JP2007061747A - 塗膜形成方法 - Google Patents

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浩 一ノ瀬
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Abstract

【課題】省工程の観点から電着塗料塗装後の加熱硬化工程を省くことができ且つ優れた仕上がり外観の複層塗膜を形成せしめることができる、電着塗料及び溶剤型塗料をウェット・オン・ウェットで塗装するための改良された複層塗膜形成方法を提供すること。
【解決手段】被塗物に電着塗料を塗装して電着塗膜を形成せしめ、該電着塗膜が未硬化の状態で、その上に溶剤型塗料を塗装し、次いで電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜を一緒に加熱硬化させることを含んでなる複層塗膜形成方法において、溶剤型塗料が塗装時において0.03〜0.5Pa・sの範囲内の粘度を有し且つ沸点が150〜210℃の範囲内にある水に易溶性の親水性溶剤を塗料の固形分重量を基準にして15〜40重量%の範囲内で含有するものであり、そして加熱開始時の溶剤型塗料の塗膜粘度が5〜50Pa・sの範囲内であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電着塗料及び溶剤型塗料をウェット・オン・ウェットで塗装し、ついで加熱して両塗膜を一緒に硬化せしめることからなる、塗装工程が短縮された、且つ非常に優れた塗装(仕上がり)外観の塗膜を形成せしめることができる複層塗膜形成方法に関する。
自動車車体等の塗装工程においては、一般に、電着塗料を塗装し加熱硬化させ、場合により中塗塗料を塗装した後上塗塗料を塗装し、次いで加熱硬化させる方法が広く採用されているが、近年、省エネルギー等の観点から、電着塗料塗装後の加熱硬化工程を省く塗装方法が種々提案がされている。
電着塗料は水性塗料であることや、近年のVOC排出規制などの観点から、電着塗膜上にウェット・オン・ウェットで塗装される塗料は溶剤型塗料よりも水性塗料のほうが有利であると考えられ、その検討が進められている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、水性塗料の塗装作業性は、通常、溶剤型塗料に比べて劣るため、電着塗装後に加熱硬化を行なう従来の塗装方法に比べて、タレ、ワキ、へこみ、はじきなどの塗面異常が生じやすく、また、平滑性、光沢感等の塗装外観に劣るという問題がある。
電着塗膜上にウェット・オン・ウェットで特定の溶剤型塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法も提案されており(例えば、特許文献2参照)、この塗膜形成方法によれば、へこみ、はじき等の塗面異常は解消されるものの、平滑性、光沢感等の塗装外観レベルは依然として不十分である。
特開2002−86053号公報 特開昭60−193568号公報
本発明の目的は、省工程の観点から電着塗料塗装後の加熱硬化工程を省くことができ且つ優れた仕上がり外観の複層塗膜を形成せしめることができる、電着塗料及び溶剤型塗料をウェット・オン・ウェットで塗装するための改良された複層塗膜形成方法を提供することである。
本発明者らは、被塗物に電着塗料を塗装して電着塗膜を形成せしめ、該電着塗膜が未硬化の状態で、溶剤型塗料を塗装して電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜を一緒に加熱硬化させることからなる複層塗膜形成方法において、溶剤型塗料として、特定範囲の粘度に調整された、特定の親水性溶剤を特定量含有する溶剤型塗料を使用し、且つ溶剤型塗料の塗膜粘度を加熱開始時において特定範囲内とすれば、電着塗料塗装後の加熱硬化工程を省略しても、平滑性、光沢感等の塗装(仕上がり)外観に優れた複層塗膜を形成せしめることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、被塗物に電着塗料を塗装して電着塗膜を形成せしめ、該電着塗膜が未硬化の状態で、その上に溶剤型塗料を塗装し、次いで電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜を一緒に加熱硬化させることを含んでなる複層塗膜形成方法において、溶剤型塗料が塗装時において0.03〜0.5Pa・sの範囲内の粘度を有し且つ沸点が150〜210℃の範囲内にある水に易溶性の親水性溶剤を塗料の固形分重量を基準にして15〜40重量%
の範囲内で含有するものであり、そして加熱開始時の溶剤型塗料の塗膜粘度が5〜50Pa・sの範囲内であることを特徴とする複層塗膜形成方法を提供するものである。
本発明の方法は、被塗物に電着塗料を塗装して電着塗膜を形成せしめ、該電着塗膜が未硬化の状態で、その上に溶剤型塗料を塗装して電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜を一緒に加熱硬化させるにあたり、特定の親水性溶剤を特定量含有する溶剤型塗料を塗装するものであり、本発明の方法によれば、塗装された溶剤型塗料の塗膜中に含まれる該親水性溶剤が隣接下層の電着塗膜中に徐々に拡散・浸透し、その結果、塗布された溶剤型塗料の塗膜の固形分濃度が上昇することにより、塗膜粘度が上昇し、塗膜の耐タレ性が向上する。かくして、本発明の方法によれば、溶剤型塗料を、予め加熱硬化された電着塗膜上に塗装する場合よりも、低粘度で塗装することが可能となって塗膜の平滑性が向上することにより、塗装工程の削減効果に加えて、塗膜の顕著な仕上り性向上効果が得られる。この効果は特に垂直塗装面に対してより顕著であり、本発明の方法によれば、公知の加熱硬化された電着塗膜上に溶剤型塗料を塗装する方法では得られなかった高レベルの仕上り外観を達成することができる。
