JP2007065175A - 偏光子 - Google Patents

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典良 広井
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Abstract

【課題】偏光特性が改善された偏光子を提供する。
【解決手段】導電体と光透過性の誘電体とから縞構造の偏光膜を複数構成し、複数の偏光膜を光透過性の基板面上に積層するように備えて偏光子を形成し、更に、平面方向から見て各偏光膜における導電体どうしの成す交差角度の鋭角をθとしたときに、0度<θ≦60度の角度範囲内で各偏光膜が交差するように積層する。これにより、出射する偏光成分を小さくして、入射光に対する出射光の偏光度を小さくし、消光比を改善する。又、各偏光膜における導電体の間隔を、偏光膜毎に異なるように設定することにより、偏光子の透過損失を低減する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、偏光子に関するものである。
従来から偏光子として、光学的に透明な基板材の面上に、導電体と誘電体とを交互に縞状に組み合わせることによって偏光膜を構成して成る偏光子が考案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−43249号公報(第5頁、第10図)
図17に示す偏光子100は、基板101を備え、光透過性の誘電体102a,102b…と薄膜状の導電体103a,103b…とが相平行で交互に複数並ぶ縞構造の偏光膜104を、基板101と一体構造に設けることを基本形態に構成されている。この基板101としては、Si基板やファラデー回転結晶体等で構成される。
導電体103a,103b…は、極薄で凹凸の少ない平滑な膜であるため、この導電体103a,103b…による偏光膜104では入射光の反射分散が抑えられると共に光損失の発生が防止され、TM損失を小さく且つTE損失を大きく保てるよう構成可能である。
基板101の面上に光透過性の誘電体層105を形成し、その誘電体膜105の面上に前記偏光膜104を形成することにより、偏光膜104と誘電体膜105とから無反射膜を形成する。無反射膜を成すことにより、入射光IBの反射分散がより確実に抑えられて光損失の発生が防止されるため、光透過率,偏光性能等の光学性能に優れた偏光子を構成することが出来る。
更に、誘電体膜105,105’と、偏光膜104,104’とを、複数、交互に積層することにより、多層構造の無反射膜106を基板101上に一体形成することで、一層の偏光膜のみから成る偏光子に比べて消光比をより一層増大できて、性能の優れた偏光子を構成することが出来る。各偏光膜104’も、誘電体102a,102b…と導電体103a,103b…とが相平行で交互に複数並ぶ縞構造の膜である。
しかしながら従来の偏光子100では、図18に示すように平面方向(-y方向)から見たときに、各偏光膜104,104’における各導電体103a,103b…が、互いに平行に非交差となるように、同一位置に位置決めされて積層されていた。その位置決め状態の様子を、図中一点鎖線Aで示す。このため、偏光子100を透過する偏光成分(TM偏光)の大きさは、光学的に透明な領域である誘電体の幅Wに支配されるので、出射光OBの偏光成分の大きさは前記幅Wと同一になる。従って、誘電体102a,102b…の幅Wいっぱいまで大きさが拡大されたTM偏光が、偏光子100から出射するため、偏光子100の偏光特性の更なる改善は困難であった。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、複数の偏光膜(又は偏光部)の各導電体が交差するように、各偏光膜又は偏光部を積層することにより、偏光特性が改善された偏光子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の発明は、光透過性の基板と、導電体と光透過性の誘電体とから構成される縞構造の複数の偏光膜とを備え、
