JP2007064968A - 標的物質検出用の素子及びそれを用いた標的物質の検出方法、並びにそのための検出装置及びキット - Google Patents

標的物質検出用の素子及びそれを用いた標的物質の検出方法、並びにそのための検出装置及びキット Download PDF

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Abstract

【課題】検体中の微量の標的物質を検出するために好適な標的物質検出用素子、それを用いた標的物質の検出方法、そのための装置及びキットを提供すること。
【解決手段】基板と、該基板表面上に金属を用い孤立して配された構造体と、該構造体上に配された標的物質捕捉体と、を有し、局在プラズモン共鳴を利用して標的物質を検出するための素子において、前記構造体を、少なくとも2つの金属層を、該金属層の間に非導電層を挟んで積層してなる構造とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体中における生体物質等の標的物質の有無を検出するために有用な標的物質検出用の素子、標的物質検出装置、検出方法及び検出用キットに関する。
従来、金属微粒子を基板表面に固定化し、そこに誘起される局在プラズモン共鳴を利用して金属微粒子近傍の物質を検出する測定法が知られている。金や銀などの金属微粒子に光を入射すると、局在プラズモン共鳴により特徴的な共鳴スペクトルが現れる。その共鳴波長は金属微粒子近傍の媒質の誘電率に依存することが知られている。その誘電率が大きくなるに従い、共鳴ピークの吸光度は大きくなり、長波長側へシフトするようになる。
例えば、特許第3452837号明細書は、基板上に離間して配した複数の金属微粒子を用いて構成されるセンサーを開示する。ここでは、センサーユニットに光を照射し、該センサーユニットを透過する光の吸収度を測定することで、微粒子近傍の媒質の屈折率を検出する局在プラズモン共鳴センサーを開示する。具体的には、直径約20nmの金コロイドを用いた系を提案している。また、EP1445601A2公報は、複数の微細孔が形成された層状の基体と、微細孔内に充填された金属微粒子と、基体の表面で微細孔の周囲部分に配した金属薄膜と、を有する局在プラズモンセンサーを開示する。このセンサーにおいては、微粒子の局在プラズモン共鳴と近接する金属薄膜の表面プラズモン共鳴の相互作用を利用し、微小な屈折率変化や特定物質との結合を検出できるとしている。
一方、Felicia Tamら(J.Phys.Chem.B.、2004年、108巻、45号、p.17290−17294)にあるように、誘電体の核に金薄膜をコートしたコアシェル型の微粒子を作製し、検出能力の向上を図っている素子構成例もある。
金属薄膜と、金属微粒子の相互作用を利用した系として、EP0965835A2公報に開示されたものがある。ここでは、基板上に形成した金薄膜と、該金薄膜上に形成した高分子の微粒子に金をコーティングしたものとを組み合せたセンサ系を提案している。そして、下地の金薄膜に起因する表面プラズモンと高分子微粒子表面上の金コーティングに起因する局在プラズモンとが、相互作用することで、センサ特性の向上を図っている。
また、特開平10−267841号公報には、プリズム上に金属薄膜、誘電体薄膜、金属薄膜をこの順で積層し、光源からの光を金属薄膜上で全反射させることで表面プラズモンを誘起させる表面プラズモン共鳴センサが開示されている。しかし、この公報に開示されたのはあくまで、表面プラズモン共鳴センサであって、基板上に孤立して設けたナノメーターサイズの金属構造体に局在プラズモンを誘起させる局在プラズモンセンサではない。
特許第3452837号明細書 欧州特許公開第1445601号公報 欧州特許公開第0965835号公報 特開平10−267841号公報 Felicia Tamら(J.Phys.Chem.B.、2004年、108巻、45号、p.17290−17294)
局在プラズモン共鳴を利用した測定法は、蛍光色素などの標識分子が必要でないためアッセイの構成が簡単である。また、金属微粒子表面への吸着反応の過程を直接リアルタイム・モニタリングできること、などの特長を有しており、各種のアッセイへの適用が期待されている。しかしながら、これまでのプラズモン共鳴を利用して標的物質を検出するための素子を用いて、抗原抗体反応の特異性を利用したイムノ・アッセイなどのアフィニティ・アッセイを行なった場合、十分な検出感度が得られない場合があった。この検出感度に関する課題は、既存の蛍光免疫法や化学発光免疫法に代えて、プラズモン共鳴を利用する検出方法をアフィニティ・アッセイに適用する場合における解決すべき課題の一つである。つまり、上述した文献に開示された発明にあっては、必ずしも十分な検出感度が得られておらず、未だ改善すべき余地がある。
