JP2007065256A - 電気泳動装置、電気泳動装置の製造方法、および電子機器 - Google Patents

電気泳動装置、電気泳動装置の製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、スルーホールによる表示品質の劣化を生じさせることなく、単純な構成で画素電極と配線パターンとを電気的に接続する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、一面側に画素電極(12)が形成され、他面側に配線パターン(22)が設けられた第1基板(10)と、一面側に透明電極層(32)が形成された第2基板(30)とを備え、画素電極と透明電極層とが対向するように第1基板と第2基板が配置され、両基板の間に電気泳動層(20)を備える電気泳動装置であって、第1基板における一面側に画素電極が形成された領域内に、他面側から画素電極に達する貫通孔が形成されており、貫通孔内に導電材料が配置されることによって、画素電極と配線パターンとが電気的に接続されている、電気泳動装置(1)を提供するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気泳動装置、電気泳動装置の製造方法、および電子機器に関する。
従来、それぞれ基板上に形成された一対の電極間に、電気泳動粒子と電気泳動分散媒とを含む電気泳動層が配置され、電極間に電圧を印加して電気泳動粒子の分布状態を変化させることを利用する電気泳動装置が知られている。通常、電極の少なくとも一方は透明導電材料を用いて基板上に形成され、もう一方は、画素電極として、別の基板上に所定のパターンに従って形成される。
このような電気泳動装置の一態様として、特開昭64−86116号公報(特許文献1)には、電気泳動粒子と電気泳動分散媒をマイクロカプセルに封入し、マイクロカプセルとバインダとを混合した液を電極間に配置するマイクロカプセル型電気泳動装置が開示されている。電気泳動粒子と電気泳動分散媒をマイクロカプセルに封入すると、電気泳動粒子の動きが適度に制限されるので、電気泳動装置にフレキシビリティを与えても、電気泳動粒子の集合や凝集、偏在が生じにくい。
特開昭64−86116号公報
ところで、上記のような構造の電気泳動表示装置においては、電気泳動分散液に駆動信号を与えるために、画素電極と外部装置(電圧印加回路、制御回路等)とを電気的に接続する配線パターンを設ける必要がある。このような配線パターンは、一般に画素電極が形成された基板の反対側の面に配置され、画素電極と配線パターンとの電気的な接続は、当該基板に設けられたスルーホールの壁面にメッキ等により形成された導電層によって達成される。
しかしながら、この方法では、スルーホールが形成された領域では基板間に電圧を印加できないため、表示が乱れてしまう傾向がある。特に、画素電極が密に配列している場合は、基板背面へのスルーホールを画素電極の極近く、または画素電極が形成されている領域内に形成しなければならず、スルーホール周辺部における表示品質の劣化が問題となっていた。また、画素電極が密でない領域においても、表示に影響しないよう画素電極から離れた位置にスルーホールを形成しようとすると配線が複雑となる。
そこで、本発明は、スルーホールによる表示品質の劣化を生じさせることなく、単純な構成で画素電極と配線パターンとを電気的に接続する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電気泳動装置は、一面側に画素電極が形成され、他面側に配線パターンが設けられた第1基板と、一面側に透明電極層が形成された第2基板とを備え、該画素電極と該透明電極とが対向するように該第1基板と該第2基板とが配置され、両基板の間に電気泳動層を備える電気泳動装置であって、前記第1基板における一面側に前記画素電極が形成された領域内に、他面側から該画素電極に達する貫通孔が形成されており、該貫通孔内に導電材料が配置されることによって、前記画素電極と前記配線パターンとが電気的に接続されていることを特徴とする。
このように第1基板の画素電極が形成された領域内に貫通孔を形成すれば、当該貫通孔は透明電極層側から見ると画素電極の裏に位置することになる。従って、画素電極と透明電極間の電圧の印加には影響を与えず、表示品質の劣化を防ぐことができる。また、画素電極と配線パターンとを接続するために複雑な配線を設ける必要もない。
上記導電材料は、貫通孔内に露出した画素電極と、該貫通孔の内壁とを覆う導電層を形成するように配置されていることが好ましい。このような構成は、金属薄膜を形成する公知の方法等で実現され、画素電極と配線パターンとの電気的接続を効率よく達成することができる。
また、導電材料が配置された貫通孔に、シール材を埋めて補強することも好ましい。このような構成によれば、貫通孔部における剛性が向上され、電気泳動装置をラミネートする工程で電極表面が陥没することを防ぐことができる。