平面方向から見たときの、各偏光膜における導電体どうしの成す交差角度の鋭角をθとしたときに、
0度<θ≦60度の角度範囲内で各偏光膜を交差させて積層することを特徴とする偏光子である。
又、本発明の請求項2記載の発明は、光透過性の基板と、基板面上に刻設された複数の溝部とを有し、前記溝部に導電体を埋設することによって縞構造の偏光部を備え、更に、導電体と光透過性の誘電体とから構成される縞構造の偏光膜を備え、
平面方向から見たときの、偏光部と偏光膜における各導電体どうしの成す交差角度の鋭角をθとしたときに、
0度<θ≦60度の角度範囲内で偏光部と偏光膜を交差させて積層することを特徴とする偏光子である。
更に、本発明の請求項3記載の発明は、前記溝部の表面に一様に設けられた誘電体によって形成された第2の溝部に前記導電体が埋設されることを特徴とする請求項2記載の偏光子である。
更に、本発明の請求項4記載の発明は、前記各偏光膜における前記導電体の間隔を、前記偏光膜毎に異なるように設定することを特徴とする請求項1記載の偏光子である。
更に、本発明の請求項5記載の発明は、前記偏光部及び前記偏光膜における前記導電体の間隔を、前記偏光部及び前記偏光膜とで異なるように設定することを特徴とする請求項2又は3の何れかに記載の偏光子である。
本発明の偏光子に依れば、出射する偏光成分を小さくすることによって、入射光に対する出射光の偏光度も小さくし、消光比を改善することが出来る。又、導電体を複数層設けると共に、交差させることによって、単位面積当たりの導電体の占有面積を増加させて、除去したい偏光成分の反射量又は吸収量を増加し、消光比を向上させることが可能となる。
更に、二層の偏光膜、又は偏光部と偏光膜の交差角度を0度<θと設定することにより、各偏光膜又は偏光部における間隔と各導電体の幅を幅狭化したことと等価な効果(挿入損失や透過損失の低減等)が得られる。従って、前記間隔及び前記幅を幅狭化することなく所望の効果が得られるので、偏光子の製造プロセスの難度を緩和することも出来る。
更に、偏光膜を複数層設ける(一方は偏光部でも良い)ことによって、挿入損失を低減することが可能となる。
又、各偏光膜における導電体の間隔を、偏光膜毎に異なるように設定するか、偏光部及び偏光膜における導電体の間隔を、前記偏光部及び前記偏光膜とで異なるように設定することにより、偏光子の透過損失を低減することが可能となる。
以下、本発明に係る偏光子1を、図1〜図7を参照して説明する。図1は本発明に係る偏光子の偏光膜の構成を模式的に示す斜視図であり、図2は図1における偏光膜が積層された偏光子を模式的に示す斜視図である。更に、図3は図1の偏光子の平面図であり、図4は図3の偏光子の積層偏光膜を平面方向から見たときに、積層された偏光膜の一部を拡大した部分拡大平面図である。又、図5〜図7は図2の偏光子の偏光動作を示す各説明図である。なお、図5を除いて図1〜図7に示してあるx軸乃至z軸は、それぞれの図で対応している。
偏光子1は、光学的に透明な光透過性材料から成る基板2を有し、その基板2の面上に、誘電体3a,3a…が所定の間隔で配置され、この誘電体3a,3a…の間に保持されながら幅がW1、高さがH1の複数の薄膜状の導電体4a,4a…が互いに所定の間隔d1をもって基板2の面上に立設される。誘電体3a,3a…と導電体4a,4a…とが交互に複数平行に配置されることにより、縞構造の偏光膜7aが構成され、この偏光膜7aが基板2面上に備えられている。
更に、偏光膜7aの面上に誘電体膜5aを重ねて積層し、その誘電体膜5aを下地層にして、誘電体膜5bを更に積層することによって無反射膜6aを形成する。
