JP2007062838A - ピーラー機構付きサーマルプリンタおよびその印刷制御方法 - Google Patents

ピーラー機構付きサーマルプリンタおよびその印刷制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラベル発行モードの違いに起因してラベル印刷濃度が変動することのないピーラー機構付きサーマルプリンタを提案すること。
【解決手段】ピーラー機構付きサーマルプリンタ1の駆動制御部51は、モード識別部55においてラベル発行モードがラベル剥離発行モードおよびラベル連続発行モードのいずれであるかを識別し、ラベル剥離発行モードの場合には通電時間設定テーブル57aを用いて通電時間を設定してサーマルヘッド19を駆動し、ラベル連続発行モードの場合には通電時間設定テーブル57bを用いて通電時間を設定してサーマルヘッド19を駆動する。ラベル剥離発行モード時の通電時間を同一条件におけるラベル連続発行モード時の通電時間より広く設定することにより、両モードでの印刷濃度を同一に保持できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、ラベルが貼り付けられている台紙を屈曲した経路に沿って搬送することによりラベルを台紙から剥離するピーラー機構を備えたサーマルプリンタに関し、特に、動作モードに拘わらずに適正な濃度でラベルに印刷を行うことのできるピーラー機構付きサーマルプリンタの印刷制御方法に関するものである。
サーマルプリンタとしては、カット状の他、ロール状に巻かれた長尺状の台紙にラベルが貼り付けられている構成のラベル用紙を、ピーラー軸などのピーラー部材を介して鋭角に屈曲させながら案内してラベルを台紙から剥離するピーラー機構を備えたものがある。また、かかるピーラー機構付きサーマルプリンタでは、ピーラー機構によって印刷後のラベルを剥離して1枚ずつ発行するラベル剥離発行モードと、印刷後のラベルを台紙から剥離することなくそのまま連続して発行するラベル連続発行モードを選択可能なものが知られている。特許文献1にはこのようなピーラー機構付きサーマルプリンタが開示されている。
特開平08−295323号公報
ここで、同一の駆動条件によりサーマルヘッドを駆動しても、ラベル剥離発行モードによるラベル印刷の場合と、ラベル連続発行モードによるラベル印刷の場合とでは、印刷濃度が異なることが確認された。すなわち、同一の通電時間の通電信号を用いてサーマルヘッドを駆動しても、モードの違いにより印刷濃度が異なることが確認された。また、一般に、ピーラー機構を用いたラベル剥離発行モードによるラベル印刷の場合の方が、印刷濃度が薄くなる傾向があることが判明した。
本発明の課題は、かかるラベル発行モードの違いに起因してラベルの印刷濃度が変化するという新たに確認された問題点を解消可能なピーラー機構付きサーマルプリンタ、およびその印刷制御方法を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のピーラー機構付きサーマルプリンタの印刷制御方法では、台紙に貼り付けられた状態のラベルをサーマルヘッドによる印刷位置を経由して搬送し、印刷後のラベルを台紙から剥離して発行するラベル剥離発行モードにおいては、第1の通電時間を備えた通電信号を用いてサーマルヘッドを駆動してラベルに印刷を行い、印刷後のラベルを台紙から剥離することなく発行するラベル連続発行モードにおいては、前記第1の通電時間とは異なる第2の通電時間を備えた通電信号を用いて前記サーマルヘッドを駆動してラベルに印刷を行うことを特徴としている。
ラベル発行モードに応じてサーマルヘッドの通電時間を変更できるようにすれば、ラベル発行モードの切り換えに伴うラベル印刷濃度の変動を抑制でき、ラベル発行動作モードの如何に係わらず常に適切な印刷濃度でラベルに印刷を行うことができる。
ここで、本発明では、前記ラベル剥離発行モードにおける前記第1の通電時間を、前記ラベル連続発行モードにおける前記第2の通電時間よりも広く設定することを特徴としている。一般には、ラベル剥離発行モードでのラベル印刷濃度が薄くなるので、当該モードにおける通電時間を広く設定すればよい。
