JP2007071562A - 表面検査装置、表面検査方法およびフィルムの製造方法 - Google Patents

表面検査装置、表面検査方法およびフィルムの製造方法 Download PDF

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敦士 佐久間
Yasuhiro Nakai
康博 中井
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順一 西下
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博樹 中嶋
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Abstract

【課題】円筒側面形であり鏡面反射性を有する被検査体表面の凸凹欠点を光学的に検出するに際し、光照射手段と撮像手段に対する被検査面の位置関係が経時的に変化することに起因する撮像画像のボケや、被検査体の撮像画像からのはみ出しという問題を解決する。
【解決手段】円筒側面形で鏡面反射性を有し曲率および/または被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位Fを有する光照射手段と被検査体を撮像する撮像手段と撮像した撮像画像に基づいて被検査体の表面を検査する表面検査装置であって、データ処理手段は撮像画像上における発光部位Fの占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出手段と被検査体配置算出手段の出力に基づいて撮像手段6のズームおよび/またはフォーカスを制御する撮像制御手段を有する撮像調整手段を備えている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、表面検査装置、表面検査方法およびフィルムの製造方法に関する。
一般に、被検査体表面に存在する凸凹欠点などを検査する場合、被検査体に光を照射し、その反射光の状態を参照することで表面の凸凹欠点などを検出する方法がよく用いられている。具体的には、特許文献1に記載の方法がある。この方法は、円筒状被検査体の表面に生じる凸凹欠点の、凸凹方向と平行でない縞状明暗パターンの輝度を持つ光を被検査体に照射して、被検査体表面での反射光を撮像して、得られた撮像画像における縞状明暗パターンの位相情報に基づいて縞状明暗パターンの歪みを抽出して、歪みを生じさせた被検査体表面の凸凹欠点を検出するものである。
この方法は、検査を行う際、被検査体表面は光を照射する光照射手段と反射光を撮像する撮像手段に対して常に一定の位置関係となるように配置されることが前提となっている。
特開2002−202113号公報
ところが、本発明者らの知見によれば、例えば、被検査体がその製造工程中で巻き取られ、だんだんと巻き太っていくプラスチックフィルムロールなどの場合には光照射手段と撮像手段に対する被検査体表面の位置関係が経時的に変化するため、被検査体を撮像した撮像画像にボケが生じるなどで縞状明暗パターンの歪みを精度良く検出できず、製品製造中常時での高精度な検査は望めない。
そこで、本出願人は、特願2004−156340号において、自動的にフォーカスを光照射手段に合わせるオートフォーカス機能を持つ撮像手段を用いる方法や、被検査面の位置を変位測定手段によって検出して撮像手段のフォーカスを調整する方法などを提案している。
しかしながら、撮像手段が持つ一般的なオートフォーカス機能は、撮像画像全体における、画素の輝度の値の分散が最大となるようにフォーカスを調整するものである。したがって、例えば被検査体が光照射手段以外からの突発的な外部光などの外乱を多く受ける条件下では、輝度の値が本来のものから大きく変化する画素が生じてしまい、撮像画像全体における、画素の輝度の値の分散も本来の値とは異なった値となり、精度良くフォーカスを合わせられなくなることがある。また、外乱を受けていない本来の撮像画像において、もともと各画素の輝度の値の差が大きくないときには、撮像画像全体における、画素の輝度の値の分散も小さいので精度良くフォーカスを合わせるのは困難となる。さらに、上記のようなオートフォーカスでは、輝度の値の分散などの画像の中の特徴量が最大または最小となるようなフォーカス位置を調整するが、あるフォーカス位置が特徴量の最大か最小にあることを常時監視するには、意図的にフォーカス状態を前後に変動させ、特徴量の微分値かゼロになることを確認する必要がある。言い換えると、常に自らフォーカスを崩しながら対象物を撮像することになるので、原理的に常にベストのフォーカス位置に静止させた状態を維持できないことになる。加えて、被検査体の周囲にスペースがない環境下においては、変位測定手段等を設置するときに、被検査体周辺での作業を阻害しないようにする必要があるため、結果的に装置構成が複雑になるなどの問題点があった。
以上に鑑みて、本発明の第1の目的は、円筒側面形で鏡面反射性を有する箇所を含む被検査体表面に発生する凸凹欠点を光学的に検出するに際し、光照射手段と撮像手段に対する被検査面の位置関係が経時的に変化することに起因する、撮像画像のボケや、被検査体の撮像画像からのはみ出しという問題を解決する、被検査体表面の凸凹欠点を高精度に検出する表面検査装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、被検査体表面の凸凹欠点を的確に検出し、誤検出することの少ない表面検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の表面欠陥検出装置は下記の構成を有する。
すなわち、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、前記撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出手段と、前記被検査体配置算出手段の出力に基づいて前記撮像手段のズームを制御する撮像制御手段とを有する撮像調整手段を備えていることを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、前記撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出手段と、前記被検査体配置算出手段の出力に基づいて前記撮像手段のフォーカスを制御する撮像制御手段とを有する撮像調整手段を備えていることを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、前記撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出手