JP2007068950A - 高さ可変式浴槽台 - Google Patents

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芳裕 佐久間
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Abstract

【課題】浴槽の中に置いて高さを任意に変え、その高さを保持することによって、浴槽内での立ち座りを容易にするとともに、浴槽への出入りを容易にすることができる装置を提供する。
【解決手段】 Xバー1,2,3,4と送りねじの機構により浴槽台の高さを入浴中でも任意に変えられるようにした。これにより浴槽に入るとき、あるいは浴槽内で立ち上がるときは台の高さを上げ、湯に浸るときは台を下げて、立ち座り、出入りを容易にできる。またねじりコイルばね18,19を装着すれば狭いスペースで上昇駆動力を軽減させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、下肢の障害などにより浴槽の壁をまたいで浴槽内に入ることが困難な高齢者や障害者などが、浴槽に入りやすいよう浴槽内、または浴槽の外にに置いて使用する浴槽台に関するものである。
近年、高齢者や障害者が介護者により援助された生活から、自立した生活を営めるよう失われた機能を補うため補助的に福祉機器、福祉用具を活用する機会が増えている。中でも入浴は身体を衛生的に保つためのほか、温湯に浸ることにより血行を増進させ身体の機能の衰えを防ぐため日常的生活に欠かせない行為で前記装置の活用が盛んである。
下肢に痛みがあるか動きが制約される高齢者や障害者が浴槽に入るとき問題となるのは、膝の屈曲、伸展が思うようにできず、このため片足を上げ洗い場から浴壁を越えて浴槽の底に足を着地させることが困難なことである。このため浴槽の中に浴槽台と称する踏み台を置いて、浴槽の底位置を擬似的に上げ、入りやすいようにしている。また浴槽に入った後は浴槽台の上に座り湯に漬かることが行われる。浴槽が広い場合は浴槽台に座る必要性はないが、膝を屈曲し、臀部を浴槽の底に付けた姿勢、いわゆる短座位の姿勢で湯に漬かった場合、立ち上がることが困難になるため浴槽台の上に座って座位姿勢をとることが多い。
浴槽台を使用して座位姿勢で湯に漬かった場合、上半身、特に胸、肩、首が湯に漬らないため暖まらず血行が改善しない。このため疲れが取れない、筋肉の痛みが緩和されないなどの問題があった。浴槽台には高さを変えることができるものもあるが、入浴前に高さを段階的に変えるものしかなく、入浴後座った姿勢で容易に高さを変更できない構造となっている。特に下肢に障害がある人が、浴槽に入り湯に浸りながら入浴台の高さを設定することは非常に困難である。
電気駆動あるいは空気圧駆動により座った姿勢で高さを変えられる上下動機構を備えたいす式移動用リフトもあるが、座面に着座したまま乗り降りするものであって足を座面に置いて浴槽への出入りをすることが出来ない。またいす式移動用リフトは機構が大がかりとなって装置を簡単に浴槽から持ち出すことができないため、下肢に障害がない健常者も入れ替わり入浴する場合邪魔になるなどの欠点があった。またいす式移動用リフトには身体を支える背もたれや上下動機構があるため、その分浴槽内のスペースが狭くなり、座った時に背中をさらに後ろ側に傾けることが出来ないなど浴槽内での動きが制限される問題があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題に鑑みて、浴槽の中に置いて高さを任意に変え、その高さを保持することによって、浴槽内での立ち座りを容易にするとともに、浴槽への出入りを容易にすることができる。また入浴側ならびに着座したときの背側、足側に上下機構がなく浴槽内における空間を広くとることができ、座位の姿勢でくつろぐことが可能な装置を提供することを目的としたものである。
本発明は上記目的を達成するために、上下機構においてX状に構成された部材の先端に送りねじとハンドルを設け、ハンドルを回すことにより先端の距離を変え、高さを変える構造としたものである。また上下機構のうち装置外部に出る部分を入浴者が入浴する側、かつ背中側および足側にならないよう構成したものである。同時に上下機構にねじりコイルばねを装着してハンドルの回転力を軽減させるものである。
