JP2007069211A - マイクロ化学反応装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】直列に複数接続されるチャンネル基板に形成されるマイクロチャンネルの開口同士の密着性を向上させることができるマイクロ化学反応装置の製造方法を提供する。
【解決手段】一方から他方の端面に延設された空洞のマイクロチャンネルを有するチャンネル基板と、前記チャンネル基板の前記端面を突出させる長さの貫通孔が形成された枠状体とを用意し、前記貫通孔内に前記チャンネル基板を収納するとともに前記チャンネル基板の前記端面を前記枠状体から突出させ、前記チャンネル基板のうち前記枠状体から突出した前記端面を研磨して研磨面を形成する工程を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、各種の化学操作を行うマイクロリアクタ装置が集積されている新規な構造のマイクロ化学反応装置と、それに用いるチャンネル基板およびその製造方法に関する。
マイクロリアクタ装置は、反応に用いる試料液も少量であり、反応も迅速に進行し、また得られる反応結果も高精度であるため、例えば高感度が必要とされる医療分析や環境分析の分野、超微量分子の選択的分離やその同定などが求められる生化学の分野などで注目を集めている。
このようなマイクロリアクタ装置としては、例えば、Si基板の表面に複数の独立した反応チャンバと注入ポートと排出ポートを異方性エッチングで形成し、更にこれらと連通する微細な凹溝を形成し、それらの上にガラス材の平板を配置して反応チャンバ、注入ポート、排出ポートを密閉してそれらの間を結ぶマイクロチャンネルを形成した構造の生化学反応用マイクロリアクタが提案されている(特許文献1を参照)。
このマイクロリアクタ装置は、全体として1枚の板状体になっている。試薬は注入ポートと基板の裏面間を結ぶ貫通孔から供給され、反応生成物や試薬の残液などは同じく排出ポートと基板の裏面間を結ぶ貫通孔から排出される。そしてその間、試薬などはマイクロチャンネルの中を流れる。
また、石英ガラス基板の表面にCO2レーザを照射して所定の寸法形状と平面パターンを有する凹溝を刻設し、そしてその上に石英ガラスのカバー体を配置して前記凹溝を密閉することによりマイクロチャンネルを形成した構造のマイクロチャンネル構造体が提案されている。
この構造体の場合、カバー体の所定箇所には試料注入用小穴、排出用小穴が形成されていて、試料はこの注入用小穴からマイクロチャンネルの所定箇所(端部)に注入され、そして排出用小穴から排出される。
これら先行技術のマイクロリアクタ装置の場合、いずれも、例えばある特定の反応操作のような1種類の化学操作を実施させることを目的として設計されており、また試料は基板の上面または下面から供給される構造になっている。
また、特定の化学操作を行う板状体のマイクロリアクタ装置の複数枚を積層した積層構造のマイクロ装置が、例えば、熱交換器、反応器、混合器として提案されている(非特許文献1を参照)。
このような積層構造の装置は、それを構成する単位マイクロリアクタ装置を単独で運転した場合に比べて、高い生産性を発揮するとされている。しかしながら、これら積層構造の装置は、あくまでも、ある特定の化学操作を行う機能しか備えていない。
ところで、化学反応を考えると、それは、反応用の流体試料を混合すること、混合試料に対して例えば制御された加熱処理を施して反応を加速させること、反応生成物と副生成物を分離すること、反応生成物を検出することなど一連の基本的な操作の集積であるといえる。
なお、これらの操作は、いずれも、化学反応の場(反応系)に、所定の試料を供給して化学反応を進め、最終的には反応生成物を分取する過程で必要とされる処理操作であり、この操作には、例えば、試料の供給、混合、反応、分離(または抽出)、検出(計測)などがあり、また反応処理に関しても、反応状態の計測、反応の促進、反応系の加熱や冷却などのプロセス制御のような処理操作がある。
以後の説明では、化学反応の実現のために必要とされる上記したような処理操作のことを一括して化学操作という。
このような観点に立って、1枚の基板に、試料の供給部から排出部にかけて、試料の混合領域、反応領域、分離領域、反応生成物の検出領域などを順次形成し、その間をマイクロチャンネルで連結した構造の集積型マイクロリアクタ装置が構想されている。
このような集積型マイクロリアクタ装置としては、例えばDNA解析の分野において、数cm角の基板に、試料を混合する箇所、混合試料の反応を進める箇所、反応生成物を分離・抽出する箇所、反応生成物を検出する箇所を形成し、それらの間をマイクロチャンネルで連結することにより、各化学操作を1枚の基板の中に集積した構造のμTAS(Micro Total Analytical System)が知られている。
しかしながら、このような集積型マイクロリアクタ装置の場合、小さな基板の中に各種の化学操作を行う領域を平面的に組み込むことは、製作上、かなり困難である。
そして、仮に1枚の基板に全ての領域が組み込まれることによって小型形状のマイクロリアクタ装置が得られたとしても、当該装置への試料供給、反応生成物の分取、または別の装置への接続などのためには、通常の配管や継手手段などを使用することになるので、結局、デッドスペースが多くなって装置全体としては大型化し、形状が小型であるという利点は減殺される。
また、このような集積型マイクロリアクタ装置では、基板に組み込まれる各化学操作の領域やマイクロチャンネルの構造は、ある特定の反応系に関するある特定の条件下での化学操作を前提として設計されるので、例えば反応系の試料変更に伴ってマイクロチャンネルの構造やその流路長の変更が必要になったり、化学操作の条件変更が必要になった場合には、対応不能となる。そのような場合には、結局、新たな設計基準の下で新しい装置として高コストをかけて作製し直すことが必要になる。すなわち、この装置は、反応系の変更に対する自由度に乏しいという問題がある。
更に、この集積型マイクロリアクタ装置の場合、例えば加熱制御や冷却制御などの反応系のプロセス制御に関しては、装置全体に対して実施することは可能である。しかし、それぞれが特定の条件を必要とする各化学操作のプロセス制御を、化学操作の各領域に対して個別に独立して実施することは事実上不可能である。
一方、マイクロリアクタ装置を製作する場合には、所定の寸法形状を有するマイクロチャンネルが所定の平面パターンで形成されており、またある化学操作を進める領域が形成されている基板(以後、チャンネル基板という)を製造しなければならない。
従来から、チャンネル基板としては、例えばガラス(石英ガラス)基板、Si基板、各種の樹脂から成る基板などが使用されているが、基板材料の種類に対応してマイクロチャンネルの製作に関しては種々の方法が適用されている。
例えば、未加工の基板の表面に、例えばX線リソグラフィーと電気めっきを組み合わせたLIGA技術を適用したり、または紫外線リソグラフィーとエッチング技術を組み合わせた半導体プロセス技術を適用して、当該基板の表面に、マイクロチャンネル用の凹溝を刻設したのち、そこに平板を配置して固定することにより当該凹溝を密閉してマイクロチャンネルが形成されている。
また、樹脂基板にマイクロチャンネルを形成する場合には、例えば紫外線硬化型樹脂から成る未加工基板を用意し、その表面に、紫外線を用いた露光と現像処理を行う光造形法を適用して、当該基板にマイクロチャンネル用の凹溝を刻設したのち、それを密閉してマイクロチャンネルが形成されている。
更には、未加工基板の表面に、直接、所定のスキャンニングパターンでレーザ光やイオンビームを照射するレーザ加工法やイオンビーム加工法を適用してマイクロチャンネル用の凹溝を刻設したのち、それを平板で密閉してマイクロチャンネルが形成されている。
しかしながら、これらの方法は、いずれも用いる設備・装置は高価であり、また条件設定はシビアで、製造工程は複雑であるため、製造されるチャンネル基板は高コストになるという問題がある。
とくに、例えば形成したマイクロチャンネルの表面に、更に微細な構造物を選択的に付加しようとする場合には、そのための工程は一層複雑化する。
特開平10−337173号公報 特開2000−298109号公報 Chem. Tech., (1998).27. pp124〜126
本発明は、まず、上述した従来の集積型マイクロリアクタ装置における問題点の解決を基本的な目的としている。
すなわち、本発明においては、反応系に必要な化学操作の領域を平面的に集積することを必ずしも必要としないチャンネル基板を用いても、全体として集積型マイクロリアクタ装置としての機能を発揮するので、製作は容易であり、また反応系の変更に対する自由度も大きく、更には、個々の化学操作に対する個別のプロセス制御も可能である集積型マイクロ化学反応装置とそれに連結される補助ユニットの提供を目的とする。
また、本発明においては、上記したマイクロ化学反応装置に組み込まれて所定の化学操作を行う新規構造のチャンネル基板と、それを高い生産性の下で従来に比べれば非常に簡単に製造する方法の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、
一方から他方の端面に延設された空洞のマイクロチャンネルを有するチャンネル基板と、前記チャンネル基板の前記端面を突出させる長さの貫通孔が形成された枠状体とを用意し、前記貫通孔内に前記チャンネル基板を収納するとともに前記チャンネル基板の前記端面を前記枠状体から突出させ、前記チャンネル基板のうち前記枠状体から突出した前記端面を研磨して研磨面を形成する工程を有することを特徴とするマイクロ化学反応装置の製造方法が提供される。