段と、前記被検査体配置算出手段の出力に基づいて前記撮像手段のズームおよびフォーカスを制御する撮像制御手段とを有する撮像調整手段を備えていることを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記発光部位に、周期的明暗パターンを有することを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記周期的明暗パターンは、縞状明暗パターンであることを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記データ処理手段は、前記撮像画像から前記周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去手段と、前記周期成分除去手段の出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出手段とを備えることを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像から周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去手段と、前記周期成分除去手段の出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出手段とを備えることを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記周期成分除去手段は、前記撮像画像における前記周期的明暗パターンの空間周波数成分を除去するものであることを特徴とする表面検査装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるズームを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるフォーカスを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるズームおよびフォーカスを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記光照射ステップは、周期的明暗パターンを有する光を照射することを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記周期的明暗パターンは、縞状明暗パターンであることを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像から周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去ステップと、前記周期成分除去ステップの出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出ステップとを備えることを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記周期成分除去ステップは、前記撮像画像における前記周期的明暗パターンの空間周波数成分に基づく画像処理を含むことを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記データ処理ステップは、前記撮像画像から前記周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去ステップと、前記周期成分除去ステップの出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出ステップとを備えることを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、被検査体表面に生じる欠陥としてシワを検出することを特徴とする表面検査方法が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、口金の間隙から溶融材料を吐出し、前記溶融材料をシート状にすることでフィルムを製造し、前記フィルムをロール状に巻き取るフィルム製造方法であって、前記フィルムのフィルム表面および/または前記フィルムのフィルムロール表面に所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるズームおよび/またはフォーカスを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法を用いて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査する工程を有することを特徴とするフィルムの製造方法が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、口金の間隙から溶融材料を吐出し、前記溶融材料をシート状にすることでフィルムを製造し、前記フィルムをロール状に巻き取るフィルム製造方法であって、前記フィルムのフィルム表面および/または前記フィルムのフィルムロール表面に所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像から周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去ステップと、前記周期成分除去ステップの出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出ステップとを備えることを特徴とする表面検査方法を用いて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査する工程を有することを特徴とするフィルムの製造方法が提供される。
本発明における、「被検査面」とは、撮像手段が光照射手段の発光部位を撮像する際に、発光部位からの光が反射した被検査体表面をいう。
また、本発明における、「円筒側面形で鏡面反射性を有する被検査面」を、図1および図2を用いて説明する。図1は円筒側面形の説明図で、図2は鏡面反射性の説明図である。ある線分lを法線とする任意の平面ψと被検査面との交わる曲線ABを考え、線分lと平面ψとの交点Ofから曲線AB上の任意の点Pまでの距離をRとする。この距離Rを被検査面全体に亘って測定し、その平均値Raを求める。被検査面における、どの平面ψにおける曲線AB内のどのRも、平均値Raとの差が、平均値Raの30%以内に収まる線分lが存在するとき、その被検査面は円筒側面体である、とする。この、被検査面における、どの平面ψにおける曲線AB内のどのRも、平均値Raとの差は、平均値Raの5%以下が望ましい。また、平面ψ面内に光軸を持つ、点Pへの入射光の、平面ψにおける点Pでの反射光が、点Pを通る線分lr1と線分lr2との間に光軸を持ち、かつ線分lr1と線分lr2との成す角度δが20度以下であるとき、その被検査面は鏡面反射性を有する、とする。上記角度δは、1度以下であることが望ましい。なお、ここで、検査対象物としての巻き取りまたは巻き出し途中のフィルム等のシートロールを選ぶときは、フィルムの表層であって、ひとつ内側の層から離間している部位は被検査面に含まないものとする。
