JP2007064173A - 電動圧縮機 - Google Patents

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Teruo Higuchi
輝夫 樋口
Yoshitaka Koitabashi
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Abstract

【課題】 圧縮機の大型化を避けつつ、モータ及び駆動回路の過熱を防止することができる電動圧縮機を提供する。
【解決手段】 車両のエンジンルーム(1)内に配置され、冷媒が循環する空調装置の圧縮機(16)であって、駆動側ケーシング(32)及び圧縮側ケーシング(34)を有するハウジング(30)と、駆動側ケーシング内に収容され、回転自在に支持された回転軸(50)を通電により駆動させるモータ(60)及びモータを駆動させる駆動回路(100)を備えた機械室(36)と、圧縮側ケーシング内に収容され、回転軸によって駆動されて冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行う圧縮ユニット(72)とを具備し、駆動側ケーシングには、機械室を囲繞し、車両のエンジン冷却水を導入させる冷却水通路(102)が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電動圧縮機に係り、詳しくは、車両の空調システムの冷凍回路に組み込まれて好適な電動圧縮機に関する。
この種の圧縮機は駆動部と圧縮部とから構成され、この圧縮部には冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する圧縮ユニットが備えられている。例えばスクロール型圧縮機では、互いに噛み合う固定スクロール及び可動スクロールを備えており、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動する。これにより、各スクロールで形成される空間の容積が減少し、上記一連のプロセスが行われる。一方、このユニットは回転軸によって駆動され、回転軸はモータを通電することにより駆動される。これら回転軸やモータは上記駆動部に設けられている。
ここで、近年、環境保護及び走行距離の長距離化等を鑑み、内燃機関(エンジン)と駆動モータとを備えたハイブリッド型車両が実用化されており、この車両の場合の上記圧縮機には、圧縮機の外部に配設されたモータ駆動回路ではなく、上記駆動部に一体化されたモータ駆動回路を有する構造が望まれている。従前の開放型圧縮機との置き換えが容易になるからである。
しかし、当該駆動部に一体化されたモータ駆動回路が圧縮機の設置に伴って車両のエンジンルーム内に配置されると、このモータ駆動回路の耐熱性が懸念される。そこで、冷凍回路の吸入冷媒を用いてモータ駆動回路の冷却を行う電動圧縮機の技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。また、モータ駆動回路ではなく上記圧縮機のモータの冷却に対しては、ヒートポンプ式給湯器における給湯水通路が上記駆動部の外壁に巻き付けられ、上記吸入冷媒に加えて加熱前の給湯水をも用いた電動圧縮機の技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−291557号公報 特開2005−36753号公報 特開2001−12352号公報
ところで、エンジンルーム内の温度は車両の走行状態に応じて容易に変動する。詳しくは、エンジンルーム内の温度は車両の停止時には外気が導入されないので、車両の走行時に比してより一層高温になる。よって、圧縮機もこの温度に曝されることになる。
ここで、上記特許文献1,2に記載の技術によれば、空調装置が運転状態にある場合には、圧縮機のモータやモータ駆動回路は低温の吸入冷媒によって冷却可能であるものの、空調装置が運転停止状態にある場合には、これらモータやモータ駆動回路はエンジンルーム内の温度によって過熱されてしまうという問題がある。これは、圧縮機の再稼働を妨げる要因にもなる。