以上、説明したように請求項第1項記載の発明によれば、浴槽に入るときは台の高さを上げた状態にしておけば、浴壁を越えて足を着地しやすくできる。その後、湯に浸るときは台の高さを下げることによって上半身の首近くまで湯に浸ることができる。立ち上がるときは前記の方法と逆の手順で行い、台の高さを上げることにより腰の位置が高くなり立ちやすくなる。さらに浴槽外へでるときは片足をあまり上げることなく浴壁を越えて洗い場の床面に足を着地することができる。
また請求項第2項記載の発明によれば、駆動部分を着座したとき背中側にならない向きで、かつ入浴側と反対の壁側に備えれば浴槽に入る時に足が邪魔にならず、着座したときに背中を浴槽の壁にもたれてくつろぐことができる。
また請求項第3項の記載の発明によれば、上昇駆動力を小さくすることができるため人の力でも軽く動作することができる。
課題を解決するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図1〜図10に基づき説明する。
図1は本発明による可変式浴槽台の全体構造を示したものである。部材Xバー1とXバー2、ならびにXバー3とXバー4はそれぞれ長さ方向の中間に図2示す軸受5−1、軸受5−2および軸受5−3、軸受5−4を設け軸部材7により支持され回転可能に接続されている。
さらにXバー1とXバー4は図3に示す先端の軸受1a、軸受4aと軸部材6によって回転可能に連結されている。軸部材6はフレーム12に固着しているレール13a、レール13bをローラ9a、ローラ9bによってスライド可能なようになっている。
同様にXバー2とXバー3は図4に示す軸受2aと軸受3aと軸部材8により支持され回転可能に連結されている。軸部材8の両端はフレーム12に固定されている。
図5に示す軸部材10はXバー2とXバー3の先端にある軸受2b、3bによって回転可能に連結されている。
軸部材6と軸部材10の中間には送りネジ11が配置されている。送りねじの先端11aは軸受け6cによって回転可能に取り付けられ、反対側の11bには送りネジに滑合するよう取り付けられている雌ネジ14があり、軸部材10に勘合されている。送りネジ11の先端11cには回転駆動を加えるためのハンドル16が設けられている。
軸部材10の両端にはローラ15a、15bが取り付けられている。天板21にはレール17a、レール17bが装着されており、ローラ15a、ローラ15bが転がりながらレール17a、レール17bを長手方向に沿って滑動できるようになっている。
図2に示すように軸部材7にはねじりコイルばね18、ねじりコイルばね19があり、図6に示すXバー1とXバー2にはさまれる角度T1が大きくなると大きな反力が生じるようコイルの巻き方向が決められ配置されている。同様に図示しないがXバー3とXバー4によりはさまれる角度T2の角度が大きくなると大きな反力が生じるようねじりコイルばね19が配置されている。
図2に示すようにコイルばね18のフック18aはXバー1に接合され、他端のフック18bは部材20に取り付けられている。同様にばねのフック19aはXバー4に接合され、他端のフック19bは部材20に取り付けられている。
送りねじ11が右ねじの場合、ハンドル16を左方向に回転させると、図6に示すように11aから11bまでの距離Eが小さくなるため回転角度T1、T2が小さくなり高さhが大きくなって天板21が上昇する。逆にハンドルを右に回すと図7に示すように11aから11bまでの距離Eが大きくなりT1、T2が大きくなり高さhが小さくなって天板が下降する。送りねじが左ねじの場合は前述と逆になるだけで、ハンドルを回すことによって高さを変えることができる。
また送りねじの作用により11aから11bまでの距離Eは天板に加わる荷重が変動したり外力が作用しても維持できるため高さhを保持することができる。
フレーム12、レール13a、13bは人が入浴するとき入浴側と反対側に配置するようにすれば入浴の邪魔にならない。本発明の浴槽台の配置については決まりがあるわけではなく、入浴者の都合で変えてもよい。