以下、本発明の複層塗膜形成方法についてさらに詳細に説明する。
被塗物
本発明の複層塗膜形成方法(以下、「本方法」ということがある)を適用し得る被塗物は、特に制限はないが、例えば、自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体であることが好ましい。また、これら車体を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック素材等であってもよい。
また、該被塗物は、上記車体や金属基材の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
電着塗料
本方法で使用し得る電着塗料としては、カチオン型樹脂系及びアニオン型樹脂系のいずれであってもよく、また、水溶性型及び水分散型のいずれであってもよく、それ自体既知のものを使用することができる。自動車の塗装においては、防食性等の観点から、カチオン型樹脂系のものが一般的であり、本方法においてもカチオン型樹脂を含んでなるカチオン電着塗料を好適に使用することができる。
カチオン電着塗料としては、具体的には例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの架橋性官能基及びカチオン性基を有するカチオン型の基体樹脂と、ブロックポリイソシアネ−ト化合物、メラミン樹脂などの架橋剤とを含有するカチオン電着塗料を挙げることができる。
本発明において基体樹脂として好適に使用される水酸基及びカチオン性基を有するカチオン型樹脂としては、例えば、つぎのものを挙げることができる。
(i)ポリエポキシ樹脂とカチオン化剤との反応生成物。
(ii)ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国特許第2450940号明細書参照)を酸でプロトン化したもの。
(iii)ポリイソシアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノもしくはポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの。
(iv)水酸基及びアミノ基含有アクリル系またはビニル系モノマ−の共重合体を酸でプロトン化したもの(特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報参照)。
(v)ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加物を酸でプロトン化したもの(米
国特許第3403088号明細書参照)。
これらのカチオン型樹脂の具体例及び製造方法については、例えば、特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報、特公昭49−23087号公報、米国特許第2450940号明細書、米国特許第3403088号明細書、米国特許第3891529号明細書、米国特許第3963663号明細書などに記載されているので、ここではこれらの引用を以って詳細な説明に代える。
カチオン電着塗料において架橋剤として好適に使用されるブロックポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−もしくは−2,6−ジイソシアネート、1,3−もしくは1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネ−トのビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−もしくはp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;水添MDI及び水添MDIの誘導体;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;等を挙げることができる。
上記ブロック剤としては、フェノール系、ラクタム系、アルコール系、エーテル系、グリコール酸エステル系、乳酸エステル系、オキシム系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、ピラゾール系、イミン系などのそれ自体既知のもの、例えば、フェノール、ε−カプロラクタム、プロピルアルコール、メチルエチルケトオキシム、マロン酸ジエチル、3,5−ジメチルピラゾールなどを使用することができる。
カチオン電着塗料における基体樹脂と架橋剤の構成比率は、厳密に制限されるものではないが、一般には、該両成分の合計固形分重量に基づいて、基体樹脂は40〜90%、特
に50〜80%、そして架橋剤は60〜10%、特に50〜20%の範囲内とするのが好ましい。
カチオン電着塗料は、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、有機溶剤、顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤、酸、触媒などを通常使用されている量で含有することができる。
