JP2007069489A - 液体吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い吐出性能を維持するとともに、ノズルの高集積化及びヘッドの小型化を実現する液体吐出ヘッド及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】インクを吐出させるノズル51と、前記ノズル51と連通する吐出側流路52と、前記吐出側流路52へインクを供給するインク主流55と、前記吐出側流路52と前記インク主流55とを連通させる供給口54と、変位部分が前記供給口54と接触する位置に設けられる圧電素子58と、を有する印字ヘッド50と、前記印字ヘッド50内のインクを加圧する加圧機構(124)と、前記圧電素子58に所定の駆動電圧を与えるヘッドドライバ(114)と、を備え、前記ヘッドドライバ(114)から前記圧電素子58に所定の駆動電圧を与えて該圧電素子58を変形させて、前記供給口54を開閉することを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】インクを吐出させるノズル51と、前記ノズル51と連通する吐出側流路52と、前記吐出側流路52へインクを供給するインク主流55と、前記吐出側流路52と前記インク主流55とを連通させる供給口54と、変位部分が前記供給口54と接触する位置に設けられる圧電素子58と、を有する印字ヘッド50と、前記印字ヘッド50内のインクを加圧する加圧機構(124)と、前記圧電素子58に所定の駆動電圧を与えるヘッドドライバ(114)と、を備え、前記ヘッドドライバ(114)から前記圧電素子58に所定の駆動電圧を与えて該圧電素子58を変形させて、前記供給口54を開閉することを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、液体吐出装置及び画像形成装置に係り、特に、ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドの構造に関する。
従来より、圧電素子の変位を利用して、圧力室の一壁面を変化させ、圧力室内のインクを加圧し、圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出するヘッド(液体吐出ヘッド)を搭載したインクジェット記録装置が知られている。
例えば、特許文献1には、インク流路内のインクを常時加圧する圧力とノズル先端の撥水作用のバランスを取ることによりインクを常時加圧してもノズルからインクが漏れないように構成されるヘッドが開示されている。インク流路内を常時加圧することで印字速度の高速化及び印字品質の高品質化を可能にしている。
また、特許文献2には、電圧を印加することによって粘度が上昇するインクを用いて、加圧機構によりインクを常時加圧することでインクに作用する圧力を適正値に調節することができる記録装置が開示されている。インクの吐出性能を向上させることで、印字速度の高速化と画質向上とを図り、装置の小型化を実現している。
実開平5−28639号公報
特開平2−32851号公報
しかしながら、特許文献1では、撥水処理のバラつきや経時変化の観点から撥水処理とインクへの加圧の均衡を保つことは難しく、実用的ではない。
また、特許文献2では、電圧を印加することにより粘度が変化する性質を持ったインクを用いなければならず、インクの選択肢が限られてしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、高い吐出性能を維持するとともに、ノズルの高集積化及びヘッドの小型化を実現する液体吐出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の液体吐出装置は、液体を吐出させるノズルと、前記ノズルと連通する吐出側流路と、前記吐出側流路へ液体を供給する供給側流路と、前記吐出側流路と前記供給側流路とを連通させる供給口と、変位部分が前記供給口を閉塞可能な位置に設けられる圧電素子と、を有する液体吐出ヘッドと、前記供給側流路内の液体を加圧する加圧手段と、前記圧電素子に所定の駆動信号を与える駆動信号供給手段と、を備え、前記駆動信号供給手段から前記圧電素子に所定の駆動信号を与えて該圧電素子を変形させて、前記供給口を開閉することを特徴とする。
本発明によれば、吐出側流路と供給側流路とを連通させる供給口の開閉を圧電素子により行い、該圧電素子を変位させて供給口の少なくとも一部を開放するとノズルから液体が吐出されるように構成されるので、該圧電素子の個体差や経時変化による吐出特性の変化を抑制することができ、吐出安定性が確保され好ましい液体吐出が実現される。また、該圧電素子の変形量を制御することで、供給口の開放部分の大きさを変えることができ、液体の吐出量を可変(変調)させることが可能になる。
ここでいう供給口とは、吐出側流路と供給側流路とをつなぐ流路(管路)と該流路の開口部とを含んでいる。即ち、圧電素子の変位部分が供給口を塞ぐ位置に設けられる態様には、供給口の吐出側流路側の開口部或いは供給側流路側の開口部を塞ぐ態様や、管路の内部を塞ぐ態様がある。供給口の開口部を塞ぐ一例を挙げると、該開口部に圧電素子の変位部分の表面を接触させる態様がある。