また、印刷濃度は一般的に、サーマルヘッドの環境温度、ヘッド駆動電圧(通電信号の電圧値)、同時通電印刷素子数、および、サーマルヘッドを構成している印刷素子の分割駆動数に応じて変動するので、これらのパラメータに基づきサーマルヘッドの通電時間を増減している。したがって、本発明では、前記ラベル剥離発行モードにおける前記第1の通電時間を、同一条件における前記ラベル連続発行モードにおける前記第2の通電時間よりも広く設定することを特徴としている。
次に、本発明のピーラー機構付きサーマルプリンタは、サーマルヘッドと、印刷後のラベルが貼り付けられている台紙を屈曲した経路に沿って案内することにより前記ラベルを前記台紙から剥離するピーラー機構と、印刷後のラベルを前記ピーラー機構によって台紙から剥離して発行するラベル剥離発行モードにおいては、第1の通電時間を備えた通電信号を用いて前記サーマルヘッドを駆動し、印刷後のラベルを台紙から剥離することなくそのまま発行するラベル連続発行モードにおいては、前記第1の通電時間とは異なる第2の通電時間を備えた通電信号を用いて前記サーマルヘッドを駆動する駆動制御手段とを有していることを特徴としている。
また、前記通電信号の前記第1および第2の通電時間を、サーマルヘッドの環境温度、通電信号の電圧値、前記サーマルヘッドを構成している印刷素子の分割駆動数、および、同時通電印刷素子数のうちの少なくとも一つの条件に基づき設定する通電時間設定手段を有しており、当該通電時間設定手段は、同一条件における前記第1の通電時間を前記第2の通電時間より広く設定することを特徴としている。
本発明のピーラー機構付きサーマルプリンタでは、各ラベル発行モードに応じてサーマルヘッドを駆動する通電信号の通電時間を変えるようにしている。したがって、ラベル発行モードの如何に係わらずラベル印刷濃度を一定に保持でき、印刷品質を良好に保つことができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したピーラー機構付きプリンタの実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1は本実施の形態に係るピーラー機構付きプリンタの外観斜視図であり、図2は開閉蓋を開けた状態を示す外観斜視図である。図3はその記録紙搬送路の部分を示す概略断面図であり、図4は開閉蓋を開けた状態での記録紙搬送路の部分を示す概略断面図である。
ピーラー機構付きプリンタ1は、図1、2に示すように、全体として前後方向に長い扁平な直方体形状をしたプリンタ本体2を備えており、そのプリンタ外装ケース3は上半部分4と下半部分5を備えている。上半部分4は、プリンタ上面の前半部分を覆っている前側上ケース部分6と、左側および右側ケース部分7、8とを備え、プリンタ上面の後半部分には開閉蓋9が配置されている。開閉蓋9の前側には開閉式のピーラーユニット10が配置されており、開閉蓋9とピーラーユニット10の間には、プリンタ幅方向に延びる台紙排出口11が形成されている。また、ピーラーユニット10にはプリンタ幅方向に延びるラベル排出口12が形成されている。
開閉蓋9は、蓋フレーム9aと、その円弧状の上面部分を覆っている円弧状の蓋板9bとを備えており、蓋フレーム9aの後端部が、プリンタ幅方向に延びるプリンタ本体2の側の支軸13を中心として旋回可能に支持されており、図1に示す閉じ位置9Aから図2に示すほぼ垂直に起立した開き位置9Bまでの間を旋回可能である。開閉蓋9を開けると、プリンタ内部の後側部分に形成されているロール紙14(図3参照)を収納するためのロール紙収納部15が開放状態になる。ピーラーユニット10も、その前端部が、プリンタ幅方向に延びる支軸16(図3、図4参照)を中心として旋回可能に支持されており、図1において実線で示す閉じ位置10Aから図1において想像線で示すほぼ垂直に起立した開き位置10Bまでの間を旋回可能である。
これらの開閉蓋9およびピーラーユニット10は不図示のロック機構によって閉じ位置9A、10Aにロックされている。また、左側ケース部分7には蓋オープンボタン17が配置されており、これを操作することにより、ロック状態を解除して開閉蓋9およびピーラーユニット10を開けることが可能となっている。
プリンタ本体2の内部には、図3に一点鎖線で示すように、ロール紙収納部15に装填されているロール紙14から繰り出されるラベル用紙14Aを、プリンタ上面中央部に形成されている台紙排出口11およびラベル排出口12に導く搬送路18が形成されている。この搬送路18の途中位置には、サーマルヘッド19が配置されている。その印刷面と、開閉蓋9の側に搭載されているプラテンローラ20は、ラベル用紙14を介してサーマルヘッド19後方側から所定の力で互いに押し付けられている。