また、本発明における、「被検査面に対応する曲率」とは、上記平均値Raの逆数をいう。
また、本発明における、「所定形状の発光部位」とは、光を発する、または光を透過する箇所が所定形状内に存在しており、その箇所から、またはその箇所を介して光が物体に照射されるとき、その箇所を含む所定形状の部位を、所定形状の発光部位とする。
また、本発明における、「撮像画像上における発光部位の占める範囲の情報」、「撮像画像上における発光部位からの光の位置」および「撮像画像上における発光部位からの光の大きさ」について、図3を用いて説明する。図3は光照射手段の発光部位が映っている撮像画像の例である。ここで、撮像画像の左右方向が円筒側面形の軸方向(図1における線分lの方向)と一致しているものとする。
この場合、撮像画像の上下方向は、円筒側面形の軸を法線とする平面と被検査面との交線方向(図1における曲線ABの方向)に対応している。光照射手段の発光部位からの光により輝度の値が大きくなっている画素を検出し、これら輝度の値が大きくなった画素を全て含む高輝度値図形を考える。輝度の値が大きくなった画素の判定は、例えば、画素の輝度の値が、予め適宜設定した値を超えたか否かということで判断するなどが考えられる。また、この高輝度値図形としては、例えば、上下方向が撮像画像の上下方向と平行であり、かつ左右方向が撮像画像の左右方向と平行である最小の長方形などが考えられる。この高輝度値図形から取得することが可能な、円筒側面形の軸方向に関する情報や円筒側面形の軸を法線とする平面と被検査面との交線方向(図1における曲線ABの方向)に関する情報を、撮像画像上における発光部位の占める範囲の情報という。特に、フィルム等のシートロールを検査対象物とする場合、ロール径やロール中心軸の交線方向の位置が変動するため、被検査面は通常、軸方向には移動しないことから、円筒側面形の軸を法線とする平面と被検査面との交線方向に関する情報が有用となる。したがって、図3の例では、撮像画像の上下方向の位置や大きさの情報が特に重要である。
今、撮像画像において、左上の画素を0行目、0列目の画素とし、画像において右方向に行くに従って列番号が増え、下方向に行くに従って行番号が増えるものとする。撮像画像上における発光部位の占める範囲の情報として、例えば、この高輝度値図形の、最上端の行、最下端の行、重心の行、ある行における高輝度値図形に含まれる画素数、ある行における高輝度値図形に含まれる全画素の輝度の値の積算値や、これらから得られる情報などが考えられる。これらのうち、高輝度値図形において特徴ある部位に対応する行の番号が、撮像画像上における発光部位からの光の位置の情報を担うことになる。例えば、高輝度値図形の、最上端の行、最下端の行、重心の行、高輝度値図形に含まれる画素数が予め適宜設定した値よりも大きくなる、行番号が最小または最大の行、その行において高輝度値図形に含まれる全画素の輝度の値を積算した値が予め適宜設定した値よりも大きくなる、行番号が最小または最大の行などが考えられる。典型的には、この高輝度値図形の重心Gの行を、撮像画像上における発光部位からの光の位置とし、重心Gの行番号を、位置を示す代表値として考えることができる。
また、高輝度値図形において特徴ある複数部位に対応する行、またはこれら複数の行から得られる情報が、撮像画像上における発光部位からの光の大きさの情報を担うことになる。特に、交線方向に異なる既知の特徴ある部位の情報が有用である。例えば、高輝度値図形の、最上端の行番号と最下端の行番号、最上端の行番号と最下端の行番号から得られる高輝度値図形の上下方向の画素数、予め適宜設定された数以上の高輝度値の画素数を含む複数の行番号、予め適宜設定された数以上の高輝度値の画素数を含む複数の行番号から得られる高輝度値図形の上下方向の画素数を、撮像画像上における発光部位からの光の大きさとしてもよい。
また、本発明における、「周期的明暗パターン」を、図4を用いて説明する。図4は周期的明暗パターンの一例である。明暗パターンを有する発光部位において直交する2つの直線A1、A2を考える。明暗パターンを有する発光部位をA1および/またはA2の方向に沿うと、被検査体への発光量が多い明部と被検査体への発光量が少ない暗部が特定の周期で交互に現れるとき、この発光部位の明暗パターンを周期的明暗パターンとする。
なお、上記のような場合、発光部位は、暗部と明部を含むパターンのある部位全体が該当する。
本発明によれば、以下に説明する通り、円筒側面形で鏡面反射性を有する箇所を含む被検査体表面に発生する凸凹欠点を光学的に検出するに際し、光照射手段と撮像手段に対する被検査面の位置関係が経時的に変化することに起因する、撮像画像のボケや、被検査体の撮像画像からのはみ出しという問題を解決する、被検査体表面の凸凹欠点を高精度に検出する表面検査装置および表面検査方法を実現できる。
また、被検査体表面の凸凹欠点を的確に検出し、誤検出することの少ない表面検査装置および表面検査方法を実現できる。
以下、本発明の最良の実施形態を、円筒状に巻き取られる透明プラスチックフィルムロール表面に発生する巻きシワを検出する場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
実施形態の装置構成を、図5を用いて説明する。図5は実施形態の概略装置構成図である。
5は、被検査体であり、ここでは透明プラスチックフィルムロールである。4は、外形が矩形で周期的な縞模様の明暗パターンの発光部位Fを有する光照射手段であり、被検査体5の表面に光を照射するように構成されている。6は、撮像手段であり、光照射手段4から照射された光L1の、被検査体5の表面での反射光を撮像するように設置されている。
実施形態における撮像手段6は、外部から制御信号を受信することによりズームおよびフォーカスを調整することが可能なものである。撮像手段6は、データ処理手段8と接続されており、撮像手段6の撮像した画像を撮像手段6からデータ処理手段8へ送付可能であるとともに、撮像手段6のズームおよび/またはフォーカスを調整する制御信号をデータ処理手段8から受信可能に構成されている。データ処理手段8は、ディスプレイ、プリンタ、警報装置などの外部出力手段9に接続されており、撮像手段6から受信する画像に基づいて検出する被検査体5表面の凸凹欠点に関する情報を、外部出力手段9へ送信することができる。