圧電素子が供給口の開口部に接触するように設けられる態様では、圧電素子の変位部分が開口部と接触する面積は開口部の面積と略同一又は開口部の面積を超える。また、供給口の一部が開放された状態では、圧電素子の変位部分が開口部と接触する面積は該開口部の面積よりも小さくなる。更に、供給口が完全に開放された状態では、圧電素子の変位部分が開口部と接触する面積はゼロとなる。
加圧手段及び駆動信号供給手段は、液体吐出ヘッドに内蔵されていてもよいし、液体吐出ヘッドの外部に設けられていてもよい。
液体吐出ヘッドには、記録媒体の全幅(記録媒体の画像形成可能幅)に対応した長さのノズル列を有するライン型ヘッドや、記録媒体の全幅に満たない長さのノズル列を有する短尺ヘッドを記録媒体の幅の方向へ走査させるシリアル型ヘッドがある。
ライン型の液体吐出ヘッドには、記録媒体の全幅に対応する長さに満たない短尺のノズル列を有する短尺ヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
液体には、インクジェット記録装置に用いられるインクやレジストなどの薬液、処理液などがある。この液体は、液体吐出ヘッドに設けられたノズルから吐出可能な物性(粘度など)を有している。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の液体吐出装置の一態様に係り、前記圧電素子は、前記駆動信号供給手段から駆動電圧が印加されない駆動電圧の非印加時には、該圧電素子の変位部分が前記供給口と略同一又は前記供給口を超える大きさを有することを特徴とする。
請求項2の態様は、駆動信号の非印加時には圧電素子は静定状態となり、この圧電素子の静定状態で供給口を閉塞するように構成されるので、電源オフ時には確実に供給口を閉じて吐出側流路への液体の流入が防止される。
なお、駆動信号の非印加時には、圧電素子の変形によって供給口の少なくとも一部が開放されない程度に該圧電素子を変形させる程度の電圧が印加されていてもよい。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の液体吐出装置の一態様に係り、前記ノズルから液体を吐出させる液体吐出時に、前記供給側流路内の液体を加圧するように前記加圧手段を制御する加圧制御手段を備えたことを特徴とする。
加圧制御手段は、加圧手段のオンオフ制御の他に液体に与える圧力を可変制御する態様が好ましい。加圧制御手段により液体に与える圧力を可変させる態様では、液体の種類(例えば、粘度等の物性)に応じて圧力を可変させることで、吐出特性の安定性を確保することができる。
加圧制御手段は、吐出時に液体を加圧するように加圧手段を制御してもよいし、常時液体を加圧するように加圧手段を制御してもよい。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3記載の液体吐出装置の一態様に係り、前記圧電素子は、前記吐出側流路の内部に設けられることを特徴とする。
請求項4の態様は、吐出側流路の内部に圧電素子を設けることで、ノズル及び吐出側流路の構造を簡素化することができ、多数のノズルを有する場合には、ノズルを高密度に配置することができ、液体吐出ヘッドの小型化が可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液体吐出装置の一態様に係り、前記圧電素子は、筒状の圧電体の内周側に内部電極を有するとともに外周側に外部電極を有し、前記内部電極及び前記外部電極間に所定の駆動電圧が印加されると該圧電素子の長さ方向に変形することを特徴とする。
請求項5の態様は、内周側に内部電極を有し、外周側に外部電極を有する円柱状の圧電素子を供給口の開閉部材に適用し、内部電極と外部電極との間に所定の駆動電圧を印加することで該円柱状圧電素子をその長さ方向に変形させて供給口の開閉を行うので、簡易な構成で供給口の開閉を行うことができる。
液体吐出ヘッドに複数のノズルを備える態様では、各ノズルに対応する圧電素子の外部電極を共通電極(基準電位電極)とし、内部電極を個別電極とする態様がある。
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の液体吐出装置の一態様に係り、前記圧電素子は、外周側の少なくとも一部に所定の柔軟性を有する被覆部材を備えたことを特徴とする。
請求項6の態様は、圧電素子の外周側に柔軟性を有する被覆部材を備えることで、圧電素子の径方向の変形に対して、圧電素子と該圧電素子の外周面に接触する部材との間の密閉性が確保される。また、該被覆部材が所定の絶縁性能を有する場合には、圧電素子が液体と接触する部分に該被覆部材を備えるとよい。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6記載の液体吐出装置の一態様に係り、前記圧電素子の内周側は、前記内部電極で埋められていることを特徴とする。
請求項7の態様は、圧電素子の剛性が高くなり、圧電体の肉厚を薄く構成することが可能になり、圧電素子の変位特性を向上させることができる。
また、上記目的を達成するために、請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1乃至請求項7のうち何れか1項に記載の液体吐出装置を用いて記録媒体上の所望の画像を形成することを特徴とする。
画像形成装置には、ノズルから色インクを吐出させて記録媒体上に所望の画像を形成するインクジェット記録装置がある。