ラベル用紙14Aは、後述の図5〜7に示してあるように、長尺状の台紙14bと、この表面に一定間隔で貼り付けられている一定の長さおよび幅のラベル14cとを備えた構成のものである。ラベル用紙14Aはプラテンローラ20によって搬送されながら、そのラベル14cの表面にサーマルヘッド19によって印刷が施される。印刷後のラベル用紙14Aは、ラベル排出口12に導かれるラベル排出路18a、および台紙排出口11に導かれる台紙排出路18b(図3参照)のいずれかに沿って搬送されて、排出される。
ラベル排出路18aと台紙排出路18bの分岐点にはピーラー軸21が配置されている。ピーラー軸21は、ラベル用紙14Aを鋭角に湾曲させてプリンタ後方に案内するプリンタ幅方向に延びる小径の軸であり、開閉蓋9の側に搭載されている。ピーラー軸21の後方下側に位置するプラテンローラ20には、上側から、ピーラーユニット10の側に取り付けられている押えローラ22が連れ回り可能な状態で押し付けられている。
ピーラー軸21によってラベル用紙14Aが湾曲することにより、台紙14bの表面に貼りついているラベル14cが、それ自身の腰の強さによって台紙14bから剥がれて分離する。分離後、剥離したラベル14cはラベル排出口12に導かれるラベル排出路18aへ搬送される。一方、台紙14bはプラテンローラ20と押えローラ22に挟持されながら、台紙排出口11に導かれる台紙排出路18bへ搬送される。
本例では、プリンタ本体2の側に取り付けられているピーラーユニット10と、開閉蓋9の側に取り付けられているピーラー軸21によって、ピーラー機構が構成されている。ピーラーユニット10を開くと、そこに搭載されている押えローラ22がプラテンローラ20の外周面から離れるので、台紙排出口11に繋がっている台紙排出路18bが開放状態になる。ピーラーユニット10を開けた状態で、開閉蓋9を開くと、そこに搭載されているプラテンローラ20がサーマルヘッド19から離れて、搬送路18が開放状態になる。
(ピーラー機構)
図5(a)は、ラベル剥離動作を行う動作状態に切り換えられているピーラーユニットを示す斜視図であり、図5(b)はその概略断面図である。また、図6(a)は、剥離動作を行わない退避状態に設定されているピーラーユニットを示す斜視図であり、図6(b)はその概略断面図である。
これらの図を参照してピーラー機構の構成および動作を説明する。まず、プリンタ本体2の側に取り付けられているピーラーユニット10はユニット枠31を備え、このユニット枠31はプリンタ幅方向に延びる連結部32と、この連結部32の両端部からプリンタ後方に直角に延びている左右の腕部33、34とを備えている。腕部33、34の前端には軸穴33a、34aが形成されており、ここに回転自在の状態でプリンタ本体2の側の支軸16が差し通されており、当該支軸16を中心としてユニット枠31が上下に開閉可能である。本例では、前述したように、図1に示す閉じ位置10Aから開き位置10Bまでの間を開閉可能である。
ユニット枠31の左右の腕部33、34の間には、押えローラ支持枠35が上下方向に旋回可能な状態で取り付けられている。押えローラ支持枠35は、プリンタ幅方向に延びる連結部36と、この両端部からプリンタ前方に直角に延びる左右の腕部37、38と備えており、連結部36の下側に押えローラ22が回転自在の状態で取り付けられている。左右の腕部37、38のプリンタ前端部にはプリンタ幅方向の外側に円柱状の支軸39、40が突出しており、これらの支軸39、40は、ユニット枠31の左右の腕部33、34に回転可能な状態で取り付けられている。本例では、押えローラ支持枠35は、図5に示す押えローラ22が上側からプラテンローラ20に押し付けられた剥離動作位置35A(22A)と、図6に示す押えローラ22がプラテンローラ22の前方に退避した退避位置35B(22B)との間を旋回可能となっている。
ユニット枠31のプリンタ幅方向に延びる連結部32の後面はラベルガイド面32aとなっている。押えローラ支持枠35の連結部36の前面もラベルガイド面36aとなっている。押えローラ支持枠35が剥離動作位置35Aに有る状態では、これらのラベルガイド面32a、36aが一定の間隔でプリンタ前後方向から対峙した状態となり、これらによってラベル排出路18aおよびラベル排出口12が規定される。
