JP2007070917A - プレストレストpc鋼棒の定着構造、及び緊張、定着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PC鋼棒の緊張定着を、小径で浅いコンクリート欠込み内で実施可能とし、建築物等の小規模コンクリート構造物でのプレストレス導入PC鋼棒の配置設計の自由度を高める。

【解決手段】 コンクリート構造体1の端面1Fに、緩拡開の裁頭円錐形のポケットフォーマ5をコンクリート内に埋設した支圧板3上面に載置して、支圧板3上にコンクリート欠込み穴1Aを形成し、支圧板3の中央の裁頭円錐形の定着孔H3内に裁頭円錐形定着こま4を嵌入定着し、裁頭円錐形の定着こま4をPC鋼棒2の先端ねじ部2Aに螺着して、緊張状態のPC鋼棒2を定着こま4で支圧板3の定着孔H3内に着座定着し、従来の定着ナット及び定着座金の使用を省略して欠込み穴1Aの径及び深さの小寸化を達成する。

【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリート構造体に於けるプレストレストPC鋼棒の定着構造、プレストレスト鋼棒の緊張、定着方法、及び該方法に使用する定着具、緊張具等の器具に関する発明であり、特にコンクリート建物の如き小規模コンクリート構造体への適用に有利なプレストレスト導入技術であって、建築物構築の技術分野に属するものである。
ポストテンション方式で、コンクリート構造物にプレストレスを導入する技術は、既に提案され実施されている。
図7は、従来例1であって、特開平8−319720号公報中に、従来のポストテンション方式として挙げられたコンクリート構造物に、欠込み凹部を形成し、該凹部内でPC鋼棒を緊張、定着する代表的技術である。
即ち、従来例1では、図7(A)に示す如く、PC鋼棒の基端を、アンカー部材でコンクリート構造物の下端近傍に固定し、コンクリート構造体内に埋設した鞘部材(スパイラルシース)内に挿通して上端に形成した非円形凹部内で緊張、定着するものである。
そして、図7(B)、(C)に示す如く、コンクリート構造体の上端辺に形成した裁頭円錐形態の非円形凹部の底面に、平面視正方形のアンカープレートを手作業で載置し、PC鋼棒をアンカープレートから突出させ、座金を介して定着ナットで定着し、PC鋼棒上端にカップラーを介してテンションロッドを連結し、ラムチェアー(反力受け台)をアンカープレート上に載置し、反力受け台を介して油圧ジャッキでテンションロッドを緊張して、所定位のテンションをPC鋼棒に付与した段階で緊張状態を維持し、作業者がトルクレンチで浮上った定着ナットをアンカープレート上に締付け、定着ナットの締付け作業が終了した後、緊張を解除してジャッキを短縮し、次いで、テンションロッドとPC鋼棒を分離し、反力受け台とセンターホールジャッキ(油圧ジャッキ)を取外すものである。
しかし、図7に示す従来例1では、油圧式のセンターホールジャッキによる緊張作業と、作業者による定着ナットの締付け作業との、2つの別個の作業により、PC鋼棒の緊張、定着を実施するため、油圧式のセンターホールジャッキの引張力を開放し、定着ナットに緊張力を与えるが、反力受け台で受けていた反力による荷重が定着ナットに移行する時に、センターホールジャッキや反力受け台等の定着具によるセットロスが生じ、所定の張力をPC鋼棒に付与出来ない問題があり、また、定着ナットの締付けも、作業者の感覚に依存するため、作業者でバラツキが生ずる問題があった。
図8は、従来例2であって、特開平8−319720号で出願対象とされたものであり、上述の従来例1(図7)のPC鋼棒の緊張、定着技術の問題点を改善するために提案された技術である。
即ち、従来例2は、図8(A)、(B)に示す如く、従来例1同様に、コンクリート構造物のPC鋼棒の緊張、定着部に相当する端部には、裁頭角錐形凹部(非円形凹部)を形成し、該凹部の底面には、中央にPC鋼棒挿通孔を有するアンカープレートを手作業で載置し、PC鋼棒の上端をアンカープレート上で座金を介して定着ナットで止着する。
そして、緊張手段として、裁頭角錐形のコンクリート凹部(非円形凹部)に、外形が裁頭角錐形の反力受け枠と、該反力受け枠の1側から水平延出し、上面に間隔を保って突出した2個の反力受突起を備えた反力受け支持板、とから成る剛構造の反力受け部材を、反力受け枠を非円形凹部に回動不能に嵌合し、上方の電動パワーレンチの下端の回転駆動角軸を、継手部材を介して定着ナットと連結し、図8(B)の如く、電動パワーレンチの回転係止板を反力受け支持板の反力受突起間に載置し、電動パワーレンチの増力歯車機構を介した回転駆動角軸の回転力によって、反力受け部材で回転反力を取りながら、定着ナットを座金を介してアンカープレート上で回動して、所定位置までPC鋼棒を緊張延伸して定着するものである。
特開平8−319720号
従来例1(図7)も、従来例2(図8)も、非円形凹部(裁頭角錐形凹部)の底面にアンカープレートを手作業で載置するため、アンカープレートを水平姿勢載置するために必要な、コンクリート構造体への型枠による底面の水平な非円形凹部の形成が非常に困難であり、施工の実情は、アンカープレートを載置する前に、非円形凹部の底面に、25mm厚前後の厚さのグラウトモルタルを配置してアンカープレートの水準を保持しており、非円形凹部の形成、及びアンカープレートの適正水準配置は、困難、且つ手間のかかる作業である。
また、非円形凹部の大きさは、従来例1では、使用するセンターホールジャッキの径が115mm、又は120mmであって、それを載置する反力受け台(ライチェアー)は更に大であるため、底部での一辺の長さが大となり、従来例2では、反力受け枠を嵌着するために、非円形凹部の一辺の長さが大きくなる。
しかも、従来例1,2共、アンカープレートを非円形凹部の底に手作業で水準を保って配置するため、アンカープレートの各辺の外側に手を挿入するスペース(標準:片側50mm)も必要であり、非円形凹部の一辺の長さが大となる。
また、非円形凹部の深さは、従来例1も従来例2も、共に、アンカープレートの水平調整のために、アンカープレートと非円形凹部底面との間に配置する水平調整用グラウトモルタルの厚さ+アンカープレート厚+座金厚+定着ナット高さ+PC鋼棒ねじ部の定着ナットからの突出長+PC鋼棒上端でのモルタル充填被り厚が必要となり、深さが大となる。
即ち、従来例1にあっても、従来例2にあっても、コンクリート構造体の端面に形成する非円形凹部は、凹部底面寸法も凹部高さも大となって大きくて深いものとなり、充填埋戻し補修のための高価なグラウトモルタルの消費量も大となる。
また、コンクリート構造体でのPC鋼棒緊張、定着用の非円形凹部(欠込み穴)周囲は、自己ひずみ、収縮、地震力等によって応力が集中するため、非円形凹部(欠込み穴)周囲に、割裂、ひび割れが発生し、隅部で特に発生し、コンクリート構造体が、設計強度を維持出来なくなって耐久性低下を来たす。
そして、非円形凹部周囲のひび割れを防止するためには、凹部周囲に、開口補強筋を配置する手段を施す必要があるが、コンクリート被り不足を防ぐために、コンクリート構造物がコンクリート壁であれば、壁厚を大とせねばならない。