このマイクロ化学反応装置は、異なる機能を発揮する各種の化学操作ユニットを着脱自在に接続した構造になっている。そのため、例えば反応系の変更が必要になった場合、変更を要する化学操作ユニットを新たな反応系に適合する別の化学操作ユニットに交換したり、または新たに接続して装置に追加したりしてそのような事態に対応することができる。
また、各化学操作ユニット間は、従来のような継手手段を用いることなく、直接、相互の端面で気密に接続されているので、従来のような接続に伴うデッドスペースは発生しない。
また、センサ手段などを備えた補助ユニットを化学操作ユニットに連結することにより、化学操作ユニットで進行する化学操作の加速、計測、制御などをすることもできる。
本発明のチャンネル基板は、試料が送流されるマイクロチャンネルを横切って光導波路が形成されているので、ここから例えばレーザ光などを導入することにより、送流されている試料の状態を光計測したり、または試料に紫外光や可視光および赤外光などの光エネルギーなどを供給してその化学操作を活性化させることもできる。
また、このチャンネル基板のマイクロチャンネルには、当該チャンネル基板が担当する化学操作の促進部が形成されているので、マイクロチャンネルは試料の送流流路としての機能以上の機能を発揮することができる。
そして、このチャンネル基板は、材料としてガラス材を用いているので、金型成形が可能であり、その結果、形成するマイクロチャンネルが複雑な形状であっても、製造は容易であり、製造コストも安価になる。
本発明のマイクロ化学反応装置の1例を図1に分解斜視図として示す。
この装置は、試料の装置への供給という化学操作を行う供給ユニットU1、供給された試料の混合という化学操作を行う混合ユニットU2と混合試料の反応操作を行う操作ユニットU3とからなる反応ユニット、および反応生成物とその他の排液を送流する化学操作を行う送流ユニットU4を、それぞれの端面で、気密状態を保持し、かつ着脱自在に、直列に接続した構造になっている。そして、操作ユニットU3の側部には、後述する補助ユニットuが連結されている。
なお、図1では、反応ユニットが混合ユニットU2と操作ユニットU3とから構成されているが、必ずしも両ユニットU2、U3が必要ではない。例えば、各ユニットU2、U3に設置されている各チャンネル基板の構造を、一枚の基板に形成し、どちらかのユニットに設置することにより、混合・操作を一つのユニットで行うことができるので、どちらかのユニットを一つ省略することが出来る。
この装置の場合、供給ユニットU1に接続された供給ライン1a,1b,1cから供給ユニットU1に供給された3種類の試料は、混合ユニットU2に送流されてここで混合され、混合試料は操作ユニットU3に送流されてそこで所定の化学反応を起こし、そして送流ユニットU4に送流され、そこで反応生成物と排液に分流され、それぞれは送流ユニットU4に接続された排液ライン2a,2bから装置外に排出される。
ここで、各化学操作ユニットは、少なくとも1枚のチャンネル基板とそれを被包して支持する枠状体で構成されている。その1例UAを図2に示す。
このユニットUAは、その組み立てに際して、まず、5枚のチャンネル基板3を互いの端面3a(3b)を揃えた状態で積層して端面3A(3B)を有する積層構造を形成する。各チャンネル基板の積層に際しては、例えば各チャンネル基板を接着剤で接着して一体化する方法、熱圧着して一体化する方法や、端面を基準として適切な治具を用いて配列する方法などを適用することができる。
なお、図では5枚のチャンネル基板を積層した例を示したが、チャンネル基板の積層枚数は5枚に限定されるものではなく、何枚であってもよい。そして、積層構造の端面の大きさは100mm×100mm以下であることが好ましい。これは端面の平坦度が充分にだせるからである。また、ユニットUAの組み立て時に用いるチャンネル基板は1枚であってもよい。
ここで、チャンネル基板の1例を、図3と図3のIV−IV線に沿う断面図である図4に示す。このチャンネル基板は厚みが0.3〜3mm程度、幅が3〜100mm程度、長さが10〜100mm程度になっている。
このチャンネル基板3は、上記した角板形状の基板本体4の中に、その一方の端面3aから他方の端面3bにかけて所定の平面パターンをなして延設された空洞のマイクロチャンネル5が形成された1枚の板状体である。
したがって、このチャンネル基板3の場合、試料の流路であるマイクロチャンネルの両端部5a,5bは、基板本体4の端面3a,3bでそれぞれ開口しており、例えば一方が試料流入口、他方が試料流出口として機能する。
例えば、マイクロチャンネル5の幅と深さは、0.05〜数mm程度であり、その断面形状はほぼ正方形や長方形であるが、半円形状や円形の断面形状も可能である。
基板本体4を構成する材料としては、従来のように、ガラス材、Si、樹脂などを用いることができるが、例えば図1で示した操作ユニットU3を組み立てる場合は、後述する理由でガラス材であることが好ましい。
なお、チャンネル基板3におけるマイクロチャンネル5の平面パターンと全体の流路長、その断面形状、その表面構造などは、当該チャンネル基板が組み込まれる化学操作ユニットで実現させる化学操作との関係で適宜に設計すればよい。また、マイクロチャンネル5は、試料の形態(例えば、気体、液体、固体、粘性体)等も考慮して設計する。
なお、図3で示したチャンネル基板の場合、マイクロチャンネル5の端部5a(5b)と他の領域Bは同一平面上にあり、チャンネル基板の端面3a(3b)は全体として平坦な平面を構成している。
本発明でいうチャンネル基板の端面とは、上記した態様に限定されるものではなく、例えば図5で示したように、マイクロチャンネルの端部5a(5b)の周辺領域Aを領域Bに対して突出させ、これら領域Aの全体で端面3a(3b)が構成されていてもよい。
本発明におけるチャンネル基板の端面とは、図3の態様はもち論のこと、図5で示した態様を含めたものとして定義される。
再び図2に戻ると、ユニットUAの組み立てに際しては、枠状体6が用いられる。この枠状体6は、前記したチャンネル基板の積層構造の断面(マイクロチャンネルの延設方向と直交する方向の断面)と略同じ寸法形状の貫通孔6cを有するとともにチャンネル基板の積層構造の長さと略等しい長さを有している。そしてこの枠状体6の当該貫通孔6cの中に、枠状体6の両端面6a,6bと積層構造の両端面3A(3B)とを揃えた状態で当該積層構造を挿入・配置して例えば接着剤を用いて積層構造を枠状体に固定する。
このようにして組み立てられたユニットUAでは、図2で示したように、チャンネル基板の積層構造は、その側部・上面・下面を枠状体6で被包された状態で当該枠状体6によって支持・固定されており、積層構造の端面3A(3B)と枠状体6の端面6a(6b)が同一方向を向いている。
したがって、このユニットUA内には、両端面で開口する各チャンネル基板3のマイクロチャンネル5が一方の端面3Aから他方の端面3Bに向かって走行していて、ユニットUAにとっての試料の送流流路が形成されている。
なお、ユニットUAにおける枠状体6の端面6a,6bには後述する複数個(図では4個)の位置決め用ピン穴6dが設けられている。
図6に別のユニット例UBを示す。
このユニットは、枠状体6が溝6eを有する下部材6Aと押さえ板6Bの分割構造になっていて、溝6eの中に既に説明したチャンネル基板の積層構造を配置し、その上に押さえ板6Bを配置し、下部材6Aと押さえ板6Bを例えばねじ止めまたは接着して積層構造を枠状体6で支持している。
図7に更に別のユニット例UCを示す。
このユニットUCは、図2で示したユニットUAにおいて、枠状体6の一方の側部または両側部に開口部6fが形成されている。そして、この開口部6fの周囲にも後述する複数個(図では4個)の位置決め用ピン穴6dが設けられている。
したがって、開口部6fからは、枠状体6で支持されているチャンネル基板3(またはその積層構造)の側面が表出している。
このタイプのユニットUCは、例えば図1で示した操作ユニットU3として使用して好適なユニットである。すなわち、後述するように位置決め用ピン穴6dを用いて開口部6fに後述する補助ユニットuを連結し、この補助ユニットが備えている補助手段、例えば対象物を加熱するレーザ光照射手段を駆動することにより、個々のチャンネル基板3のマイクロチャンネル5の中に送流されている試料を加熱して目的とする反応の効率を高めるような反応系を組み立てることができるからである。
図8に更に別のユニット例UDを示す。
このユニットUDは、チャンネル基板3の積層構造がその両端で枠状体6C,6Dによって支持されたタイプの化学操作ユニットである。したがって、このユニットUDの場合、チャンネル基板3(またはその積層構造)において、枠状体6C,6Dで支持されている両端部以外の部分は裸出した状態になっている。ユニットUDの構造の場合、マイクロチャンネル5の端部5a、5b以外の部分を上下から観察することができる。言い換えると、試料の反応状態を上下から観察することが可能となる。
なお、上記したユニットUA,UB,UC,UDは、いずれも、複数枚のチャンネル基板の積層構造を用いることにより、各ユニットの端面にはマイクロチャンネルが2次元配列されている例であるが、本発明のユニットはこの態様に限定されるものではなく、例えば、図9で示したような構造のユニットUD’であってもよい。
このユニットUD’は、図8で示したユニットUDにおいて、チャンネル基板3が1枚であって、その両端が枠状体6C,6Dによって支持されたタイプの化学操作ユニットである。したがって、このユニットUD’におけるマイクロチャンネル5は、幅方向に一次元的に配列している。
これらの化学操作ユニットは、いずれも、枠状体の端面の所定位置に複数個(図では4個)のピン穴6dが設けられている。このピン穴6dは、各ユニットを端面接続したときに、それぞれのユニットが支持しているチャンネル基板3(またはその積層構造)におけるマイクロチャンネル5の開口端面が互いに面内での位置ずれを起こすことなく正しく連結するように、各ユニットを互いに位置決めするための手段である。