次に、誘電体膜5bの面上に、二層目の偏光膜7bを積層形成する。偏光膜7bの構成も前記偏光膜7aと同様に、所定の間隔で配置された誘電体3b,3b…と、誘電体3b,3b…の間に保持された複数の薄膜状の導電体4b,4b…とが、複数平行に配置されることで縞状に構成される。導電体4b,4b…の幅W2と間隔d2の設定は後述する。
偏光膜7bは、平面方向(図中、-y方向)から見たときに偏光膜7aに対して、0度<θ≦60度の角度範囲内で交差するように積層される。θは、各偏光膜7a,7bの各導電体4a,4bどうしの成す鋭角の交差角度である。従って、各導電体4a,4bどうしも0度<θ≦60度の角度範囲内で交差する。このため、平面方向から見たときの、各導電体4a,4bの間に形成される光透過領域(各誘電体3a,3bが重なっている領域)は、図4に一部拡大図示したように、0度<θ≦60度の対角を有する平行四辺形になる。
更に、偏光膜7bの面上に複数の誘電体膜5c,5dを積層することによって、二層目の無反射膜6bを形成する。この様に、誘電体層5a〜5dと、偏光膜7a,7bとを交互に複数積層させ、多層構造の無反射膜6a,6bを基板2と一体構造に形成することにより、偏光子1が構成される。
基板2は、入射する光の波長に対して光学的に透明であれば良く、例えば、ガラス基板、アクリル,ポリカーボネートなどの樹脂基板、単結晶基板などを用いることが出来る。又、偏光子1の用途に応じて、例えば、ソ―ダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、Si結晶体の他に、BK-7ガラス(BKはホーヤガラス(株)製商標名)、鉛ガラス、ゲルマニウム結晶体、ニオブ酸リチウム結晶体等から好適なものが選択可能である。この中でも石英ガラスは紫外線から近赤外線に至る波長帯域の光の透過率が高いので、偏光子1を光通信用の波長帯域(1.31μm〜1.55μm)で使用する場合には特に好適である。また、石英ガラスはレーザーアブレーションやドライエッチング等の表面微細加工技術にも適用し易い。なお、偏光子1を光通信に適用する場合には、石英ガラスの他にSiを基板2に使用しても良い。
又、石英ガラス以外の材料を基板2に使用する場合には、基板2の表面に光透過材料(例.二酸化珪素被膜(石英)、Si、プラスチック等)を数μmの厚さで形成したものを用いても良い。この場合、偏光子1は基板2の表面から数μmの部分で偏光特性を実現させれば良い。
導電体4a,4bを固定、保持する誘電体3a,3b及び誘電体膜5a〜5dとしては、基板2の屈折率と等しいか又は略等しい屈折率を有する材料が、偏光子1を透過する偏光成分の位相を補償する点で好ましい。このような材料としては、基板2と同じ物であることが望ましいが、基板2と異なる材料を用いる場合は、屈折率が基板2に近似する材料を選択することが好ましい。具体的な材料としては、入射する光の波長に対して光学的に透明な光透過性であれば良く、Si、Al、Be、Cs、Rb、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Zn、Cd、Pb、Bi、Ge、Ta、Tl、Ti、P、Ag、As、Sb、Te、Y、Sc、Sn、Hf、W、Nb、Cr、Mn、B、Zr、Zn等の酸化物(例えば、SiO2、TiO2、Al2O3、Ta2O5、ZrO2、MgO、SnO2、ZnO等)や、少なくとも1つ以上を含むガラス、又はSiなどの半導体や、Si3N4、SiOxNy、MgF2などの化合物であれば良い。なお、誘電体3a,3bを他の透明な固体、例えば、UV接着剤のような硬化性透明樹脂に置き換えても良い。
一方、導電体4a,4bの材料としては、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Al、Ge、Rh、Si、Ni、Co、Mn、Fe、Cr、Ti、Ru、Nb、Nd、Yb、Y、Mo、In、Bi、Ta、W、Be、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これらは、導電率と比誘電率とが比較的大きいので、導電体4a,4bに用いた場合、偏光子1の入射光に対する反射と吸収の特性が大きくなり、偏光子1の偏光特性を向上させることが出来る。特に、Au、Ag、Al、Cr、Co、W、Fe、Cu、Be、Mg、Rhは電気抵抗が低いため望ましい。