一方、上記特許文献3に記載の技術では上記モータのみを冷却し、モータ駆動回路の冷却については格別な配慮がなされていないが、仮に、当該給湯水通路を用いて上記モータの他、上記特許文献1,2に記載のモータ駆動回路をも冷却させたとしても、給湯水通路が巻き付けられた上記駆動部では圧縮機の大型化を招き、これでは、エンジンルーム内における圧縮機のスペース上の問題も生ずる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、圧縮機の大型化を避けつつ、モータ及び駆動回路の過熱を防止することができる電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の電動圧縮機は、車両のエンジンルーム内に配置され、冷媒が循環する空調装置の圧縮機であって、駆動側ケーシング及び駆動側ケーシングに気密に嵌合された圧縮側ケーシングを有するハウジングと、駆動側ケーシング内に収容され、回転自在に支持された回転軸を通電により駆動させるモータ及びモータを駆動させる駆動回路を備えた機械室と、圧縮側ケーシング内に収容され、回転軸によって駆動されて冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行う圧縮ユニットとを具備し、駆動側ケーシングには、機械室を囲繞し、車両のエンジン冷却水を導入させる冷却水通路が形成されていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、圧縮側ケーシングには、圧縮ユニットの収納部分を囲繞し、車両のエンジン冷却水を導入させる冷却水通路が形成されていることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、駆動側ケーシングは、冷凍回路から吸入冷媒として機械室内に導入される吸入口を更に備え、機械室には、吸入口とモータが収納されたモータ収納部とを連通し、駆動回路が収納された回路収納部の隧路をなす吸入冷媒通路が形成されていることを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、冷却水通路は、機械室内の温度がエンジン冷却水の温度よりも高温に達した場合にはエンジン冷却水が導入され、機械室内の温度がエンジン冷却水の温度よりも低温に達した場合にはエンジン冷却水が導入されないことを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の電動圧縮機によれば、駆動側ケーシング内の機械室にはモータの他、駆動回路も備えられている。そして、この機械室の周囲にはエンジン冷却水が導入される冷却水通路が形成されている。よって、仮に空調装置が運転停止状態にあっても車両のエンジンが運転状態にある限り、この圧縮機はエンジン冷却水で冷却可能となり、エンジンルーム内の温度によるモータや駆動回路の過熱が防止される。この結果、駆動回路に配置された各種電子部品の効率や信頼性が向上するし、モータの効率や信頼性も向上する。また、空調装置も確実に稼働される。
更に、冷却水通路が駆動側ケーシングの外側ではなく、駆動側ケーシングの内側に備えられているので、圧縮機の大型化が回避され、エンジンルーム内に割り当てられた従来の圧縮機用のスペースをそのまま利用できる。
また、請求項2記載の発明によれば、圧縮側ケーシング内には圧縮ユニットが備えられ、この圧縮ユニットの周囲にもエンジン冷却水が導入される冷却水通路が形成されているので、圧縮機の大型化が回避されるし、圧縮機全体の冷却も可能となる。
更に、請求項3記載の発明によれば、機械室は、エンジン冷却水が導入される冷却水通路の他、吸入冷媒が導入される吸入冷媒通路をも備えており、この吸入冷媒通路は回路収納部の隧路として形成されている。従って、空調装置が運転状態にある場合には、機械室はエンジン冷却水の温度よりも低温の吸入冷媒で冷却されるので、モータや駆動回路の過熱が確実に防止される。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、機械室は、エンジン冷却水の温度よりも高温に達した場合にはエンジン冷却水が導入されるので、エンジンルーム内の温度の影響を受け難くなる。一方、低温に達した場合にはエンジン冷却水が導入されないため、エンジン冷却水の温度の影響も受け難くなる。つまり、モータ及び駆動回路は、エンジン冷却水の温度よりも常に低い温度状態に維持されることから、従来の如く給湯水通路を単に利用する場合に比して圧縮機の運転効率の向上に寄与する。
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。
図1はハイブリッド型車両の前部を概略的に示し、この前部にエンジンルーム1が設けられている。
エンジンルーム1内の運転席の前側にはエンジン2が横置きにして配置され、このエンジン2の横側には駆動モータ3が配置されている。これらエンジン2及び駆動モータ3は電子コントロールユニット(ECU)23からの信号に応じて適宜駆動される。
エンジン2とエンジンルーム1のフロントグリル4との間にはラジエータ5及び電動ファン6がそれぞれ配置されている。そして、電動ファン6が駆動されると、フロントグリル4を通じてラジエータ5内には外気が導かれ、ラジエータ5内での熱交換によりエンジン2の冷却水(エンジン冷却水)が冷却される。