本発明により提供される標的物質検出用の素子は、基板と、該基板表面上に金属を用い孤立して配された構造体と、該構造体上に配された標的物質捕捉体と、を有し、局在プラズモン共鳴を利用して標的物質を検出するための素子であって、前記構造体が、少なくとも2つの金属層を、該金属層の間に非導電層を挟んで積層してなることを特徴とする。
本発明により提供される標的物質検出装置は、局在プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検出する装置であって、本発明の標的物質検出用の素子を保持するための保持手段と、該素子による標的物質の捕捉を検出するための検出手段と、を有することを特徴とする。
本発明の標的物質の検出方法は、検体中の標的物質を局在プラズモン共鳴を利用して検出する検出方法であって、本発明の標的物質検出用の素子と、前記検体と、を接触させる工程と、前記素子への標的物質の捕捉を検出する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の標的物質検出用のキットは、検体中の標的物質を局在プラズモン共鳴を利用して検出するためのキットであって、本発明の標的物質検出用の素子と、本発明の検出装置と、標的物質の前記素子への捕捉に必要な試薬と、を有することを特徴とする。
本発明においては、局在プラズモン共鳴を生じる2つの金属層が非導電性層を挟んで構成される積層構造体が、基板表面上に孤立して配されている。これにより局在プラズモン共鳴の相互作用を効果的に利用することができる。これにより、検体中の微量の標的物質を検出するために好適な標的物質検出用素子、それを用いた標的物質の検出方法、そのための装置及びキットを提供することができる。
本発明にかかる標的物質検出用の素子は、基板の表面に形成された金属層を用いた積層構造体を有する。この積層構造体は3以上の層からなり、これらの層が基板の表面と直交する方向に積層された層構造を形成している。積層構造体を構成する層には、少なくとも2つの金属層と、少なくとも1つの非導電性層とが含まれる。これらの金属層が非導電性層を挟持したサンドイッチ構造を形成しており、金属層と非導電性層とは交互に積層されていることが好ましい。また、積層構造体は基板上に間隔をもって複数配置することができる。
図1は、本発明にかかる標的物質検出用の素子の一例を示す図であり、図1(A)は基板表面に積層構造体を配置した状態の斜視図、図1(B)及び(C)は基板に垂直な方向(基板の厚さ方向)の断面図である。以下、本発明の実施の形態を各構成要素ごとに図1を参照して詳細に説明する。
(積層構造体)
積層構造体は、少なくとも2つの金属層と、少なくとも1つの非導電性層と、が基板表面上に基板の厚さ方向に積層された構造を有する。そして、積層構造体は、基板表面に孤立して設けられる。図1(B)の例では、2つの金属層と、これらの金属層に挟持された非導電性層構造の積層構造が基板表面から突出した状態に形成されている。また、図1(C)にあるように、積層構造体は、基板表面から基板内部に埋没した部分を有するものでも良い。また、図1に示すように、金属層と非導電性層は積層方向に交互に配置されることが好ましい。
金属層を形成するための金属材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、及びこれらの2種以上の合金などを挙げることができる。基板表面に金属層を設ける場合は、基板との密着性の観点から、基板と金属層の間にクロムあるいはチタンなどの接着性の金属薄膜を配して、基板上に金属層を形成してもよい。また、積層構造を構成する層数は図1に示される例に限定されず、3層以上の層数から選択することができる。但し、金属層と非導電性層が交互に積層された構造とすることが好ましい。また、複数の金属層を用いる場合の各金属層はそれぞれ独立して上記の材料から形成することができる。すなわち、異なる金属材料からなる2以上の層を用いることができる。非導電性層についても同様に、複数の非導電性層はそれぞれ独立して下記の材料から形成することができる。すなわち、異なる非導電性材料からなる2以上の層を用いることができる。
非導電性層を形成するための非導電性材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、ポーラスシリカ、高分子材料(例えば、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリジメチルシロキサン、アクリル、エポキシなど)のいずれか、もしくはそれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