なお、図7のユニットUCの場合は、枠状体の側部にもピン穴6dが形成されているが、これは、側部の開口部6fに図1で示された補助ユニットuの位置を正確に連結するために設けられている。
これらの化学操作ユニットを、互いの端面で接続して図1で例示したマイクロ化学反応装置が組み立てられる。
その場合、各ユニットのマイクロチャンネルが互いの開口端面で面内の位置ずれを起こすことなく正しく連結して、供給ユニットU1から送流ユニットU4までの連結流路が形成されること、そして同時に、チャンネル基板(またはその積層構造)の接続部における気密状態が確保されていることが必要である。
接続部の気密状態が確保されていない場合は、試料が接続部で漏洩してしまう。また、各マイクロチャンネルが面内での位置ずれを起こして接続されている場合は、接続部に発生する流路の段差により試料の流れに乱れが生じたり、流路抵抗が大きくなって後段のユニットにおける化学操作の結果が設定目的値から偏倚するからである。いずれにしても、上記2条件が満たされない場合は、マイクロ化学反応装置は設計基準の動作をしなくなる。
上記した問題を実現するために、本発明では、まず、ユニットの接続部における気密状態の保持に関しては、次のような処理が施される。
第1の処理は、個々のチャンネル基板(またはその積層構造)の両端面に精密研削・研磨を施すことである。
それを、以下に図面に則して説明する。
今、図10で示したように、チャンネル基板3の端面に1,2,3・・・n個のマイクロチャンネル51,52,53・・・5nの開口端部が表出していて、各開口端部の周縁から幅tで囲われている領域をA1,A2,A3・・・Anとし、それ以外の端面の箇所を領域Bとする。
ここで、領域A1,A2,A3・・・Anを仮定した理由は、この領域が、領域Bとは無関係に、チャンネル基板3を接続したときに、マイクロチャンネル間の確実な気密状体を実現するために実質的に寄与する領域であると考えるからである。
端面状態を上記したように定義したとき、本発明においては、下記の条件を満たすように精密研削・研磨が施される。
まず、領域A1,A2,A3・・・Anの端面は全て同一平面上にあり、かつ領域Bの端面と同一平面上にあるか、または領域Bの端面からは突出していることである。そして、領域A1,A2,A3・・・Anの表面の平坦度は1μm以下、好ましくは0.5μm以下であり、またその表面粗さは100nm以下、好ましくは10nm以下になっていることである。更には、幅tは10μm〜1mmの範囲内にあることである。
例えば、図11で示したように、領域A1,A2,A3・・・Anの全てが同一平面上に存在していない場合には、たとえ領域A1の1つだけが領域Bよりも突出していたとしても接続時に気密状態を実現することは不可能である。また、図12で示したように、領域A1,A2,A3・・・Anが全て同一平面上に存在していたとしても、領域Bの一部が領域A1,A2,A3・・・Anよりも突出しているとすれば、その場合も接続時に気密状態を実現することはできない。
これに反し、図13で示したように、領域A1,A2,A3・・・Anと領域Bが全て同一平面上に存在する場合や、図14で示したように、領域A1,A2,A3・・・Anは全て同一平面上にあり、かつ領域Bよりも突出している場合には、もち論、平坦度、表面粗さ、およびt値が前記した値を満たす限りにおいて、完全に気密状態の接続部を形成することができる。
また、図15で示したように、領域A1,A2,A3・・・Anは全て同一平面上にあり、しかも領域Bよりも突出していさえすれば、領域Bに凹没や縁部のダレなどが発生していても気密状態の接続が可能である。
この精密研削・研磨処理が施されたチャンネル基板(またはその積層構造)の場合、互いの端面を押圧して端面接続した状態でマイクロチャンネル内にポンプ圧として20〜100MPaの水圧を印加しても、接続部での漏液は発生しない。すなわち、高水準の気密状態が保持される。
なお、配管抵抗があるので、接続部に実際に作用する圧力はポンプ圧より小さくなる。
ところで、この処理が施されたチャンネル基板(またはその積層構造)を用いたユニットの場合、組立て時に、その端面を枠状体の端面よりも、若干ではあれ、突出させることが必要である。チャンネル基板(またはその積層構造)の端面が枠状体の端面よりも凹没していると、ユニットを接続してもチャンネル基板(またはその積層構造)の端面は互いに当接することがないからである。
しかしながら、このような状態は、ユニットの接続時にチャンネル基板(またはその積層構造)の端面部分でぶつかってその部分の損傷を招くことがある。
このような問題を考慮して、本発明では次のような第2の処理が施されることを好適とする。
すなわち、第2の処理は、既に組み立てたユニットそれ自体の両端面を精密研削・研磨する。
その場合、少なくともチャンネル基板(またはその積層構造)の端面の平坦度と表面粗さは、前記した第1の処理の場合と同水準に保持される。
この第2の処理が施されることにより、処理後のユニットにおいては、チャンネル基板(またはその積層構造)の端面と枠状体の端面は面一状態になる。
しかしながら、この第2の処理の場合、厳密にいえば、チャンネル基板(またはその積層構造)と枠状体の境界部分には数十から数百nmオーダの微小段差が生ずる。そのため、ユニットをそのまま接続すると第1の処理の場合よりもユニット接続部の気密状態は劣化する。それでも、ポンプ圧として20〜70MPaの水圧を印加しても気密状態を実現することができる。
したがって、第2の処置は、精密研削・研磨後にユニットの組立てを必要とする第1の処置に比べると、気密状態が若干劣化するとはいえ、組立て工数の大幅な低減を実現することができ、また端面部分の損傷を確実に解消し得るという点で優れている。
上記した精密研削・研磨は砥石を用いて行われるが、その場合、大きい番数の砥石を用いた研磨から順次、番数が小さい砥石を用いた砥磨へと段階的に研磨作業が進められる。例えば、荒い回転砥石でチャンネル基板(またはその積層構造や組み立てたユニット)の両端面を研削し、研削面を例えば超音波洗浄したのち乾燥し、ついで、例えば酸化セリウムと、酸化マグネシウム、炭化けい素もしくはシリカなどとが一部混合されている回転砥石か、または酸化セリウムやコロイダルシリカなどの遊離砥粒を用いて上記した研削面を研磨する。
この過程で、砥石の番数、砥粒の粒度などを、チャンネル基板を構成するガラス材料の種類や基板のサイズなどに対応して適宜に選定し、また研磨回数を増減したり、研磨時の条件を適宜に選定することにより、最終の仕上げ端面の平坦度や表面粗さを前記した値にすることができる。
なお、上記した第2の処置は精密研削だけで行うこともできる。その場合には、砥石として1000番以上のものを用いる。表面粗さは若干悪化するか、しかし平坦度は向上するので、研削面積が大きい場合や、供給試料と反応しない樹脂製(例えば、ポリイミド樹脂製、ポリイミドアミド樹脂製など)、もしくはゴム製(例えば、バイトンゴム、シリコーンゴムなど)のパッキンを介装してユニット接続を行う場合には漏液が抑制されて有利である。
次に、ユニット間の端面接続時における位置合わせについて、図1の場合、混合ユニットU2と操作ユニットU3の端面接続の場合を例にして説明する。
なお、混合ユニットU2は図2で示したユニットUAタイプ、操作ユニットU3は図7で示したユニットUCのタイプである。
いずれのユニットも、その端面においては、図16で示したように、チャンネル基板の積層構造の端面3Aが枠状体6の端面6aよりも突出しており、そして当該端面3Aに対しては前記した精密研削(第2の処置)が施されている。積層構造の端面3Aを枠状体6の端面から突出させることにより、ユニットを接続したときに、積層構造の端面3Aのみが互いに当接するので、全体の接続面圧が上昇することに基因する供給試料の漏液という問題を解消することができる。
このようなことを踏まえて、端面3Aの突出量は100μm以下、好ましくは1〜10μmに設定される。
混合ユニットU2の枠状体6の両端面6a,6bには、所定の径と深さを有する4個の位置決め用ピン穴6dが形成され、また、操作ユニットU3の枠状体の両端面にも、混合ユニットU2の位置決め用ピン穴と対向する位置に同じく4個の位置決め用ピン穴が形成されている。
そして、ピン穴6dに挿抜可能な直径を有し、かつ2個のピン穴の合計深さよりも若干短い長さを有する嵌合ピン7を、図1の矢線で示したように、混合ユニットU2と操作ユニットU3の対向端面に形成されているそれぞれのピン穴6dに挿入したのち、一方のユニットを他方のユニットにマイクロチャンネル5の流路方向に沿って押圧する。なお、嵌合ピン7は、混合ユニットU2もしくは操作ユニットU3に一体成形されていても良い。
嵌合ピン7は、ピン穴6dよりも0.1〜2.0μm小径に設定する。
嵌合ピンの径を上記した値に設定することにより、図17で示したように、嵌合ピン7が嵌合されている箇所ではユニットU2とユニットU3の位置ずれは最小限度にまで緩和されて高精度な位置合わせを実現することができる。
また、ピンの嵌合後、一方のユニットをマイクロチャンネルの流路方向に沿って押圧するときにねじれが発生して、図18で示したように、ユニットの端面間に開きが生じたとしても、その開きの量が緩和されるので漏液が有効に防止される。また嵌合ピンは2個のピン穴の合計深さよりも短いので、混合ユニットU2の端面と操作ユニットU3の端面は、前記した気密状態を確保して確実に接触し、この両ユニットは気密に接続される。なお、対応するユニット間における嵌合ピンの位置精度は、±5μm以下、好ましくは±0.5μmに設定する。
