JP2007062632A - 電子制御ユニットおよび異常発生時記憶用データの記憶方法 - Google Patents

電子制御ユニットおよび異常発生時記憶用データの記憶方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 問題があるとして交換された場合にも異常発生時に記憶されていたデータが消失されない電子制御ユニットを提供する。
【解決手段】 書換要求受付手段31と書換制御手段32とを備え、書換要求受付手段31が外部から書換要求を受け付けると、書換制御手段32がスタンバイRAM15に格納されている異常解析に必要なデータをEEPROM16に転送し、EEPROM16に記憶されている異常解析に必要のないデータをスタンバイRAM15から転送されたデータに書き換えるよう制御する。書換制御手段32は、また、書き換えを実施する前に、書き換え中のデータが破壊されたり、書き換え後に勝手に更新されたりすることがないよう、この書き換えの動作を妨害する可能性のある動作をあらかじめ禁止しておき、書き換えが完了した後は、既存のランプを点滅させるなどして書き換え完了を通知する。
【選択図】 図2

Description

本発明は電子制御ユニットおよび異常発生時記憶用データの記憶方法に関し、特に車両搭載機器の制御の際に異常と判断されたデータを電源供給がなくても保持するようにした電子制御ユニットおよび異常発生時記憶用データの記憶方法に関する。
車両には、各部の機器を専用に制御する複数の電子制御ユニットが用いられており、これらは、車載LAN(Local Area Network)によって相互に接続されている。それぞれの電子制御ユニットは、一般に複数のセンサから得られた各種データや、他の電子制御ユニットから送信されたデータを入力し、それらを中央演算装置(CPU)にて演算し、演算結果に基づいて制御対象の機器を制御するようにしている。
このとき、制御対象機器によっては、その機器の経時変化により、あるいは運転者の運転パターンなどにより、電子制御ユニットに最初に設定された制御量では正しく目標値に制御することができなくなることがあり、そのような場合には、その制御量を逐次補正していくデータを学習値としてメモリに保存しておき、常に制御量に学習値を反映させるようにしている。そのような学習値において、経時変化によるデータは、イグニッションスイッチをオフしても消えることのない不揮発性メモリに記憶され、運転者の運転パターンによるデータは、イグニッションスイッチをオフすると消える揮発性メモリに記憶されている。
また、中央演算装置は、センサから入力されたセンサ値をその閾値と比較したときに、そのセンサ値が異常であるかどうかを判断することができる。センサ値が恒久的に異常であった場合はもちろん一時的に異常であった場合においても、そのセンサ値は、容量の大きな揮発性メモリに更新されることのないデータとして追加記憶されるようになっている。そのとき、必要に応じて、異常のあったセンサに関連する別のセンサのセンサ値も一緒に記憶されることもある。このような異常発生時に記憶されるデータは、特にフリーズデータと呼ばれ、ディーラーではダイアグチェッカにより揮発性メモリから読み出され、異常箇所の解析に使用される。
ところが、そのようなフリーズデータに使用するデータは、通常の車両制御で使用されるため、揮発性メモリに記憶されている。したがって、イグニッションスイッチをオフしてしまうと、揮発性メモリに記憶されているデータは、消えてしまう。そのため、従来では、イグニッションスイッチをオフしてもフリーズデータが消えないよう、フリーズデータを記憶するメモリの領域だけ、バッテリより直接電源を供給するようにしたスタンバイRAM(Random Access Memory)の構成にすることが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。このため、車両に異常が発生してからその車両をディーラーに持ち込むまでの間、駐車などによりイグニッションスイッチをオフすることがあっても、メモリの内容は消えることがないので、いつでもダイアグチェッカによる異常箇所の解析を可能にしている。
特開平6−74085号公報(段落〔0011〕,図1)