間隔d1,d2を小さく設定するほど偏光分離効果は大きくなるが、d1及びd2が0.1λ(λ:入射光の波長)未満になると、透過すべき偏光成分の反射又は吸収が増大し、入射光の挿入損失が増大するので、偏光子1の性能が低下する。一方で、0.5λを超えると、使用波長λに対して、遮断すべき偏光成分を反射又は吸収するために寄与する導電体4a,4bが十分に存在しないことになる。その結果、遮断すべき偏光成分の透過率が高くなり、偏光子1が機能しなくなる。又、波長λの2分の1以下にしなければ回折現象が生じて偏光子1の消光性能が低下してしまう点を考慮する必要がある。以上の点を考慮して間隔d1,d2を設定することが好ましい。
導電体4a,4bの高さH1,H2は、入射光の進行方向に対して実質的に導電体として作用する程度に長く、遮断すべき偏光成分を受けて過渡電流が流れ、その結果、金属表面における現象と類似の反射又は吸収性能が得られて、遮断すべき偏光成分を透過させない程度の寸法に設定することが望ましい。
なお、幅W1,W2の設定に関しては後述する。しかしながら1層当たりの偏光膜(7a又は7b)における、導電体(4a又は4b)の幅(W1又はW2)と誘電体(3a又は3b)の幅(d1-W1又はd2-W2)の比は、それぞれ誘電体側が厚くなるように1:5〜1:100程度の範囲内に設定すると好適である。
偏光子1では、導電体4a,4bを目標仕様の高さH1,H2(膜厚)が100nm〜1μm範囲内の何れかで、厚みのバラ付きが±10%範囲の極薄で平滑なものとする。
各偏光膜7a,7bにおける前記縞構造の長手方向(例えば、偏光膜7aにおけるz方向)の寸法は、各間隔d1,d2に対して数十倍に設定する。
次に、偏光子1の偏光動作を、図5と図6を参照しながら説明する。図5に平面方向から見たときの前記偏光膜7a,7bにおける光の偏光状態を表し、図6には各偏光膜7a,7bにおける光の偏光状態を模式的に表す。なお、図5と図6の(a)〜(f)は対応している。図5と図6の(a)に示す様に、偏光子1の偏光膜7bに無偏光の光が入射すると、入射光のうち、電界が導電体4bの縞構造の長手方向に対して平行な偏光成分8は反射又は吸収されて、誘電体3bを透過しない。その不透過の偏光成分の様子を、図5と図6の(b)に破線で示す。一方、電界が、導電体4bの縞構造の長手方向に対して垂直な偏光成分9は誘電体3b内部を透過して、偏光膜7bから偏光膜7aへと出射される。その様子を図5と図6の(c)に示す。
偏光成分8に対して導電体4bの長さ(高さH2)は、入射光の波長に比較して実質的に導電体として作用する程度に長いので、導電体4bに過渡電流が流れる。この結果、金属表面における現象と類似の反射又は吸収性能が得られるので偏光成分8は偏光膜7bを透過しない。一方の偏光成分9では、前記波長に比較して導電体4bの長さ(幅W2)が短いために実質的に導電体として作用せず、導電体4bに過渡電流が流れることはない。従って、偏光成分9は偏光膜7bを透過する。
偏光膜7bを透過した偏光成分9は、次に、図5と図6の(d)に示すように偏光膜7aに入射する。偏光膜7aの誘電体3aに入射した偏光成分9は、誘電体3aによって相互に直交する偏光面を有する2つの偏光成分9aと9bとに分離される。その偏光成分9a,9bの内、電界が導電体4aの縞構造の長手方向に対して平行な偏光成分9aは反射又は吸収されて、誘電体3aを透過しない。その不透過の様子を図5と図6の(e)に破線で示す。一方、電界が導電体4aの縞構造の長手方向に対して垂直な偏光成分9bは誘電体3a内部を透過して(図5と図6の(f)参照)、偏光子1から出射される。