本発明は、また、一面側に画素電極が形成され、他面側に配線パターンが形成された第1基板と、一面側に透明電極層が形成された第2基板とを備え、該画素電極と該透明電極とが対向するように該第1基板と該第2基板とが配置され、両基板間に電気泳動層を備える電気泳動装置を製造する方法であって、前記第1基板の前記画素電極が形成された領域内に、他面側から該画素電極に達する貫通孔を形成する第1工程と、前記貫通孔内に導電材料を配置することによって前記画素電極と前記配線パターンとを電気的に接続する第2工程と、を少なくとも含む、電気泳動装置の製造方法をも提供する。
このような方法によれば、透明電極層側から見て貫通孔が画素電極の裏に位置する構成とすることができる。従って、貫通孔が表示品質を劣化させることなく、画素電極と配線パターンとを電気的に接続することが可能となる。また、画素電極と配線パターンとを接続するために複雑な配線を設ける必要もない。
上記第1工程において、貫通孔は、エッチング法、またはレーザ光を照射して溶融させる方法によって、好ましく形成される。
貫通孔内に導電材料を配置した後、当該導電材料に重ねて貫通孔内にシール剤を埋める工程を含むことも好ましい。シール剤は、公知のディスペンサ等で貫通孔内に供給することができる。
また、本発明の電子機器は、上述した電気泳動装置を表示部として備える。ここで、「電子機器」は、電気泳動材料による表示を利用する表示部を備えるあらゆる機器を含むもので、ディスプレイ装置、テレビジョン装置、電子ペーパ、時計、電卓、携帯電話、携帯情報端末等を含む。また、「機器」という概念からはずれるもの、例えば可撓性のある紙状/フィルム状の物体、これら物体が貼り付けられた壁面等の不動産に属するもの、車両、飛行体、船舶等の移動体に属するものも含む。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(電気泳動装置)
図1は、本発明に係る電気泳動装置1の断面の一部を示している。電気泳動装置1は、主に、第1基板10、電気泳動層20、第2基板30を含んで構成されており、第1基板上に形成された配線パターン12によって、図示しない外部装置(電圧印加回路、制御回路等)に電気的に接続される。
第1基板10は、電気回路を形成する絶縁性下地基板としての可撓性基板により構成され、その一面側にアルミニウム等の導電膜からなる画素電極が形成され、他面側に配線パターン12が形成されている。画素電極は、マトリクス状に配列されているが、図1には2つの画素電極12aおよび12bのみが示されている。第1基板10の厚さは、例えば、薄膜回路形成の際の基板の物理的強度の点から25μm以上あることが望ましく、基板の可撓性(フレキシビリティ)確保の点からは200μm以下であることが望ましい。
ここで、第1基板10に用いられる可撓性基板としては、軽量性、可撓性、弾性などに優れた樹脂材料を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れでもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル-スチレン共重合体、ブタジエンースチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロへキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不蝕和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。可撓性基板の厚みは1〜500μm程度、より好ましくは、機械的強度と可撓性の点から25〜200μm程度である。
尚、図示を省略するが、第1基板10の一面側及び/又は他面側に薄膜半導体回路層が設けられていてもよい。ここで、薄膜半導体回路層は、例えば行方向及び列方向にそれぞれ複数配列された配線群、画素電極群、画素駆動回路、接続端子、駆動画素を選択する行デコーダ及び列デコーダ、等を含んで構成されている。
電気泳動層20は、第1基板10と第2基板30との間に形成されている。この電気泳動層20は、バインダ23によって固定された多数のマイクロカプセル21を含んで構成されている。マイクロカプセル21内には電気泳動分散媒、電気泳動粒子が含まれている。電気泳動粒子は印加電圧に応じて電気泳動分散媒中を移動する性質を有し、一種類(一色)以上の電気泳動粒子が使用される。電気泳動層20の厚さは、例えば50μm〜75μm程度である。電気泳動層20は、上述のマイクロカプセル21をバインダ23中に所望の誘電率調節剤とともに混合し、得られた樹脂組成物(エマルジョンあるいは有機溶媒溶液)を基材上にロールコーターを用いる方法やロールラミネータを用いる方法、スクリーン印刷による方法、スプレー法等の公知のコーティング法を用いて形成することができる。
ここで、電気泳動分散媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独又はこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