記録媒体は、吐出孔から打滴される液体を付着させる媒体であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
本発明によれば、吐出側流路と供給側流路とを連通させる供給口の開閉を行う開閉部材に圧電素子を適用し、該供給口の少なくとも一部を開放するとノズルから液体が吐出されるように構成されるので、該圧電素子の個体差や経時変化による吐出特性の変化を抑制することができ、吐出安定性が確保される。また、該圧電素子の変形量を制御することで、供給口の開放部分の大きさを変えることができ、液体の吐出量を可変(変調)させることが可能になる。また、加圧手段から液体に与える圧力を可変可能に構成することで、例えば、高い粘度を持った液体を用いる場合にも圧力を大きくすることで吐出安定性が確保され好ましい液体吐出が実現される。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置(液体吐出装置、画像形成装置)の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド(液体吐出ヘッド)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16(記録媒体)の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置(液体吐出装置、画像形成装置)の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド(液体吐出ヘッド)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16(記録媒体)の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示、図6に符号88で図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部12を構成する各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
〔印字ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造について説明する。なお、インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
次に、印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造について説明する。なお、インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図2は、印字ヘッド50の構造の一部を簡略的に表示した平面透視図である。図2に示すように、本例の印字ヘッド50は、インク滴を吐出する複数のノズル51が千鳥状に配置された構造を有している。即ち、印字ヘッド50は、ノズル51を印字ヘッド50の長手方向に沿って並べた2つのノズル列51A、51Bを有し、ノズル列51Aに属するノズルとノズル列51Bに属するノズルとを印字ヘッド50の長手方向に位相をずらして配置された構成となっている。
また、印字ヘッド50は、各ノズル51に対応して設けられる複数の吐出側流路52と、各吐出側流路52のインク流入口である供給口54と、各供給口54を介して吐出側流路52と連通するインク主流55(供給側流路)と、印字ヘッド50(インク主流55)へ不図示のインク供給系からのインクが充填されるインク充填口60と、を有して構成され、吐出側流路52の内部には圧電素子58が設けられている(図3参照)。
なお、本例には2列のノズル列51A,51Bを有する印字ヘッド50を示したが、印字ヘッド50が有するノズル列は1列でもよいし、3列以上でもよい。
図3は、印字ヘッド50の立体構造を示す断面図(図2中3−3線に沿う断面図)である。図3に示すように、ノズル51と連通する吐出側流路52の内部には、略円筒状(略円柱形状)の圧電素子58が設けられている。圧電素子58は、略円筒状の圧電体70、外周側に配置される外部電極72、及び、内周側に配置される内部電極74から構成される。また、外部電極72は共通電極(共通電極層)56と導通するように構成され、共通電極56は、印字ヘッド50が有するすべての圧電素子58の外部電極と導通するように、印字ヘッド50の全面にわたって形成されている。更に、内部電極74のノズル51側と反対の端部は、個別電極80(図5参照)と導通する構造を有している。
本例に示す印字ヘッド50は、図3に示す圧電素子58の静定状態(駆動電圧が印加されていない状態)では、圧電素子58によって供給口54が閉じられており、インク主流55のインクは吐出側流路52へは流れない。即ち、圧電素子58は、その表面が供給口54の開口部と接触することで供給口54の開口部を閉塞する。
一方、インク主流55内のインクを加圧機構(加圧手段、図3中不図示、図9に符号124で図示)によって加圧した状態で圧電素子58に駆動電圧を印加すると、圧電素子58が収縮して供給口54が開放されて供給口54から吐出側流路52へインクが押し出され、該加圧機構の加圧力によりノズル51からインクが吐出される。即ち、印字ヘッド50は、圧電素子58を、その長さ方向(図3における上下方向)に変位(伸縮)させることで供給口54を開閉する構造を有し、圧電素子58は供給口54の開閉機構(開閉弁)として機能している。なお、圧電素子58の上部(ノズル51と反対側、例えば、共通電極56よりも図3における上側部分)は吐出側流路52の内壁面に接合される固定部分となっている。