偏光成分9aに対して導電体4aの長さ(高さH1)は、入射光の波長に比較して実質的に導電体として作用する程度に長いので、導電体4aに過渡電流が流れる。この結果、金属表面における現象と類似の反射又は吸収性能が得られるので偏光成分9aは偏光膜7aを透過しない。一方の偏光成分9bでは、前記波長に比較して導電体4aの長さ(幅W1)が短いために実質的に導電体として作用せず、導電体4aに過渡電流が流れることはない。従って、偏光成分9bは偏光膜7aを透過する。
図5の例では、誘電体3a,3bが重なって形成される透過領域において、最も広い箇所を透過した偏光成分9bの大きさを図示しているが、それでも同図(f)に示すように最終的に偏光子1から出射するときの偏光成分9bの大きさは、誘電体3bの幅(d1-W1)よりも小さくなる。従って前記透過領域の、より狭い箇所を透過する入射光は、図7に示すように、最終的により小さな偏光成分10や11として偏光子1から出射される。
偏光子1から出射される偏光成分が小さくなるに従い、入射光に対する出射光の偏光度も小さくなる。よって、偏光度の減少に伴って消光比に優れた偏光子を形成することが可能となる。又、導電体4a,4bを複数層設けると共に交差させることによって、単位面積当たりの導電体の占有面積が増加するので、その分、除去したい偏光成分の反射量又は吸収量が増加して、偏光子1の消光比が向上する。
なお、交差角度θが60度を超えると、前記偏光成分9の透過動作に作用する平行四辺形の対角線(図5及び図6で示す平行四辺形の対角線のうち、短い方の対角線)の寸法が拡大され、偏光膜7bで透過する偏光成分9の大きさが拡大されてしまう。すると、次層の偏光膜7aで透過する偏光成分9bの大きさも誘電体3aの幅いっぱいまで拡大されるため、偏光膜7a,7bを交差させる意味が殆ど無くなってしまう。従って、交差角度θは0度<θ≦60度の範囲で設定することが望ましい。
更に、偏光膜7a,7bを複数層設けることによって、挿入損失を低減することも可能となる。
導電体4a,4bの幅W1,W2は、10〜300nm程度に形成する。
又、一層目の偏光膜7aにおける導電体4aの間隔d1は、二層目の偏光膜7bにおける間隔d2よりも若干大きく設定することが望ましい。導電体4a,4bの間隔を、偏光膜7a,7b毎に異なるように設定することで、平面方向から見たときに二層の偏光膜7a,7bによって出来る導電体4a,4bの交差の目が、過度に緻密化することが防止される。交差の目が細かくなり過ぎると、光の透過領域である誘電体3a,3bの重複領域が減少して、偏光化効率は高くなるが、透過損失が大きくなる。従って、偏光膜7aにおける導電体4aの間隔d1を、偏光膜7bにおける導電体4bの間隔d2よりも若干大きく設定することによって、透過損失を低減することが可能となる。
なお、上記の例とは逆に、導電体4bの間隔d2を、導電体4aの間隔d1よりも若干大きく設定するように変更しても良い。
次に、偏光子1の製造方法について図8〜図13を参照しながら説明を行う。まず、図8で示すように誘電体材料から所定厚みの誘電体ベース層12をスパッタリングまたは真空蒸着により基板2の面上に形成する。次に、縞状のマスクを誘電体ベース層12の表面に載置し、X線リソグラフィー法及びECR,エッチング法、電子線描画技術等により、図9で示すように所定の間隔を隔て平行する複数の誘電体ベース縞13a,13a…を所定の間隔に形成する。
その誘電体ベース縞13a,13a…に対し、分子線エピタキシー(MBE)や原子層エピタキシー(ALE)或いはスパッタリング、真空蒸着等を適用して、図10で示すように導電性の金属を斜め上方より飛ばすことにより導電体薄膜14a,14a…を誘電体ベース縞13a,13a…の側面に薄膜状に接触形成する。この金属は、専ら、斜め上方から誘電体ベース縞13a,13a…の片側面に向けて飛ばすため、導電体薄膜14a,14a…は膜厚を薄く精密に形成することが出来る。但し、導電性金属は誘電体ベース縞13a,13a…の上面にも付着するが、これは後工程で除去する。
