JP2007064541A - 加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システム - Google Patents

加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システム Download PDF

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Abstract

【課題】 容易かつ的確に流動媒体の層密度を最適化することができる層密度最適化方法および層密度最適化システムを提供する。
【解決手段】 流動層における圧力損失を検出する工程(S1)と、検出した圧力損失に基づいて流動媒体の層密度を予測する工程(S2)と、予測した流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲を超えた場合に(S3)、流動媒体の層密度を最適化する工程(S4)とを含む。層密度最適化工程(S4)では、火炉内から流動媒体を抜き取ったり、火炉内へ供給する燃焼空気量を増減させたりすることにより、流動層における流動媒体の流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度を最適化するための層密度最適化方法および層密度最適化システムに関し、特に、容易かつ的確に流動媒体の層密度を最適化することができる層密度最適化方法および層密度最適化システムに関する。
従来より、コンプレッサからの燃焼空気でボイラ内を加圧状態に保ちながら、石灰石を流動媒体とする流動層内に石炭と石灰石と水とを混ぜた燃料を投入することにより、ボイラから発生する蒸気で蒸気タービンを駆動し、さらにボイラの排ガスでガスタービンを駆動するようにした加圧流動床ボイラが知られている。
このような構成からなる加圧流動床ボイラでは、流動層の高さを調整して流動層内に埋没する蒸気管の伝熱面積を増減することにより、ボイラで発生する蒸気量を調整している。したがって、加圧流動床ボイラにおいては、流動層を形成する流動媒体の粒径管理が重要な意味を持っている。
従来、加圧流動床ボイラにおいて流動層を管理するための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1(特開2002−174406号公報)に、加圧流動層燃焼装置における流動粒子の摩耗速度や粒度分布を推定するための技術が開示されている。
この特許文献1に記載された「加圧流動層燃焼装置における流動粒子の摩耗速度の推定方法及び加圧流動層燃焼装置における流動粒子の粒度分布予測方法」は、供給する脱硫剤の粒度分布を予め測定して重量分率を求めるとともに、脱硫剤の供給速度、流動層に存在する流動粒子の粒子重量、および脱硫剤の抜出重量を用いて演算を行い、加圧流動層ボイラ内の脱硫剤の粒度分布を予測している。
また、特許文献2(特開2003−161403号公報)に、流動層内に構造物を有する流動装置において、層高計算や流動状態の監視を行うための技術が開示されている。
この特許文献2に記載された「流動層の制御方法と制御装置」は、計測した層圧損値を、流動層内に構造物がない場合の換算層圧損に補正して、層高計算や流動状態監視を行っている。また、補正処理において、流動層内構造物の間隙長さの総和と炉幅とをパラメータとする関数を用いて補正因子を計算している。
特開2002−174406号公報 特開2003−161403号公報
上述したように、流動層を形成する流動媒体の粒径管理は、加圧流動床ボイラにおける重要な作業であり、特に流動層内において粗大化したズリが生じた場合には、その旨を早急に検知し、適切な対応を採らなければならない。
しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、脱硫剤の重量分率、脱硫剤の供給速度、流動粒子の粒子重量、および脱硫剤の抜出重量を用いて演算を行っているため、計測項目が多岐に亘って演算が複雑なものとなり、流動媒体の粒径分布を容易に予測することができるとは言い難かった。また、計測項目が多いため、測定誤差が生じる可能性が増加し、流動媒体の層密度を的確に予測することができるとは言い難かった。
また、上気した特許文献2に記載された技術では、流動層内に存在する伝熱管等の構造物の形状等に基づくパラメータを用いて補正演算を行っている。しかしながら、層高計算や流動状態の監視対象となる加圧流動床ボイラは、プラント毎にその大きさ等が異なっており、各プラント毎にパラメータを設定し直さなければならず、汎用性に欠けるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、容易かつ的確に流動媒体の層密度を最適化することができる層密度最適化方法および層密度最適化システムを提供することを目的とする。
本発明に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。
すなわち、本発明に係る流動媒体の層密度最適化方法は、加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度を最適化するための方法であって、流動層を複数の層に分割して各層毎に圧力損失を検出する工程と、検出した圧力損失に基づいて流動媒体の層密度を予測する工程と、予測した流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲を超えた場合に、流動媒体の層密度を最適化する工程と、を含むことを特徴とするものである。