しかしながら、スタンバイRAMは、電子制御ユニットがバッテリに接続されている間だけデータを記憶しておくことができるメモリであるため、ディーラーで電子制御ユニットに問題があると判断されて新しい電子制御ユニットに交換されてしまうと、問題があると判断された電子制御ユニットからは異常発生時のフリーズデータ(異常発生時の記憶用データ)は消失してしまうことになる。このため、たとえメーカーがその問題のある電子制御ユニットを回収し、解析しようとしても、メモリには異常発生時のフリーズデータは残っていないので、解析が困難になるという問題点があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、問題があるとして交換された場合にも異常が発生したときに記憶されたフリーズデータが消失しないようにした電子制御ユニットを提供することを目的とする。
本発明では上記問題点を解決するために、異常発生時の記憶用データを揮発性メモリに記憶しておく車両用の電子制御ユニットにおいて、外部からの書換要求を受け付ける書換要求受付手段と、前記書換要求受付手段が前記書換要求を受け付けたときに、不揮発性メモリに記憶されている異常解析に不必要なデータを前記揮発性メモリに記憶されていた前記異常発生時の記憶用データによって書き換える書換制御手段と、を備えていることを特徴とする電子制御ユニットが提供される。
このような電子制御ユニットによれば、外部からの書換要求を書換要求受付手段が受け付けたときに、書換制御手段が不揮発性メモリのデータの一部を異常発生時の記憶用データに書き換えるようにした。これにより、電子制御ユニットを車両から取り外したとしても、内部には、異常発生時の記憶用データが消えずに残っているので、メーカーが回収したときにも、残っている異常発生時の記憶用データなどを基に異常箇所の解析が可能となる。
なお、異常発生時に異常発生時の記憶用データを直ちに不揮発性メモリに記憶させないのは、高価な不揮発性メモリを節約するため、不揮発性メモリには余分な容量がなく、異常発生毎にデータ書き換えをすることができないからである。
本発明の電子制御ユニットは、異常発生時の記憶用データを不揮発性メモリに退避させるように構成したので、電子制御ユニットを車両から取り外してバッテリからの電源供給が断たれたとしても、異常発生時の記憶用データを電子制御ユニットに残しておくことができ、メーカーによる異常箇所の解析が可能となるという利点がある。
また、異常発生時の記憶用データの退避は、不揮発性メモリに記憶されている異常解析に不必要なデータを異常発生時の記憶用データで書き換えることにより行っているので、異常発生時の記憶用データを退避させるために、高価な不揮発性メモリのメモリ容量を増やしたり、不揮発性メモリを追加したりすることなく、つまりコストをかけることなく現状の不揮発性メモリを使って実現することができる。
さらに、不揮発性メモリに十分な空き領域がある場合には、その領域に異常発生時の記憶用データを直接転送することもでき、異常発生時の記憶用データが不揮発性メモリへ退避するまでの時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明を適用した電子制御ユニットの構成例を示すブロック図である。
この電子制御ユニット1は、エンジンの燃料噴射制御、点火時期制御、アイドリング回転数制御などのエンジン制御に必要な制御を行うもの(EFI‐ECU)であって、外部から各種センサなどの情報を直接またはLANを介して受信する入力回路11と、入力された情報を基に所定の演算を行う中央演算装置(CPU)12と、演算結果に基づいてエンジンの燃料噴射時間などの制御信号をエンジン制御用の各アクチュエータへ出力したり入力回路11が受けたセンサの情報をLANを介して他の電子制御ユニットへ送信したりする出力回路13と、メモリとを有している。このメモリとしては、燃料噴射などの制御中の中央演算装置12の演算結果などを一時的に記憶し、電源供給が断たれると記憶データが消失する揮発性のノーマルRAM(NRAM)14およびスタンバイRAM15と、中央演算装置12が実行する燃料噴射制御プログラム、本発明の機能を実行するプログラムを記憶する図示しないROMと、エンジン制御に必要な変数、学習値、車両に固有の情報などを記憶しておく不揮発性のEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)16とがある。ここで、スタンバイRAM15は、バッテリによりバックアップされている揮発性メモリであり、たとえばスタティックRAMまたはダイナミックRAMからなる。ノーマルRAM14には、エンジン制御中のデータを一時的に記憶するが、そのデータのうち、次回のエンジン制御に使用する学習値などは、エンジン制御の終了後にスタンバイRAM15に記憶される。さらに、電子制御ユニット1は、入力回路11および出力回路13を外部装置と接続するコネクタ17とを有している。