積層構造体を構成する、2つの金属層の各層は、10nmから100nmの範囲の厚さとするのが好ましい。また、金属層の間に挟まれる非導電層の厚みも10nmから100nmの範囲とするのが好ましい。更に、積層構造体をなす全層を加えた厚みは、30nmから300nmの範囲とするのが好ましい。
積層構造体の二次元形状(基板表面を平面として表わした場合の平面形状)は、図2(A)乃至(I)に代表されるような形状をとることができる。外形と内形が同一の形状でない場合(図2(J))や、線状の構造体の交差部が鋭角に形成されずに、丸く鈍ったような構造体(図2(K))でもよい。図2(D)〜(G)及び(J)に示される平面形状はループ部を有するものとして分類できる。すなわち、図2(D)〜(F)及び(J)に示す平面形状は、ループ部のみからなるリング状であり、図2(G)の平面形状は、その一部分にループ部を有する形状である。更に、同一積層構造体が2以上のループを結合したパターンを有するものとすることもできる。
図2(G)〜(I)及び(K)に示される平面形状は分岐部を有するものとして分類できる。すなわち、図2(G)及び(H)に示すように、少なくとも2本の帯状部により交差部が形成された形状、図2(I)にあるように、交差部において帯状部の少なくとも1つが交差部で封止されて、他方の側へ突き抜けていない形状などを挙げることができる。更に、図2(K)のように、製法上、交差部の角が鋭角に形成されずに、丸く鈍ったような形状を形成していてもよい。また、帯状部の交差する角度は、直角に限定されない。更に、図2に示す例では、帯状部は直線的に伸びているが、帯状部は曲線的に伸びているものであってもよい。
積層構造体の平面形状における大きさ、すなわち、外周部における任意の一点から他の点までの距離は、10nm〜1450nmの範囲内にあることが好ましい。更には、50nm〜450nmの範囲内にあることが好ましい。この場合、任意の2点間の最大距離がこの範囲に入っていればよい、例えば、図13に示す幅Wの帯状部分を用いた井桁状のパターンの場合では点XY間の距離が最大であるので、この距離を上記の範囲内とする。また、同様に幅Wの帯状部分を用いた矩形リングパターンの場合でも外周形状のXY間の対角線Lの距離が最大であるのでLを上記の範囲内とする。図2(F)に示す円形リングパターンでは、外周円の直径を上記の範囲とする。積層構造体の平面形状の大きさがこの範囲にあることで、目的とする検出感度を達成できる局在プラズモン共鳴を更に効果的に得ることができる。
一方、図2(D)〜(K)に示す積層構造体は、帯状の部分を基本として構成されておる。この帯状部分の幅(帯幅)は、積層構造体の形成が可能であり、かつ本発明が目的とする局在プラズモン共鳴が得られるものであれば特に限定されない。帯幅は、10nm〜100nmの範囲とすることが好ましい。この帯幅は、例えば図2(F)の円形リングパターンの場合は、外周円と内周円の半径の差であり、図13に示すパターンの場合はWで示される部分である。また、帯状のパターンの幅は同一積層構造体中で同一であっても、帯幅に異なる部分があってもよい。
積層構造体は、必要に応じて基板上に1個以上を設ける。複数個設ける場合には、各積層構造体の間隔は、好ましくは50nm〜2000nm、より好ましくは150nm〜1000nmの範囲から選択した距離とすることが好ましい。これは、積層構造体同士の局在プラズモンによる相互作用により空間的な電場の分布・強度に影響があるためである。また、間隔が大きくなると、積層構造体の密度が下がり、信号強度が弱くなってしまうため、特殊な光学系を適用する必要性が出てくるので、上記範囲にあることが好ましい。
複数の積層構造体を設ける場合は、平面形状及びその大きさは、各積層構造ごとに独立して設定することができる。例えば、異なる複数種類の積層構造体を基板上に設けることができる。積層構造体の製造効率や検出系の構成を簡便化する点などを考慮した場合は、図3に示すように、数mm角程度の領域に同一形状及び大きさの積層構造体を規則的にアレイ状に基板上に配置することが好ましい。このような配置とすることで、透過光、散乱光または反射光の測定を容易にすることができる。ここで、図1における2つの金属層101と、これらの間に挟まれた非導電性層102とは、平面的には同じ形状と大きさを実質的に有している。この関係は、図3において金属を用いた構造体を複数配した場合においても同様である。
積層構造体の膜厚、外形、帯幅、構造体間隔は、局在プラズモン共鳴スペクトルのピーク位置に影響するため、測定に適したサイズに形成することが好ましい。
本発明においては、積層構造体を2つの金属層を非導電性層を挟んで積層して構成し、これを基板表面上に孤立して設けた。これにより、微量の標的物質の検出に好適な感度を得ることが可能となる。すなわち、本発明の積層構造体においては、2つの金属層を非導電性層を挟んで積層した構造としたことにより、2つの金属層で発生する局在プラズモンが相互作用をすることで、局所的に局在プラズモンが増強される領域が生じる。局在プラズモンが増強されることにより、構造体近傍の誘電率変化に対する感受性が増大することになる。これにより、検体中の微量の標的物質を検出することができる検出素子、検出装置および検出方法を提供することができる。ここで、2つの金属層と非導電性層とが平面的に同じ形状と大きさを実質的に有する場合には、局在プラズモンの相互作用が得られやすく好ましい。