即ち、非円形凹部(欠込み穴)が大きければ、ひび割れ防止のための配筋手段及び壁厚の増加が必要となる。
また、PC鋼棒の並列配置のために、非円形凹部を連続して並列配置するには、ひび割れを連続させないように、一定間隔を保持して配置しなければならず、PC鋼棒の配置の制約により、コンクリート建築物等のコンクリート構造体での構造設計が制約される。
また、従来例2にあっては、電動トルクレンチで定着ナットの締付けによりPC鋼棒の緊張と定着が達成出来、従来例1の、既述の如き、緊張から定着への移行に伴う緊張力のセットロスは生じないが、図7(A)に示す如く、PC鋼棒は下端が固定した状態で、上端の定着ナットの締付けにより緊張力が導入されて伸長するため、PC鋼棒は、定着ナットの回転によって生ずるアンカープレート、座金及び定着ナット相互の摩擦抵抗力によって、共廻りし、ねじれが発生するため、引張り応力負荷時の発現強度は設計値強度より低下する。
従って、従来例2の技術は、その特許公開公報〔0001〕に記載の如く、2m程度の比較的短いPC鋼棒の緊張技術であり、例えば、階高3m程度の事務所、共同住宅等に於ては、プレストレスの導入が大きくなるため、PC鋼棒のねじれ発生も大きくなり、通常の建築物への適用は不適当である。
本発明は、上述の如き従来技術の各問題点を、解決、又は改善するものであって、コンクリート建築物への適用に有利なPC鋼棒の緊張、定着技術を提供するものである。
本願のプレストレストPC鋼棒定着構造の発明は、図1に示す如く、コンクリート構造体1の端面1Fには、ポケットフォーマ5により緩拡開の裁頭円錐状欠込み穴1Aが形成されており、該欠込み穴1Aの底面1Bはコンクリート構造体1に埋設された支圧板3であり、支圧板3は中央部に裁頭円錐形の定着孔H3を備え、定着孔H3には裁頭円錐形の定着こま4が嵌着し、コンクリート構造体1内のスパイラルシース14内から欠込み穴1A内に延出した緊張状態のPC鋼棒2の先端のねじ部2Aが、定着こま4の中央の定着用ねじ孔H4で螺合支承されたものである。
この場合、裁頭円錐状欠込み穴1Aの円錐拡開角は、大であれば欠込み穴1Aが大きくなるため、欠込み穴1A形成用の型枠としてのポケットフォーマ5の抜脱に十分な拡開角で、且つ、小さな拡開角、即ち緩テーパー角が好ましく、拡開角(テーパー角)は典型的には10°前後である。
また、定着孔H3の傾斜周面3Sと、定着こま4の傾斜周面4Sの円錐拡開角は同一であり、力学的には45°が好ましいが、定着こま4は、図4(D)の如く、反力受け台10の内側で回動させるものであるため、定着こま4の傾斜周面4Sの拡開角(テーパー角)を30°前後に設定すれば、PC鋼棒2の十分な支承強度を保ち、且つ、欠込み穴1Aの底面1Bの小径化が可能である。
従って、本発明定着構造によれば、欠込み穴1Aが円錐筒状であって、従来例1,2の非円形凹部の如き、隅部が存在しないため、欠込み穴1A周囲でのコンクリートひび割れ発生が防止出来る。
そして、従来のアンカープレートに相当する支圧板3に定着こま4が嵌着するため、欠込み穴1Aでの深さ1Hが浅く出来、しかも、支圧板3自体もコンクリート構造体1内に埋設して、コンクリート欠込み穴1Aの底面は支圧板3上面3uとなるため、コンクリート欠込み穴1Aは、少なくとも、従来例1,2での、座金厚と定着ナット厚の分は浅く出来る。
そして、従来例1,2での、アンカープレート水準出し用の充填モルタル厚(標準:25mm厚)も不要となり、底面積が小で、高さも低い、小さなコンクリート欠込み穴1A(標準:深さd5が110mm、下端径R5´が85mm、上端径R5が100mm)内、即ち、ひび割れの生じないコンクリート欠込み穴1A内、でのPC鋼棒2の定着構造となり、支圧板3の配置が容易で、コンクリートひび割れの生じない、且つ、欠込み穴1A内への埋戻しに用いる高価なグラウトモルタルの使用量も少ない、高品質、且つ合理的なPC鋼棒定着構造が提供出来る。
しかも、コンクリート欠込み穴1Aの小径化により、PC鋼棒2の近接並列配置も自在となって、プレストレストコンクリート構造体の構造設計の自由度が増す。
また、支圧板3は、図3(A)に示す如く、平面方形鋼板であって、底面3Dを補強筋8上に載置し、四隅の針金挿入用孔hwを介して針金で補強筋8に止着して、コンクリート構造体1に埋設一体化するのが好ましい。
この場合、支圧板3は、配筋型枠組み作業時に、補強筋8上への載置と四隅の針金による補強筋8への結束固定により、適正に、且つ、強固に位置決め出来、支圧板3のコンクリート構造体1への水準を保った埋設は、従来の非円形凹部の型枠による底面形成と、水準出しモルタル充填及びアンカープレートの水準調整載置より、遥かに容易、且つ簡単な作業で実施出来る。
また、定着こま4は、上面4uが支圧板上面3uと略面一であり、図3(B)に示す如く、上面4uの外周部には係止穴H4´群を備えているのが好ましい。
定着こま4は、中央の内周にねじを備えた定着用ねじ孔H4でPC鋼棒2のねじ部2Aを螺合支承し、PC鋼棒2の引張力を、傾斜周面4Sを介して支圧板3の定着孔H3の傾斜周面3Sに伝達支承するものであるため、構造力学的には、定着こま4の厚さT4は、支圧板の厚さT3と同等か、それ以上が好ましいが、定着こま4の厚さT4を支圧板厚さT3と同等とし、定着こま上面4uを支圧板上面3uと面一とすれば、定着こま4の上面径R4が支圧板定着孔H3の上端径R3と同一となり、反力受け台10用の載置域Z3への干渉が無くなる。
従って、載置域Z3で制約を受けるコンクリート欠込み穴1Aの底面1Bの径、即ち、ポケットフォーマ下端径R5´、の合理的小寸化が実施出来、且つ、ポケットフォーマ5の型枠組みも支障無く容易に実施出来る。
また、本発明定着構造にあって、欠込み穴1Aは、深さd5が、PC鋼棒2の掴み突出長d1と、PC鋼棒延び代長d2と、PC鋼棒2の被り代d3との総和であり、欠込み穴1Aの底面1Bの径R5´が、支圧板3中央部の定着孔径R3の外側に、載置域Z3を保った径であるのが好ましい。
この場合、PC鋼棒の掴み突出長d1(標準:30mm)と、PC鋼棒の被り代d3(標準:30mm)とは緊張条件で変化無く、PC鋼棒延び代長d2は、プレストレス付与鋼棒の長さによって変化するものであって、例えば、17mm径で2.8m長のPC鋼棒に、必要プレストレスを導入すれば、延び代長d2は50mmとなる。
即ち、本発明は、従来例1,2のアンカープレートの水平調整用グラウトモルタル厚(25mm)、アンカープレート厚(19mm)及び座金厚の不要な深さとなり、欠込み穴1Aは浅く実施出来る。
また、載置域Z3は、図3(A)に示す如く、定着孔H3の上端から係止用溝G3の外辺に亘る環状域であって、図4(D)に示す如く、反力受け台10の下端を載置するスペースである。
そして、実施態様に示す、反力受け台10の支持ポスト10P下端の環状脚部10Bは、外径76.3mm、幅(肉厚)7mmであるため、支圧板上面3uでの載置域Z3は、定着孔H3の径R3(60mm)から係止用溝G3の配置外径RG(85mm)までの環状領域であり、反力受け台10の下端の外径76.3mm、肉厚7mmの環状脚部10Bが定着こま4の回動に干渉せずに載置出来る領域である。