また、図1には、本発明の機能実行を要求するトリガとなるものをいくつか示している。その一例として、ここには、外部ツール(ダイアグチェッカ)21、書換要求スイッチ22、特殊操作情報23および自車の位置情報を知らせるGPS(global positioning system)24、エアバッグ用の衝突検知センサ25およびミリ波レーダなどの車両周辺監視センサ26の6種類を示しているが、これらは、すべてが必要というわけではなく、必要に応じて少なくとも1つあればよい。そして、この電子制御ユニット1には、エンジン制御に必要な情報取得の例として、エンジンの回転数を検出するNEセンサ27、車速を検出するSPDセンサ28、イグニッションスイッチ(IG‐SW)29からの信号が入力されるようになっており、本発明の機能実行のための条件にもなっている。もちろん、中央演算装置12によるエンジン制御のためには、空気量センサ、排ガスの酸素濃度を検出するO2センサなど、種々のセンサが入力回路11に接続され、これらのセンサは本発明の機能実行のための条件としても用いられ得るが、ここでは図示を省略している。
外部ツール21は、フリーズデータをEEPROM16に残したい場合に、該当車両に接続される。書換要求スイッチ22は、フリーズデータをEEPROM16に残したいときに操作される専用のスイッチである。特殊操作情報23は、既存の特定のスイッチが特殊な操作をすることにより得られる情報である。GPS24は、ディーラーに車両が入庫したことを検出した場合に、所定の条件でEEPROM16内のデータをフリーズデータに自動的に書き換えを行おうというものである。衝突検知センサ25および車両周辺監視センサ26は、車両の衝突が発生した場合あるいは車両の衝突の不可避的な状況が発生した場合に、EEPROM16のデータをスタンバイRAM15にあるフリーズデータで書き換えるかまたはフリーズデータをEEPROM16に転送させるのに使用される。NEセンサ27およびSPDセンサ28は、EEPROM16のデータをフリーズデータに書き換えて良いかどうかを判断するのに使用され、イグニッションスイッチ29は、書き換えを開始して良いかどうかを判断するのに使用される。
入力回路11により受けられた情報から中央演算装置12が書換要求であると判断すると、ノーマルRAM14の専用アドレス内に記憶されている異常時の情報であるフリーズデータは、NEセンサ27およびSPDセンサ28からの情報がないことを条件にEEPROM16に転送されて記憶される。
また、この電子制御ユニット1は、読出装置30を接続することができる。これにより、読出装置30から入力回路11を介して受けた要求を中央演算装置12が読出要求であると判断すると、ノーマルRAM14またはEEPROM16に記憶されているデータは出力回路13を介して読出装置30に読み出すことができる。もちろん、このデータの読み出しは、読出装置30によらないで外部ツール21にて行ってもよい。
次に、この電子制御ユニット1においてEEPROM16の記憶内容をフリーズデータに書き換える機能について説明する。このフリーズデータ書換制御機能は、EEPROM16に格納されたプログラムによって実現される。
図2はフリーズデータ書換制御を説明する機能ブロック図である。
フリーズデータ書換制御機能は、書換要求受付手段31と、書換制御手段32とを備えている。書換要求受付手段31は、入力回路11が受けた情報が書換要求であるかどうかを判断し、書換要求である場合には、その要求を受け付ける。書換制御手段32は、書換要求受付手段31が書換要求を受け付けた場合に、EEPROM16に記憶されている所定のデータをスタンバイRAM15に格納されているフリーズデータによって書き換える制御を行う。
ここで、書換要求受付手段31は、以下のような場合に書換要求の受け付けを行う。第1の例では、外部ツール21から書換要求を直接受ける場合である。この場合、外部ツール21は、ディーラーにて該当車両に接続され、作業員がその外部ツール21を操作することによって書換要求を出すことになる。書換要求受付手段31は、外部ツール21からその書換要求を受けることにより、書換要求を受け付ける。