この場合、前記流動媒体の層密度を最適化する工程は、火炉内から流動媒体を抜き取ったり、火炉内へ供給する燃焼空気量を増減させたりすることにより、流動層における流動媒体の流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節することが可能である。
また、前記流動媒体の層密度を予測する工程は、以下の式(1)を用いて流動媒体の層密度を演算することが可能である。
ρf=ΔP/(h×g) ・・・ (1)
ただし、
ρf:層密度(kg/m3
ΔP:圧力損失
h :流動層高
g :重力加速度
本発明に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システムは、加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度を最適化するためのシステムであって、流動層を複数の層に分割して各層毎に圧力損失を検出する複数の圧力損失検出手段と、該圧力損失検出手段により検出した圧力損失に基づいて各層における流動媒体の層密度を予測する層密度予測手段と、予測した流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲であるか否かを判断する層密度判断手段と、該層密度判断手段において流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲を超えたと判断された場合に、流動媒体の層密度を最適化する層密度最適化手段と、を備えたことを特徴とするものである。
この場合、前記層密度最適化手段は、火炉内から流動媒体を抜き取ったり、火炉内へ供給する燃焼空気量を増減させたりすることにより、流動層における流動媒体の流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節することが可能である。
本発明に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムでは、流動層における圧力損失を検出して、所定の演算を行うことにより流動媒体の層密度を予測することができるので、流動層を形成する流動媒体の粒径管理を容易かつ的確に行うことができる。
また、流動媒体の層密度を予測するために用いる演算式は、圧力損失、流動層高、および重力加速度を用いた単純なものであり、演算処理を容易に行うことができるとともに、演算処理に時間を要しないので、流動層内において粗大化したズリが生じた場合であっても、その旨を早急に検知して、適切な対応を採ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムの実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システムの概略構成を示すブロック図、図2は、加圧流動床ボイラにおけるBM循環経路の説明図、図3は、層密度がプラントへ与える影響を説明するための模式図、図4は、本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法の手順を示すフローチャート、図5は、本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムを適用する発電プラントの概略構成を示す説明図である。
<発電プラント>
本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムを適用する発電プラントは、加圧流動床複合発電方式(PFBC:Pressurized Fluidized Bed Combustion Combined Cyde)を採用した発電プラントであり、圧力容器内に収納した流動床ボイラから発生する蒸気で蒸気タービンを駆動し、さらにボイラの排ガスでガスタービンを駆動するようになっている。
この発電プラントは、コンプレッサからの燃焼空気でボイラ内を加圧状態に保ちながら、石灰石を流動媒体(BM:ベッドマテリアル)とする流動層内にCWP(Coal Water Paste:石炭と石灰石と水とを混ぜた燃料)を投入することにより、CWPを効率よく燃焼させることができる。また、流動媒体に石灰石を採用することにより火炉内で脱硫することができるので、硫黄酸化物(SOx)の発生を低く抑えることができる。さらに、流動層燃焼は、燃焼温度が低く抑えられる(約870℃)ため、窒素酸化物(NOx)の発生を低く抑えることができる。
以下、本実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムを適用する発電プラントを具体的に説明する。
本実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムを適用する発電プラントは、図5に示すように、2つのボイラ10,20を備えており、ボイラ10,20の火炉11,21内にCWPを投入して燃焼させ、熱交換により発生した蒸気を高圧タービン31、中圧タービン32、および低圧タービン33に導いて各タービンを回転させることにより、発電機41を駆動して電力を発生させる。低圧タービン33を回転させた後の蒸気は、復水器50により復水され、再びボイラ10,20内へ導かれる。
また、ボイラ10,20内で発生した高圧ガスをガスタービン34に導いてガスタービン34を回転させることにより、発電機42を駆動して電力を発生させる。さらに、高圧ガスは、ガスタービン34に同軸に連結されたコンプレッサ35を駆動して、燃焼空気をボイラ10,20へ供給するようになっている。