ここで、ユニット枠31の連結部32のラベルガイド面32aにおける右側の隅には、矩形の開口部32bが形成されており、ここからは、ラベル検出用の反射型のホトセンサ41の受発光面41aが露出している。また、ラベルガイド面32aには、ほぼ長方形の遮蔽板42がプリンタ幅方向にスライド自在の状態で取り付けられている。
遮蔽板42の右端部からは、押えローラ支持枠35の右側の腕部38の支軸40に向けて腕42aが延びており、この腕42aに先端にはカムフォロワ42bが形成されている。支軸40の円形外周面には螺旋状に延びるカム溝40aが形成されており、このカム溝40aにカムフォロワ42bがスライド自在の状態で差し込まれた状態に保持されている。かかるカム溝40aおよびカムフォロラ42bからなるカム機構によって、押えローラ支持枠35を剥離動作位置35Aから退避位置35Bに旋回する動作に連動して、遮蔽板42が図5に示す遮蔽解除位置42Aから図6の示す遮蔽位置42Bまでスライドするようになっている。
遮蔽解除位置42Aの遮蔽板42は、ホトセンサ41の受発光面41aが露出している開口部32bの側方に位置しており、当該開口部32bを介してホトセンサ41は検出用の反射光を受光可能である。遮蔽位置42Bに遮蔽板42がスライド方向に移動すると、遮蔽板42によって開口部32bが遮蔽された状態になる。この状態では、ホトセンサ41は検出用の反射光の受光が不能となるので、常に、ラベル無しを表す検出出力状態に保持される。
なお、本例のホトセンサ41は、その受発光面41aが垂直面に対して下向きに傾斜した姿勢となるように、取り付けられている。このようにホトセンサ41を取り付けておくと、ラベル排出口12などを介して外光が受発光面41aに侵入し、ホトセンサ41が誤検出状態に陥ることを防止できる。
(駆動制御系)
次に、図7はピーラー付きプリンタ1の駆動制御系の概略ブロック図である。駆動制御系は、マイクロコンピュータからなる駆動制御部51を備えており、駆動制御部51には上位の機器(情報処理端末)から、印刷指令、ラベル印刷情報などが供給される。駆動制御部51は、モータドライバ52を介してプラテンローラ20の駆動モータ53を駆動制御して、ラベル用紙14Aの送り動作を行う。また、送り動作に同期して、ヘッドドライバ54を介してサーマルペッド19を駆動して、ラベルに所定の印刷を行う。ラベル用紙14Aの送りは、プラテンローラ20の下流側に配置されている用紙検出用のセンサ55検出出力に基づき、ラベル用紙14Aの有無やラベル14cの位置の認識をしながら、行われる。駆動制御部51は、動作モードがラベル剥離発行モードおよびラベル連続発行モードのいずれであるのかを、ホトセンサ41の検出出力から識別するモード識別部56と、サーマルヘッド19を駆動するための通電時間設定部57と、設定された通電時間を備えた通電信号を発生する通電信号発生部58を備えている。動作モードの設定は、上位の機器からの指令により行うようにし、駆動制御部51に設定された動作モードを保存してもよい。また、駆動制御部51に接続されたスイッチにより設定してもよい。
通電時間設定部57は、ラベル剥離発行モード用の通電時間設定テーブル57aと、ラベル連続発行モード用の通電時間設定テーブル57bとを備えている。各通電時間設定テーブル57a、57bは、ヘッド温度(サーマルヘッド19の環境温度)、ヘッド供給電圧(サーマルヘッドに供給される電圧値)通電信号の電圧値、および分割駆動数、同時通電する印刷素子数を含む条件に応じて予め設定された通電時間のテーブルである。分割駆動数は、1ドットライン(全印刷素子)の印刷を行う際のサーマルヘッド19を構成している印刷素子を何回に分けて駆動を行うのかを表す数である。同時通電素子数は、同時に印刷する印刷素子をカウントした数である。なお、上記の4条件を含む他の条件(履歴制御条件、印刷速度、印刷濃度、ラベル用紙の発色特性など)を考慮して通電時間を設定してもよいことは勿論である。