しかしながら、仮に混合ユニットU2と操作ユニットU3の対向端面におけるそれぞれのピン穴6dは互いに位置づれを起こしていないとしても、混合ユニットU2のピン穴に対するチャンネル基板(またはその積層構造)のマイクロチャンネルの位置座標と、操作ユニットU3のピン穴に対するチャンネル基板(またはその積層構造)のマイクロチャンネルの位置座標とが互いに異なっていた場合は、マイクロチャンネルの開口端面は面内での位置づれを起こす。その結果、ユニット間の接続部における気密状態は確保されていても、マイクロチャンネルの連結流路は正しく形成されていないという装置が組み立てられることになる。
本発明では、このような問題を、次のような化学操作ユニットを用いることによって解決することができる。
図19はその1例UA’を示し、図20は別の例UA”を示す。
図19の化学操作ユニットUA’の場合、チャンネル基板3(またはその積層構造)を支持する枠状体6の貫通孔6cの底面に、いずれも枠状体6の長手方向に延びる複数本(図では2本)の逆V字型のレール6g,6gが一体形成されている。そして、この貫通孔6cに挿入・配置されるチャンネル基板3(またはその積層構造)の下面には、そのマイクロチャンネルの流路方向に沿って、前記逆V字型レール6g,6gと対向する位置に当該逆V字型レールと形状、寸法が高精度でネガ−ポジの関係にあるV字溝3c,3cが刻設されている。
このV字溝3cと逆V字型レール6gを噛み合わせ、例えば接着剤を用いてチャンネル基板3(またはその積層構造)を貫通孔6c内に固定することにより、化学操作ユニットUA’は構成されている。
このようにして、チャンネル基板3(またはその積層構造)と枠状体6の固定は、V字溝3cと逆V字型レール6gとの噛み合わせを、前記した位置決めピンによって高精度に行うことができる。
その場合、チャンネル基板3(またはその積層構造)の外形寸法を枠状体6の貫通孔の寸法よりも小さくすることが必要である。具体的には両者のクリアランスを5〜20μmに設定する。
そして、両者を接着固定する際に、上記したクリアランスには接着剤が充填されて、図21で示したように、両者の間に接着剤層が介装された状態になる。この接着剤層が介装されていることにより、外部からの応力に基づくチャンネル基板3(またはその積層構造)の変形が緩和される。
供給ユニットU1から送流ユニットU4の全てを上記した構造にすることにより、それぞれのユニットの端面にピン穴を形成する際には、全てのユニットにつき、既に位置決めされているチャンネル基板3(またはその積層構造)の所定箇所(例えば特定のマイクロチャンネルの特定の角部)を位置決め基準にすれば、全てのユニットにおけるピン穴は共通の位置座標で形成されることになる。
逆にいえば、各ユニットのそれぞれ対応するピン穴を合致させれば、各ユニットのチャンネル基板3(またはその積層構造)におけるマイクロチャンネル5の開口端面は互いに位置ずれを起こすことなく連結することになる。
図20の化学操作ユニットUA”は、ユニットUA’の逆V字型レールに代えてV字溝6hが形成され、またチャンネル基板3(またはその積層構造)の下面に前記V字溝6hと対抗する位置に当該V字溝6hと例えば同じ形状のV字溝3dが形成され、2種類のV字溝が形成する空間の中に位置決めピン7Aが挿入されることにより、チャンネル基板3(またはその積層構造)と枠状体6との位置合わせがされている。
このユニットUA”の場合も、ユニットUA’の場合と同じ機能を発揮する。
このような手段を行使することにより、混合ユニットU2と操作ユニットU3をピン穴とピンを用いて端面接続すれば、各ユニットのマイクロチャンネルの開口端面は面内における位置ずれをほとんど起こすことなく正しく連結され、ここに、混合ユニットU2と操作ユニットU3を貫く連結流路が形成される。
このとき、マイクロチャンネル5の断面寸法は、前記したように、その一辺が数十μm〜数百μmの範囲内にあることを考慮して、本発明においては、前記した位置決め基準に対する精度を5μm以下、好ましくは0.5μm以下に設定する。ピン穴の位置決め精度が上記設定値になっていれば、ユニットを接続したときに、マイクロチャンネル間の面内における位置ずれが起こったとしても、マイクロチャンネルの断面はこの位置ずれに比べて極めて大きいので形成された連結流路における試料の送流状態の乱れや接続部での試料のよどみなどの不都合な現象は事実上起こらなくなる。なお、位置決め基準の精度の目安としては、マイクロチャンネルの一辺の長さの1/20〜1/10に設定する。
例えば、チャンネル基板と枠状体をいずれも透明ガラスで作製し、ピン穴の位置決め精度を0.5μmに設定し、かつ前記した第2の処置による端面の精密研磨が施されているユニットを接続し、連結流路に着色水をポンプの水圧20〜70MPaで送流して流路の顕微鏡観察を行ったところ、接続部におけるよどみ、他の連結流路からの着色水の混入などの現象は認められなかった。
そして、各ユニットを分離したのち再び接続する操作を10回反復したのち、上記と同様の試験を行ったが、連結流路への着色水の混入や接続部におけるよどみなどはやはり観察されなかった。
ここで、本発明のマイクロ化学反応装置への試料の供給、および反応生成物や排液の回収のために用いて好適なコネクタ部材について説明する。
なお、このコネクタ部材には、試料供給用のコネクタ部材と回収用のコネクタ部材の2種類があり、前者はマイクロ化学反応装置の最上流側に配置され、後者は装置全体の末端に配置される。
例えば、図1で示した装置に則していえば、供給用コネクタ部材は混合ユニットU2に接続されている供給ユニットU1に相当しており、回収用コネクタ部材は操作ユニットU3に接続されている送流ユニットU4に相当している。
ここで、コネクタ部材の1例Cを図22に示す。
このコネクタ部材Aは、例えばガラス材や樹脂から成る本体12と分岐フェルール(図示しない)に接続されている複数本のマイクロチューブ13とコネクタ14で構成されている。
本体12の一方の端面12aは接続対象の化学操作ユニット(例えば図1の混合ユニットU2)との接続端面であって、そこには、既に説明した複数個(図では4個)の位置決め用ピン穴6dが形成され、またその端面は前記した精密研削・研磨を施すことによって対象とする化学操作ユニットとの接続時に気密状態を確保できる状態になっている。
そして、本体12には、その接続端面12aから他方の端面にかけて、接続対象の化学操作ユニットの接続端面に表出しているマイクロチャンネルの開口部の配列態様に対応して配列する複数個の貫通孔15が形成されている。本体12の他方の端面側においては、各貫通孔15と各マイクロチューブ13がコネクタ14で連結されている。
なお、貫通孔15の数は、接続される化学操作ユニットとの連結構造により適宜、設計される。例えば、図22では、貫通孔15が4列×4列の計16個の孔が形成されているが、これは(図示しないが)接続する化学操作ユニットの供給もしくは送流の口数と対応させているためである。このため、化学操作ユニットの供給もしくは送流の口数が4であれば、貫通孔15として4列×1列の計4個の孔を形成すればよい。
このようにして、コネクタ部材Cには、マイクロチューブ13←→コネクタ14←→貫通孔15←→接続端面12aという連結流路を有する複数個の試料供給経路が形成されている。
ここで、貫通孔15の口径は、接続対象の化学操作ユニットの接続端面に表出しているマイクロチャンネルの開口部より大きくなっている。これは、このコネクタ部材と化学操作ユニットを端面接続したときに、貫通孔15の口径内にマイクロチャンネルの開口部を収容することにより、気密状態を確保するためである。
例えば、接続対象の化学操作ユニットにおけるマイクロチャンネルの接続端面が、図5で示したように、突出する領域Aで形成されている場合には、コネクタ部材Cの接続端面における貫通孔の口径は、上記した領域Aを包含できる程度の大きさに設定される。
しかし、貫通孔15の口径をあまり大きくすると、接続部で試料の流れが乱れるようになるので、貫通孔の口径はマイクロチャンネルの開口部よりも5〜10μm程度大きくすることが好ましい。
別のコネクタ部材Dを図23に示す。
このコネクタ部材Dの本体12は、その接続端面12aに複数個(図では4個)の位置決め用ピン穴6dが形成されており、そして中心部は切除されて他端面にまで至る空洞16が形成されている。そして、本体12の他端面側においては、この空洞16とSUS製のチューブ17がコネクタ14で連結されている。なお、チューブ17は、SUS製以外にもアルミ、銅、樹脂製など、送流される試料から受ける圧力により破壊されなければ特に限定されない。
上記した空洞16の大きさが、接続対象の化学操作ユニットの接続端面に表出しているマイクロチャンネルの開口部の全てを包摂できる大きさになっていることは図22で示したコネクタ部材Cの貫通孔の場合と同じである。
このコネクタ部材Dは、主として次のような態様で使用される。
まず、一方の端面(上流側端面)に例えば1個の試料流入口を有し、他方の端面(下流側端面)に複数個の試料注出口を有し、この試料注入口から分岐する複数の試料供給流路を有するチャンネル基板で構成された化学操作ユニットの上記一方の端面に接続して使用される。
すなわち、チューブ17から供給された試料を空洞16内に充満させたのち、化学操作ユニットの1個の試料流入口から当該ユニット内に供給するという態様で使用される。
また逆に、化学操作ユニットの下流側端面に接続し、化学操作ユニットの各マイクロチャンネルから流出してくる試料を合流するために用いることもできる。
図24は、図1で示したユニットU2、ユニットU3、および図22で示したコネクタ部材C,C(図1におけるユニットU1とユニットU4に相当)を互いに位置決め用ピン−ピン穴を用いて端面接続し、全体をばね機能を有する結合クリップ18で長手方向(流路方向)に押圧して組立てたマイクロ化学反応装置を示す。
