の外面をクリップするのに適しており、この光ファイバー線クリップ300は、シリカゲルやその他の材料によって形成されている。具体的には、本実施形態の光ファイバー線クリップ300はテーパー形状(先細り形状)であり、貫通孔310はテーパーの軸Aに沿ってテーパーを横切っている。しかしながら、本実施形態で開示されている光ファイバー線クリップ300の形状はそのような形状に限定されるものではない。本発明の他の実施形態においては、光ファイバー線クリップ300の形状は、四角形や円柱形、あるいは他の適当な形状であってもよい。
上述の光ファイバー線クリップ300は、光ファイバー線Wを留めるために、光ファイバー線Wを貫通孔310内に配置するように構成されている。光ファイバー線Wを貫通孔310内に容易に配置するために、この光ファイバー線クリップ300は、さらにスリット320を備える。スリット320は、軸Aに沿って、光ファイバー線クリップ300の一方の端面302から光ファイバー線クリップ300の対応するもう一方の端面304まで延びている。従って、本実施形態においては、光ファイバー線Wの一線分が、光ファイバー線クリップ300の一方の側からスリット320を介して貫通孔310内に配置されるようになっている。
光ファイバー線Wが貫通孔310内に配置された後、光ファイバー線クリップ300と光ファイバー線Wは、図4の通信機器内に共に固定される。本実施形態において、図4の通信機器はユーザ端末装置400であってもよい。図5は、図4の概略分解図である。図5を参照すると、このユーザ端末装置400は、上ハウジング410と、ベース(土台)420と、電気通信モジュール430と、下ハウジング440とを備える。ベース420は、フレーム426を備え、光ファイバー線クリップ300は、フレーム426内に配置されるように構成されており、その結果、光ファイバー線クリップ300によって留められた(クリップされた)光ファイバー線Wは、ベース420に固定される。本実施形態においては、フレーム426は主に第1フレームバー422と第2フレームバー424とからなり、第1フレームバー422と第2フレームバー424とによって所定の角度が形成されている。
外力によって光ファイバー線が引っ張られた時に光ファイバー線クリップによって留められた光ファイバー線Wが容易に破損するのを防止するために、貫通孔310の壁と光ファイバー線Wの表面との間の最大静止摩擦は、光ファイバー線が耐えうる最大応力の範囲以内に設定される。従って、光ファイバー線Wが光ファイバー線クリップ300によってベース420に固定して留められ、光ファイバー線Wが外力によって光ファイバー線Wの軸に沿った方向へ引っ張られた時、もし外力が貫通孔310の壁と光ファイバー線Wの表面との間の最大静止摩擦よりも小さければ、光ファイバー線Wは貫通孔310の中に固定されており、光ファイバー線Wは光ファイバー線クリップ300に対して相対的に動かない。一方、もし外力が貫通孔310と光ファイバー線Wの表面との間の最大静止摩擦よりも大きければ、光ファイバー線Wは、外力の方向に沿って光ファイバー線クリップ300に対して相対的に動く。従って、この光ファイバー線クリップ300は、通常の力よりも大きい外力によって光ファイバー線が引っ張られた時に、光ファイバー線Wが破損するのを防止することができる。
本実施形態では、光ファイバー線クリップ300はシリカゲルのような材料から形成されており、貫通孔310の壁と光ファイバー線Wの表面との間の最大静止摩擦は、シリカゲルの硬さを調整することによって設定することができる。具体的には、本実施形態では、貫通孔310の壁と光ファイバー線Wの表面との間の最大静止摩擦は、シリコンKE951U 50°やシリコンKE951U 60°、あるいは他の適切な型番を含むシリカゲルの型番から、シリカゲルの型番を適切に選択することによって設定することができる。一般に、光ファイバー線クリップ300は、引張力が3〜3.5Kgを越えたときに動き始める。
さらに、本実施形態においては、光ファイバー線クリップ300がテーパー形状であり、フレーム426の第1フレームバー422と第2フレームバー424とが所定の角度を形成し、光ファイバー線クリップ300がフレーム426内に配置されるので、光ファイバー線クリップ300とフレーム426との相対位置を調節することによって、本実施形態は第1フレームバー422・第2フレームバー424と光ファイバー線クリップ300との間の密着具合を調整することができ、さらには、貫通孔310の壁と光ファイバー線Wとの間の最大静止摩擦も調節される。