ボイラ10,20へ燃料を供給する燃料供給系統は、石炭を供給する石炭ホッパ61と、石炭ホッパ61から供給される石炭を粗粉砕する粗粉砕機62と、粗粉砕機62で粉砕された石炭粉を分級する分級機63と、分級機63で分級された石炭粉を中継する中継ホッパ64と、粗粉砕機62で粉砕された石炭粉に水を混入しながらさらに粉砕する微粉砕機65と、石灰石を供給する石灰石ホッパ66と、水、粗粉砕機62で粉砕された石炭粉、微粉砕機65で水を混入しながら粉砕された石炭ペースト、および石灰石を混練する混練機67と、混練機67で混練されたCWPを一時貯留する燃料タンク68と、燃料タンク68から火炉11,21内へCWPを送出する燃料ポンプ69とを備えている。
2機のボイラ10,20は、それぞれ圧力容器12,22と、圧力容器12,22内に収容された火炉11,21とを備えており、火炉11,21内には水・蒸気管71が挿通されている。復水器50からの水・蒸気管71は、まずB火炉21内に導かれ、続いてA火炉11内へ導かれて熱交換が行われ、汽水分離器72へ導かれて蒸気と水とが分離される。汽水分離器72からの水・蒸気管71は、A火炉11、B火炉21、火炉11の順で引き回された後、高圧タービン31へ導かれる。
高圧タービン31は、水・蒸気管71から供給される蒸気により回転する。高圧タービン31を回転させた後の蒸気は、再びB火炉21に導かれて再熱され、中圧タービン32に導かれて中圧タービン32を回転させ、さらに低圧タービン33に導かれて低圧タービン33を回転させる。高圧タービン31、中圧タービン32、および低圧タービン33には、同軸に発電機41が接続されており、各タービン31,32,33が回転することにより発電機41が駆動されて発電が行われる。
低圧タービン33を回転させた蒸気は、復水器50に導かれて復水される。復水器50内には、冷却水配管51が配設されている。この冷却水配管51には、深層取水した海水が導かれ、この海水は復水器50内で熱交換を行った後に、再び海中に放流される。
復水器50の下流側には、復水ポンプ73、第1給水加熱器74a、第2給水加熱器74b、第3給水加熱器74c、脱気器75、給水ポンプ76、第5給水加熱器74d、第6給水加熱器74eが配設されており、復水の加熱および脱気を行うようになっている。また、復水器50とボイラ10,20との間の復水配管77は、後に詳述する排ガス系統に設けられた2つの排熱回収交換器91,93を通過し、排ガスとの間で熱交換を行うようになっている。
A火炉11およびB火炉21の上部には排ガス配管81が連通接続されており、各火炉11,21内で発生した高圧ガスをガスタービン34へ供給するようになっている。また、各火炉11,21とガスタービン34との間には、脱硝を行うための無触媒脱硝装置82a,82b、煤塵を除去するための1次サイクロン83および2次サイクロン84が配設されている。なお、1次サイクロン83および2次サイクロン84で収集した煤塵は、灰クーラ85,86を経て灰処理装置へ送出される。
ガスタービン34には、発電機42およびコンプレッサ35が同軸に接続されており、ガスタービン34が回転することにより、発電機42を駆動して発電を行うとともに、コンプレッサ35を駆動して燃焼空気をボイラ10,20内へ送り込むようになっている。
コンプレッサ35には、プラント起動時にコンプレッサ35を駆動してボイラ10,20へ燃焼空気を送るための起動用モータ43が取り付けられている。
ガスタービン34を回転させた後の排ガスは、第1の排熱回収交換器91、脱硝を行うための脱硝装置92、第2の排熱回収交換器93、バグフィルタ94を経て、煙突95より大気中へ放散される。
A火炉11およびB火炉21には、循環するBMを一時貯留するためのBMタンク13,23が連通接続されている。なお、図5に示す例では、BMタンク13,23を各ボイラ10,20毎に1機ずつ設けているが、BMタンク13,23を各ボイラ10,20毎に2機ずつ設けてもよい。また、各ボイラ10,20の上部には非常用温水タンク14が配設されている。この非常用温水タンク14は、ボイラ給水系統が停止した際に、ボイラ10,20内の残燃料が燃焼することにより水壁管等が損傷することを防止するための装置で、水頭圧によりボイラ10,20へ給水するようになっている。
A火炉11およびB火炉21の下部には、各火炉11,21内に析出した塵芥を回収するための塵芥回収管101が接続されており、回収された塵芥は灰クーラ102,103を経て灰処理装置へ送出される。また、A火炉11およびB火炉21には、ボイラ10,20の起動時等に各火炉11,21内を加熱するための軽油が供給されるようになっている。
<BM循環系統>
次に、図2を参照して、BM循環系統を詳細に説明する。
ボイラ10内に配設したA火炉11内には、分散板から上方に向かって、0.2m、0.4m、0.6m、1.5m、2.6m、3.55m、7.8mの位置に、それぞれ圧力計111a〜111gが配設されており、ボイラ20内に配設したB火炉21内には、分散板から上方に向かって、0.2m、0.4m、0.6m、1.15m、2.425m、3.55m、7.8mの位置にそれぞれ圧力計111a〜111gが配設されている。
火炉11,21の下部には、熱風炉150およびBM炉底抜出系統140が連通接続されているとともに、火炉11,21の上部には、火炉11,21内で発生した高温ガスを排出するための高温ガス管130が連通接続されている。また、火炉11,21とBMタンク13,23との間には、BM戻し配管161およびBM供給配管162が配設されており、BMタンク13,23、BM供給配管162、火炉11,21、BM炉底抜出系統140、BM戻し配管161の順でBMが循環するようになっている。なお、図2において、符号120は流動層を示す。
<層密度とプラントへの影響の関係>
次に、図3を参照して、火炉11,21内の層密度がプラントへ与える影響を説明する。図3(a)は、層密度が高い状態を示す模式図、図3(b)は、層密度が良好な状態を示す模式図、図3(c)は、層密度が低い状態を示す模式図である。