電気泳動粒子は、前述したように、電気泳動分散媒中で電位差による電気泳動を行って所望の電極側に移動する性質を有する粒子(高分子あるいはコロイド)である。例えば、アニリンブラックやカーボンブラック等の黒色顔料、二酸化チタンや亜鉛華、三酸化アンチモン、酸化アルミニウム等の白色顔料、モノアゾやジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノンや黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、キナクリドンレッドやクロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルーやインダスレンブルー、アントラキノン系染料、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等である。此等の粒子は単独で使用しても良いし、或いは二種類以上を共に用いても良い。さらにこれらの顔料には必要に応じて電解質や界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、或いはチタンカップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
マイクロカプセル21を構成する材料としては、アラビアゴム・ゼラチン系の化合物やウレタン系の化合物等の柔軟性を有するものを用いるのが好ましい。マイクロカプセル21は界面重合法や不溶化反応法、相分離法或いは界面沈殿法等の公知のマイクロカプセル化手法を用いて形成できる。またマイクロカプセル21は、大きさがほぼ均一であることが優れた表示機能を発揮せしめる上で好ましい。大きさがほぼ均一なマイクロカプセル21は、例えば、濾過又は比重差分級等を用いて得ることができる。マイクロカプセル21の大きさは通常30〜60μm程度である。
バインダ23としては、マイクロカプセル21と親和性が良好で電極との密着性に優れ、かつ絶縁性を有するものであれば特に制限はない。かかるバインダ23として、上述した絶縁性合成樹脂基材と同様、下記に例示するものを用いることができる。例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、ABS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂。ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアリレート、グラフト化ポリフィニレンエーテル、ポリエーテルエテルケトン、ポリエーテルイミド等の高分子。ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロピレン、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂。シリコーン樹脂、シリコンゴム等の珪素樹脂。その他のバインダ材として、メタクリル酸−スチレン共重合体、ポリブチレン、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等を用いることができる。また、バインダ材は、例えば特開平10−149118号公報に記載されているように、電気泳動表示液の誘電率と分散剤の誘電率を略同じとするのが好ましい
第2基板30は、薄膜フィルム(透明な絶縁性合成樹脂基材)31の下面に錫がドープされた酸化インジウム膜(ITO膜)などの透明電極層32が形成されている。第2基板30の厚さは、10〜200μmが望ましく、より好ましくは25〜75μmである。
上記薄膜フィルム31は、電気泳動層20の封止及び保護の役割を担うものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いて構成される。薄膜フィルム31としては絶縁性の透明材であれば、上述した可撓性基板と同様に種々の材料を用いることができる。薄膜フィルム31の厚みは可撓性基板の厚みよりも薄い方がよい。より好ましくは可撓性基板の厚みの半分以下程度である。
フッ素がドープされた酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンがドープされた酸化亜鉛膜、インジウムがドープされた酸化亜鉛膜、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛膜等を例示することができる。薄膜フィルム31上に透明電極層32を形成する方法には特に制限はないが、例えば、スパッタ法、電子ビーム法、イオンプレーティング法、真空蒸着法又は化学的気相成長法(CVD法)等を採用することができる。透明電極層32は、第1基板10に設けられた配線パターン22と、電気泳動層20の形成領域(表示領域)の外周部において電気的に接続されている。
次に、電気泳動装置における画素電極と配線パターンとを電気的に接続させる構成について、まず図5を用いて、従来の技術を説明する。図5は、従来の電気泳動装置1’の表示部の断面を示す。電気泳動装置1’では、第1基板10に画素電極12a’および12b’が密に配列されているため、画素電極12a’、12b’および第1基板10の両方を貫通する孔16a’、16b’を設け、その内壁に導電層15a’、15b’を形成することによって、画素電極と配線パターン22とを電気的に接続させている。そのため、貫通孔16a’、16b’付近に配置されたマイクロカプセル21a、21b、21d等には電圧が十分に印加されず、電気泳動粒子が予定された位置に移動しないので、表示品質が劣化する。