次にねじりコイルばね18、ねじりコイルばね19を装着することによってハンドル16の回転力を軽減することができる。図6に示すようにXバー1とXバー2の回転軸間の高さをh、部材の長さをL、摩擦係数をμ、軸力をトルクに変換する係数をC、回転角をT1、天板に乗っている荷重をWとすると送りねじの軸方向の力Fjは、h=Lcos(T/2)、F=Wtan(T/2)、T=FμCからT=μWC√((L/h−1)となり、高さhの値によって変化する。いまねじりコイルばね18を装着すると、ねじりコイルばねのばね定数をK、ねじり角をT、摩擦力などの定数をDとすると反発トルクTrはTr=KDTとなるので、ハンドル16が必要なトルクTtotalはTtoal=T−T=Wtan(T/2)μC−KDTとなるので、角度Tが大きくなるとねじりコイルばね18の反発力が増えるため回転力はばねが無いときに比べ小さくできる。また回転角度Tが小さくなるとコイルばねの反発トルクTrが小さくなるので回転力はあまりかわらない。
このようにして荷重がかかっても天板を上昇させるとき、ハンドル16の回転力の大きな変動を軽減することができる。また反対側にねじりコイルばね19を装着する場合も同様の効果がある。ねじりコイルばね18,ねじりコイルばね19は同時に取り付けてもよい。
以上のような作用によって容易に操作力を軽くできる。ねじりコイルばねを装着すれば、電気駆動や空気圧駆動を用いずとも上昇駆動が容易になり、装置が軽量、小型となり可搬的に用いることが出来る。
本発明を使用する場合の手順を説明する。
図8に示した図は本発明による高さ可変式浴槽台20を浴槽内に配置した状態を示したものである。高さ可変式浴槽台20は浴槽に固定してもよいが、固定しなくてもよい。高さ可変式浴槽台20のハンドル16を回して天板21上げておく。人が浴槽内に入るときは天板高さが高いので足をまたいで容易に足を置くことが出来る。次に図9に示す浴槽22の底に足を着けて降り高さ可変式浴槽台20に着座する。高さが高いため容易に座ることができる。次にハンドル16を回し天板21を下げると人は図10に示したように足を縮め短座位の状態に近い格好で座ることができ、胸、肩まで湯に浸ることができる。なお座り方は特に規定するわけではない。浴槽から出る場合は逆の手順でハンドル16を回して天板21を上げ、図9の状態から立ち上がり、図8に示した状態で洗い場の床面24に足を着き出ることができる。
以上の説明のようにすれば、浴槽内への出入りが容易となり、入浴時の着座高さを変えることによって入浴がしやすくなる。
本発明の実施形態を示す高さ可変式浴槽台の斜視図 斜視図の断面AA 斜視図の断面BB 斜視図の断面CC 斜視図の断面DD 高さと角度を示す図 高さと角度を示す図 入浴時の状態を示す縦断面図 入浴時の状態を示す横断面図 入浴時の状態を示す横断面図
符号の説明
1 Xバー1
2 Xバー2
3 Xバー3
4 Xバー4
11 送りねじ
12 フレーム
14 雌ねじ
16 ハンドル
18 ねじりコイルばね
19 ねじりコイルばね
20 浴槽台
21 天板

Claims (3)

  1. 浴槽内に設置し、高さを上げ下げすることができる機構と、動作範囲の任意の位置で高さを保持できる機構を備えた浴槽台。
  2. 前期請求項の浴槽台において、入浴側以外の壁側に高さを上下動する機構を設け入浴時に邪魔にならない構造としたことを特徴とする浴槽台。
  3. 前記請求項の浴槽台において、X状の部材を回動可能に接合した上下動機構において、ねじりコイルばねを装着して上昇駆動力を補助する機構を備えたことを特徴とする浴槽台。
JP2005294147A 2005-09-06 2005-09-06 高さ可変式浴槽台 Pending JP2007068950A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016047080A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 株式会社ハイレックスコーポレーション 入浴支援装置
JP2018068616A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 酒井医療株式会社 渦流浴装置

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