尚、本願発明で利用する局在プラズモンは、空中を伝播する光をナノメーターサイズの金属構造体に入射させることで誘起されるものである。これに対し、プリズムの一つの面全面に金属薄膜を被覆し、該金属薄膜に表面プラズモンを誘起させる表面プラズモン共鳴センサは、非伝播光であるエバネッセント光を誘起のための用いる。表面プラズモン共鳴センサでは空中を伝搬する伝搬光ではプラズモンを誘起することができず、エバネッセント光を生じさせるために全反射光学系を必要とする。従って、局在プラズモンを利用したセンサは、全反射光学系を必要とせず、種々の形態のセンサへの適用が可能である。
入射光の方向は、基板に垂直な方向を基本とするが、金属構造体に斜め方向から入射させると、金属層と入射光とが相互作用する光の位相を層間でずらすことができる。これによりプラズモン共鳴の位相も層間でずれるため、金属層の近接による相互作用に加え、このモード(位相ずらし)の相互作用による効果を利用することもできる。
更に、積層構造体の平面形状をループ部及び/または分岐部を有するものとすることによる検出感度の更なる向上を図ることができる。この検出感度の向上の理由として、1つの積層構造体における輪郭長さが増大すること、分岐部を利用する場合には更に角部の数が増加すること、積層構造体の平面形状におけるエッジ間の距離を小さくできること、などが相乗的に関与しているものと考えられる。例えば、図2(D)〜(F)、(G)及び(J)におけるように中抜き部分を有することで、積層構造体の輪郭長は、外周部と内周部の2つの合計となり、輪郭長が増加する。更に、図2(D)の場合では、角部は合計8個であり、中抜き部分がない場合の4個の2倍となる。また、図2(D)の場合において中抜き部分がない場合は、外周を形成するエッジ部上での2点間の距離(エッジ間距離)は正方形の対峙する2辺の間隔となる場合に最小となるのに対して、中抜き部分がある場合にはエッジ間距離は外周エッジと内周エッジの間での最大距離pとなり、同一の大きさの積層構造体内でエッジ間距離を短縮することができる。
図2(F)で示されるリング形状の場合では、輪郭長が外周部と内周部との合計となり、エッジ部の局在プラズモンの増強領域が拡大され、更に、リングの内側と外側のエッジが近接するので局在プラズモン同士が相互作用し局在プラズモンが更に大きく増強されるという効果が期待できる。
かかる形状に基づく積層構造体の構造は、局在プラズモンの増強領域が大きくなり、実効的な検出領域の割合が増大する、また、角部や交差部では近接する局在プラズモン同士が相互作用し局在プラズモンが大きく増強されるなどの特徴を有する。
ここで、本願発明にいう基板とは、積層構造体を孤立した状態で配しうる支持体を意味する。このような基板としては、光学的に透明な、ガラス基板、石英基板、ポリカーボネートやポリスチレンなどの樹脂基板やITO基板などを用いることができる。すなわち、プラズモン共鳴法による検出を可能とする基板であればよい。また、本願発明にいう基板表面とは、支持体自体の表面はもちろんのこと、支持体表面に何からの被覆がなされたものをも包含する。
本発明にかかる検出素子は、以下の工程により作製することができる。
図5に示したように、まず、基板上に金属薄膜をスパッタ法あるいは蒸着法により成膜する(図5(B))。その上に電子線レジストをスピンコートにより成膜し(図5(C))、電子線描画装置で露光し、現像後レジストパターンを得る(図5(D))。その後、不要な金属薄膜をエッチングし(図5(E))、レジストを除去して、アレイ状の構造体を形成する(図5(F))。前述の電子線描画装置の他、集束イオンビーム加工装置、X線露光装置、EUV露光装置によるパターニングで作製することもできる。前記スパッタ法あるいは蒸着法により成膜する工程(図5(B))の時点で、多層膜は、順次、スパッタ法、CVD法、蒸着法あるいはスピンコート法により作製してもよいし、図5(B)から(F)の一連の工程を1層ずつ繰り返して作製してもよい。このとき、非導電性材料の製膜には、材料に応じて適宜、スパッタ法、CVD法、蒸着法あるいはスピンコート法を選択するものとする。