カチオン電着塗料は、基体樹脂中のカチオン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で中和し、架橋剤及びその他の添加剤と共に水中に混合分散させることにより製造することができ、その水分散液のpHは3〜9、特に5〜7の範囲内にあることが好ましく、また、基体樹脂と架橋剤の合計固形分濃度は5〜30重量%の範囲内が適している。
溶剤型塗料
本方法において使用し得る溶剤型塗料は、通常、自動車、家電機器等の塗装において、電着塗膜上に塗装される中塗り塗料又は上塗り塗料を使用することができ、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の架橋性官能基を有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の基体樹脂と、アミノ樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物等の架橋剤とを含んでなる溶剤型塗料を好適に使用することができる。
ポリエステル樹脂としては、通常、多塩基酸と多価アルコ−ルとをエステル化反応させることによって製造されるものを使用することができる。上記多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などを挙げることができ、また、上記多価アルコ−ルは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、トリエチレングリコ−ル、グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ルなどを挙げることができる。
ポリエステル樹脂としては、また、あまに油脂肪酸、やし油脂肪酸、サフラワ−油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻油脂肪酸、ト−ル油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸などの(半)乾性油脂肪酸などで変性した脂肪酸変性ポリエステル樹脂を使用することもできる。これらの脂肪酸による変性量は一般に油長で30重量%以下であることが好ましい。また、安息香酸などの一塩基酸を一部反応させたものであってもよい。
ポリエステル樹脂は、通常、1000〜50000、特に2000〜20000の範囲内の数平均分子量、20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価及び3〜100mgKOH/g、特に10〜70mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが好ましい。
ポリエステル樹脂への水酸基、カルボキシル基などの架橋性官能基の導入は、例えば、多塩基酸成分及び/又は多価アルコ−ル成分の一部として、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸及び/又は1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコ−ルを使用することにより行うことができ、それによって、ポリエステル樹脂骨格に直接又は間接的に水酸基及び/又はカルボキシル基が結合したポリエステル樹脂を得ることができる。
アクリル樹脂としては、アクリル系単量体を架橋性官能基含有重合性単量体と共重合することによって常法により製造されるものを使用することができる。具体的には、例えば、水酸基含有重合性単量体及び/又はカルボキシル基含有重合性単量体とアクリル系単量体を含有する重合性単量体成分を通常の条件下で共重合せしめることによって製造することができる。
アクリル樹脂は、通常、1000〜50000、特に2000〜20000の範囲内の数平均分子量、20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価及び3〜100mgKOH/g、特に20〜70mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが好ましい。
上記水酸基含有重合性単量体は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−トなどの炭素数2〜20のグリコ−ルと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物などを挙げることができ、また、上記カルボキシル基含有重合性単量体は、1分子中にカルボキシル基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸及びこれらの無水物やハ−フエステル化物などを挙げることができる。
上記アクリル系単量体には、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとのモノエステル化物が包含され、具体的には例えば、メチルアクリレ−ト、メチルメタクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、エチルメタクリレ−ト、プロピルアクリレ−ト、プロピルメタクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、ブチルメタクリレ−ト、ヘキシルアクリレ−ト、ヘキシルメタクリレ−ト、オクチルアクリレ−ト、オクチルメタクリレ−ト、ラウリルアクリレ−ト、ラウリルメタクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタクリレ−トなどを挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。