通電時間設定テーブルを用いる代わりに、予め定めた算出式に基づき、通電時間を算出してもよい。また、印刷前にこれらを算出しておき、各通電時間設定テーブル57a、57bとして、駆動制御部51に保存してもよい。いずれの場合においても、ラベル発行モードに応じて異なる通電時間が設定されるようになっている。本例では、同一条件の場合に、ラベル剥離発行モードの場合の通電時間(第1の通電時間)が、ラベル連続発行モードの場合の通電時間(第2の通電時間)よりも広くなるように設定されている。
通電信号発生部58では、モード識別部56で識別されたラベル発行モードに応じて通電ハルス幅設定部57において設定された通電時間を備えた通電信号を生成し、これをヘッドドライバ54に供給する。この通電信号によりヘッドドライバをオンし、ヘッド供給電圧が印刷素子に印加され、印刷素子が発熱しラベル14cを発色させ印刷を行う。
(ラベル発行動作)
図8は、ピーラー付きプリンタ1によるラベル発行動作を示す概略フローチャートである。このフローチャートおよび図5、6を参照して、ラベル発行動作、および、ピーラー機構の動作を説明する。
ラベルの発行は、一枚ずつラベルを発行するラベル剥離発行モードと、ラベルを台紙から剥離することなく連続して発行するラベル連続発行モードのいずれかの動作モードにより行われる。いずれの場合においても、ロール紙収納部15には、ロール紙14として、長尺状の台紙14bに所定長さのラベル14cが所定間隔で貼り付けられている構成のラベル用紙14Aがロール状に巻かれたものが装填される。
ラベル14cを一枚ずつ発行する場合には、ピーラーユニット10の押えローラ支持枠35を図5に示す剥離動作位置35Aの状態で、当該ピーラーユニット10を閉じる(図8のステップST1)。この結果、図5に示すように、ラベル用紙14Aは、ピーラー軸21の上側外周面部分から下方に屈曲されて、押えローラ22およびプラテンローラ20の間に挟まれ、その先端部分が台紙排出口11から引き出された状態になる。
ラベル発行指令を受けると、ラベル用紙14Aの搬送が開始され、1枚目のラベルの印刷が行われる(図8のステップST2)。台紙14cは台紙排出口11から排出されるが、ピーラー軸21において、台紙14bに貼り付けられている各ラベル14cは、その腰の強さによって、台紙14bと共に湾曲されることなく、台紙表面から剥がれて上方のラベル排出路18aを通ってラベル排出口12に向かう。
ラベル排出路18aを規定しているプリンタ前側のラベルガイド面32aにはラベル検出用のホトセンサ41の受光面41aが露出している。剥離後のラベル14cがラベル排出口12に到ると、ホトセンサ41によって当該ラベル14cが検出される。
駆動制御部51は、ラベル発行動作の開始から所定量の搬送動作が行われた後に、ラベル検出用のホトセンサ41の検出出力がラベル有りの状態に切り換わった場合には、ピーラー機構がラベル剥離動作を行う動作状態にセットされていると認識する。これに基づき、ラベル発行動作モードをラベル剥離発行モードに設定する(図8のステップST3→ST4)。
この結果、次からのラベル発行時には、サーマルヘッド駆動用の通電信号の通電時間が、ラベル剥離発行モード用の通電時間(第1の通電時間)とされる。なお、本例では、1枚目のラベル印刷におけるサーマルヘッド駆動用の通電信号の通電時間の初期設定値が、ラベル剥離発行モード用の通電時間(第1の通電時間)とされている。したがって、ラベル剥離発行モードの場合は、初期設定のままとされる。
この後はラベル用紙14Aの搬送が停止し、ラベル14cが取り出される位置まで搬送された後待機する。ラベル14cが操作者によって取り出されると、ホトセンサ41の検出出力がラベル無しの状態に戻り、一旦ラベル用紙14Aをサーマルヘッド19の印刷位置まで逆搬送した後、次のラベルの印刷動作(ラベル発行動作)が再開される(図8のステップST5、6)。このようにして、1枚ずつラベルが作成されて発行される。上位の機器から次のラベルの印刷指令が来ない場合は、次の印刷待ちの状態に戻る。
次に、連続してラベル14cを発行するラベル連続発行モードの動作を説明する。この場合には、ピーラーユニット10を開けて、押えローラ支持枠35を剥離動作位置35Aから退避位置35Bに退避させる。この状態でピーラーユニット10を閉じると、図6に示す状態が形成され、ラベル用紙14Aは、ピーラー軸21によって屈曲されることなく、ラベルガイド面32aに沿って上方に引き出された状態にセットされる(図8のステップST1)。また、押えローラ支持枠35を退避位置35に退避させると、この動作に連動して、ラベルガイド面32aの遮蔽板42が遮蔽解除位置42Aから遮蔽位置42Bまでスライドして、ホトセンサ41の受発光面41aが露出している開口部32bを遮蔽した状態に切り換わる。よって、ホトセンサ41はラベルからの検出用の反射光を受光できない状態になり、ラベル無しを表す検出出力状態に保持される。