その導電体薄膜14a,14a…を形成した後、図11で示すように誘電体ベース縞13a,13a…と同材質の誘電体材料15をスパッタリングまたは真空蒸着により導電体薄膜14a,14a…と誘電体ベース縞13a,13a…の残余間隔に埋める。次に、図12で示すように誘電体ベース縞13a,13a…の上面が露出するまで余分な誘電体材料15並びに導電体薄膜14a,14a…を研磨等により取り除く。誘電体ベース縞13a,13a…の上面に付着した導電性金属を除くことにより、前記導電体4a,4aが形成される。
その誘電体材料15からは誘電体付加層13b,13b…を形成すると共に、誘電体付加層13b,13b…と誘電体ベース縞13a,13a…とから前記誘電体3a,3a…を形成する。これにより誘電体3a,3a…と導電体4a,4aとが交互に複数並ぶ縞構造の偏光膜7aを形成できる。なお、誘電体ベース縞13a,13a…の形成方法としては、他にレーザーアブレーションや、プレスによるパターン転写等を用いても良い。
偏光膜7aを含む多層構造積層膜を無反射膜6aとして形成するときは、図13で示すように少なくとも誘電体膜5aを縞構造の偏光膜7aに重ねて積層し、誘電体膜5aを下地層として誘電体膜5bを更に積層する。
その後、前記交差角度θ分だけ、基板2を回転させ、上記工程と同様に誘電体膜5bの膜上に偏光膜7bと誘電体膜5c,5dを形成する。二層の偏光膜7aと7bとの交差角度θを前記の通り0度<θと設定することにより、各偏光膜7a,7bにおける間隔d1,d2及び各導電体4a,4bの幅W1,W2を幅狭化したことと等価な効果(挿入損失や透過損失の低減等)が得られる。従って、前記間隔d1,d2及び前記幅W1,W2を幅狭化することなく所望の効果が得られるので、偏光子1の製造プロセスの難度を緩和することも出来る。
誘電体3a,3b又は導電体4a,4bのどちらか一方は、Siなどの半導体に置き換え可能である。
なお、本発明はその技術的思想に基づいて種々変更可能であり、例えば、図14(a)〜(e)に示すように前記偏光膜7a及び誘電体膜5a,5bを種々変更することが可能である。図14(a)〜(e)は、それぞれ前記z方向から見た偏光膜7a及び誘電体膜5a,5bの変更例である。図14(a)に示すように誘電体膜5a,5bを下地層にして、その上に偏光膜7aを成膜するように変更しても良いし、同図(b)に示すように前記誘電体3aの換わりに導電体4a’,4a’…を覆うように誘電体層3a’を形成することで偏光膜7aを構成しても良い。又、同図(c)に示すように誘電体層3a’中に埋設するように導電体4a’,4a’…を配設して偏光膜7aを形成しても良いし、同図(d)に示すように誘電体層3a’を基板2面上に形成してから導電体4a’,4a’…を配設しても良い。又、同図(e)に示すように誘電体膜5a,5bを下地層にして、その上に導電体4a’,4a’…を覆うように誘電体層3a’を形成して偏光膜7aを構成しても良い。導電体4a’は薄膜状のもので互いに平行配設されている。なお、図14(a)〜(e)では簡略化のため偏光膜7aと誘電体膜5a,5bのみ図示したが、無論、前記交差角度θを付けて偏光膜7b及び誘電体膜5c,5dを、各図の偏光膜7a及び誘電体膜5a,5bの構造で積層形成する。
又、前記実施形態の基板2及び一層目の偏光膜7aからなる光学素子部分を、図15又は図16に示すような偏光部17,19を有する光学素子に変更し、その上から誘電体膜5a,5b、及び前記無反射膜6bを交差角度θでもって交差形成しても良い。
図15の光学素子は、前記誘電体3aが無く、光透過性の基板2の面上に、凹形の複数の溝部16が互いに平行に刻設され、この溝部16内に導電体4aが直接、埋設されることによって、縞構造の偏光部13が備えられている。従って、導電体4aは溝部16に接触することで固定されている。