また、図6に示したように、モールド法により作製した微細な凹凸の基板(図6(A))を用いた作製方法も可能である。図6にあるように、前記基板上に金属薄膜をスパッタ法あるいは蒸着法により成膜する(図6(B))。続いて、非導電性材料を材料に応じて適宜、スパッタ法、蒸着法あるいはスピンコート法により成膜する。更に、目的の構成の多層膜になるまで、成膜を繰り返す。次に表面の金属薄膜を研磨し、所望の層構造を有する積層構造体を基板上に形成する(図6(C))。同様に図7は、前記層構造を有する積層構造体が基板の凹凸よりも薄い場合の作製方法を示すものである。この場合、基板の凸部が層構造を有する積層構造体表面より上部にあってもよいし、凹凸部の壁面に金属や非導電性材料の薄膜が成膜されていてもよい。ここで、研磨する代わりに金属膜をドライエッチングによるエッチバックを利用して除去することも可能である。
(捕捉能を持つ表面)
図4は標的物質捕捉体41として抗体を用いた場合を示している。抗体を積層構造体43に固定すると、積層構造体43に標的物質42が近づくと特異的に複合体が形成される。その結果、検出素子表面における誘電率(屈折率)が変化する。前記抗体とは、任意の免疫グロブリンクラスのメンバーであり、本発明においては、IgGクラスの誘導体がより好ましい。また、捕捉体としての抗体は、任意の手法により断片化された抗体フラグメント(抗体断片)でもよい。前記抗体フラグメントあるいは抗体断片とは、前記抗体あるいは免疫グロブリンの全長に満たない抗体の任意の分子あるいは複合体をいう。好ましくは、抗体フラグメントは、少なくとも、全長抗体の特異的結合能力の重要な部分を保持する。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab'、F(ab')2、scFv、Fv、多重特異性多価抗体(ディアボディー、トライアボディなど)およびFdフラグメントが挙げられるがこれらに限定されるものではない。抗体フラグメントを用いる場合、より検出素子近傍での捕捉が可能であるため、検出感度を向上することができる。また、多重特異性多価抗体を用いる場合、検出素子と標的物質の各々に対して特異的認識能を有するので、簡便かつ効率的に検出素子上に捕捉体を固定化することができる。抗体の他には、このような複合体形成の他の例としては、酵素と基質の複合体、DNAのハイブリダイゼーションによる相補的な塩基対形成などが挙げられる。そして、これらの複合体の一方を他方の捕捉体として利用することができる。これらの捕捉体は、物理的あるいは化学的な方法により、検出素子の表面に固定化される。なお、検出素子の表面に、いわゆる非特異吸着による共雑物の吸着による不必要なシグナルを防止するためにコーティングを行うことも有用である。即ち、スキムミルクやカゼイン、ウシ血清アルブミン、リン脂質、ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体などによるコーティングを行うことができる。
(検出装置)
上記の構成の素子を用いた標的物質検出装置について説明する。本発明による検出装置は、上記構成の素子を保持する保持手段と、素子からの信号を検出するための検出手段と、を少なくとも有して構成される。本発明による検出装置の一例を図8に示す。
検出手段としては、光源と分光器、レンズ類から構成される光学検出系と、検体を検出素子まで移動させ素子との反応を起こさせるための、反応用ウェル、流路、送液機構等からなる送液系からなる。光源としては、可視領域から近赤外領域までの波長領域をカバーできるものを用いる。光学測定は、吸収スペクトル、透過スペクトル、散乱スペクトル、反射スペクトルを用いることができる。最も好ましくは、吸収スペクトルのピーク波長あるいは、ピークの吸収強度を利用する。層構造を有する積層構造体による検出素子は、標的物質を特異的に結合すると、局在プラズモン共鳴が非結合状態に対して変化し、吸収スペクトルのピーク波長は、長波長側にシフトし、同時に吸収強度は増大する。そのシフト量の程度によって、あらかじめ作成しておいた標的物資に対する検量線から標的物質の量を定量することができる。本発明の検出素子は、局在プラズモン共鳴を利用しているので、積層構造体近傍では、局所的な電場増強が起こる。この現象は、表面増強ラマン分光法(SERS)や表面プラズモン蛍光分光法(SPFS)などの測定法にも応用でき、これらの方法による標的物質の定量も可能である。
反応用ウェルや流路は、いわゆるμTAS(Micro Total Analysis Systems)型の装置で用いられているポリジメチルシロキサン(PDMS)基板によって、作製されるのが容易である。このPDMS基板を検出素子を作製してある基板と貼りあわせて図7のような形状にて使用するものとする。送液機構としては、マイクロピストンポンプやシリンジポンプなどを用いる。