ラベル発行指令を受けると、ラベル用紙14Aの搬送が開始され、1枚目のラベルの印刷が行われる(図8のステップST2)。ピーラー機構は機能しないので、ラベル14cは台紙14cに貼り付いたまま排出される。
この場合には、ラベル発行動作の開始から所定量の搬送動作が行われた後においても、ラベル検出用のホトセンサ41の検出出力がラベル有りの状態に切り換わることがない。したがって、駆動制御部51は、ホトセンサ41の出力状態がラベル無しの状態に保持されていることから、ピーラー機構が退避位置にセットされていると認識する。これに基づき、ラベル発行動作モードをラベル連続発行モードに切り換える(図8のステップST3→ST7)。
この結果、サーマルヘッド駆動用の通電信号の通電時間が初期設定値であるラベル剥離発行モード用の第1通電時間から、ラベル連続発行モード用の第2の通電時間に切り換わる。これ以後は、通電時間設定テーブル57bにより通電時間が設定される。
この後は、ラベル用紙14Aの搬送が中断されることなく、上位の機器から供給された印刷指令に基づき連続して台紙14b上のラベル14cに対する印刷動作が行われ、台紙14bに貼り付けられたままの状態で作成後のラベル14cが連続して排出される。印刷が終了すると(ステップST8)、次の印刷待ちの状態に戻る。また、通電パスル幅の設定値も初期設定のラベル剥離発行モード用のものに戻される。
なお、一般的な長尺状の記録紙が巻かれているロール紙14に印刷を行う場合にも、押えローラ支持枠35が退避位置35Bに切り換えられ、記録紙がラベルガイド面32aに沿って上方に引き出された状態にセットされる。この場合には、連続してラベルを発行する場合と同様に、印刷された記録紙が連続して排出される。通常の記録紙に印刷を行う場合のサーマルヘッド駆動用の通電時間を、上記のラベル発行時の場合とは異なるように設定することも可能である。例えば、通電時間設定部57に、通常の記録紙に印刷を行う場合に用いる通電時間設定テーブルを用意しておき、操作者のモード切換入力などによって通常の記録紙への印刷モードが指定された場合にこのような通電時間を採用するようにすればよい。
また印刷する前に駆動制御部51で、モード識別部56で識別されたラベル発行モードの他、ヘッド温度(サーマルヘッド19の環境温度)、ヘッド供給電圧(サーマルヘッドに供給される電圧値)通電信号の電圧値、および分割駆動数、同時通電する印刷素子数を含む条件などを求めて、それらの条件に応じた通電時間のテーブルを参照して所定の通電時間で印刷を行う。なお、上記の4条件を含む他の条件(履歴制御条件、印刷速度、印刷濃度、ラベル用紙の発色特性など)を考慮して通電時間を設定したテーブルとしてもよい。
以上説明したように、本例のピーラー機構付きサーマルプリンタ1では、ラベル剥離発行モードおよびラベル連続発行モードにおいてそれぞれ異なる通電時間を設定して、サーマルヘッド19を駆動してラベル印刷を行っている。したがって、ラベル発行モードの如何に拘わり無くラベル印刷濃度を一定に保持できる。
なお、本例では、ピーラー機構を退避状態に切り換えると、これに連動して遮蔽板42が移動してラベル検出用の反射型ホトセンサ41の受光面41aを遮蔽する。この状態でラベル14cの排出動作を行ってもホトセンサ41の検出出力がラベル有りを表す状態に切り換わることがない。よって、動作モードの切り換わりを検出するための台紙センサなどのセンサを必要とすることなく、ラベル検出用のホトセンサ41を利用してピーラー機構の状態を認識し、これに基づき動作モードを設定できる。この代わりに、モード設定を入力操作によって行うことも可能である。また、遮蔽板42の移動位置などを検出するセンサを配置して、モードの切り換えを検出するようにしてもよい。