なお、この装置において、例えばコネクタ部材CとユニットU2の接続部や、ユニットU3とコネクタ部材Cの接続部に、図25で示したように、マイクロチャンネルの配列に対応する配列で形成されている孔と位置決め用ピン穴に対応する穴が形成されているシールフィルムを介在させるとより一層の流密状態が確保される。
なお、ユニットU3に接続するコネクタ部材が図23で示したような部材Dである場合には、図26で示したようなシールフィルムを介在させればよい。
次に、本発明のチャンネル基板と補助ユニットについて説明する。最初にチャンネル基板について説明する。
本発明のチャンネル基板の1例A1を図27に示す。
このチャンネル基板A1は、基板本体4の中に、一方の端面3aから他方の端面3bにかけて平面パターンがY字形状をしたマイクロチャンネル5が延設され、そのマイクロチャンネルの適宜な箇所には、基板本体4の一方の側端面3eからマイクロチャンネル5までを結ぶ光導波路9が形成されている。すなわち、基板本体4は全体としてガラス材で構成されていて透光性を備えており、前記した光導波路9の部分が他の部分に比べて高屈折率のコア部になっている。
このチャンネル基板は、一方の端面3aに開口する2個の試料流入口5a,5a’から例えば別種の試料を送流し、合流点5cで試料を混合し、その混合試料を、他方の端面3bに開口する試料流出口5bから別のチャンネル基板のマイクロチャンネルに送流するという試料の混合操作を行うための基板であり、例えば図1の装置における混合ユニットU2に組み込まれる。
そして、基板本体の側端面に例えば後述の補助ユニットであるレーザ光照射ユニットを取付けて、光導波路9の端面9aからレーザ光を入射して使用される。
合流点5cで得られた混合試料は、光導波路9の他端面9bから出射するレーザ光によって加熱される。このときに用いるレーザ光としては、送流されている試料が吸収することができる波長のレーザ光であればよい。
上記した光導波路9は、各種の方法で基板本体4の所望箇所に形成することができるが、例えばパルス幅がヘムト秒オーダであるへムト秒レーザ光を用いて形成することが好適である。この方法によれば、基板本体の中にマイクロチャンネルを形成したのちに、基板本体の任意箇所に正確に位置決めされた光導波路を形成することができ、しかも部分的に形成することができるからである。
このヘムト秒レーザで光導波路9を形成する場合、図28で示したように、まず既にマイクロチャンネル5が形成されている基板本体4を用意する。そして、Ti:サファイアレーザから発振したヘムト秒レーザ光をNDフィルタでパワー調整したのち、レンズで、基板本体内のマイクロチャンネル5が位置する深さ、具体的にはマイクロチャンネルの側面の高さ方向における中心部の深さにレーザビームの焦点を結ばせ、その状態で基板本体の面内に形成すべき光導波路9の平面パターンを描画する。例えば図27の場合は、基板本外4の側端面3eの位置から既に形成されているマイクロチャンネル5の位置まで直線的にレーザビームの照射位置をずらしていけばよい。
レーザビームの照射位置では、その焦点を結んでいる箇所に導入されたレーザ光エネルギーによってある種のガラス欠陥が発生し、その部分が高屈折率化する。そのため、レーザビームをスキャンニングすることにより、スキャンニング後の箇所が高屈折率のコア部に転化していき、基板本体の中に目的とするパターンの光導波路が形成される。
その場合、レーザビームのパワー密度やビーム焦点の絞り度合を調整して導入エネルギーを制御することにより、光導波路の断面の大きさなどを調節することができる。
もち論、基板本体の材質によっても変化させることが必要であるが、例えばTi:サファイアレーザを用いた場合、入射エネルギーを1〜100μJ、好ましくは10〜50μJ、パルス幅を50〜1000ヘムト秒、好ましくは100〜300ヘムト秒、パルス周期を1〜1000Hzにして光導波路9を形成することができる。
図29に別のチャンネル基板A2を示す。
このチャンネル基板A2の場合、光導波路9がマイクロチャンネル5を横切って基板本体4の一方の側端面3cから他方の側端面3fまで形成されている。図では、光導波路9が一本になっているが、この本数は任意であってよい。このチャンネル基板A2も試料の混合操作を行うことができる。
そして、このチャンネル基板の場合、基板本体の側端面3eに後述する補助ユニットの例えば光ファイバのアレイユニット(図示しない)を光導波路9と同軸的に配置し、同時に他の側端面3fに同じく補助ユニットである例えば受光素子を光導波路9と同軸的に配置して使用することができる。
例えば光ファイバアレイユニットから計測用のレーザ光を光導波路9に入射すると、そのレーザ光はマイクロチャンネル5に送流されている混合試料を透過して受光素子で受光される。そのとき、目的とする合成物質が有している特有の吸収波長に相当する波長のレーザ光を照射し、そのレーザ光の例えば強度変化を計測することにより、混合試料における反応状態を計測することができる。
なお、上記したように光導波路とマイクロチャンネルを集積することは、本発明のマイクロ化学反応装置だけではなく、従来のマイクロリアクタ装置に適用することもできる。
次に補助ユニットuについて説明する。
図1で示した装置の場合、操作ユニットU3の側部の開口部6fに、補助ユニットuが連結されている。
なお、ここでいう補助ユニットとは、それぞれの化学操作ユニットで進行する化学操作を補助するための手段を備えているモジュールのことである。具体的には、それぞれの化学操作ユニット内の化学操作の結果を計測・検知する手段(例えば、図29の基板A2に関して説明した光ファイバアレイや受光素子)、化学操作ユニット内の試料を加熱(または冷却)する手段(例えば図27の基板A1に関して説明したレーザ光照射ユニット)、また、化学反応の進行を制御する手段を備えたユニットなどである。
図1の装置の場合は、試料を加熱して反応速度を高めるためのレーザ光照射ユニットが補助ユニットとして例示され、また、操作ユニットU3内のチャンネル基板としては、図27の基板A1のように、側端面3eからマイクロチャンネル5にかけて光導波路9が形成されている基板が例示されている。
レーザ光照射ユニットと操作ユニットU3との連結状態の1例を図30に示す。
図30において、ユニットuの前端面10aにも前記したピン穴が形成されている。そしてユニットuは、操作ユニットのピン穴6dとの間でピン7を用いて操作ユニットU3の側部に位置決めして連結されている。この連結によって、ユニットuの前端面10aは操作ユニットU3の開口部6fの中に表出し、チャンネル基板3の積層構造(5枚の積層体)の側面と対向する。
そして、ユニットuの中には、5本の光ファイバ10bが後端部から前端面10aにかけて配線されている。その場合、各光ファイバ10bは、それぞれの先端10cが積層構造における各マイクロチャンネル基板3の側端面3eに表出している光導波路9の端面9aと同軸的に対向するように配線されている。
なお、このようなレーザ光照射ユニットの光導波路としては、光ケーブルの配線に用いる例えば5芯テープなどを使用することができる。
このユニットuの場合、レーザ光源(図示しない)に接続された光ファイバ10bに所定波長のレーザ光を入射させ、入射したレーザ光をユニットuの前端面10aにおいて各光ファイバの先端10cから出射させる。
出射したレーザ光は、各チャンネル基板3の側端面3eに表出している光導波路9の端面9aからに入射して各光導波路をマイクロチャンネル5まで伝搬してそこで出射する。そして、マイクロチャンネル5に送流されている試料はレーザ光を吸収することにより加熱され、そして活性化する。
このように、ユニットuは、それが備える加熱手段(レーザ光照射手段)の働きで操作ユニットU3における化学操作の進行を補助する(化学反応を促進する)ユニットとして機能する。
その場合、各チャンネル基板の光導波路に入射させるレーザ光の使用波長はそれぞれ独立して変化させることができるので、各チャンネル基板のマイクロチャンネルに送流させている試料の種類に対応して加熱温度をそれぞれ変化させることができる。すなわち、反応系の変更に対しても大きな自由度を発揮することができる。
なお、この場合、使用レーザ光の波長としては、試料が吸収する波長が選択される。
以上の説明は、補助ユニットとしてレーザ光照射ユニットを用い、これを操作ユニットU3に連結した場合であるが、補助ユニットはこのユニットに限定されるものではなく、また連結の対象も操作ユニットU3に限定されるものでもない。以下にそれを説明する。
このことの説明に先立ち、再び本発明のチャンネル基板について説明する。
図31に、本発明の別のチャンネル基板の1例A3を示す。
このチャンネル基板A3では、基板本体4の中に所定の平面パターン(図ではY字パターン)でマイクロチャンネル5が形成され、基板本体4の上面3gに溝部11が刻設されている。したがって、この基板A3は、基板A1や基板A2のように、試料の混合操作を行うことができる。
溝部11は、マイクロチャンネル5と直接に交差することなく、当該マイクロチャンネルの合流点5cの下流側の箇所に流路方向と直交する方向に形成されていて、一方の端部は基板本体4の一方の側端面3eと一致して開放されている。そして、この溝部11の表面には、例えば導電材料から成る通電路11aが配線され、その両端11b,11bは給電部として溝部の開口端の近傍に位置づけられている。
なお、通電路11aの配線に関しては、例えば、炭素やSiCなどを用いてスパッタ法やCVD法を適用して形成するか、またはそれらの微粉末と接着剤や溶剤との混合ペーストを塗布したのち焼成したり、またはPtやWなどを用いてスパッタ法や蒸着法を適用して形成するか、またはそれらの金属微粉末と接着剤や溶剤との混合ペーストを所定の線幅で塗布したのち焼成することによって実現できる。