尚、本件発明の欠込み穴1Aの適正な理解のため、従来例1(図7)及び従来例2(図8)の非円形凹部を、本件発明の実施例と同一の条件、即ち、17mm径PC鋼棒の2.8m長に、50mmの延伸ストレスを付与する場合で算出すれば、従来例1(図7)及び従来例2(図8)の非円形凹部の大きさは、アンカープレートは、本発明の支圧板3と同形状の厚さ19mm、一辺90mmの正方形鋼板であり、非円形凹部の底面に、アンカープレートを手作業で水準を保つように配置するため、非円形凹部の底面にはアンカープレートの四周外方に手の入り込むスペース(標準:各50mm)が必要であり、非円形凹部の底面寸法は、従来例1,2共、一辺190mm(アンカープレート90mm+両側の各50mmスペース)となる。
また、非円形凹部の深さは:従来例1,2共、水平調整用モルタル厚25mm+アンカープレート厚19mm+座金厚3.2mm+定着ナット高27mm+PC鋼棒延び代50mm+モルタル埋戻し被り厚30mmが共通で、定着ナット上方のPC鋼棒掴み代(掴み突出長)が、従来例1では、本発明同様30mm、従来例2では、定着ナット上の5mm程度の頭出し寸法であるから、従来例1(図7)では184.2mm、従来例2(図8)では159.2mmとなる。
即ち、本発明欠込み穴1A:円形の底面径85mm、深さ110mm
従来例1の非円形凹部:四辺形の底面一辺190mm、深さ184.2mm
従来例2の非円形凹部:四辺形の底面一辺190mm、深さ159.2mm
以上のとおり、本発明の定着構造にあっては、コンクリート構造体1に形成する欠込み穴1Aは、従来例1,2の非円形凹部(裁頭四角錐凹部)より、遥かに小径、且つ浅い形状となる。
そして、形状はコンクリートのひび割れの生じ易い角隅の存在しない、裁頭円錐形状であるため、耐用中の強度低下を生起することなく、高品質の定着構造を提供する。
しかも、欠込み穴1Aの体積が小となるため、欠込み穴1A埋戻しに使用する高価なグラウトモルタルの使用量も低減化出来る。
また、本願のプレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法の発明は、図2(A)、(B)に示す如く、コンクリート型枠6内に支圧板3を配置し、PC鋼棒2の先端ねじ部2Aに裁頭円錐形の定着こま4を螺着してねじ部2Aが突出した形態で、定着こま4を支圧板3の裁頭円錐形の定着孔H3に着座し、支圧板3上面3uに緩拡開の裁頭円錐形のポケットフォーマ5を載置して、底面中央の挿通用孔H5´からPC鋼棒のねじ部2Aを突入させ、底板5Dを支圧板3に当接係止してコンクリート型枠6に固定し、次いで、コンクリートを打設し、打設コンクリートの硬化後にポケットフォーマ5を抜去してコンクリート構造体1の端面1Fに欠込み穴1Aを形成し、次いで、PC鋼棒2を外方へ緊張すると共に、設定値まで延伸したPC鋼棒2のねじ部2Aの浮上った定着こま4を旋回降下して支圧板3の定着孔H3に再度当接着座させ、次いで、PC鋼棒2への緊張を解除する方法である。
この場合、支圧板3の型枠内への配置は、異形棒鋼(標準:13mm径)を複数段格子状に積重ねた補強筋8上に位置決め載置し、支圧板3の四隅の針金挿入用孔hwに結束線としての針金(標準:3mm径)を挿通して補強筋8に結束すれば良い。
また、ポケットフォーマ5の外筒5Sが欠込み穴1Aを規定するため、ポケットフォーマ5は、図3(A)に示す如く、支圧板上面3uに十分な載置域Z3の形成出来る外形を備えたものを適用すれば良い。
また、定着こま4の定着用ねじ孔H4の下端は、スパイラルシース14の嵌入溝G4を拡径形態で形成しておけば、スパイラルシース14上端の定着こま底面4Dへの当接配置が容易となり、定着こま底面4Dには、必要に応じてテープ(図示せず)等のコンクリートとの剥離手段を施せば良い。
また、PC鋼棒2の緊張延伸状態での定着こま4の旋回降下は、浮上った定着こま4(標準浮上り量:50mm)を指で回動し、最後の締付けを、例えば図5(A)の治具17等を用いて支圧板3の定着孔H3に圧接着座させれば良い。
従って、本方法発明によって、支圧板3がコンクリート構造体1に埋設出来、支圧板上面3uを底面とする、小径で緩拡開の裁頭円錐形のコンクリート欠込み穴1Aがコンクリート構造体1の端面1Fに形成出来、PC鋼棒2が、従来例1,2での座金及び定着ねじ無しに、支圧板3内への嵌入着座した定着こま4によって定着出来、図1に示す、プレストレスPC鋼棒定着構造が好適に実施出来る。
また、図2(B)に示す如く、ポケットフォーマ5は、緩拡開の裁頭円錐形外筒5Sの下端5Bから突出させた複数の突起5Gを、支圧板3の上面3uに配置した係止用溝G3に着脱自在に回動係止するのが好ましい。
この場合、複数の突起5Gと係止用溝G3との係止は、図3(A)の如く、円周上の対称位置で実施すれば良く、係止用溝G3は円周上に円弧溝として形成すれば良い。
従って、欠込み穴1Aの型枠としてのポケットフォーマ5は、支圧板上面3uへの定位置載置、及び抜去作業が容易である。
また、ポケットフォーマ5は、図2(B)に示す如く、型締めボルト16の下端の締着部16BをPC鋼棒2のねじ部2Aに螺着してポケットフォーマ底板5Dを押圧し、型締めボルト16の上端を桟木6Aを介してナット16Cで締着して型枠6に固定するのが好ましい。
この場合、ポケットフォーマ5は、定着こま4が支圧板の定着孔H3内へ着座した状態での、底板5Dの定着こま上面4uへの押圧支持となるため、ポケットフォーマ5の載置前に、定着こま4をPC鋼棒ねじ部2A上での回動によって、上面4uを支圧板上面3uと面一にし、型締めボルト16で締着すれば、ポケットフォーマ5は、底板5Dの面狭着形態での固定となり、外筒5S下端の突起5G群の支圧板係止用溝G3への係止と相俟って、欠込み穴1A用コンクリート型枠の機能を発揮し、欠込み穴1A用の型組みも、型枠解体も容易となる。
また、PC鋼棒2の外方への緊張は、図4(A)に示す如く、定着こま4から突出したねじ部2Aにテンションロッド13の下端の定着ねじ穴H13を嵌合螺着し、大間隔S10を保つ複数のポスト10Pと上端の支持板10uを備えた反力受け台10の支持ポスト10P下端の環状脚部10Bを支圧板3上に載置し、支持板10u上から突出したテンションロッド13のねじ部13Aをテンションナット11の回動で実施するのが好ましい。
この場合、テンションナット11の回動は、トルク測定機能付きの手動式トルクレンチ((株)東日製作所、商品名:CEM2)を用いて、所定のトルク値まで締付ければ良い。
従って、反力受け台10の支持板10u上でのテンションロッド13の緊張引上げにより、PC鋼棒2の緊張延伸による所定値のプレストレス導入が簡便正確に実施出来、PC鋼棒2の延伸引上げによって、PC鋼棒ねじ部2Aと一体となって支圧板3から上昇して浮上った定着こま4は、反力受け台10のポスト10P間の大間隔S10から指を入れて回動して再度支圧板3の定着孔H3に戻し、別途用意した治具17で定着こま4を締付ければ、緊張→定着、の移行の緊張力のセットロスを生ずることなく、緊張状態PC鋼棒の付与緊張力の下での定着が可能である。