本発明を適用したピーラー機構付きサーマルプリンタの外観斜視図である。 ピーラー機構付きサーマルプリンタの開閉蓋を開けた状態の外観斜視図である。 ピーラー機構付きサーマルプリンタの記録紙搬送路を示す概略断面図である。 開閉蓋を開けた状態での記録紙搬送路を示す概略断面図である。 剥離動作状態にセットされたピーラー機構の斜視図および概略断面図である。 退避状態にセットされたピーラー機構の斜視図および概略断面図である。 ピーラー機構付きサーマルプリンタの駆動制御系の概略ブロック図である。 ピーラー機構付きサーマルプリンタの概略動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ピーラー機構付きサーマルプリンタ、3 プリンタ外装ケース、9 開閉蓋、10 ピーラーユニット、11 台紙排出口、12 ラベル排出口、14 ロール紙、14A ラベル用紙、14b 台紙、14c ラベル、15 ロール紙収納部、18 搬送路、18a ラベル排出路、18b 台紙排出路、19 サーマルヘッド、20 プラテンローラ、21 ピーラー軸、22 押えローラ、22A,35A 剥離動作位置、22B,35B 退避位置、41 ホトセンサ、41a 受発光面、42 遮蔽板、42A 遮蔽解除位置、42B 遮蔽位置、51 駆動制御部、52 モータドライバ、53 モータ、54 ヘッドドライバ、56 モード識別部、57 通電時間設定部、57a,57b 通電時間設定テーブル、58 通電信号発生部

Claims (5)

  1. ピーラー機構付きサーマルプリンタの印刷制御方法において、
    台紙に貼り付けられた状態のラベルをサーマルヘッドによる印刷位置を経由して搬送し、
    印刷後のラベルを台紙から剥離して発行するラベル剥離発行モードにおいては、第1の通電時間を備えた通電信号を用いてサーマルヘッドを駆動してラベルに印刷を行い、
    印刷後のラベルを台紙から剥離することなく発行するラベル連続発行モードにおいては、前記第1の通電時間とは異なる第2の通電時間を備えた通電信号を用いて前記サーマルヘッドを駆動してラベルに印刷を行うことを特徴とするピーラー機構付きサーマルプリンタの印刷制御方法。
  2. 請求項1において、
    前記ラベル剥離発行モードにおける前記第1の通電時間を、前記ラベル連続発行モードにおける前記第2の通電時間よりも広く設定することを特徴とするピーラー機構付きサーマルプリンタの印刷制御方法。
  3. 請求項1において、
    前記通電信号の通電時間を、前記サーマルヘッドの環境温度、ヘッド供給電圧の電圧値、前記サーマルヘッドを構成している印刷素子の分割駆動数、および同時通電印刷素子数のうちの少なくとも一つの条件に基づき増減し、
    前記ラベル剥離発行モードにおける前記第1の通電時間を、同一条件における前記ラベル連続発行モードにおける前記第2の通電時間よりも広く設定することを特徴とするピーラー機構付きサーマルプリンタの印刷制御方法。
  4. サーマルヘッドと、
    印刷後のラベルが貼り付けられている台紙を屈曲した経路に沿って案内することにより前記ラベルを前記台紙から剥離するピーラー機構と、
    印刷後のラベルを前記ピーラー機構によって台紙から剥離して発行するラベル剥離発行モードにおいては、第1の通電時間を備えた通電信号を用いて前記サーマルヘッドを駆動し、印刷後のラベルを台紙から剥離することなくそのまま発行するラベル連続発行モードにおいては、前記第1の通電時間とは異なる第2の通電時間を備えた通電信号を用いて前記サーマルヘッドを駆動する駆動制御手段とを有していることを特徴とするピーラー機構付きサーマルプリンタ。
  5. 請求項4において、
    前記通電信号の前記第1および第2の通電時間を、前記サーマルヘッドの環境温度、ヘッド供給電圧の電圧値、前記サーマルヘッドを構成している印刷素子の分割駆動数、および、同時通電印刷素子数のうちの少なくとも一つの条件に基づき設定する通電時間設定手段を有しており、
    当該通電時間設定手段は、同一条件における前記第1の通電時間を前記第2の通電時間より広く設定することを特徴とするピーラー機構付きサーマルプリンタ。
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JP5844490B1 (ja) * 2015-01-30 2016-01-20 サトーホールディングス株式会社 プリンタ

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