次に、代表的な使用形態を図9に示す。まず、捕捉能を持つ検出素子6のある反応ウェル部11に標的物質を含む検体を流路8を介して送液ポンプ5でインレット1より導入する。一定時間のインキュベーションを行い、その時の透過スペクトルを分光光度計3により測定する。中央演算装置10にて、あらかじめ作成してある検量用データと比較し、濃度や反応速度などの測定結果を表示ユニット7に表示する。必要があれば、測定前にリン酸緩衝液などを洗浄液としてインレット1より導入し、反応ウェル部11を洗浄してもよい。ここで、一定時間後のスペクトル変化を静的に測定する他に、その変化を動的にリアルタイム測定することも可能である。その場合、時間変化率などを新たな情報として取得することができる。
捕捉する標的物質としては、生体物質(タンパク質、核酸、糖鎖、脂質等)やアレルゲン、バクテリア、ウイルス等が好適である。さらに、検出装置は、生体由来の物質又はその類似物質を捕捉体成分として用いた、いわゆるバイオセンサに、医療用、産業用、家庭用を問わず、好適に応用できる。これにより、検体中の微量の標的物質を検出することができる。
(検出用キット)
上記構成の素子と、上記構成の検出装置と、標的物質の素子への捕捉に必要な試薬と、を少なくとも用いて標的物質検出用キットを構成することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(第1の実施例)
図10に本実施例で用いた概略の構造を示す。ここでは、検出素子は、膜厚20nmの金の構造体を625μm厚の石英基板上に電子線描画装置を用いてパターニングし作製する。各層の成膜は、スパッタ法により順次行う。構造体の外形は150nm×150nmのスクエアパターンである。層構造としては、上から、金薄膜20nm、シリコン酸化膜10nm、金薄膜20nmの3層構成とし、構造体と構造体の間隔は、400nmのスペースを開けてアレイ状に3mm×3mmの領域に配置されている。
構造体の表面に捕捉能を付与するため、本実施例で用いる標的物質捕捉体である抗AFP(α−fetoprotein)抗体を金の構造体表面に固定する方法を示す。本実施例の構造体の材質である金と親和性の高いチオール基を持つ、11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液をスポッタ等で滴下し、前記構造体表面を修飾する。これにより、構造体表面にカルボキシル基が露出される。その状態で、N−Hydroxysulfosuccinimide(同仁化学研究所社製)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride(同仁化学研究所社製)水溶液を同様にスポッタにて反応領域に滴下する。これにより、構造体表面にスクシンイミド基が露出される。さらに、ストレプトアビジンを結合させることにより、構造体表面がストレプトアビジンで修飾される。この構造体にビオチン化した抗AFP抗体を固定させる。
複数の検出素子のパターン領域を基板上に作製し、それぞれに異なる抗体を固定させ、検体中の異なる標的物質を同一基板上にて検出するような構成(マルチセンサ構成)をとることも、可能である。この場合、異なる抗体を用いて、前記の方法と同様の固定化操作を行うことで達成される。
以下の操作により、特異的に検体中のAFP濃度を測定することができる。
作製した素子に標的物質であるAFPを含んだ検体をインレット1より導入し、AFPを構造体上に捕捉させる。
検体をアウトレット2より排出し、次に、リン酸緩衝液をインレット1より導入し、反応ウェル11内部を洗浄する。最後にリン酸緩衝液を充填して、金の構造体の吸収スペクトルを測定する。
吸収スペクトルは、図11に一例を示すように、反応前と反応後を比較すると、特異的な抗原抗体反応によって、標的物質が検出素子表面に結合することでシフトする。ここで、吸収スペクトルのピーク強度、あるいはピーク波長のシフト量とAFP濃度の相関は、図12の検量線の様にあらかじめ既知のAFPコントロール溶液により求められており、これにより濃度未知の検体の微量AFP濃度を求めることができる。
(第2の実施例)
本実施例では、ポリカーボネート基板を用いてモールド法により微細な凹凸の基板を作製し、検出素子とする。微細な凹凸のパターンは、一般的な光ディスクを製造する要領で作製することができる。構造体の外形は200nm×200nmのスクエアパターンである。層構造としては、上から、金薄膜20nm、アクリル樹脂40nm、金薄膜20nmの3層構成とし、構造体と構造体の間隔は、600nmのスペースを開けてアレイ状に3mm×3mmの領域に配置されている。金薄膜は、蒸着法、また、アクリル樹脂薄膜は、スピンコート後、紫外線による硬化処理により成膜する。次に表面の不要な金薄膜を研磨処理し、所望の層構造を有する積層構造体を基板上に形成する(図6(C))。
構造体の表面に捕捉能を付与するため、実施例1と同様に処理する。本実施例では、標的物質捕捉体である抗PSA(前立腺特異抗原)抗体を金の構造体表面に固定化する。