アクリル樹脂の製造にあたり、上記の水酸基含有重合性単量体、カルボキシル基含有重合性単量体及びアクリル系単量体以外の、その他の重合性単量体を併用することもできる。
その他の重合性単量体としては、例えば、メトキシブチルアクリレ−ト、メトキシブチルメタクリレ−ト、メトキシエチルアクリレ−ト、メトキシエチルメタクリレ−トなどの(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレ−ト、N−t−ブチルアミノエチルアクリレ−ト、N−t−ブチルアミノエチルメタクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレ−トなどのアミノアクリル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体;グリシジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどのグリシジル基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを挙げることができる。
一方、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の基体樹脂と組み合わせて使用し得るメラミン樹脂としては、具体的には例えば、ジ−、トリー、テトラ−、ペンタ−もしくはヘキサ−メチロールメラミン、それらのアルキルエーテル化物(アルキルとしてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる)及びそれらの縮合物などを挙げることができる。市販品として、例えば、三井サイテック インダストリーズ社製の「サイメル254」などのサイメルシリーズ、三井化学社製の「ユーバン20SB」などのユーバンシリーズなどを使用することができる。
メラミン樹脂を架橋剤として使用する場合には、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、及びこれらのスルホン酸とアミンとの塩等を触媒として使用することができる。
また、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の基体樹脂と組み合わせて使用し得るブロックポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−もしくは−2,6−ジイソシアネート、1,3−もしくは1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネ−トのビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−もしくはp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;水添MDI及び水添MDIの誘導体;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;等を挙げることができる。
上記ブロック剤としては、フェノール系、ラクタム系、アルコール系、エーテル系、グリコール酸エステル系、乳酸エステル系、オキシム系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、ピラゾール系、イミン系などのそれ自体既知のもの、例えば、フェノール、ε−カプロラクタム、プロピルアルコール、メチルエチルケトオ
キシム、マロン酸ジエチル、3,5−ジメチルピラゾールなどを使用することができる。
溶剤型塗料における基体樹脂と架橋剤の構成比率は、厳密に制限されるものではないが、一般には、該両成分の合計固形分重量に基づいて、基体樹脂は40〜90%、特に50〜80%、そして架橋剤は60〜10%、特に50〜20%の範囲内とするのが好ましい。
溶剤型塗料は、一般に、基体樹脂及び架橋剤を合計で塗料の重量を基準にして25〜50重量%、特に30〜40重量%の濃度で含有することができる。
溶剤型塗料には、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、表面調整剤、有機溶剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、劣化防止剤、レオロジーコントロール剤、流れ防止剤、沈降防止剤、消泡剤等などの通常の塗料添加剤を配合することができる。
上記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの無機もしくは有機系の着色顔料を挙げることができ、体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイトなどを挙げることができる。
塗料への着色顔料、体質顔料等の配合は、通常、前記の基体樹脂の一部を使用して顔料ペーストをつくり、これを残りの基体樹脂及び架橋剤ならびに塗料添加剤と共に混合することにより行なうことができる。顔料ペーストの作製にあたっては、必要に応じて適宜、消泡剤、分散剤、表面調整剤などの慣用の添加剤を使用することができる。