図4(a),(b)には、圧電素子58の概略構造を示す。図4(a)に示すように、圧電素子58は、略円筒状の圧電体70と、圧電体70の外周側に配置される外部電極72と、圧電体70の内周側に配置される内部電極74と、から構成される。また、外部電極72のインクと接触する部分(外部電極72の表面及び、圧電素子58のノズル51側の端部)は有機フィルム76(被覆部材)により覆われている。この有機フィルム76は、所定の絶縁性と柔軟性を有した材料が用いられる。即ち、有機フィルム76は外部電極72とインクとの絶縁部材として機能するとともに、圧電素子58と吐出側流路52との間にできるスペースを埋める部材として機能し、吐出側流路52へのインクもれを防止する。
特に、本例の圧電素子58は、略円筒状の圧電体70の内周側を内部電極74で埋めた構造となっている。圧電体70は径方向に分極処理されており、分極方向(図4(b)に矢印線で図示)に略平行な電界が印加されると、該分極方向に略垂直な方向に変位する。即ち、外部電極72と内部電極74の間に所定の電界(駆動電圧)が印加されると、図4(a)の鉛直方向(矢印線で図示)に圧電体70が変位(収縮)する。
本例の圧電素子58は、有機フィルム76に覆われていない非被覆部分が吐出側流路52に固定され、外部電極72と内部電極74との間に駆動電圧が印加されると有機フィルム76に覆われている被覆部分が収縮するように構成されている。
なお、本実施形態では、略円筒状の圧電体70を例示したが、本発明の実施に際してはこれに限定されず、圧電体70が筒状(例えば、多角筒状、楕円筒状など)もしくは棒状に構成されていればよい。
このように構成される圧電素子58における図3の鉛直方向の変位量Nは、次式〔数1〕のようになる。
〔数1〕
N=d31×V×L/t
但し、d31は圧電歪定数、Vは印加電圧(駆動電圧)、Lは圧電体70の鉛直方向の長さ(可動部の有効長さ)、tは圧電体70の肉厚(電極間距離)である。上記〔数1〕で示されるように、同一材料で同一長さの圧電素子に同一電圧を印加する場合、圧電素子58のd31駆動モードを利用したときの圧電体70の鉛直方向の変位量Nを大きくするためには、圧電体70の肉厚tを薄く構成することが必要である。本例の圧電素子58は、前述したように、略円筒状の圧電体70の内周側を内部電極74で埋めた構造となっており(図4参照)、従来に比べて圧電素子58の剛性が高くなる。これにより、圧電体70の肉厚tをより薄く構成することができ、圧電素子58の変位特性が向上する。
N=d31×V×L/t
但し、d31は圧電歪定数、Vは印加電圧(駆動電圧)、Lは圧電体70の鉛直方向の長さ(可動部の有効長さ)、tは圧電体70の肉厚(電極間距離)である。上記〔数1〕で示されるように、同一材料で同一長さの圧電素子に同一電圧を印加する場合、圧電素子58のd31駆動モードを利用したときの圧電体70の鉛直方向の変位量Nを大きくするためには、圧電体70の肉厚tを薄く構成することが必要である。本例の圧電素子58は、前述したように、略円筒状の圧電体70の内周側を内部電極74で埋めた構造となっており(図4参照)、従来に比べて圧電素子58の剛性が高くなる。これにより、圧電体70の肉厚tをより薄く構成することができ、圧電素子58の変位特性が向上する。
なお、ここでいう圧電素子58の変位量Nとは、有機フィルム76に覆われた部分の変位量を示している。
本例に示す印字ヘッド50は、複数のキャビティプレートが積層された構造を有している。図5に示す個別電極80及びリード電極82は、印字ヘッド50を構成する1つのキャビティプレートに形成され、個別電極80は内部電極74と導電性接合部材(はんだ、導電性接着剤等)により電気的に接合される。
図5は、印字ヘッド50の個別電極80が形成される個別電極形成面80Aの表面を表した平面図である。この個別電極形成面80Aには、圧電素子58の内部電極74と導通する導電部(個別電極)80が形成される。また、個別電極80を個別電極形成面80Aの端部に引き出すリード電極82が形成される。即ち、駆動電圧生成部(図6のヘッドドライバ)で生成された駆動電圧は、不図示のフレキシブル基板、リード電極82、個別電極80を介して内部電極74に伝送される。
なお、図4(a)に示すように、圧電素子58の外部電極72の(鉛直方向の)高さは、内部電極74(若しくは圧電体70)よりも低く構成されている。これにより、外部電極72と個別電極80(又はリード電極82)が電気的に絶縁された状態で、内部電極74と個別電極80の電気的な導通を確保することができる。本例では、略四角形形状の個別電極80を示したが、内部電極74の形状に合わせて略円形でもよい。
〔制御系の説明〕
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース100、システムコントローラ102、メモリ104、モータドライバ106、ヒータドライバ108、プリント制御部110、画像バッファメモリ112、ヘッドドライバ114(駆動信号供給手段)、加圧制御部115(加圧制御手段)等を備えている。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース100、システムコントローラ102、メモリ104、モータドライバ106、ヒータドライバ108、プリント制御部110、画像バッファメモリ112、ヘッドドライバ114(駆動信号供給手段)、加圧制御部115(加圧制御手段)等を備えている。