吸収スペクトルは、実施例1と同じく、反応前と反応後を比較すると、特異的な抗原抗体反応によって、標的物質が検出素子表面に結合することでシフトする。吸収スペクトルのピーク強度、あるいはピーク波長のシフト量とPSA濃度の相関は、あらかじめ既知のPSAコントロール溶液により求め、これにより濃度未知の検体の微量PSA濃度を求めることができる。
(第3の実施例及び比較例1)
本実施例では、金属の構造体の形状をリング状の周回構造を有し、かつ層構造をなす構造体として形成する(図2(F))。この構造体は、リング形状による局在プラズモン増強効果と層構造による増強効果を併せ持つことを特徴とする。素子の作製は、実施例1と同じくスパッタ法による金薄膜およびシリコン酸化膜の成膜、電子線描画装置を用いての構造体のパターニング、及び、エッチングプロセスを順次行うことでなされる。走査型電子顕微鏡(SEM)画像で確認すると、構造体の外形は200nm×200nm、線幅は50nmである。描画プロセスの解像性の高低により、交差部の形状は、必ずしも直角に作製できるとは限らない。構造体と構造体の間は、400nmのスペースを開けてアレイ状に3mm×3mmの領域に配置されている。非導電性材料を挟んで金属を積層した本実施例においては、金属及び非導電性材料を積層しない場合(比較例1)、つまり金の薄膜パターン1層のみの場合と比較すると、屈折率変化に対するプラズモン共鳴ピーク波長のシフト量は、5〜20%程度増大する。
(第4の実施例)
本実施例では、積層構造体の形状を交差部を有し、かつ層構造をなす構造体として形成する(図2(H))。この構造体は、交差部を有することによる局在プラズモン増強効果と層構造による増強効果を併せ持つことを特徴とする。素子の作製は、実施例1と同じくスパッタ法による金薄膜およびシリコン酸化膜の成膜、電子線描画装置を用いての構造体のパターニング、及び、エッチングプロセスを順次行うことでなされる。
(第5の実施例)
実施例1に記載の素子において、金属構造体の表面に捕捉能を付与するため、本実施例では、検出素子の材料である金と標的物質であるHEL(ニワトリ卵白リゾチーム)の2つの物質に対して特異的親和性を持つ2重特異性抗体(ディアボディ)を用いる。ここで用いる2重特異性抗体(ディアボディ)は、特開2005−312446号公報に記載のものである。調整されたディアボディは、リン酸緩衝液と共に検出素子部に添加し、約30分間インキュベーション後、緩衝液にて洗浄して用いる。本実施例のディアボディを用いる手法によると、化学的な固定化方法に比べ、親和性を損なうことなく固定できること、その結果として、検出素子上に固定化するために必要な捕捉体量が削減できる。
次に、以下の操作により、特異的に検体中のHEL濃度を測定することができる。
(1)作製した素子に標的物質であるHELを含んだ検体をインレット108より導入し、HELを構造体上に捕捉させる。
(2)検体を排出し、リン酸緩衝液をインレット108より導入し、反応ウェル107内部を洗浄する。
(3)最後にリン酸緩衝液を充填して、金の構造体の吸収スペクトルを測定する。
吸収スペクトルについて反応前と反応後を比較すると、図11に1例を示すように、特異的な抗原体反応によって標的物質が検出素子表面に結合することで吸収スペクトルがシフトする。ここで、吸収スペクトルのピーク強度、あるいはピーク波長のシフト量とHEL濃度の相関は、あらかじめ既知のHELコントロール溶液により求められており、濃度未知の検体の微量HEL濃度を求めることができる。
(第2の比較例)
実施例1に記載の積層構造体による検出素子と同外形の単層構造体(外形150nm×150nmのスクエアパターン、金膜厚20nm)による検出素子を比較する。本比較例においては、時間領域差分法(FDTD法)による電磁場解析の結果を示す。図14は電磁場解析から得られる水中及び空気中のプラズモン共鳴スペクトルデータ示す。図14においては、単層構造体と積層構造体とについて、それぞれの媒質中における波長に対する透過率の変化を示している。図14より屈折率変化に対するプラズモン共鳴ピーク波長のシフト量は、積層構造体が315nm/RIU、単層構造体が270nm/RIUと見積もられ、これより積層構造体の感度が約17%の増大することが理解される。図15にシミュレーションによる構造体近傍の電場強度分布の状態を示す。図15(A)は単層構造体についてのものであり図15(B)は積層構造体についてのものである。図15より単層構造体(A)に比べて積層構造体(B)の方が、構造体近傍の電場強度の強い領域の広がりが大きく、感度と相関していると考えられる電場強度分布からも積層化による効果が観察された。