第2の例は、書換要求スイッチ22から書換要求を受ける場合である。この書換要求スイッチ22は、たとえばこの電子制御ユニット1の本体またはその設置場所の近傍に設けられていて、作業員がその書換要求スイッチ22を操作することにより、書換要求受付手段31は、書換要求を受け付ける。
第3の例は、特殊操作情報23を書換要求として受ける場合である。書換要求受付手段31は、既存のスイッチの操作状況を常時監視していて、普通のユーザ操作ではありえないような所定の特殊な操作を検出した場合に、書換要求であると判断してその書換要求を受け付ける。
第4の例は、車両がディーラーに入庫していることをGPS24が検出し、かつ、スタンバイRAM15にフリーズデータがあり、イグニッションスイッチ29がオフである場合に書換要求受付手段31は、書換要求であると判断してその書換要求を受け付ける。
第5の例は、車両に搭載されたエアバック用の衝突検知センサ25が車両の衝突を検知した場合、または車両の周辺を監視するミリ波レーダなどの車両周辺監視センサ26が車両の衝突が不可避であることを検知した場合、または図示しないブレーキセンサが車両の急ブレーキを検知して車両が衝突に急迫している場合に書換要求受付手段31は、書換要求であると判断して書換要求を受け付ける。
以上のように、書換要求受付手段31が書換要求を受け付けると、書換制御手段32がEEPROM16に記憶されているデータをスタンバイRAM15に記憶されている異常時の情報であるフリーズデータによって書き換える。次に、書換制御手段32の具体的な書き換え動作について説明する。
図3は書換制御手段の処理の流れを示すフローチャート、図4は書換制御によるデータの動きを示す図であって、(A)は書き換え前のデータ内容の例を示し、(B)は書き換え後のデータ内容の例を示している。
まず、書換制御手段32は、異常が発生したかどうかを判断していて(ステップS1)、異常が発生していなければ、そのまま終了し、異常が発生した場合には、ノーマルRAM14に蓄積されていたデータをフリーズデータとしてスタンバイRAM15の所定のアドレスに書き込む(ステップS2)。
次に、書換制御手段32は、書換要求受付手段31が書換要求を受け付けたかどうかを判断する(ステップS3)。書換要求受付手段31が、上記したいずれかの方法にて書換要求を受け付けた場合には、書き換え開始の条件を満足しているかどうかが判断される(ステップS4)。書き換え開始の条件としては、NEセンサ27またはSPDセンサ28のセンサ値が0であること、すなわち、エンジンが止まっているか車両が動いていないことである。エンジン回転中または車両が走行中である場合には、この処理はそのまま終了し、書き換えは実行されない。これは、エンジン回転中または車両が走行中にEEPROM16の走行に必要なデータが突然消去されると、エンジンが異常動作して運転者や作業員が危険となる場合があるからである。車両のアイドリング中も書き換えを禁止する場合は、NEセンサ27およびSPDセンサ28のセンサ値がともに0であることを開始条件とすればよい。
書き換え開始の条件が満足されていれば、書換制御手段32は、書き換えの途中または書き換えの後にスタンバイRAM15またはEEPROM16のデータが確実にあるいは偶発的に破壊または変更されることがないようにするため、データの正常な書き換えを妨害してしまう可能性のある動作をあらかじめ禁止しておく(ステップS5)。このような動作禁止にすべきものとしては、書き換え中に電子制御ユニット1の電源が断たれるとデータが破壊されるので、それを防ぐために、書換制御手段32は、イグニッションスイッチ29が操作された場合でも、その入力を受け付けない、電源のメインリレーのオン状態を保持する、という制御を行う。また、書き換え完了後に、再度イグニッションスイッチ29がオンされることによって、EEPROM16に記憶された学習値のようなデータが更新されてしまうのを防止するために、書換制御手段32は、イグニッションスイッチ29のオン状態で実施するような学習を禁止する制御を行う。EEPROM16に通常時から記憶されている学習値は、保存しておくことでフリーズデータとしても使用できるからである。さらに、フリーズデータの書き換え中または書き換え後に新たな故障データを再度記憶するのを防止するために、書換制御手段32は、コード消去要求を受け付けない、アクティブテスト(強制駆動)を受け付けない、という制御を行う。