通信インターフェース100は、ホストコンピュータ116から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース100にはUSB(Universal serial bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ116から送出された画像データは通信インターフェース100を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ104に記憶される。メモリ104は、通信インターフェース100を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ102を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ104は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ102は、通信インターフェース100、メモリ104、モータドライバ106、ヒータドライバ108、加圧制御部115等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ102は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ116との間の通信制御、メモリ104の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ118やヒータ119を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ106は、システムコントローラ102からの指示にしたがってモータ118を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ108は、システムコントローラ102からの指示にしたがって後乾燥部42(図1に図示)等のヒータ119を駆動するドライバである。
プリント制御部110は、システムコントローラ102の制御に従い、メモリ104内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ114に供給する制御部である。プリント制御部110において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ(駆動電圧生成部)114を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御(打滴制御)が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部110には画像バッファメモリ112が備えられており、プリント制御部110における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ112に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ112はプリント制御部110に付随する態様で示されているが、メモリ104と兼用することも可能である。また、プリント制御部110とシステムコントローラ102とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ114はプリント制御部110から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの圧電素子58を駆動する。ヘッドドライバ114にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
プログラム格納部120には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ102の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部120はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部120は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部110に提供する。
プリント制御部110は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
加圧制御部115は、システムコントローラ102から送られた加圧制御信号に基づいて、インク主流55内のインクを加圧する加圧機構124のオンオフや加圧力の大きさを制御する制御ブロックである。該加圧制御部は、加圧機構124のオンオフを制御するとともに、インク情報などの情報を参照して加圧機構124の圧力を可変させるように加圧機構124を制御する。本例では、インクジェット記録装置10の電源オン時にはインク主流55内のインクを常時加圧する態様を例示するが、印字データに応じて加圧手段124をオンオフ制御してもよい。