このチャンネル基板A3の場合、給電部11b,11bに給電すると、通電路11aが抵抗発熱してヒータ部として機能する。
ヒータ部で発生した熱量は、溝部11とマイクロチャンネル5の間に位置する基板本体を伝熱して溝部の直下に位置するマイクロチャンネル5に到達し、送流されている混合試料を加熱する。このとき、通電路11aへ供給する電力を変化させることにより、マイクロチャンネル内で送流されている試料の温度を変えることができる。なお、電力は電流や電圧を抑制することにより制御可能である。
このチャンネル基板A3を積層してその積層構造を枠状体で支持することにより、例えば図1で示した混合ユニットU2を組み立てることができる。
そして、そのユニットU2の側部に図7のユニットUCのような開口部を形成し、一方、通電量の調節手段を複数個備えている補助ユニットuを製作し、各調節手段の端子を各チャンネル基板A3の給電部11b,11bに接続した状態でこの補助ユニットuを、図30R>0で示したレーザ光照射ユニットの場合と同じようにして前記混合ユニットU2の側部の開口部に連結して各調節手段をそれぞれ動作させることにより、この混合ユニットU2では、それぞれのチャンネル基板A3における試料を個別に独立して加熱することができる。
そのとき、チャンネル基板A3に更に熱電対を配置し、また補助ユニットuに温度制御手段を付加すれば、試料温度の制御が可能になる。その場合の補助ユニットuは、加熱手段に加えて温度制御手段も備えていることになる。
ところで、前記した従来の積層型マイクロリアクタ装置は全体が恒温槽に収容されるので、装置全体の温度制御は実現されている。しかし、個々のチャンネル基板の温度制御は困難であり、また1枚のチャンネル基板状内における急峻な温度分布を実現することは不可能である。
しかしながら、上記した補助ユニットを連結して運転する本発明の装置の場合、個々のチャンネル基板A3の温度制御を、例えば目標温度200℃において精度±0.5℃で行うことができ、しかも1枚のチャンネル基板A3の中で溝部11の直下部分のみを局部的に加熱しているのでチャンネル基板内に急峻な温度分布を実現することが可能である。例えば、最高温度の1/2の温度となる部分が、加熱箇所の2〜3倍以内の広さにすることができる。
なお、この補助ユニットuは、その連結対象が本発明のマイクロ化学反応装置に限定されるものではなく、従来タイプのマイクロリアクタ装置に連結して使用することもできる。
更に別のチャンネル基板の例A4を図32に示す。
このチャンネル基板A4は、基板本体4の中に平面パターンがY字状をしたマイクロチャンネルが形成され、試料の混合操作を効率よく行うことができるチャンネル基板である。
このチャンネル基板A4では、合流点5cの下流側に位置する合流マイクロチャンネルの流路壁面5dに、複数(図では3個)の微細な凸部5eが形成されていて、当該壁面5dの一部は凹凸表面になっている。その場合の凹凸の度合は、nmオーダ、μmオーダ、サブmmオーダなど適宜に設定される。
なお、この凸部5eは、図のように1つの壁面に形成されていてもよく、また他の壁面や全ての壁面に形成されていてもよい。また、凸部5eは、合流マイクロチャンネル5Cの流路のうち、合流点5cに近い位置に形成されていることが好ましい。
このチャンネル基板A4の場合、端面開口5a,5a’からマイクロチャンネル5に流入した2種類の試料は合流して、それぞれ壁面5dの凸部5eの作用で流れが乱れ、混合が促進される。
したがって、このチャンネル基板A4では試料の混合操作が効率よく進行し、凸部5eは、チャンネル基板A4の化学操作である混合操作に関して化学操作促進部として機能する。
上記した化学操作促進部を備えた別のチャンネル基板の例A5を図433に示す。
このチャンネル基板A5では、合流マイクロチャンネルの壁面5dに、後述する化学操作促進部としての塗膜5fが形成されている。
なお、この塗膜5fの形成箇所は、合流マイクロチャンネルの壁面であることに限定されず、チャンネル基板で実現する化学操作との関係でマイクロチャンネル5の流路内の適宜な箇所に形成してもよい。
塗膜5fとしては、例えば、マイクロチャンネルに送流されている試料の反応速度を促進するために触媒(例えばPt,Cu,Ag,Niなどの金属触媒またはTiO2のような光触媒)を塗布して成る塗膜がある。この場合の塗膜は、このチャンネル基板AAにおいて反応操作の促進部として機能する。
また、光や電磁波の吸収体または反射体から成る塗膜を採用することができる。例えば、SiC、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)のように近赤外から赤外の波長光を吸収する材料の塗膜5fをあげることができる。
この場合の塗膜は、光や電磁波の吸収によって発熱し、または反射により導入エネルギーを試料に供給し、当該試料に吸収させることにより、送流されている試料に対する加熱操作の促進部として機能する。
更に、塗膜5fとしては、例えばSiC,Si34,アモルファスカーボン,DLC,Al23のような熱伝導体から成る塗膜であってもよい。また、反射用の塗膜としては、Al,Au,Ag,Ni,Ptなどの金属膜や、TiO2,Ta25とSiO2などの多層反射膜であってもよい。
この場合の塗膜も、送流されている試料に対する加熱操作の促進部として機能する。
本発明のチャンネル基板は、上に例示したA1〜AAに限定されるものではなく、これらを適宜に組み合わせて、複合した化学操作を実現させることができる。
例えば、基板A1の光導波路と基板A3のヒータと基板A4の凹凸表面と基板AAの操作促進部を組み込むことにより、1枚のチャンネル基板内に送流されている試料に対して、高効率の混合操作、試料の反応性を高める操作、高効率で急峻な加熱操作とその制御操作を集積することができる。
また、基板本体に、例えば圧力センサ手段、バルブ手段、ダイナミックミキサ手段、ポンプ手段などを組み込むことにより、より一層複合化した機能を集積することができる。
そして、このチャンネル基板(またはその積層構造)を用いて化学操作ユニットを組立て、そのユニットに、各チャンネル基板の機能に対応した手段(例えば給電手段、光照射手段、信号の入出力手段、計測手段など)を備えた補助ユニットを連結することにより、化学操作ユニット内における個々のチャンネル基板の化学操作を制御することができるマイクロ化学反応装置が製作される。
上記したチャンネル基板は次のようにして製造することができる。
まず、図34で示すように、後述する方法で製造した第1のガラス基板19Aを用意する。この第1のガラス基板19Aの一方の表面には、形成すべきマイクロチャンネルの平面パターンを有し、一方の端面から他方の端面へと延設された凹溝19aが形成されている。
ついで、図35で示すように、下金型20aの上にこの第1のガラス基板19Aを配置し、更に、この凹溝側の表面に平板形状の第2のガラス基板19Bを配置し、両基板を加熱して上金型20bと下金型20aで圧接する。その結果、第1のガラス基板19Aと第2のガラス基板19Bの接触部が接合して両基板は一体化し、前記した凹溝の開口上部は第2のガラス基板19Bで密閉され、内部に空洞のマイクロチャンネル5が形成される。
この熱圧プレス時に適用する温度は、用いたガラス基板の軟化点よりも5〜150℃低い温度であることが好ましい。温度が軟化点マイナス150℃未満であるとガラス基板の軟化が不足してマイクロチャンネルの形成が困難である。また軟化点マイナス5℃以上の温度にすると、ガラス基板の軟化が過度に進み、凹溝が加圧方向に変形して当初の形状を保持したマイクロチャンネルが形成できなくなり、しかもガラス基板が金型と密着して離型ができなくなるからである。
また、熱圧プレス時に適用する加圧力は50〜300g/mm2の範囲内にあることが好ましい。50g/mm2より小さい加圧力ではガラス基板へマイクロチャンネルを形成することが困難であり、また300g/mm2より大きい加圧力では金型とガラス基板が密着して離型ができなくなるからである。
第1のガラス基板19Aの製造に関しては、まず下型の上に平板形状ガラス基板を配置する。このガラス基板は、通常、幅が数mm〜100mm程度、長さが数mm〜100mm程度、厚みが0.1mm〜数mmの平板チップである。
そして、図36で示したように、前記した凹溝19aの形状とネガ−ポジの関係にある突起形状19a’を有する型面の金型19A’を用意し、少なくとも前記ガラス基板をその軟化点より5〜150℃低い温度に加熱した状態で、金型の型面をガラス基板の表面に押圧し、その後徐冷してから金型を離型する。
ガラス基板には金型の型面が転写され、形成すべきマイクロチャンネルの形状と同じ形状の凹溝が形成され、前記した第1のガラス基板が得られる。
このとき、金型の型面に凹凸を形成しておけば、例えば図32で示した基板A4用の第1のガラス基板にすることができる。
金型の材料としては、例えば、アモルファスカーボン(またはガラス状カーボン)やSiC、またはそれらにSiコーティングやDLCコーティングを施したものが好適である。これらは成形するガラス材との融着が起こりにくく、離型しやすいため、成形サイクルを短縮することができるからである。
なお、上記したようにして第1のガラス基板を製造したのち、凹溝の所定箇所に触媒を塗布することにより、例えば図33で示した基板A5用の第1のガラス基板にすることができる。
このチャンネル基板の製造方法において、第1のガラス基板と第2のガラス基板の接合は熱圧プレス技術を適用しているので、接合に要する時間は短時間である。しかしながら、得られたチャンネル基板の熱変形や熱歪みを除去するためには、接合後に徐冷することが必要である。そのため、全体の製造時間はこの徐冷工程で律速されることになり、そのためあまり高い生産性を期待することはできない。
このようなことを考慮すると、次のような装置で製造することが好ましい。この装置の1例を概略図として図37に示す。