次に、書換制御手段32は、EEPROM16に記憶されているデータの中で、異常情報の解析に必要のない不要データを消去する(ステップS6)。これは、高価で現状より容量を増やすことができないEEPROM16のフリーズデータの書き込み領域を増やすためのものである。
EEPROM16には、図4の(A)に示したように、たとえば、車両に固有の車体識別番号であるVIN(Vehicle Identification Number)、トランスミッションの切り換えにおけるソレノイド油圧の制御値を学習したAT(Automatic Transmission)学習値、加速度センサ0点学習値、車両安定制御用の電子制御ユニットが接続されているか否かを判定するVSC(Vehicle Stability Control)有無判定値、盗難防止用のイモビライザキーコード、コンピュータ制御トランスミッションのECT(Electronic Controlled Transmission)学習値などが記憶されている。この中で、消去しないデータとしては、たとえばトランスミッションの経時変化によりトランスミッション切換制御量を補正するためのECT学習値が故障解析のために残される。
次に、書換制御手段32は、スタンバイRAM15に記憶されているデータを読み出してEEPROM16に転送する(ステップS7)。スタンバイRAM15には、図4の(A)に示したように、たとえば、エンジン回転数、水温、シフトポジション、車速、アクセル開度などの異常発生時のフリーズデータと、ダイアグ異常判定フラグと、そして、アイドル回転速度を学習したISC(Idle Speed Control)、ノックセンサの値から進角値、遅角値を学習したKCS(Knock Control System)、空燃比を学習したA/F(Air by Fuel)などの学習値とが記憶されている。この中で、EEPROM16に転送し、書き込まれるのは、フリーズデータである。転送されたフリーズデータは、EEPROM16内の所定のアドレスに書き込まれる。
また、図示はしていないが、スタンバイRAM15には、さらに異常の検出頻度(レート値)やソフト情報などが記憶されている。ソフト情報としては、ソフト品番と、プログラムの不正書き換えを判別するためにイグニッションスイッチ29がオンの時点で生成されるCVN(Calibration Vehicle Number)がある。これらのデータについても、必要に応じてEEPROM16に書き込まれる。
さらに、EEPROM16では、それぞれ同じデータを3種類(本データ、バックアップデータ、ミラーデータ)書き込んでいるが、スタンバイRAM15から転送されたデータを書き込むときには、メモリの容量および書き込み速度を考慮して1種類(本データ)のみとしている。
そして、スタンバイRAM15からEEPROM16へデータを転送し、転送されたデータの書き込みが完了すると、書換制御手段32は、書き換え完了の通知動作を行う(ステップS8)。この通知動作としては、たとえば、書き換えが完了したことを車両内で分かるように、書換制御手段32は、インストルメントパネルに設けられた電子制御ユニット1用の異常警告灯を点灯または点滅するように制御する。または、書き換えが完了したことを車両外で分かるように、書換制御手段32は、ハザードまたはブレーキランプなどを点灯または点滅するように制御する。あるいは、書換制御手段32は、異常警告灯とハザードまたはブレーキランプとを同時に点灯または点滅制御するようにしてもよい。
以上のようにして、EEPROM16におけるデータの書き換えが行われた後は、電子制御ユニット1を別の電子制御ユニットに交換するためにそのコネクタ17を外すことになる。これにより、電子制御ユニット1には、バッテリ電源の供給が断たれることになるので、スタンバイRAM15内のデータは消去されるが、EEPROM16には、故障解析に必要なデータが退避されていることになる。これにより、メーカーがその電子制御ユニット1を回収して解析する場合、EEPROM16に異常発生時のデータが残っているので、異常箇所の解析を容易に行うことが可能になる。
スタンバイRAM15およびEEPROM16に記憶されているデータは、読出装置30を電子制御ユニット1に接続することによって外部に読み出すことができる。この読み出し制御機能についても、EEPROM16に格納されたプログラムによって実現される。次に、その読み出し制御プログラムの制御例について説明する。