これに対し、本発明に係る電気泳動装置1(図1参照)では、第1基板における、一面側に画素電極12aおよび12bが形成された領域内に、他面側から画素電極12a、12bに到達する貫通孔16aおよび16bがそれぞれ形成されている。そして、貫通孔16a、16b内に、各貫通孔16a、16bの底に露出した画素電極12a、12bと、貫通孔16a、16bの内壁とを覆うように、導電層15が形成され、画素電極12a、12bと配線パターン22とを電気的に接続している。
さらに、貫通孔16a、16b内には、導電層15が形成された後、シール剤17が埋められており、これにより第1基板10が補強されている。シール剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂材料や、シリコンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等のゴム材料等を用いることができる。
このような構成によれば、電気泳動装置1を透明な第2基板側から見たとき、貫通孔16aおよび16bは、それぞれ画素電極12aおよび12bの裏側となるので、画素電極12aおよび12bと透明電極層32間の電圧の印加に影響を与えず、電気泳動装置1の表示品質を劣化させることがない。また、貫通孔16a、16b内の導電層15によって、画素電極12aおよび12bと配線パターン22とを導通させるので、これらを接続するために複雑な配線を設ける必要もない。さらに、貫通孔内をシール剤で埋めることにより、第1基板10を補強することができ、耐久性を向上させることもできる。
(電気泳動装置の製造方法)
次に、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法について図2及び図3を参照して説明する。両図において、図1と対応する部分には同一符号を付している。
まず、図2(A)に示されるように、第1基板10の電気泳動層側となる面に画素電極12aおよび12bを形成し、これと反対側の面に配線パターン22を形成する。画素電極12a、12bは、例えば、第1基板10上にアルミニウム等の金属薄膜を形成し、これをエッチング法等によってパターニングすることによって形成することができる。また、配線パターン22は、アディティブ法またはサブトラクト法により、第1基板上に形成することができる。
次に、図2(B)に示されるように、第1基板10における画素電極12aおよび12bが形成された領域に、反対側の面から貫通孔16aおよび16bを形成する。貫通孔16a、16bの形成方法としては、例えば、特開2001−144441号公報や特開平5−110252号公報等に開示された方法を使用することができ、湿式または乾式エッチングや、エキシマレーザを照射して第1基板10を溶融する方法が挙げられる。
次に、図2(C)に示されるように、貫通孔16a、16b内に金属薄膜からなる導電層15a、15bを形成する。導電層15a、15bは、スパッタ法、蒸着法、メッキ法等、公知の方法により適宜形成することができる。
最後に図2(D)に示されるように、導電層15a、15bが形成された貫通孔内に、シール剤17a、17bを充填する。シール剤としては、上述した樹脂材料やゴム材料等が用いられ、ディスペンサによる供給や、スキージによる塗り込みによって貫通孔内に充填し、必要に応じて加熱乾燥やUV照射等の方法により硬化させる。
一方、図3に示されるように、透明電極層32が形成された第2基板30と、電気泳動層20とからなる電気泳動表示シートが別途作製される。まず、図3(A)に示すように、透明な絶縁材料である薄膜フィルム31上に透明電極層32を形成することによって、第2基板30を作製する。本実施形態では、薄膜フィルム31としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが採用される。このPETフィルム上に透明導電膜の一つであるITO膜をスパッタ法などによって成膜することにより、透明電極層32が形成される。
次に、図3(B)に示すように、第2基板30の透明電極層32上に電気泳動層20を形成する。例えば、ロールコーターを用いて、マイクロカプセル21とバインダ23の混合液を透明電極層32の上面に均一に塗布し、塗布後、80℃で20分間乾燥させる。これにより、第2基板30上に電気泳動層20が形成されてなる膜厚100μm程度の電気泳動表示シートが得られる。
最後にこうして得られた電気泳動表示シート(電気泳動層20および第2基板30)と、第1基板10とを貼り合わせる。具体的には、第1基板の画素電極12a、12bが形成された面と、第2基板30の電気泳動層が形成された面とを対向させ、真空ラミネータによってラミネート加工を行って貼り合わせ、電気泳動装置1を作製する。ラミネート加工は、例えば減圧雰囲気下で90℃、0.8MPaの圧力によって行うとよい。上述のように、貫通孔16にシール剤17を埋めておくことによって、ラミネート加工を行っても、基板表面が陥没することなく、基板の貼り合わせを行うことができる。