次に、光照射手段4を、図6および図7を用いて説明する。図6および図7はそれぞれ光照射手段4の構成例を示す斜視図である。光照射手段4は周期的な縞模様の明暗パターンを有する発光部位Fを有する構造をしており、縞状明暗パターンの輝度を持つ光L1を被検査体5に照射している。光照射手段4は、例えば、図6のように外形が矩形の平面から光を発する光源を有する光源ユニット1と、光透過部と遮光部が規則的に配された明暗パターン光作成手段2から成る構造のものや、図7のように光源ユニット1に小型光源1aが縞状明暗パターンを作るよう規則的に配列されている構造のものを用いることができる。
次に、撮像手段6を、図5を用いて説明する。撮像手段6は被検査体5の表面を介して光照射手段4を撮像し、その撮像した画像をデータ処理手段8へ送信するものである。撮像手段6には、受光素子を二次元に配置したエリアセンサカメラなどが望ましい。また、撮像手段6のフォーカスは、縞状明暗パターンを有する発光部位Fに合っていることが望ましい。また、実施形態における撮像手段6は外部からの制御信号によりズームやフォーカスを調整することが可能なものであり、データ処理手段8からの制御信号を受信したときには、ズームおよび/またはフォーカスを調整する。
次に、被検査体5を、図1および図8を用いて説明する。図8は実施形態の装置構成における位置関係を説明した図である。被検査体5の円筒中心軸を法線とし、撮像手段6の持つ受光素子群の中心に位置する受光素子6cと撮像手段6の焦点Ccとを結ぶ直線を含む平面πにおいて、平面πと被検査体5の円筒中心軸との交点をOr、Orから平面πと被検査体5表面との交点までの直線距離をrとする。被検査体5が完全な円筒形の形状を有する場合、このrが、被検査面における曲率半径Rの平均値Raに対応する。平面π上に基準点Oを考え、Oを原点とし、直交するX軸、Y軸を考える。このときOrの座標を(xr、yr)とすると、被検査体5は例えばプラスチックフィルムなどを巻き取るときはrが経時的に大きくなる。更に、巻き取り機によっては、xrやyrも経時的に変化する。
これら光照射手段4、被検査体5、撮像手段6により、図20や図21に示すような画像を撮像できる。図20はデータ処理手段8が撮像手段6から受信した、被検査体5表面に凸凹欠点がないときの検査対象画像I3の例の模式図で、図21はデータ処理手段8が撮像手段6から受信した、被検査体5表面に凸凹欠点があるときの検査対象画像I3の例の模式図である。以下の説明では、撮像手段6が取得する撮像画像の左右方向は平面πの法線方向と一致するものとする。ただし、本発明はこの仮定に限定されるものではない。図21の縞状明暗パターンが歪んだ箇所に相当する被検査体5表面に凸凹欠点が存在しており、この歪みを検出することで被検査体5表面の凸凹欠点を検出することが可能となる。
しかし、例えば被検査体5がプラスチックフィルムロールであるときにはプラスチックフィルムを巻き取ることによって、一般に、xr、yr、rが経時的に変化するため、撮像手段6のフォーカスを逐次修正しないとフォーカスが縞状明暗パターンを有する発光部位Fに合わなくなる。図18は、フォーカスが被検査体5表面の凸凹欠点検出に最適な値でない撮像手段6によって撮像された、撮像画像I1の例の模式図である。このようにフォーカスが正しくないと、図18のように縞状明暗パターンの輪郭が明確でない画像を撮像してしまい、データ処理手段8において縞状明暗パターンの歪みを高精度に検出できなくなる可能性が生じる。
実施形態ではこの問題を解決し、被検査体5表面の凸凹欠点を常時高精度に検出する表面欠陥検出装置を実現した。実施形態は、撮像手段6のフォーカスを常時縞状明暗パターンを有する発光部位Fに合うように調整し、フォーカスを調整した撮像手段6が撮像した画像に基づいて高精度に被検査体5表面の凸凹欠点を検出する。以下に、この問題を解決する手段を説明する。
この問題を解決する手段であるデータ処理手段8を、図5、図9、図18および図19を用いて説明する。図9はデータ処理手段8の構成図で、図19はフォーカスが被検査体5表面の凸凹欠点検出に最適な値に調整された撮像手段6によって撮像された、調整後撮像画像I2の例の模式図である。データ処理手段8は撮像調整手段8a、周期成分除去手段8bおよび欠陥抽出手段8cから成る。また撮像調整手段8aは被検査体配置算出手段8aaおよび撮像制御手段8abから成る。撮像手段6から送信されてくる撮像画像I1は、撮像調整手段8aまたは周期成分除去手段8bに入力される。撮像調整手段8aでは、被検査体配置算出手段8aaにおいて、撮像画像I1に映る発光部位Fの、撮像画像I1上における位置および/または大きさを算出し、撮像制御手段8abにおいて被検査体配置算出手段8aaの出力に基づいて撮像手段6の最適なズーム値および/またはフォーカス値を算出し、これらの値に基づいて撮像手段6のズームおよび/またはフォーカスを制御する制御信号を撮像手段6に送信する。この動作によって、撮像調整手段8aは、被検査体5のxr、yr、rによって変化する、被検査体5表面の凸凹欠点検出に最適な撮像手段6のズーム値および/またはフォーカス値を逐次算出し、これらの値に基づいた撮像手段6のズームおよび/またはフォーカスの最適化を可能としている。周期成分除去手段8bは、撮像画像I1または撮像調整手段8aからの制御信号によってズームおよび/またはフォーカスを最適化した撮像手段6が撮像した調整後撮像画像I2を受信するが、この受信する画像を検査対象画像I3とする。周期成分除去手段8bでは、検査対象画像I3に映る、発光部位Fの有する縞状明暗パターンに相当する成分の内、被検査体5表面の凸凹欠点情報が含まれない成分を画像処理によって除去する。この動作によって、周期成分除去手段8bは、被検査体5のxr、yr、rによって変化する、検査対象画像I3上の、発光部位Fの有する縞状明暗パターンに関わらず、被検査体5表面の凸凹欠点によって縞状明暗パターンが歪んだ箇所を高精度に検出することを可能とする。欠陥抽出手段8cでは、周期成分除去手段8bの出力した画像に対して画像処理を行い、被検査体5表面の凸凹欠点の有無を判断する。そして被検査体5表面に凸凹欠点があれば、その発生位置や発生時刻などを外部出力手段9に送信する。
被検査体配置算出手段8aaを、図3、図10および図11を用いて説明する。図10は撮像画像I1の例の模式図で、図11は撮像画像I1に映る発光部位Fの、撮像画像I1上における位置Fpおよび/または大きさFsを検出する方法を示した説明図である。実施形態では、高輝度値図形として、上下方向が撮像画像上下方向と平行であり、かつ左右方向が撮像画像左右方向と平行である最小の長方形を考えている。