また、反力受け台上のテンションナット11でのPC鋼棒緊張に際しては、反力受け台10の支持板10uとテンションナット11との間には、図4(D)に示す如く、鋼座板12Aに摩擦係数の小さな合成樹脂座板12Bを積層一体化した座金12の2枚を、上下の座金12が合成樹脂座板12B相互が当接する形態で介在させるのが好ましい。
この場合、合成樹脂座板12Bは、2.4mm厚の四ふっ化エチレン樹脂成形品の商品名:ピラーフロロゴールド(日本ピラー工業(株)製)を用いればよい。
該四ふっ化エチレン樹脂成形品は、自己潤滑性、耐侯性、耐薬品性に優れ、摩擦係数μ:0.0112である。
従って、図4(A)の如く、反力受け台10の支持板10u上に2枚の座金を介在した状態で、テンションナット11を、別途用意したトルク測定器付き手動トルクレンチで締付ければ、上方座金1個の鋼座板12Aがテンションナットに当接して界面摩擦力で共回りし、下方座金12の鋼座板12Aが支持板10uに当接して摩擦力で静止形態を保持し、両座金12,12相互は平滑な相対回動を奏するため、テンションロッド13及びPC鋼棒2はねじれることなく緊張延伸し、テンションナットでの締付けによるPC鋼棒へのプレストレス導入でありながら、従来例2の如き、PC鋼棒へのねじり歪付与は全く生じない。
また、外方へ緊張したPC鋼棒2は、反力受け台10内に挿入した治具17,18の嵌入端17A,18A´を定着こま上面4uの係止穴H4´に嵌合し、支持ポスト10P間の大間隔S10を介して治具17,18を回動して定着こま4を支圧板3の定着孔H3に押圧着座させ、次いで、PC鋼棒2の緊張力を解除するのが好ましい。
この場合、図4(B)に示す如く、大間隔S10は、各ポスト10Pと同幅又はそれ以上の寸法であるため、手指の挿入が可能である。
従って、図5(A)の治具17を使用する場合は、浮上った定着こま4の支圧板3までの回動降下は、大間隔S10からの手指の操作で簡単に実施出来、定着こま4の定着孔H3内への押圧締着を治具17で実施すれば良い。
また、図5(B)の治具18を用いる場合は、予め、反力受け台10内に、ポスト18A下端の嵌入端18A´を定着こまの係止穴H4´に嵌入形態で配置しておき、浮上った定着こま4は、大間隔S10からの天板18Bの手指での回動で降下し、定着こま4の定着孔H3内への押圧締着をハンドル18Eによる天板18Bの回動で実施すれば良い。
従って、PC鋼棒2は、緊張状態の下で定着こま4によって支圧板3に完全に定着し、その後、テンションナット11を外し、テンションロッド13を外すため、簡単な作業で、PC鋼棒2は、緊張→定着の移行時のセットロスを生ずることなく、設計値どおりのプレストレス導入定着が出来る。
本願プレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法に用いる定着具は、図3(A)に示す支圧板3と、図3(B)に示す定着こま4とから成り、支圧板3は、平面視正方形の鋼板であって、隅部には針金挿入用孔hwが上下に貫通し、中央部には裁頭円錐形の傾斜周面3Sを備えた定着孔H3が上下に貫通し、且つ、定着孔H3の外側には複数のポケットフォーマ係止用溝G3を備えたものであり、定着こま4は、支圧板3の定着孔H3の傾斜周面3Sに整合する傾斜周面4Sを備え、厚さT4が支圧板厚T3と実質同一の裁頭円錐形であって、中央にはPC鋼棒2のねじ部2Aを螺合保持する定着用ねじ孔H4が上下に貫通し、且つ、上面4uの外周近傍には係止穴H4´群を穿設したものである。
この場合、支圧板3の傾斜周面3S及び定着こま4の傾斜周面4Sの傾斜角(テーパー角)は、力学的には45°が好ましいが、定着こま4の上面4uの外径R4(標準:60mm)がコンクリート欠込み穴1Aの小径化の規定要件であること、支圧板3及び定着こま4が力学的に充分な厚さT3,T3(標準:19mm)であることより、テーパー角30°前後に設定すれば、力学的機能に支障を生ずることなく、欠込み穴1Aの小径化、即ち、ポケットフォーマ5の下端径(底面径)R5´の小径化に有利である。
また、定着こま4の定着用ねじ孔H4の下端にはスパイラルシース上端の嵌合当接用の嵌入溝G4を拡径状態で形成しておけば、型枠組み時のスパイラルシース14上端と定着こま4下面4Dとの当接組付け作業が容易となる。
従って、本発明定着具を採用することにより、支圧板3の針金挿入用孔hwを介した結束用針金での補強筋8への定着固定による、支圧板の位置決め定着作業、PC鋼ねじ部2Aに螺着した、定着こま4の支圧板3への着座作業、ポケットフォーマ5の配置作業、等のコンクリート欠込み穴1A形成のための作業も、欠込み穴1Aを介した、PC鋼棒の緊張延伸状態での定着こま4による、緊張→定着移行時の緊張力のセットロスを生じないPC鋼棒2の定着も、簡単に実施出来、本願のプレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法の発明が好適に実施出来る。
尚、この場合、定着こま4の上面4u上の係止穴H4´群の形状、個数等は、別途用意する型締め用治具17,18に応じて適切に配置しておけば良い。
また、本願プレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法に用いる緊張具は、反力受け台10、テンションロッド13、2枚の座金12,12及びテンションナット11から成り、反力受け台10は、例えば図4(B)に示す如く、大間隔S10を介して複数の支持ポスト10Pが上端の環状支持部10Aと下端の環状脚部10Bとを一体接続し、且つ、環状支持部10A上端には、中央にテンションロッド挿入用孔H10を有する支持板10uを一体化した鋼製剛構造体であり、テンションロッド13は、図4(C)に示す如く、下端部中央には、PC鋼棒ねじ部2Aを螺入するための定着用ねじ穴H13を穿設し、上半部外周にはねじ部13Aを備えた鋼棒であり、2枚の座金12,12は、図4(D)に示す如く、共に、鋼製の座板12Aと、摩擦係数の小さな合成樹脂座板12Bを積層一体化したものであり、テンションナット11は、図4(A)に示す如く、テンションロッド13のねじ部13Aを2枚の座金12,12を介して反力受け台10の支持板10uに締着するものである。
該反力受け台10は、下端が環状形態であるため、図4(A)に示す如く、支圧板3上に着座した定着こま4の上面4uの外周に載置出来、且つ、PC鋼棒2の緊張延伸により、鋼棒ねじ部2Aと共に上昇して浮上った定着こま4は、大間隔S10から手指を入れて回動降下作業が簡便に実施出来、定着こま4の支圧板3への着座時の、鋼棒ねじ部2Aに対する強固な締付けは、例えば図5(A)の如き、別途用意した治具17のアンカー部17Bを大間隔S10から挿入し、治具のアンカー部17B両端から下方へ突出させた嵌入端17Aを定着こま上面4u上の係止穴H4´に係合して回動することにより実施出来る。
また、別途用意した手動トルクレンチでテンションナット11を締付け回動してテンションロッド13を緊張延伸する際にも、座金12の2枚を、摩擦係数の小さな合成樹脂座板12B相互を当接形態で介在させることにより、テンションロッド13にねじれ応力を発生させることなく、即ち、テンションロッド13が螺着保持するPC鋼棒2にねじれ応力を付与することなく、PC鋼棒2の所定値までのプレストレス導入が出来る。
