JP2007072017A - 光学素子及びヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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Masaki Otsuki
正樹 大槻
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Abstract

【課題】 全体として小型化が可能な光学素子を提供する。
【解決手段】 予め射出成形等により形成された基板レンズ1(平板又は球面レンズ)と非球面形状を有する金型2との間に、紫外線硬化型樹脂3を挟み込み、基板レンズ1と金型2とで押圧して型どりをする(a)。基板レンズ1は、平面図(A)に示すように、円形であるが、その一部に張り出し部1aが形成されている。この張り出し部1aは、基板レンズ1及びこれから製造される光学素子の特性に影響を及ぼさない位置に設けられ、影響を及ぼさない大きさとされている。このような状態で、基板レンズ1を通して紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂3を硬化させる。(b)続いて、レンズ剥がし用治具4を用いて、張り出し部1aを図の下側から押圧して、紫外線硬化型樹脂3と金型2とを剥離させる(c)。これにより、基板レンズ1と紫外線硬化型樹脂3とが密着したレンズが成形される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子及びヘッドマウントディスプレイに関するものである。
複雑な形状を持つ光学素子の成形方法にPAG(Plastic on the Aspherical Glass Lens)成型法がある。この方法は基板となる平面もしくは球面のレンズと非球面金型との間に流し込んだUV硬化樹脂にUV光を照射してレンズとUV硬化樹脂とを一体化した非球面レンズの成型方法である。
以下、このようなレンズの製造方法の例を図4を用いて説明する。予め射出成形等により形成された基板レンズ31(平板又は球面レンズ)と非球面形状を有する金型32との間に、紫外線硬化型樹脂33を挟み込み、基板レンズ31と金型32とで押圧して型どりをする(a)。そして、基板レンズ31を通して紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂33を硬化させる。(b)
続いて、レンズ剥がし用治具34を用いて、基板レンズ31を図の下側から押圧して、紫外線硬化型樹脂33と金型32とを剥離させる(c)。これにより、基板レンズ31と紫外線硬化型樹脂33とが密着したレンズが成形される。
しかしながら、図4からも分かるように、剥離を行うとき、レンズ剥離用治具34と基板レンズ31を当接させなくてはならず、そのために、基板レンズ31を大きく形成する必要があるという問題が生じていた。基板レンズ31を大きくすると、その分材料が無駄になるばかりでなく、それを使用する装置の大型化につながるという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、全体として小型化が可能な光学素子、及びそれを使用したヘッドマウントディスプレイを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、少なくともその一部が、光学素材に金型を押し付けることによって成形を行って形成される光学素子であって、前記光学素子の外周部の一部には、前記光学素子を使用する際に光学特性に影響を及ぼさない位置に、張り出し部が設けられていることを特徴とする光学素子である。
本手段においては、光学素子の外周部の一部に張り出し部が設けられているので、レンズを金型から剥離するとき、レンズ剥離用治具を、この張り出し部に当接させて剥離力を加えればよい。よって、レンズ全体を大きくする必要が無くなるので、レンズが小型化できる。
前記課題を解決するための第2の手段は、少なくともその一部が射出成形により形成される光学素子であって、前記光学素子の外周部の一部には、射出成形の際に使用されたゲート中に残された成形体が、張り出し部としてそのまま残されていることを特徴とする光学素子である。
射出成形によりレンズを成形するときは、型の中キャビティ部に樹脂等を注入するために型にゲート(注入口)が設けられる。通常の場合は、射出成形が終了すれば、このゲート中に残った樹脂等の成形体は切り離されるが、本手段においては、この成形体を切り離さないようにしておく、そして、このレンズを基板レンズとして使用して前記第1の手段と同じように光学素子を形成し、光学素子を金型から剥離するとき、この部分を張り出し部として使用し、レンズ剥離用治具を、この張り出し部に当接させて剥離力を加えればよい。よって、レンズ全体を大きくする必要が無くなるので、レンズが小型化できる。
前記課題を解決するための第3の手段は、頭部に装着され、片目に映像を表示するヘッドマウントディスプレイであって、目に映像を表示する表示部と、前記表示部を片側から支える支持部とを有しており、前記第1の手段又は第2の手段である光学素子が使用され、その前記張り出し部が、前記支持部側に向けられて、前記光学素子を前記表示部に保持していることを特徴とするヘッドマウントディスプレイである。
ヘッドマウントディスプレイにおいては、表示部には、画像を目に投影するための光学素子が置かれるが、本手段においては、この光学素子として第1の手段又は第2の手段である光学素子を使用し、その張り出し部が、ヘッドマウントディスプレイの支持部側に向けられて、光学素子を表示部に保持するようになっている。よって、はみ出した張り出し部を保持部として有効に利用できる。又、片目用のヘッドマウントディスプレイの支持部側には空間があるので、この部分に張り出し部を配置することにしても、ヘッドマウントディスプレイの大型化をもたらすことはない。
本発明によれば、全体として小型化が可能な光学素子、及びそれを使用したヘッドマウントディスプレイを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である光学素子の製造方法を示す図である。予め射出成形等により形成された基板レンズ1(平板又は球面レンズ)と非球面形状を有する金型2との間に、紫外線硬化型樹脂3を挟み込み、基板レンズ1と金型2とで押圧して型どりをする(a)。基板レンズ1は、平面図(A)に示すように、円形であるが、その一部に張り出し部1aが形成されている。この張り出し部1aは、基板レンズ1及びこれから製造される光学素子の特性に影響を及ぼさない位置に設けられ、影響を及ぼさない大きさとされている。