受信した撮像画像I1の各行において、その行の全画素の値を積算する。そして行ごとの積算値を、行の順番に従って一つの配列Cにまとめる。即ち配列Cは撮像画像I1の上下方向画素数Cnだけの要素を持つ。ここで、以下の被検査体配置算出手段8aaの動作をより精度良く行うため、撮像画像I1の代わりに、撮像画像I1に微分フィルタ等の画像処理を施して明暗の境界を強調した画像を用いることが望ましい。この配列Cにおいて、所定値Ctを超える値を持つ要素がn個(n=1,2,・・・)以上連続している箇所を検出する。この連続した箇所の中心要素に相当する行番号を位置Fp、連続した要素の数を大きさFsとする。ここで、Ct、nは、予め適宜設定された値である。実施形態では、位置Fpは、高輝度値図形の重心Gの行番号に相当する。また、大きさFsは、予め適宜設定された数以上の画素数を含む行番号から求めることができる。
次に、撮像制御手段8abを説明する。被検査体配置算出手段8aaにおいて求めた、撮像画像I1に映る発光部位Fの、撮像画像I1上における位置Fpおよび/または大きさFs、画像外取得条件Fαおよび撮像画像I1を取得した際の撮像手段6のズーム値Ziを用いて、式(1)および式(2)から、撮像手段6に最適なズーム値Zmおよびフォーカス値Fcsを算出する。ここで画像外取得条件Fαは被検査体5のxr、yr、rのいずれか、またはこれら3つの変数の内のいずれか2つの間に成立する制約式であり、例えば被検査体5のrを検出するセンサの出力値や、被検査体5の平面π上での動作を制約するxrとyrとの間の制約式などを用いることができる。また、画像外取得条件Fαとは独立した、もう1つの画像外取得条件Fβがあるときは、位置Fpまたは大きさFsの代わりに画像外取得条件Fβを用いることもできる。
Figure 2007071562
Figure 2007071562
式(1)における関数f1および式(2)における関数f2は、光照射手段4、撮像手段6および被検査体5のxr、yr、rの経時変化の仕方から解析的に求めても良いし、実験的に求めても良い。更に式(1)は、表面検査装置の仕様も考慮される。即ち、1つの撮像画像I1または調整後撮像画像I2が、平面πの法線方向にどれだけの視野幅を有する必要があるかに依存する。また、撮像手段6のズーム値Ziは、予め適宜設定された値であり、撮像調整手段8aに送信される撮像画像I1を取得する際に撮像手段6のズーム値をZiに調整する、ということが望ましい。式(1)および式(2)で求められたズーム値、フォーカス値に基づいて、撮像手段6へ制御信号を送信する。
以下で、撮像調整手段8aによって、撮像手段6のズーム値および/またはフォーカス値を、被検査体5表面の凸凹欠点検出に最適な値に調整できることを、図8、図10および図11を用いて説明する。撮像手段6のズームおよびフォーカスは、撮像手段6から、被検査体5表面を介した光照射手段4の縞状明暗パターンを有する発光部位Fまでの、平面πにおける光学的な光学距離に依存する。この光学距離は、光照射手段4および撮像手段6が固定されている場合、被検査体5のxr、yr、rに依存する。従って、これら3つの未知数を検出することができれば光学距離が分かり、その結果から撮像手段6が持つべきズーム値およびフォーカス値を算出することができる。一般に3つの未知数を求める際には、それら3つの未知数の内少なくとも1つ以上の未知数に依存する、互いに独立な変数を3つ以上取得する必要がある。ただし、この互いに独立というのは3つの未知数が取りうる範囲内で成立すれば良い。このとき、撮像画像I1に映る発光部位Fの、撮像画像I1上における位置Fpおよび大きさFsは、xr、yr、rおよび撮像画像I1を取得したときの撮像手段6のズーム値Ziを用いて、式(3)および式(4)によって表すことができる。
Figure 2007071562
Figure 2007071562
式(3)における関数g1および式(4)における関数g2は、解析的に求めても良いし、実験的に求めても良い。これに式(5)で表される、被検査体5のxr、yr、rのいずれか、またはこれら3つの変数の内のいずれか2つの間に成立する制約式である画像外取得条件Fαを考える。
Figure 2007071562
式(5)における関数g3は、センサまたは装置によって決定される被検査体5の平面π上での動作から求めるものである。即ち、これら位置Fp、大きさFs、画像外取得条件Fαを求める関数g1、g2、g3がxr、yr、rの取りうる範囲において互いに独立であれば、位置Fp、大きさFs、画像外取得条件Fαからxr、yr、rが分かり、したがって被検査体5の表面検査に最適な撮像手段6のズーム値およびフォーカス値を求めることが可能となる。
ところで、エリアセンサカメラなどにおけるオートフォーカスは、前述のとおり、カメラのレンズ位置を常に動かし続け、撮像画像全体における、画素の輝度の値の分散が最大となるようにするものである。したがってカメラのフォーカス値は常にぶれており、例えば、フォーカス値が最適値から最も外れたときに撮像すると、取得した撮像画像はボケが発生している可能性がある。このように、一般のオートフォーカスでは安定した撮像ができない。一方、実施形態では撮像画像から最適なフォーカス値を求め、一度その値に合わせればフォーカス値を動かさないので、安定した撮像ができる。
次に、周期成分除去手段8bを、図12、図13および図14を用いて説明する。図12は周期成分除去手段8bが受信した検査対象画像I3の例の模式図で、図13は図12の検査対象画像I3から、検査対象画像I3に映る発光部位Fを中心に切り出した周期的明暗パターン画像I4の例の模式図で、図14は図13の周期的明暗パターン画像I4から、周期的明暗パターン画像I4に映る発光部位Fの縞状明暗パターンに対応する成分を除去した周期成分除去画像I5の例の模式図である。
受信した検査対象画像I3の各行において、その行の全画素の値を積算する。そして行ごとの積算値を、行の順番に従って一つの配列Cにまとめる。即ち配列Cは検査対象画像I3の縦方向画素数Cnだけの要素を持つ。ここで、以下の周期成分除去手段8bの動作をより精度良く行うため、検査対象画像I3の代わりに、検査対象画像I3に微分フィルタ等の画像処理を施して明暗の境界を強調した画像を用いることが望ましい。この配列Cにおいて、Ctを超える値を持つ要素がn個以上連続している箇所を検出する。この連続した箇所の中心要素に相当する行番号を位置Fpとする。この位置Fpの値に基づいて、検査対象画像I3から発光部位Fが映っている箇所を中心に抽出し、周期的明暗パターン画像I4を作成する。周期的明暗パターン画像I4の上下方向画素数Cn4および左右方向画素数Cm4は、検査対象画像I3の上下方向および左右方向の画素数を超えない2の乗数とするのが望ましく、また、その中でも最大の数とすることが望ましい。これは、この後で、周期的明暗パターン画像I4に2次元FFT(高速フーリエ変換)処理を施すためである。位置Fpが(Cn4/2)未満の場合は検査対象画像I3の行番号0から(Cn4−1)まで、位置Fpが(Cn4/2)以上(Cn−1−Cn4/2)以下の場合は検査対象画像I3の行番号(Fp−1−Cn4/2)から(Fp+Cn4/2)まで、位置Fpが(Cn−Cn4/2)以上の場合は検査対象画像I3の行番号(Cn−Cn4)から(Cn−1)までを、周期的明暗パターン画像I4の上下方向画素として選択する。また、検査対象画像I3の列番号0から(Cm4−1)までを、周期的明暗パターン画像I4の左右方向画素として選択し、該当する検査対象画像I3の画素を抽出して周期的明暗パターン画像I4を作成する。周期的明暗パターン画像I4に対して2次元FFT処理を行い、縞状明暗パターンに対応する空間周波数成分についてパワーをゼロとし、その後、2次元逆FFT処理を行い、周期成分除去画像I5を得る。