図3(a)に示す状態では、BM粒径が小さく、間隙部が少ないため、火炉11,21内における圧力損失が高くなるとともに層密度が高値となる。このような状態では、火炉11,21内のBM流動性、ボイラ10,20の伝熱性、炉内の脱硫性能等が優れている反面、BM粒径が小さいため、ボイラ10,20の後流側へBMが飛散し易くなり、サイクロンで回収する灰量が増加するだけではなく、層高維持性が悪化する。
図3(c)に示す状態では、BM粒径が大きく、間隙部が多いため、火炉11,21内における圧力損失が低くなるとともに層密度が低値となる。このような状態では、ズリ濃度が高くなり、火炉11,21内のBM流動性、ボイラ10,20の伝熱性、火炉11,21内の脱硫性能等が悪化する。さらに、出力を維持するため、燃料が増加傾向となり、層温度が上昇するとともに未燃焼分が増加する。このため、サイクロンの閉塞や、粗粒による伝熱管摩耗が発生し易い。
このような状態に対して、図3(b)に示す状態では、BM粒径および間隙部が適正であるため、良好な操業を行うことができる。しかし、高負荷帯での運転時には、BM粒径が次第に大きくなる特徴があり、定期的な炉底抜出を行って、層密度を管理値内に調整する必要がある。
<層密度最適化システム>
次に、図1を参照して、本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システムを説明する。
本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システム200は、図1に示すように、火炉11,21内に配設された複数の圧力計111a〜111g、層密度予測手段201、層密度判断手段202、および層密度最適化手段203を主な構成要素とする。なお、本実施形態の各手段は、コンピュータおよびその周辺機器からなり、コンピュータを構成するCPU等がアプリケーションプログラムに従って動作することにより、各手段としての機能を発揮するようになっている。
圧力計111a〜111gは、流動層における圧力損失を検出するためのもので、上述したように、A火炉11では、分散板から上方に向かって、0.2m、0.4m、0.6m、1.5m、2.6m、3.55m、7.8mの位置にそれぞれ設けられており、B火炉21では、分散板から上方に向かって、0.2m、0.4m、0.6m、1.15m、2.425m、3.55m、7.8mの位置にそれぞれ設けられている。
本実施形態では0.2m、0.4m、0.6mに配設された圧力計111a,111b,111cを用いて、ズリが対流しやすい部位である0.2m〜0.4mおよび0.4m〜0.6mにおける層密度を管理している。なお、加圧流動床ボイラ10,20の形状等に応じて、他の圧力計111d〜111gを用いて層密度の管理を行ってもよい。
層密度予測手段201は、圧力計111a,111b,111cにより検出した圧力損失に基づいて流動媒体の層密度を予測するための手段である。この層密度予測手段201は、以下の式(1)を用いて流動媒体の層密度を演算して予測する。
ρf=ΔP/(h×g) ・・・ (1)
ただし、
ρf:層密度(kg/m3
ΔP:圧力損失
h :流動層高
g :重力加速度
層密度判断手段202は、予測した流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲であるか否かを判断するための手段である。本実施形態では、0.2m〜0.4mにおける層密度の許容範囲を1,100〜1,200kg/m3とし、0.4m〜0.6mにおける層密度の許容範囲を900〜1,000kg/m3としている。なお、層密度の許容範囲は、加圧流動床ボイラ10,20の形状等に応じて、適宜変更して設定することができる。
層密度最適化手段203は、層密度判断手段202において流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲を超えたと判断された場合に、BMの層密度を最適化するための手段である。この層密度最適化手段203は、BM炉底抜出系統140を作動させて火炉11,21内からBMを抜き取ったり、熱風炉150の動作状態を変化させて、火炉11,21内へ供給する燃焼空気量を増減させたりすることにより、流動層におけるBMの流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節する。なお、加圧流動床ボイラ10,20の運転状況等に合わせて、BMの抜き取り操作および燃焼空気量の増減操作の双方を同時に行ってもよいし、いずれか一方の操作のみを行ってもよい。
<層密度最適化方法>
次に、図4を参照して、本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法の手順を説明する。
本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法は、図4に示すように、流動層における圧力損失を検出し(S1)、検出した圧力損失に基づいてBMの層密度を予測し(S2)、予測したBMの層密度が予め定めた許容範囲であるか否かを判断する(S3)。
そして、予測したBMの層密度が予め定めた許容範囲を超えた場合には、火炉11,21内からBMを抜き取ったり、火炉11,21内へ供給する燃焼空気量を増減させたりすることにより、BMの層密度を最適化する(S4)。
このように、本実施形態の流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムによれば、流動層を形成するBMの粒径管理を容易かつ的確に行うことができる。