〔インク吐出の説明〕
次に、図7〜図9を用いて、本例に示す印字ヘッド50のインク吐出について説明する。上述したように、本例の印字ヘッド50は吐出側流路52の内部に設けられた略円筒状の圧電素子58を伸縮させて供給口54の開閉を行い、図7、図8に示すように、加圧機構(図6に符号124で図示)によりインク主流55内のインクを加圧した状態で供給口54を開放するとノズル51からインク126,126’が吐出される。
次に、図7〜図9を用いて、本例に示す印字ヘッド50のインク吐出について説明する。上述したように、本例の印字ヘッド50は吐出側流路52の内部に設けられた略円筒状の圧電素子58を伸縮させて供給口54の開閉を行い、図7、図8に示すように、加圧機構(図6に符号124で図示)によりインク主流55内のインクを加圧した状態で供給口54を開放するとノズル51からインク126,126’が吐出される。
図7は、供給口54が完全に開放された状態を示し、図8は、供給口54が略半分だけ開放された状態を示す。上記〔数1〕に示すように、圧電素子58の変位量Nは圧電素子58に印加される駆動電圧Vに比例する。したがって、この駆動電圧Vを適宜可変させることで圧電素子58の変位量Nをnm(ナノメートル)オーダーで制御することができ、供給口54の開口部の長さ(面積)をnmオーダー設定可能である。
即ち、図7に示す状態では、供給口54が完全に開放されており、供給口54の開口部の長さは供給口54の長さDとなっている。また、図8に示す状態では、供給口54が略半分だけ開放されており、供給口54の開口部の長さはD’(≒D/2)となっている。
このように、供給口54の開口部の長さを適宜可変させることで、単位時間当たりにインク主流55から吐出側流路52へ流れるインク量を変えることができる。このようにインク吐出量(本例では、数pl〜数十pl)を可変させると、記録紙16上に形成されるドットのサイズ変調が可能になり、高精細な画像形成を実現することができる。
即ち、図6に示す加圧機構124からインク主流55内のインクに付与される圧力が一定の場合、供給口54の開口部の長さと供給口54の開口面積を制御することで、ノズル51から吐出されるインク量の制御が可能となり、記録紙16上に形成されるドットの微妙なサイズ変調が可能になる。本例では、供給口54の開口部を全開及び半開の2段階に可変させる態様を示したが、更に、供給口54の開口部の長さを細かく設定する態様が好ましい。なお、供給口54の開口面積を一定(圧力一定)として、供給口54の開放期間を制御してインク吐出量を可変させてもよい。
また、駆動電圧の変化に対して応答性のよい圧電素子58を用いて供給口54の開口部の大きさを可変させるので、数十kHz程度(例えば、20kHz〜40kHz)の高い吐出周波数を維持しながら、安定してインクを吐出させることが可能である。
図9には、図6に図示した加圧機構124の一例を示す。図9に示す加圧機構124は、空気による加圧方式システムによりインク主流55内のインクを加圧するように構成される。即ち、加圧機構124はインク充填口60などに連通され、インク132が収容されている加圧タンク130と、該加圧タンク130内の圧力を可変させる加圧部材134と、を含んで構成される。
なお、加圧機構124によるインク主流55内のインクの加圧は、少なくともインク吐出時(印字実行時)に実行されればよい。もちろん、インクが吐出されない非印字実行時にインク主流55内のインクを加圧してもよい。また、粘度が高いインクを用いる場合には通常の粘度を有するインクを用いる場合に比べて加圧機構124から付与される圧力を大きくすることで、安定したインク吐出が実現される。
〔圧電素子の製造方法〕
次に、圧電素子58の製造方法について説明する。
次に、圧電素子58の製造方法について説明する。
圧電素子58は、図4(a)に示すように、円柱状(芯状)の内部電極74の外周に圧電体70を形成する。内部電極74には、圧電体70の焼成時に溶融しない材料、例えば、白金などを用いることが好ましい。圧電体70の形成には公知の方法を用いる。例えば、特開平8−20109号公報、特開平9−300614号公報に記載されるディップ法や、特開2004−200484号公報に記載されるAD(エアロゾルデポジション)法や、特開平8−336967号公報に記載される成膜法や、射出成形などがある。圧電体70の外径は、例えば、10μm〜200μmである。続いて、圧電体70の外周側に外部電極72をディップ法、成膜法により形成する。このとき、図4(a)に示すように、外部電極72の(鉛直方向の)高さが内部電極74及び圧電体70より低くなるように形成する。外部電極72と個別電極80(若しくはリード電極82)が電気的に絶縁された状態となるようにするためである。更に、圧電素子58のインクと接触する部分には有機フィルム76が形成される。この有機フィルム76の厚みは1μmから20μm程度である。
このようにして形成された圧電素子58は、別途作製された流路構造体の吐出側流路52となる穴部に挿入され、圧電素子58の外部電極72が共通電極56と導電性接合部材によって電気的に接合されるとともに、圧電素子58の非変形部分(固定部分)が吐出側流路52となる穴部に接合(固定)される。