以下に、周期成分除去手段8bの動作によって、周期的明暗パターン画像I4に映る発光部位Fの縞状明暗パターンに対応する成分を除去できることを説明する。周期的明暗パターン画像I4に映る発光部位Fの縞状明暗パターンは、一つの基本空間周波数成分とその整数倍の空間周波数成分とを有しており、この成分は周期的明暗パターン画像I4において支配的である。したがって、周期的明暗パターン画像I4に2次元FFT処理を施すと、発光部位Fの縞状明暗パターンに相当する空間周波数は大きなパワーを有することになる。そこで、パワーがPf以上の空間周波数成分をカットするマスク処理を行い、その後2次元逆FFT処理を施せば、発光部位の縞状明暗パターンを除去した周期成分除去画像I5を得ることができる。ここでPfは予め適宜設定される値である。また、周期成分除去手段8bを用いれば、発光部位Fの縞状明暗パターンの持つ空間周波数的な制約はなく、また、被検査体5のxr、yr、rに依存して周期的明暗パターン画像I4に映る縞状明暗パターンの空間周波数が経時的に変化しても、精度良く発光部位Fの縞状明暗パターンを除去した周期成分除去画像I5を得ることができる。
次に、欠陥抽出手段8cを、図15を用いて説明する。図15は周期成分除去画像I5から得られる二値化画像I6の例の模式図である。周期成分除去手段8bから出力される周期成分除去画像I5に対して値Pbを境界として二値化処理を行って二値化画像I6を取得する。次に二値化画像I6において、画素値が大きな画素が、他の箇所に比べて集中している集中箇所を検出し、集中箇所が凸凹欠点条件を満たしていれば、集中箇所の位置などを外部出力手段9に送信する。ここで、Pbの値、集中箇所の検出方法および凸凹欠点条件は、予め適宜設定されるものである。集中箇所の検出方法としては、例えば二値化画像I6の各行および/または各列の画素の画素値を積算し、一定以上の値を持つ行および/または列が連続した箇所を抽出する方法などが考えられる。また、凸凹欠点条件としては、抽出した集中箇所が、画像上下方向および/または左右方向に、幾つ以上の画素を連続して有していたら凸凹欠点とする、という条件などが考えられる。
以下に、欠陥抽出手段8cの動作によって、周期成分除去画像I5から被検査体5表面の凸凹欠点有無が判断できることを説明する。被検査体5表面に凸凹欠点が存在すると、周期的明暗パターン画像I4に映る発光部位Fの縞状明暗パターンは凸凹欠点の箇所だけ歪む。この歪んだ箇所の空間周波数は周期的明暗パターン画像I4において支配的な成分ではなく、従って2次元FFT処理を施しても大きなパワーとして検知されない。即ち、周期成分除去画像I5においても、この歪みは残ったままとなる。したがって、二値化画像I6においてもこの凸凹欠点に相当する歪みは存在しており、二値化画像I6において検出した集中箇所で凸凹欠点条件を満たすものは、検出すべき被検査体5表面の凸凹欠点となる。
[実施例1]
図5、図6、図16および図17に示す装置を用いて、被検査体5表面の凸凹欠点を検出した。図16は被検査体5および被検査体5を支持する支持機構14の説明図で、図17は本実施例の装置構成の位置関係を示した図である。
光照射手段4として、小型の蛍光灯を備えた200mm×250mm×100mmの光源ユニット1を用い、この光源ユニット1の照射面直後に、縞状明暗パターン作成手段2に相当する、縞状明暗パターンをプリントした面を持つ透明アクリル板を、プリントを施した面が光源ユニット1と反対側になるように設置した。撮像手段6として、480画素×640画素のCCDエリアセンサカメラを使用した。外部出力手段9として、液晶ディスプレイおよび警報装置を使用した。本実施例における被検査体5はコアと呼ばれる管と、コアに巻き付けられる透明プラスチックフィルムで形成される。このコアの両端をアーム14bで支え、被検査体5の表面を固定コンタクトロール14aに接させることにより、被検査体5を支持する。被検査体5が回転し、透明プラスチックフィルムが巻き付けられることによって被検査体5が巻太ると、アーム14bが支持土台14cとの接合点を中心に円を描くように稼働して被検査体5を動かし、常に被検査体5の表面が固定コンタクトロール14aに一定の面圧で接するようにする。
被検査体5の円筒中心軸を法線とし、撮像手段6の持つ受光素子群の中心に位置する受光素子6cと撮像手段6の焦点Ccとを結ぶ直線を含む平面πにおいて、平面πと被検査体5の円筒中心軸との交点をOr、Orから平面πと被検査体5との交点までの直線距離をrとする。また、平面πとアーム回転中心軸との交点をO、OからOrまでの直線距離をLとする。また、平面πと固定コンタクトロール14aの円筒中心軸との交点をOc、Ocから平面πと固定コンタクトロール14aとの交点までの直線距離をrcとする。Oを原点とし、平面π上に直交するX軸、Y軸を考える。Y軸として鉛直上向きの直線を取り、固定コンタクトロール14aが第2象限となるようにX軸の向きを取る。このときOrの座標を(xr、yr)、Ocの座標を(xc、yc)とすると、固定コンタクトロール14aと被検査体5が接するという幾何的な条件から、次式(6)、(7)、(8)で表すことができる画像外取得条件FαおよびFβを得ることができる。
Figure 2007071562
Figure 2007071562
Figure 2007071562
したがって、撮像手段6のフォーカスおよび/またはズームを調整するために必要な、撮像画像から取得する情報は位置Fpまたは大きさFsのどちらか一つで良い。本実施例では大きさFsを用い、数値解析等により、撮像手段6のズーム値およびフォーカス値を調整する関数f1およびf2を次式(9)および(10)のように設定した。
Figure 2007071562