本発明の一つの特徴は、溶剤型塗料の塗装時の粘度を0.03〜0.5Pa.s、好ましくは0.03〜0.4Pa.s、さらに好ましくは0.04〜0.3Pa.sの範囲内となるように調整し、且つ粘度調整された溶剤型塗料が150〜210℃、好ましくは160〜200℃、さらに好ましくは160〜190℃の範囲内の沸点を有する水に易溶性の親水性溶剤を塗料の固形分重量を基準にして15〜40重量%、好ましくは15〜35重量%、さらに好ましくは20〜35重量%の範囲内で含有するようにする点にある。ここで、「水に易溶性」とは、室温(20℃)において蒸留水と相分離を生じることなく任意の割合で混和し、透明な溶液を形成することを意味する。
150〜210℃の範囲内の沸点を有する水に易溶性の親水性溶剤としては、例えば、以下のものを例示することができる。
フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類;
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール及びエーテル類;
酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸n−ブチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエステル又はエーテルエステル類;
アセトニルアセトン、アミノメチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類。
これらの親水性溶剤のうち、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールが特に好適である。
これらの溶剤はそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができ、溶剤型塗料に使用される基体樹脂や併用される他の有機溶剤の種類等に応じて適宜選択することができる。使用する親水性溶剤の沸点が150℃より低いと、形成される塗膜の平滑性が低下する可能性があり、逆に210℃より高いと、塗膜がタレやすくなる傾向がみられる。また、親水性溶剤の含有量が15重量%未満であると、形成される複層塗膜の仕上り性向上効果が小さくなり、逆に40重量%より多いと、塗膜がタレやすくなる可能性がある。
塗膜形成方法
本方法における電着塗装は、電着塗料がカチオン型である場合には、被塗物をカソードとして、そしてアニオン型である場合には、被塗物をアノードとして行なうことができる。より具体的には、例えば、カチオン電着塗料の場合、被塗物をカソ−ドとし且つ炭素板をアノ−ドとし、浴温20〜35℃、電圧100〜400V、電流密度0.01〜5A及び通電時間1〜10分の条件下で行うことができる。電着塗料の塗装膜厚は、通常、硬化膜厚として10〜40μm、好ましくは15〜30μmの範囲内であることができる。
次いで、電着塗膜を10〜30分間セッティングした後、あるいは必要に応じて電着塗膜中の水分の揮発を促進させるために約50〜約120℃の温度で3〜15分間プレヒートした後の未硬化の電着塗膜上に、塗料粘度が0.03〜0.5Pa.s、好ましくは0.03〜0.4Pa.s、さらに好ましくは0.04〜0.3Pa.sの範囲内となるように調整された溶剤型塗料を塗装する。なお、溶剤型塗料の塗装時の粘度は、動的粘弾性測定装置を用い、温度25℃及び正弦波条件の加振周波数1.6Hzの条件下で測定したときの複素粘性率・SUP>*であって、動的粘弾性測定装置としては、Rheosol−G3000(ユービーエム社製、商品名)を用いることができる。溶剤型塗料の塗装時の粘度が0.03Pa・s未満であると、溶剤型塗料塗膜の耐タレ性が低下することがあり、反対に、0.5Pa・sを越えると、塗膜の平滑性等の仕上り外観が低下する可能性がある。
溶剤型塗料の塗装時の粘度の調整は、前述の沸点が150〜210℃の範囲内にある水に易溶性の親水性溶剤を、必要に応じて通常の塗料用有機溶剤と組合せて添加することにより行うことができる。その際の水に易溶性の親水性溶剤の使用量は、粘度調整後の溶剤型塗料が水に易溶性の親水性溶剤を塗料の固形分重量を基準にして15〜40重量%の範囲内で含有するようなものでなければならない。したがって、粘度調整のためにそれ以上の溶剤が必要である場合等には、通常の塗料用有機溶剤を併用することができる。
溶剤型塗料の塗装方法は、特に限定されるものではなく、常法を用いることができ、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などが挙げられ、これらの塗装方法によりウエット塗膜を形成することができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加と併用してもよい。この中でも特に静電印加による回転霧化塗装が好ましい。また、かかる塗装方法は、所望の膜厚が得られるまで、1回ないし数回に分けて行うことができる。溶剤型塗料の膜厚は、通常、硬化膜厚として20〜40μm、好ましくは25〜35μmの範囲内とすることができる。
溶剤型塗料の塗装後、形成される溶剤型塗料塗膜は、通常、セッティングされる。このセッティングの間に、未硬化の電着塗膜上に塗装された溶剤型塗料塗膜中に含まれる該水に易溶性の親水性溶剤は、未硬化の電着塗膜中に徐々に拡散・浸透していくため、塗布された溶剤型塗料塗膜の固形分濃度が上昇し、それに伴って溶剤型塗料塗膜の粘度が上昇す
る。