より詳しくは、エンジン2には図示しないウォータジャケットが形成されており、このウォータジャケットの出口側とラジエータ5の入口側とは冷却水の水路8で接続されている。この水路8にはエンジン2で冷却に用いられた冷却水が流れる。また、このラジエータ5の入口側にはリザーバタンク7も接続されている。一方、ラジエータ5の出口側とウォータジャケットの入口側とは水路9,10で接続され、この水路10には図示しないウォータポンプが設けられている。そして、エンジン2の運転時の冷却水は、ウォータポンプによってウォータジャケット内を循環してエンジン2を冷却し、水路8及びラジエータ5内を流通して放熱される。つまり、これら水路9,10にはエンジン2で冷却に用いられる低温(約80〜90℃)の冷却水が流れる。
当該車両は空調装置を備え、この空調装置は冷凍回路14を有している。この冷凍回路14は自然系冷媒であるCO冷媒或いは代替冷媒HFC−152a等の冷媒(以下、単に冷媒と称す)の経路を有し、冷媒はこの経路を通じて循環可能であり、車室15内の温度を所望の設定温度に調整する。
具体的には、当該経路には、上流側からコンプレッサ(圧縮機)16、コンデンサ(凝縮器)17、レシーバ(受液器)18、膨張弁19及びエバポレータ(蒸発器)20が順次介挿されている。また、これら圧縮機16、凝縮器17、受液器18及び膨張弁19はエンジンルーム1内に配置され、この蒸発器20は助手席の前側に位置したインストルメントパネル21内に配置されている。このインストルメントパネル21とエンジンルーム1との間は隔壁(ダッシュパネル)22により区画されている。
本実施形態の圧縮機16は図示しないバッテリに接続されており、このバッテリからの電源供給を受けてモータを駆動させる電動圧縮機である。この圧縮機16は蒸発器20から冷媒を吸入し、この冷媒を圧縮して凝縮器17に向けて吐出する。
詳しくは、図2に示されるように、当該圧縮機16は水平方向に延びるハウジング30を備え、ハウジング30は駆動側ケーシング32、圧縮側ケーシング34及びリアケーシング35を有している。駆動側ケーシング32及び圧縮側ケーシング34はその両端がそれぞれ開口され、リアケーシング35は圧縮側ケーシング34に向けて開口したカップ形状をなしており、このリアケーシング35の開口端と圧縮側ケーシング34の一端側とが気密に嵌合されている。なお、圧縮側ケーシング34とリアケーシング35とは一体に形成されていても良い。
圧縮側ケーシング34と駆動側ケーシング32とはボルト48を介して気密に接合され、駆動側ケーシング32の内側部分の空間がモータ室(機械室)36として形成されている。具体的には、このモータ室36は、その略中央部分にて垂直方向に延びる円板状の区画ブロック37が配設され、この区画ブロック37の外周縁部分には水平方向に延びる板状の区画ブロック39が配設されている。そして、この区画ブロック39の一端側は圧縮側ケーシング34の他端側に位置する当接部66に気密に嵌合されており、駆動側ケーシング32内において、区画ブロック39の内周側、区画ブロック37及び圧縮側ケーシング34の他端側で形成された空間がモータ収納部40として形成されている。
一方、区画ブロック37の略中央部分には、中空状の区画ブロック38が駆動側ケーシング32の他端側に向けて水平方向に延設されており、この区画ブロック38の他端側及び区画ブロック39の他端側が支持ブロック43の大径端部に気密に嵌合されている。そして、駆動側ケーシング32内において、区画ブロック38の外周側であって区画ブロック39の内周側、区画ブロック37及び支持ブロック43の一端側で形成された空間が回路収納部42として形成されている。この回路収納部42には、コンデンサ、サーミスタやパワートランジスタ等の各種の電子部品を載置し、インバータを備えたモータ駆動回路(駆動回路)100が収納されている。
また、モータ室36は薄肉の外殻部材46に囲繞されている。より具体的には、外殻部材46の一端側は、圧縮側ケーシング34の他端側に向けて拡開された大径部をなし、上記区画ブロック39の一端側の外周部分に気密に嵌合されている。一方、この外殻部材46の他端側は、駆動側ケーシング32の他端側に向けて縮径された小径部をなし、上記支持ブロック43の小径端部の外周部分に気密に嵌合されている。そして、モータ室36の外周側、つまり、これら外殻部材46の内側と上記区画ブロック39の外側及び支持ブロック43の外側とで囲まれた空間が、上記冷却水を導入させる冷却水通路102として形成されている。このように、駆動側ケーシング32の外形は外殻部材46によって規定され、この外殻部材46の内側に冷却水通路102が設けられている。なお、これら区画ブロック39、支持ブロック43及び外殻部材46はボルト49を介して気密に接合されている。また、外殻部材46の適宜位置にはエンジンルーム1に設置させるためのボルト挿通部47,47が設けられている。