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本実施例における撮像調整手段8aの効果を、図18および図19を用いて示す。図18の撮像画像I1は縞状明暗パターンの輪郭が明確ではないが、図18の撮像画像I1の直後に、式(10)によって撮像手段6のフォーカス値を調整して撮像した図19の調整後撮像画像I2は、縞状明暗パターンの輪郭が明確であり、フォーカスが最適化されていることが分かる。
次に、本実施例における周期成分除去手段8bおよび欠陥抽出手段8cの効果を、図20、図21、図22および図23を用いて示す。図22は図20の検査対象画像I3を用いたときの二値化画像I6の例の模式図で、図23は図21の検査対象画像I3を用いたときの二値化画像I6の例の模式図である。図23から分かるように、被検査体5表面に凸凹欠点が存在すると、二値化画像I6における凸凹欠点に該当する箇所の画素値が大きい。これにより高精度に被検査体5表面の凸凹欠点を検出できた。
本発明は、表面が曲面の透明プラスチックフィルムロール上の巻きシワ検査方法および装置に限らず、鉄鋼板表面のキズ検査方法および装置や高光反射率材料で表面をコーティングされたフィルム状物質の巻き取りロール上の巻きシワ検査装置などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
円筒側面形の説明図である。 鏡面反射性の説明図である。 光照射手段4の発光部位Fが映っている撮像画像の例である。 周期的明暗パターンの説明図である。 本発明の一実施形態における装置構成を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態における光照射手段4の構成例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態における光照射手段4の構成例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態における装置構成の位置関係を示した説明図である。 本発明の一実施形態におけるデータ処理手段8の構成図である。 本発明の一実施形態における撮像画像I1の例の模式図である。 本発明の一実施形態における、撮像画像I1に映る発光部位Fの、撮像画像I1上における位置Fpおよび/または大きさFsを検出する方法を示した説明図である。 本発明の一実施形態における検査対象画像I3の例の模式図である。 本発明の一実施形態における周期的明暗パターン画像I4の例の模式図である。 本発明の一実施形態における周期成分除去画像I5の例の模式図である。 本発明の一実施形態における二値化画像I6の例の模式図である。 本発明の一実施形態における被検査体5の説明図である。 本発明の一実施形態における装置構成の位置関係を示した説明図である。 本発明の一実施形態における、撮像ボケが生じた撮像画像I1の例の模式図である。 本発明の一実施形態における調整後撮像画像I2の例の模式図である。 本発明の一実施形態における、被検査体5表面に凸凹欠点がないときの検査対象画像I3の例の模式図である。 本発明の一実施形態における、被検査体5表面に凸凹欠点があるときの検査対象画像I3の例の模式図である。 本発明の一実施形態における、被検査体5表面に凸凹欠点がないときの二値化画像I6の例の模式図である。 本発明の一実施形態における、被検査体5表面に凸凹欠点があるときの二値化画像I6の例の模式図である。
符号の説明
1 光源ユニット
2 縞状明暗パターン光作成手段
4 光照射手段
5 被検査体
6 撮像手段
6c 受光素子
8 データ処理手段
8a 撮像調整手段
8aa 被検査体配置算出手段
8ab 撮像制御手段
8b 周期成分除去手段
8c 欠陥抽出手段
9 外部出力手段
14 支持機構
14a 固定コンタクトロール
14b アーム
14c 支持土台
l 平面ψの法線
A 平面ψと被検査面との交点
B 平面ψと被検査面との交点
P 平面ψと被検査面との交点
Of 平面ψと法線lとの交点
R 点Ofと点Pとの距離
lr1 点Pを通る平面ψ面内の直線
lr2 点Pを通る平面ψ面内の直線
δ 直線lr1と直線lr2との成す角度
G 高輝度値図形の重心
A1 明暗パターンを有する発光部位内の直線
A2 明暗パターンを有する発光部位内の直線
AB 曲線
F 発光部位
L1 照射光
O 平面π面内の原点
Or 被検査体の円筒中心軸と平面πとの交点
xr 点OrのX座標
yr 点OrのY座標
r 点Orから被検査体表面と平面πとの交点までの距離
Cc 撮像手段の焦点
C 配列
Cn 撮像画像上下方向の画素数
I1 撮像画像
I2 調整後撮像画像
n 予め適宜設定された数
Fp 撮像画像上における発光部位Fの位置
Fs 撮像画像上における発光部位Fの大きさ
Fα 画像外取得条件
Fβ 画像外取得条件
I3 検査対象画像
I4 周期的明暗パターン画像
Cn4 周期的明暗パターン画像の上下方向画素数
Cm4 周期的明暗パターン画像の左右方向画素数
I5 周期成分除去画像
I6 二値化画像
Oc 固定コンタクトロールの円筒中心軸と平面πとの交点
Ra 被検査面全体に亘る距離Rの平均値
L 点Oから点Orまでの距離

Claims (19)

  1. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、前記撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出手段と、前記被検査体配置算出手段の出力に基づいて前記撮像手段のズームを制御する撮像制御手段とを有する撮像調整手段を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  2. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、前記撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出手段と、前記被検査体配置算出手段の出力に基づいて前記撮像手段のフォーカスを制御する撮像制御手段とを有する撮像調整手段を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  3. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、前記撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出手段と、前記被検査体配置算出手段の出力に基づいて前記撮像手段のズームおよびフォーカスを制御する撮像制御手段とを有する撮像調整手段を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  4. 前記発光部位に、周期的明暗パターンを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面検査装置。