本方法の一つの特徴は、塗装後溶剤型塗料の塗膜粘度が上昇し、加熱開始時における溶剤型塗料の塗膜粘度が5〜50Pa・s、好ましくは10〜50Pa・s、さらに好ましくは10〜30Pa・sの範囲内にある点にある。該塗膜粘度が5Pa・s未満であると、溶剤型塗料塗膜の耐タレ性が低下することがあり、反対に50Pa・sを越えると、塗膜の平滑性等の仕上り外観が低下する可能性がある。なお、溶剤型塗料の塗膜粘度は、溶剤型塗料塗膜の一部をヘラ等で採取し(この採取は、電着塗膜を含むことなく、溶剤型塗料塗膜のみを採取するように注意しなければならない)、前記と同様にして測定することができる。
本方法において、加熱開始時における溶剤型塗料の塗膜粘度は、上記の範囲内にあり、加熱により電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜からなる複層塗膜を一緒に硬化させる。溶剤型塗料の塗装から加熱開始までのセッティングの時間は、塗装雰囲気の温湿度条件、溶剤型塗料塗膜中の水に易溶性の親水性溶剤の含有量等にもよるが、通常、3〜15分間程度である。
電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜からなる複層塗膜の加熱硬化は、それ自体既知の加熱手段を用いて行うことができる。例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を使用することができる。加熱温度は、通常、80〜180℃、好ましくは100〜160℃の範囲内が適しており、また、加熱時間は、複層塗膜の硬化が完了するまで、通常、10〜40分間程度とすることができる。
以上に述べた本方法により、工程削減効果に加え、溶剤型塗料塗膜の平滑性とタレ性をこれまでにない高いレベルで両立させることができ、しかも、溶剤型塗料を、予め加熱硬化された電着塗膜上に塗装する場合よりも低粘度で塗装することが可能となるため塗膜の平滑性が向上し、顕著な仕上り性向上効果も併せて得ることができる。
本方法により形成される複層塗膜上には、必要に応じて、ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料、クリヤ塗料などの上塗り塗料を、既知の方法に従い、1コ−ト1ベイク方式(1C1B)、2コ−ト1ベイク方式(2C1B)、2コ−ト2ベイク方式(2C2B)、3コ−ト1ベイク方式(3C1B)などにより塗装することができる。
本方法は特に自動車塗装に際して好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものであり、また、膜厚は硬化塗膜に基くものである。
製造例1:カチオン電着塗料の製造
エポキシ当量630のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂(「エピコ−ト1002」商品名、シェル化学社製、)1260部をブチルセロソルブ450部に溶解し、p−ノニルフェノ−ル132部及びN−メチルエタノ−ルアミン105部を加え、140℃まで昇温させ、同温度で反応させて、固形分77%及びアミン価52の付加エポキシ樹脂を得た。この樹脂130部にブロックポリイソシアネート化合物(硬化剤)(注1)30部及びポリプロピレングリコ−ル(数平均分子量4000)1.3部を加えた後、酢酸2.1部を添加して水溶化し、ついで20%酢酸鉛水溶液6.5部を加えてから、脱イオン水を徐々に加え、固形分30%のエマルジョンを得た。
一方、75%エポキシ系アミン型顔料分散樹脂4.7部を88%ぎ酸水溶液0.16部
で中和した後、脱イオン水22.2部を加え、さらに、チタン白顔料15部、クレ−7部、カ−ボンブラック0.3部、塩基性ケイ酸鉛3.0部及びジオクチル錫オキシド3部を加え、ボールミル分散して、固形分55%の顔料分散ペーストを作製した。
ついで、前記の固形分30%のエマルジョンとこの固形分55%の顔料分散ペーストとを混合した後、脱イオン水で希釈して、固形分19%のカチオン電着塗料を得た。
(注1)ブロックポリイソシアネ−ト化合物:2,6−トリレンジイソシアネ−ト1
4部と水酸基当量425のポリカプロラクトンジオ−ル85部との反応生成物
エチレングリコ−ルの2−エチルヘキシルアルコ−ルモノエ−テル(ブロック
剤)を反応させてなるもの。
製造例2:ポリエステル樹脂溶液の製造
加熱装置、撹拌装置、温度計、精留塔及び水分離器付の還流冷却器を備えた反応器に、イソフタル酸66.4部、ヘキサヒドロ無水フタル酸38.5部、アジピン酸36.5部、トリメチロールプロパン27.3部及びネオペンチルグリコール84部(二塩基酸比0.9)の混合物を入れて窒素ガス雰囲気下で加熱した。次いで、撹拌しながら内容物を160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で1時間保持し、生成した縮合水を精留塔を用いて留去させた。次に、内容物にキシレン5部を加え、キシレンと縮合水を還流させて水分離器を用いて水を取り除いた。キシレン添加の2時間後から酸価を測定しはじめ、酸価が8KOHmg/gになったところで140℃まで冷却して反応を終了させ、酸価8mgKOH/1g樹脂、水酸基価99.8mgKOH/1g樹脂及び重量平均分子量約6000のポリエステル樹脂を得た。冷却後、得られたポリエステル樹脂を混合溶剤(注2)に溶解し、不揮発分70%のポリエステル樹脂溶液を得た。
(注2)混合溶剤:キシレン/スワゾール1000(コスモ石油社製、高沸点石油溶剤
=50/50(重量比)の混合溶剤。
製造例3:溶剤型塗料の製造