図5は読み出し制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
読み出し制御プログラムでは、まず、読出装置30からの読出要求があるかどうかを常時監視していて(ステップS11)、読出要求がなければ、この処理はそのまま終了する。読出装置30からの読出要求があれば、その読出要求はスタンバイRAM15に記憶されているデータに対してのものかEEPROM16に記憶されているデータに対してのものかが判断される(ステップS12)。
ここで、その読出要求がスタンバイRAM15に記憶されているデータの読み出しであれば、スタンバイRAM15内の所定のアドレスのデータが読み出され、出力回路13を介して読出装置30に送信され(ステップS13)、所定のアドレスのすべてのデータが送信された後、出力回路13を介して読出装置30に送信完了が通知される(ステップS14)。ステップS12での判断がEEPROM16に記憶されているデータに対しての読出要求であれば、EEPROM16内の所定のアドレスのデータが読み出され、出力回路13を介して読出装置30に送信され(ステップS15)、所定のアドレスのすべてのデータが送信された後、出力回路13を介して読出装置30に送信完了が通知される(ステップS16)。
上記の実施の形態では、EEPROM16の容量に余裕がない場合について説明したが、EEPROM16の容量に余裕がある場合には、EEPROM16の不要データを消去してからフリーズデータを書き込むというような書き換えを行うことなく、フリーズデータをEEPROM16の空き領域に直接書き込むことができる。この場合、データの書き換えを実行する図2に示した書換要求受付手段31および書換制御手段32は、データ転送要求受付手段およびデータ転送制御手段として機能する。次に、このデータ転送制御手段による処理について、車両が衝突または衝突が避けられない状況に陥ったことを契機にして行う場合を例に説明する。
図6はデータ転送制御の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、データ転送制御手段は、所定時間ごとにノーマルRAM14から運転状態を表す複数種類の記憶用データを時系列的に取得し(ステップS21)、取得したデータをスタンバイRAM15の所定のアドレスに順次記憶する(ステップS22)。次に、車両の衝突が発生または衝突の不可避的な状況が発生したかどうかが判断される(ステップS23)。すなわち、入力回路11が受けた衝突検知センサ25からの情報を基に中央演算装置12が車両衝突発生を判断した場合、データ転送要求受付手段は、その判断をデータ転送要求として受け付ける。または、入力回路11が受けた車両周辺監視センサ26からの情報を基に中央演算装置12が衝突の起こり得る状況になったと判断した場合、データ転送要求受付手段は、その判断をデータ転送要求として受け付ける。データ転送要求受付手段がデータ転送要求を受け付けると、データ転送制御手段がスタンバイRAM15に記憶されている記憶用データをEEPROM16に転送し、記憶する(ステップS24)。このようにして、スタンバイRAM15に蓄積されていた記憶用データは、車両の衝突の直前または直後にEEPROM16に退避させることができ、車両の衝突がなければ、データ転送の処理は行われることなく終了する。
このように、本実施の形態では、所定時間毎に複数種類のデータを記憶し、車両の通常走行を妨げるような車両衝突や衝突不可避状況、急ブレーキを異常発生と認識し、データの書換要求またはデータの転送を行うようにしたためドライブレコーダとしての効果を奏する。また、書き換えまたは転送されるデータは、異常発生時のデータのみならず、異常発生前後または前後の所定データで時間的継続性のある値でもよい。
なお、以上の実施の形態では、エンジンの燃料噴射制御を行う電子制御ユニットの場合を例に説明したが、本発明は、この特定の実施の形態のものに限定されるものではなく、他の同様の電子制御ユニットについても同様に適用することができる。また、以上の実施の形態では、書換要求として6種類を示したが、これに限定されるものではない。