光ファイバー線クリップ300の材料の適切な選択と、光ファイバー線クリップ300とフレーム426との協調(密着具合)に加えて、貫通孔310の壁と光ファイバー線Wとの間の最大静止摩擦は、貫通孔310の口径やあるいは他の要因を調節することによっても設定することができ、それらの結果、最大静止摩擦は光ファイバー線Wが耐えうる最大応力の範囲以内に設定される。
要約すれば、本発明によって設定される最大静止摩擦は、光ファイバー線が耐えることのできる最大応力よりも小さい。それゆえ、光ファイバー線にかかる外力が光ファイバー線が耐えうる最大応力よりも大きいとき、光ファイバー線は破損する前に光ファイバー線クリップに対して相対的に移動する。光ファイバー線は外力によって光ファイバー線の軸方向に沿った方向へ引っ張られる。従って、本発明で開示された光ファイバー線クリップは、光ファイバー線をベース上に固定して配置すると共に、光ファイバー線が通常の力よりも大きい外力によって引っ張られた時に、光ファイバー線が破損するのを防止することができる。
さらに、シリカゲルは長寿命、亀裂抵抗性、毒性(有毒)蒸発がない、という利点を有しているので、もし本発明の光ファイバー線クリップがシリカゲルから形成されているならば、本発明で開示された光ファイバー線クリップも、長寿命や毒性蒸発がないというような同様の利点を有している。
以上本発明を特定の実施形態を参照しながら説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者が本発明の精神から離れることなしに上述の実施形態に様々な変形を施すことができるということは明白である。従って、本発明の範疇は、上述の詳細な実施形態によってではなく、添付の請求項によって規定される。
従来の光ファイバー線クリップを概略的に示した図である。 図1の光ファイバー線クリップによって光ファイバー線を光ファイバー線ディスクに固定して留めた場合を説明する概略図である。 本発明の実施形態に係る光ファイバー線クリップを概略的に示した図である。 光ファイバー線と図3の光ファイバー線クリップの両方を通信機器の中に固定した場合を説明する概略図である。 図4の概略分解図である。

Claims (6)

  1. 光ファイバー線を留めるためベースに固定されるように構成された光ファイバー線クリップであって、
    上記光ファイバー線クリップは貫通孔を備え、光ファイバー線が上記貫通孔内を通って配置され貫通孔の壁によって留められるように構成され、
    貫通孔の壁と光ファイバー線の表面との間の最大静止摩擦を、光ファイバー線が耐えうる最大応力よりも小さく設定したことを特徴とする光ファイバー線クリップ。
  2. 請求項1に記載の光ファイバー線クリップにおいて、
    上記ベースはフレームを備え、上記光ファイバー線クリップは、上記フレームの内側で上記ベース上に固定して配置されるように構成される。
  3. 請求項2に記載の光ファイバー線クリップにおいて、
    上記光ファイバー線クリップはテーパー形状であり、上記貫通孔は、テーパー形状の軸に沿って上記テーパー形状を横断する。
  4. 請求項3に記載の光ファイバー線クリップにおいて、
    上記フレームは第1フレームバーと第2フレームバーとを備え、上記第1フレームバーと上記第2フレームバーは所定の角度を形成する。
  5. 請求項3に記載の光ファイバー線クリップにおいて、
    この光ファイバー線クリップはさらに、テーパー形状の軸に沿ってテーパー形状の一つの端面からその端面に対応する他の端面まで延びるスリットを備え、光ファイバー線がそのスリットを介してテーパー形状の一面から上記貫通孔の中に配置されるように構成される。
  6. 請求項1に記載の光ファイバー線クリップにおいて、
    上記光ファイバー線クリップはシリカゲルのような材料によって形成される。
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