従って、本発明緊張具を用いれば、プレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法の発明が、小径の欠込み穴1A内で、PC鋼棒にねじれ歪を発生させることなく実施出来る。
また、本願のプレストレスPC鋼棒の緊張、定着に用いるポケットフォーマ5は、プラスチック製であって、図3(C)、(D)に示す如く、緩拡開の裁頭円錐形の外筒5Sと中央の円筒5Rとを複数の仕切板5Pで一体化し、外筒5Sの下端5Bは、内周面にゴム板5Cを張設すると共に、適所に複数の係合突起5Gを突設し、外筒5Sの上端には、円筒5Rとの間に、コンクリート流入阻止用の環状の蓋板5uを配置し、円筒5Rの下端は、中央にPC鋼棒挿通用孔H5´を備えた底板5Dを配置したものである。
尚、ゴム板5Cは、下端縁が外筒下端5Bより若干突出する形態で貼着すればゴム板5Cによるポケットフォーマ外筒下端5Bと支圧板上面3uとのシール性が向上する。
従って、該ポケットフォーマ5でコンクリート欠込み穴1A用の型枠を組み付ける際には、外筒下端5Bの係合突起5Gを支圧板上面3uの係止用溝3Gに嵌合係止することにより、ポケットフォーマ5の支圧板3への載置が容易であり、且つ、外筒下端5B内周面のゴム板5Cのシール性によって、打設コンクリートのポケットフォーマ5内への流入も阻止出来る。
また、ポケットフォーマ5の上下位置規制は、図2(B)に示す如く、型締めボルト16の下端の締着部16Bを、PC鋼棒ねじ部2Aに螺着して底板5Dを押圧した状態で、型締めボルト16上端を型枠の棧木6Aに止着することにより確実に実施出来る。
しかも、上面の蓋板5uは、ポケットフォーマ5の保形性を増大させると共に、打設コンクリートの上端面からのポケットフォーマ5内へのコンクリート流入も阻止出来、本発明ポケットフォーマ5を用いれば、プレストレス鋼棒の緊張、定着方法発明でのコンクリート構造物の欠込み穴1Aの形成が好適に実施出来る。
本発明定着構造によれば、欠込み穴1Aは緩拡開の裁頭円錐形状となり、欠込み穴1Aに隅部が存在しないため、欠込み穴1A周囲での、自己ひずみ、収縮、地震力等での応力集中部位が無く、従って、コンクリート欠込み穴1Aの周囲でのひび割れ発生が抑制出来る。
また、従来のアンカープレートに相当する支圧板3に、従来の定着ナットに相当する定着こま4が嵌り込むため、欠込み穴1Aでの深さ1Hが浅く出来、しかも、支圧板3自体も、コンクリートに埋設されてコンクリート欠込み穴1Aの底面を構成するため、コンクリート欠込み穴1Aは、少なくとも、従来例1,2での座金厚と定着ナット厚の分は浅くなる。
そして、欠込み穴1Aの底面径も、支圧板3に嵌合着座する定着こま4の外径で規定されるポケットフォーマ5によって決まり、ポケットフォーマ5は支圧板上面3u上に載置するため、欠込み穴1Aの底面径R5´は、従来のアンカープレートと同寸の支圧板3より小となる。
従って、本発明のプレストレスPC鋼棒定着構造は、コンクリートひび割れの抑制された小さな欠込み穴1A内での定着構造となり、欠込み穴1Aの埋戻しのための高価な充填モルタルの使用量も低減出来る。
しかも、欠込み穴1Aがひび割れの無い小さなものとなるため、PC鋼棒2の近接並列配置も自在となり、プレストレストコンクリート構造体の設計の自由度が増す。
また、本願プレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法の発明にあっては、支圧板3をコンクリート構造体1の型枠内に配置し、ポケットフォーマ5で欠込み穴1Aの型枠を形成するため、裁頭円錐形の小さなコンクリート欠込み穴1Aが簡便に形成出来、本願プレストレスPC鋼棒の有利な定着構造が好適に実施出来る。
以下、本発明を6階建プレストレストコンクリート建物の実施に就いて述べる。
尚、コンクリート外壁厚は200mmで、使用PC鋼棒は、径17mm、ユニット長さ(各階対応の1階分長さ)2.8m、緊張延伸量:50mmの場合である。
〔定着具(図3(A)、(B))〕
定着具は、図1の如く、コンクリート欠込み穴1A内で緊張延伸してコンクリート構造体1に所定値のストレスを付与したPC鋼棒2を、緊張状態で保持定着させるものであって、支圧板3と定着こま4とから成る。
支圧板3は、図3(A)の如く、一辺の長さL3が90mmで、厚さT3が19mmの正方形状の鋼板であり、中央には、上面3u上での直径R3が60mm、底面3Dでの直径R3´が40mmの裁頭円錐形の定着孔H3を穿孔し、定着孔H3の外側の径RGが85mmの同心円周CG上の対称位置に、即ち、定着孔H3の外側に裁頭域Z3を環状に保った形態で、係止用溝G3を円弧片形態で、且つ一半を幅広に、他半を幅狭に穿設し、ポケットフォーマ5の外筒下端5Bの係合突起5Gを、係止用溝G3の幅広部に嵌入し、幅狭部に回動して保持可能とする。
また、四隅には、径3mmの鉄筋結束用針金を挿通するための孔hwを貫通配置する。
定着こま4は、図3(C)の如く、上面4uの径R4が60mm、下面4Dの径R4´が40mmで外周が傾斜面4Sである、厚さT4が19mmの円錐鋼板であり、中央には、径17mmのPC鋼棒2の上端のねじ部2Aを螺合定着するためのねじ面から成る定着用ねじ孔H4を穿孔し、定着用ねじ孔H4の下端口は、図2(B)に示す如く、下方からスパイラルシース14の上端を挿入するために径23mmに拡開して溝G4を形成する。
また、定着こま4の上面4u外周部には、図3(B)の如く、一辺7mm、深さ6mmの正方形角穴の係止穴H4´群を、図5(A)、(B)の治具17,18の嵌入端17A,18A´の係止用に適宜配置する。
〔緊張具(図4)〕
図4(A)は緊張具の使用状態図であって、緊張具は、図4(B)に示す反力受け台10と、図4(C)に示すテンションロッド13と、図4(D)に示す2枚の座金12,12と、テンションナット11から成るものである。
図4(B)に示す反力受け台10は、4本の等間隔に配置した鋼製支持ポスト10Pの上端を曲面板10A´で、下端を曲面板10B´で環状に溶接し、各支持ポスト10P間には大間隔S10を備えた剛構造の円筒形脚台の上端に鋼製支持板10uを一体化したものである。
そして、各支持ポスト10Pは、厚さ7mm、幅30mmの断面円弧形態の鋼板であり、上下面板10A´,10B´は、共に幅30mm、厚さ7mmの曲面形状鋼板であり、面板10A´,10B´が支持ポスト10P間に接続一体化して外形76.3mmの環状支持部10A、及び環状脚部10Bを構成し、環状支持部10Aの上端には、外径R10が100mmで、中央にテンションロッド13挿通用孔H10を備えた、9mm厚の鋼円板の支持板10uを一体化した剛構造体であり、反力受け台10の全高h10は210mmである。
尚、反力受け台10は、剛構造の円筒形脚台の上端に支持板10uを一体化したものであるため、例えば、外径76.3mm、肉厚7mmの鋼管を用意し、各大間隔S10を上下方向に切落し開口して、上端の環状支持部10A及び下端の環状脚部10B、及び4本の支持ポスト10Pを備えた形状に加工し、環状支持部10A上端に支持板10uを溶接固定しても、同効機能を奏する反力受け台10が形成出来る。
