JP2007070721A - 耐腐食性に優れた反射板用反射膜およびこの耐腐食性に優れた反射板用反射膜を形成するためのスパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Mg:0.1〜15質量%を含有し、さらに希土類元素の内の1種または2種以上を合計で0.1〜5質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなる耐腐食性に優れた反射板用反射膜およびこの耐腐食性に優れた反射板用反射膜を形成するためのスパッタリングターゲット。
【選択図】 なし
Description
さらに、純Al板またはAl合金板を使用して各種反射板を作製するには、鏡面仕上げされた純Al板またはAl合金板を所定の形状に絞り加工などの成形加工を施して作製するが、成形加工中に反射面に傷が付いたり加工ムラが発生することがある。これら成形加工後に発生した傷や加工ムラを除去するためにさらにバフ研磨を行う必要があった。
(イ)純度99.99質量%以上の高純度Alに純度:99.9質量%以上のMg:0.1〜15質量%を添加し、さらに純度:99.9質量%以上の希土類元素:0.1〜10質量%を添加し、これを溶解し鋳造し熱間加工し機械加工することにより得られたMg:0.1〜15質量%、希土類元素を0.1〜10質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するAl−Mg系のAl合金製ターゲットを作製し、このターゲットを用いてスパッタリングすることにより得られたAl合金スパッタリング膜は、表面にバリア膜が形成され、それによって酸およびアルカリに対する耐腐食性が向上し、このAl合金スパッタリング膜を反射膜として使用すると、長期にわたって反射率が低下することは無い、
(ロ)各種反射板の構造を有する基板の表面に形成されたスパッタリング膜は、成形加工されることが無いので製造中に傷が付く心配が無く、表面研磨を行う必要が無い、などの研究結果が得られたのである。
(1)Mg:0.1〜15質量%、希土類元素の内の1種または2種以上を合計で0.1〜10質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなる耐腐食性に優れた反射板用反射膜、
(2)前記希土類元素の内の1種または2種以上は、La,Ce,Pr,Nd,Euの内の1種または2種以上である前記(1)記載の耐腐食性に優れた反射板用反射膜、に特徴を有するものである。
(3)Mg:0.1〜15質量%、希土類元素の内の1種または2種以上を合計で0.1〜10質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなる耐腐食性に優れた反射板用反射膜形成のためのスパッタリングターゲット、
(4)前記希土類元素の内の1種または2種以上は、La,Ce,Pr,Nd,Euの内の1種または2種以上である前記(3)記載の耐腐食性に優れた反射板用反射膜形成のためのスパッタリングターゲット、に特徴を有するものである。
Mg成分は、Alに固溶し、Al合金からなる反射板用反射膜の表面に緻密で透明な不働態膜を形成することにより高反射率を維持したまま耐腐食性を向上させる成分であるが、Mgを0.1質量%未満含んでも所望の効果が得られず、一方、15質量%を越えて含有すると、ターゲット製造時に割れが発生するようになるので好ましくない。したがって、この発明の反射板用反射膜およびこの反射板用反射膜を形成するためのスパッタリングターゲットに含まれるMg成分の含有量を0.1〜15質量%(一層好ましくは1〜10質量%)に定めた。
希土類元素は、熱湿環境下における反射板用反射膜の耐腐食性を一層向上させるとともにスパッタリングによる得られた反射板用反射膜の表面を一層滑らかにする効果があるので添加するが、その含有量を0.1質量%未満含んでも所望の効果が得られず、一方、10.0質量%を越えて含有すると、孔食が発生するようになるので好ましくない。
したがって、希土類元素の含有量は0.1〜10.0質量%(一層好ましくは1〜7質量%)に定めた。前記希土類元素はLa,Ce,Pr,Nd,Euの内の1種または2種以上であることが一層好ましく、これらの中でもCe、PrおよびEuがさらに一層好ましい。
まず、純度:99.99質量%以上の高純度Alを高周波真空溶解炉にて真空中で溶解したのち炉内圧力が大気圧となるまでArガスを充填し、前記Mg、La,Ce,Pr,Nd,Euを得られたAl溶湯に添加し、その後、黒鉛製鋳型に鋳造することによりインゴットを作製した。得られたインゴットを430℃、2時間加熱した後、熱間圧延し、機械加工することにより直径:125mm、厚さ:5mmの寸法を有し、表1に示される成分組成を有する本発明ターゲット1〜20を製造した。
また、表1に示される比較例ターゲット1、2は純度:99.99質量%以上の高純度Alを用い、比較例ターゲット3、4は純度:99.9質量%のAlを用いた以外は本発明ターゲット1〜20の製造条件と同じ条件で製造した。さらに、表1に示される従来ターゲット1はJISA1050を用いて製造した。
なお、表1に示される不可避不純物としてはSi,Fe,Cu,Mn,Zn,TiをICP法にて分析し、検出下限を下まわる場合は0ppmとし、各分析値の合計で示した。JISA1050で作製した従来ターゲット1に含まれるMgの値はICP法にて分析した値である。
(a)Al合金反射膜の初期反射率試験
作製した直後の本発明反射膜1〜20、比較反射膜1〜4および従来反射膜1の各反射率を分光光度計により測定し、その結果を表2〜3に示した。
本発明反射膜1〜20、比較反射膜1〜4および従来反射膜1をそれぞれ1%NaOH溶液に120秒間浸漬したのち取出して、蛍光灯下における室内照度320ルックスの環境にて反射膜を蛍光灯側に向けるようにかざし、光の透過の有無を目視にて観察する光透過試験を行い、その結果を表2〜3に示した。
本発明反射膜1〜20、比較反射膜1〜4および従来反射膜1をそれぞれ1%H2SO4溶液に10分間浸漬したのち取出して、蛍光灯下における室内照度320ルックスの環境にて反射膜を蛍光灯側に向けるようにかざし、光の透過の有無を目視にて観察する光透過試験を行い、その結果を表2〜3に示した。
本発明反射膜1〜20、比較反射膜1〜4および従来反射膜1をそれぞれ温度:40℃、相対湿度:85%の恒温恒湿槽に100時間保持したのち取出して反射率を分光光度計により波長:650nmにて測定し、その結果を表2に示した。
Claims (4)
- Mg:0.1〜15質量%を含有し、さらに希土類元素の内の1種または2種以上を合計で0.1〜10質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなることを特徴とする耐腐食性に優れた反射板用反射膜。
- 前記希土類元素の内の1種または2種以上は、La,Ce,Pr,Nd,Euの内の1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の耐腐食性に優れた反射板用反射膜。
- Mg:0.1〜15質量%を含有し、さらに希土類元素の内の1種または2種以上を合計で0.1〜10質量%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金からなることを特徴とする耐腐食性に優れた反射板用反射膜形成のためのスパッタリングターゲット。
- 前記希土類元素の内の1種または2種以上は、La,Ce,Pr,Nd,Euの内の1種または2種以上であることを特徴とする請求項3記載の耐腐食性に優れた反射板用反射膜形成のためのスパッタリングターゲット。
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