このような状態で、基板レンズ1を通して紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂3を硬化させる。(b)続いて、レンズ剥がし用治具4を用いて、張り出し部1aを図の下側から押圧して、紫外線硬化型樹脂3と金型2とを剥離させる(c)。これにより、基板レンズ1と紫外線硬化型樹脂3とが密着したレンズが成形される。
図4と図1を比べてみると分かるように、本発明の実施の形態である図1の方が、基板レンズ1の直径を小さくできるので、光学素子を小型化できる。張り出し部1aは、その後に切断して除去するか、後に述べるように光学素子の保持部として使用することもできる。
基板レンズ1を射出成形で製造するときには、金型に、金型中のキャビティに樹脂等等を導くためのゲート(注入口)が設けられる。そして、樹脂等が固まって成形品が形成されたとき、ゲート中に入っていた樹脂等も、成型品の一部につながった形で取り出される。通常の場合は、その後、その部分を切り捨てるが、この部分を切り捨てないで残し、レンズ剥がし用治具4をこの部分に当接させて押し、紫外線硬化型樹脂3と金型2とを剥離させるための張り出し部として使用してもよい。
ところで、人間の目の片側に、映像を投影表示し、映像そのものを楽しんだり、コンピュータの表示端末として使用するために、ヘッドマウントディスプレイが開発されつつある。本発明のヘッドマウントディスプレイの実施の形態の1例を図2に示す。この実施の形態の表示装置は、装着者Mに画像を表示するための表示手段である表示部11を有している。この実施の形態では、表示部11は、装着者Mの左目LIにのみ画像を表示する。表示部11は、支持手段である支持部12を介して装着部13に支持されている。装着部13は、頭部Hの前面、すなわち、顔Fにかからない位置に装着可能とされている。装着部13は、装着者Mの頭部Hに配置される2箇所の保持部14、15と、保持部14及び保持部15を連結する連結部16とを有している。この実施の形態では、保持部15は、接続部17を介して連結部16に固定され、顔Fの両側となる耳Yの位置に配置されている。
また、連結部16は、顔Fと反対側の後頭部HBに位置されている。連結部16は、後頭部HBに沿った曲線状に形成されている。連結部16は、例えば、弾性を有する樹脂により形成されている。この実施の形態では、保持部15には、音声出力手段であるスピーカ18が配置されている。
そして、支持部12は、表示部11を装着者Mの左目LIの眼前に配置する位置から、頭部側方を通って、後頭部側に水平に移動できるようになっている。支持部12は、頭部側方に沿った曲線状に形成されている。支持部12は、例えば、弾性を有する樹脂により形成されている。
そして、支持部12は、頭部側方に沿って移動可能とされている。この実施の形態では、支持部12は、装着部13の連結部16に収容可能とされ、連結部16に沿って移動可能とされている。
図3は、表示部11の内部構造の概要を示す図である。図3において(a)は縦断面図であり((b)のB−B断面図)、(b)は平断面図((a)のA−A断面図)である。(b)の下方が使用者の顔面方向である。なお、図3において、図1、図2に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
表示部11のケース22内には、映像を表示する液晶パネル24と、液晶パネル24の画像を拡大して使用者の目に表示するための光学素子23が配置されている。光学素子23は、本発明の実施の形態の1例であり、省略して図示しているが、例えば、図1における、基板レンズ1と紫外線硬化型樹脂3とが密着したレンズ(非球面レンズ)がこれにあたる(ただし、図示しているものは別の形状を有するレンズである)。
この光学素子23には、前述のように張り出し部1aが設けられているが、この例においては、張り出し部1aをケース22に接着等で接合し、光学素子23を表示部11に固定するために使用している。その際、張り出し部1aは、支持部12の方向を向いて固定されている。図に示すように、表示部11においては、支持部12側にスペースを取りやすいので、この方向に向けて張り出し部1aを固定することが好ましい。また、このようにすることにより、張り出し部1aが、例えば、両眼の中心側に位置して結果的に表示部11が大きくなることを防止できる。
なお、本発明は、このようなヘッドマウントディスプレイに限られない。例えば、連結部16が頭頂部に位置するような装着部を有するものでもよく、その場合は、支持部12は、連結部16とは別に設けられた収納部に収納するようにしてもよい。
図1は、本発明の実施の形態の1例である光学素子の製造方法を示す図である。 本発明のヘッドマウントディスプレイの実施の形態の1例を示す図である。 表示部の内部構造の概要を示す図である。 従来のレンズの製造方法の例を示す図である。
符号の説明
1…基板レンズ、2…金型、3…紫外線硬化型樹脂、4…レンズ剥がし用治具、11…表示部、12…支持部、13…装着部、14…保持部、15…保持部、16…連結部、17…接続部、18…スピーカ、22…ケース、23…光学素子、24…液晶パネル

Claims (3)

  1. 少なくともその一部が、光学素材に金型を押し付けることによって成形を行って形成される光学素子であって、前記光学素子の外周部の一部には、前記光学素子を使用する際に光学特性に影響を及ぼさない位置に、張り出し部が設けられていることを特徴とする光学素子。
  2. 少なくともその一部が射出成形により形成される光学素子であって、前記光学素子の外周部の一部には、射出成形の際に使用されたゲート中に残された成形体が、張り出し部としてそのまま残されていることを特徴とする光学素子。
  3. 頭部に装着され、片目に映像を表示するヘッドマウントディスプレイであって、目に映像を表示する表示部と、前記表示部を片側から支える支持部とを有しており、請求項1又は請求項2に記載の光学素子が使用され、その前記張り出し部が、前記支持部側に向けられて、前記光学素子を前記表示部に保持していることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
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