この冷却水通路102は水路9,10に接続されている。詳しくは、図1に示されるように、ラジエータ5の出口側に接続された水路9はサーモバルブ11に接続されており、エンジンルーム1内の温度を感知して圧縮機16への流量を調節する。具体的には、エンジン2が運転状態にあって空調装置が運転停止状態にある場合において、例えば車両の停止時の如くエンジンルーム1内の温度が高温になったときには、モータ室36内の温度も高温になっていると擬制され、ラジエータ5で放熱された冷却水が水路12を介して駆動側ケーシング32の他端側に達し、冷却水通路102に導入される。このときの冷却水は駆動側ケーシング32の一端側から水路13を介して水路10に達し、上記ウォータジャケットに導入される。なお、外殻部材46の適宜位置には上記水路12,13に接続される孔がそれぞれ穿設されている。
再び図2に戻り、上記支持ブロック43の小径端部には吸入口44が設けられており、この吸入口44は区画ブロック38の内側に形成された吸入冷媒通路104及び回転軸50内を介してモータ収納部40に連通されている。これにより、空調装置の運転時には蒸発器20からの吸入冷媒はモータ室36、より詳しくは、区画ブロック38の外側に位置する回路収納部42内には導入されることなく、モータ収納部40内に導入される。
このモータ室36には段付きの回転軸50が配置されている。この回転軸50は小径軸部52と大径軸部54とを有する。小径軸部52の外周側はニードル軸受58を介して区画ブロック37の略中央部分に回転自在に支持され、小径軸部52の内周側には略L字状の連通孔53が配設されている。そして、この連通孔53が吸入冷媒通路104とモータ収納部40とを連通している。一方、大径軸部54はボール軸受56を介して当接部66に回転自在に支持されている。なお、圧縮側ケーシング34の適宜位置にも、エンジンルーム1に設置させるためのボルト挿通部67,67が設けられている。
ECU23からの信号に応じてモータ60への通電がなされると、回転軸50は駆動される。詳しくは、モータ室36にはブラシレスのモータ60が配設されており、希土類の永久磁石を有するロータ62が回転軸50の外周側に固着され、このロータ62の外周側にはステータ64が配置されている。そして、図示しない電機子巻線が通電されると、ロータ62は電機子巻線で発生した磁界の回転に伴って回転し、回転軸50と一体的に回転する。
ここで、圧縮側ケーシング34内にはスクロールユニット(圧縮ユニット)72が収容され、このスクロールユニット72は可動スクロール74及び固定スクロール76を備えている。これら可動スクロール74及び固定スクロール76は互いに噛み合うような渦巻きラップ81,91をそれぞれ有し、これら渦巻きラップ81,91は互いに協働し、シール等を介して圧縮室78を形成する。この圧縮室78は可動スクロール74の旋回運動によって渦巻きラップ81,91の径方向外周側から中心に向けて移動し、この際にその容積が減少される。
上述した可動スクロール74の旋回運動を達成するため、可動スクロール74の基板80は駆動側ケーシング32側に向けて突出するボス82を有しており、このボス82はボール軸受84を介して偏心ブッシュ86を回転自在に支持している。この偏心ブッシュ86は大径軸部54から偏心して突出している。従って、回転軸50の回転に伴い、偏心ブッシュ86を介して可動スクロール74が旋回運動することなる。また、偏心ブッシュ86にはカウンタウエイト88が取り付けられており、このカウンタウエイト88は可動スクロール74の旋回運動に対するバランスウエイトとなる。
固定スクロール76はリアケーシング35内に固定され、その基板90が圧縮側ケーシング34内を圧縮室78側と吐出室92側とを仕切っている。基板90にはその中央に圧縮室78に連なる吐出孔94が形成され、この吐出孔94は基板90の吐出室92側に取り付けられたリード弁96により開閉される。
更に、リアケーシング35には吐出室92に連通する吐出口98が形成されており、吐出室92は吐出口98を介して凝縮器17に接続され、吐出冷媒を凝縮器17に吐出させる。
上記圧縮機16では、エンジン2が運転状態にあって空調装置も運転状態にある場合には、モータ駆動回路100からの電力供給によりモータ60が駆動されて回転軸50が回転する。これにより、偏心ブッシュ86を介して可動スクロール74が固定スクロール76の軸心周りを旋回運動する。この際、可動スクロール74の自転は複数個の回転阻止機構70の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール74はその旋回姿勢を一定に維持した状態で固定スクロール76に対して旋回運動し、この旋回運動は吸入口44、吸入冷媒通路104及び連通孔53を通じてモータ収納部40から圧縮室78内に冷媒を吸い込み、この吸い込んだ冷媒を圧縮し、圧縮冷媒を吐出室92内に吐出する。