  5. 前記周期的明暗パターンは、縞状明暗パターンであることを特徴とする請求項4に記載の表面検査装置。
  6. 前記データ処理手段は、前記撮像画像から前記周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去手段と、前記周期成分除去手段の出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出手段とを備えることを特徴とする請求項4または5に記載の表面検査装置。
  7. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に光を照射する所定形状の発光部位を有する光照射手段と、前記被検査体を介して前記発光部位を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理手段とを有する表面検査装置であって、前記データ処理手段は、前記撮像画像から周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去手段と、前記周期成分除去手段の出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出手段とを備えることを特徴とする表面検査装置。
  8. 前記周期成分除去手段は、前記撮像画像における前記周期的明暗パターンの空間周波数成分を除去するものであることを特徴とする請求項7に記載の表面検査装置。
  9. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるズームを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法。
  10. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるフォーカスを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法。
  11. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるズームおよびフォーカスを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法。
  12. 前記光照射ステップは、周期的明暗パターンを有する光を照射することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の表面検査方法。
  13. 前記周期的明暗パターンは、縞状明暗パターンであることを特徴とする請求項12に記載の表面検査方法。
  14. 被検査面が円筒側面形で鏡面反射性を有し、前記被検査面に対応する曲率および/または前記被検査面の位置が経時的に変化する被検査体に、所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記被検査体を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記被検査体表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像から周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去ステップと、前記周期成分除去ステップの出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出ステップとを備えることを特徴とする表面検査方法。
  15. 前記周期成分除去ステップは、前記撮像画像における前記周期的明暗パターンの空間周波数成分に基づく画像処理を含むことを特徴とする請求項14に記載の表面検査方法。
  16. 前記データ処理ステップは、前記撮像画像から前記周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去ステップと、前記周期成分除去ステップの出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出ステップとを備えることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の表面検査方法。
  17. 被検査体表面に生じる欠陥としてシワを検出することを特徴とする請求項9〜16のいずれかに記載の表面検査方法。
  18. 口金の間隙から溶融材料を吐出し、前記溶融材料をシート状にすることでフィルムを製造し、前記フィルムをロール状に巻き取るフィルム製造方法であって、前記フィルムのフィルム表面および/または前記フィルムのフィルムロール表面に所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像上における前記発光部位の占める範囲の情報に基づいて、撮像画像上における前記光の位置および/または大きさを算出する被検査体配置算出ステップと、前記被検査体配置算出ステップの出力に基づいて前記撮像ステップにおけるズームおよび/またはフォーカスを制御する撮像制御ステップを有する撮像調整ステップとを含むことを特徴とする表面検査方法を用いて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査する工程を有することを特徴とするフィルムの製造方法。
  19. 口金の間隙から溶融材料を吐出し、前記溶融材料をシート状にすることでフィルムを製造し、前記フィルムをロール状に巻き取るフィルム製造方法であって、前記フィルムのフィルム表面および/または前記フィルムのフィルムロール表面に所定形状の発光部位から光を照射する光照射ステップと、前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を介して発光部位を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査するデータ処理ステップとを有する表面検査方法であって、前記データ処理ステップは、前記撮像画像から周期的明暗パターンに対応する成分を除去する周期成分除去ステップと、前記周期成分除去ステップの出力に基づいて欠陥部分を抽出する欠陥抽出ステップとを備えることを特徴とする表面検査方法を用いて前記フィルム表面および/または前記フィルムロール表面を検査する工程を有することを特徴とするフィルムの製造方法。
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