この装置は、ガラス基板のストック部100、ガラス基板の供給部110、熱圧プレス部120、基板の搬送部130、および受台140がこの順序で直列に配置されていて、機能的には、接合工程と徐冷工程が別装置を用いて連続的に進められる装置である。
まず、前記した第1のガラス基板101と第2のガラス基板102がストック部100に配置される。供給部110には搬送ロボット111が設置されていて、この搬送ロボット111によって、ガラス基板101の上にガラス基板102がセットされ、そして両者は熱圧プレス部120に供給される。
熱圧プレス部120には、基板ホルダ121と搬送ロボット122が設置されていて、搬送ロボット111で基板ホルダ121に供給された1組のガラス基板123は各ガラス基板の位置決め後に熱圧プレス部120で所定温度に熱せられ、そしてプレスされてチャンネル基板になる。
熱圧プレス後のチャンネル基板は、搬送ロボット122で搬送部130に搬送される。搬送部130は、熱圧プレス部側が高温になっている温度勾配を有する炉の中を走行する搬送用コンベア131を備えていて、搬送ロボット122で搬送用コンベア131に搬送されたチャンネル基板3は、高温域から低温域に移動していき、その過程で徐冷され、受台140に収容される。
この装置によれば、チャンネル基板の製造を連続的に進めることができ、接合から製品完成までの時間は、従来対比で、1/2〜1/10に短縮することができる。
次に、コネクタ部材の他の例について、図38および図39を参照して説明する。
図38は、コネクタ部材Eの一例を示すもので、供給・合流・分岐用として使用するが、これに限らず、必要に応じて適宜使用しても構わない。
このコネクタ部材Eは、例えばガラス材や樹脂からなるアレイ部200と、コネクタ部202とからなり、分岐フェルールに接続されている複数本のマイクロチューブ13がアレイ部200、コネクタ部202に挿通され、整列固定されている。図22に示したコネクタ部材Cは、4列×4列の計16本のマイクロチューブが挿通されているが、図38に示したコネクタ部材Eは、4列×1列の計4本のマイクロチューブ13が挿通されている。
マイクロチューブ13は、その先端の位置が、コネクタ部202の後端面202bからアレイ部200の端面200aまでとなるように挿通されている。つまり、マイクロチューブ13は、その先端が、アレイ部200の端面200aと同一面上に位置するように設置してもよいし、コネクタ部202の端面202aと同一面上に位置するように設置してもよい。
なお、マイクロチューブ13の本数は、とくに限定されず、必要に応じて本数を決定すればよい。また、アレイ部200およびコネクタ部202には、マイクロチューブ13の本数分の穴を形成させておく。
アレイ部200の端面200aは、精密研削・研磨を施すことによって、対象とする化学操作ユニットとの接続時に気密状態を確保できる構造となっている。さらに、アレイ部202には、位置決めピン穴6dが形成され、対象とする化学操作ユニットと精密位置決めできるコネクタ構造となっている。なお、アレイ部200とコネクタ部202は一体成形もしくは別体成形のどちらでもよい。ただし、別体成形の場合は、コネクタ部202の端面202aにアレイ部200の端面200aと同様に精密研削・研磨を施し、アレイ部200とコネクタ部202との気密状態を確保する。
次にコネクタ部材Fの一例を図39により説明する。このコネクタ部材Fは、合流・分岐用として使用するが、これに限らず、供給用として使用しても構わない。
このコネクタ部材Fは、材質はコネクタ部材Eと同様である。コネクタ部材Fとコネクタ部材Eの相違する構造は、送流パイプ204の先端がアレイ部200の端面200aに位置するように配置されている点である。コネクタ部材Eは、マイクロチューブ13を挿通させた構造である。
また、図23に示したコネクタ部材Dと相違する構造は、空洞16を形成せずに、送流パイプ204の先端を端面200aと同一面となるように配置した点である。図23のコネクタ部材Dは、上記空洞16の大きさが、接続対象の化学操作ユニットの接続端面に表出しているチャンネル基板の開口部の全てを包摂できる大きさとなっているが、コネクタ部材Fも同様に送流パイプ204の先端に位置する送流開口部204aがチャンネル基板の開口部の全てを包摂できる大きさとなっている。
なお、図39では、送流パイプ204が一本である例を示したが、本数はこれに限定されず、コネクタ部材Eのように4列×1列のように複数本でも構わない。また、送流開口部204aの大きさは、必ずしもチャンネル基板の開口部の全てを包摂できる大きさにする必要はなく、必要に応じて適宜な大きさに設計すればよい。さらに、図39では、送流パイプ204の断面形状を丸型としたが、形状はこれに限定されず、断面多角形としてもよい。
コネクタ部材Fは、アレイ部200の端面200aが、コネクタ部材Eと同様に精密研削・研磨を施すことによって、対象とする化学操作ユニットとの接続時に気密状態を確保できる構造となっている。なお、送流パイプ204の送流開口部204aの端面は、アレイ部200の端面200aと同時に、精密研削・研磨を行うことが好ましい。こうすることにより、アレイ部200の端面200aと、送流パイプ204の送流開口部204aの角度が同一面に揃うため、接続対象となる化学操作ユニットと、より気密状態で接続することが可能となる。
なお、送流パイプ204は、送流開口部204aの位置が、コネクタ部材Eと同様に、コネクタ部202の後端面202bからアレイ部200の端面200aまでであれば、どこでも構わない。また、アレイ部200には、コネクタ部材Eと同様に、位置決めピン穴6dが形成され、対象とする化学操作ユニットと精密位置決めできるコネクタ構造となっている。主要態様としては、送流パイプ204から供給された試料を、コネクタ部材Fと接続される化学操作ユニット1個(図示しない)の試料流入口から当該ユニット内に供給することになっている。
次にコネクタの接続構造について、図40から図42を参照して説明する。
図40はコネクタ接続構造の一例を示すものである。図40は、送流方向に対して接続端面が垂直であるコネクタ接続構造の一例を示すものである。図41は、送流方向に対して接続端面が任意の角度をなして接続されている構造の一例を示すものである。図40、図41に示したコネクタ接続構造では、いずれも、図38、図39で説明したコネクタ部材E、Fのように、それぞれ接続端面が精密研削・研磨されている。さらに、互いに位置決め用ピン−ピン穴を用いて端面接続され、全体をばね機能有する結合クリップ18で長手方向(流路方向)に押圧して組み立てることにより、マイクロ化学反応装置が構成されている。
このように、送流方向に対して接続端面を垂直、もしくは任意の角度となすことにより、試料の流れ、もしくは混合・反応状態をコントロールすることが可能となる。例えば、2つの試料を混合・反応させる際に、層流状態を保持したい場合には、図40に示す垂直構造のものを使用する。このコネクタ接続構造では、試料の流動状態を変化させることなく送流させることができる。また、2つの試料をよりよく混合・反応させる場合は、図41R>1に示す接続端面が任意の角度をなして接続されているコネクタ接続構造を使用すればよい。この構造では、接続端面において試料の流動状態が、接続端面の角度により、滞留しやすくなる。このため、滞留している部分で、より混合、反応が進むことになる。
なお、図41に示すコネクタ接続構造を用いる場合は、接続端面が任意の角度をなすように形成されている図42に示すようなコネクタ部材Gを使用すれば良い。図42に示すコネクタ部材Gは、接続端面が任意の角度をなすように形成されたものである。図42に示したコネクタ部材Gは、図38および図39で示したコネクタ部材E、Fの端面を送流方向に対して任意の角度になるように精密研削・研磨を施したものである。
なお、図40、図41に示したコネクタ接続構造では、コネクタの材質に関係なくコネクタ同志、もしくはコネクタと対象の化学操作ユニットと良好な接続を行うことが可能である。例えば、コネクタもしくは化学操作ユニットの材質が、樹脂、セラミックもしくは金属等のうち、それぞれ異種の材料で成形された場合、位置決め用ピン穴の位置が精度良く成形され、接続端面が精密研削・研磨されていれば、異種材料同志でも気密状態を確保した構造で接続することが可能である。
次に、マイクロ化学反応装置への供給もしくは送流部分の固定構造の一実施例を、図43R>3ないし図45を参照して説明する。
まず、図43に示した供給(送流)部分の固定構造Pは、ガイドパイプ300と、ガイドパイプ300内に挿通されるマイクロチューブ302とから成り、マイクロチューブ302はガイドパイプ300の一方の端部300aで固定されているものである。
マイクロチューブ302は、ガイドパイプ300の端部300aの内周面にエポキシ、シリコーン系等の接着剤、もしくははんだ等で固定されている。はんだで固定する場合は、必要に応じて、少なくともガイドパイプ300の端部300aの内表面をメタライズする。なお、ガイドパイプ300の端部300aの外表面をメタライズすると、他の部品にガイドパイプ300を固定する際に、はんだを利用して固定することが可能となる。なお、図43では、マイクロチューブ302が1本である例を示したが、この本数は特に限定されない。マイクロチューブ302の本数は、必要に応じて、適宜、選択されるものである。また、ガイドパイプ300は、銅、アルミ、SUS等の金属製であることが好ましい。これは、送流される試料から受ける圧力に対する耐圧性に優れているからである。なお、上述したメタライズは、使用される金属の材質により、必要に応じて行う。