図16の光学素子は、光透過性の基板2の面上に、凹形の複数の溝部16が互いに平行に刻設され、この溝部16を含む基板2の表面に一様に薄膜状の誘電体3aが設けられ、この誘電体3aによって形成された第2の溝部18内に導電体4aが直接、埋設されることによって、縞構造の偏光部19が備えられている。従って、導電体4aは溝部18に接触することで固定されている。
なお、偏光部17,19における導電体4aの間隔d3を、積層形成する偏光膜7bの導電体4bの間隔d2と異なるように設定して、導電体4a,4bの交差の目の過度な緻密化を防止し、透過損失を低減しても良い。
本発明の偏光子は、光アイソレータや光アッテネータ、偏光ビームスプリッタ等と云った各種光学素子や装置等に利用することが可能である。
本発明に係る偏光子の偏光膜の構成を模式的に示す斜視図。 図1における偏光膜が積層された偏光子を模式的に示す斜視図。 図1の偏光子の平面図。 図3の偏光子の積層偏光膜を平面方向から見たときに、積層された偏光膜 の一部を拡大した部分拡大平面図。 平面方向から見たときの複数の偏光膜における光の偏光状態を表す説明図。 各偏光膜における光の偏光状態を模式的に表す説明図。 積層偏光膜における透過領域の、より狭い箇所を透過する入射光の偏光成 分を表す部分拡大平面図。 誘電体ベース層の形成工程を示す説明図。 誘電体ベース縞を形成する工程を示す説明図。 導電体薄膜を形成する工程を示す説明図。 誘電体材料を埋設する工程を示す説明図。 誘電体材料並びに導電体薄膜の余剰部分の除去工程を示す説明図。 無反射膜となる誘電体膜を形成する工程を示す説明図。 本発明に係る偏光子の、偏光膜及び誘電体膜の変更例を示す部分正面図。 実施形態の基板及び基板上に形成される一層目の偏光膜からなる光学素 子部分の変更例を示す斜視図。 実施形態の基板及び基板上に形成される一層目の偏光膜からなる光学素 子部分の別の変更例を示す斜視図。 多層構造の無反射膜を設けた従来の偏光子を示す説明図。 図17の偏光子における各無反射膜の導電体と誘電体との位置決め状態 を表す説明図。
符号の説明
1 偏光子
2 基板
3a,3b 誘電体
4a,4b 導電体
5a,5b,5c,5d 誘電体膜
6a,6b 無反射膜
7a,7b 偏光膜
8,9,9a,9b,10,11 偏光成分
12 誘電体ベース層
13a 誘電体ベース縞
13b 誘電体付加層
14a 導電体薄膜
15 誘電体材料
16 溝部
17,19 偏光部
18 第2の溝部

Claims (5)

  1. 光透過性の基板と、導電体と光透過性の誘電体とから構成される縞構造の複数の偏光膜とを備え、
    平面方向から見たときの、各偏光膜における導電体どうしの成す交差角度の鋭角をθとしたときに、
    0度<θ≦60度の角度範囲内で各偏光膜を交差させて積層することを特徴とする偏光子。
  2. 光透過性の基板と、基板面上に刻設された複数の溝部とを有し、前記溝部に導電体を埋設することによって縞構造の偏光部を備え、更に、導電体と光透過性の誘電体とから構成される縞構造の偏光膜を備え、
    平面方向から見たときの、偏光部と偏光膜における各導電体どうしの成す交差角度の鋭角をθとしたときに、
    0度<θ≦60度の角度範囲内で偏光部と偏光膜を交差させて積層することを特徴とする偏光子。
  3. 前記溝部の表面に一様に設けられた誘電体によって形成された第2の溝部に前記導電体が埋設されることを特徴とする請求項2記載の偏光子。
  4. 前記各偏光膜における前記導電体の間隔を、前記偏光膜毎に異なるように設定することを特徴とする請求項1記載の偏光子。
  5. 前記偏光部及び前記偏光膜における前記導電体の間隔を、前記偏光部及び前記偏光膜とで異なるように設定することを特徴とする請求項2又は3の何れかに記載の偏光子。
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