顔料分散ペースト(前記不揮発分70%のポリエステル樹脂溶液21.4部、酸化チタン51.5部、カーボンブラック0.5部及びキシレン20部を混合してボールミル分散することにより得た顔料分散ペースト)93.4部に、前記不揮発分70%のポリエステル樹脂溶液78.6部及びスーパーベッカミンL−127−75b(大日本インキ(株)社製、メラミン樹脂、固形分75%)40部を加えて混合して溶剤型塗料を得た。
塗装時に、溶剤型塗料にスワゾール1500(コスモ石油社製、高沸点石油溶剤)及び下記表1に示す量の溶剤を添加し、溶剤型塗料の粘度を下記表1に示す塗液粘度となるように調整した。
塗液粘度の測定は,Rheosol−G3000(ユービーエム社製、商品名)を用いて、温度25℃及び正弦波条件の加振周波数1.6Hzで、直径40mm、コーン角2.03°のコーンを用いて、角シェアーレート10.05rad/secの条件で行った。実施例1
製造例1で得たカチオン電着塗料の電着浴にりん酸亜鉛処理したダル鋼板(300mm×450mm×厚さ0.8mm)をカソ−ドとして浸漬し、30℃、200Vで3分間電着し(膜厚は25μm)、得られた電着塗装されたダル鋼板を80℃で10分間プレヒートした後、下記表1に示す塗液粘度となるように調整された製造例3で得られた溶剤型塗料をエアスプレ−で塗装し(膜厚は35μm)、7分間静置した後、170℃で20分間加熱して、電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜の両塗膜を架橋硬化させた。
得られた複層塗膜の平滑性(水平面)を、サーフコム570A(表面粗度計、東京精密社製)を用いてRa値を測定することにより評価した(数値が小さいほど良好)。その結果を表1に示す。
溶剤型塗料の塗装に際し、塗装後7分経過時(加熱硬化開始時)に溶剤型塗料塗膜の一部をヘラで2gほど採取し(この採取は、電着塗膜を含むことなく、溶剤型塗料塗膜のみが採取されるように注意して行った)、塗着塗膜の粘度測定を行なった。
塗着塗膜の粘度測定は、直径25mm、ギャップ0.5〜1.0mmのパラレルプレートに変更する以外は前記塗液粘度の測定と同じ条件で行った。その結果も表1に示す。
また、ワキ性及びタレ性の試験も行なった。その結果も表1に示す。試験方法は以下のとおりである。
あらかじめ端から3cmのところに一列に2cm間隔で直径5mmの穴をあけたダル鋼板(150mm×450mm×厚さ0.8mm;鋼板は横長に使用)を準備し、このダル鋼板に溶剤型塗料を25μmから70μmの範囲内の膜厚が得られるよう傾斜をつけて塗装する。塗装終了後、塗板を塗板立てに立てた状態で、静置し、加熱を行なう以外は上記と同様にして試験板を作製した。
ワキ性は、加熱硬化後の塗膜のワキ跡発生具合を目視で観察し、ワキ跡が発生している箇所の最小膜厚(μm)(ワキ発生膜厚)により評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:60μm以上、
△:50μm以上60μm未満、
×:50μm未満。
タレ性は、穴の下端からの塗膜のタレ跡を目視で観察し、タレ跡の穴下端からの長さが5mm以上となったところの膜厚(μm)により評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:45μm以上、
△:35μm以上45μm未満、
×:35μm未満。
また、本塗板の塗膜の平滑性(垂直面)を上記と同様にサーフコム570Aを用いてRa値を測定することにより評価した。その結果も表1に示す。
実施例2〜5及び比較例1〜7
塗液粘度ならびにスワゾール1500と併用する添加溶剤の種類及び量を表1に示すとおりとする以外は上記実施例1と同様にして試験板を作製し評価した。その結果を下記表1に示す。
なお、表1に記載の添加溶剤において、
Aはエチレングリコールモノブチルエーテル、
Bはジエチレングリコールモノエチルエーテル、
Cはエチル 3−エトキシプロピオネート、
Dはイソプロピルアルコール、
Eはジエチレングリコールモノブチルエーテル
である。添加溶剤A及びBは沸点及び水への溶解性がともに本発明の要件を満足する溶剤、添加溶剤Cは沸点のみが本発明の要件を満足する溶剤、添加溶剤D及びEは水への溶解性のみが本発明の要件を満足する溶剤である。
Figure 2007061747



Claims (1)

  1. 被塗物に電着塗料を塗装して電着塗膜を形成せしめ、該電着塗膜が未硬化の状態で、その上に溶剤型塗料を塗装し、次いで電着塗膜及び溶剤型塗料塗膜を一緒に加熱硬化させることを含んでなる複層塗膜形成方法において、溶剤型塗料が塗装時において0.03〜0.5Pa・sの範囲内の粘度を有し且つ沸点が150〜210℃の範囲内にある水に易溶性の親水性溶剤を塗料の固形分重量を基準にして15〜40重量%の範囲内で含有するものであり、そして加熱開始時の溶剤型塗料の塗膜粘度が5〜50Pa・sの範囲内であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009006285A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法
JP2010022922A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Honda Motor Co Ltd 補修塗装方法

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