図44、図45に示した供給(送流)部分の固定構造Qは、図43の他の実施例である。この実施例では、図44に示すようなガイド治具304を、ガイドパイプ300の固定側の端部300aに嵌合し、ガイド治具304に形成された位置決め用整列穴にマイクロチューブ302を挿通させる構成となっている。マイクロチューブ302とガイド治具304、また、ガイド治具304とガイドパイプ300は、それぞれ接着剤、はんだ等で接着され、封止構造となっている。なお、はんだを使用して固定する場合は、図43の固定構造Pと同様に、必要に応じてメタライズを行う。
次に送流パイプから送流される試料の混合比、濃度、流量を制御する調整機構400について、図46を参照して説明する。
図46の調整機構400は、供給側ユニットとして、A試料を供給するユニットLと、B試料を供給するNユニットとを有し、そして、A試料とB試料を混合するユニットMとを備えている。ユニットL、ユニットNからは、それぞれユニットMに各A、B試料を供給するためのマイクロチューブが4本づつ配置されている。なお、ユニットLからユニットMまでのマイクロチューブは、4本の曲げ率、長さを変化させ、ユニットNからユニットMまでのマイクロチューブは4本の曲げ率、長さを同一にして配置されている。
このような構成の調整機構400では、ユニットL、ユニットNのそれぞれから供給された各試料A、Bは、ユニットMで混合され、ユニットMから外部に送流されることになる。なお、ユニットMの送流側には、4本のマイクロチューブが配置され、4箇所に混合試料を同時に送流させることが可能となる。
調整機構400では、ユニットMの4ポートから送流される混合試料の濃度を変化させている。これは、ユニットLからユニットMに供給されるA試料の流量を、マイクロチューブごとに変化させているからである。ユニットMへ供給される試料の流量を調整するには、マイクロチューブの長さ、設置曲げ率、送流圧、もしくはチューブの内径を、チューブ毎に設定すればよい。いずれの構造でも、試料の流量が変化するため、例えば、複数の試料を混合する場合、混合比率を変化させることが可能である。
図46の調整機構400は、マイクロチューブの長さと曲げ率をチューブ毎に変化させた一例を示したものである。なお、図46の調整機構では、A試料の流量を制御し、B試料の流量は一定としているため、B試料はマイクロチューブごとに供給(流)量は変化しない。このため、ユニットMでA試料とB試料が混合される際に、4箇所の混合工程において、混合比率が異なることになる。この結果、図46に示すユニットMは、4箇所の出力ポートから、それぞれ異なる濃度の混合試料が送流されることになる。
本発明のマイクロ化学反応装置は、化学操作を進める化学操作ユニットを気密でかつ着脱自在に接続した構造になっているので、各種の化学操作ユニットを適宜に組み合わせることにより、全体として小型で、各種の化学操作が集積された新規なマイクロリアクタ装置として利用することができる。
そして、その化学操作ユニットに各種機能を発揮する本発明のチャンネル基板を組み込み、その機能に対応する手段を備えた本発明の補助ユニットを前記化学操作ユニットに連結することにより、各種の化学操作の促進や制御も可能になる。
また、本発明のチャンネル基板は、ガラスの成形法を適用して製造されるので、複雑形状のマイクロチャンネルなどを備えるチャンネル基板であっても、従来に比べて容易に、かつ高い生産性の下で製造することができる。
本発明のマイクロ化学反応装置の1例を示す分解斜視図である。 本発明の化学操作ユニットの1例UAを示す斜視図である。 チャンネル基板の1例を示す平面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 チャンネル基板の別の例を示す部分平面図である。 本発明の化学操作ユニットの別の例UBを示す斜視図である。 本発明の化学操作ユニットの他の例UCを示す斜視図である。 本発明の化学操作ユニットの更に別の例Udを示す斜視図である。 本発明の化学操作ユニットの他の例Ud’を示す斜視図である。 チャンネル基板の端面を示す正面図である。 チャンネル基板の端面の1例を示す部分平面図である。 チャンネル基板の端面の別の例を示す部分平面図である。 チャンネル基板の端面の更に別の例を示す部分平面図である。 チャンネル基板の端面の他の例を示す部分平面図である。 チャンネル基板の端面の更に別の例を示す部分平面図である。 本発明の化学操作ユニットの別の例を示す斜視図である。 ユニットU2とユニットU3をピンを介して接続した状態を示す部分切欠断面図である。 ユニットU2とユニットU3の別の接続状態を示す部分切欠断面図である。 本発明の化学操作ユニットの1例UA’を示す斜視図である。 本発明の化学操作ユニットの他の例UA”を示す斜視図である。 チャンネル基板の積層構造を枠状体に接着した状態を示す部分斜視図である。 本発明の装置で用いるコネクタ部材の1例Cを示す斜視図である。 コネクタ部材の他の例Dを示す斜視図である。 組み立てた本発明のマイクロ化学反応装置の1例を示す斜視図である。 シールフィルムを示す斜視図である。 別のシールフィルムを示す斜視図である。 本発明のチャンネル基板の1例A1を示す斜視図である。 ヘムト秒レーザでチャンネル基板に光導波路を形成する状態を示す模式図である。 本発明のチャンネル基板の他の例A2を示す斜視図である。 化学操作ユニットU3に補助ユニットuを連結した状態を示す概略図である。 本発明のチャンネル基板の別の例A3を示す斜視図である。 本発明のチャンネル基板の更に別の例A4を示す斜視図である。 本発明のチャンネル基板の他の例A5を示す斜視図である。 本発明のチャンネル基板の製造に用いる第1のガラス基板の1例を示す斜視図である。 第1のガラス基板と第2のガラス基板を熱圧プレスする状態を示す模式図である。 第1のガラス基板の製造に用いる金型の1例を示す斜視図である。 本発明のチャンネル基板を連続的に製造する装置例の概略図である。 コネクタ部材の他の例Eを示す斜視図である。 コネクタ部材の他の例Fを示す斜視図である。 本発明のマイクロ化学反応装置のコネクタ接続構造の一例を示す斜視図である。 マイクロ化学反応装置のコネクタ接続構造の他の例を示す斜視図である。 コネクタ部材の他の例Fを示す斜視図である。 マイクロ化学反応装置への供給もしくは送流部分の構造の一例を示す斜視図である。 マイクロ化学反応装置への供給もしくは送流部分に使用する治具の一例を示す斜視図である。 マイクロ化学反応装置への供給もしくは送流部分の構造の他の例を示す斜視図である。 試料の流量を制御する調整機構の一例を示す概略図である。
符号の説明
1,U2,U3,U4,UA,UB,UC,UD,UA’,UA” 化学操作ユニット
u 補助ユニット
1,A2,A3,A4,A5 チャンネル基板
3 チャンネル基板
3a,3b チャンネル基板3の端面
3c 逆V字溝
3d V字溝
3e,3f チャンネル基板3の側端面
3g チャンネル基板3の表面
4 基体本体
5 マイクロチャンネル
5a,5b マイクロチャンネルの端面開口
5c 合流点
5d マイクロチャンネルの壁面
5e 凸部
5f 塗膜
6 枠状体
6a,6b 枠状体6の端面
6c 貫通孔
6d 位置決め用ピン穴
6e 溝
6f 開口部
6g レール
6h V字溝
7,7A ピン
8 接着剤層
9 光導波路
9a 光導波路9の端面
10a 補助ユニットuの前端面
10b 光ファイバ
10c 光ファイバ10bの先端
11 溝部
11a 通電路
11b 通電路11aの給電部
12 コネクタ部材C,Dの本体
12a コネクタ部材C,Dの接続端面
13 マイクロチューブ
14 コネクタ
15 貫通孔
16 空洞
17 チューブ
18 結合クリップ
19A 第1のガラス基板
19a 凹溝
19B 第2のガラス基板
19A’ 金型
19a’ 突起形状

Claims (7)

  1. 一方から他方の端面に延設された空洞のマイクロチャンネルを有するチャンネル基板と、前記チャンネル基板の前記端面を突出させる長さの貫通孔が形成された枠状体とを用意し、
    前記貫通孔内に前記チャンネル基板を収納するとともに前記チャンネル基板の前記端面を前記枠状体から突出させ、
    前記チャンネル基板のうち前記枠状体から突出した前記端面を研磨して研磨面を形成する
    工程を有することを特徴とするマイクロ化学反応装置の製造方法。
  2. 前記チャンネル基板の前記端面を研磨により1μm以下の平坦度にすることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ化学反応装置の製造方法。
  3. 前記チャンネル基板の前記研磨面は100nm以下の表面粗さを有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ化学反応装置の製造方法。
  4. 前記チャンネル基板の前記研磨面と前記枠状体の端面は面一状態となることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載されたマイクロ化学反応装置の製造方法。
  5. 前記チャンネル基板の前記研磨面と前記枠状体の端面の間には、数十nm〜数百nmの微小段差が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載されたマイクロ化学反応装置の製造方法。
  6. 前記チャンネル基板の前記端面の研磨は砥石を用いて行われることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載されたマイクロ化学反応装置の製造方法。
  7. 前記砥石は、大きい番数から順次、番数が小さい番数へと段階的に変更されることを特徴とする請求項6に記載されたマイクロ化学反応装置の製造方法。
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