テンションロッド13は、図4(C)に示す如く、径32mmで、長さh13が275mmのPC鋼棒であり、上部の長さh13´(150mm)はねじ部13Aとし、下端13Bから中央に径17mmで深さd13が40mmで、内周面がPC鋼棒2のねじ部2A螺着用のねじ面である定着ねじ穴H13を穿設する。
ナット11は、高さ49mm、対辺長さ58mmで、図4(A)に示す如く、径32mmのテンションロッド13を反力受け台上で締着延伸するものである。
座金12は、図4(D)の如く、2枚用意するが、共に、4.5mm厚の鋼座板12Aと、2.4mm厚で摩擦係数の小さな(μ:0.0112)四ふっ化エチレン樹脂成形板(商品名:ピラーフロロゴールド)の座板12Bとの積層一体化座金である。
〔ポケットフォーマ図3(C)、(D)〕
ポケットフォーマ5は、コンクリート外壁(構造体)の上端に欠込み穴1Aを形成するための型枠であって、プラスチック製であり、図3(C)に示す如く、緩拡開で、下端外径R5´が85mm、上端外径R5が100mm、高さd5が110mm、肉厚2mmの裁頭円錐形外筒5Sと、中央の外径44mm、肉厚2mmで、径40mmの挿通用孔H5を備えた円筒5Rとを、外筒5Sの下端5Bから寸法pd(標準:7mm)上方位置まで肉厚2mmの仕切板5Pで一体化し、外筒5S下端には、断面L字形に係合突起5Gを対称位置で突設し、且つ、外筒下端5B内周面には、寸法pd部(7mm幅)にゴム板5Cを貼着する。
この場合、ゴム板5Cを外筒下端5Bより若干下方突出傾向に張設すれば、外筒下端5Bと支圧板上面3uとのシール性、即ち、コンクリート流入阻止機能が向上する。
また、円筒5Rの下面には、中央にPC鋼棒2の挿通用孔H5´を備えた底板5Dを一体化し、円筒5R及び外筒5Sの上端には、環状の蓋板5uを一体化する。
〔治具1(図5(A))〕
図5(A)に示す治具17は、PC鋼棒2を反力受け台10上で緊張状態に維持した図4(A)の状態で、反力受け台10の大間隔S10から定着こま4上に挿入するための締着治具であって、長寸の軸部17Cと、上端の受部17Dと、下端の半円形態のアンカー部17Bとを備え、軸部17Cは、高さh17が180mm、幅15mm、厚さ10mmの鋼角棒であり、受部17Dは、一辺9mmの正方形で深さ10mmの角穴H17を穿設した径18mm、高さ15mmであり、アンカー部17Bは、鋼製2.5mm厚の半円形態であって、間隔L17(40mm)保って両端から下方に、高さ10mm、一辺6mmの正方形の嵌入端17Aを突設したものである。
また、受部17Dの角穴H17に適合した突起を備えた慣用のラチェットレンチ17Eを用意する。
〔治具2(図5(B))〕
図5(B)に示す治具18は、PC鋼棒2を緊張する前の、テンションロッド13をPC鋼棒と螺着接続した時点で定着こま4上に載置するもの、即ち、予め反力受け台10内に配置するものであり、図5(B)に示す如く、ポスト18Aの上端に固定した天板18B上面には、係止片P群を配置し、天板の外径R18は、反力受け台10の支持ポスト10P郡内に挿入出来る径であり、反力受け台支持ポスト10P群の内周径62.3mmより若干小径(標準:60mm)、即ち、反力受け台10内で横ぶれを生じない程度の径である。
そして、ポスト18Aの下端は、定着こま上面4uの係止穴H4´に係合させる嵌入端18A´であり、各ポスト18A群を環状面板18Dで剛構造一体化した、全高L18が120mmのものである。
〔コンクリート構造体への欠込み穴の形成(図2)〕
図2(A)は、外断熱用複合パネル15を外面に備えた鉄筋コンクリート外壁の最上端のパラペット部での、コンクリート欠込み穴1A形成のためのポケットフォーマ5を型組みした状態図であって、図2(B)は図2(A)の要部拡大図である。
即ち、セメント板15Aと断熱材15との積層形態の複合パネル15を外側壁型枠兼用とし、内側壁型枠FW、床スラブ型枠FS、パラペット型枠FPとで型枠6を形成し、図2(B)に示す如く、支圧板3は、下方階のPC鋼棒とカップラーで接続して上方に延出したPC鋼棒2の上端ねじ部2Aが貫通して30mm長突出した状態で、格子状に重ねて配筋した補強筋8上に載置し、支圧板3四隅の針金挿入用孔hwを介して結束用針金(図示せず)により、支圧板3の各隅を補強筋8に堅結する。
次いで、定着こま4を、PC鋼棒上端のねじ部2Aに螺合して回動降下させ、スパイラルシース14の上端を定着用ねじ孔H4の下端の溝G4に当接した状態で、定着こま上面4uを支圧板上面3uと面一に、ねじ部2Aに締着する。
次いで、ポケットフォーマ5を、定着こま4から上方に突出したPC鋼棒ねじ部2Aが底板5Dの挿通用孔H5´から突出した形態で、支圧板3上に載置し、外筒5Sの下端の係合突起5Gを支圧板上面の係止用溝G3の幅広部に嵌入し、係合突起5Gを係止用溝G3の幅狭部へ回動してポケットフォーマ5の外筒下端5Bを支圧板上面3uに係止する。
次いで、図2(B)に示す如く、型締めボルト16をポケットフォーマ5の円筒5R内の挿通用孔H5に挿入し、下端の締着部16BをPC鋼棒先端ねじ部2Aに嵌合螺着して、締着部16B下端面が底板5Dを支圧板上面3uに押圧する形態とし、型締めボルト16の上端ねじ部16Aをナット16Cで型枠上の桟木6Aに締着する。
そして、ポケットフォーマ5は、外筒下端5Bが、ゴム板5Cにより支圧板上面3uとシール性を確保してコンクリート流入を阻止し、上端が、蓋板5uによって側方からのコンクリート流入を阻止する形態で、支圧板3、定着こま4、及びポケットフォーマ5相互の位置、姿勢を確保してコンクリート打設する。
次いで、打設コンクリートの硬化後、型枠6の解体作業により、型締めボルト16をPC鋼棒2のねじ部2Aから抜去し、ポケットフォーマ5を回動して係合突起5Gを支圧板3の係止用溝G3から外し、ポケットフォーマ5を抜去すると、図1に示す如く、コンクリート構造体1、即ち、外壁パラペット上端には、コンクリートに埋設された支圧板3の上面3uを底面1Bとし、ポケットフォーマ5の外筒5Sと同形状の欠込み穴1A、即ち、下端径R5´が85mm、上端径R5が100mm、深さd5が110mmの欠込み穴1Aが形成出来る。
〔PC鋼棒の緊張(図4)〕
図4(A)は、PC鋼棒2の緊張開始前の状態の説明図であり、緊張前にあっては、PC鋼棒2は上端のねじ部2Aが、定着こま4上面4u、即ち、支圧板上面3uから掴み代d1(標準:30mm)分突出している。
そして、図4(A)に示す如く、径32mm、長さ275mmのテンションロッド13を、下端の定着ねじ穴H13をPC鋼棒のねじ部2A上端に螺合して定着こま4の上面4uに当接形態で固定し、反力受け台10を、支持板10uの挿入用孔H10からテンションロッドのねじ部13Aを突出させて、環状脚部10Bが定着こま上面4uの外側の支圧板上面3uの載置域Z3に着座させる。
また、反力受け台10の支持板10u上には、2枚の座金12,12を、合成樹脂座板12B相互が当接する形態でロッドねじ部13Aに挿通し、座金12上でテンションナット11をロッドねじ部13Aに螺合する。