本発明は、主として、発電プラントを構成する加圧流動床ボイラ10,20において、流動媒体の層密度を最適化するために使用することができるが、加圧流動床ボイラ10,20を備えたプラントであれば発電プラント以外のプラントにも適用することができる。
本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるBM循環経路の説明図である。 層密度がプラントへ与える影響を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法および層密度最適化システムを適用する発電プラントの概略構成を示す説明図である。
符号の説明
10,20 ボイラ
11,21 火炉
12,22 圧力容器
13,23 BMタンク
14 非常用温水タンク
31 高圧タービン
32 中圧タービン
33 低圧タービン
34 ガスタービン
35 コンプレッサ
41,42 発電機
43 起動用モータ
50 復水器
51 冷却水配管
61 石炭ホッパ
62 粗粉砕機
63 分級機
64 中継ホッパ
65 微粉砕機
66 石灰石ホッパ
67 混練機
68 燃料タンク
69 燃料ポンプ
71 水・蒸気管
72 汽水分離器
73 復水ポンプ
74a〜74e 給水加熱器
75 脱気器
76 給水ポンプ
77 復水配管
81 排ガス配管
82a,82b 無触媒脱硝装置
83 1次サイクロン
84 2次サイクロン
85,86 灰クーラ
91,93 排熱回収交換器
92 脱硝装置
94 バグフィルタ
95 煙突
101 塵芥回収管
102,103 灰クーラ
111a〜111g 圧力計
120 流動層
130 高温ガス管
140 BM炉底抜出系統
150 熱風炉
161 BM戻し配管
162 BM供給配管
200 層密度最適化システム
201 層密度予測手段
202 層密度判断手段
203 層密度最適化手段

Claims (7)

  1. 加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度を最適化するための方法であって、
    流動層を複数の層に分割して各層毎に圧力損失を検出する工程と、
    検出した圧力損失に基づいて各層における流動媒体の層密度を予測する工程と、
    予測した流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲を超えた場合に、流動媒体の層密度を最適化する工程と、を含むことを特徴とする加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法。
  2. 前記流動媒体の層密度を最適化する工程は、火炉内から流動媒体を抜き取ることにより、流動層における流動媒体の流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節することを特徴とする請求項1に記載の加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法。
  3. 前記流動媒体の層密度を最適化する工程は、火炉内へ供給する燃焼空気量を増減させることにより、流動層における流動媒体の流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節することを特徴とする請求項1に記載の加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法。
  4. 前記流動媒体の層密度を予測する工程は、以下の式(1)を用いて流動媒体の層密度を演算することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化方法。
    ρf=ΔP/(h×g) ・・・ (1)
    ただし、
    ρf:層密度(kg/m3
    ΔP:圧力損失
    h :流動層高
    g :重力加速度
  5. 加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度を最適化するためのシステムであって、
    流動層を複数の層に分割して各層毎に圧力損失を検出する複数の圧力損失検出手段と、
    該圧力損失検出手段により検出した圧力損失に基づいて各層における流動媒体の層密度を予測する層密度予測手段と、
    予測した流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲であるか否かを判断する層密度判断手段と、
    該層密度判断手段において流動媒体の層密度が予め定めた許容範囲を超えたと判断された場合に、流動媒体の層密度を最適化する層密度最適化手段と、を備えたことを特徴とする加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システム。
  6. 前記層密度最適化手段は、火炉内から流動媒体を抜き取ることにより、流動層における流動媒体の流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節することを特徴とする請求項5に記載の加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システム。
  7. 前記層密度最適化手段は、火炉内へ供給する燃焼空気量を増減させることにより、流動層における流動媒体の流動状態を変化させて、層密度を予め定めた許容範囲内に調節することを特徴とする請求項5に記載の加圧流動床ボイラにおける流動媒体の層密度最適化システム。
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