この吐出室92から吐出された高温高圧の冷媒は吐出口98を経て凝縮器17内で冷却され、受液器18を介して膨張弁19に供給され、絞り作用による膨張を受けて蒸発器20内に噴出され、冷媒の気化熱により蒸発器20の周囲の空気が冷却される。次いで、冷気が車室15内に送り込まれて車室15内の冷房が行われる。なお、この蒸発器20内の冷媒は圧縮機16の吸入口44に戻り、この後、圧縮機16により再度圧縮され、上述の如く循環する。
一方、この圧縮機16では、エンジン2が運転状態にあっても空調装置が運転停止状態にある場合にはモータ60は駆動されないので、回転軸50が回転しない。よって、上記吸入冷媒はモータ収納部40に導入されず、上記空調装置の運転時のような吸入冷媒と回路収納部42内の空気との熱交換や吸入冷媒によるモータ60の冷却が行えないことになる。しかしながら、この場合には、ラジエータ5からの冷却水が冷却水通路102に導入される。
すなわち、空調装置の運転停止時におけるモータ室36内の擬制温度、より具体的には、回路収納部42内の擬制温度が冷却水の温度(約80〜90℃)よりも高温に達している場合にはサーモバルブ11が開弁され、冷却水通路102には水路12を介して水路9からの冷却水が導入される。これにより、この冷却水と回路収納部42内の空気との熱交換が実行可能となるし、この冷却水とモータ収納部40内の空気との熱交換も実行可能となる。
ここで、再び空調装置が運転状態になった場合には、モータ60が駆動され、上記冷却水の他、吸入冷媒と回路収納部42内の空気との熱交換や吸入冷媒によるモータ60の冷却も再び実行されることになるが、回路収納部42内の擬制温度が上記冷却水の温度よりも低温に達したときにはサーモバルブ11が閉弁され、冷却水通路102への冷却水の導入が禁止されている。この場合の水路9からの冷却水は、圧縮機16を経由せずに、水路10を介してウォータジャケットに導入されることになる。
以上のように、本実施形態は、空調装置の運転停止時におけるモータ60及びモータ駆動回路100の保護に着目したものである。
そして、本実施形態の圧縮機16によれば、駆動側ケーシング32内のモータ室36にはモータ60の他、モータ駆動回路100が備えられ、このモータ室36の周囲にはエンジン2の冷却水が導入される冷却水通路102が形成されている。よって、仮に空調装置が運転停止状態、つまり、圧縮機16が運転停止状態にあってもエンジン2が始動されている限り、この圧縮機16はラジエータ5で放熱された冷却水で冷却可能となり、エンジンルーム1内の温度によるモータ60やモータ駆動回路100の過熱が防止される。この結果、モータ駆動回路100に配置され、高温で高抵抗になるパワートランジスタ等の電子部品の効率は低下せず、信頼性が向上するし、高温で高抵抗になるモータ60の電機子巻線の機能も確保され、モータの効率もやはり低下せず、信頼性が向上する。そして、これらモータ60やモータ駆動回路100の信頼性の向上により、空調装置も確実に稼働可能となる。
更に、冷却水通路102が駆動側ケーシング32の外側ではなく、駆動側ケーシング32の内側に備えられているので、圧縮機の大型化が回避され、エンジンルーム1内に割り当てられた従来の圧縮機用のスペースをそのまま利用可能となる。
更にまた、モータ駆動回路100が区画ブロック37,38,39等を用いてモータ室36の内側に備えられている。よって、このモータ室36は従来に比して部品数は増加するものの、従前の圧縮機の外形がそのまま維持されるので、この点も圧縮機の大型化の回避に寄与する。
また、モータ室36は、エンジン2の冷却水が導入される冷却水通路102の他、低温の吸入冷媒が導入される吸入冷媒通路104をも備えており、この吸入冷媒通路104は回路収納部42の隧路として吸入口44とモータ収納部40とを連通している。従って、空調装置が運転状態にある場合には、モータ60は冷却水の温度よりも低温の吸入冷媒で直接的に冷却され、モータ駆動回路100はこの吸入冷媒との熱交換によって間接的に冷却されることから、モータ60やモータ駆動回路100の過熱は確実に防止される。