(電子機器)
次に、図4を用いて、上述した本発明に係る電気泳動装置を適用した電子機器の具体例を説明する。図4(A)は、電子機器の一例である電子ブックを示す斜視図である。この電子ブック1000は、ブック形状のフレーム1001と、このフレーム1001に対して回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー1002と、操作部1003と、本実施形態に係る電気泳動装置によって構成された表示部1004と、を備えている。図4(A)は、電子機器の一例である電子ブックを示す斜視図である。この電子ブック1000は、ブック形状のフレーム1001と、このフレーム1001に対して回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー502と、操作部1003と、本実施形態に係る電気泳動装置によって構成された表示部1004と、を備えている。図4(B)は、電子機器の一例である腕時計を示す斜視図である。この腕時計1100は、本実施形態に係る電気泳動装置によって構成された表示部1101を備えている。図4(C)は、電子機器の一例である電子ペーパを示す斜視図である。この電子ペーパ1200は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体部1201と、本実施形態に係る電気泳動装置によって構成された表示部1202と、を備えている。なお、電気泳動装置を適用可能な電子機器の範囲はこれに限定されず、帯電粒子の移動に伴う視覚上の色調の変化を利用した装置を広く含むものである。例えば、上記のような装置の他、電気泳動フィルムが貼り合わせられた壁面等の不動産に属するもの、車両、飛行体、船舶等の移動体に属するものも該当する。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、電気泳動装置1は、マイクロカプセル型電気泳動装置ではなくてもよい。また、第1基板に貫通孔を形成する方法も上述の方法に限定されず、第1基板の材料に応じて、種々の方法を応用できる。
本発明に係る電気泳動装置の概略断面図である。 本発明に係る電気泳動装置の製造方法を説明する工程図である。 本発明に係る電気泳動装置の製造方法を説明する工程図である。 電気泳動装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図である。 従来技術に係る電気泳動装置の概略断面図である。
符号の説明
1…電気泳動装置、10…第1基板、12…画素電極、15…導電層、16…貫通孔、17…シール剤、20…電気泳動層、21…マイクロカプセル、22…配線パターン、23…バインダ、30…第2基板、31…薄膜フィルム、32…透明電極層

Claims (8)

  1. 一面側に画素電極が形成され、他面側に配線パターンが設けられた第1基板と、一面側に透明電極層が形成された第2基板とを備え、該画素電極と該透明電極層とが対向するように該第1基板と該第2基板が配置され、両基板の間に電気泳動層を備える電気泳動装置であって、
    前記第1基板における一面側に前記画素電極が形成された領域内に、他面側から該画素電極に達する貫通孔が形成されており、該貫通孔内に導電材料が配置されることによって、前記画素電極と前記配線パターンとが電気的に接続されている、電気泳動装置。
  2. 前記導電材料が、前記貫通孔内に露出した前記画素電極と、該貫通孔の内壁とを覆う導電層を形成するように配置されている、請求項1に記載の電気泳動装置。
  3. 前記導電材料が配置された貫通孔に、シール剤が埋められている、請求項2に記載の電気泳動装置。
  4. 一面側に画素電極が形成され、他面側に配線パターンが設けられた第1基板と、一面側に透明電極層が形成された第2基板とを備え、該画素電極と該透明電極層とが対向するように該第1基板と該第2基板とが配置され、両基板の間に電気泳動層を備える電気泳動装置を製造する方法であって、
    前記第1基板における一面側に前記画素電極が形成された領域内に、他面側から該画素電極に達する貫通孔を形成する第1工程と、
    前記貫通孔内に導電材料を配置することによって前記画素電極と前記配線パターンとを電気的に接続する第2工程と、
    を少なくとも含む、電気泳動装置の製造方法。
  5. 前記第1工程において、前記貫通孔を、エッチング法により形成する、請求項4に記載の電気泳動装置の製造方法。
  6. 前記第1工程において、前記貫通孔を、レーザ光を照射することにより形成する、請求項4に記載の電気泳動装置の製造方法。
  7. 前記第2工程の後、前記導電材料が配置された前記貫通孔内をシール剤で埋める工程を含む、請求項4から6のいずれか1項に記載の電気泳動装置の製造方法。
  8. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電気泳動装置を備える電子機器。

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