また、個別電極80が形成されるキャビティプレートには、内部電極74が接触する部分に対して、薄膜状の導電部(個別電極)80をスクリーン印刷やスパッタリング等で形成され、同様にして、リード電極82も形成される。このようにして作製された該キャビティプレートの個別電極80は、圧電素子58の内部電極74と電気的に接合される。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10によれば、印字ヘッド50は略円筒状の圧電体70と、圧電体70の外周側に配置される外部電極72と、圧電体70の内周側に配置される内部電極74と、から構成される円柱状の圧電素子58を吐出側流路52内に備え、圧電素子58を変位させて吐出側流路52とインク主流55とをつなぐ供給口54の開口部を開閉するように構成されるので、非吐出時に供給口54を閉じる部材に個体差や経時変化の少ない圧電素子58を用いることで、非吐出時に吐出側流路52へのインクの流入を確実に防ぐことができる。
また、加圧機構によってインクに吐出力が付与されるので、粘度の高いインクを使用する場合にも吐出安定性を確保することができ、供給口54の開口部の大きさを圧電素子58に印加する駆動電圧によって精度よくコントロールできるので、記録紙16上に形成されるドットの微妙なサイズ変調が可能である。
本実施形態では、記録紙16上にインクを吐出させて所望の画像を形成するインクジェット記録装置(画像形成装置)を示したが、本発明は、媒体上に液体(処理液、薬液、水等)を吐出させる液体吐出装置にも適用可能である。
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、52…吐出側流路、54…供給口、55…インク主流、56…共通電極、58…圧電素子、70…圧電体、72…外部電極、74…内部電極、76…有機フィルム、80…個別電極、82…リード電極、114…ヘッドドライバ、124…加圧機構
Claims (8)
- 液体を吐出させるノズルと、
前記ノズルと連通する吐出側流路と、
前記吐出側流路へ液体を供給する供給側流路と、
前記吐出側流路と前記供給側流路とを連通させる供給口と、
変位部分が前記供給口を閉塞可能な位置に設けられる圧電素子と、
を有する液体吐出ヘッドと、
前記供給側流路内の液体を加圧する加圧手段と、
前記圧電素子に所定の駆動信号を与える駆動信号供給手段と、
を備え、
前記駆動信号供給手段から前記圧電素子に所定の駆動信号を与えて該圧電素子を変形させて、前記供給口を開閉することを特徴とする液体吐出装置。 - 前記圧電素子は、前記駆動信号供給手段から駆動電圧が印加されない駆動電圧の非印加時には、該圧電素子の変位部分が前記供給口と略同一又は前記供給口を超える大きさを有することを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
- 前記ノズルから液体を吐出させる液体吐出時に、前記供給側流路内の液体を加圧するように前記加圧手段を制御する加圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出装置。
- 前記圧電素子は、前記吐出側流路の内部に設けられることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液体吐出装置。
- 前記圧電素子は、筒状の圧電体の内周側に内部電極を有するとともに外周側に外部電極を有し、前記内部電極及び前記外部電極間に所定の駆動電圧が印加されると該圧電素子の長さ方向に変形することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記圧電素子は、外周側の少なくとも一部に所定の柔軟性を有する被覆部材を備えたことを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
- 前記圧電素子の内周側は、前記内部電極で埋められていることを特徴とする請求項5又は6記載の液体吐出装置。
- 請求項1乃至請求項7のうち何れか1項に記載の液体吐出装置を用いて記録媒体上の所望の画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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---|---|---|---|
JP2005259711A JP2007069489A (ja) | 2005-09-07 | 2005-09-07 | 液体吐出装置及び画像形成装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2010214652A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Fujifilm Corp | 画像形成装置及びミスト回収方法 |
JPWO2015190409A1 (ja) * | 2014-06-12 | 2017-04-20 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 |
-
2005
- 2005-09-07 JP JP2005259711A patent/JP2007069489A/ja active Pending
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