次いで、別途用意したトルク測定機能付きの手動式トルクレンチ(商品名:CME2)で、所定トルク値までテンションナット11を締付け、上部座金12と下部座金12相互の合成樹脂座板12B間の平滑なすべり回動により、テンションロッド13にはねじり歪を何ら発生させることなくPC鋼棒2を緊張し、PC鋼棒2が所定の緊張力(テンション)を受けて、定着こま4と共に上方に延び代d2(標準:50mm)だけ伸び状態でテンションナット11の締付け回動作業を停止する。
〔PC鋼棒の定着(図5)〕
PC鋼棒2の所定のストレスを導入した状態での定着は、PC鋼棒2が定着こま4と共に上方に延びた状態で、定着こま4のみを回動してねじ部2Aから降下し、支圧板3の傾斜周面3Sに定着こま外周の傾斜周面4Sが圧接密着した状態の下でテンションロッド13を取外せば良い。
図5(A)の治具17で定着する場合は、延伸上昇したPC鋼棒ねじ部2A上の定着こま4を、反力受け台10の支持ポスト10P間の大間隔S10から手指を入れて回動降下させ、次いで、治具17のアンカー部17Bを大間隔S10から定着こま4上に挿入し、アンカー部両端の下方突出の嵌入端17Aを定着こま上面4uの係止穴H4´に嵌入係止し、治具17をラチェットレンチ17Eによって、定着こま4の傾斜周面4Sが支圧板定着孔H3の傾斜周面3Sに押圧状態まで回動すれば、外周円錐形の定着こま4は、内周円錐形の支圧板定着孔H3に圧接密着状態に締着出来、その後にPC鋼棒2の緊張状態を解除しても、定着こま4の定着孔H3内への更なる嵌入降下は生じない。
また、図5(B)の治具18で定着する場合は、PC鋼棒緊張準備時の反力受け台載置前のPC鋼棒2の先端ねじ部2Aにテンションロッド13を螺合接続した状態で、治具18を、天板18Bの挿通用孔H18にテンションロッド13が貫通形態で、且つ、ポスト18A下端の嵌入端18A´が定着こま上面4uの係止穴H4´に嵌入係止した状態で、深さd5が110mmの欠込み穴1Aの底面1B、即ち定着こま上面4u上に、高さ120mmの治具18を載置し、治具18上に覆い被せるように反力受け台10を支圧板3上に載置し、テンションナット11の回動によってPC鋼棒2を緊張すれば良い。
この場合、PC鋼棒の所定ストレス値付与によるPC鋼棒2の延伸(標準:50mm)状態では、定着こま4上に治具18を載置した状態での上方延びとなるが、該PC鋼棒2の緊張延び状態維持の下で、治具18の天板18Bを、反力受け台10の大間隔S10から手指で回動することにより、定着こま4及び治具18が降下し、天板18B上の係止片Pにハンドル18Eを係止回動すれば、定着こま4が支圧板3の定着孔H3に圧接密着状態で締着出来る。
この場合、治具18の取外しは、PC鋼棒2の定着こま4による定着後に、テンションナット11、座金12及び反力受け台10を取外した後に取出せる。
PC鋼棒2の定着は、PC鋼棒2の、テンションロッド13を介した反力受け台10による緊張状態の維持の下に、定着こま4を治具17,18等による支圧板定着孔H3への押圧嵌着状態までの、PC鋼棒ねじ部2Aの螺合による定着であるため、テンションロッド13への緊張力、即ち、PC鋼棒2への緊張力、を解除しても、定着こま4は傾斜周面4Sの支圧板傾斜周面3Sへの押圧形態での緊張力解除となるため、定着こま4の支圧板3へのそれ以上の圧入降下は生ぜず、本発明のPC鋼棒2の緊張→定着の移行では、緊張力のセットロスは生じない。
そして、PC鋼棒2の所定ストレス値での定着後は、慣用のスパイラルシース14内への、ゴムホース14B及びグラウト注入管14Aを介したグラウト注入充填をし、深さd5が110mmの欠込み穴1A内へはグラウトモルタルを充填すれば良い。
この場合、PC鋼棒2が延び代長d2(標準:50mm)延び上がっているが、欠込み穴1Aは、PC鋼棒2の上端に30mm厚の被り代d3を提供する。
〔その他〕
図6(A)、(B)は、本発明を工場製作のプレキャストコンクリート壁に適用する図である。
即ち、プレキャスト型枠7の側枠7Aを、図2(A)、(B)の現場施工コンクリートの型枠での桟木6Aに見立てて、図6(B)の如く、支圧板3、定着こま4及びポケットフォーマ5を型枠組みすれば、プレキャストコンクリート壁体への欠込み穴1Aの形成、PC鋼棒2の緊張及び定着は、現場施工コンクリート構造体1同様に実施出来る。
また、型枠組み時に、定着こま4の底面4Dに、予めビニールテープ等を張着しておけば、定着こま4の打設コンクリートからの取外しが容易となる。
また、コンクリート打設に定着こま4を取外して支圧板3下方のコンクリートの充填状態が目視確認出来るので、支圧板3の支圧力に信頼性が持てる。
本発明の定着構造説明図である。 本発明の現場コンクリート打設の欠込み穴形成型枠の説明図であって、(A)は全体説明図、(B)は(A)の要部拡大図である。 本発明に用いる器具の説明図あって、(A)は支圧板斜視図、(B)は定着こま斜視図、(C)はポケットフォーマの斜視図、(D)はポケットフォーマの下部縦断面図である。 本発明説明図であって、(A)はPC鋼棒緊張状態縦断面図、(B)は反力受け台斜視図、(C)はテンションロッド斜視図、(D)は座金及びテンションナットの斜視図である。 本発明に用いる定着用治具の説明図であって、(A)は反力受け台の外方から使用する治具の斜視図、(B)は反力受け台内に配置する治具の斜視図、(C)は(B)の治具に併用するハンドルの斜視図である。 本発明をプレキャストコンクリート壁への適用説明図であって、(A)は型枠全体の概略図、(B)は(A)の部分拡大図である。 従来例1の説明図であって、(A)はPC鋼棒の定着構造縦断面図、(B)はPC鋼棒緊張状態縦断面図、(C)は緊張機具の適用説明図である。 従来例2の緊張構造説明図であって、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
符号の説明
1 コンクリート構造体
1A 欠込み穴
1B 底面
1F 端面
2 PC鋼棒
2A ねじ部
3 支圧板
4 定着こま
3D,4D 底面
3S,4S 傾斜周面
3u,4u 上面
5 ポケットフォーマ
5B 外筒下端
5C ゴム板
5D 底板
5G 係合突起
5P 仕切板
5R 円筒
5S 外筒
5u 蓋板
6,7 型枠
6A 桟木
7A 側枠
8 補強筋
9A 縦筋
9B 横筋
9C 幅止筋
10 反力受け台
10A 環状支持部
10B 環状脚部
10A´,10B´ 面板
10P 支持ポスト
10u 支持板
11 テンションナット
12 座金
12A 鋼座板
12B 合成樹脂座板
13 テンションロッド
13A ねじ部
13B 下端(ロッド下端)
14 スパイラルシース
14A グラウト注入管
14B ゴムホース
15 複合パネル
15A セメント板
15B 断熱材
16 型締めボルト(ボルト)
16A ねじ部
16B 締着部
16C ナット
17,18 治具
17A,18A´ 嵌入端
17B アンカー部
17C 軸部
17D 受部
17E ラチェットレンチ
18A ポスト
18B 天板
18D 面板
18E ハンドル
18S 周面
FP パラペット型枠
FS 床スラブ型枠
FW 内側壁型枠
G3 係止用溝
G4 溝
H3 定着孔
H4 定着用ねじ孔
H4´ 係止穴
H5,H5´,H10,H18 挿通用孔