本発明を適用した電子制御ユニットの構成例を示すブロック図である。 フリーズデータ書換制御を説明する機能ブロック図である。 書換制御手段の処理の流れを示すフローチャートである。 書換制御によるデータの動きを示す図であって、(A)は書き換え前のデータ内容の例を示し、(B)は書き換え後のデータ内容の例を示している。 読み出し制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 データ転送制御の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 電子制御ユニット
11 入力回路
12 中央演算装置
13 出力回路
14 ノーマルRAM(揮発性メモリ)
15 バックアップRAM(揮発性メモリ)
16 EEPROM(不揮発性メモリ)
17 コネクタ
21 外部ツール
22 書換要求スイッチ
23 特殊操作情報
24 GPS
25 衝突検知センサ
26 車両周辺監視センサ
27 NEセンサ
28 SPDセンサ
29 イグニッションスイッチ
30 読出装置
31 書換要求受付手段
32 書換制御手段

Claims (8)

  1. 異常発生時の記憶用データを揮発性メモリに記憶しておく車両用の電子制御ユニットにおいて、
    外部からの書換要求を受け付ける書換要求受付手段と、
    前記書換要求受付手段が前記書換要求を受け付けたときに、不揮発性メモリに記憶されている異常解析に不必要なデータを前記揮発性メモリに記憶されていた前記異常発生時の記憶用データによって書き換える書換制御手段と、
    を備えていることを特徴とする電子制御ユニット。
  2. 前記書換制御手段は、書き換えを実施する前に、書き換えの動作を妨害する可能性のある動作をあらかじめ禁止しておくようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子制御ユニット。
  3. 前記書換制御手段は、書き換えが完了した後は、既存の所定のランプを点灯または点滅するよう制御することにより、書き換え完了を通知するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子制御ユニット。
  4. 前記書換制御手段は、前記不揮発性メモリのデータに対する前記異常発生時の記憶用データへの書き換えを、前記不揮発性メモリの異常解析に不必要なデータを消去してから、前記揮発性メモリから読み出した前記異常発生時の記憶用データを前記不揮発性メモリに書き込むようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子制御ユニット。
  5. 前記書換要求受付手段は、前記書換要求を受け付けた後に、エンジンが停止していて車両が動いていないことを条件に、前記書換制御手段に対して書き換えを実施させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子制御ユニット。
  6. 異常発生時の記憶用データを揮発性メモリに記憶しておく車両用の電子制御ユニットにおいて、
    外部からの書換要求を受け付ける書換要求受付手段と、
    前記書換要求受付手段が前記書換要求を受け付けたときに、前記揮発性メモリに記憶されている前記異常発生時の記憶用データを不揮発性メモリに転送させる転送手段と、
    を備えていることを特徴とする電子制御ユニット。
  7. 所定時間ごとに複数の記憶用データを揮発性メモリに記憶して蓄積しておく車両用の電子制御ユニットにおいて、
    不揮発性メモリと、
    車両の衝突または衝突の不可避的な状況を判断する衝突判断手段と、
    前記衝突判断手段が車両の衝突または衝突の不可避的な状況を判断すると、前記揮発性メモリに蓄積されている前記記憶用データをそれぞれ前記不揮発性メモリに転送するデータ転送手段と、
    を備えていることを特徴とする電子制御ユニット。
  8. 異常発生時の記憶用データを揮発性メモリに記憶しておくようにした車両用電子制御ユニットの異常発生時記憶用データの記憶方法において、
    書換要求受付手段により、外部から受けた要求から書換要求を受け付けるステップと、
    前記書換要求の受け付けがあったときに、書換制御手段により、不揮発性メモリに記憶されている異常解析に不必要なデータを前記揮発性メモリに記憶されていた前記異常発生時の記憶用データによって書き換えるステップと、
    からなることを特徴とする異常発生時記憶用データの記憶方法。
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