本発明の実施の形態における積層構造体を示す模式図である。 本発明の実施の形態における積層構造体の平面形状の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態における検出素子上の捕捉体の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態における検出素子の作製方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における検出素子の作製方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における検出素子の作製方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における検出装置の一部を表す模式図である。 本発明の実施の形態における検出装置のブロック図である。 実施例1の検出装置の模式図である。 実施例1の検出スペクトル(吸収スペクトル)の変化の一例である。 実施例1の検体の検量線の一例である。 検量線の一例を示す図である。 金属構造体の平面パターンの大きさの測定基準を示す図である。 比較例2の検出スペクトル(吸収スペクトル)の変化を示す図である。 比較例2の検出素子の電場強度分布の状態を表す図である。
符号の説明
1 インレット
2 アウトレット
3 分光光度計
4 光源ユニット
5 送液ポンプ
6 検出素子
7 表示ユニット
8 流路
9 廃液リザーバ
10 中央演算装置
11 反応ウェル部
12 コリメータレンズ
13 基板
101 金属層(金属薄膜)
102 非導電性層
103 基板
31 構造体
32 基板
41 抗体
42 検出対象物質(標的物質)
43 構造体
44 基板
51 基板
52 金属層(金属薄膜)
53 電子線レジスト
54 構造体
61 基板
62 多層膜
71 基板
72 多層膜

Claims (18)

  1. 基板と、該基板表面上に金属を用い孤立して配された構造体と、該構造体上に配された標的物質捕捉体と、を有し、局在プラズモン共鳴を利用して標的物質を検出するための素子であって、前記構造体が、少なくとも2つの金属層を、該金属層の間に非導電層を挟んで積層してなることを特徴とする標的物質検出用の素子。
  2. 前記2つの金属層と、前記非導電層とは、平面的に同じ形状を有する請求項1に記載の標的物質検出用の素子。
  3. 前記2つの金属層と、前記非導電層とは、平面的に同じ大きさを有する請求項2に記載の標的物質検出用の素子。
  4. 前記金属層の平面的な大きさとして、前記金属層の外周部における任意の2点間の最大距離が10nm以上1450nm以下の範囲にある請求項1に記載の標的物質検出用の素子。
  5. 前記2つの金属層と前記非導電性層は、これらの層をパターニングして得られたものである請求項1記載の標的物質検出用の素子。
  6. 前記2つの金属層の各層は、10nm以上100nm以下の範囲の厚みを有する請求項1に記載の標的物質検出用の素子。
  7. 前記非導電性層は、10nm以上100nm以下の範囲の厚みを有する請求項1に記載の標的物質検出用の素子。
  8. 前記構造体をなす全層の厚みは、30nm以上300nm以下の範囲にある請求項1に記載の標的物質検出用の素子。
  9. 前記構造体を前記基板表面上に複数有する請求項1に記載の標的物質検出用の素子。
  10. 前記複数の構造体の間隔は、50nm以上2000nm以下の範囲にある請求項9に記載の標的物質検出用の素子。
  11. 前記金属層は、金、銀、銅及びアルミニウムのいずれかの金属、もしくはそれらの合金からなる請求項1記載の素子。
  12. 前記非導電性層は、無機酸化物または高分子材料、あるいはそれらの混合物からなる請求項1記載の素子。
  13. 局在プラズモン共鳴を利用して検体中の標的物質を検出する装置であって、
    請求項1に記載の標的物質検出用の素子を保持するための保持手段と、
    該素子による標的物質の捕捉を検出するための検出手段と、
    を有することを特徴とする標的物質の検出装置。
  14. 検体中の標的物質を局在プラズモン共鳴を利用して検出する検出方法であって、請求項1に記載の標的物質検出用の素子と、前記検体と、を接触させる工程と、
    前記素子への標的物質の捕捉を検出する工程と、
    を有することを特徴とする標的物質の検出方法。
  15. 検体中の標的物質を局在プラズモン共鳴を利用して検出するためのキットであって、請求項1に記載の標的物質検出用の素子と、請求項13に記載の検出装置と、標的物質の前記素子への捕捉に必要な試薬と、を有することを特徴とする標的物質検出用キット。
  16. 前記標的物質捕捉体は抗体である請求項1に記載の標的物質検出用の素子。
  17. 前記抗体は抗体断片である請求項16に記載の標的物質検出用の素子。
  18. 前記抗体断片は多重特異性多価抗体である請求項17に記載の標的物質検出用の素子。
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