H13 定着ねじ穴
H18´ 角孔
hw 針金挿入用孔
P 係止片
S10 大間隔
Z3 載置域

Claims (13)

  1. コンクリート構造体(1)の端面(1F)には、ポケットフォーマ(5)により緩拡開の裁頭円錐状欠込み穴(1A)が形成されており、該欠込み穴(1A)の底面(1B)はコンクリート構造体(1)に埋設された支圧板(3)であり、支圧板(3)は中央部に裁頭円錐形の定着孔(H3)を備え、定着孔(H3)には裁頭円錐形の定着こま(4)が嵌着し、コンクリート構造体(1)内のスパイラルシース(14)内から欠込み穴(1A)内に延出した緊張状態のPC鋼棒(2)の先端のねじ部(2A)が、定着こま(4)の中央の定着用ねじ孔(H4)で螺合支承されたプレストレストPC鋼棒定着構造。
  2. 支圧板(3)は、平面方形鋼板であって、底面(3D)を補強筋(8)上に載置し、四隅の針金挿入用孔(hw)を介して針金で補強筋(8)に止着して、コンクリート構造体(1)に埋設一体化した、請求項1の定着構造。
  3. 定着こま(4)は、上面(4u)が支圧板上面(3u)と略面一であり、上面(4u)の外周部には係止穴(H4´)群を備えている、請求項1又は2の定着構造。
  4. 欠込み穴(1A)は、深さ(d5)が、PC鋼棒(2)の掴み突出長(d1)と、PC鋼棒延び代長(d2)と、PC鋼棒(2)の被り代(d3)との総和であり、底面径(R5´)が、支圧板(3)中央部の定着孔径(R3)の外側に、載置域(Z3)を保った径である、請求項1又は2又は3の定着構造。
  5. コンクリート型枠(6)内に支圧板(3)を配置し、PC鋼棒(2)の先端ねじ部(2A)に裁頭円錐形の定着こま(4)を螺着してねじ部(2A)が突出した形態で、定着こま(4)を支圧板(3)の裁頭円錐形の定着孔(H3)に着座し、支圧板(3)上面(3u)に緩拡開の裁頭円錐形のポケットフォーマ(5)を載置して、底面中央の挿通用孔(H5´)からPC鋼棒のねじ部(2A)を突入させ、底板(5D)を支圧板(3)に当接係止してコンクリート型枠(6)に固定し、次いで、コンクリートを打設し、打設コンクリートの硬化後にポケットフォーマ(5)を抜去してコンクリート構造体(1)の端面(1F)に欠込み穴(1A)を形成し、次いで、PC鋼棒(2)を外方へ緊張すると共に、設定値まで延伸したPC鋼棒(2)のねじ部(2A)の浮上った定着こま(4)を旋回降下して支圧板(3)の定着孔(H3)に再度当接着座させ、次いで、PC鋼棒(2)への緊張を解除する、プレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法。
  6. ポケットフォーマ(5)は、緩拡開の裁頭円錐形外筒(5S)の下端(5B)から突出させた複数の突起(5G)を、支圧板(3)の上面(3u)に配置した係止用溝(G3)に着脱自在に回動係止する、請求項5の緊張、定着方法。
  7. ポケットフォーマ(5)は、型締めボルト(16)の下端の締着部(16B)をPC鋼棒(2)のねじ部(2A)に螺着してポケットフォーマ底板(5D)を押圧し、型締めボルト(16)の上端を桟木(6A)を介してナット(16C)で締着して型枠(6)に固定する、請求項5又は6の緊張、定着方法。
  8. PC鋼棒(2)の外方への緊張は、定着こま(4)から突出したねじ部(2A)にテンションロッド(13)の下端の定着ねじ穴(H13)を嵌合螺着し、大間隔(S10)を保つ複数のポスト(10P)と上端の支持板(10u)を備えた反力受け台(10)の支持ポスト(10P)下端の環状脚部(10B)を支圧板(3)上に載置し、支持板(10u)上から突出したテンションロッド(13)のねじ部(13A)をテンションナット(11)の回動で実施する、請求項5乃至7のいずれか1項の緊張、定着方法。
  9. 反力受け台(10)の支持板(10u)とテンションナット(11)との間には、鋼座板(12A)に摩擦係数の小さな合成樹脂座板(12B)を積層一体化した座金(12)の2枚を、上下の座金(12)が合成樹脂座板(12B)相互が当接する形態で介在させる請求項8の緊張、定着方法。
  10. 外方へ緊張したPC鋼棒(2)は、反力受け台(10)内に挿入した治具(17,18)の嵌入端(17A,18A´)を定着こま上面(4u)の係止穴(H4´)に嵌合し、支持ポスト(10P)間の大間隔(S10)を介して治具(17,18)を回動して定着こま(4)を支圧板(3)の定着孔(H3)に押圧着座させ、次いで、PC鋼棒(2)の緊張力を解除する請求項8又は9の緊張、定着方法。
  11. 支圧板(3)と定着こま(4)とから成り、支圧板(3)は、平面視正方形の鋼板であって、隅部には針金挿入用孔(hw)が上下に貫通し、中央部には裁頭円錐形の傾斜周面(3S)を備えた定着孔(H3)が上下に貫通し、且つ、定着孔(H3)の外側には複数のポケットフォーマ係止用溝(G3)を備えたものであり、定着こま(4)は、支圧板(3)の定着孔(H3)の傾斜周面(3S)に整合する傾斜周面(4S)を備え、厚さ(T4)が支圧板厚(T3)と実質同一の裁頭円錐形であって、中央にはPC鋼棒(2)のねじ部(2A)を螺合保持する定着用ねじ孔(H4)が上下に貫通し、且つ、上面(4u)の外周近傍には係止穴(H4´)群を穿設したものである、請求項5のプレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法に使用する定着具。
  12. 反力受け台(10)、テンションロッド(13)、2枚の座金(12,12)及びテンションナット(11)から成り、反力受け台(10)は、大間隔(S10)を介して複数の支持ポスト(10P)が上端の環状支持部(10A)と下端の環状脚部(10B)とを一体接続し、且つ、環状支持部(10A)上端には、中央にテンションロッド挿入用孔(H10)を有する支持板(10u)を一体化した鋼製剛構造体であり、テンションロッド(13)は、下端部中央にはPC鋼棒ねじ部(2A)を螺入するための定着用ねじ穴(H13)を穿設し、上半部外周にはねじ部(13A)を備えた鋼棒であり、2枚の座金(12,12)は、共に、鋼製の座板(12A)と、摩擦係数の小さな合成樹脂座板(12B)を積層一体化したものであり、テンションナット(11)は、テンションロッド(13)のねじ部(13A)を2枚の座金(12,12)を介して反力受け台(10)の支持板(10u)に締着するものである、請求項5のプレストレスPC鋼棒の緊張、定着方法に使用する緊張具。
  13. プラスチック製であって、緩拡開の裁頭円錐形の外筒(5S)と中央の円筒(5R)とを複数の仕切板(5P)で一体化し、外筒(5S)の下端(5B)は、内周面にゴム板(5C)を張設すると共に、適所に複数の係合突起(5G)を突設し、外筒(5S)の上端には、円筒(5R)との間に、コンクリート流入阻止用の環状の蓋板(5u)を配置し、円筒(5R)の下端は、中央にPC鋼棒挿通用孔(H5´)を備えた底板(5D)を配置した、請求項5のプレストレスPC鋼棒の緊張、定着方向に使用するポケットフォーマ。
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