更に、回路収納部42の擬制温度が上記冷却水の温度よりも高温に達した場合には、冷却水通路102に冷却水が導入されるので、モータ60及びモータ駆動回路100の温度はこの冷却水の温度近傍に調整され、エンジンルーム1内の温度の影響を受け難くなる。一方、回路収納部42の擬制温度が冷却水の温度よりも低温に達した場合には、冷却水通路102に冷却水が導入されないことから、モータ60及びモータ駆動回路100の温度は冷却水の温度に高められず、冷却水の温度の影響も受け難くなる。すなわち、モータ60及びモータ駆動回路100は、冷却水の温度よりも常に低い温度状態に維持され、従来の如く給湯水通路を単に利用する場合に比して圧縮機16の運転効率の向上に寄与する。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、図3に示されるように、当該電動圧縮機16Aのハウジング30Aは、外殻部材46Aが駆動側ケーシング32Aから圧縮側ケーシング34Aに亘って延出されており、外殻部材46Aの内側と区画ブロック39の外側及び支持ブロック43の外側とで囲まれた空間の他、外殻部材46Aの内側と当接部66Aの外側とで囲まれた空間もまた冷却水を導入させる冷却水通路102Aとして形成されている。この場合にも、圧縮機の大型化が回避され、しかも、圧縮機全体の冷却も可能となる。なお、エンジンルーム1にはボルト挿通部47,67Aを介して設置される。
また、図4に示される電動圧縮機16Bであっても良い。このハウジング30Bは、図2の例に対して駆動側ケーシング32Bに改良を加えている。つまり、外殻部材46Bの内側と支持ブロック43Bの外側とで囲まれた空間をなくし、外殻部材46Bの内側と区画ブロック39Bの外側とで囲まれた空間のみが冷却水を導入させる冷却水通路102Bとして形成されている。この場合にも、圧縮機の大型化が回避されるし、過熱の影響を特に受け易い電子部品を区画ブロック37近傍のモータ駆動回路100に配置することにより、モータ60やモータ駆動回路100の冷却が可能となる。
更に、上記実施形態のサーモバルブ11に代えて、モータ室36内の温度を検出する温度センサと、この温度に応じてECU23からの信号で開閉する流量調整弁とを備えた圧縮機であっても良く、また、冷却水の水路9ではなく、圧縮機自体に配設されていても良い。
ところで、上記実施形態ではスクロール型の電動圧縮機について説明されているが、本発明の圧縮ユニットは、スクロール型又はピストン往復動型のいずれのタイプにも適用可能である。
本発明の一実施例に係る電動圧縮機を用いた車両用空調装置の概略図である。 図1の電動圧縮機を示した縦断面図である。 他の実施例における電動圧縮機を示した縦断面図である。 更に他の実施例における電動圧縮機を示した縦断面図である。
符号の説明
1 エンジンルーム
11 サーモバルブ
14 冷凍回路
16,16A,16B 電動圧縮機
30,30A,30B ハウジング
32,32A,32B 駆動側ケーシング
34,34A 圧縮側ケーシング
35 リアケーシング(圧縮側ケーシング)
36 モータ室(機械室)
40 モータ収納部
42 回路収納部
44 吸入口
50 回転軸
60 モータ
72 スクロールユニット(圧縮ユニット)
100 モータ駆動回路(駆動回路)
102,102A,102B 冷却水通路
104 吸入冷媒通路

Claims (4)

  1. 車両のエンジンルーム内に配置され、冷媒が循環する空調装置の圧縮機であって、
    駆動側ケーシング及び該駆動側ケーシングに気密に嵌合された圧縮側ケーシングを有するハウジングと、
    前記駆動側ケーシング内に収容され、回転自在に支持された回転軸を通電により駆動させるモータ及び該モータを駆動させる駆動回路を備えた機械室と、
    前記圧縮側ケーシング内に収容され、前記回転軸によって駆動されて冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行う圧縮ユニットとを具備し、
    前記駆動側ケーシングには、前記機械室を囲繞し、前記車両のエンジン冷却水を導入させる冷却水通路が形成されていることを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記圧縮側ケーシングには、前記圧縮ユニットの収納部分を囲繞し、前記車両のエンジン冷却水を導入させる冷却水通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記駆動側ケーシングは、冷凍回路から吸入冷媒として前記機械室内に導入される吸入口を更に備え、
    前記機械室には、前記吸入口と前記モータが収納されたモータ収納部とを連通し、前記駆動回路が収納された回路収納部の隧路をなす吸入冷媒通路が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記冷却水通路は、前記機械室内の温度が前記エンジン冷却水の温度よりも高温に達した場合には前記エンジン冷却水が導入され、前記機械室内の温度が前記エンジン冷却水の温度よりも低温に達した場合には前記エンジン冷却水が導入されないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
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